JP2942032B2 - 深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JP2942032B2 JP25523191A JP25523191A JP2942032B2 JP 2942032 B2 JP2942032 B2 JP 2942032B2 JP 25523191 A JP25523191 A JP 25523191A JP 25523191 A JP25523191 A JP 25523191A JP 2942032 B2 JP2942032 B2 JP 2942032B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用鋼板などに
有利に適用できる深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法を提案するものである。近年、自動車用鋼板などに使
用される薄鋼板においては、耐食性の向上を目的として
各種表面処理鋼板が用いられる場合が多く、その需要が
増大してきている。そして、それらの表面処理鋼板のう
ち、溶融亜鉛めっき鋼板はその製造コストとくに表面処
理費用及び特性からみて、優れた表面処理鋼板のうちの
一つとして、有利に用いられている。
【0002】ところで、溶融亜鉛めっき鋼板に要求され
る特性としては、優れた耐食性はもちろんのこと、優れ
た深絞り性を有することも重要である。すなわち、自動
車の外板や内板は高度のプレス成形が施されるため、ラ
ンクフォード値(r値)が高く、伸びの大きい溶融亜鉛
めっき鋼板が要請されている。一方、経済性の観点から
製造コストの低減は常に望まれていることである。
【0003】
【従来の技術】このような深絞り性に優れた溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法として、例えば、特開昭57−29555
号公報には、成形性の極めて優れた非時効性溶融亜鉛め
っき鋼板およびその製造方法として、C: 0.006wt%,
Si : 0.009 wt%, Nb : 0.043 wt%, N: 0.0045 wt
%を含有する鋼を熱延後、酸洗処理を経て冷延し、さら
に連続溶融亜鉛めっきラインで再結晶焼鈍とめっき処理
とを行うことにより、r= 2.0 , El =49%程度の特性
値を得る手段が、また、特開昭59−74231 号公報には、
超深絞り性溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法として、C:
0.003wt%, Ti : 0.012 wt%, Nb : 0.007 wt%,
S: 0.010wt%, N:0.005 wt%を含有する鋼を熱延
後、酸洗処理を経て冷延し、さらに連続溶融亜鉛めっき
ラインで再結晶焼鈍とめっき処理とを行うことにより、
r= 2.1 , El=51%程度の特性値を得る手段がそれぞ
れ開示されている。
【0004】これらは、いずれも深絞り性に優れた溶融
亜鉛めっき鋼板及びその製造方法としては優れたもので
はあるが、最終製品にいたるまでの工程が長いので、そ
の結果、製品を得るまでに要するエネルギー、要員及び
時間が多大なものとなり経済性に劣るという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、鋼成分及
び製造条件を適正化することにより、従来法の冷延工程
又は酸洗−冷延工程を省略し、しかも深絞り性にさほど
の遜色がない溶融亜鉛めき鋼板を得ることができる経済
性に優れた新規な深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方
法を提案することを目的とするものである。また、この
発明は、さらに深絞り加工後の2次加工に際して問題と
なる耐2次加工脆性にも優れる深絞り用溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法を提案することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、以下のように鋼成分及び製造条件を限定する
ことにより、深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板が冷延工程を
省略して製造できることを見い出したことによるもので
ある。
【0007】すなわち、この発明の要旨は、 C: 0.01wt %以下、 Si : 0.5wt%以下、 Mn : 2.0wt%以下、 Al : 0.01 wt%以上、 0.15 wt%以下、 P: 0.15 wt%以下、 S: 0.05 wt%以下 及び N: 0.01 wt%以下を含み、かつ、 Ti : 0.01 wt%以上、 0.2wt%以下 及び Nb : 0.001wt%以上、 0.2wt%以下のうちから選んだ1
種又は2種を含有し、残部は鉄及び不可避不純物の成分
組成になる鋼を熱間加工し、その際、Ar3変態以下、50
0 ℃以上の温度域での合計圧下率を60%以上、98%以
下、かつ、仕上げ温度は750 ℃以下の圧延加工を施すこ
と、この圧延終了後5秒以内に550 ℃以下の温度に冷却
し、引き続き 550℃以下温度でコイルに巻き取ること、
その後の酸洗処理を経た上で、700 ℃以上、950 ℃以下
の温度域で1秒以上、10分間以下にわたる焼鈍処理と、
溶融亜鉛めっき処理とを施すこと、を特徴とする深絞り
用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法(第1発明)であり、
【0008】 第1発明の残部成分の鉄の一部と置換
して、 B:0.0001wt%以上と、 0.0030 wt%以下を含有させる
もの (第2発明)であり、
【0009】 第1発明又は第2発明におけるAr3
態点〜500 ℃での圧延を、潤滑を施しながら行うことを
特徴とする深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 (第
3発明)であり、
【0010】 第1発明、第2発明又は第3発明にお
ける酸洗、焼鈍及び溶融亜鉛めっきの各処理を、連続し
て行うことを特徴とする深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の
製造方法 (第4発明)である。
【0011】ここで、熱間加工の際、仕上げ圧延以降の
加工工程については上記のような限定を不可欠とするも
のであるが、これに先立つ熱間圧延及びこれに関連する
工程は従来の慣例に従って行ったものでよく、たとえば
連鋳スラブの粗圧延材、あるいはシートバキャスターに
よる連続鋳帯などを出発材とすることができるのは云う
までもない。また、酸洗、焼鈍及び溶融亜鉛めっき処理
を連続して行う場合には、連続溶融亜鉛めっきラインを
用いることでよい。
【0012】
【作用】まず、この発明の基礎となった、仕上げ圧延鋼
帯の温度推移の影響とくに 750〜550 ℃の温度域での滞
留時間とスケール厚との関係についての研究結果を述べ
る。
【0013】C:0.002 wt% , Si : 0.02wt % , Mn
: 0.13wt % , Al : 0.045wt% ,P:0.012 wt% ,
S: 0.008wt% , N: 0.002wt% , Ti : 0.038wt%
及び Nb : 0.014 wt%を含有する熱延鋼帯を、750 ℃に
加熱−均熱後、1パスで圧下率65%の圧延を行ない、こ
の圧延後、冷却速度を変えて750 〜550 ℃の温度範囲で
の滞留時間を1〜20秒の範囲で変化させ、得られた鋼板
のスケール厚を測定した。これらの結果を図1にまとめ
て示す。
【0014】図1は、鋼板のスケール厚におよぼす 750
〜 550℃の温度範囲での滞留時間の影響を示すもので、
この図から明らかなように、スケール厚は 750〜550 ℃
の温度範囲での滞留時間に依存し、その滞留時間を5秒
以内とすることによりスケール厚は3μm 以下と薄くな
ることを示している。なお、スケール厚が3μm 以下で
あれば、短時間酸洗によるスケール除去が可能となり、
さらに酸洗による鋼板表面性状の劣化が少ないため、め
っき密着性が向上する。また、この発明の成分組成範囲
であれば上記研究結果と同様のスケール生成挙動を示す
ことを確認した。
【0015】つぎに、この発明の成分組成及び製造条件
の限定理由などについて述べる。
【0016】 鋼の成分組成 この発明において、鋼の成分組成は深絞り性の向上をは
かるために重要であり、C:0.01wt%以下、 Si : 0.5
wt%以下、 Mn: 2.0 wt%以下, Al : 0.01〜0.15wt
%,P:0.15wt%以下、S: 0.05 wt%以下及びN:0.
01wt%以下で、かつ、Ti : 0.01 〜0.2 wt%及び Nb :
0.001 〜0.2 wt%のうち1種又は2種を含有しなければ
ならない。さらに、耐2次加工脆性の改善のためには、
B:0.0001〜 0.0030 wt%を含有させることが必要であ
る。以下に各成分組成についてその限定理由を述べる。
【0017】C: 0.01 wt%以下 Cは、少なければ少ないほど深絞り性が向上するので少
ない方が好ましいが、含有量が 0.01 wt%まではさほど
悪影響をおよぼさない。したがって、その含有量は 0.0
1 wt%以下とする。
【0018】Si : 0.5 wt%以下 Si は、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて
必要量含有させるが、0.5 wt%を超えて含有させると深
絞り性及び表面性状に悪影響をおよぼす。したがって、
その含有量は 0.5wt%以下とする。
【0019】Mn : 2.0 wt%以下 Mn は、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて
必要量含有させるが、2.0 wt%を超えて含有させると深
絞り性に悪影響をおよぼす。したがって、その含有量は
2.0wt%以下とする。
【0020】Al : 0.01〜 0.15wt % Al は、脱酸を行い、炭窒化物形成成分の歩留り向上の
ために必要量含有させるが、含有量が 0.01 wt%未満で
はその効果がなく、0.15wt%を超えて含有させてもより
一層の脱酸効果は得られない。したがって、その含有量
は 0.01 wt%以上、0.15wt%以下とする。
【0021】P:0.15wt%以下 Pは、鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量含有させるが、0.15wt%を超えて含有させると深絞
り性に悪影響をおよぼす。したがって、その含有量は
0.15 wt%以下とする。
【0022】S:0.05wt%以下 Sは、少なければ少ないほど深絞り性が向上するので少
ない方が好ましいが、含有量が 0.05 wt%まではさほど
悪影響をおよぼさない。したがって、その含有量は 0.0
5 wt%以下とする。
【0023】N:0.01wt%以下 Nは、Sと同様に少なければ少ないほど深絞り性が向上
するので少ない方が好ましいが、含有量が 0.01 wt%ま
ではさほど悪影響をおよぼさない。したがって、その含
有量は 0.01 wt%以下とする。
【0024】Ti:0.01〜 0.2wt% Tiは、炭窒化物の形成成分であり、鋼中の固溶C及びN
を低減させ、深絞り性を向上させる効果がある。含有量
が 0.01 wt%未満ではその効果がなく、0.2 wt%を超え
て含有させてもそれ以上の効果は得られず、鋼板表面性
状の劣化をもたらす。したがって、その含有量は 0.01
wt%以上、0.2 wt%以下とする。
【0025】Nb:0.001 〜 0.2wt% Nbは、炭化物形成成分であり、鋼中の固溶Cを低減さ
せ、深絞り性を向上させる効果がある。含有量が 0.001
wt%未満ではその効果がなく、0.2 wt%を超えて含有さ
せてもそれ以上の効果は得られない。したがって、その
含有量は 0.001wt%以上、0.2 wt%以下とする。またNb
は、仕上げ圧延前組織の微細化効果も有する。
【0026】B:0.0001〜 0.0030 wt% Bは、耐2次加工脆性の改善のために含有させる。含有
量が 0.0001 wt%未満ではその効果がなく、0.0030wt%
を超えて含有させると深絞り性が劣化する。したがっ
て、その含有量は 0.0001wt %以上、0.0030wt%以下と
する。
【0027】 製造条件 製鋼 製鋼法については、例えば転炉などで常法にしたがって
行えばよく、それらの条件の限定はとくに必要としな
い。
【0028】粗圧延 粗圧延は、たとえば連鋳スラブを再加熱又は連鋳後Ar3
変態点以下の温度に降温することなく直ちに、もしくは
保温処理後粗圧延してシートバーとしたものでよく、粗
圧延条件としては、仕上げ圧延前組織の微細化を目的と
して、粗圧延終了温度を 950℃以下とすることが好まし
い。
【0029】仕上げ圧延 仕上げ圧延工程は、この発明において最も重要であり、
粗圧延後、Ar3変態点〜500 ℃の温度範囲での合計圧下
率が 60 〜98%で、かつ、仕上げ温度が 750℃以下にな
る圧延を施し、この圧延終了後5秒以内に 550℃以下の
温度に冷却して750 〜550 ℃の温度範囲での滞留時間を
5秒以下とし、550 ℃以下の温度でコイルに巻き取るこ
とを必要とする。
【0030】また、深絞り性をさらに向上させるために
は、Ar3変態点以下、500 ℃以上の温度範囲での圧延を
潤滑を施しながら行うことが肝要である。上記について
その限定理由を以下に述べる。
【0031】・圧延温度:Ar3変態点〜500 ℃ 圧延温度は、Ar3変態点超えの温度域では、いくら圧延
を行ってもγ→α変態により集合組織がランダム化する
ため、低い平均r値しか得られない。一方、500℃未満
の温度に圧延温度を低下しても、より一層の平均r値の
向上は望めず、圧延荷重が増大するのみである。したが
って、圧延温度はAr3変態点以下、500℃以上とする。
【0032】・仕上げ温度:750 ℃以下 仕上げ温度が 750℃を超えると、圧延時に導入される加
工ひずみ量が少ないため、深絞り性に有利な{111 }方
位が優先的に形成されず、平均r値の向上が望めない。
したがって、仕上げ温度は 750℃以下とする。
【0033】・Ar3変態点〜500 ℃の温度範囲での合計
圧下率:60〜98% Ar3変態点〜500 ℃の温度範囲での合計圧下率を60%未
満では{111 }方位が優先的に形成されず平均r値の向
上が望めない。また、98%を超えるとr値に好ましくな
い集合組織が形成される。したがって、Ar3変態点〜50
0 ℃の温度範囲での合計圧下率は60%以上、98%以下と
する。
【0034】・Ar3変態点〜500 ℃の温度範囲での潤滑
圧延 Ar3変態点〜500 ℃の温度範囲での圧延を無潤滑圧延に
すると、ロールと鋼板との間の摩擦力に起因するせん断
変形により、深絞り性に好ましくない{110 }方位が鋼
板表層部に優先的に形成され平均r値の向上を阻害す
る。したがって、より良好な深絞り性を確保するために
はAr3変態点〜500 ℃の温度範囲での圧延を潤滑圧延と
することが重要である。
【0035】・圧延後の冷却:5秒以内に 550℃以下 圧延後の冷却については、前記した研究結果でも明らか
なように、圧延後 750〜550 ℃の温度範囲での滞留時間
が5秒を超えるとスケール厚が急激に増加し3μm 超え
となる。スケール厚が厚くなるとスケール除去のための
酸洗時間が増加するだけでなく、酸洗による鋼板表面性
状の劣化につながる。したがって、 750〜550 ℃の温
度範囲での滞留時間を5秒以内、すなわち、圧延後の冷
却は圧延後5秒以内に 550℃以下の温度に冷却するもの
とする。ここで、上記の冷却を行うためには、仕上げ圧
延後の急冷が有効であり、そのためには仕上げ圧延機出
側に冷却装置を設置することがよい。
【0036】また、ロール径、ロールの構造、潤滑剤の
種類ならびに圧延機の構造などについては特に限定する
ものではなく任意でよい。
【0037】酸洗・焼鈍:700 〜950 ℃・溶融亜鉛めっ
き この発明では、鋼板のスケール厚は3μm 以下と薄いた
め、通常の酸洗のラインのほかに、連続溶融亜鉛めっき
ラインの前処理工程として設置されている酸洗槽のみの
酸性処理でもよい。
【0038】焼鈍温度は、700 ℃未満では高い平均r値
が得られず、一方、950 ℃を超えるとα→γ変態により
集合組織がランダム化して材質劣化が生じる。したがっ
て、焼鈍温度は 700℃以上、950 ℃以下とする。
【0039】溶融亜鉛めっきは、常法に従って行えばよ
く、従来から知られている合金化めっき、あるいは非合
金化めっきの何れにも有利に適用できる。
【0040】なお、この発明では酸洗−焼鈍−溶融亜鉛
めっき処理を連続溶融亜鉛めっきラインにより連続して
行えるため、めっき前の鋼板表面が活性化状態にあり、
このためめっき密着性が良好となる利点がある。すなわ
ち、通常の工程を経た熱延板を酸洗後、数時間放置した
のち溶融亜鉛めっきを施したものにくらべ、めっき密着
性は優れたものとなる。
【0041】調質圧延 この発明により製造された溶融亜鉛めっき鋼板には、圧
下率5%以下の調質圧延を施すことができる。
【0042】
【実施例】転炉で溶製して表1に示す成分組成の鋼スラ
ブを、1050℃に加熱−均熱後粗圧延し、表2に示す仕上
げ圧延条件で板厚 1.0mmの鋼板として、そのスケール厚
を測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】上記鋼板のうち、試料記号 11, 17, 18 及
び 19 の試料についてはスケール厚が厚いため通常の酸
洗工程を通して酸洗処理を施したのち、48時間後、その
他の試料についてそのまま連続溶融亜鉛めっきラインを
通し、上記ライン前処理工程での軽酸洗、温度:850
℃、時間:40秒の焼鈍、溶融亜鉛めっき (合金化も含
む) 処理を施した。
【0046】なお、通常の酸洗工程の酸洗は、濃度:15
%Hcl,浴温:70 ℃, 酸洗時間:60 秒で行った。また、連
続溶融亜鉛めっきラインにおける軽酸洗は、濃度:10 %
Hcl,浴温:70℃, 酸洗時間:10 秒で行った。さらに、溶
融亜鉛めっきは、浴温:475 ℃、浸入板温度:475 ℃、
合金化温度:460 ℃及び目付量:40g/m2の条件で行っ
た。かくして得られた溶融亜鉛めっき鋼板について El
、平均r値、耐2次加工脆性、めっき密着性などを調
査した。これらの調査結果を上記表2にまとめて併記し
た。
【0047】ここに、Elは、JIS 5 号引張り試験片を用
いて測定し、平均r値は、15%予ひずみを与えた後、3
点法にて測定し、L方向(圧延方向)、D方向(圧延方
向に45度方向) 及びC方向(圧延方向に90度方向) の平
均値を、 平均r値=(rL +2rD +rC )/4 として求めた。また、耐2次加工脆性は、限界絞り比
3.8で加工した円筒形サンプルを−50℃に冷却した後圧
潰試験を行い、脆性割れの発生の有無で評価し、めっき
密着性は、サンプルに粘着テープを張り付けこれを引き
はがすめっきはく離試験を行い、めっきはく離の有無で
評価した。
【0048】表2から明らかなように、この発明の適合
例は冷延工程を省略しているにもかかわらず、Elが 47
%以上、平均r値が 1.7以上と良好な値を示し、Bを含
有させた試料(試料記号 3, 6 〜10, 12, 15及び16) に
ついては耐2次加工脆性にも優れ、さらに酸洗工程を省
略しているにもかかわらず、めっき密着性も良好であ
る。
【0049】なお、酸洗工程を通した比較例(試料記号
11, 17〜19) のめっき密着性は、長時間酸洗を行い、か
つ酸洗後長時間大気に放置されていたため、鋼板表面性
状が劣化し、めっき密着性が劣った。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、鋼の成分組成及び圧
延条件を主とする製造条件を適正化することにより、従
来法の冷却工程又は酸洗−冷延工程を省略して、深絞り
用鋼板として十分な深絞り性を有し、さらには耐2次加
工脆性にも優れる深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板を製造す
ることができ、工程省略による製造コストが低減され
る。したがって、この発明は、経済性に優れる深絞り用
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法として有利に適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延後の鋼板のスケール厚におよぼす 750〜55
0 ℃の温度範囲での滞留時間の影響を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 俊之 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株 式会社 技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平2−34722(JP,A) 特開 昭61−99631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/48 C23C 2/06 C22C 38/00 301 - 38/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C: 0.01wt %以下、 Si : 0.5wt%以下、 Mn : 2.0wt%以下、 Al : 0.01 wt%以上、 0.15 wt%以下、 P: 0.15 wt%以下、 S: 0.05 wt%以下 及び N: 0.01 wt%以下を含み、かつ、 Ti : 0.01 wt%以上、 0.2wt%以下 及び Nb : 0.001wt%以上、 0.2wt%以下のうちから選んだ1
    種又は2種を含有し、残部は鉄及び不可避不純物の成分
    組成になる鋼を熱間加工し、 その際、Ar3変態以下、500 ℃以上の温度域での合計圧
    下率を60%以上、98%以下、かつ、仕上げ温度は750 ℃
    以下の圧延加工を施すこと、 この圧延終了後5秒以内に 550℃以下の温度に冷却し、
    引き続き 550℃以下の温度でコイルに巻き取ること、 その後の酸洗処理を経た上で、700 ℃以上、950 ℃以下
    の温度域で1秒以上、10分間以下にわたる焼鈍処理と、
    溶融亜鉛めっき処理とを施すこと、を特徴とする深絞り
    用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 C: 0.01wt %以下、 Si : 0.5wt%以下、 Mn : 2.0wt%以下、 B: 0.0001 wt%以上、 0.0030 wt%以下、 Al : 0.01 wt%以上、 0.15 wt%以下、 P: 0.15 wt%以下、 S: 0.05 wt%以下 及び N: 0.01 wt%以下を含み、かつ、 Ti : 0.01 wt%以上、 0.2wt%以下 及び Nb : 0.001wt%以上、 0.2wt%以下のうちから選んだ1
    種又は2種を含有し、残部は鉄及び不可避不純物の成分
    組成になる鋼を熱間加工し、その際、Ar3変態以下、50
    0 ℃以上の温度域での合計圧下率を60%以上、98%以
    下、かつ、仕上げ温度は750 ℃以下の圧延加工を施すこ
    と、この圧延終了後5秒以内に550 ℃以下の温度に冷却
    し、引き続き 550℃以下の温度でコイルに巻き取るこ
    と、その後の酸洗処理を経た上で、700 ℃以上、950 ℃
    以下の温度域で1秒以上、10分間以下にわたる焼鈍処理
    と、溶融亜鉛めっき処理とを施すこと、を特徴とする深
    絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2におけるAr3変態
    点以下、500 ℃以上の温度域での圧延を、潤滑を施しな
    がら行うことを特徴とする深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3におけ
    る酸洗、焼鈍及び溶融亜鉛めっきの各処理を連続して行
    うことを特徴とする深絞り用溶融亜鉛めっき鋼板の製造
    方法。
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