JP3874821B2 - 深絞り性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車用内板等として使用され、高強度で且つプレス成形性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用鋼板として、安全性,車体重量の軽減,素材使用量の削減等から高強度鋼板が広く使用されている。この自動車用鋼板は、厳しい成形加工が施されることから、良好なプレス成形性、特に深絞り性の指標であるランクフォード値が高いことが要求される場合が多い。
高強度の冷延鋼板については、従来から多くの提案がされている。たとえば、特開昭62−205231号公報では、低炭素鋼にSi,Mn及びPを添加し、熱間圧延の条件を適正化することにより、490N/mm2 級以上の高強度を得ている。しかし、この鋼板は、ランクフォード値が約1.0程度であり、深絞り性に劣る。
深絞り性を改善する手段として、特公昭62−34804号公報では、極低炭素鋼にTiを添加したものをベースとして少量のMn等を添加し、且つ冷延及び焼鈍条件を適正化している。この方法によるとき、約2.0程度のランクフォード値が得られるが、鋼材の強度レベルが390N/mm2 以下と低くなっている。また、自動車用鋼板としては、耐食性が要求されることから溶融亜鉛めっき鋼板が広く使用されており、高ランクフォード値をもつ溶融亜鉛めっき鋼板についても特開昭62−260046号公報等で提案されている。しかし、従来の方法で製造される溶融亜鉛めっき鋼板の強度は、390N/mm2 以下と低く、自動車用鋼板として要求される特性を十分に満足していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法で高強度化しようとするとランクフォード値が低くなり、鋼板の成形性が劣化する。逆に、成形性を改良するためにランクフォード値を上げた場合には、強度が不足する傾向にある。このように相反する傾向を示す強度及びランクフォード値を共に改善する方法は、これまでのところ実用化されていない。そのため、強度及びランクフォード値の何れか一方に重点をおいた鋼材の選択を余儀なくされる。
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、焼鈍時における集合組織変化を利用してランクフォード値を高めることにより、自動車用鋼板として要求される490N/mm2 以上の高強度をもち、且つランクフォード値が1.4以上を示す深絞り性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板製造方法は、その目的を達成するため、C:0.0027〜0.01重量%,Si:2.0重量%以下,Mn:1.0〜4.0重量%,P:0.05〜0.20重量%,S:0.02重量%以下,Mo:0.005〜0.5重量%,酸可溶Al:0.005〜0.1重量%,N:0.007重量%以下及びB:0.0005〜0.003重量%を含み、更にTi:[(48/12)×%C+(48/14)×%N+(48/32)×%S]〜0.1重量%,Nb:0.01〜0.1重量%,V:0.01〜0.1重量%,Zr:0.01〜0.1重量%の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成をもつ鋼スラブに熱延巻取り温度を450〜700℃とする熱間圧延を施し、冷間圧延後に連続溶融亜鉛めっき設備のインライン焼鈍で加熱速度5〜30℃/秒,焼鈍温度Ac1変態点〜900℃,均熱時間40〜120秒,焼鈍温度から500℃までの平均冷却速度40℃/秒以上の連続焼鈍を施し、ポリゴナルフェライト組織と擬ベイナイト組織との混合組織又は擬ベイナイトの単相組織にすることを特徴とする。
使用される鋼スラブは、更にCu:0.1〜0.4重量%及び/又はNi:0.1〜0.4重量%を含むこともできる。
【0005】
【作用】
本発明者等は、インライン焼鈍型の連続式溶融亜鉛めっき設備での焼鈍工程における組織変化が強度やランクフォード値に及ぼす影響を調査・研究した。その結果、オーステナイト形成元素であるMnを含ませた極低炭素Ti含有鋼では、適正条件下の焼鈍を施すことにより490N/mm2 以上の高強度及び1.4以上のランクフォード値が得られることを見い出した。
すなわち、極低炭素Ti含有鋼にオーステナイト形成元素であるMnを含ませ、鋼の変態点を低下させるとき、連続焼鈍工程でα+γ二相域又はγ単相域の焼鈍が比較的容易になる。そこで、加熱過程におけるα→γ変態時の集合組織変化及び冷却過程におけるγ→α変態時の集合組織変化を利用することにより、焼鈍の加熱過程で生じる再結晶集合組織が高ランクフォード値化される。
【0006】
また、冷却過程におけるγ→α’変態のミクロ組織変化を利用して、焼鈍後の組織をポリゴナルフェライト相と擬ベイナイト相の二相、又は擬ベイナイト単相とすることにより、高強度化が図られる。擬ベイナイト相は、極低炭素鋼をAc1 変態点以上に加熱し、均熱後、急冷した場合に得られる変態組織であり、低炭素鋼等で得られているベイナイト組織に似た組織である。擬ベイナイト相は、ポリゴナルフェライト組織と比較して転位密度が高く、高強度をもっている、また、ランクフォード値の改善に有効な{554}変態集合組織も発達している。
本発明は、焼鈍時におけるこれらの変態を有効に活用するため、極低炭素Ti含有鋼に所定量のMnを含ませた鋼スラブを使用する。そして、鋼スラブに熱延巻取り温度450〜700℃の熱間圧延を施し、冷延後に得られた冷延鋼板に加熱速度,焼鈍温度,焼鈍時間,焼鈍温度から亜鉛浴に浸漬する冷却速度等を適正化した条件下で溶融亜鉛めっきするとき、強度及びプレス成形性の双方が改善された深絞り用高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られることを見い出した。
【0007】
以下、本発明で使用する鋼材に含まれる合金元素,含有量,製造条件等に付いて説明する。
C:0.001〜0.01重量%
深絞り性や延性を改善する上では、C含有量は少ないほど好ましい。また、炭化物,窒化物,炭窒化物,炭硫化物等として固定されることによっても、加工性に及ぼすCの悪影響を抑制できる。しかし、C含有量が0.01重量%を超えると、Cの固定に必要なTiやNb等の添加量が増大し、鋼材コストを上昇させる原因となるばかりでなく、ランクフォード値の向上にも不利となる。しかし、C含有量を0.001重量%未満まで下げることは、製鋼過程における製造コストを上昇させる。
Si:2.0重量%以下
鋼板の強度を上げる有効な合金元素である。しかし、2.0重量%を超えるSi含有量では、延性及びランクフォード値が大きく低下する。なお、Si含有量が0.5重量%以上になると、溶融亜鉛めっき性が低下し、不めっき等の欠陥が発生し易くなる。この種の欠陥発生をもたらす溶融亜鉛めっき性の低下は、冷間圧延後に電気めっきを施すことにより改善される。
【0008】
Mn:1.0〜4.0重量%
オーステナイト形成元素であり、Mn含有量が増大すると変態点が低下し、α+γ二相又はγ単相が比較的低温焼鈍でも容易に得られるようになる。本発明においては、焼鈍時に形成される再結晶集合組織を加熱過程のα→γ変態及び冷却過程のγ→α変態の集合組織変化を利用し、高ランクフォード値化を図る。また、冷却過程のγ→α変態によるミクロ組織変化により、高強度化が図られる。
高いランクフォード値が示される理由は明らかでないが、加熱過程で形成される再結晶集合組織と、α+γ二相又はγ単相における比較的低い温度の焼鈍によって生じる強いγの集合組織、更に冷却過程のγ→α変態を急冷することによるバリアント選択により、ランクフォード値と相関のある強い{554}〈225〉方位の変態集合組織が形成されることによるものと推察される。
また、高強度化を示す理由は、γ→α変態を急冷することにより、細粒のポリゴナルフェライト相と転位密度が高く硬質となる擬ベイナイト層の二相組織又は擬ベイナイト単相組織が得られるためと推察される。
以上の作用を得るためには、Mnを1.0重量%以上含ませることが必要である。しかし、4.0重量%を超えるMn含有量では、鋼板の延性が大きく低下する。
【0009】
Mo:0.005〜0.5重量%
焼入れ性を向上させる元素であり、Mo含有によって金属組織の微細化及び変態組織(擬ベイナイト組織)の形成が容易になる。そのため、連続焼鈍後の組織は、微細なポリゴナルフェライト組織と変態組織(擬ベイナイト組織)の混合組織、又は変態組織(擬ベイナイト組織)の単相組織を呈し、鋼板を高強度化する。また、変態組織(擬ベイナイト組織)の形成に伴った集合組織の変化により、{554}<225>方位の変態集合組織が強く形成され、ランクフォード値が高くなる。このような作用を得るためには、0.005重量%以上のMoを含有させることが必要である。しかし、0.5重量%を超える多量のMoが含まれると、延性が大きく低下し、圧延性や加工性が劣化する。
P:0.05〜0.20重量%
鋼板の強度を上げる有効な合金元素であるが、0.05重量%以上でPの効果が顕著になる。しかし、0.20重量%を超えて多量のPが含まれると、プレス加工時に二次加工割れが著しく助長される。
【0010】
S:0.02重量%以下
Mnと結合して非金属介在物を形成し、プレス加工時に加工割れ等の欠陥を発生させ易くなる。また、Tiと反応してTiSを形成することにより、Cの固定に必要なTi量を増加させる原因ともなる。したがって、S含有量は低ければ低いほど好ましく、本発明ではその上限を0.02重量%に規定した。
酸可溶Al:0.005〜0.1重量%
製鋼過程における脱酸剤として必要な添加元素であり、所定の脱酸効果を得るためには0.005重量%以上のAlが必要である。しかし、0.1重量%を超える多量のAl含有量では、Al2 O3 等の介在物が増加し、加工性や表面品質を劣化させる。
N:0.007重量%以下
固溶Nとして残存すると深絞り性を劣化させることから、TiやNbにより固定化する。しかし、N含有量の増加に伴ってTiNの析出量が多くなり、{554}再結晶集合組織の発達が抑制される。そこで、本発明にあっては、N含有量の上限を0.007重量%に規定した。
【0011】
B:0.0005〜0.003重量%
結晶粒界にPよりも優先的に位置し、Pの偏析に起因した粒界脆性、ひいてはプレス成形性の劣化を抑制する。この効果は、0.0005重量%以上のB含有で顕著となる。しかし、0.003重量%を超えるB含有量では、粒成長が阻害され、鋼板のランクフォード値や延性が低下する。
Ti:[(48/12)×%C+(48/14)×%N
+(48/32)×%S]〜0.1重量%
C,N及びSを固定して延性や加工性を改善すると共に、ランクフォード値を高くする{554}方位の再結晶集合組織を発達させる作用を呈する。これら作用は、C,N及びSの固定に必要な量以上のTi含有量で得られるが、0.1重量%で飽和する。
【0012】
Nb,V,Zr:0.01〜0.1重量%
何れもCを固定し、{554}方位の再結晶集合組織を発達させる作用を呈する。これらの作用は、0.01重量%以上の含有量で顕著になるが、0.1重量%で飽和する。
Cu:0.1〜0.4重量%
必要に応じて添加される合金元素であり、鋼板の耐食性を改善する作用を呈する。Cuの作用は、0.1重量%以上の含有量で顕著になる。しかし、0.4重量%を超える多量のCuが含まれると、耐食性改善効果が飽和するばかりでなく、延性も大きく低下する。
Ni:0.1〜0.4重量%
必要に応じて添加される合金元素であり、Cuに起因した熱間脆性を防止し、熱延時に高温割れの発生を防止する。Niの添加は、耐食性の改善にも有効に働く。特にCu添加鋼にあっては、熱間赤熱脆性を防止するため、Cuと同量のNiを添加することが好ましい。しかし、0.4重量%を超えるNi含有量は、Ni添加の効果が飽和するばかりでなく、高価なNiを多量に消費することから鋼材のコストが上昇する。
【0013】
以上の組成を持つ鋼材を転炉,電気炉等で溶製した後、スラブに連続鋳造する。得られたスラブは、そのまま直送し、或いは一旦冷却して冷片却とした後、熱間圧延される。
熱間圧延
熱間圧延温度及び熱延仕上げ温度は、特に限定されるものでないが、Ar3 変態点以上で圧延を終了することが好ましい。ただし、熱延巻取り温度は、450〜700℃の範囲に設定する。巻取り温度を700℃以下とすることにより、熱延板の細粒化及び強い熱延集合組織を形成することができる。この熱延板の細粒化及び強い熱延集合組織は、焼鈍時の再結晶集合組織である{554}〈225〉方位への集積度を高める。しかし、450℃を下回る熱延巻取り温度では、巻取り後の板形状に不良が発生し易くなる。
【0014】
連続式溶融亜鉛めっき
熱間圧延後の鋼板は、常法に従って酸洗・冷間圧延され、インライン焼鈍型の連続式溶融亜鉛めっき工程に送られる。Siを0.5重量%以上含む冷延鋼板は、溶融亜鉛めっき性を向上させるため電気めっきを施し、インライン焼鈍型の連続式溶融亜鉛めっき設備で還元焼鈍及び溶融亜鉛めっき処理されることが好ましい。電気めっきは、還元焼鈍時に生成する易酸化性元素Siの酸化物に起因する不めっき等のめっき欠陥を防止する。具体的には、Ni,Fe,Fe−B,Fe−P等のプレめっき層が電気めっきにより形成される。
還元工程では、変態直前に再結晶を完了させるため加熱速度の上限を30℃/秒に設定した。他方、極端に遅い加熱速度では、再結晶粒が粗大化することから、下限を5℃/秒と設定した。
変態時の集合組織変化及びミクロ組織変化を利用して特性の改善を図るため、Ac1 変態点以上の温度で焼鈍する。しかし、920℃を超える焼鈍温度では、通常の焼鈍設備を用いた生産が困難になる。また、結晶粒の粗大化及びランクフォード値に悪影響を及ぼす変態集合組織の形成を抑制するため、焼鈍時の均熱時間を40〜120秒にすることが必要である。
均熱後の冷却速度は、深絞り性に有効な集合組織及び高強度化に有効な擬ベイナイト組織の生成・発達に関係する。冷却速度を40℃/秒以上に設定すると、これら集合組織や擬ベイナイト組織が発達し、深絞り性の改善及び高強度化が図られる。他方、40℃/秒に満たない冷却速度では、必要な集合組織や擬ベイナイト組織が十分に成長しない。
【0015】
【実施例】
実施例1:
表1に示した組成の鋼1〜17を溶製し、スラブ加熱温度1250℃,仕上げ温度920℃,熱延巻取り温度550℃の条件で熱間圧延した。得られた熱延板を酸洗した後、板厚1mmまで圧下率75%の冷間圧延を施した。次いで、連続式溶融亜鉛めっきラインにおいて、加熱速度10℃/秒,焼鈍温度900℃,均熱時間60秒,焼鈍温度から500℃までの平均冷却速度50℃/秒の条件下で還元焼鈍し、溶融亜鉛めっきした。
【0016】
【表1】
【0017】
得られた溶融亜鉛めっき鋼板に伸び率1%の調質圧延を行った後、JIS 5号試験片を切り出し、機械的性質を調査した。調査結果を示す表2にみられるように、本発明に従った鋼1〜12は、何れも490N/mm2 以上の高い強度をもち、強度−延性バランスに優れ、しかも1.4以上の高ランクフォード値を示していた。これに対し、比較鋼13〜17は、C,Si,Mn,P,Mo及びTiの何れかが本発明で規定した範囲を外れていることから、ランクフォード値が大きく低下していた。
【0018】
【表2】
【0019】
実施例2:
表1に掲げた鋼種番号2のスラブを熱間圧延し、酸洗後、圧下率75%の冷間圧延を施し、連続式溶融めっきラインで還元焼鈍して溶融めっきを施した。還元焼鈍の条件を、熱延時の巻取り温度と共に表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
得られた溶融亜鉛めっき鋼板に伸び率1%の調質圧延を施した後、JIS 5号試験片を切り出し、機械的性質を調査した。調査結果を示す表4にみられるように、本発明で規定した条件下で溶融亜鉛めっき時の還元焼鈍を施したものでは、何れも490N/mm2 以上の引張り強さをもち、ランクフォード値も1.44以上の高い値を示した。これに対し、熱延工程の巻取り温度又は溶融めっき工程での還元焼鈍条件が本発明で規定した範囲を外れる工程5〜8で得られた溶融めっき鋼板は、ランクフォード値が大きく低下していた。
【0022】
【表4】
【0023】
実施例3:
耐食性を調査するため、本発明鋼のうちCuを含有する鋼材番号6,11,12、及び比較鋼のうちCuを含有しない鋼材番号14の溶融亜鉛めっき鋼板を腐食試験に供した。試験片は、70mm×150mmのサイズをもち、端面及び裏面をポリエステルテープでシールした。腐食試験は、JIS Z2371の塩水噴霧試験に準じ、濃度0.5%の塩水噴霧2時間→60℃の熱風乾燥4時間→JIS C1234の湿潤2時間の合計8時間を1サイクルとし、300サイクル繰り返す複合腐食試験を行った。そして、腐食試験後の最大侵食深さを測定し、その大きさで耐食性を評価した。調査結果を示す表5にみられるように、本発明鋼は、比較鋼に比べて最大侵食深さが浅く、耐食性に優れていることが判る。
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、Mnを添加することにより変態点を下げた極低炭素Ti含有鋼のスラブを熱間圧延して450〜700℃で巻き取った後、α+γ二相域又はγ単相域での焼鈍を容易にし、α−γ変態による集合組織変化を利用してランクフォード値を高めると共に、焼鈍後の組織をポリゴナルフェライト相と擬ベイナイト相の二相又は擬ベイナイト単相とすることにより高強度化を図っている。このようにして、本発明によるとき、自動車用鋼板として好適な深絞り性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
Claims (2)
- C:0.0027〜0.01重量%,Si:2.0重量%以下,Mn:1.0〜4.0重量%,P:0.05〜0.20重量%,S:0.02重量%以下,Mo:0.005〜0.5重量%,酸可溶Al:0.005〜0.1重量%,N:0.007重量%以下及びB:0.0005〜0.003重量%を含み、更にTi:[(48/12)×%C+(48/14)×%N+(48/32)×%S]〜0.1重量%,Nb:0.01〜0.1重量%,V:0.01〜0.1重量%,Zr:0.01〜0.1重量%の1種又は2種以上を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成をもつ鋼スラブに熱延巻取り温度を450〜700℃とする熱間圧延を施し、冷間圧延後に連続溶融亜鉛めっき設備のインライン焼鈍で加熱速度5〜30℃/秒,焼鈍温度Ac1変態点〜900℃,均熱時間40〜120秒,焼鈍温度から500℃までの平均冷却速度40℃/秒以上の連続焼鈍を施し、ポリゴナルフェライト組織と擬ベイナイト組織との混合組織又は擬ベイナイトの単相組織にすることを特徴とする深絞り性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 請求項1記載の鋼スラブが更にCu:0.1〜0.4重量%及び/又はNi:0.1〜0.4重量%を含むものである高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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