JP2004133701A - 視覚障害者誘導装置、視覚障害者進路案内装置、杖および視覚障害者歩行支援システム - Google Patents

視覚障害者誘導装置、視覚障害者進路案内装置、杖および視覚障害者歩行支援システム Download PDF

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Abstract

【課題】横断歩道等の入口で適正な横断開始位置(中央部)へ視覚障害者を誘導することのできる視覚障害者誘導装置等を提供する。
【解決手段】横断歩道2の入口近傍を複数に分割した区画領域30a〜30jへ検出光を個別に照射し、白杖40に設けた反射体からの反射光の有無を区画領域別に検出し、視覚障害者の検出された区画領域のみに向けて、その区画領域の位置に応じた位置修正情報を載せた誘導信号(光を変調して)を送出する。視覚障害者に所持してもらう白杖は、誘導信号を受信したとき、その位置修正情報に応じた態様で振動する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、横断歩道等の通行領域において視覚障害者の安全な歩行を支援するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
横断歩道を安全にわたることができるように視覚障害者を支援する装置としては、たとえば、交差点が有ることを示す情報や歩行者用信号機の現示色を示す情報を載せた電波や特定波長の光を横断歩道の近傍に放射したり、横断歩道の入口付近の点字ブロックを取り囲むように敷設したループアンテナから送出したりするとともに、視覚障害者に特定の受信機を所持してもらい、この受信機が先の電波や光を受信したとき、音声や振動によって交差点の存在等を視覚障害者に通知するものがある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0003】
また横断歩道の入口近傍上方に設置した発受光装置から下方に向けて光を照射し、視覚障害者が持っている白杖からの反射光の有無を検出し、反射光が検出されたとき、交差点の入口に居ることを示す情報や交差点名などの情報を音声で視覚障害者に知らせるものがある。
【0004】
さらに、歩行者がわたる方向に沿って赤外光ビームを横断歩道に照射するとともに、この赤外光ビームをFM変調あるいはディジタル変調して各種情報を載せ、この赤外光を受信した際に報知音等を発生する受信機を視覚障害者に所持してもらい、赤外光が良好に受信される状態を維持しながら歩行することで、横断歩道から外れないように視覚障害者を支援するシステムがある。
【0005】
また視覚障害者の歩行を支援する装置として、視覚障害者が進むべき道のりに沿ってアンテナを敷設し、アンテナからの電磁誘導によって音声メッセージを発する受信機を視覚障害者に所持してもらい、音声メッセージを頼りに歩行してもらうことで、敷設されたアンテナに沿った進路に視覚障害者を案内するシステムがある(たとえば、特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−117479号公報
【特許文献2】
特開2002−109680号公報
【特許文献3】
特開2001−155287号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の装置は、視覚障害者が横断歩道の入口近傍に居るか否かを検知するだけで、個々の視覚障害者が横断歩道の入口の中央付近に居るのか左右の端に居るのかなどの詳細な位置情報を検出していない。このため、詳細な位置情報を視覚障害者に提供して安全性のより高い横断歩道の中央付近へ視覚障害者を適切に誘導することができなかった。
【0008】
また、視覚障害者への音声メッセージを交差点付近に放送するものでは、たとえば横断歩道の入口の右端と左端に視覚障害者が居た場合に、それぞれの視覚障害者に詳細な位置情報を個別に通知することができなかった。また視覚障害者に所持してもらう受信機から音声を発生する場合には、各受信機に個別の情報を送出することも可能であるが、元々、視覚障害者の詳細な位置を個別に検出していないので、各視覚障害者の居る位置に応じた適切な誘導情報を提供することはできなかった。また受信機から音声を流した場合でも周囲の騒音状況によってはメッセージが聞き取り難い場合が生じる。さらに音声メッセージの聞き取りに神経を使うために、視覚障害者にとって重要な周囲の音情報に対する注意力が低減してしまうという問題もあった。
【0009】
赤外線ビームで進路を案内するものでは、ビームの照射範囲が3〜7メートル程度と比較的広いので、精度の高い位置情報を提供することができなかった。さらに進路に沿ってアンテナを敷設あるいは架設するものでは、大掛かりな設置工事が必要になる。また受信機を手に保持してもらう場合には、白杖と受信機の双方によって視覚障害者の両手が塞がってしまうという問題もある。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、各視覚障害者に自分の居る位置に応じた適切な誘導情報を提供すること、横断歩道を渡っている間にも適切な誘導情報を視覚障害者に提供すること、誘導情報を個別にかつ周囲の騒音に影響されずに視覚障害者に伝達すること、周囲の音情報への注意力を阻害しないこと、装置の設置が容易であること、白杖を持たない方の視覚障害者の手の自由を阻害しないことの可能な視覚障害者誘導装置、視覚障害者進路案内装置、杖および視覚障害者歩行支援システムを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]通行領域(2)への適正な進入位置に視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置(10)において、
前記通行領域(2)の入口近傍(30)をその幅方向に複数の区画領域(30a〜30j)に分割し、
予め定めた基準位置に対する位置修正情報であって各区画領域(30a〜30j)の位置に対応したものを載せた誘導信号を前記区画領域別に送信する誘導信号送信手段(11、12、21、22)を有する
ことを特徴とする視覚障害者誘導装置(10)。
【0012】
[2]前記誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、前記区画領域(30a〜30j)別に光を照射する発光手段(11)と、前記発光手段(11)が照射する光を変調して前記位置修正情報を前記光に載せる変調手段(21)とを有する
ことを特徴とする[1]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0013】
[3]通行領域(2)への適正な進入位置に視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置(10)において、
前記通行領域(2)の入口近傍(30)をその幅方向に複数に分割した区画領域(30a〜30j)別に視覚障害者の有無を検出する検出手段(11、13、14、23、24)と、
前記検出手段(11、13、14、23、24)によって視覚障害者の検出された区画領域(30a〜30j)に向けて、予め定めた基準位置に対する位置修正情報であってその区画領域(30a〜30j)の位置に対応したものを載せた誘導信号を送信する誘導信号送信手段(11、12、21、22)とを有する
ことを特徴とする視覚障害者誘導装置(10)。
【0014】
[4]前記検出手段(11、13、14、23、24)は、前記区画領域(30a〜30j)別に光を照射する発光手段(11)と、前記発光手段(11)の照射した光の反射光を受光する受光手段(13)とを有し、視覚障害者の有する反射体からの反射光の有無によって、視覚障害者の有無を区画領域別に検出するものである
ことを特徴とする[3]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0015】
[5]前記発光手段(11)は、前記区画領域(30a〜30j)別に発光部(11)を有し、1区画領域ずつ時分割で光を照射する
ことを特徴とする[4]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0016】
[6]前記誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、前記検出手段(11、13、14、23、24)によって視覚障害者の検出された区画領域(30a〜30j)に向けて前記発光手段(11)が照射する光を変調することで、前記光を前記誘導信号化するものである
ことを特徴とする[4]または[5]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0017】
[7]視覚障害者の進行方向を判別する方向判別手段(22)をさらに有し、
前記通行領域(301)の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリア(310、320)を前記入口までの距離が異なるように複数列設定するとともに、それぞれの検知エリア(310、320)を前記複数の区画領域(A1〜A5、B1〜B5)に分割し、
前記検出手段(11、13、14、23、24)は、検知エリア(310、320)別かつ前記区画領域(A1〜A5、B1〜B5)別に視覚障害者の有無を検出し、
前記方向判別手段(22)は、前記検出手段(11、13、14、23、24)が視覚障害者を検出した順序によって視覚障害者の進行方向を判別し、
前記誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、検出された視覚障害者の進行方向が前記通行領域(301)から出て行く向きのとき、前記視覚障害者の検出された区画領域に向けての前記誘導信号の送信を停止する
ことを特徴とする[3]、[4]、[5]または[6]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0018】
[8]通行領域(301)を通る視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置(10)において、
前記通行領域(301)の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリア(310、320)を前記入口までの距離が異なるように複数列設定し、
前記検知エリア(310、320)別に視覚障害者の有無を検出する検出手段(11、13、14、23、24)と、
前記検出手段(11、13、14、23、24)が視覚障害者を検出した順序によって視覚障害者の進行方向を判別する方向判別手段(22)と、
視覚障害者を誘導するための誘導情報を前記方向判別手段(22)の判別結果に基づいて送出する誘導情報送出手段(11、12、21、22)とを有する
ことを特徴とする視覚障害者誘導装置(10)。
【0019】
[9]前記誘導情報送出手段(11、12、21、22)は、前記方向判別手段(22)の判別結果が前記通行領域(301)から出て行く向きのとき、前記誘導情報の送出を停止する
ことを特徴とする[8]に記載の視覚障害者誘導装置(10)。
【0020】
[10]通行領域(230)内の適正箇所を通るように視覚障害者の進路を案内する視覚障害者進路案内装置(200)において、
前記通行領域(230)内の適正箇所を通るように視覚障害者を誘導するための位置修正情報を少なくとも載せた誘導信号を、少なくとも前記通行領域(2)の幅方向端部に沿って伸びる区画領域(241、242)へ送信する誘導信号送信手段(201、202、210、220)を有する
ことを特徴とする視覚障害者進路案内装置(200)。
【0021】
[11]通行領域(230)内の適正箇所を通るように視覚障害者の進路を案内する視覚障害者進路案内装置(200)において、
前記通行領域(230)をその通行方向に沿って伸びる複数の区画領域に分割し、
前記通行領域(230)内の適正箇所を通るように視覚障害者を誘導するための位置修正情報であって各区画領域の位置に対応したものを少なくとも載せた誘導信号を前記区画領域別に送信する誘導信号送信手段(201、202、210、260)を有する
ことを特徴とする視覚障害者進路案内装置(200)。
【0022】
[12]前記誘導信号送信手段(201、202、210)は、前記区画領域別に光を照射する発光手段(201、220、260)と、前記発光手段(201)が照射する光を変調して前記位置修正情報を前記光に載せる変調手段(211)とを有する
ことを特徴とする[10]または[11]に記載の視覚障害者進路案内装置(200)。
【0023】
[13]1つの区画領域を通行方向に並ぶ複数の単位領域に分割し、
前記誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)の発光手段(220、260)は、前記単位領域毎に発光部(201)を有するとともに、前記通行領域(230)の通行方向の端部上方に設けられ、それぞれの発光部(201)のビームの広がりと取付角度が、担当する単位領域を照射するように設定されている
ことを特徴とする[12]に記載の視覚障害者進路案内装置(200)。
【0024】
[14]前記通行領域(230)が横断歩道の場合において、
前記区画領域を前記通行領域(230)の入口付近が含まれないように設定する
ことを特徴とする[10]、[11]、[12]または[13]に記載の視覚障害者進路案内装置(200)。
【0025】
[15]前記誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)を、前記通行領域(230)の通行方向両端に設け、各誘導信号送信手段から、これに向かって進む視覚障害者用の情報を載せた誘導信号を送信する
ことを特徴とする[10]、[11]、[12]、[13]または[14]に記載の視覚障害者進路案内装置(200)。
【0026】
[16]視覚障害者に所持してもらう杖(40)であって、
視覚障害者を誘導するための誘導信号を受信する受信手段(51)と、
触感を通じて情報伝達可能な伝達手段(54)と、
受信した誘導信号に含まれる情報に応じて前記伝達部を制御する制御手段(53)とを有する
ことを特徴とする杖(40)。
【0027】
[17]前記伝達手段(54)は、振動を引き起こすものであり、
前記制御手段(53)は、受信した誘導信号の内容に応じた態様で前記伝達手段(54)を振動させる
ことを特徴とする[16]に記載の杖(40)。
【0028】
[18]視覚障害者が握る向きを一定方向に規制する把持角度規制手段を設け、
前記受信手段(51)は、視覚障害者が当該杖(40)を握った際に視覚障害者の前方となる方向への指向性を有する
ことを特徴とする[16]または[17]に記載の杖(40)。
【0029】
[19]光を再帰反射させる反射体を有する
ことを特徴とする[16]、[17]または[18]に記載の杖(40)。
【0030】
[20][1]から[7]のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置(10)と、
[16]から[19]のいずれかに記載の杖(40)とを有する
ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
【0031】
[21][10]から[15]のいずれかに記載の視覚障害者進路案内装置(200)と、
[16]から[19]のいずれかに記載の杖(40)とを有する
ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
【0032】
[22][1]から[7]のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置(10)と、
[10]から[15]のいずれかに記載の視覚障害者進路案内装置(200)と、
[16]から[19]のいずれかに記載の杖(40)とを有する
ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
【0033】
[23][15]に記載の視覚障害者進路案内装置(200)と、前記通行領域(230)の通行方向両端にそれぞれ設けられた弁別信号送信手段と、[16]から[19]のいずれかに記載の杖(40)とを備え、
前記視覚障害者進路案内装置(200)の誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)は、送信元を識別するための送信元識別情報を含む誘導信号を送信し、
前記弁別信号送信手段は、受信すべき誘導信号の送信元を示した送信元指定信号を前記通行領域(230)の入口付近に向けて送信し、
前記杖(40)の受信手段(51)は、前記送信元指定信号を受信し、
前記杖(40)の制御手段(53)は、通行領域(230)の入口で受信した前記送信元指定信号の示す送信元からの誘導信号に基づいて前記伝達手段(54)を制御する
ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
【0034】
[24][1]から[7]のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置(10)をさらに有する
ことを特徴とする[23]に記載の視覚障害者歩行支援システム。
【0035】
[25]通行領域(301)を通る視覚障害者を誘導する視覚障害者歩行支援システムにおいて、
前記通行領域(301)側に設置される領域表示信号送信手段(11、12、21、22)と、視覚障害者に所持してもらう杖(40)とを備え、
前記通行領域(301)の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリア(310、320)を前記入口までの距離が異なるように複数列設定し、
領域表示信号送信手段(11、12、21、22)は、検知エリア(310、320)別の識別情報を含む領域表示信号をそれぞれの検知エリア(310、320)に送信し、
前記杖(40)は、受信手段(57)と、判別手段(53)と、伝達手段(54)とを備え、
前記受信手段(57)は、前記領域表示信号を受信し、
前記判別手段(53)は、識別情報の異なる複数の領域表示信号を受信した際の受信順序に基づいて当該杖を所持する視覚障害者の進行方向を判別し、
前記伝達手段(54)は、視覚障害者を誘導するための誘導情報を視覚障害者に伝達するものであって、前記誘導情報を伝達するか否かを前記判別手段の判別結果に基づいて制御する
ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
【0036】
次に、前記各項に記載された発明の作用について説明する。
横断歩道の入口など通行領域(2)の入口近傍(30)を複数の区画領域(30a〜30j)に分割する。たとえば、通行領域(2)の入口近傍部分(30)を左領域(33)、中央領域(32)、右領域(31)に分割する。誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、予め定めた基準位置に対する位置修正情報であって各区画領域(30a〜30j)の位置に対応したものを少なくとも載せた誘導信号をそれぞれの区画領域へ個別に送信する。
【0037】
上記の例では、右領域(31)へは、現在位置が右寄りであることや左側へ少し移動すべきこと等の誘導情報を送信する。左領域(33)へは、現在位置が左寄りであることや右側へ少し移動すべきこと等の誘導情報を送信する。中央領域(32)へは、現在位置が中央であることや左右への移動が不要であること等の誘導情報を送信する。中央であることを通知することで、視覚障害者に安心感を与えることができる。
【0038】
なお誘導信号には、位置修正情報のほかに他の情報を載せてもよい。たとえば、交差点名、信号機の現示色(赤、黄、青等)にかかわる情報や、交差点をわたりきるまでの距離情報などを載せるように構成してもよい。
【0039】
このように、区画領域(30a〜30j)の位置に対応した誘導情報をそれぞれの区画領域に向けて送信するので、視覚障害者の居る場所に応じた適切な位置修正情報を提供することができる。その結果、たとえば、横断歩道の入口において横断歩道の中央へ視覚障害者を誘導することができ、最も安全な位置から横断を開始することが可能になる。なお、通行領域(2)は横断歩道に限定されず、自動ドアを有するビルの入口領域やホームにおいて電車のドアが開く乗降領域など、一定幅の間口を有する通行領域(2)であればよい。
【0040】
誘導信号として、レンズ等で指向性を得やすい光を用いるものでは、目的の区画領域に絞って容易に誘導信号を送信することができる。
【0041】
また分割された区画領域(30a〜30j)別に視覚障害者の有無を検出手段(11、13、14、23、24)で検出し、視覚障害者の検出された区画領域に向けて、その区画領域の位置に応じた位置修正情報を載せた誘導信号を誘導信号送信手段(11、12、21、22)から送出する。このように、視覚障害者の存在が確認された区画領域にだけ誘導信号を送出するので、区画領域同士の境界付近で2種類の誘導情報を受信して、混同をきたすような事態を回避することができる。
【0042】
検出手段(11、13、14、23、24)は、発光手段(11)と、受光手段(13)とを有し、区画領域(30a〜30j)別に光を照射し、視覚障害者の保持する所定の反射体からの反射光の有無によって、視覚障害者の有無を区画領域別に検出する。たとえば、区画領域毎に発光部(11)を設け、1区画領域ずつ時分割で光を照射する。受光手段(13)は、すべての区画領域(30a〜30j)を受光領域とし、どの区画領域に向けて光を照射している期間に反射光を受信したかによって、視覚障害者の居る(反射体の存在する)区画領域を判別する。
【0043】
このほか、1つの区画領域にだけ光が照射されるように指向性を強くした発光部(11)と、1つの区画領域だけを受光範囲とする受光部(13)とを設け、複数の発光部(11)を同時に発光させる構成としても良い。また区画領域(30a〜30j)の境界部分で隙間を生じさせないために光を重畳させることを考慮した場合には、少なくとも隣り合う区画領域同士への発光が同時に行われないようにして、複数の発光部(11)を同時発光させてもよい。たとえば、発光部を1つおきにグループ化して交互に発光させる等である。
【0044】
また複数の発光部(11)を同時発光させる場合にあっても、1つの受光手段(13)で同時発光しない複数の区画領域からの受光を担当するように構成してもよい。たとえば、発光部を1つおきにグループ化して交互に発光させる場合には、隣合う2つの区画領域に対して1つの受光手段(13)を設けることができる。また送出する光を変調するとともに区画領域(30a〜30j)毎に変調周波数を相違させれば、1つの受光手段(13)で複数または全部の区画領域(30a〜30j)を担当するように構成しても、受光手段(13)の出力信号をスペクトル解析すれば、どの区画領域からの反射光が受光されたかを判別することができ、視覚障害者の居る区画領域を識別することができる。変調周波数に代えて、光のパルス幅や周期を異ならせれば、複数の区画領域(30a〜30j)に向けて同時発光した場合であっても、どの区画領域(30a〜30j)からの反射光が受光されたかを弁別することができる。
【0045】
このように光を用いることにより、レンズ等で強い指向性を得ることができるので、区画領域(30a〜30j)別の検出を容易に行うことが可能になる。また照射した光の反射光を検出すれば良いので、視覚障害者の側から別途の応答信号などを送信する必要がない。
【0046】
誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、検出手段(11、13、14、23、24)によって視覚障害者の検出された区画領域に向けて発光手段(11)が照射する光を変調することで、その光を誘導信号化する。すなわち、発光手段(11)が照射する光を、視覚障害者の有無を検出する目的と、検出された視覚障害者に向けて情報を送信する目的とに共用する。たとえば、検出の目的では、周波数Aで光を変調し、誘導信号化する場合には、周波数A以外の周波数で変調する等である。また光をパルス化して符号化情報を送信するように構成してもよい。たとえば、光を変調する際のパルス幅をA、B、Cの三種類を用意しておき、検出目的の場合はパルスAを、情報送信にはパルスBとパルスCとの組合せ方によって符号情報を送信する等である。また符号化方法の例としてマンチェスタ符号を用いた情報伝送をするようにしてもよい。
【0047】
このように発光手段(11)が照射する光を、視覚障害者の有無を検出する目的と、検出された視覚障害者に向けて情報を送信する目的とに共用することにより、装置の小型化・簡略化を図ることができる。また誘導信号として指向性の得やすい光を用いたので、目的の区画領域に絞って容易に誘導信号を送信することができる。
【0048】
ここで、誘導信号による情報送信の期間は種々に設定することができる。たとえば、▲1▼視覚障害者が検出されている間、その区画領域に向けての誘導信号を送信する、▲2▼視覚障害者が検出された時点から一定期間に限って誘導信号を送信する、▲3▼視覚障害者が検出された時点から送信を開始し、検出終了後さらに一定期間が経過するまで送信を継続する、などがある。
【0049】
また、通行領域(301)の入口を視覚障害者がどの方向に通過したかを検出する機能を加え、視覚障害者が通行領域から出て行く方向のとき、その視覚障害者への誘導信号の送信を停止する。具体的には、通行領域(301)の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリア(310、320)を前記入口までの距離が異なるように複数列設定するとともに、それぞれの検知エリア(310、320)を複数の区画領域(A1〜A5、B1〜B5)に分割する。たとえば、入口に近い第1列の検知エリア(310)とこれより少し入口から離れた第2列の検知エリア(320)とを設け、それぞれの検知エリア(310、320)を複数の区画領域(A1〜A5、B1〜B5)に分割する。
【0050】
検出手段(11、13、14、23、24)は、検知エリア(310、320)別かつ区画領域(A1〜A5、B1〜B5)別に視覚障害者の有無を検出する。方向判別手段(22)は、検出手段(11、13、14、23、24)が視覚障害者を検出した順序によって視覚障害者の進行方向を判別する。先の例では、第1列(310)、第2列(320)の順に視覚障害者を検出した場合には、通行領域(301)から出て行く向きに進行していると判別し、第2列(320)、第1列(310)の順に視覚障害者を検出した場合には、通行領域(301)へこれから進入する向きに歩いていると判断する。誘導信号送信手段(11、12、21、22)は、検出された視覚障害者の進行方向が通行領域(301)から出て行く向きのとき、視覚障害者の検出された区画領域に向けての誘導信号の送信を停止する。
【0051】
さらに検知エリア(310、320)別、区画領域(A1〜A5、B1〜B5)別に視覚障害者の進行方向を判別しているので、複数人の視覚障害者が異なる区画領域を異なる方向に通った場合でも、それぞれの視覚障害者の進行方向に対応して区画領域毎に誘導信号の送信可否を選択することができる。
【0052】
たとえば、白杖(40)がスピーカを備えている場合には、通行領域(301)に進入するときは音声による誘導が行われ、通行領域(301)から出るときは音声による誘導を停止する。これにより、白杖(40)から無駄な情報が視覚障害者に送られることが防止されるとともに、白杖(40)のバッテリ消費を低減することができる。
【0053】
なお、検知エリア(310、320)内を複数の区画領域に分割しない場合であっても、複数列の検知エリア(310、320)を設けることによって視覚障害者の進行方向を判別できるので、この判別結果に基づいて、誘導情報の送信を制御してもよい。たとえば、通行領域(301)の脇にスピーカを設置しておき、通行領域へ進入してくる視覚障害者を検出したときは、横断歩道がそこにある旨等の誘導情報をスピーカから流し、通行領域から出て行く視覚障害者を検出した場合には、スピーカからの音声による誘導情報の発信を停止する等である。
【0054】
通行領域(230)から外れないように視覚障害者の歩行を支援する視覚障害者進路案内装置(200)においては、通行領域(230)の内側へ誘導するための位置修正情報を載せた誘導信号を誘導信号送信手段(201、202、210、220)から通行領域(230)の幅方向端部に沿って伸びる区画領域(241、242)へ送信する。たとえば、横断歩道の左端に沿って伸びる左区画領域(242)と、横断歩道の右端に沿って伸びる右区画領域(241)とを設け、左区画領域(242)には、現在位置が左寄りであることや右側へ少し移動すべきこと等の誘導情報を送信する。右区画領域(241)には、現在位置が右寄りであることや左側へ少し移動すべきこと等の誘導情報を送信する。
【0055】
このように、通行領域(230)の端に沿って設けた区画領域(241、242)に通行領域(230)の内側へ誘導するための位置修正情報を載せた誘導信号を送信するので、かかる誘導情報を受信しながら横断歩道等の通行領域(230)を渡ることで、長い横断歩道であっても、横断歩道から左右外側へ外れることなく道路を横断すること等が可能になる。
【0056】
また通行領域(230)をその通行方向に沿って伸びる複数の区画領域に分割し、通行領域(230)内の適正箇所を通るように視覚障害者を誘導するための位置修正情報であって各区画領域の位置に対応したものを載せた誘導信号を誘導信号送信手段(201、202、210、260)から区画領域別に送信してもよい。すなわち、左右の端に沿った区画領域(241、242)だけでなく、中央の部分、あるいは中央から左右のいずれかに少し外れた部分などにも区画領域を設け、それぞれの区画領域の位置に対応した情報を区画領域別に送信する。
【0057】
これにより、たとえば、中央の区画領域を通行している際にも、現在、横断歩道の中央を歩いていることを視覚障害者が認識でき、安心感を得ることができる。また多数の区画領域に分割すれば、それだけ詳細な位置情報を視覚障害者に提供することができ、早期に進行方向の修正を行うことも可能になる。
【0058】
誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)は、区画領域別に光を照射する発光手段(201)を有するとともに、発光手段(11)が照射する光を変調して位置修正情報を載せる。このようにレンズによって指向性の得やすい光を変調した誘導信号を用いることにより、目的の区画領域に絞って誘導信号を送ることができる。
【0059】
さらに1つの区画領域を通行方向に並ぶ複数の単位領域に分割し、単位領域毎の発光部(11)を設け、通行領域(230)の通行方向の端の上方からそれぞれの担当する単位領域を照射するように、各発光部(11)のビームの広がりと取付角度を設定する。このように区画領域をさらに細かく分割した単位領域毎に発光部(11)を設けることで、発光部を増設により長い横断歩道にも容易に対応することができる。また横断歩道などの通行領域(230)の通行方向の端の上方、すなわち横断歩道の出入口部分の近傍上方に発光手段(220、260)を設けるので、道路上に敷設する必要がなく、設置が容易になる。
【0060】
通行領域(230)が横断歩道の場合において、誘導信号の送出対象エリアである区画領域を、横断歩道の入口付近が含まれないように設定する。すなわち、横断歩道の通行方向における両端部分を除く領域に誘導信号を送出する。たとえば、横断歩道の入口にも誘導信号を送出する場合には、誤進入を考慮すれば、誘導信号に信号機が青(進行許可)になっている情報を載せない方がよい。これに対して、横断歩道の中央部分にだけ誘導信号を送出する場合には、既に横断を開始しているので、交差点への誤進入を考慮する必要がない。また青信号であるか否かの情報を送れば、横断中の視界障害者に安心感を与えることができる。
【0061】
なお、誘導信号の送出タイミングとして、▲1▼歩行者用信号機が青(進行現示)になっている場合に限り送信する、▲2▼歩行者用信号機が青または黄(注意現示)になっている間に限り(赤でない場合)に送信する、▲3▼歩行者用信号機の現示色を表す情報を誘導信号に載せる場合には、常時、送信する、などの態様が考えられる。
【0062】
誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)を、通行領域(230)の通行方向両端に設け、各誘導信号送信手段から、これに向かって来る視覚障害者用の情報を載せた誘導信号を送信する。通行領域(230)をある方向に歩行する場合と逆方向に歩行する場合とでは、左右が反対になるので、位置修正情報を「右に寄れ」や「左に寄れ」のような内容にすると、歩行者の進行方向別に誘導信号を分けて送出する必要が生じる。そこで、通行領域(230)の両端に誘導信号送信手段を設置し、これらから、それぞれに向かって進行して歩行者用の情報を載せた誘導信号を送出する。
【0063】
このように、誘導信号送信手段に向かって進行してくる視覚障害者用の情報を載せた誘導信号を視覚障害者の正面側(正面上方)から送信するので、視覚障害者自身の背中によって背後からの誘導信号が遮られ、自分の前方からの誘導信号を適切に弁別して受信することが可能になる。特に、誘導信号の受信機に前方への指向性を持たせれば、前方からの誘導信号だけを適切に受信することが可能になる。
【0064】
視覚障害者には、視覚障害者を誘導するための誘導信号を受信する受信手段(51)と、触感を通じて情報伝達可能な伝達手段(54)と、受信した誘導信号に含まれる情報に応じて伝達手段(54)を制御する制御手段(53)とを内蔵した杖(40)を使用してもらう。この杖(40)においては、誘導信号に含まれている情報は、振動の態様(周波数やオンオフの周期など)や形状の変化(持つ部分の凹凸が変化するなど)、表示内容を変更可能に点字を表示するエリアを設けるなどして、触感を通じて伝達される。
【0065】
これにより、音声を通じて伝達する場合に比べて、誘導情報を個別にかつ周囲の騒音に影響されずに視覚障害者に伝達することができる。また触感を利用するので、視覚障害者の周囲の音情報への注意力を阻害せずに済む。点字表示エリアとしては、たとえば、点字を構成する点毎に設けたピンをマトリクス状に配置し、表示すべき点字に対応する位置のピンだけを基準面から少し突出可能に駆動するようにすればよい。ピンの移動は、たとえば電磁的に行ったり、熱膨張を利用して行っても良い。
【0066】
また杖(40)に組み込まれていることから、受信機等を別途に所持する必要がなく、視覚障害者の白杖(40)を持たない手の自由を確保することが可能になる。
【0067】
なお、視覚障害者は白杖(40)を左右に振ることによって、身幅程度の範囲で地面の状況を捉えようとするので、受信手段(51)も同時に左右へ移動することとなり、誘導信号の受信が不安定になったり、区画領域同士の境界位置では、杖(40)を振るたびに、異なる区画領域の誘導信号を交互に受信してしまう可能性もある。そこで、受信された誘導信号に即座に対応して伝達手段(54)を駆動せずに、過敏な応答をある程度抑制した制御を施すことが望ましい。たとえば、同一の誘導信号を一定期間あるいは複数回連続して受信することを条件に伝達手段(54)を駆動したり、異なる誘導信号を交互に受信している間は、それまでに受信していた誘導信号に基づく情報伝達を継続したりする等である。
【0068】
また視覚障害者が握る向きを一定方向に規制する把持角度規制手段を設けるとともに、受信手段(51)に、視覚障害者が当該杖(40)を握った際に視覚障害者の前方となる向きへの指向性を設ける。これにより、前方から到来する誘導信号を背後からのものと弁別して的確に受信することができる。
【0069】
把持角度規制手段としては、たとえば、把持部周囲のうち、一定方向の部分にだけ凹凸やぎざぎざを設けたり、手の形に合わせた凹凸を有するグリップを設けたりする。また、適切な向きに握った場合にだけ塞がる位置か、もしくは塞がらない位置に孔を設け、内部で発生させた特殊な音をこの孔を通じて出力するように構成すれば、音の出具合によって持つ向きの適否を視覚障害者に認識させ、持つ向きを規制することができる。なお、誘導信号の受信部を120度以下の角度間隔で複数(最小3個)設け、各受信部の出力の大小を比較して、誘導信号の送信元の方向を自動検索するように構成してもよい。
【0070】
また上記の杖(40)に光を再帰反射させる反射体を設けたものでは、先に説明した検出手段(11、13、14、23、24)の有する発光手段(11)からの光を受光手段(13)に向けて反射する機能も杖(40)によって同時に果たすことができる。これにより視覚障害者を一般の歩行者と明確に区別して検出することができるとともに、杖(40)とは別に反射体を所持する必要がなく、杖(40)を持たない方の手の自由を確保することが可能になる。なお、杖(40)は上記の視覚障害者誘導装置(10)や視覚障害者進路案内装置(200)とは別の装置から誘導信号を受けるものであってもかまわない。
【0071】
上記の視覚障害者誘導装置(10)と杖(40)、または上記の視覚障害者進路案内装置(200)と杖(40)、または上記の視覚障害者誘導装置(10)と視覚障害者進路案内装置(200)と杖(40)とを組み合わせた視覚障害者歩行支援システムを構成してもよい。
【0072】
さらに、誘導信号送信手段(201、202、210、220、260)を通行領域(230)の通行方向両端に設け、各誘導信号送信手段からこれに向かって来る視覚障害者用の情報と送信元を識別するための送信元識別情報とを含む誘導信号を送信する。また、受信すべき誘導信号の送信元を示した送信元指定信号を通行領域(230)の入口付近に向けて送信する弁別信号送信手段を通行領域(230)の両端にそれぞれ設ける。杖(40)の受信手段(51)は、横断歩道等の入口で送信元指定信号を受信して記憶し、それ以後、杖(40)の制御手段(53)は、通行領域(230)の入口で受信して記憶している送信元指定信号の示す送信元からの誘導信号を弁別し、この送信元指定信号の示す送信元からの誘導信号に基づいて伝達手段(54)を制御する。
【0073】
このように通行領域(230)の入口で進行方向を識別する情報を杖(40)に向けて伝送し、杖(40)はこれを受信して記憶し、進行方向に合致する誘導信号を弁別して伝達手段(54)を制御するので、双方向に通行可能な通行領域にあっても、各視覚障害者の進行方向にあった誘導を行うことができる。
【0074】
なお、入口で登録した送信元指定信号に従って誘導信号を弁別する期間は、たとえば、通行領域(230)の出口で、他方の送信元指定信号(入口で受信した送信元指定信号と異なるもの)を受信した際に終了させたり、誘導信号が受信されなくなってから一定期間の経過後に終了させたり、通行領域(230)を出たことを何らかの方法で認識して、弁別期間を終了させたりしてもよい。また、出口側で入口側での登録をキャンセルするリセット信号を送出してもよい。
【0075】
また、視覚障害者の進行方向を杖(40)の側で判別して、誘導情報を視覚障害者に伝達するか否かを杖側で選択するように構成してもよい。すなわち、入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリア(310、320)を、入口までの距離が異なるように複数列設定し、検知エリア(310、320)別の識別情報を含む領域表示信号をそれぞれの検知エリア(310、320)に領域表示信号送信手段(11、12、21、22)から送信する。杖(40)は、識別情報の異なる複数の領域表示信号を受信したとき、その受信順序に基づいて当該杖を所持する視覚障害者の進行方向を判別し、誘導情報を視覚障害者に伝達するか否かを制御する。なお、領域表示信号によって通行領域(301)への進入を検出したとき、予め杖(40)の内部に設定してある誘導情報(通行領域の入口に来た旨を示す情報等)を音声や振動等によって視覚障害者に伝達するように構成してもよい。
【0076】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる視覚障害者誘導装置10の設置状況等を示している。視覚障害者誘導装置10は、横断歩道2など通行領域の入口の端等に立てた支柱3の上部(たとえば、高さ約4m)に設けられ、横断歩道2の入口近傍に設定した検知エリア30に向けて、光を照射するとともに、白杖40からの反射光を検出して視覚障害者の居る場所を判別するようになっている。
【0077】
白杖40には、視覚障害者誘導装置10から照射された光を、その光の到来方向へ反射(再帰反射)させるための反射体が設けてある。反射体は、反射効率が良好であるとともに、乱反射ではなく再帰反射するので、視覚障害者誘導装置10からの光や太陽光が衣服等に反射した場合に比べて、受光レベルに明確な違いが表れ易いようになっている。
【0078】
検知エリア30は、横断歩道2の入口手前の歩道側にあって横断歩道2の幅方向に広がっている。検知エリア30は、横断歩道2の幅方向に複数の区画領域30a〜30jに分割されている。図1に示す例では、検知エリア30は、10個の区画領域30a〜30jで構成されている。さらに右側の3つの区画領域30a〜30cを右領域31、左側の3つの区画領域30h〜30jを左領域33、中央の4つの区画領域30d〜30gを中央領域32としてグループ化してある。
【0079】
なお検知エリア30の幅を、横断歩道の幅よりもやや広く設定してもよい。このようにすれば、視覚障害者が横断歩道から少し外れた位置に居る場合にも、適正な横断開始位置へ誘導することができる。また横断歩道2の手前に点字ブロックが設置されているような場合には、点字ブロックとその周囲を含む領域を検知エリア30に設定しても良い。すなわち、視覚障害者が点字ブロックを白杖40等で認識した際に立ち止まるであろう範囲を含むように検知エリア30を設定すると良い。
【0080】
図2は、視覚障害者誘導装置10の構成を示している。視覚障害者誘導装置10は、複数の発光部11と、発光部11を駆動するためのドライバ部12と、受光部13と、受光部13の出力信号を増幅するアンプ部14と、制御部20とを有している。制御部20はさらに変調部21と、通信制御部22と、感知制御部23と、A/D変換部24と、感知出力部25とを有している。
【0081】
発光部11は、検知エリア30を構成する各区画領域30a〜30jに1対1に対応付けて設けてあり、1つの発光部が1つの区画領域への照射を担当するようになっている。複数の発光部11は、視覚障害者誘導装置10を支柱3の上部に設置した際に、それぞれの担当する区画領域30a〜30jに光を照射するように、個々のビームの広がりと取付角度が設定されている。なお、発光部11が光を照射する範囲は、地面近傍の高さ(白杖40の存するあたり)において、隣り合うもの同士で若干重複するように設定されている。
【0082】
受光部13は、検知エリア30全体を受光範囲としている。なお、CCDカメラ等のような複数の受光部13を設けて、検知エリア30からの反射光を領域分担して受光するように構成してもよい。制御部20のA/D変換部24は受光部13から出力され、アンプ部14によって増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。変調部21は、発光部11の出力光が所定の周波数でオンオフするように変調する機能を果たす。どのように変調するかは通信制御部22から指示される。
【0083】
通信制御部22は、発光部11の駆動タイミング等を制御するものであり、発光部11を発光させるタイミングや、変調する内容を管理する機能を有する。ここでは、検知エリア30の一端側の区画領域を担当する発光部11から他端側の区画領域を担当する発光部11までを1つずつ順に交代で点灯させることを、繰り返し行う。すなわち、区画領域別に設けた発光部11を1つずつ順に発光させることで1区画領域ずつ時分割で光を照射して検知エリア30全体を光がスキャニングするようになっている。たとえば、10分の1秒で検知エリア30に含まれる10個の区画領域30a〜30jを1回スキャンするには、100分の1秒毎に切り換えて発光部11を駆動することになる。
【0084】
感知制御部23は、発光部11の照射した光の反射光を受光部13が受光したことによって視覚障害者の存在を検出するとともに、どの発光部11が駆動されている期間に反射光を受光したかに基づいて、視覚障害者の居る区画領域を特定するようになっている。たとえば、検知エリア30の右端の区画領域30aを担当する発光部11が駆動されている期間に反射光が受光された場合には、区画領域30aに視覚障害者が居ると判別する。複数の区画領域に視覚障害者が居る場合には、それぞれの区画領域から異なるタイミングで反射光が受光されるので、区画領域毎に個別に視覚障害者の存否を検出することができる。
【0085】
通信制御部22は、感知制御部23によって視覚障害者が検出された区画領域に向けて、その区画領域の位置に対応した位置修正情報を含む誘導信号を送出する。実際には、視覚障害者の検出された区画領域へ向けて送出する光を変調することによって、この光を誘導信号化している。たとえば、区画領域30aにおいて視覚障害者が検出された場合には、区画領域30aを担当する発光部11の照射する光を変調して位置修正情報をこの光に載せるようになっている。
【0086】
右領域31において視覚障害者が検出された場合には、右領域31に含まれる区画領域30a〜30cに向けて照射する光を10KHzの方形波のパルス列に変調する。中央領域32において視覚障害者が検出された場合には、中央領域32に含まれる区画領域30d〜30gに向けて照射する光を12KHzの方形波のパルス列に変調する。左領域33において視覚障害者が検出された場合には、左領域33に含まれる区画領域30h〜30jに向けて照射する光を14KHzの方形波のパルス列に変調する。なお、視覚障害者が検出されない場合には、各区画領域30a〜30jに向けて照射する光を16KHzの方形波のパルス列に変調するようになっている。
【0087】
図3は、変調されたパルス列の一例を示している。16KHzのパルス列101は誘導信号としての機能を有さない「情報なし」の状態を表し、10KHzのパルス列102は、現在位置が横断歩道2の中央に対して右よりであり、左側へ移動すべきことを表した誘導情報を載せた状態を表している。図4は、より多くの情報を載せるための変調方法の一例を示している。ビット同期の伝送等を行うことにより情報量を増やすことが可能となる。たとえば、マンチェスタ符号化方式としてアイドル(4バイト)とスタートフラグ(1バイト)と文字情報(最大24バイト)とCRCコード(2バイト)とエンドフラグ(1バイト)によってフレーム構成して情報を伝送すれば、多くの情報を載せることができる。
【0088】
伝送速度を32Kbps程度とすると、「○○交差点より右より」のような情報を白杖40の検出された区画領域に向けて送信する場合、10ms程度を要する。また白杖40が検出されるまでの待機時は、アイドル(情報なし)のみの送信を継続すれば良く、アイドルを示すパルス列を8バイト分ずつ送信するとすれば、その送信時間は2ms程度になる。
【0089】
図4の上側のパルス列103は、アイドルを示すパルス列の一例である。下側のパルス列104は、マンチェスタ符号によって情報を載せた場合のデータ列の一例である。
【0090】
感知制御部23は、受光部13から出力された信号をサンプリング窓を通じて取得するようになっている。図5は、サンプリング窓と発光部11の発光するタイミングとの関係を示している。サンプリング窓110は、発光部11を駆動するパルスの立ち上がりに同期して開き、一定時間後に閉じるようになっている(いわゆる、同期サンプリング)。サンプリング窓は、パルスが立ち上がってから(光の照射開始)わずか後に開くように同期させてある。サンプリング窓は、最も短いパルスが終了する前に閉じるように設定されている。ここでは、10KHzから16KHzまでのパルス列があり、それらのデューティ比は50%に設定されているので、最も短い16KHzのパルスの持続時間(約31μs)よりもやや短い時間にサンプリング窓の長さを設定してある。このようにすれば、パルスの変調周波数にかかわらず、同一のサンプリング窓110を用いることができる。
【0091】
発光部11が発光している期間にだけサンプリング窓110が開くので、太陽光など外乱光による影響を排除し易くなる。また各区画領域30a〜30jへの光の照射はある一定期間ずつ(たとえば、スキャニング周期が10分の1秒で10個の区画領域がある場合には、100分の1秒ずつ)行われるので、その間に、サンプリング窓110を介して反射光の有無を複数回サンプリングし、これら複数回のサンプリング結果に基づいて視覚障害者の有無を判別する。たとえば、4回のサンプリングのすべてで反射光が検出された場合にだけ、視覚障害者が居ると判別する等である。
【0092】
感知出力部25は、視覚障害者の検出結果を外部に出力する機能を果たすものである。感知出力部25からの出力に基づいて、視覚障害者への報知や視覚障害者の横断状況のデータ等を採取することができる。たとえば、各区画領域に対応する歩道部分に振動体を埋設し、感知出力部25からの出力に基づいてこれらの振動体を振動させることで、誘導情報を視覚障害者に足元から伝達するように構成してもよい。
【0093】
図6は、白杖40に組み込まれた回路部50の構成を示している。回路部50は、視覚障害者誘導装置10の発光部11からの光を受光するための受光部51と、その出力を増幅するアンプ部52と、制御部53と、振動素子54を有している。さらに充電可能な電池等で構成された電源部55と、その充電回路56を有している。また白杖40から情報を視覚障害者誘導装置10に向けて返信する機能を設ける場合には、発光部57およびそのドライバ部58を設けてもよい。さらに通信制御部59を設けることにより、白杖40が視覚障害者誘導装置10から受信した誘導情報を外部に取り出したり、発光部57から送出する情報を外部から入力することが可能になる。振動素子54は、白杖40のうち、視覚障害者が握る部分に内蔵されている。
【0094】
白杖40は、視覚障害者が握る向きを一定方向に規制する把持角度規制手段を有している。たとえば、把持角度規制手段として、視覚障害者が白杖40を握る部分の周囲表面の一部に凹凸や突起を設けることで、視覚障害者が白杖40を握る向きを一定方向に規制するようになっている。このほか、一定方向の表面のさわり心地が他と異なるように、部分的に表面をざらざらに荒らしたり、握った際の手の形に合わせたガングリップの形状に把持部を形成してもよい。
【0095】
受光部51は、一定方向への指向性を備えている。受光部51は、把持角度規制手段によって一定方向に規制された状態で視覚障害者が白杖40を握った際に、視覚障害者の前方に指向性が向くように取り付けられている。
【0096】
次に作用を説明する。
視覚障害者誘導装置10は、複数の発光部11を順次交互に点灯させて検知エリア30をスキャニングすることを、繰り返し行う。そして、常時は、「情報なし」を示す16KHzのパルス列に変調された光を照射する。横断歩道2の入口近傍に設けた検知エリア30の中に白杖40を持った視覚障害者が入ると、発光部11の照射した光のうち、視覚障害者の居る区画領域へ照射したものの一部が白杖40の反射体によって反射され、受光部13がその反射光を受光する。
【0097】
感知制御部23は、受光部13が反射光を受光した際に光を照射していた発光部11を特定することで、視覚障害者の居る区画領域を認識する。たとえば、右から2番目の区画領域30bを担当する発光部11が光を照射している期間に受光部13が反射光を検出した場合には、区画領域30bに視覚障害者が居るものと認識する。白杖を左右に振りながら歩行していることから、白杖の振れ幅に相応する左右の位置を検出し、その中央部を視覚障害者の位置とする認識も可能である。
【0098】
視覚障害者の存在が検出されると、通信制御部22は、その区画領域に向けて照射する光を、その区画領域の位置に対応した位置修正情報を載せるように変調する。たとえば、視覚障害者が右領域31に含まれる区画領域30bで検出された場合には、区画領域30bへ照射する光を、「右より」であることを示す10KHzのパルス列となるように変調する。視覚障害者が検出されていない区画領域へは、「情報なし」を示す16KHzに変調したパルス列を照射する。これにより、区画領域30bにのみ「右より」である情報を載せた光(誘導信号)が送信される。なお、右領域31に含まれるいずれかの区画領域で視覚障害者が検出された場合に、右領域31の全体へ「右より」である旨の誘導情報を載せた光を送出するように構成してもよい。中央領域32および左領域33においても同様である。
【0099】
白杖40の受光部51が、位置修正情報等の情報が載った光を受光すると、制御部53は、その情報の内容に従う態様で振動素子54を振動させる。たとえば、「右より」の情報を受信した場合と、「中央」の情報を受信した場合と、「左より」の情報を受信した場合とで、振動数を変えたり、振動する期間の長さや周期を変更したりする。また振動のオンオフによって符号化された情報を視覚障害者に伝達するように構成してもよい。
【0100】
次に横断歩道2をわたり始めた視覚障害者が横断歩道2から外れないようにその出口まで到達できるように歩行を支援する視覚障害者進路案内装置について説明する。ここでは、横断歩道の幅方向の中央付近を歩いて出口まで到達できるように視覚障害者の歩行を支援するようになっている。
【0101】
図7は、視覚障害者進路案内装置200の構成を示している。視覚障害者進路案内装置200は、複数の発光部201と、それらに1対1に対応して設けられたドライバ部202と、制御部210とを備えている。制御部210は、変調部211と、通信制御部212とを有している。これらにより誘導信号送信手段としての機能が果たされる。変調部211は、情報を載せるために発光部201から照射される光を変調するものであり、通信制御部212は、どのように変調するかを制御したり各発光部201の発光タイミングを制御したりする機能を備えている。
【0102】
図8は、通行領域としての横断歩道230の幅方向両端に沿って設けた区画領域241、242に視覚障害者進路案内装置200から光を照射する場合の配光パターン等を示したものである。複数の発光部201からなる発光装置220は、横断歩道230の出口側近傍に立設した支柱の上部(たとえば、高さ約8m)に設けられ、自身の設置されている側(出口側)に向かって歩行してくる視覚障害者に向けて、斜め上方から光を照射するように設置されている。図8では、矢印250の示す方向に歩行する視覚障害者向けの視覚障害者進路案内装置200のみを示してあり、反対方向に歩行する視覚障害者向けの部分は省略してある。
【0103】
右用の発光装置220aは、横断歩道230の右端に沿って設けた右区画領域241に光を照射するものであり、左用の発光装置220bは、横断歩道230の左端に沿って設けた左区画領域242に光を照射するものである。各区画領域241、242は、歩行者の通行方向に沿って並ぶ複数の単位領域245に分割されており、1つの単位領域への照射を1つの発光部が担当するように構成されている。したがって、図8下部に示すように、右用の発光装置220aおよび左用の発光装置220bはそれぞれ複数の発光部201を有しており、それらのビームの広がりと取付角度を調整することで、それぞれの担当する単位領域へ光が照射されるようになっている。
【0104】
右区画領域241および左区画領域242は、横断歩道の出入口近傍を除いた部分に設定されている。ここでは、横断歩道の入口近傍の5mと出口近傍の5mを光の照射範囲から除外している。
【0105】
右用の発光装置220aの発光部201が照射する光は、「右より」である旨の情報が載るように変調されている。具体的には、視覚障害者誘導装置10と同様に10KHzのパルス列に変調されている。左用の発光装置220bの発光部201が照射する光は、「左より」である旨の情報が載るように変調されている。具体的には、14KHzのパルス列に変調されている。これらの光は常時、照射されている。
【0106】
横断歩道230を渡り始めた視覚障害者は、視覚障害者誘導装置10による誘導により、最初のうちは、横断歩道230の幅方向中央部分から横断を開始する。しかしながら、歩行を進めるうちに左右のいずれかに次第に外れてしまう場合がある。たとえば、視覚障害者が右よりに進行して右区画領域241に入ると、視覚障害者の持っている白杖40が右用の発光装置220aからの光を受信する。右用の発光装置220aからの光には、「右より」である旨の情報が載せられているので、白杖40がそれに従って振動し、視覚障害者に横断歩道230の右よりを歩行していることを認識させ、進路修正を促すことができる。
【0107】
図9は、横断歩道230をその幅方向に4つの区画領域に分割した場合を示している。右端の区画領域271は右用の発光装置260aで照射し、中央右側の区画領域272は中央右用の発光装置260bで照射し、中央左側の区画領域273は中央左用の発光装置260cで照射し、左端の区画領域274は左用の発光装置260dで照射するようになっている。このように通行領域をその幅方向に多くの区画領域で細かく分けることにより、より詳細な位置情報を視覚障害者に伝達することが可能になる。
【0108】
たとえば、右用の発光装置260aの照射する光には、「右より」である旨の情報を、中央右用の発光装置260bの照射する光には、「やや右より」である旨の情報を、中央左用の発光装置260cの照射する光には、「やや左より」である旨の情報を、左用の発光装置260dの照射する光には、「左より」である旨の情報を載せるとよい。このほか、中央右用の発光装置260bと中央左用の発光装置260cには、「中央」である旨の情報を載せてもよい。
【0109】
次に、検知エリアを、通行領域である横断歩道の入口近傍に複数列設け、これらの検知エリアで視覚障害者が検出された順序に基づいて、視覚障害者の進行方向を判別するものについて説明する。図10は、横断歩道301の入口近傍にその幅方向に延びた第1検知エリア310と、入口から少し離れた箇所に第1検知エリア310と平行に配置された第2検知エリア320を設定した場合を示している。
【0110】
第1検知エリア310および第2検知エリア320は、それぞれ図1に示したものと同様に複数の区画領域に分割されている。ここでは、第1検知エリア310をA1からA5までの5区画に、第2検知エリア320をB1からB5までの5区画に分割してある。また第1検知エリア310と第2検知エリア320のそれぞれに対応して図2に示す視覚障害者誘導装置10と同様の装置が設けられている。すなわち、高所に設置された発光部11から第1検知エリア310の区画領域A1〜A5に光が照射され、反射光を受光部13が受光することによって区画領域A1〜A5のそれぞれに視覚障害者が居るか否かが検出される。第2検知エリア320についても同様である。
【0111】
ただし、視覚障害者の検出情報は装置相互間で授受されるようになっている。また第1検知エリア310に対応する視覚障害者誘導装置10の通信制御部22は、第1検知エリア310における視覚障害者の検出情報と、第2検知エリア320における視覚障害者の検出情報とをその内容および受信順序の点で対比して、視覚障害者の進行方向を判別する方向判別手段としての機能を有している。判別結果は、第2検知エリア320に対応する視覚障害者誘導装置10の通信制御部22に伝達される。
【0112】
視覚障害者の進行方向は、第2検知エリア320における視覚障害者の検出と第1検知エリア310における視覚障害者の検出の順序に基づいて判別する。すなわち、視覚障害者が第2検知エリア320で検出された後に、これよりも横断歩道301の入口側の第1検知エリア310で検出されると、第2検知エリア320から第1検知エリア310へ、すなわち、横断歩道301へ進入する方向に視覚障害者が進行したと判別する。逆に視覚障害者が第1検知エリア310で検出された後に第2検知エリア320で検出されると、第1検知エリア310から第2検知エリア320へ、すなわち、横断歩道301から出て行く方向に視覚障害者が進行したと判別する。
【0113】
視覚障害者が横断歩道301へ進入する向きに進行したと判別した場合には、視覚障害者の検出された区画領域に向けて照射する光を変調して、その区画領域の位置に対応した位置修正情報を送信する。一方、視覚障害者が横断歩道301から出て行く向きに進行したと判別した場合には、視覚障害者の検出された区画領域に向けて位置修正情報を送信しない。
【0114】
たとえば、視覚障害者が区画領域B2で検出された後すぐに区画領域A2で検出された場合には、区画領域A3へ移動すべきことを表した位置修正情報が区画領域A2に向けて送信される。このとき、最初に検出された区画領域B2には視覚障害者が既に居なくなっているので、区画領域B2に向けて位置修正情報を送信しなくてもよい。したがって、視覚障害者が進入方向に進行していると判別してから位置修正情報を送信する場合には、第2検知エリア320に対応する視覚障害者誘導装置10は、送信する光に位置修正情報を載せる機能を具備しなくてもよい。
【0115】
視覚障害者が区画領域A2で検出された後すぐに区画領域B2で検出された場合には、視覚障害者が横断歩道301から出て行く向きに進行したので、区画領域A2および区画領域B2のいずれにも位置修正情報を送信しない。これにより、視覚障害者が横断歩道301へ進入する際には白杖40が振動して視覚障害者を誘導し、横断歩道301から進出する際には白杖40は振動せず、不要な誘導情報が視覚障害者に伝達されることが防止される。その結果、白杖40のバッテリ消費が軽減される。
【0116】
複数の視覚障害者が同時に異なる区画領域を同時に通る場合には、区画領域毎に視覚障害者の進行方向が判別され、位置修正情報の送信可否が個別に判断される。たとえば、区画領域B2、区画領域A2の順で視覚障害者が検出されると同時に、区画領域A4、区画領域B4の順で視覚障害者が検出されたものとする。このとき、区画領域A2には横断歩道301へ進入する視覚障害者が居ると判別する。これとは独立して、区画領域B4には横断歩道301から出て行く視覚障害者が居ると判別する。その結果、区画領域A2には位置修正情報が送信され、区画領域B4には位置修正情報が送信されない。
【0117】
なお、最初に視覚障害者を検出した時点から位置修正情報等の誘導情報の送信を開始しておき、進行方向が通行領域から出て行く向きであることが判明した時点でその送信を停止するように構成してもよい。また通行領域へ進入する方向であることが判明した時点から位置修正情報等の誘導情報の送信を開始するように構成してもよい。
【0118】
以上、本発明の実施形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0119】
たとえば、実施の形態に示した視覚障害者誘導装置10では、視覚障害者の白杖40を検出した際に、白杖40の検出された区画領域に向けて誘導信号を送信したが、視覚障害者の検出機能を持たない構成にし、各区画領域へ常時、誘導信号を送信するようにしてもよい。
【0120】
さらに実施の形態では、区画領域毎に発光部を設けたが、発光部からの照射角度を変えることで、複数の区画領域への照射を1つの発光部でまかなうように構成してもよい。たとえば、発光部を所定の角度範囲で往復回動させることによって、検知エリアを1つの発光部でスキャニングするように構成してもよい。この場合、発光部がどの角度にあるときに反射光が検出されたかによって、視覚障害者の居る位置を判別し、その辺りに誘導信号を送信するように構成すればよい。
【0121】
また実施の形態では、第1検知エリア310と第2検知エリア320の中をそれぞれ区画領域に分割したが、検知エリアを単位として視覚障害者を検出し、その検出順序に基づいて、視覚障害者の進行方向を判別する構成にしてもよい。方向判別機能を有することにより、たとえば、横断歩道の入口近傍にスピーカを配置し、視覚障害者が横断歩道へ進入するときは、横断歩道の存在等を視覚障害者に音声で報知し、横断歩道から進出するときは、音声による誘導情報を流さないようにすることができる。
【0122】
また白杖40の側で、進行方向を判別するように構成することもできる。たとえば、領域表示信号送信手段を、横断歩道301の入口近傍の高所に設け、白杖40には、領域表示信号の受信手段と、視覚障害者の進行方向を判別する判別手段と、誘導情報を視覚障害者に伝達する伝達手段を設ける。そして、方向判別の結果に基づいて誘導情報の伝達を制御する。領域表示信号送信手段は、第1検知エリア310の識別情報を載せた光を領域表示信号として第1検知エリア310に送信するとともに、第2検知エリア320の識別情報を載せた光を領域表示信号として第2検知エリア320に送信する。
【0123】
視覚障害者が第1検知エリア310または第2検知エリア320に居るとき、白杖40の受信手段は、それぞれの検知エリアで領域表示信号を受信する。判別手段は、識別情報の異なる複数の領域表示信号が順次受信されたとき、その受信順序に基づいて、当該杖を所持する視覚障害者の進行方向を判別する。伝達手段は、この判別結果に基づいて誘導情報の伝達可否やその内容等を制御する。
【0124】
具体的には、第2検知エリア320を示す識別情報を含む光、第1検知エリア310を示す識別情報を含む光の順に受信した場合には、横断歩道301へ進入する方向に白杖40の所持者が進行していると判別する。そして受信した光に含まれている位置修正情報に従って振動素子54を振動させる。一方、第1検知エリア310を示す識別情報を含む光、第2検知エリア320を示す識別情報を含む光の順に受信した場合には、横断歩道301から出て行く方向に白杖の所持者が進行していると判別する。そして位置修正情報を含む光を受信した場合であっても振動素子54を振動させない。
【0125】
なお、最初の光を検出した時点から誘導情報を視覚障害者に伝達する動作を開始しておき、進行方向が通行領域から出て行く向きであることが判明した時点で伝達動作を中止する構成としてもよい。また通行領域へ進入する方向であることが判明した時点から誘導情報の伝達動作を開始するように構成してもよい。
【0126】
また、進行方向の判別において、ある検知エリアで視覚障害者が検出されてからこれと異なる検知エリアで視覚障害者が検出されるまでの許容時間を一定時間に制限するとよい。たとえば、視覚障害者が横断歩道の脇の歩道を歩いて通りすぎるときに一方の検知エリア内を通過する場合がある。このような場合でも、許容時間内に他の検知エリアで視覚障害者が検出されなければ、最初の検出が無効にされるので、その後の判別に影響を残さず、適切な方向判別を行うことができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明に係る視覚障害者誘導装置、視覚障害者進路案内装置、杖およびこれを用いた視覚障害者歩行支援システムによれば、横断歩道の入口など通行領域の入口近傍を複数の区画領域に分割し、区画領域の位置に対応した誘導情報をそれぞれの区画領域に向けて送信するので、視覚障害者の居る場所に応じた適切な位置修正情報を提供することができる。その結果、たとえば、横断歩道の入口において横断歩道の中央へ視覚障害者を誘導することができ、最も安全な位置から横断を開始することが可能になる。
【0128】
また分割された区画領域別に視覚障害者の有無を検出し、視覚障害者の存在が確認された区画領域にのみ誘導信号を送出するものでは、区画領域同士の境界付近で2種類の誘導情報を受信して、混同をきたすような事態を回避することができる。
【0129】
区画領域別に光を照射し、視覚障害者からの反射光の有無によって、視覚障害者の有無を区画領域別に検出するものでは、レンズ等で強い指向性を得ることができるので、区画領域別の検出を容易に行うことが可能になる。また反射光の有無を検出すればよいので、視覚障害者の側から別途の応答信号などを送信する必要がない。
【0130】
区画領域毎に発光部を設け、1区画領域ずつ時分割で光を照射するものでは、どの区画領域へ光を照射している期間に反射光を受信したかによって、視覚障害者の居る区画領域を判別することができるので、複数またはすべての区画領域に対して1つの受光部を共用することができる。
【0131】
発光手段の照射する光を変調して情報を載せることで、その光を誘導信号化するものでは、発光手段が照射する光を、視覚障害者の有無を検出する目的と、検出された視覚障害者に向けて情報を送信する目的とに共用することができ、装置の小型化・簡略化を図ることができる。また誘導信号として指向性の得やすい光を用いたので、目的の区画領域のみに容易に誘導信号を送信することができる。
【0132】
通行領域の端に沿って設けた区画領域に、その通行領域の内側へ誘導するための位置修正情報を載せた誘導信号を送信するものでは、誘導情報を受信しながら横断歩道等の通行領域を渡ることにより、長い通行領域であっても、その左右両端から外側へ外れないように、視覚障害者を誘導することができる。
【0133】
また通行領域を左右の端に沿った区画領域だけでなく、より多くの区画領域に分割するものでは、それだけ詳細な位置情報を視覚障害者に提供することができ、早期に進行方向の修正を行うことが可能になる。
【0134】
1つの区画領域を通行方向に並ぶ複数の単位領域に分割し、単位領域毎の発光部を設け、通行領域の通行方向の端部の上方からそれぞれの担当する単位領域を照射するように、各発光部の取付角度を設定したものでは、発光部の増設により、長い距離の通行領域にも容易に対応することができる。また通行領域の通行方向の端部の上方(たとえば8m)に発光手段を設ければよいので、通行領域が横断歩道の場合に、道路上に装置を設ける必要がなく、設置が容易になる。
【0135】
通行領域が横断歩道の場合において、誘導信号の送出対象エリアである区画領域を、横断歩道の入口付近が含まれないように設定したものでは、この誘導信号に基づいて視覚障害者の交差点へ誤進入を防止できる。また青信号であるか否かの情報を載せれば、横断中の視覚障害者に安心感を与えることができる。
【0136】
誘導信号送信手段に向かって進行してくる視覚障害者用の情報を載せた誘導信号を、視覚障害者の正面側から送信するものでは、視覚障害者自身の背中によって背後からの誘導信号が遮られ、自分の前方からの誘導信号を適切に弁別して受信することが可能になる。特に、誘導信号の受信機に前方への指向性を持たせれば、前方からの誘導信号だけを適切に受信することが可能になる。
【0137】
視覚障害者を誘導するための誘導信号を受信する受信手段と、触感を通じて情報伝達可能な伝達手段と、受信した誘導信号に含まれる情報に応じて伝達部を制御する制御手段とを内蔵した杖では、誘導信号に含まれている情報を、振動態様など、触感を通じて伝達するので、音声を通じて伝達する場合に比べて、誘導情報を個別にかつ周囲の騒音に影響されずに視覚障害者へ伝達することができる。また触感を利用するので、視覚障害者の周囲の音情報への注意力を阻害せずにすむ。
【0138】
また杖に組み込まれていることから、受信機等を別に所持する必要がなく、視覚障害者の白杖を持たない方の手の自由を確保することが可能になる。
【0139】
また視覚障害者が握る向きを一定方向に規制する把持角度規制手段を設けるとともに、受信手段に、視覚障害者が当該杖を握った際に前方となる方向への指向性を設けたものでは、前方から到来する誘導信号を背後からのものと弁別して的確に受信することができる。
【0140】
上記の杖に光を再帰反射させる反射体を設けたものでは、杖とは別に反射体を所持する必要がなく、杖を持たない方の手の自由を確保することが可能になる。
【0141】
さらに、通行領域の入口で進行方向を識別するための情報を杖に向けて伝送し、杖はこれを受信して記憶し、これに基づき、通行中に受信した誘導信号のうち進行方向に合致するものを弁別するようにしたものでは、進行方向にあった誘導信号に基づいて視覚障害者を誘導することができる。
【0142】
また複数列の検知エリアを設け、視覚障害者の検出された順序に基づいてその進行方向を判別するものでは、通行領域へ進入する向きの視覚障害者だけに誘導情報を送信することができ、無駄な誘導情報の伝達が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る視覚障害者誘導装置の設置状況を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る視覚障害者誘導装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る視覚障害者誘導装置等が送出する変調されたパルス列の一例を示す波形図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る視覚障害者誘導装置等が送出するアイドル状態のパルス列および符号化されたパルス列の一例を示す波形図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る視覚障害者誘導装置が送出する光のパルス列とその反射光を受光する際に用いるサンプリング窓との対応関係を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る杖の回路構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る視覚障害者進路案内装置の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る視覚障害者進路案内装置が、通行領域の両端に設けた区画領域へ誘導信号として照射する光の配光パターンの一例を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る視覚障害者進路案内装置が、通行領域に設けた4つの区画領域へ誘導信号として照射する光の配光パターンの一例を示す説明図である。
【図10】方向判別用に検出エリアを複数列配置したものの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
2…横断歩道
3…支柱
10…視覚障害者誘導装置
11…発光部
12…ドライバ部
13…受光部
14…アンプ部
20…制御部
21…変調部
22…通信制御部
23…感知制御部
24…A/D変換部
25…感知出力部
30…検知エリア
30a〜30j…区画領域
31…右領域
32…中央領域
33…左領域
40…白杖
50…回路部
51…受光部
52…アンプ部
53…制御部
54…振動素子
55…電源部
56…充電回路
57…発光部
58…ドライバ部
59…通信制御部
101…16KHzのパルス列
102…10KHzのパルス列
103、104…パルス列
110…サンプリング窓
200…視覚障害者進路案内装置
201…発光部
202…ドライバ部
210…制御部
211…変調部
212…通信制御部
220…発光装置
220a…右用の発光装置
220b…左用の発光装置
230…横断歩道
241、242…区画領域
245…単位領域
260a…右用の発光装置
260b…中央右用の発光装置
260c…中央左用の発光装置
260d…左用の発光装置
301…横断歩道
310…第1検知エリア
320…第2検知エリア

Claims (25)

  1. 通行領域への適正な進入位置に視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置において、
    前記通行領域の入口近傍をその幅方向に複数の区画領域に分割し、
    予め定めた基準位置に対する位置修正情報であって各区画領域の位置に対応したものを載せた誘導信号を前記区画領域別に送信する誘導信号送信手段を有する
    ことを特徴とする視覚障害者誘導装置。
  2. 前記誘導信号送信手段は、前記区画領域別に光を照射する発光手段と、前記発光手段が照射する光を変調して前記位置修正情報を前記光に載せる変調手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の視覚障害者誘導装置。
  3. 通行領域への適正な進入位置に視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置において、
    前記通行領域の入口近傍をその幅方向に複数に分割した区画領域別に視覚障害者の有無を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって視覚障害者の検出された区画領域に向けて、予め定めた基準位置に対する位置修正情報であってその区画領域の位置に対応したものを載せた誘導信号を送信する誘導信号送信手段とを有する
    ことを特徴とする視覚障害者誘導装置。
  4. 前記検出手段は、前記区画領域別に光を照射する発光手段と、前記発光手段の照射した光の反射光を受光する受光手段とを有し、視覚障害者の有する反射体からの反射光の有無によって、視覚障害者の有無を区画領域別に検出するものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の視覚障害者誘導装置。
  5. 前記発光手段は、前記区画領域別に発光部を有し、1区画領域ずつ時分割で光を照射する
    ことを特徴とする請求項4に記載の視覚障害者誘導装置。
  6. 前記誘導信号送信手段は、前記検出手段によって視覚障害者の検出された区画領域に向けて前記発光手段が照射する光を変調することで、前記光を前記誘導信号化するものである
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の視覚障害者誘導装置。
  7. 視覚障害者の進行方向を判別する方向判別手段をさらに有し、
    前記通行領域の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリアを前記入口までの距離が異なるように複数列設定するとともに、それぞれの検知エリアを前記複数の区画領域に分割し、
    前記検出手段は、検知エリア別かつ前記区画領域別に視覚障害者の有無を検出し、
    前記方向判別手段は、前記検出手段が視覚障害者を検出した順序によって視覚障害者の進行方向を判別し、
    前記誘導信号送信手段は、検出された視覚障害者の進行方向が前記通行領域から出て行く向きのとき、前記視覚障害者の検出された区画領域に向けての前記誘導信号の送信を停止する
    ことを特徴とする請求項3、4、5または6に記載の視覚障害者誘導装置。
  8. 通行領域を通る視覚障害者を誘導する視覚障害者誘導装置において、
    前記通行領域の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリアを前記入口までの距離が異なるように複数列設定し、
    前記検知エリア別に視覚障害者の有無を検出する検出手段と、
    前記検出手段が視覚障害者を検出した順序によって視覚障害者の進行方向を判別する方向判別手段と、
    視覚障害者を誘導するための誘導情報を前記方向判別手段の判別結果に基づいて送出する誘導情報送出手段とを有する
    ことを特徴とする視覚障害者誘導装置。
  9. 前記誘導情報送出手段は、前記方向判別手段の判別結果が前記通行領域から出て行く向きのとき、前記誘導情報の送出を停止する
    ことを特徴とする請求項8に記載の視覚障害者誘導装置。
  10. 通行領域内の適正箇所を通るように視覚障害者の進路を案内する視覚障害者進路案内装置において、
    前記通行領域内の適正箇所を通るように視覚障害者を誘導するための位置修正情報を少なくとも載せた誘導信号を、少なくとも前記通行領域の幅方向端部に沿って伸びる区画領域へ送信する誘導信号送信手段を有する
    ことを特徴とする視覚障害者進路案内装置。
  11. 通行領域内の適正箇所を通るように視覚障害者の進路を案内する視覚障害者進路案内装置において、
    前記通行領域をその通行方向に沿って伸びる複数の区画領域に分割し、
    前記通行領域内の適正箇所を通るように視覚障害者を誘導するための位置修正情報であって各区画領域の位置に対応したものを少なくとも載せた誘導信号を前記区画領域別に送信する誘導信号送信手段を有する
    ことを特徴とする視覚障害者進路案内装置。
  12. 前記誘導信号送信手段は、前記区画領域別に光を照射する発光手段と、前記発光手段が照射する光を変調して前記位置修正情報を前記光に載せる変調手段とを有する
    ことを特徴とする請求項10または11に記載の視覚障害者進路案内装置。
  13. 1つの区画領域を通行方向に並ぶ複数の単位領域に分割し、
    前記誘導信号送信手段の発光手段は、前記単位領域毎に発光部を有するとともに、前記通行領域の通行方向の端部上方に設けられ、それぞれの発光部のビームの広がりと取付角度が、担当する単位領域を照射するように設定されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の視覚障害者進路案内装置。
  14. 前記通行領域が横断歩道の場合において、
    前記区画領域を前記通行領域の入口付近が含まれないように設定する
    ことを特徴とする請求項10、11、12または13に記載の視覚障害者進路案内装置。
  15. 前記誘導信号送信手段を、前記通行領域の通行方向両端に設け、各誘導信号送信手段から、これに向かって進む視覚障害者用の情報を載せた誘導信号を送信する
    ことを特徴とする請求項10、11、12、13または14に記載の視覚障害者進路案内装置。
  16. 視覚障害者に所持してもらう杖であって、
    視覚障害者を誘導するための誘導信号を受信する受信手段と、
    触感を通じて情報伝達可能な伝達手段と、
    受信した誘導信号に含まれる情報に応じて前記伝達部を制御する制御手段とを有する
    ことを特徴とする杖。
  17. 前記伝達手段は、振動を引き起こすものであり、
    前記制御手段は、受信した誘導信号の内容に応じた態様で前記伝達手段を振動させる
    ことを特徴とする請求項16に記載の杖。
  18. 視覚障害者が握る向きを一定方向に規制する把持角度規制手段を設け、
    前記受信手段は、視覚障害者が当該杖を握った際に視覚障害者の前方となる方向への指向性を有する
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の杖。
  19. 光を再帰反射させる反射体を有する
    ことを特徴とする請求項16、17または18に記載の杖。
  20. 請求項1から7のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置と、
    請求項16から19のいずれかに記載の杖とを有する
    ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
  21. 請求項10から請求項15のいずれかに記載の視覚障害者進路案内装置と、
    請求項16から19のいずれかに記載の杖とを有する
    ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
  22. 請求項1から7のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置と、
    請求項10から請求項15のいずれかに記載の視覚障害者進路案内装置と、
    請求項16から19のいずれかに記載の杖とを有する
    ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
  23. 請求項15に記載の視覚障害者進路案内装置と、前記通行領域の通行方向両端にそれぞれ設けられた弁別信号送信手段と、請求項16から19のいずれかに記載の杖とを備え、
    前記視覚障害者進路案内装置の誘導信号送信手段は、送信元を識別するための送信元識別情報を含む誘導信号を送信し、
    前記弁別信号送信手段は、受信すべき誘導信号の送信元を示した送信元指定信号を前記通行領域の入口付近に向けて送信し、
    前記杖の受信手段は、前記送信元指定信号を受信し、
    前記杖の制御手段は、通行領域の入口で受信した前記送信元指定信号の示す送信元からの誘導信号に基づいて前記伝達手段を制御する
    ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
  24. 請求項1から7のいずれかに記載の視覚障害者誘導装置をさらに有する
    ことを特徴とする請求項23に記載の視覚障害者歩行支援システム。
  25. 通行領域を通る視覚障害者を誘導する視覚障害者歩行支援システムにおいて、
    前記通行領域側に設置される領域表示信号送信手段と、視覚障害者に所持してもらう杖とを備え、
    前記通行領域の入口近傍に、当該入口に沿って延びる検知エリアを前記入口までの距離が異なるように複数列設定し、
    領域表示信号送信手段は、検知エリア別の識別情報を含む領域表示信号をそれぞれの検知エリアに送信し、
    前記杖は、受信手段と、判別手段と、伝達手段とを備え、
    前記受信手段は、前記領域表示信号を受信し、
    前記判別手段は、識別情報の異なる複数の領域表示信号を受信した際の受信順序に基づいて当該杖を所持する視覚障害者の進行方向を判別し、
    前記伝達手段は、視覚障害者を誘導するための誘導情報を視覚障害者に伝達するものであって、前記誘導情報を伝達するか否かを前記判別手段の判別結果に基づいて制御する
    ことを特徴とする視覚障害者歩行支援システム。
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