JP3477896B2 - 耐食性に優れる加工用冷延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐食性に優れる加工用冷延鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に自動車の車体用と
して、曲げ加工、プレス成形加工、絞り成形加工に用い
る、耐食性に優れる加工用冷延鋼板及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近、環境問題から自動車の排気ガス規
制が検討されており、燃費の向上のために自動車の軽量
化の要請が高まってきた。また、自動車事故による死者
の増加も問題となっており、自動車の安全性向上も重要
な課題となっている。そこでこれらの問題に対して、引
張強さが350〜500MPaで、かつ優れた加工性を
有する鋼板が要求されるようになってきた。これらの高
張力鋼板により、鋼板の板厚を減少できるが、板厚の減
少にともなって、耐食性、特に孔食による強度低下の問
題が重要となる。現在は表面処理鋼板を採用することに
よって対応を行っているが、塗装やめっきのはがれ易い
足周り部品などではその効果も少なく、鋼板そのものの
耐食性の向上が必要となっている。
【0003】一方、強度的には300MPa程度で問題
ないが、加工性や耐食性の問題から鋼板の板厚を低減で
きない部品もあり、加工性と耐食性を兼備した軟質鋼板
の要求もある。従来から、鋼板そのものの耐食性改善の
ための各種の方法が提案されている。例えば、特開昭6
2−243739号公報には、C量が0.001〜0.
02wt%の低炭素鋼にCuやNiを添加した耐食性鋼
材が開示されている。しかし、Cuの添加は表面性状を
劣化させ、CuやNiの添加はコストアップをもたらす
などの問題がある。
【0004】また、鋼板のプレス成形性改善のためにも
各種の方法が提案されている。例えば、特公平3−53
381号公報には、C量が0.0020wt%未満の極
低炭素鋼に、重量比にてNb/C=5〜18のNb及び
Bを添加した超深絞り用冷延鋼板が開示されている。ま
た、特公昭63−4899号公報には、C量が0.00
05〜0.0150wt%の極低炭素鋼で、焼付硬化性
の付与が困難なTi添加IF鋼でありながら、S量とN
量をそれぞれ0.0030wt%以下、0.0040w
t%以下として合計で0.0050wt%以下の条件を
満たすように低減することで炭化物の生成を抑制し、焼
付硬化性を付与し、かつ深絞り性も兼備する冷延鋼板の
製造方法が開示されている。しかし、この程度の加工性
では車体軽量化には不十分であり、また耐食性に関して
何ら考慮されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状に鑑
み、プレス成形等の加工性に優れるのは勿論のこと、従
来よりも優れた耐食性を有する加工用冷延鋼板を比較的
安価に得ることが、本発明の目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、鋼の成分組成や製造条件を限定すること
により、極めて優れる耐食性及び加工性を有する冷延鋼
板が得られることを見出し、その知見に基づいて本発明
をなすに至った。具体的には、本発明の耐食性に優れる
加工用冷延鋼板は、 C:0.0015wt%以下及びS:0.0018wt
%以下であり、且つ Si:1.0wt%以下 Mn:0.1〜2.0wt% P:0.15wt%以下 N:0.003wt%以下 Al:0.04〜0.15wt% Nb:0.002〜0.02wt% Ti:0.01〜0.07wt% を含有し次式で与えられる有効Ti(Ti*)をC含
有wt%の20倍を超え40倍以内の範囲で含有し、残
部は鉄及び不可避的不純物からなることを特徴とする耐
食性に優れる加工用冷延鋼板である。
【0007】Ti*(wt%)=([Ti]−48/1
4[N]−48/32[S]) ここで、[Ti]、[N]及び[S]は、それぞれの含
有wt%である。また、本発明は、上記成分に、B:
0.0002〜0.0030wt%を追加含有してある
ことが好ましい。また上記成分に加えて、本発明は Mo:0.03〜1.0wt% Ni:0.03〜1.0wt% Cr:0.03〜1.0wt% V:0.002〜0.5wt% からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素を、総
量で2.0wt%以下含有することができる。
【0008】加えて、上記鋼板の製造方法に関する本発
明は、請求項1、2または3記載の鋼成分よりなる鋼ス
ラブを、1050℃以上1300℃以下の範囲内の温度
に均熱保持し、熱間圧延仕上温度が(Ar3 変態点−2
0℃)以上(Ar3 変態点+50℃)以下の範囲内で熱
間圧延を施し、酸洗し、65%以上90%以下の範囲内
の圧下率で冷間圧延し、700〜950℃の範囲内で再
結晶焼鈍を施すことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】先ず、この発明の基礎となった実験結果につい
て述べる。鋼中のC量が約0.0008wt%で、Mn
量が0.06〜1.1wt%、及びS量が0.006w
t%以下又は0.02wt%であり、さらにSi:0.
02wt%、P:0.012wt%、Al:0.06w
t%、Ti:0.03wt%、Nb:0.01wt%及
びN:0.002wt%の鋼成分からなる板厚0.8m
mの複数枚の冷延鋼板で、そのMn含有量と耐食性の関
係について調査を行った。なお、これらの鋼板は、上記
組成のシートバーを1250℃に加熱・均熱後、880
℃の仕上温度で熱間圧延を行い、続いて酸洗、冷延圧下
率75〜80%の冷間圧延を行った後、連続焼鈍温度8
30〜860℃で製造したものである。
【0010】そして、本調査での耐食性は、該冷延鋼板
を0.5%NaCl、0.5%CaCl2 、0.125
%Na225 腐食液に8時間浸漬後、16時間乾燥
させる腐食を繰り返す腐食サイクル試験(サイクル数3
0)にかけ、該試験後の最大孔食深さを測定して評価し
た。耐食性(最大孔食深さ)と鋼の化学成分、すなわち
S、Mn量との関係を図1に示す。図1から明らかなよ
うに、耐食性はS、Mn量に強く依存し、S量を0.0
06wt%以下としてMn量を0.1wt%以上とする
ことにより著しく向上している。
【0011】次に、鋼中のC量が約0.0008wt%
又は約0.0025wt%で、S量が0.0008〜
0.01wt%で、Si:0.02wt%、Mn:0.
6wt%、P:0.012wt%、Al:0.06wt
%、Ti:0.03wt%、Nb:0.01wt%及び
N:0.002wt%の鋼成分からなる板厚0.8mm
の冷延鋼板で、そのS量とランクフォード値(以下r値
と示す)の関係について調査を行った。なお、これらの
鋼板は、上述の実験で用いた鋼板と同様の条件にて製造
したものである。
【0012】その際、r値はJIS 5号引張試験片を
使用し、15%引張予歪を与えた後、3点法にて測定
し、L方向(圧延方向)、D方向(圧延方向に対し45
°の方向)及びC方向(圧延方向に対し90°の方向)
の平均値として、 r=(rL +2rD +rC )/4 から求めた。
【0013】r値と鋼の化学成分、即ちC量、S量との
関係を図2に示す。図2から明らかなように、r値はC
量、S量に強く依存し、C量が0.0008wt%程度
のとき、S量を0.006wt%以下とすることにより
著しく向上している。詳細は明らかではないが、前記の
条件により優れた耐食性やr値が得られる理由は以下の
ごとくであると考えられる。
【0014】すなわち、耐食性の向上はS量を0.00
6wt%以下の低S化し、かつ高Mn化したことにより
表層でのMn濃化分布もしくは表層濃化Mnの存在状態
が変化したので、鋼板表面状態が、耐食性とくに耐孔食
性に有利な表面性状に変化したものと考えられる。ま
た、r値の向上は、低S化とC≦0.002wt%の極
低C化により、さらには、適量のTi、Nbの添加によ
り熱延鋼板の結晶粒が微細化し、熱延鋼板中の析出物分
布が変化し、r値に有利な集合組織形成に有利な方向に
冷延集合組織又は再結晶挙動が変化したものと考えられ
る。
【0015】さらに、鋼中のC量が0.006〜0.0
03wt%、N量が0.0008〜0.003wt%、
S量が0.001〜0.008wt%で、Mn量が0.
3wt%、Siが0.02wt%、Pが0.012wt
%、Alが0.06wt%、Tiが0.001〜0.0
8wt%、Nbが0.01wt%の鋼成分からなる板厚
0.8mmの冷延鋼板で、そのTi*/C比と耐食性の
関係について調査を行った。なお、これら鋼板の製造方
法及び耐食性の評価は、前記と同じ方法である。
【0016】耐食性(最大孔食深さ)と鋼の化学成分、
すなわちTi*/Cとの関係を図3に示す。図3から明
らかなように、耐食性はTi*/Cと関連があり、Ti
*C以下20で著しく向上している。この理由は定かで
はないが、Cに対してTiを充分に添加することにより
適正な大きさの析出物が形成され、材料特性にも優れ発
生の起点が少なくなったためと考えられる。
【0017】上記成分の他に、本発明でBを適量添加し
た鋼板は、その加工性、耐二次加工脆性が上記の鋼板よ
り一層向上し、また、Mo、Ni、CrまたはVからな
る群のうちから選んだ1種又は2種以上の元素を適正範
囲量添加した鋼板は、耐食性がさらに向上し、強度の増
加に対して加工性の劣化が少ないことも見出した。発明
者は、以上述べた知見に基づき本発明をなすに至ったの
である。
【0018】次に、本発明における各成分の組成範囲の
限定理由について述べる。 C:0.0015wt%以下 この発明において重要な元素であり、良好な加工性を有
する冷延鋼板を得るためには、低S化と合わせて、従来
の極低炭素鋼よりさらにC量が低い極低炭素鋼でなけれ
ばならない。したがって、C量は、低S化の効果が現れ
0.0015wt%以下とする
【0019】Si:1.0wt%以下 Siは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必
要量添加されるが、その添加量が1.0wt%を超える
と深絞り性及び耐食性、特に耐孔食性が劣化するので
1.0wt%以下とする。特に好ましくは0.5wt%
以下とする。 Mn:0.1〜2.0wt% Mnはこの発明において重要な元素であり、低S化と合
わせて、0.1wt%以上添加することによって耐食性
を著しく向上させる効果があり、その下限値を0.1w
t%とする。また、Mnには鋼を強化する作用もあり、
所望の強度に応じて必要量添加されるが、その添加量が
2.0wt%を超えると深絞り性が劣化するのでその上
限を2.0wt%とする。特に好ましくは1.3wt%
以下とする。
【0020】P:0.15wt%以下 Pは鋼を強化する作用があり、所望の強度に応じて必要
量添加されるが、その添加量が0.15wt%を超える
と深絞り性が劣化し、また粒界面に多く偏析して脆化さ
せるので0.15wt%以下とする。 S:0.0018wt%以下 Sはこの発明において重要な元素であり、極低C化、高
Mn化と合わせて、0.0018wt%以下とすること
によって加工性や耐食性を著しく向上させる。したがっ
て、0.0018wt%以下とする
【0021】N:0.003wt%以下 Nは少ないほど深絞り性が向上するので好ましく、また
N量が多くなると、後述するように必要とするAl量が
過剰となって表面性状を劣化させるので、0.003w
t%以下とする。特に0.002wt%以下が好まし
い。 Al:0.04〜0.15wt% Alは脱酸及び鋼中Nの析出固定のために必要に応じて
添加されるが、良好な加工性を得るためには0.04w
t%以上必要であり、Al量が多すぎると加工性を劣化
させるばかりでなく、表面性状をも劣化させるので上限
を規制して0.15wt%以下とする。
【0022】Ti:0.01〜0.07wt% 良好な加工性を有する冷延鋼板を得るためには極低C、
S化とあわせて、固溶C、N、Sの低減が必要である。
そこでTiがこれらの析出固定のために必要に応じて添
加される。しかし、良好な加工性を得るためには、0.
01wt%以上必要であり、一方、Ti量が多すぎると
加工性を劣化させるばかりでなく、再結晶温度を上昇さ
せ、表面性状をも劣化させるので、上限を0.07wt
%と規定した。
【0023】Ti*(wt%)=([Ti]−48/1
4[N]−48/32[S]) で与えられる有効Ti(Ti*)がC含有wt%の20
倍を超え40倍以内の範囲を含有する理由を説明する。
鋼中のC,N,SとTiとの析出物を形成させて固溶
C,N,Sをなくすことで成形性は著しく向上する。こ
れは圧延での集合組織制御により、製品の深絞り性を良
好にするのに有利な方位(111)の集積度が高い集合
組織を有する鋼板を得ることができるからである。この
ため添加するTiは、TiS,TiN、TiCを形成す
る。しかし、TiNは高温で生成し易いが、TiC、T
iSはTiNと比較すると低温で生成し、なおかつ本願
のようにS,C量が低い場合は、析出物を形成しにく
く、溶解度曲線から想定されるTiS,TiCの析出開
始温度は低温側に移行する。このため、最も低温で析出
を開始するTiCを十分析出させ、固溶Cをなくするた
めには、添加するTiは多い方が良く、有効Ti(Ti
*)をC含有wt%の20倍を超えることにした。ま
た、原因は定かではないが、Ti*/C≧20とする
と、該鋼板の耐食性が非常に向上する。
【0024】一方、多量のTiを含有すると、鋼板の表
面性状を劣化させることが指摘されているが、本願のよ
うに含有するC,N,S量が微量である場合、これらの
元素を析出固定するために添加すべきTi量は、有効T
i(Ti*)がC含有wt%の20倍を越える量でも絶
対量としては表面性状を劣化させる程の量ではない。ま
た、再結晶温度の上昇あるいはコストアップに関しても
本願のように含有するC,N,S量が微量であると、実
質含有すべきTi量は多量にはならず、再結晶温度の急
激な上昇やコストアップは問題にならない。しかしなが
ら、有効Ti(Ti*)がC含有wt%の40倍を越え
ると、上記のような表面性状の劣化、再結晶温度の上
昇、コストアップといった問題が発生し易くなるため、
好ましくない。よって、本発明では、有効Ti(Ti
*)はC含有wt%の40倍以内の制限を設けることに
した。
【0025】Nb:0.002〜0.02wt% Nbは熱延板の結晶粒微細化による加工性向上のために
添加される。その量が0.002wt%より少ないと効
果がなく、0.02wt%を超えて添加してもかえって
加工性を劣化させるので上限を0.02wt%と規定し
た。以上述べたほか、本発明においては、B:0.00
02〜0.0030wt%を添加することができる。ま
た、耐食性のより一層の向上を目的として、Mo:0.
03〜1.0wt%、Ni:0.03〜1.0wt%、
Cr:0.03〜1.0wt%またはV:0.002〜
0.5wt%からなる群から選ばれた1種又は2種以上
の元素を、総量にて2.0wt%以下添加することがで
きる。
【0026】次に、本発明に係る冷延鋼板の製造工程条
件の限定理由を述べる。製鋼法については、現在行われ
ている常法に従えばよく、それらの条件の限定は、とく
に必要としない。熱間圧延においては、スラブ加熱温度
は1050℃から1300℃までの温度範囲でよいが、
析出物の粗大化による延性向上のためには1050℃か
ら1200℃までの低温加熱が好ましい。熱延仕上温度
はAr3 変態点直上が加工性に好ましいが、(Ar3
態点−20℃)以上で(Ar3 変態点+50℃)以下の
範囲内でよい。特にAr3 変態点以上で(Ar3 変態点
+30℃)以下の範囲内とするのが好ましい。この理由
は、Ar3 変態点未満になると圧延時の加工粒あるいは
フェライトの再結晶粒が生成し、十分な細粒化が達成で
きない。また(Ar 3 変態点+30℃)を超える温度で
は、熱延後のフェライト組織が微細にならないためであ
る。さらに、省エネルギーの観点から、連続鋳造スラブ
を再加熱又は連続鋳造後Ar3 変態点以下に降温するこ
となく、直ちにもしくは保温処理を施した後、粗圧延を
行っても本発明の特徴に何ら影響しないので、直送圧延
でもよい。
【0027】冷間圧延においては圧下率を65%以上に
しないと十分な加工性が得られないので65%以上とす
る。好ましくは70%以上の冷延圧下率とすることが有
利である。一方、冷延圧下率を90%以上とすると加工
性が劣化するので90%以下とする。冷間圧延後の再結
晶焼鈍温度は、700℃以上950℃以下の範囲内であ
ればよいが、望ましくは800℃以上で焼鈍するのがよ
い。ここに焼鈍法としては、連続焼鈍法、箱焼鈍法のど
ちらを用いてもよい。
【0028】なお、本発明は、焼鈍工程に連続焼鈍ライ
ン又は連続溶融亜鉛めっきラインを用いてよく、溶融亜
鉛めっき法としては、非合金化溶融亜鉛めっきまたは合
金化溶融亜鉛めっきのどちらにも適する。さらに、これ
らの冷延鋼板に、板形状矯正などの目的で調質圧延を通
常常識の範囲、すなわち板厚(mm)に等しい圧下率
(%)程度行って構わない。
【0029】
【実施例】表1及び表2に示す成分組成の鋼スラブを、
1150℃〜1250℃で加熱して均熱後、または連続
鋳造後再加熱することなしに、粗圧延を行い、次いで仕
上圧延を行った。この時の熱延仕上温度(FDT)を表
3に示す。引き続き、この熱延鋼板を酸洗し、表3に示
す冷延圧下率にて冷間圧延を行い、0.8mm厚の鋼板
とした。その後、引き続き連続焼鈍ラインにて表3に示
す温度にて20秒間の再結晶焼鈍を行った。そして、か
くして得られた冷延鋼板につき、引張特性及び耐食性を
調査する試験を行った。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】ここに、引張特性はJIS 5号引張試験
片を使用して測定し、ランクフォード値(r値)は、1
5%引張予歪を与えた後、3点法にて測定した。また、
r値は、L方向(圧延方向)、D方向(圧延方向に対し
45°の方向)及びC方向(圧延方向に対し90°の方
向)の平均値で示した。耐食性は、上述と同様の方法に
て評価した。
【0034】これらの試験結果も上記表3に一括して同
時に示してある。表3から明らかなように、本発明に係
る冷延鋼板は、高r値を示し、かつ優れた耐食性を有す
ることがわかる。一方、比較例として示した冷延鋼板
は、少なくとも加工性、耐食性のいずれか一方が劣って
いる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐食性、特に耐孔食性に優れ、かつ加工に適した特性を
有する冷延鋼板を提供でき、自動車の軽量化に大きく寄
与する。また、優れた加工性と耐食性、特に耐孔食性を
有する鋼板を、めっき等を施すことなく、しかも、Cu
等の特殊な元素を添加することなく安価に提供できるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】最大孔食深さに及ぼすMn量とS量の影響を示
すグラフである。
【図2】ランクフォード(r値)に及ぼすS量とC量の
影響を示すグラフである。
【図3】最大孔食深さに及ぼす鋼板中のTi*/C比の
影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−106003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.0015wt%以下及びS:
    0.0018wt%以下であり、且つ Si:1.0wt%以下 Mn:0.1〜2.0wt% P:0.15wt%以下 N:0.003wt%以下 Al:0.04〜0.15wt% Nb:0.002〜0.02wt% Ti:0.01〜0.07wt% を含有し 次式で与えられる有効Ti(Ti*)をC含有wt%の
    20倍を超え40倍以内の範囲で含有し、残部は鉄及び
    不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性に優れ
    る加工用冷延鋼板。 Ti*(wt%)=([Ti]−48/14[N]−4
    8/32[S]) ここで、[Ti]、[N]及び[S]は、それぞれの含
    有wt%である。
  2. 【請求項2】 さらに、B:0.0002〜0.003
    0wt%を含有することを特徴とする請求項1記載の耐
    食性に優れる加工用冷延鋼板。
  3. 【請求項3】 さらに加えて、 Mo:0.03〜1.0wt% Ni:0.03〜1.0wt% Cr:0.03〜1.0wt% V:0.002〜0.5wt% からなる群から選ばれた1種又は2種以上の元素を、総
    量で2.0wt%以下含有することを特徴とする請求項
    1又は2記載の耐食性に優れる加工用冷延鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載の鋼成分から
    なる鋼スラブを、1050℃以上1300℃以下の範囲
    内の温度に均熱保持し、 熱間圧延仕上温度が(Ar3 変態点−20℃)以上
    (Ar3 変態点+50℃)以下の範囲内で熱間圧延を
    施し、 酸洗し、 65%以上90%以下の範囲内の圧下率で冷間圧延し、 700〜950℃の範囲内で再結晶焼鈍を施すことを特
    徴とする耐食性に優れる加工用冷延鋼板の製造方法。
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