JP3423501B2 - 耐孔あき腐食性と深絞り性に優れた冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

耐孔あき腐食性と深絞り性に優れた冷延鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐孔あき腐食性と深
絞り性に優れた冷延鋼板の製造方法に関するものであ
り、成形用鋼板の腐食が問題となる、自動車用鋼板等の
工業分野に広く用いることができる。
【0002】
【従来の技術】自動車に用いられる鋼板は、雨中での走
行、大きな温度変化等、厳しい腐食環境で使用されるた
め、強度や加工性のほか耐食性が求められる。また、近
年、自動車は軽量化の観点から使用される鋼板の薄肉化
傾向が強くなっており、鋼板肉厚が薄い場合、孔あき腐
食等を防止するためにより一層耐食性に注意を払う必要
がある。
【0003】特に、北米や北欧など、冬季に凍結防止剤
(NaCl、KCl、MgCl)や、滑り止めのための
砂利を道路に散布する地域では、塗膜を破壊する砂利
と、鋼板の腐食を促進するCl- イオンの存在下での乾
湿繰り返し状態となるため、極めて優れた耐食性が要求
される。
【0004】このような状況から、従来より自動車用鋼
板には亜鉛めっきを施す等の耐食性改善方策に加えて、
鋼板自体の耐食性、特に耐孔あき腐食性を改善する技術
が検討されている。例えば特開平2−22416号公報
には、P、Cuの単独あるいは複合添加により緻密な錆
層を形成させ耐食性を改善する技術が開示されている。
また、特閉平4−235250号公報にはP、Cuに加
えSiを添加することにより、初期錆の発生及び錆の還
元反応に影響を及ぼし、耐食性を向上させる技術が開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように母材鋼板
の耐食性を改善する技術の多くは、通常、かなりの量の
Pの添加を必要とするものである。
【0006】しかし、多量のP添加は粒界へのPの偏析
を招き、成形後の鋼板の脆性(二次加工脆性)を悪化さ
せる原因となる。また、自動車用鋼板のプレス成形時に
発生するスクラップはその多くが鋳物原料としてリサイ
クルされるが、Pは鋳物の靭性を悪化させるので、Pが
多量に添加された鋼板の使用には注意を要する。このよ
うに母材耐食性改善技術の多くに用いられるPは、プレ
ス成形用鋼板にとって基本的に好ましくない元素であ
る。
【0007】本発明は上記問題に鑑みなされたもので、
Pを積極添加することなく、優れたプレス成形性や耐二
次加工脆性を確保すると共に耐孔あき腐食性に優れた冷
延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の冷延鋼板の製造
方法は、重量%で、 C :0.001≦C ≦0.015 Si: Si≦0.5 Mn:0.1 ≦Mn≦0.7 P : P ≦0.03 S : S ≦0.01 Al:0.01 ≦Al≦0.05 N : N ≦0.006 Ti:0.02 ≦Ti*≦0.3 但しTi*=Ti−48C/12 −48N/14 −48S/32 Cu:0.02 ≦Cu≦0.5 を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を
熱延後、600℃以上で巻取り、酸洗、冷間圧延後、焼
鈍するに際して、焼鈍温度を750℃以上でAc3点以下
とし、焼鈍後500℃までの平均冷却速度を20℃/s
以上とするものである。
【0009】冷延鋼板の耐孔あき腐食性や深絞り性をよ
り向上させるため、前記成分に加えて、更に下記成分の
うち1種以上を含有する鋼を用いることができる。 Ni:0.02 ≦Ni≦0.5 Nb:0.01 ≦Nb≦0.05 V :0.01 ≦V ≦0.05 Zr:0.01 ≦Zr≦0.05 Mo:0.01 ≦Mo≦0.05 W :0.01 ≦W ≦0.05 B :0.0003≦B ≦0.006 Ca:0.0004≦Ca≦0.01 希土類元素REM : REM ≦0.01
【0010】本発明は、地鉄中に固溶したTi及びCu
を所定量含有する鋼を用いて熱延を行い、熱延後、巻取
温度を600℃以上に設定することにより、巻取過程に
おいてCをTiCとして積極的に析出させ、C、N等の
固溶元素を確実に固定し、これにより冷延・焼鈍過程に
おいて(111)組織の集積度を高めて鋼板の成形性、
特に深絞り性を向上させる。また、焼鈍過程において、
TiCの分解を促進してCやTiを再固溶させ、また焼
鈍後にTiCの再析出を抑制することにより、固溶Ti
とCuとの相乗作用により、P含有量を0.03%以下
に抑えたにもかかわらず、良好な深絞り性を確保すると
共に大幅な耐食性の向上を図ったものである。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明において使用する鋼
の成分限定理由について説明する。単位は全て重量%で
ある。 C:0.001≦C≦0.015 Cは量産鋼においては不可避な元素であり、鋼板の加工
性および耐食性の観点からは可能な限り少ないことが望
ましい。しかし、過度の高純度化は鋼板の耐二次加工脆
性の劣化を招くと共に非常にコストアップとなるので、
その下限を0.001%とする。−方、過剰なCは析出
物を増加させて加工性と共に耐食性を劣化させるため、
その上限を0.015%とする。
【0012】Si:Si≦0.5 Siは脱酸およびプレス加工性を確保しつつ、高強度化
を図るのに有効な元素である。しかし、過剰な添加はプ
レス加工性および熱延時の表面性状を悪化させるため、
その上限を0.5%とする。
【0013】Mn:0.1≦Mn≦0.7 MnはSによる熱間脆性を防止する目的で添加される元
素であるが、0.1%未満ではその効果が過少である。
一方、0.7%を超えると延性が低下し、加工性の観点
からは好ましくない。このため、Mn量の下限を0.1
%、上限を0.7%とする。
【0014】P :P ≦0.03 PはCuとの複合添加等により鋼板の耐食性を改善する
元素とされている。しかし、強化により鋼板の加工性を
劣化させ、また粒界に偏析して鋼板の耐二次加工脆性を
劣化させ、更にスクラップを経て鋳物に混入するとその
靭性を劣化させる等の悪影響が生じるため、本来可能な
限り低減することが望ましい。よって、本発明ではその
上限を0.03%、好ましくは0.02%とする。
【0015】S :S ≦0.01 Sは鋼中で金属元素等と結合し硫化物系介在物となって
存在する。この硫化物系介在物は金属との間で電位差を
生じて腐食の起点となるため、極力低減することが望ま
しい。特にS濃度が0.01%を超えると、硫化物系介
在物量の増加により耐孔あき腐食性が極端に劣化するよ
うになるため、その上限を0.01%とする。
【0016】Al:0.01 ≦Al≦0.05 Alは脱酸の目的で添加するが、0.01%未満ではそ
の効果が過少であり、、鋼中の酸素含有量を低減できな
い。一方、0.05%を越えて添加してもその効果が飽
和するため、その添加範囲の下限を0.01%、上限を
0.05%とする。
【0017】N :N ≦0.006 NはTiを含有する鋼中ではTiと結合してTiNを形
成する。このような化合物は腐食の起点となり、また防
食に寄与するTi量を減少させ、耐孔あき腐食性の劣化
を招くため、N含有量はできるだけ低減することが望ま
しく、その上限を0.006%とする。
【0018】Ti:0.02 ≦Ti*≦0.3 但しTi*=Ti−48C/12 −48N/14 −48S/32 (上記式中の元素記号は各元素の含有量を示す。) Tiは本発明においてCuと共に重要な添加元素であ
る。−般に、極低炭素鋼にC,N量と当量程度のTiを
添加する所謂IF鋼では、Tiの役割は専ら加工性の向
上にあり、過剰の添加はコストアップにもなるため不必
要であるとされている。しかし、耐食性の観点からはあ
る程度の固溶Tiを存在させることが望ましく、更には
適量のCuとの共存がより耐食性の向上に効果的であ
る。鋼中でのTiは通常、C,N,Sとほぼ当量が炭化
物,窒化物,硫化物等の化合物として存在し、含有量が
それらの当量を上回る場合には固溶Tiとして存在して
いる。固溶Tiによる耐食性改善効果のメカニズムは現
状のところ詳細には明らかでないが、腐食進行時におけ
るTiの溶出、優先酸化による錆層の安定化およびCu
の錆層緻密化の相乗効果によるものと推察される。この
効果を発現させるためには、上記Ti*量にして0.0
2%以上、好ましくは0.04%以上の添加が必要であ
るが、Ti*量が0.3%を超えると加工性の劣化を招
き、またコストアップにもなるため、その上限を0.3
%、好ましくは0.1%とする。全Ti含有量は、前記
Ti*が0.02%〜0.3%、好ましくは0.04〜
0.1%となるよう調整する。
【0019】尚、本発明の製造方法によると、焼鈍過程
でTi化合物の分解を促進してTiを再固溶させ、焼鈍
後の冷却過程ではTiCの生成を抑制する冷却速度で冷
却するので、焼鈍後の鋼板における固溶Tiは前記Ti
*量よりも大きくなる。
【0020】Cu:0.02 ≦Cu≦0.5 Cuは単独の添加でも鋼板の生成錆を緻密化し耐食性を
向上きせる元素であるが、化合物を形成していないTi
との共存により更に良好な耐食性を鋼板に付与すること
ができる。しかし、0.02%未満の含有量ではその効
果が顕著でない。一方、0.5%を超えて添加しても耐
食性の効果は飽和し、また、加工性も低下するようにな
るため、その添加範囲を0.02〜0.5%、好ましく
は0.1〜0.4%とする。
【0021】本発明に使用する鋼は上記元素のほか、残
部Fe及び不可避的不純物からなるが、必要に応じて、
下記の元素のうち1種以上を添加することにより、より
一層加工性や耐食性等の特性を向上させることができ
る。
【0022】Ni:0.02≦Ni≦0.5 Cu含有量が多い鋼では表面キズが発生しやすいが、C
u含有量の多い鋼にNiを添加することにより、このキ
ズを防止する事ができ、製品の表面性状を向上させるこ
とができる。0.02%未満ではかかる効果が過少であ
るので、下限を0.02%とする。一方、Niは耐食性
の向上に寄与する成分でもあるが、0.5%を超えて添
加しても表面性状及び耐食性の向上効果は飽和し、ま
た、コストアップになるため、その上限を0.5%とす
る。表面性状の観点からCu添加量が多い場合には、N
iをCu含有量の半分から同量添加することが望まし
い。
【0023】Nb,V,Zr,Mo,W:各0.01〜
0.05% これらの元素は鋼の深絞り性を改善し、また炭窒化物を
形成して、固溶Ti量を増加させ、これにより耐食性の
改善に寄与する。0.01%未満ではかかる効果が過少
であるため、下限を0.01%とする。一方、0.05
%を越えて添加しても効果が飽和し、またコストアップ
となるため、その上限を0.05%とする。
【0024】B :0.0003≦B ≦0.006 Bは鋼の耐二次加工脆性を改善するために添加するが、
0.0003%未満ではその劾果が過少であり、また
0.006%を超えて添加するとかえって鋼が脆化する
ため、その添加範囲を0.0003〜0.006%とす
る。
【0025】Ca:0.0004≦Ca≦0.01 鉄の腐食が進行している段階では孔食内部が酸性化し更
に鉄の腐食が促進されるが、Caの存在により孔食内部
を塩基性化し、孔食の進展を抑制する。0.0004%
未満ではかかる作用が過少であり、一方0.01%を超
えると鋼の脆化を招くため、その添加量を0.0004
%〜0.01%とする。
【0026】希土類元素REM :REM ≦0.01 Mg,SrなどのCa以外の希土類元素も孔食内部を塩
基性化し、腐食の進行を抑制するが、0.01%を超え
る添加は鋼の脆化を招くため、その上限を0.01%と
する。
【0027】次に本発明の製造条件について説明する。
上記化学成分を有する鋼は常法により溶製、鋳造後、通
常1100〜1300℃程度の温度に加熱され、Ar3
以上の温度で熱間圧延を終了した後、酸洗し、冷間圧延
された後、焼鈍されるが、熱間圧延以後の工程において
は下記の条件に従う必要がある。尚、冷間圧延率は、
(111)集合組織の集積度を高めると共に均一な冷間
加工圧延組織を得るためには、50〜85%程度に設定
することが望ましい。焼鈍としては連続焼鈍あるいはバ
ッチ焼鈍のいずれでもよいが、前者は冷却速度の制御が
容易で、生産性にも優れる利点がある。
【0028】熱延後の巻取温度:600℃以上 鋼板の加工性、特に深絞り性を向上させるためには冷
延、焼鈍後の(111)集合組織の集積度を高める必要
があり、そのためには、C,N等の固溶元素を熱延時に
折出物として固定しなければならない。Ti添加鋼にお
いて熱延終了時に窒化物はほぼ完全に析出するが、炭化
物を完全に析出させるためには、熱延後の高温保持が必
要であり、巻取温度を600℃以上、好ましくは650
℃以上とする必要がある。
【0029】焼鈍温度(均熱温度):750℃以上でA
c3点以下 Ti添加量の少ない場合には耐食性の観点からできるだ
け高温で焼鈍して熱延時に析出したTiCを再固溶さ
せ、化合していないTiを確保することが必要である。
また、耐二次加工脆性改善の観点からもTiCの分解に
よる固溶Cの確保は重要である。さらに、(111)集
合組織の集積度を高め、高いr値を得るためには、高温
で焼鈍し焼鈍後の結晶粒径を大きくするほうが有利であ
る。しかし、オーステナイト温度域で焼鈍した揚合、焼
鈍後に(111)集合組織が得られないため、Ac3温度
より低温で焼鈍する必要がある。よって、焼鈍温度は7
50℃以上、望ましくは800℃以上で、Ac3温度以下
とする。
【0030】焼鈍後の冷却速度:焼鈍温度から500℃
までの平均冷却速度20℃/s以上 前述の通り、熱延時に折出させたTiCを焼鈍時に再固
溶きせることは耐食性、耐二次加工脆性の観点から有効
である。しかしTiCは700℃〜600℃での折出速
度が速いので、焼鈍後、20℃/s未満の緩冷却を行う
とその温度区間で再び析出するようになる。よって、冷
却時におけるTiCの析出を確実に抑制するために、焼
鈍温度から500℃までの平均冷却速度を20℃/s以
上とする。
【0031】本発明により製造された冷延鋼板は、製造
後さらに溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき等の各種
めっきを施したり、各種の塗装、塗装下地処理、有機皮
膜処理を必要に応じて任意に行うことができる。本発明
にかかる鋼板は、そのままで又は塗装して使用すること
により優れた性能を発揮するが、めっきや有機皮膜塗布
等の適当な表面処理を施すことにより、より優れた耐食
性を発揮する。
【0032】
【実施例】表1に示した成分の鋼片を仕上温度920℃
で熱間圧延後、680℃で巻き取った。酸洗後、圧下率
80%で0.8mm厚まで冷間圧延を行い、焼鈍温度82
0℃で60s保持後、、500℃までの平均冷却速度2
5℃/sとして連続焼鈍した後、耐食性評価に供した。
その結果を表1に併せて示す。
【0033】耐孔あき腐食性は、鋼板にリン酸塩処理を
施した後、カチオン電着塗装後、素地に達するクロスカ
ットを入れ、塩水散布(50℃の塩水を16時間散布)
→乾燥(70℃で4時間保持)→湿潤(湿度85%で4
時間保持)を1サイクルとする腐食促進テストを50サ
イクル行い、クロスカット部の浸食最大深さ(最大孔あ
き深さ)を測定して評価した。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、本発明の成分範
囲外の比較鋼の鋼板の最大孔あき深さは0.5〜0.6
mmであるのに対し、本発明対象鋼の鋼板の最大孔あき
深さは0.3mm程度であり、耐食性が大幅に改善され
ているのがわかる。更に、Ti*量およびCu量と最大
孔あき深さとの関係を整理した結果を図1にを示すが、
それぞれを単独添加する場合に比較して、所定量の複合
添加を行った場合、著しい耐食性の向上作用が認められ
る。
【0036】また、表1の鋼種No. 8、10、18、2
0(全て本発明対象鋼種)について巻取温度、焼鈍温度
および焼鈍後の冷却速度を変えたときの最大孔あき深
さ、r値および延性脆性遷移温度を調べた結果を製造条
件と共に表2に示す。
【0037】同表において、深絞り性の指標であるr値
は、圧延方向に対して0度、45度、90度の各方向に
採取したJIS5号引張試験片の10%変形時の板幅歪
みと板厚歪みの対数比をそれぞれr0 、r45、r90とし
て下記式により求めた。 r=r0 /4+r45/2+r90/4
【0038】また、耐二次加工脆性の指標である延性脆
性遷移温度は、板厚0.8mmのブランクを絞り比2.
5で25mm径のカップに成形し、30°の円錐ポンチ
を1.5ton の荷重で開口部より圧下したときの破壊形
態を各温度で調査して求めた。
【0039】
【表2】
【0040】表2より本発明の製造範囲を外れた比較例
では耐食性、加工性および耐二次加工脆性のバランスを
欠き、優れた鋼板が得られないことが分かる。例えば、
鋼種No. 8の試料No. a・bとc・dを比較すると、前
者は焼鈍温度が本発明範囲未満であり、TiCの分解、
Tiの再固溶が不足しているため、実施例の試料No.c
・dに比して耐食性に劣り、最大孔あき深さが大きい。
また、鋼種No. 18の試料No. i・jとk・lを比較す
ると、前者は巻取温度が本発明範囲未満であるため、固
溶CのTiによる固定が不足し、実施例にかかる試料N
o. k・lに比してr値が低い。また、鋼種No. 20の
試料No. m・nとo・pを比較すると、前者は焼鈍温度
が本発明範囲未満であり、TiCの分解、Cの再固溶が
不足しているため、実施例の試料No. o・pに比して延
性脆性遷移温度が高く、耐二次加工脆性が劣化してい
る。もっとも試料No. m・nの場合、Ti含有量が前記
試料No. a・bに比して十分大きいため、耐食性が著し
く低下するまでには至っていない。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、Ti*をC、N、S含
有量との関連において所定の値に調整すると共に、巻取
温度を600℃以上としたので固溶CをTiにより確実
に固定することができ、冷延・焼鈍の際に(111)の
集積度を高めることができ、優れた深絞り性を得ること
ができる。また、焼鈍過程においてTiCの分解を促進
する一方、焼鈍後の冷却過程におけるTiCの生成を抑
制したので、TiやCを基地中に再固溶させることがで
き、P含有量を0.03%以下と低減したにもかかわら
ず、耐孔あき腐食性や耐二次加工脆性に優れたプレス加
工用冷延鋼板を容易に得ることができる。本発明は自動
車用鋼板等の腐食が問題となるプレス成形加工用冷延鋼
板の製造方法として最適であり、スクラップ利用の自由
度も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cu及びTi*(固溶Ti)含有量と耐孔あき
腐食性との関係を示した図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−31547(JP,A) 特開 平8−157969(JP,A) 特開 平7−197189(JP,A) 特開 平3−232926(JP,A) 特開 平6−287642(JP,A) 特開 平5−140654(JP,A) 特開 平4−246128(JP,A) 特開 平7−150237(JP,A) 特開 平7−197124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C21D 8/00 - 8/04 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.001≦C ≦0.015 Si: Si≦0.5 Mn:0.1 ≦Mn≦0.7 P : P ≦0.03 S : S ≦0.01 Al:0.01 ≦Al≦0.05 N : N ≦0.006 Ti:0.02 ≦Ti*≦0.3 但しTi*=Ti−48C/12 −48N/14 −48S/32 Cu:0.02 ≦Cu≦0.5 を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼を
    熱延後、600℃以上で巻取り、酸洗、冷間圧延後、焼
    鈍するに際して焼鈍温度を750℃以上でAc3点以下と
    し、焼鈍後500℃までの平均冷却速度を20℃/s以
    上とする耐孔あき腐食性と深絞り性に優れた冷延鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した成分を含み、更に重
    量%で Ni:0.02 ≦Ni≦0.5 Nb:0.01 ≦Nb≦0.05 V :0.01 ≦V ≦0.05 Zr:0.01 ≦Zr≦0.05 Mo:0.01 ≦Mo≦0.05 W :0.01 ≦W ≦0.05 B :0.0003≦B ≦0.006 Ca:0.0004≦Ca≦0.01 希土類元素REM : REM ≦0.01 のうち1種以上を含有する請求項1に記載した耐孔あき
    腐食性と深絞り性に優れた冷延鋼板の製造方法。
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