JP2007200017A - 利用者案内システム - Google Patents

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哲夫 池田
Motoyasu Sato
元泰 佐藤
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隆 渡辺
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崇 長島
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Abstract

【解決手段】情報信号を電波として送信する送信機と、その情報信号にかかる電波を受信して利用者に対し音声等として伝達する受信機とを備え、その情報信号にかかる電波を送信機から、利用者が通る通路に沿って設けた信号誘導体1を通して受信機へ伝送する。受信機の受信アンテナは利用者が使用する杖4または車椅子5に取り付けられている。信号誘導体1は、磁性体であるフェライトを含有し、利用者誘導目的場所を中心とする受信可能範囲で利用者が通る通路において踏み歩く面に敷設されている。受信機を携帯した視覚障害者等の利用者が受信可能範囲に近付いてその受信可能範囲に侵入すると、送信機と受信機とが信号誘導体1を介して互いに結合されて各種利用者誘導目的場所への案内が開始される。
【効果】視覚障害者等の利用者は、その案内に従って誘導されさえすれば、利用者誘導目的場所に関する各種情報も得ながらその場所へ確実に到着する。
【選択図】図1

Description

本発明は視覚障害者などの利用者を目的場所に誘導する利用者案内システムに関するものである。
横断歩道では例えば「とうりゃんせ」のメロディーなどの音声を流して視覚障害者を案内している。駅等の階段では安全喚起のために「ピンポーン」などの音声を流して視覚障害者を案内している。市役所等の公共施設の入口では壁面に設けた点字により視覚障害者を案内している。一般の道路では黄色の点字ブロックにより視覚障害者を案内している。近年は視覚障害者に対しスピーカによる音声案内を流して案内する場合もあるが、そのような音声による案内は特別な施設の内部に限定されている。また、視覚障害者が携帯する受信機により情報を得るシステムが特殊な場所でのみの利用に限定されて採用されているが、一般的な場所ではそのようなシステムは種々の制約により実現されていない。
従来の利用者案内システムでは、上記横断歩道などの利用者誘導目的場所に対する視覚障害者の位置関係を知らせる手段がなく、視覚障害者がその利用者誘導目的場所へ行って実際にその場所か否かをスイッチ等の操作により確認することが要求されたが、視覚障害者にとってそのような確認動作は必ずしも容易なことではない。また、例えば横断歩道では東西方向の通行時と南北方向の通行時とで共に音声が流れるため、その横断歩道に初めて訪れた視覚障害者はいずれの通行案内かを迷う場合もある。
この発明は、視覚障害者等の利用者を利用者誘導目的場所へ確実に案内する利用者案内システムを提供することを目的としている。
後記実施形態の図面(図1〜12)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる利用者案内システムにおいては、情報信号を電磁波(電波や赤外線等)として送信する送信機2と、その情報信号にかかる電磁波を受信して利用者(例えば視覚障害者)に対し認識可能信号(音声等)として伝達する受信機6とを備え、その情報信号にかかる電磁波を送信機2から、利用者が通る通路に沿って設けた信号誘導体1を通して受信機6へ伝送する。例えば、この信号誘導体1は、磁性を有するものであって、電磁波を伝送し得る導波材(例えばフェライトや磁鉄鉱等の磁性体)を基材(タイル、または、タイルとコンクリートとの複合体など)内に混入したものや、その導波材自体などにより成形することができる。また、例えば、送信機2が送信する電波や受信機6が受信する電波は音声信号とパイロット信号とを一つの搬送波で同時に伝達する変調方式の電波であって、受信機6は、そのような電波を受信した際に受信周波数に同調する手段と、音声や振動等の認識可能信号を利用者に伝達する手段とを備えている。
請求項1の発明では、送信機2からの情報信号である電磁波が信号誘導体1も通って受信機6に伝送されるため、伝送時に電磁波の拡散を防止して送信機2からの情報信号である電磁波を受信機6が確実に受信することができる。
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記受信機6の受信アンテナ7またはその受信機6は利用者が使用する杖4または車椅子5に取り付けられている。請求項2の発明では、利用者が使用する杖4または車椅子5に取り付けられた受信機6の受信アンテナ7またはその受信機6により、送信機2からの情報信号である電磁波を確実に受信することができる。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明において、前記信号誘導体1は電磁波を伝送し得る磁性体としてのフェライトまたは磁鉄鉱を基材内に混入したものである。請求項3の発明では、電磁波を送信機2から受信機6へ確実に伝送するための信号誘導体1を容易に成形することができるとともに、信号誘導体1の強度を維持することができる。
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明において、前記基材は、タイル、または、タイルとコンクリートとの複合体である。請求項4の発明では、信号誘導体1を容易に成形することができるとともに、信号誘導体1の強度を維持することができる。
請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項5の発明において、前記信号誘導体1は、利用者が通る通路において踏み歩く面に敷設されている。請求項5の発明では、信号誘導体1を通路に対し簡単に設置することができる。
請求項1から請求項5のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項6の発明において、前記信号誘導体1には送信機2の送信アンテナ3を結合させている。請求項6の発明では、送信機2からの電磁波を信号誘導体1により受信機6へ確実に伝送することができる。
請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項の発明を前提とする請求項7の発明において、前記送信機2は利用者誘導目的場所に設置され、前記信号誘導体1はその利用者誘導目的場所から延び、その利用者誘導目的場所にあるこの信号誘導体1の基端部から先端部までの範囲を、送信機2が送信する情報信号を受信機6が受信し得る受信可能範囲とし、この受信可能範囲に受信機6の受信アンテナ7が侵入した場合に前記送信機2の電源(例えば太陽電池16や蓄電池17)を入りにするとともに侵入していない場合に前記送信機2の電源16,17を切りにする電源切換部18を備えている。例えば、送信機2からの専用電波を受信可能範囲で受信機6が受信すると、受信機6からの侵入信号を送信機2が検知し、送信機2と受信機6とが結合して利用者案内システムが機能し得る。請求項7の発明では、利用者誘導目的場所を中心とした所定範囲に限定された受信可能範囲で送信機2と受信機6とを必要に応じて結合し、必要以上の電波を使用せず省エネルギー効果を期待でき、さらに人体が電波にさらされる時間を最小限に抑えることができる。
本発明は視覚障害者等の利用者を利用者誘導目的場所へ確実に案内することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる利用者案内システムについて図面を参照して説明する。
図1に示す横断歩道や、図2に示す駅等の階段や、図3に示す工事中の道路や、図4に示す電車のプラットホームや、図5に示す郵便ポストや、図6に示す公共施設例えば市役所等の入口や、図7に示す動物園等の入口や、図8に示す動物園内の施設や、そのほか図示しないが、公園や、歩道の段差や、バス亭や、駅の自動切符売り場や、エレベータの入口などの各種利用者誘導目的場所を中心とする所定範囲で視覚障害者等の利用者が通る通路(屋外の道路や屋内の廊下など、視覚障害者が通行し得るすべての通路)において踏み歩く面には信号誘導体1が帯状に敷設されている。この信号誘導体1は、酸化鉄を含む工業排出物である副生フェライトやフェライトを導波材として混入させた基材としてのタイルを焼成したタイル焼成体、または、このようなフェライト混入タイルと基材としてのコンクリートとの複合体からなる。このような副生フェライトやフェライトは、磁性体であるため、信号誘導体1内で電波等の電磁波を伝送する導波材として機能する。基材内におけるフェライトや副生フェライトの混入比率は5〜100%であり、例えば40%前後の混入比率を採用している。基材内でフェライト等をほぼ均一に混入することが好ましい。基材内におけるフェライトの量で電磁波の伝送性能が左右される。基材内におけるフェライトや副生フェライトの混入比率が小さい場合には基材の体積を増やす必要があるが、信号誘導体1のコストが上がる問題がある。副生フェライトを利用する場合には混入比率を大きくして基材内におけるフェライトの量を増やす必要がある。混入比率を100%にして信号誘導体1の全体をフェライトにより成形してもよい。導波材としては、フェライトに代えて、他の磁性体例えば磁鉄鉱などを採用してもよい。
前記各種利用者誘導目的場所においては、図10に示す送信機2が設置され、図9に示すようにその送信機2から引き出された送信アンテナ3が前記信号誘導体1に結合されている。
一方、図1〜8に示すように視覚障害者が使用する杖4や、図1にのみ示す車椅子5には、図11に示す受信機6の受信アンテナ7が取り付けられている。杖4や車椅子5に対する受信アンテナ7の取付位置については信号誘導体1に近い方が好ましい。受信機6において受信アンテナ7を除く本体6aは、視覚障害者自身が持ち歩いてもよいし、杖4や車椅子5に内蔵させてもよい。また、受信アンテナ7及び本体6aを含む受信機6を視覚障害者自身が持ち歩いてもよい。
前記受信機6が受信し得る電波や前記送信機2が送信し得る電波として、通常は免許不要な所謂微弱電波(電波法第4条の1、電波法施行規則第6条)を用いるが、特別な場合には特定小電力無線局(電波法第4条の3)の免許により運用する微弱電波を用いる。その微弱電波については特定小電力無線局の設備から3メートルの地点での電界強度が500μV/m以下と定められているので、この電界強度の下で安定に動作する受信機6や送信機2を採用する。ここで用いる電波の周波数としては、前記各種利用者誘導目的場所の存在する地域で用いられている周波数以外の周波数を選択し、地域ごとに異なる周波数となることもあり得る。
図10に示す前記送信機2においては、前記各種利用者誘導目的場所を示す情報やそのほか当該場所に関する必要情報を記録した音声情報記録器8からの出力信号と、送受信に利用する上記電波であることを示すパイロット信号発生器9からの出力信号とが結合器10で結合された後にその結合信号が符号器11または暗号器11に至り、図12に示すように音声情報とパイロット信号とが重畳されて符号化される。さらに、この符号器11または暗号器11からの出力信号と搬送波発生器12からの出力信号とが結合器13で結合された後にその結合信号が増幅器14で増幅されて送信アンテナ3に至る。その送信アンテナ3から出力される信号は、音声信号とパイロット信号とを一つの搬送波で同時に伝達する変調方式の電波であり、送信の際に一般の人への漏洩を防止すべく特殊な変調方式を採用する。この送信機2の主電源は、電源スイッチ部15が入りの場合に太陽電池16または蓄電池17から供給され、特別な場合を除いて商用電源を用いない。
前記送信アンテナ3からの電波は、前記信号誘導体1内に混入させたフェライト等の磁性体で生じる導波路により、必要以上に拡散することなく信号誘導体1の延設方向に沿って伝送される。この信号誘導体1の寸法については、タイルとしての制限はあるものの、焼成した材料の誘電率と透磁率によって最適の寸法が存在するので、用いる周波数によって必要な枚数のタイルを所望の導波方向に配置することができる。この信号誘導体1により伝送された電波は、図11に示す前記受信機6の受信アンテナ7により受信される。この信号誘導体1の周りに生じる電磁界により、受信機6が信号誘導体1に対し数十センチから1メートル位まで離れていても受信することができる。
前記送信機2では、前記電源スイッチ部15が切りの状態でも、前記送受信用電波とは異なる極微弱な専用電波が送信アンテナ3から信号誘導体1を通って伝送され、その伝送範囲(受信可能範囲)に前記受信機6の受信アンテナ7が侵入した場合に、送信機2で電源切換部18が受信機6からの侵入信号に基づきその侵入を検知して電源スイッチ部15を入りに切り換える。
前記受信機6においては、受信アンテナ7により受信された電波が検波回路19を経て分岐回路20でパイロット信号検出回路21と音声信号検出回路22とに分岐される。このパイロット信号検出回路21では、自動同調回路23により、指定された周波数範囲を受信するように自動的に同調周波数を掃引し、指定されたパイロット信号を受信して速やかに同調周波数を固定する。そのため、受信アンテナ7の利得を向上させて受信感度を良くすることができる。この音声信号検出回路22では、変換された音声が増幅回路24で増幅されてスピーカ25またはヘッドフォン25により視覚障害者に対し認識可能信号として伝達される。また、前記パイロット信号検出回路21からの出力信号を振動発生回路26により振動(音声信号でなく単なる振動やモールス符号等の信号による振動)に変換し、その振動を振動伝達器27により視覚障害者に対し認識可能信号として伝達することもできる。
さて、受信機6を携帯した視覚障害者等の利用者が受信可能範囲に近付いてその受信可能範囲に侵入すると、送信機2と受信機6とが信号誘導体1を介して互いに結合されて各種利用者誘導目的場所への案内が開始される。例えば、図1に示す横断歩道では、横断歩道の渡り始め位置と渡り終り位置とをアナウンスすると同時に、信号が緑になっている残り時間や、交差点の地名や、交差している道路名などをアナウンスする。図2に示す駅等の階段では、階段の存在を知らせると同時に、階段の始まりや、階段の段数や、階段の終わりなどをアナウンスする。図3に示す工事中の道路では、工事期間や工事場所をアナウンスすると同時に、迂回道路への案内をなどをアナウンスする。図4に示す電車のプラットホームでは、プラットホームの端を知らせると同時に、プラットホームの長さや電車の進行方向などをアナウンスする。図5に示す郵便ポストでは、道路からの引き込み距離などをアナウンスする。図6に示す公共施設例えば市役所等の入口では、道路からの引き込み距離や、階段の有無や、入口のドアの状態などをアナウンスする。図7に示す動物園等の入口では、入場券の発売場所や発売方法や価格などのアナウンスと、入口への誘導及び入場方法などをアナウンスする。図8に示す動物園内の施設では、動物の説明などをアナウンスする。従って、視覚障害者等の利用者は、その案内に従って誘導されさえすれば、利用者誘導目的場所に関する各種情報も得ながらその場所へ確実に到着する。
本実施形態に係る利用者案内システムを横断歩道に採用した説明図である。 上記利用者案内システムを駅等の階段に採用した説明図である。 上記利用者案内システムを工事中の道路に採用した説明図である。 上記利用者案内システムを電車のプラットホームに採用した説明図である。 上記利用者案内システムを郵便ポストに採用した説明図である。 上記利用者案内システムを市役所等の入口に採用した説明図である。 上記利用者案内システムを動物園等の入口に採用した説明図である。 上記利用者案内システムを動物園等内の案内に採用した説明図である。 上記利用者案内システムに設置する信号誘導体を示す斜視図である。 上記利用者案内システムに設置する送信機を示す電気ブロック回路図である。 上記利用者案内システムに設置する受信機を示す電気ブロック回路図である。 上記利用者案内システムに採用する信号形式を示す線図である。
符号の説明
1…信号誘導体、2…送信機、3…送信アンテナ、4…杖、5…車椅子、6…受信機、7…受信アンテナ、16…電源としての太陽電池、17…電源としての蓄電池、18…電源切換部。

Claims (7)

  1. 情報信号を電磁波として送信する送信機と、その情報信号にかかる電磁波を受信して利用者に対し認識可能信号として伝達する受信機とを備え、その情報信号にかかる電磁波を送信機から、利用者が通る通路に沿って設けた信号誘導体内に含む導波材としての磁性体を介して受信機へ伝送することを特徴とする利用者案内システム。
  2. 前記受信機の受信アンテナまたはその受信機は利用者が使用する杖または車椅子に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の利用者案内システム。
  3. 前記信号誘導体は電磁波を伝送し得る磁性体としてのフェライトまたは磁鉄鉱を基材内に混入したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の利用者案内システム。
  4. 前記基材は、タイル、または、タイルとコンクリートとの複合体であることを特徴とする請求項3に記載の利用者案内システム。
  5. 前記信号誘導体は、利用者が通る通路において踏み歩く面に敷設されていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれかの請求項に記載の利用者案内システム。
  6. 前記信号誘導体には送信機の送信アンテナを結合させたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれかの請求項に記載の利用者案内システム。
  7. 前記送信機は利用者誘導目的場所に設置され、前記信号誘導体はその利用者誘導目的場所から延び、その利用者誘導目的場所にあるこの信号誘導体の基端部から先端部までの範囲を、送信機が送信する情報信号を受信機が受信し得る受信可能範囲とし、この受信可能範囲に受信機の受信アンテナが侵入した場合に前記送信機の電源を入りにするとともに侵入していない場合に前記送信機の電源を切りにする電源切換部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれかの請求項に記載の利用者案内システム。
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