JPH08246098A - 耐孔あき腐食性に優れた高強度鋼板 - Google Patents

耐孔あき腐食性に優れた高強度鋼板

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JPH08246098A
JPH08246098A JP4984395A JP4984395A JPH08246098A JP H08246098 A JPH08246098 A JP H08246098A JP 4984395 A JP4984395 A JP 4984395A JP 4984395 A JP4984395 A JP 4984395A JP H08246098 A JPH08246098 A JP H08246098A
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JP
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corrosion resistance
steel sheet
weight
added
steel
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JP4984395A
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English (en)
Inventor
Toshio Yokoi
利雄 横井
Shunjiro Takeuchi
俊二郎 竹内
Takenori Nakayama
武典 中山
Masato Matsumoto
正人 松本
Haruo Tomari
治夫 泊里
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 P−Cu添加鋼板の高強度化に伴う耐食性劣
化を防止するとともに、優れた耐孔あき腐食性の効果を
示す鋼板を提供する。 【構成】 重量%で、C:0.001〜0.1%、S
i:0.5〜1.5%、Mn:0.1〜2.5%、P:
0.05〜0.15%、Cu:0.50%以下、Ni:
0.05〜0.50%、S:0.01%以下、Al:
0.003〜0.05%、N:0.005%以下を含有
し、さらにB:0.0060%以下、Nb:0.10%
以下、Ca:0.0100%以下の内、1種または2種
以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる
ように調整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐食性に優れた強加
工用鋼板に関するものであり、自動車、建築、造船など
鋼板を用い、腐食が問題となる工業分野に広く適用でき
る耐孔あき腐食性に優れた高強度鋼板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車は、大きな温度変化、高速で飛来
する石など、寒冷地における融雪剤など非常に厳しい腐
食環境で使用されているため、耐孔あき腐食性を有する
鋼板が必要となる。とくに、北米、北欧など冬季に道路
凍結防止剤(NaCl、KCl、MgCl)や、滑り止
めのために砂利を道路に散布する地域では、塗膜を破壊
する砂利と、鋼板の腐食を促進するCl-イオンの存在
下で乾湿繰返しとなるため、とくに優れた防錆能が必要
となってくる。また、近年の地球環境保護、自動車の燃
費向上、居住性の向上の観点から、自動車に使用する鋼
板の高強度、薄肉化傾向が強くなっている。とくに自動
車足回りなどの重要保安部品では、腐食により鋼板に孔
があかないこと、あるいは孔あきに至らないまでも設計
上強度を確保するために必要な板厚が残存することが必
要である。このため、部品の高強度薄肉化を行なう場合
には、高い耐孔あき腐食性が必要となってくる。
【0003】このような環境下において、耐孔あき腐食
性を向上させた鋼板として、特開平4−235250号
公報で開示されたものが知られている。これは従来の
P、Cu添加による燐酸塩の防食皮膜作用に加え、Si
を0.5%以下で添加することにより、初期錆の発生お
よび錆の還元反応に影響を及ぼし、耐食性を向上させる
ことを特徴としている。しかし、これらはC量が0.0
01〜0.05重量%、Mn量が0.05〜0.35重
量%と低く、Mn量、C量を増加させた成分系におい
て、この範囲内でSiを添加しても耐食性改善は見込ま
れない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な従来の課題を解決するためになされたものであり、P
−Cu添加鋼板の高強度化に伴う耐食性劣化を防止する
とともに、優れた耐孔あき腐食性の効果を示す鋼板を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、重量%で、
C:0.001〜0.1%、Si:0.5〜1.5%、
Mn:0.1〜2.5%、P:0.05〜0.15%、
Cu:0.50%以下、Ni:0.05〜0.50%、
S:0.01%以下、Al:0.003〜0.05%、
N:0.005%以下を含有し、残部が鉄および不可避
的不純物からなるものである。
【0006】上記鋼が、さらに重量%でB:0.006
0%以下、Nb:0.10%以下、Ca:0.0100
%以下の内、1種または2種以上を含有することが好ま
しい。
【0007】
【作用】上記請求項1の成分構成により、P−Cu添加
鋼板の高強度化に伴う耐食性劣化を防止するとともに、
耐孔あき腐食性に極めて優れた鋼板が得られ、さらにN
i、B、Nb、Caの内、1種または2種以上を所定量
含有することにより優れた効果が得られる。
【0008】まずこの発明における化学成分の限定理由
について説明する。
【0009】C:Cは鋼を強化する元素であり、C含有
量が0.001重量%以下ではその効果は見込まれず、
また0.10重量%以上にすると、通常の工程で腐食時
にカソードとなるセメンタイトなどの炭化物が多量に生
成し、炭化物と地鉄との間の電位差により腐食が促進さ
れ、耐食性を低下させるため、その下限値を0.001
重量%、またその上限値を0.10重量%とする。
【0010】Si:Siは、脱酸、プレス加工性を確保
しながら強度調整するには有効な元素である。また、
P、Cuとの複合添加により生成錆をより非晶質化、緻
密化させ、腐食促進因子の侵入をより抑制し、また錆の
還元反応をより抑えることで耐食性を大幅に向上させる
元素である。
【0011】本発明者は、Si添加量と耐孔あき腐食性
との関係について実験を行なった。
【0012】P−Cu添加鋼板におけるSi添加量と週
1回、5%NaCl水溶液を散布する大気暴露試験を1
2カ月間行なったときの最大孔あき深さの関係を図1に
示す。Si添加量が0.5重量%までは最大孔あき深さ
に変化は見られず、最大孔あき深さはほぼ1.0mmと
なっている。それに対し、0.5重量%を超えて添加す
ると最大孔あき深さはほぼ0.6mmまで減少し、大幅
に耐孔あき腐食性が改善されるのがわかる。しかし、
1.5重量%を超えて添加すると熱延時において鋼板表
面に濃化し、鋼板の酸洗性を低下させること、および塗
装時における燐酸塩処理性を著しく劣化させる。そのた
め、その下限値を0.5重量%、上限値を1.5重量%
とした。
【0013】Mn:MnはSによる高温割れを防止する
こと、および強度の調整に有効な元素であるが、0.1
重量%以下ではSの高温割れを防止する効果が低く、か
つ強度上昇の効果が小さい。また2.5重量%を超えて
添加すると全伸びが著しく低下し、加工の観点から好ま
しくないので、Mn量の下限値を0.1重量%、上限値
を2.5重量%とした。
【0014】P:Pは他の元素、とくにCuとの複合添
加で生成錆を緻密化し、カソード電流密度を抑制するこ
とで耐孔あき腐食性を向上させる元素であるが、0.0
5重量%以下ではその効果は見込まれず、また0.15
重量%以上含有した場合、加工後の脆化の原因となる
上、スクラップ鋳物中で靭性を劣化させるため、その下
限値を0.05重量%、上限値を0.15重量%とし
た。
【0015】Cu:CuはPとの複合添加で生成錆を緻
密化し、耐食性を向上させる元素であるが、0.50重
量%を超えて添加しても耐食性の効果は飽和し、また加
工性が低下するため、その添加範囲の上限値を0.50
重量%とした。
【0016】S:Sは鋼中では金属元素などと結合し、
硫化物系介在物となって存在する。この硫化物系の介在
物は、金属の間で電位差が生じ、腐食の起点となるた
め、S濃度が0.01重量%を超えた場合、硫化物系の
介在物の量が増加することにより耐食性が極端に劣化す
るため、その上限値を0.01重量%とした。
【0017】Al:Alは脱酸の目的で添加するが、
0.003重量%以下では十分に脱酸が行なわれず、鋼
中のO含有量を低減できない。また、0.05重量%以
上添加してもその効果が飽和するため、その添加範囲は
下限値を0.003重量%、上限値を0.05重量%と
した。
【0018】N:N量が多くなると時効が発生し、また
一部のNはTiと結合してTiNを形成し、固溶Ti量
を減少させ、耐食性が劣化するため、その上限値を0.
005重量%とした。
【0019】上記元素のほか、必要に応じて、さらに耐
食性を改善するために、以下に説明するNi、B、N
b、Caのうちの1種または2種以上を添加することが
できる。
【0020】Ni:Cu含有量が多い鋼ではヘゲ傷が表
面に発生しやすいが、Cu含有量の多い鋼にNiを添加
した場合には、この欠点を防止することができるので、
製品の表面性状を向上させるため、0.05重量%以上
添加する必要がある。また、Niは耐食性向上に寄与す
る成分である。しかし、0.50重量%を超えて添加し
ても表面性状および耐食性の向上効果は飽和する上、N
iは高価であるため、その上限値は0.50重量%とす
るが、表面性状の観点からCu添加量が0.40重量%
を超える場合には、NiをCu含有量の半分から同量添
加することが望ましい。
【0021】B:Bは耐食性改善、すなわち鋼の加工後
の脆化を改善するために添加するが、0.0060重量
%以上添加するとかえって鋼が脆化するため、その上限
値を0.0060重量%とする。
【0022】Nb:Nbは耐食性改善、すなわち鋼の強
化および加工性改善のため、Nb添加による固溶Ti量
の増加のために添加するが、0.10重量%を超えて添
加した場合、鋼が脆化するうえ、高価になるために、そ
の上限値を0.10重量%とする。
【0023】Ca:鉄の腐食が進行している段階では孔
食内部で Fe→Fe2++e- Fe2++2H2O→Fe(OH)2+2H+ なる反応が起こり、孔食内部が酸性化し、さらに鉄の腐
食が促進される。しかしCaが存在した場合は鉄と同時
にCaも溶解し、Caがアルカリ金属であるため、孔食
内部を塩基性化し、孔食の進展を低減するために添加す
る。この場合、0.01重量%を超えて添加すると、そ
の効果が飽和するばかりでなく、鋼の脆化を引き起こす
ため、その上限値を0.01重量%とした。
【0024】以上のように、成分とくにSi添加量を限
定することで、耐食性にきわめて優れた高強度鋼板を得
ることができるが、その製造法として通常の鋼板と同様
に転炉あるいは電気炉で溶製後、連続鋳造あるいは造塊
鋳造後、熱間圧延を行なうことにより熱間圧延鋼板を製
造することができる。また、溶製後の脱ガス処理など、
鋳造後の分解圧延などを行なうことも可能である。さら
に、熱延後に冷間圧延、焼鈍を行ない、冷間圧延鋼板を
製造することも可能であり、その他熱間圧延した鋼板、
冷間圧延した鋼板、さらには熱延、冷延を行なった後、
焼鈍を行なった鋼板に、溶融めっき、電気めっき、蒸着
めっきなど、各種のめっきや各種の塗装、塗装下地処
理、有機皮膜処理を行なうことも可能である。
【0025】
【実施例】表1および表2はこの発明の効果を示すため
の各種試験鋼および従来鋼の成分と耐食性の評価結果で
ある。本発明鋼および従来鋼とも実機レベルの溶製を行
ない、熱延鋼板については仕上げ温度920℃、巻取り
温度450℃の実機熱延鋼板を用い、これを酸洗後、耐
食性評価に供した。
【0026】耐食性は週1回、5%塩水を散布する大気
暴露試験を12カ月間行なった際の侵食深さをmm単位
で表した。
【0027】表1および表2より明らかなように、比較
鋼はいずれも最大孔あき深さは1.0mm付近と改善が
見られないのに対し、本発明鋼は最大孔あき深さは0.
6mmと大幅に改善されているのがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、P−Cu添加鋼板の高強度化に伴う耐食性劣化を防
止するとともに、耐孔あき腐食性に極めて優れた鋼板が
得られ、自動車用はもとより、建築、造船など用鋼の腐
食が問題となる工業分野に最適である。
【0031】この鋼は裸または塗装して使用することに
より、優れた性能を発揮するが、めっき、有機皮膜塗布
などの適当な表面処理と組合わせることで、さらに優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Si添加量と最大孔あき深さとの関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 正人 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 泊里 治夫 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.001〜0.1%、
    Si:0.5〜1.5%、Mn:0.1〜2.5%、
    P:0.05〜0.15%、Cu:0.50%以下、N
    i:0.05〜0.50%、S:0.01%以下、A
    l:0.003〜0.05%、N:0.005%以下を
    含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなることを
    特徴とする耐孔あき腐食性に優れた高強度鋼板。
  2. 【請求項2】 上記鋼が、さらに重量%でB:0.00
    60%以下、Nb:0.10%以下、Ca:0.010
    0%以下の内、1種または2種以上を含有することを特
    徴とする請求項1記載の耐孔あき腐食性に優れた高強度
    鋼板。
JP4984395A 1995-03-09 1995-03-09 耐孔あき腐食性に優れた高強度鋼板 Pending JPH08246098A (ja)

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