JPH08245806A - ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法Info
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- JPH08245806A JPH08245806A JP7049671A JP4967195A JPH08245806A JP H08245806 A JPH08245806 A JP H08245806A JP 7049671 A JP7049671 A JP 7049671A JP 4967195 A JP4967195 A JP 4967195A JP H08245806 A JPH08245806 A JP H08245806A
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- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 結晶化速度が速く、120℃未満と低い金型
温度での成形でも十分な結晶化度を有するポリアリーレ
ンスルフィド(PAS)樹脂成形品の製造方法を提供す
る。 【構成】 ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)、下記
ー般式 【化1】 (式中、Aは、脂肪族基、脂環族基または芳香族基を、
X1、X2は水素原子、アルキル基またはハロゲンであ
る。)で示されるモノイミド化合物(b)および結晶核
剤(c)を必須とするPAS樹脂組成物を、90℃以上
120℃未満の金型温度で成形してPAS樹脂成形品を
製造する。
温度での成形でも十分な結晶化度を有するポリアリーレ
ンスルフィド(PAS)樹脂成形品の製造方法を提供す
る。 【構成】 ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)、下記
ー般式 【化1】 (式中、Aは、脂肪族基、脂環族基または芳香族基を、
X1、X2は水素原子、アルキル基またはハロゲンであ
る。)で示されるモノイミド化合物(b)および結晶核
剤(c)を必須とするPAS樹脂組成物を、90℃以上
120℃未満の金型温度で成形してPAS樹脂成形品を
製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶化速度が速く、12
0℃未満と低い金型温度での成形でも十分な結晶化度を
有するポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法
に関するものである。
0℃未満と低い金型温度での成形でも十分な結晶化度を
有するポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド(以下、PP
Sと略す)樹脂に代表されるポリアリ−レンスルフィド
(以下、PASと略す)樹脂はそれ自体優れた耐熱性、
耐薬品性を有しており中でもガラス繊維などの強化材で
強化した成形材料は、自動車部品やエレクトロニクス関
連部品等の分野に於いて金属代替用に使用されつつあ
り、近年、需要を大きく伸ばしている。
Sと略す)樹脂に代表されるポリアリ−レンスルフィド
(以下、PASと略す)樹脂はそれ自体優れた耐熱性、
耐薬品性を有しており中でもガラス繊維などの強化材で
強化した成形材料は、自動車部品やエレクトロニクス関
連部品等の分野に於いて金属代替用に使用されつつあ
り、近年、需要を大きく伸ばしている。
【0003】しかし、PPS樹脂に代表されるPAS樹
脂は本来結晶性樹脂であるが、結晶化速度が非常に遅い
ことが欠点になっていた。このため、ポリエチレン、ポ
ロプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリアミド等の他の熱可塑性樹脂が室温〜10
0℃の金型温度で成形できるのに対して、PAS樹脂は
120℃以上の金型温度、一般的には150℃以上でな
いと十分結晶化が進んだ成形品が得られず、またたとえ
低温の金型温度で成形できたとしても、その成形品外
観、金型そのものからの離型性等が著しく悪く、成形品
が変形したり、クラックが発生している状態でしか成形
品が得られない場合が多かった。また低温の金型温度で
成形した成形品はガラス転移温度以上の雰囲気下に放置
すると変形する欠点もあった。また150℃以上と金型
温度が高いために、特にインサート成形時などには作業
員が火傷を負い易く、また、金型温度の昇温時間が通常
より長く必要となる、あるいは金型の寿命が短い等の作
業性の悪さ等も問題となっていた。更にまた例えばバリ
の発生を極端に嫌い、かつハンダ耐熱性等の耐熱性が必
要な精密成形品などでは、バリの発生が抑えられ、かつ
離型が可能となる90℃未満の金型温度で成形した後
に、120℃以上でアニーリングを行い、結晶化度を充
分にあげて、PPS樹脂本来の耐熱性を失わない状態で
使用するなどの後処理も必要であった。
脂は本来結晶性樹脂であるが、結晶化速度が非常に遅い
ことが欠点になっていた。このため、ポリエチレン、ポ
ロプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリアミド等の他の熱可塑性樹脂が室温〜10
0℃の金型温度で成形できるのに対して、PAS樹脂は
120℃以上の金型温度、一般的には150℃以上でな
いと十分結晶化が進んだ成形品が得られず、またたとえ
低温の金型温度で成形できたとしても、その成形品外
観、金型そのものからの離型性等が著しく悪く、成形品
が変形したり、クラックが発生している状態でしか成形
品が得られない場合が多かった。また低温の金型温度で
成形した成形品はガラス転移温度以上の雰囲気下に放置
すると変形する欠点もあった。また150℃以上と金型
温度が高いために、特にインサート成形時などには作業
員が火傷を負い易く、また、金型温度の昇温時間が通常
より長く必要となる、あるいは金型の寿命が短い等の作
業性の悪さ等も問題となっていた。更にまた例えばバリ
の発生を極端に嫌い、かつハンダ耐熱性等の耐熱性が必
要な精密成形品などでは、バリの発生が抑えられ、かつ
離型が可能となる90℃未満の金型温度で成形した後
に、120℃以上でアニーリングを行い、結晶化度を充
分にあげて、PPS樹脂本来の耐熱性を失わない状態で
使用するなどの後処理も必要であった。
【0004】これらの問題点を解決するため、比較的低
温の金型を用い高速結晶化させる方法として次のような
方法が提案されている。 特開昭62ー45654号公報記載のオリゴマー状
エステルを添加する方法、 特開昭62ー230849号公報記載の他のチオエ
ーテルを添加する方法、 特開昭62ー230848号公報記載のカルボン酸
エステルを添加する方法、 特開昭62ー230850号公報、特開平1ー22
5660号公報、特開平3ー91563号公報記載のリ
ン酸エステルを添加する方法、 特開平2ー225565号公報記載のメルカプト基
を含有するある種の珪素化合物を添加する方法、 特開平6ー192473号公報記載の1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸系イミド化合物を添加する
方法等。
温の金型を用い高速結晶化させる方法として次のような
方法が提案されている。 特開昭62ー45654号公報記載のオリゴマー状
エステルを添加する方法、 特開昭62ー230849号公報記載の他のチオエ
ーテルを添加する方法、 特開昭62ー230848号公報記載のカルボン酸
エステルを添加する方法、 特開昭62ー230850号公報、特開平1ー22
5660号公報、特開平3ー91563号公報記載のリ
ン酸エステルを添加する方法、 特開平2ー225565号公報記載のメルカプト基
を含有するある種の珪素化合物を添加する方法、 特開平6ー192473号公報記載の1,2,3,
4−ブタンテトラカルボン酸系イミド化合物を添加する
方法等。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
方法の中で〜は、結晶化促進効果が充分ではなかっ
たり、効果を上げるため多量に添加すると成形加工時ま
たは使用時に配合剤叉は樹脂の発生ガス或いは分解ガス
が発生して金型等に付着汚染したり環境を悪化させる等
の不都合を生じたり、物性にも悪影響をもたらす等、実
用上問題があった。また、の方法は比較的効果が大き
いものの、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ま
たはその無水物を出発原料とするため非常に高価で、コ
ストアップにつながる不都合があった。また吸湿性が大
きく、これを多量に添加するとPPS成形品の吸水性が
大きくなり、高湿度雰囲気下の電気特性あるいは機械的
特性等の物性を低下させる欠点があった。
方法の中で〜は、結晶化促進効果が充分ではなかっ
たり、効果を上げるため多量に添加すると成形加工時ま
たは使用時に配合剤叉は樹脂の発生ガス或いは分解ガス
が発生して金型等に付着汚染したり環境を悪化させる等
の不都合を生じたり、物性にも悪影響をもたらす等、実
用上問題があった。また、の方法は比較的効果が大き
いものの、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ま
たはその無水物を出発原料とするため非常に高価で、コ
ストアップにつながる不都合があった。また吸湿性が大
きく、これを多量に添加するとPPS成形品の吸水性が
大きくなり、高湿度雰囲気下の電気特性あるいは機械的
特性等の物性を低下させる欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPAS樹脂
組成物、特にPPS樹脂組成物が溶融固化する際の結晶
化速度を速くすることで、従来、特に射出成形する際の
欠点とされていた高い金型温度の必要性をなくし、低い
金型温度での成形でも十分な結晶化度を有する上に、諸
物性にも悪影響を及ぼさない低価格なPAS樹脂成形品
を得るべく鋭意検討した結果、特定のイミド系化合物と
結晶核剤をPPS樹脂に少量添加した組成物では、溶融
固化する際の結晶化速度が速く、しかも従来よりも低い
金型温度でも高い結晶化度を示し、また耐熱性も良好に
保たれたPAS樹脂成形品が成形できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
組成物、特にPPS樹脂組成物が溶融固化する際の結晶
化速度を速くすることで、従来、特に射出成形する際の
欠点とされていた高い金型温度の必要性をなくし、低い
金型温度での成形でも十分な結晶化度を有する上に、諸
物性にも悪影響を及ぼさない低価格なPAS樹脂成形品
を得るべく鋭意検討した結果、特定のイミド系化合物と
結晶核剤をPPS樹脂に少量添加した組成物では、溶融
固化する際の結晶化速度が速く、しかも従来よりも低い
金型温度でも高い結晶化度を示し、また耐熱性も良好に
保たれたPAS樹脂成形品が成形できることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、ポリアリーレンスルフ
ィド樹脂(a)、下記ー般式
ィド樹脂(a)、下記ー般式
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Aは、脂肪族基、脂環族基または
芳香族基を、X1、X2は水素原子、アルキル基またはハ
ロゲンである。)で示されるモノイミド化合物(b)お
よび結晶核剤(c)を必須成分とするポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物を、90℃以上120℃未満の金型
温度で成形することを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィド樹脂成形品の製造方法にかかわる。
芳香族基を、X1、X2は水素原子、アルキル基またはハ
ロゲンである。)で示されるモノイミド化合物(b)お
よび結晶核剤(c)を必須成分とするポリアリーレンス
ルフィド樹脂組成物を、90℃以上120℃未満の金型
温度で成形することを特徴とするポリアリーレンスルフ
ィド樹脂成形品の製造方法にかかわる。
【0010】なお、本発明において用いると同じマレイ
ミド化合物をPPS樹脂に添加し、PPS樹脂の溶融粘
度を増加せしめた例が特開昭63ー205357号公報
に記載されてはいる。しかし、単に溶融粘度を増加せし
めるだけでは前記した課題の解決にはいたらない。本発
明はモノイミド化合物と結晶核剤を併用しこれらをPP
S樹脂に少量添加したPAS組成物は溶融固化の際の結
晶化速度が速いこと、しかも従来よりも低い金型温度で
の成形でも十分な結晶化度を有する諸物性が良好なPA
S成形品の製造が可能であるを見い出したものであり、
前記した本発明はかかる知見に基づくものである。
ミド化合物をPPS樹脂に添加し、PPS樹脂の溶融粘
度を増加せしめた例が特開昭63ー205357号公報
に記載されてはいる。しかし、単に溶融粘度を増加せし
めるだけでは前記した課題の解決にはいたらない。本発
明はモノイミド化合物と結晶核剤を併用しこれらをPP
S樹脂に少量添加したPAS組成物は溶融固化の際の結
晶化速度が速いこと、しかも従来よりも低い金型温度で
の成形でも十分な結晶化度を有する諸物性が良好なPA
S成形品の製造が可能であるを見い出したものであり、
前記した本発明はかかる知見に基づくものである。
【0011】本発明に於いて基体となるPAS樹脂は、
ー般式〔−Ar−S−〕(式中、−Ar−は少なくとも
1つの炭素6員環を含む2価の芳香族基を示す)で示さ
れる繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体で、
その代表的物質は構造式〔−φ−S−〕(ただし、−φ
−はp−フェニレン基)で示される繰り返し単位を70
モル%以上含有するポリマーである。
ー般式〔−Ar−S−〕(式中、−Ar−は少なくとも
1つの炭素6員環を含む2価の芳香族基を示す)で示さ
れる繰り返し単位を70モル%以上含有する重合体で、
その代表的物質は構造式〔−φ−S−〕(ただし、−φ
−はp−フェニレン基)で示される繰り返し単位を70
モル%以上含有するポリマーである。
【0012】PAS樹脂は、ー般にその製造法により実
質上線状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のもの
と、分岐や架橋を有する構造のものが知られているが、
本発明に於いてはその何れのタイプのものにも有効であ
る。また、本発明に使用するPPS樹脂は、その製造時
において熱水洗、有機溶媒洗浄、酸洗浄等の洗浄処理を
行なわれたものはより有効な効果が現れ、製造時に該洗
浄処理を行うことは結晶化特性改良の上で望ましい。ま
た、ナトリウム含有量が2000ppm以下のPPS樹
脂を用いるのが好ましい。
質上線状で分岐、架橋構造を有しない分子構造のもの
と、分岐や架橋を有する構造のものが知られているが、
本発明に於いてはその何れのタイプのものにも有効であ
る。また、本発明に使用するPPS樹脂は、その製造時
において熱水洗、有機溶媒洗浄、酸洗浄等の洗浄処理を
行なわれたものはより有効な効果が現れ、製造時に該洗
浄処理を行うことは結晶化特性改良の上で望ましい。ま
た、ナトリウム含有量が2000ppm以下のPPS樹
脂を用いるのが好ましい。
【0013】本発明に用いるのに好ましいPAS樹脂
(a)は、前記した繰り返し単位〔−φ−S−〕(ただ
し、−φ−はp−フェニレン基)を70モル%以上含有
するPPS樹脂である。この繰り返し単位が70モル%
以上であると結晶性ポリマ−としての特徴である結晶化
度が高く、十分な強度が得られるし、靱性、耐薬品性に
も優れる。
(a)は、前記した繰り返し単位〔−φ−S−〕(ただ
し、−φ−はp−フェニレン基)を70モル%以上含有
するPPS樹脂である。この繰り返し単位が70モル%
以上であると結晶性ポリマ−としての特徴である結晶化
度が高く、十分な強度が得られるし、靱性、耐薬品性に
も優れる。
【0014】PPS樹脂中には50モル%未満、好まし
くは30モル%未満の下記に示す他の共重合構成単位を
含んでいてもよい。
くは30モル%未満の下記に示す他の共重合構成単位を
含んでいてもよい。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】等が挙げられる。このうち三官能単位は1
モル%以下であることが結晶性を低下させない意味から
も好ましい。
モル%以下であることが結晶性を低下させない意味から
も好ましい。
【0025】本発明で用いられるモノイミド化合物
(b)とは前記ー般式(1)で示されるマレイミド化合
物である。本発明で用いられるモノイミド化合物につい
てより具体的に示せば、下記一般式(2)
(b)とは前記ー般式(1)で示されるマレイミド化合
物である。本発明で用いられるモノイミド化合物につい
てより具体的に示せば、下記一般式(2)
【0026】
【化12】
【0027】〔式中、R1は炭素数1〜22のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数4〜6のシク
ロアルキル基、もしくは
基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数4〜6のシク
ロアルキル基、もしくは
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】で示される基を示す。R3、R5は、炭素数
1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリ−ル基、アラルキル基、水素原子もしくはハロゲン
原子を表し、R2、R4は単結合もしくは炭素数1〜22
のアルキレン基を表し、X1、X2は水素原子、アルキル
基またはハロゲンを表す。a,bは0から2の整数、
n、mは0〜3の整数を表す。−(D)−基は、下記式
(3)〜(5)に示されるアリ−レン基を表す。
1〜22のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリ−ル基、アラルキル基、水素原子もしくはハロゲン
原子を表し、R2、R4は単結合もしくは炭素数1〜22
のアルキレン基を表し、X1、X2は水素原子、アルキル
基またはハロゲンを表す。a,bは0から2の整数、
n、mは0〜3の整数を表す。−(D)−基は、下記式
(3)〜(5)に示されるアリ−レン基を表す。
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】ここでX3〜X6は炭素数1〜22のアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ−ル基、アラ
ルキル基、水素原子、もしくはハロゲン原子を表す。〕
で示されるモノマレイミド化合物である。
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリ−ル基、アラ
ルキル基、水素原子、もしくはハロゲン原子を表す。〕
で示されるモノマレイミド化合物である。
【0035】これらのモノイミド化合物は、無水マレイ
ン酸等の酸無水物と所定の構造を有する脂肪族ー級アミ
ン、脂環式ー級アミン、芳香族ー級アミンとを脱水縮合
することによりあるいは当該アミンのイソシアネート誘
導体との脱炭酸反応により容易に得ることが出来るが、
本発明はこれを規定するものではない。
ン酸等の酸無水物と所定の構造を有する脂肪族ー級アミ
ン、脂環式ー級アミン、芳香族ー級アミンとを脱水縮合
することによりあるいは当該アミンのイソシアネート誘
導体との脱炭酸反応により容易に得ることが出来るが、
本発明はこれを規定するものではない。
【0036】本発明に使用される脂肪族ー級アミンとし
てはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミ
ン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキ
サデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルア
ミンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
てはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミ
ン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキ
サデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルア
ミンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
【0037】脂環式ー級アミンとしてはシクロブチルア
ミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、
シクロヘキシルメチルアミン、シクロヘキシルエチルア
ミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘ
キシルアミン及びこれらの誘導体が挙げられる。
ミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、
シクロヘキシルメチルアミン、シクロヘキシルエチルア
ミン、メチルシクロヘキシルアミン、ジメチルシクロヘ
キシルアミン及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0038】また、芳香族ー級アミンとしてはメチルア
ニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルア
ニリン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチ
ルアニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシ
ルアニリン、ウンデシルアニリ、ドデシルアニリン、ト
リデシルアニリン、テトラデシルアニリン、ペンタデシ
ルアニリン、ヘキサデシルアニリン、ヘプタデシルアニ
リン、オクタデシルアニリンおよびこれらの誘導体が挙
げられる。
ニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルア
ニリン、ペンチルアニリン、ヘキシルアニリン、ヘプチ
ルアニリン、オクチルアニリン、ノニルアニリン、デシ
ルアニリン、ウンデシルアニリ、ドデシルアニリン、ト
リデシルアニリン、テトラデシルアニリン、ペンタデシ
ルアニリン、ヘキサデシルアニリン、ヘプタデシルアニ
リン、オクタデシルアニリンおよびこれらの誘導体が挙
げられる。
【0039】これらー級アミンのなかで好ましく用いら
れるアミンとしては、炭素数4以上の脂肪族アミン及び
それらの誘導体、あるいは芳香族アミン及びそれらの誘
導体である。
れるアミンとしては、炭素数4以上の脂肪族アミン及び
それらの誘導体、あるいは芳香族アミン及びそれらの誘
導体である。
【0040】これらモノイミド化合物を製造する際の脱
水反応としては、加熱による方法が工業的に最も好まし
いが、必要により無水酢酸ーピリジン、カルボジイミド
等の脱水剤を用いても差し支えないが、本発明はこれを
限定するものではない。
水反応としては、加熱による方法が工業的に最も好まし
いが、必要により無水酢酸ーピリジン、カルボジイミド
等の脱水剤を用いても差し支えないが、本発明はこれを
限定するものではない。
【0041】本モノイミド化合物では、場合によっては
イミド化合物の分子内に有機官能基を持っていても差し
支えない。本発明で用いられる有機官能基とは−COO
H、−OH、−NH2、−CN、NO2、−NCO、−O
CN、−SH、オキサゾリン基、グリシジル基である。
また本発明のモノイミド化合物は、金属塩であっても
良く、例えばナトリウム、カルシウム、カリウム、マグ
ネシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛等の金属塩が
用いられ、好ましくはナトリウム、カルシウム等の金属
塩である。
イミド化合物の分子内に有機官能基を持っていても差し
支えない。本発明で用いられる有機官能基とは−COO
H、−OH、−NH2、−CN、NO2、−NCO、−O
CN、−SH、オキサゾリン基、グリシジル基である。
また本発明のモノイミド化合物は、金属塩であっても
良く、例えばナトリウム、カルシウム、カリウム、マグ
ネシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛等の金属塩が
用いられ、好ましくはナトリウム、カルシウム等の金属
塩である。
【0042】本発明のモノイミド化合物の使用量はPP
S樹脂100重量部にたいし、0.1〜20重量部であ
り、好ましくは0.5〜10重量部である。0.1重量
部未満では本発明の効果がなく、20重量部を越えると
物性が極端に低下する。
S樹脂100重量部にたいし、0.1〜20重量部であ
り、好ましくは0.5〜10重量部である。0.1重量
部未満では本発明の効果がなく、20重量部を越えると
物性が極端に低下する。
【0043】一方、本発明に用いられる結晶核剤(c)
とはー般的に知られている公知の結晶核剤である。具体
的には、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、クレイ、
アタパルシャイト、ロマイト粉、石英粉、亜鉛華、ケイ
ソウ土、モンモリナイト、バーキュライト、無定形シリ
カ、結晶シリカ、ガラス粉末、アルミナーシリカ、ウォ
ラストナイト、ハイトロン、ボロンナイトライト、カー
ボンブラック、ピロフェライト、グラファイト、硫化亜
鉛、窒化ホウ素、シリコン樹脂粉末、カルシウム、マグ
ネシウム、アルミニウム、リチウム、バリウム、チタン
等の珪酸塩、硫酸塩、燐酸塩、アルミン酸塩、酸化物等
の無機系核剤、脂肪族カルボン酸塩、安息香酸、テレフ
タル酸等の芳香族カルボン酸金属塩、芳香族ホスホン酸
及びその金属塩、芳香族香族燐酸エステル金属塩、ベン
ゼンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸等の芳香族スル
ホン酸の金属塩、βージケトン類の金属塩、カルボキシ
ル基の金属塩を有する高分子化合物、4,6ナイロン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リスルフィドケトン等のPAS樹脂の融点より高い融点
を持つ高分子化合物及びこれらの粉末状物等が挙げられ
る。これらの中で好ましい結晶核剤としてはタルク、窒
化ホウ素、芳香族燐酸エステル金属塩が挙げられる。
とはー般的に知られている公知の結晶核剤である。具体
的には、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、クレイ、
アタパルシャイト、ロマイト粉、石英粉、亜鉛華、ケイ
ソウ土、モンモリナイト、バーキュライト、無定形シリ
カ、結晶シリカ、ガラス粉末、アルミナーシリカ、ウォ
ラストナイト、ハイトロン、ボロンナイトライト、カー
ボンブラック、ピロフェライト、グラファイト、硫化亜
鉛、窒化ホウ素、シリコン樹脂粉末、カルシウム、マグ
ネシウム、アルミニウム、リチウム、バリウム、チタン
等の珪酸塩、硫酸塩、燐酸塩、アルミン酸塩、酸化物等
の無機系核剤、脂肪族カルボン酸塩、安息香酸、テレフ
タル酸等の芳香族カルボン酸金属塩、芳香族ホスホン酸
及びその金属塩、芳香族香族燐酸エステル金属塩、ベン
ゼンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸等の芳香族スル
ホン酸の金属塩、βージケトン類の金属塩、カルボキシ
ル基の金属塩を有する高分子化合物、4,6ナイロン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポ
リスルフィドケトン等のPAS樹脂の融点より高い融点
を持つ高分子化合物及びこれらの粉末状物等が挙げられ
る。これらの中で好ましい結晶核剤としてはタルク、窒
化ホウ素、芳香族燐酸エステル金属塩が挙げられる。
【0044】本発明の結晶核剤の使用量はPPS樹脂1
00重量部にたいし、0.05〜10重量部であり、好
ましくは0.1〜5重量部である。0.01以下では本
発明の効果がなく、10重量部以上では物性が極端に低
下する。
00重量部にたいし、0.05〜10重量部であり、好
ましくは0.1〜5重量部である。0.01以下では本
発明の効果がなく、10重量部以上では物性が極端に低
下する。
【0045】また、本発明の組成物には必要に応じて、
以下に示す強化材および/または充填材を配合すること
ができる。これら強化材および/または充填材として
は、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状または中空状
および繊維状が挙げられる。具体的には硫酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、クレー、タルク、アルミナ、珪
砂、ガラス粉、金属粉、グラファイト、炭化珪素、チッ
化珪素、シリカ、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、
カーボンブラックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス
板、セリサイト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛な
どの平板状もしくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金
属バルーン、ガラスバルーンなどの中空状充填材、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金
属繊維、アスベスト、ウォスナイト、繊維状充填材、芳
香族ポリアミド繊維等の有機繊維状充填材を挙げること
が出来る。
以下に示す強化材および/または充填材を配合すること
ができる。これら強化材および/または充填材として
は、粉粒状、平板状、鱗片状、針状、球状または中空状
および繊維状が挙げられる。具体的には硫酸カルシウ
ム、珪酸カルシウム、クレー、タルク、アルミナ、珪
砂、ガラス粉、金属粉、グラファイト、炭化珪素、チッ
化珪素、シリカ、チッ化ホウ素、チッ化アルミニウム、
カーボンブラックなどの粉粒状充填材、雲母、ガラス
板、セリサイト、アルミフレークなどの金属箔、黒鉛な
どの平板状もしくは鱗片状充填材、シラスバルーン、金
属バルーン、ガラスバルーンなどの中空状充填材、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、ウィスカー、金
属繊維、アスベスト、ウォスナイト、繊維状充填材、芳
香族ポリアミド繊維等の有機繊維状充填材を挙げること
が出来る。
【0046】更に本発明の組成物には本発明の要旨を逸
脱しない範囲であればその他の熱可塑性樹脂を添加して
も差し支えない。その他の熱可塑性樹脂としてはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、イミド変性ポ
リスチレン、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ
ブチレンナフタレ−ト、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、AES樹脂、
ポリサルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレ
ンエ−テルとポリスチレンとの共重合体および/または
混合物、ポリエ−テルサルホン、ポリスルフィドケト
ン、ポリスルフィドサルホン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等の熱可塑性エラストマ−、および
これら熱可塑性エラストマーをグリシジル基、カルボン
酸及びその酸無水物、アミノ基、イソシアネート基、メ
ルカプト基、オキサゾリン基等の有機官能基を含む有機
化合物により変性された変性体等が挙げられる。好まし
くは、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレ−ト、
ポリアミド、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレン
エ−テルとポリスチレンとの共重合体および/または混
合物である。
脱しない範囲であればその他の熱可塑性樹脂を添加して
も差し支えない。その他の熱可塑性樹脂としてはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、イミド変性ポ
リスチレン、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレ
ンテレフタレ−ト、、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリ
ブチレンナフタレ−ト、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ABS樹脂、イミド変性ABS樹脂、AES樹脂、
ポリサルホン、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレ
ンエ−テルとポリスチレンとの共重合体および/または
混合物、ポリエ−テルサルホン、ポリスルフィドケト
ン、ポリスルフィドサルホン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂、ポリエステ
ル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等の熱可塑性エラストマ−、および
これら熱可塑性エラストマーをグリシジル基、カルボン
酸及びその酸無水物、アミノ基、イソシアネート基、メ
ルカプト基、オキサゾリン基等の有機官能基を含む有機
化合物により変性された変性体等が挙げられる。好まし
くは、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレ−ト、
ポリアミド、ポリフェニレンエ−テル、ポリフェニレン
エ−テルとポリスチレンとの共重合体および/または混
合物である。
【0047】本発明では、更にまた本発明の要旨を逸脱
しない範囲に於て水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、三酸化アンチモン等の無機難燃剤、ハロゲン系、
リン系等の有機難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑
剤、分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、可塑剤等の添加剤を添
加することができる。
しない範囲に於て水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、三酸化アンチモン等の無機難燃剤、ハロゲン系、
リン系等の有機難燃剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑
剤、分散剤、シランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤、発泡剤、架橋剤、着色剤、可塑剤等の添加剤を添
加することができる。
【0048】本発明のPAS樹脂組成物からなる成形品
の製造方法としては一般的な方法が用いられる。最も一
般的な方法は配合物を適当な混合機例えばタンブラー、
ヘンシェルミキサー、タンブラー等で均一に混合し、押
出機に供給して溶融混練し、ストランド状に押し出した
ものを冷却し、切断し、成形材料用の製品(例えばペレ
ット)とした後、これを成形機に供給し90℃以上12
0℃未満の金型温度で射出成形する方法がある。簡単に
は、押出工程を省略して、本発明の配合物を直接、成形
機に供給して90℃以上120℃未満の金型温度で射出
成形する方法もとることも出来るが、特にこれに規定す
るものではない。
の製造方法としては一般的な方法が用いられる。最も一
般的な方法は配合物を適当な混合機例えばタンブラー、
ヘンシェルミキサー、タンブラー等で均一に混合し、押
出機に供給して溶融混練し、ストランド状に押し出した
ものを冷却し、切断し、成形材料用の製品(例えばペレ
ット)とした後、これを成形機に供給し90℃以上12
0℃未満の金型温度で射出成形する方法がある。簡単に
は、押出工程を省略して、本発明の配合物を直接、成形
機に供給して90℃以上120℃未満の金型温度で射出
成形する方法もとることも出来るが、特にこれに規定す
るものではない。
【0049】既に述べたように本発明方法では、90℃
以上、120℃未満の比較的低温の金型温度でも成形後
に120℃以上でアニーリングを行う必要はなくそのま
まで結晶化が充分進んだ成形品が得られる。
以上、120℃未満の比較的低温の金型温度でも成形後
に120℃以上でアニーリングを行う必要はなくそのま
まで結晶化が充分進んだ成形品が得られる。
【0050】本発明組成物は、従来のPAS樹脂組成物
に比べて低温の金型温度で成形可能であり、機械的特
性、耐熱性を損なわない。従って従来のPAS樹脂と同
様に各種機能部品としての用途に使用可能であり、特に
射出成形して得るものに好適である。例えば射出成形品
としては自動車部品、電機、電子部品、封止用材料、ま
た押し出し成形品としてはー般的に行われる異形押出、
チューブ、ホース、パイプ、繊維、フィルム、電線被覆
等の押し出し用材料、ブロー成形、回転成形用材料とし
て有用である。
に比べて低温の金型温度で成形可能であり、機械的特
性、耐熱性を損なわない。従って従来のPAS樹脂と同
様に各種機能部品としての用途に使用可能であり、特に
射出成形して得るものに好適である。例えば射出成形品
としては自動車部品、電機、電子部品、封止用材料、ま
た押し出し成形品としてはー般的に行われる異形押出、
チューブ、ホース、パイプ、繊維、フィルム、電線被覆
等の押し出し用材料、ブロー成形、回転成形用材料とし
て有用である。
【0051】
【実施例】さらに実施例により本発明を説明する。
【0052】メルトインデックス(MI)の測定 約6gのサンプルを120℃/3時間乾燥した後、直径
2.096mm、長さ8.001mmのオリフィスを用
いて所定の温度(315.6 ℃ )に設定したメルトイ
ンデクサ−(東洋精機製 T01型)に投入し、気泡を
取り除いた後、所定の荷重(5000g)をかけ、5分
間予熱した後、測定する。
2.096mm、長さ8.001mmのオリフィスを用
いて所定の温度(315.6 ℃ )に設定したメルトイ
ンデクサ−(東洋精機製 T01型)に投入し、気泡を
取り除いた後、所定の荷重(5000g)をかけ、5分
間予熱した後、測定する。
【0053】HDT(熱歪み温度)測定方法 測定はASTM D648に準じて行う。 試験片 : 長さ125mmx幅12.5mmx厚み3.0mm(射出成形
品) 測定器 : (株)東洋精機製作所製 HDTテスター S3FH
型 荷重 : 4.6kgf/cm2
品) 測定器 : (株)東洋精機製作所製 HDTテスター S3FH
型 荷重 : 4.6kgf/cm2
【0054】ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度
(TC1、TC2)、融点(Tm)の測定 本発明の組成物約10gを厚さ0.6mmのクロムメッ
キ板にはさみ、300℃に設定した37tの熱プレスに
セットし、3分間溶融する。ついでゲージ圧で20kg
/cm2の圧力で20秒間加圧したのち、クロムメッキ
板を取り出し、直ちに5℃以下の冷水で急冷し、透明な
PPSシートを得る。ガラス転移温度、結晶化温度、お
よび融点は、このシート約6mgをDSCにて50℃か
ら20℃/minの昇温速度で350℃まで昇温し、3
50℃で3分間保持した後、20℃/minの冷却速度
で150℃まで冷却する。Journal of Polymer Sciennc
e;Part B;Polymer Physics ,Vol.30,163-176(1992)に従
い、昇温時にあらわれるガラス転移温度(Tg)、およ
び結晶化発熱ピークのピーク温度を昇温結晶化温度(T
C1)として、また、吸熱ピークを融点(Tm)として測
定した。また、冷却時にあらわれる発熱ピークを降温結
晶化温度(TC2)として測定した。
(TC1、TC2)、融点(Tm)の測定 本発明の組成物約10gを厚さ0.6mmのクロムメッ
キ板にはさみ、300℃に設定した37tの熱プレスに
セットし、3分間溶融する。ついでゲージ圧で20kg
/cm2の圧力で20秒間加圧したのち、クロムメッキ
板を取り出し、直ちに5℃以下の冷水で急冷し、透明な
PPSシートを得る。ガラス転移温度、結晶化温度、お
よび融点は、このシート約6mgをDSCにて50℃か
ら20℃/minの昇温速度で350℃まで昇温し、3
50℃で3分間保持した後、20℃/minの冷却速度
で150℃まで冷却する。Journal of Polymer Sciennc
e;Part B;Polymer Physics ,Vol.30,163-176(1992)に従
い、昇温時にあらわれるガラス転移温度(Tg)、およ
び結晶化発熱ピークのピーク温度を昇温結晶化温度(T
C1)として、また、吸熱ピークを融点(Tm)として測
定した。また、冷却時にあらわれる発熱ピークを降温結
晶化温度(TC2)として測定した。
【0055】通常、特開昭55ー139448号公報、
プラスチックエージ Vol.28,No.9,106-113(1982),Jour
nal of Polymer Sciennce;Part B;Polymer Physics ,Vo
l.30,163-176(1992)等にも述べられているように、Tg
が低く、TC1が低い方が比較的低温の金型で成形可能と
なり、TC2が高い方が成形サイクルが速いと言われ、射
出成形にはTC1とTC2の両方を満足する必要がある。
プラスチックエージ Vol.28,No.9,106-113(1982),Jour
nal of Polymer Sciennce;Part B;Polymer Physics ,Vo
l.30,163-176(1992)等にも述べられているように、Tg
が低く、TC1が低い方が比較的低温の金型で成形可能と
なり、TC2が高い方が成形サイクルが速いと言われ、射
出成形にはTC1とTC2の両方を満足する必要がある。
【0056】 測定器 : パーキンエルマー社製 DSC7 雰囲気 : 窒素雰囲気中
【0057】実施例1〜3、比較例1〜3 PPS樹脂(1)としてMIが300g/10分、ナト
リウム含有量356ppmの熱水洗したリニアー型PP
S樹脂を、イミド化合物(2)として,無水マレイン酸
とラウリルアミンとから合成された下記構造式
リウム含有量356ppmの熱水洗したリニアー型PP
S樹脂を、イミド化合物(2)として,無水マレイン酸
とラウリルアミンとから合成された下記構造式
【0058】
【化18】
【0059】で示されるラウリルマレイミドを、結晶核
剤(3)としてタルク(ミクロンホワイト 林化成
(株)製)をそれぞれ用い、表ー1に示す配合でタンブ
ラーを用いてブレンドし、バレル温度290℃に設定し
た二軸押し出し機(TEM−35B東芝機械製)で混練
りし、押し出したストランドを冷却固化後、ペレット化
した。得られたペレットを120℃で4時間乾燥した
後、射出成形機(IS−50AM:東芝機械製)でシリ
ンダ−温度 290℃、金型温度 100℃および15
0℃で成形し、HDT測定用試験片を得た。また、前述
した方法に従って、Tg、TC1、TC2、Tmを測定した。
結果を表−1に示す。
剤(3)としてタルク(ミクロンホワイト 林化成
(株)製)をそれぞれ用い、表ー1に示す配合でタンブ
ラーを用いてブレンドし、バレル温度290℃に設定し
た二軸押し出し機(TEM−35B東芝機械製)で混練
りし、押し出したストランドを冷却固化後、ペレット化
した。得られたペレットを120℃で4時間乾燥した
後、射出成形機(IS−50AM:東芝機械製)でシリ
ンダ−温度 290℃、金型温度 100℃および15
0℃で成形し、HDT測定用試験片を得た。また、前述
した方法に従って、Tg、TC1、TC2、Tmを測定した。
結果を表−1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】結果から明らかなように本発明では融点を
低下させること無く、結晶化速度が速くなり、また高温
金型による成形品と同等の耐熱性を持つ。
低下させること無く、結晶化速度が速くなり、また高温
金型による成形品と同等の耐熱性を持つ。
【0062】実施例4〜6、比較例4〜6 PAS樹脂(1)としてMIが170g/10分で架橋
型PPS樹脂を、イミド化合物(2)として下記構造式
型PPS樹脂を、イミド化合物(2)として下記構造式
【0063】
【化19】
【0064】で示されるフェニルマレイミド、結晶核剤
(3)として芳香族燐酸エステルのNa塩(NA−11
旭電化工業(株)製)をそれぞれ用い、表ー2に示す
配合でタンブラーを用いてブレンドし、バレル温度29
0℃に設定した二軸押し出し機(TEM−35B 東芝
機械製)で混練りし、押し出したストランドを冷却固化
後、ペレット化した。得られたペレットを120℃で4
時間乾燥した後、射出成形機(IS−50AM:東芝機
械製)でシリンダ−温度 290℃、金型温度100℃
および150℃で成形し、HDT測定用試験片を得た。
また、前述した方法に従って、Tg、TC1、TC2、Tmを
測定した。結果を表−2に示す。
(3)として芳香族燐酸エステルのNa塩(NA−11
旭電化工業(株)製)をそれぞれ用い、表ー2に示す
配合でタンブラーを用いてブレンドし、バレル温度29
0℃に設定した二軸押し出し機(TEM−35B 東芝
機械製)で混練りし、押し出したストランドを冷却固化
後、ペレット化した。得られたペレットを120℃で4
時間乾燥した後、射出成形機(IS−50AM:東芝機
械製)でシリンダ−温度 290℃、金型温度100℃
および150℃で成形し、HDT測定用試験片を得た。
また、前述した方法に従って、Tg、TC1、TC2、Tmを
測定した。結果を表−2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】結果から明らかなように本発明は融点を低
下させること無く、結晶化速度が速くなり、また高温金
型による成形品と同等の耐熱性を持つ。
下させること無く、結晶化速度が速くなり、また高温金
型による成形品と同等の耐熱性を持つ。
【0067】
【発明の効果】結晶化速度が速く、金型温度が120℃
未満の成形機により成形した成形品でも、金型温度が1
50℃の成形機で成形した成形品と同等の耐熱性、成形
品外観を持っている。従って本発明方法によれば成形作
業性が向上し、作業員の安全性にも有利である。
未満の成形機により成形した成形品でも、金型温度が1
50℃の成形機で成形した成形品と同等の耐熱性、成形
品外観を持っている。従って本発明方法によれば成形作
業性が向上し、作業員の安全性にも有利である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)、
下記ー般式 【化1】 (式中、Aは、脂肪族基、脂環族基または芳香族基を、
X1、X2は水素原子、アルキル基またはハロゲンであ
る。)で示されるモノイミド化合物(b)および結晶核
剤(c)を必須成分とするポリアリーレンスルフィド樹
脂組成物を、90℃以上120℃未満の金型温度で成形
することを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂成
形品の製造方法。 - 【請求項2】 ポリアリ−レンスルフィド樹脂(a)
が、線状型、熱架橋型、分岐型である請求項1記載の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04967195A JP3487378B2 (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04967195A JP3487378B2 (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08245806A true JPH08245806A (ja) | 1996-09-24 |
JP3487378B2 JP3487378B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=12837643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04967195A Expired - Fee Related JP3487378B2 (ja) | 1995-03-09 | 1995-03-09 | ポリアリーレンスルフィド樹脂成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3487378B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1199546A (ja) * | 1997-09-29 | 1999-04-13 | Kureha Chem Ind Co Ltd | ポリアリーレンスルフィド成形体の製造方法 |
WO2002038651A1 (fr) * | 2000-11-13 | 2002-05-16 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Resine de sulfure de polyarylene |
JP2008031393A (ja) * | 2005-09-01 | 2008-02-14 | Orient Chem Ind Ltd | レーザー光透過性着色樹脂組成物及びその関連技術 |
JP2011068813A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Dic Corp | ポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の製造方法 |
JP2018100364A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法 |
JP2018199250A (ja) * | 2017-05-26 | 2018-12-20 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品、金属/樹脂複合構造体及び製造方法 |
-
1995
- 1995-03-09 JP JP04967195A patent/JP3487378B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1199546A (ja) * | 1997-09-29 | 1999-04-13 | Kureha Chem Ind Co Ltd | ポリアリーレンスルフィド成形体の製造方法 |
WO2002038651A1 (fr) * | 2000-11-13 | 2002-05-16 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Resine de sulfure de polyarylene |
US6787631B2 (en) | 2000-11-13 | 2004-09-07 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Polyarylene sulfide resin |
JP2008031393A (ja) * | 2005-09-01 | 2008-02-14 | Orient Chem Ind Ltd | レーザー光透過性着色樹脂組成物及びその関連技術 |
JP2011068813A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Dic Corp | ポリアリーレンスルフィド樹脂成形体の製造方法 |
JP2018100364A (ja) * | 2016-12-21 | 2018-06-28 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品及び製造方法 |
JP2018199250A (ja) * | 2017-05-26 | 2018-12-20 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品、金属/樹脂複合構造体及び製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3487378B2 (ja) | 2004-01-19 |
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