JPH08245452A - エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法 - Google Patents

エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法

Info

Publication number
JPH08245452A
JPH08245452A JP7051486A JP5148695A JPH08245452A JP H08245452 A JPH08245452 A JP H08245452A JP 7051486 A JP7051486 A JP 7051486A JP 5148695 A JP5148695 A JP 5148695A JP H08245452 A JPH08245452 A JP H08245452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pentafluorophenyl
bis
ethane
diol
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7051486A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Sakai
貴志 酒井
Kenji Uneyama
健治 宇根山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP7051486A priority Critical patent/JPH08245452A/ja
Publication of JPH08245452A publication Critical patent/JPH08245452A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1
- ヒドロキシ-2- オンを水素化ホウ素金属又は水素化ア
ルミニウム金属で還元するこを特徴とするエリスロ- ビ
ス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオールの
製造方法。 【効果】本発明によれば、1,2-ビス( ペンタフルオロフ
ェニル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンを水素化ホウ素
金属又は水素化アルミニウム金属で還元することによ
り、エリスロ- ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン
-1,2- ジオールを選択的にしかも効率良く製造し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエリスロ- ビス( ペンタ
フルオロフェニル) エタン-1,2- ジオールの製造方法に
関し、詳しくは1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル) エ
タン-1- ヒドロキシ-2- オンを水素化ホウ素金属又は水
素化アルミニウム金属で還元することによるエリスロ-
ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオール
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】エリスロ
- ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオー
ルは、不斉合成の配位子として重要な光学活性ビス( ペ
ンタフルオロフェニル) エタン-1,2-ジオールの中間体
として有用であり、選択的に製造する方法が望まれてい
た。本発明者らは、エリスロ- ビス( ペンタフルオロフ
ェニル) エタン-1,2- ジオールの製造方法について、鋭
意検討を重ねた結果、1,2-ビス( ペンタフルオロフェニ
ル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンを水素化ホウ素金属
又は水素化アルミニウム金属で還元することにより、極
めて選択的にしかも容易に、目的とするエリスロ- ビス
( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオールが得
られることを見出すとともに、さらに種々の検討を加え
て本発明を完成した。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、1,2-
ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1- ヒドロキシ
-2- オンを水素化ホウ素金属又は水素化アルミニウム金
属で還元するこを特徴とするエリスロ- ビス( ペンタフ
ルオロフェニル) エタン-1,2- ジオールの工業的に優れ
た製造方法を提供するものである。
【0004】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に使用される水素化ホウ素金属としては例えば水素
化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホ
ウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛等が挙げられるが、通
常は入手の容易な水素化ホウ素ナトリウムが用いられ
る。その使用量は、1,2-ビス( ペンタフルオロフェニ
ル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンに対して、水素換算
で通常1 〜30モル倍であり、好ましくは 1〜10モル倍で
ある。また、本発明に使用される水素化アルミニウム金
属としては,例えば水素化アルミニウムリチウム、トリ
(t- ブトキシ) アルミニウム等が挙げられるが、通常は
入手の容易な水素化アルミニウムリチウムが使用され
る。その使用量は、1,2-ビス( ペンタフルオロフェニ
ル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンに対して、水素換算
で通常 1〜30モル倍であり、好ましくは 1〜10モル倍で
ある。
【0005】反応は、溶媒の存在下に通常実施される。
かかる溶媒としては反応に不活性なものであれば特に限
定はないが、水素化ホウ素金属を用いる場合は、例えば
メタノール、エタノール等のアルコール類、水、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素、モノクロルベン
ゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水
素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、これらの混合溶媒などが通常使用さ
れる。
【0006】また水素化アルミニウム金属を用いる場合
は、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の
エーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、
ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水
素これらの混合溶媒などが通常使用される。溶媒の使用
量は、1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1-
ヒドロキシ-2- オンに対して、通常1 〜30重量倍、好ま
しくは1 〜10重量倍である。反応は、窒素、アルゴン等
の不活性ガス雰囲気下で通常実施される。その温度は通
常-40 〜100 ℃程度、好ましくは-20 〜80℃程度であ
る。
【0007】本発明に使用される1,2-ビス( ペンタフル
オロフェニル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンは、ペン
タフルオロベンズアルデヒドを出発原料として、例えば
下記のような工程を経て製造し得る。
【0008】 (式中、Xは水酸基の保護基を、Y、Zは塩素、臭素又
はヨウ素原子を表す。)
【0009】ペンタフルオロベンズアルデヒドにシアン
酸化合物(MCN)と水酸基に保護基を導入し得る化合物(X
Y)を反応させることよりシアンヒドリン類(4) を製造す
る。ここで、シアン酸化合物(MCN)としては、例えばシ
アン酸のナトリウム、カリウム等のシアン酸のアルカリ
金属塩が挙げられるが、シアン酸と塩基を併用すること
もできる。シアン酸化合物(MCN)の使用量は、ペンタフ
ルオロベンズアルデヒドに対して通常1 〜10モル倍であ
る。
【0010】また水酸基に保護基を導入し得る化合物(X
Y)における Xとしては、例えばアセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、ペンチリル等の低級脂肪族アシル基、塩
素、臭素等のバロゲン原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等の低級アルキル基もしくはメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ等の低級アルコキシ基が置
換していることもあるベンゾイル基、塩素、臭素等のハ
ロゲン原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低
級アルキル基もしくはメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ等の低級アルコキシ基が置換していること
もあるベンジル基、置換シリル基、テトラヒドロピラニ
ル基、テトラヒドロフラニル基、エトキシエチル、プロ
ポキシエチル等の低級アルコキシエチル基などが挙げら
れる。
【0011】なかでも置換シリル基が好ましく、置換シ
リル基としては例えばトリメチルシリル、トリエチルシ
リル、t-ブチルジメチルシリル等のアルキル置換シリル
基、ジメチルフェニルシリル、ジメチルベンジルシリ
ル、メチルジベンジルシリル、トリベンジルシリル、メ
チルジフェニルシリル、トリフェニルシリル等のアリー
ル置換シリル基、アラルキル置換シリル基等があげられ
る。アリール置換シリル基、アラルキル置換シリル基に
おけるアリール、アラルキルは、塩素、臭素等のハロゲ
ン原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低級ア
ルキル基もしくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ等の低級アルコキシ基が置換していても良い。水
酸基に保護基を導入し得る化合物(XY)は、ペンタフルオ
ロベンズアルデヒドに対して通常1 〜10モル倍使用され
る。
【0012】反応は、必要に応じて、通常溶媒の存在下
に実施される。かかる溶媒としては、例えばアセトニト
リル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ヘ
キサメチルホスホリルアミド、N-メチルピロリドン等が
挙げられる。その使用量は、ペンタフルオロベンズアル
デヒドに対して通常1 〜10量倍使用される。反応は、
窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で通常実施され
る。その温度は通常-20 〜100 ℃程度、好ましくは0〜
60℃程度である。
【0013】反応終了後、抽出、蒸留等の手段によりシ
アンヒドリン類(4) を取り出すこともできる。また必要
に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等の手段に
よりさらに精製することもできる。かくして得られるシ
アンヒドリン類(4) に、塩基の存在下でC6F5Z を反応さ
せることにより、1-位に保護された水酸基を有する1,2-
ビス( ペンタフルオロフェニル)-2-エタイミン類(3) を
製造し得る。ここで、C6F5Z はシアンヒドリン類(4) に
対して、通常0.5 〜10モル倍、好ましくは1 〜3 モル倍
使用される。また、塩基としては、例えばブチルリチウ
ム、リチウムジイソプロピルアミド、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムアミド、金属ナトリウム、金属カリウ
ム、金属リチウム等の強塩基が好ましく使用される。
その量は、C6F5Z に対して等モル程度が通常である。
【0014】反応は、通常溶媒の存在下に実施される。
かかる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等が挙げられる。その使用量は、シアンヒ
ドリン類(4) に対して通常1 〜10重量倍使用される。反
応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で通常実
施される。その温度は通常-100〜0℃程度、好ましくは
-100〜-50 ℃程度である。
【0015】反応終了後、抽出、蒸留等の手段により1-
位に保護された水酸基を有する1,2-ビス( ペンタフルオ
ロフェニル)-2-エタイミン類(3) をを取り出すこともで
きる。また必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー等の手段によりさらに精製することもできる。かく
して得られる1-位に保護された水酸基を有する1,2-ビス
( ペンタフルオロフェニル)-2-エタイミン類(3) に酸を
加えて加水分解することにより、1-位に保護された水酸
基を有する1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル)-エタン
-2- オン類(2) を製造し得る。
【0016】ここで、酸としては、例えば塩酸、硫酸、
硝酸等の鉱酸類、酢酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸
などが挙げられる。酸は、水溶液の形で使用することが
好ましく、1-位に保護された水酸基を有する1,2-ビス(
ペンタフルオロフェニル)-2-エタイミン類(3) に対して
等モル以上使用するのが通常である。反応は、必要に応
じてメタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル
等の有機溶媒下で実施することもできる。上記の酸を溶
媒として使用することもできる。窒素、アルゴン等の不
活性ガス雰囲気下で、反応は通常実施される。その温度
は通常0〜100 ℃程度、好ましくは10〜80℃程度であ
る。
【0017】反応終了後、抽出、蒸留等の手段により1-
位に保護された水酸基を有する1,2-ビス( ペンタフルオ
ロフェニル)-エタン-2- オン類(2) を取り出すことがで
きる。また必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー等の手段によりさらに精製することもできる。かく
して得られる1-位に保護された水酸基を有する1,2-ビス
( ペンタフルオロフェニル)-2-エタン-2- オン類(2) の
保護基(X) を脱保護することにより、本発明の原料1,2-
ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-2- オン-1- オ
ールを製造し得る。
【0018】保護基(X) を脱保護するあたり、保護基
(X) が脂肪族アシル基、ベンゾイル基である場合は、酸
またはアルカリが用いられる。かかる酸としては、例え
ば塩酸、硫酸等の鉱酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸等の
有機酸などが、またアルカリとしては、例えば苛性ソー
ダ、苛性カリ等が挙げられる。保護基(X) がベンジル基
等の場合は、上記の酸の他にトリフルオロ酢酸、トリク
ロロ酢酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸等も使用される。
また保護基(X) が置換シリル基の場合は、酸の他にテト
ラブチルアンモニウムフルオライド、セシウムフルオラ
イド、カリウムフルオライド等のフッソアニオンを含む
脱シリル化剤を使用し得る。
【0019】その使用量は、1-位に保護された水酸基を
有する1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル)-2-エタン-2
- オン類(2) に対して、酸の場合は0.01〜30モル倍程
度、アルカリの場合は1 〜10モル倍程度、脱シリル化剤
の場合は1 〜10モル倍程度が通常である。反応は、通常
溶媒の存在下に実施される。かかる溶媒としては、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、水、ジメチルスルホキシド等が
挙げられる。反応温度は通常-30 〜150 ℃程度、好まし
くは-10 〜100 ℃程度である。
【0020】かくして、本発明の原料1,2-ビス( ペンタ
フルオロフェニル) エタン-2- オン-1- オールが生成す
るが、抽出、蒸留等の手段により反応マスから取り出す
ことができる。また必要に応じて再結晶、カラムクロマ
トグラフィー等の手段によりさらに精製することもでき
る。
【0021】なお、1-位に保護された水酸基を有する1,
2-ビス( ペンタフルオロフェニル)-2-エタン-2- オン類
(2) を脱保護基をすることなしに、そのまま水素化ホウ
素金属又は水素化アルミニウム金属を用いて前記と同様
な条件で還元した後、上記と同様に脱保護基をすること
により、トレオ- ビス( ペンタフルオロフェニル) エタ
ン-1,2- ジオールを選択的に製造し得る。
【0022】また、塩基の存在下で、ビス( ペンタフル
オロフェニル) エタン-1,2- ジオールと塩化チオニルと
を反応させることにより、トレオ体からはトランスの、
エリスロ体からはシスのビス( ペンタフルオロフェニ
ル) エタン-1,2- ジオールサイクリックサルファイトに
定量的に誘導し得るので、これに誘導することにより、
ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオール
がトレオ体、エリスロ体のいずれであるか、これらの比
率等を決定することもできる。
【0023】ここで、塩基としては、例えばアルカリ金
属の炭酸塩、カルボン酸塩、アルコキサイド、水酸化
物、有機塩基等が挙げられるが、有機塩基特に、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、ジ-i- プロピルエチルア
ミン、トリ-n- ブチルアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、ジメチルアニリン等の3級アミンまたは2級ア
ミンが好ましく用いられる。塩基の使用量は、通常、ビ
ス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオールに
対して1〜5倍当量である。また塩化チオニルの使用量
は通常ビス(ペンタフルオロフェニル)エタン-1,2- ジ
オールに対し1〜2当量であるが、溶媒として過剰に用
いることもできる。
【0024】必要に応じて、適当な溶媒、例えばジクロ
ロメタン、ジクロロエタン、トリクロロプロパン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、モノクロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハ
ロゲン置換芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶
媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、2-N-メチ
ルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などを反応溶媒
として使用することもできる。溶媒の使用量は、ビス
(ペンタフルオロフェニル)エタン-1,2- ジオールに対
して、通常 1〜10重量倍程度である。
【0025】反応は窒素、アルゴン等の不活性ガス中で
通常実施され、その温度は通常-40〜100 ℃程度であ
り、好ましくは-10 〜80℃である。反応終了後、抽出、
蒸留等の分離手段により、シスまたはトランスのビス
(ペンタフルオロフェニル)エタン-1,2- ジオールサイ
クリックサルファイトを取り出すこともできる。また必
要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィー等の手段
によりさらに精製することもできる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、1,2-ビス( ペンタフル
オロフェニル) エタン-1- ヒドロキシ-2- オンを水素化
ホウ素金属又は水素化アルミニウム金属で還元すること
により、エリスロ- ビス( ペンタフルオロフェニル) エ
タン-1,2- ジオールを選択的にしかも効率良く製造し得
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0028】参考例1 [(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]ペンタフルオロベ
ンゼンアセトニトリルの製造 反応器に粉末のNaCN(1.12g、22.95mmol)、t-ブチルジメ
チルシリルクロライド(1.38g、9.18mmol) 、ZnBr2(0.17
g 、0.77mmol) を入れ、窒素置換した後、アセトニトリ
ル(20ml)ペンタフルオロベンズアルデヒド(1.5g 、7.65
mmol) を加え2時間激しく撹拌した。反応をTLCで追
い、反応後、アセトニトリルを減圧下留去し、酢酸エチ
ルで抽出した後、抽出液を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去、粗生成物を蒸
留(bp.142℃,9mmHg)で精製することによ
り、[(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]ペンタフルオ
ロベンゼンアセトニトリル1.98g(収率77%)を得た。
(b.p. 142℃,9mmHg)
【0029】IR(neat) :2936,2864,1658,1514,147
4,1344,1258,1132,1004,906 ,842 ,784cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ 0.13(s,3H,CH3),0.16(s,3H,CH3),0.88(s,9H,(C
H3)3) ,5.77(s,1H,CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 1.77-2.04(m,2F,m-ArF) ,11.58(t,j=20.75Hz,1F,p
-ArF) ,20.08(d,j=16.43Hz,2F,o-ArF)
【0030】参考例2 1-[t- ブチルジメチルシリル)オキシ-1,2- ビス(ペン
タフルオロフェニル)-2-エタンイミンの製造 反応器を窒素置換した後、ペンタフルオロヨードベンゼ
ン(1.98ml,14.83mmol)、乾燥ジエチルエーテル(20ml)を
入れた。次いで、-85 ℃に冷却した後、n-ブチルリチウ
ム(9.72ml ,14.83ml)をゆっくり滴下した。十分攪拌し
た後、参考例1で製造した[(t-ブチルジメチルシリル)
オキシ]ペンタフルオロベンゼンアセトニトリル(2g ,
5.93mmol) をバイエルにとり、乾燥したジエチルエーテ
ル(20ml)を入れ、反応器に加えた。反応はTLCで追
い、反応後、水を加え、酢酸エチルで抽出、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去、粗成生物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチ
ル=50/1) で精製することにより、[t- ブチルジメチル
シリル)オキシ-1,2-ビス(ペンタフルオロフェニル)-2
-エタンイミン2.55g(収率76%)を得た。
【0031】IR(neat) :3240,2940,2864,1658,151
2,1262,1130,1008,842 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ 0.01(s,3H,CH3),0.16(s,3H,CH3),0.94(s,9H,(C
H3)3) ,5.69(s,1H,CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 1.78-1.91(m,2F,m-ArF) ,10.83(t,j=20.68Hz,1F,p
-ArF) ,11.34(t,j=20.68Hz,1F,p-ArF), 1.98 (br,2F,o
-ArF), 20.21(d,j=16.34Hz,2F,o-ArF)
【0032】参考例3 1-[t- ブチルジメチルシリル)オキシ-1,2- ビス(ペン
タフルオロフェニル)−エタン-2- オンの製造 反応器に参考例2で製造した[t- ブチルジメチルシリ
ル)オキシ-1,2 ビス(ペンタフルオロフェニル)-2-エ
タンイミン(2.52g ,4.99mmol) ,テトラヒドロフラン
(12.5ml)を入れて、室温で攪拌した後、1N-HCl(5ml)を
加えた。反応はTLCで追い、反応後、酢酸エチルで抽
出、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去、
粗成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン)で精製することにより、1-[t- ブチルジメチルシ
リル)オキシ-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)−
エタン-2- オン1.47g(収率58%)を得た。
【0033】IR(neat) :2940,2864,1736, 1654,150
4,1418, 1324, 1258,1136,990,885, 782 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ -0.16(s,3H,CH3) ,0.11(s,3H,CH3),0.71(s,9H,(C
H3)3) ,5.75(s,1H,CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 1.05-1.60(m,2F,m-ArF) ,10.47(t,j=20.68Hz,1F,p
-ArF) ,12.97(t,j=20.68Hz,1F,p-ArF), 20.92 (d,j=1
6.75Hz,2F,o-ArF), 21.87(d,j=19.65Hz,2F,o-ArF)
【0034】参考例4 トレオ-1-[(t- ブチルジメチルシリル)オキシ−1,2-ビ
ス(ペンタフルオロフェニル)-2-エタノールの製造 反応器に参考例3で製造した1-[t- ブチルジメチルシリ
ル)オキシ-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)−エ
タン-2- オン(1.27g,2z51mmol) を入れ窒素置換する。
エタノール(15ml)を入れ、攪拌後、NaBH4(0.12g ,3.01
mmol) をナシ型バルブにとり、エタノール(20ml)を入れ
た後に反応器へ移し、室温で10分間程攪拌した。反応は
TLCで追い、反応後、水を加え、酢酸エチルで抽出、
無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧下留去、粗成
生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル=50/1) で精製することにより、トレオ-1
-[(t- ブチルジメチルシリル)オキシ−1,2-ビス(ペン
タフルオロフェニル)-2-エタノール0.97g(収率77%)を
得た。
【0035】IR(nujol):3584,2928,2860, 1654,150
4,1466, 1132, 998 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ -0.08(s,3H,CH3) ,0.09(s,3H,CH3),0.88(s,9H,(C
H3)3) ,3.39(1br,1H,OH), 5.83(s,2H, 2CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 0.60-0.82(m,2F,m-ArF) ,9.21(t,j=21.17Hz,1F,p-
ArF),9.62(t,j=21.17Hz,1F,p-ArF), 20.41(dd,j1=6.77
Hz,j2=21.34Hz,4F,o-ArF)
【0036】参考例5 トレオ1,2-ビス(ペンタフルオロフェニル)エタン-1,2
- ジオールの製造 反応器に参考例4で得られたトレオ-1-[(t- ブチルジメ
チルシリル)オキシ−1,2-ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)-2-エタノール(0.26g,0.52mmol) を入れ、窒素置換
した。氷浴中で乾燥テトラヒドロフラン(5.43ml)を入
れ、攪拌した後、弗化テトラn-ブチルアンモニウム(0.5
2ml)を加え、10分間攪拌した。反応をTLC で追い、反応
後、酢酸エチルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥、
溶媒を減圧下留去、粗成生物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー( ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精
製することにより、トレオ1,2-ビス(ペンタフルオロフ
ェニル)エタン-1,2- ジオール0.18g(収率90%)を得
た。
【0037】IR(nujol):3520,2928,2856, 1532,150
6,1464, 1378, 1128, 992 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ 3.19(1br,2H,OH), 5.48(s,2H, 2CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 1.22-1.50(m,4F,m-ArF) ,9.75(t,j=21.06Hz,2F,p-
ArF),20.29(dd,j1=6.77Hz,j2=23.69Hz,4F,o-ArF)
【0038】参考例6 トランス-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)-1,2-エ
タンジオールサイクリックサルファイトの製造 反応器に参考例5で得られたトレオ-1,2- ビス(ペンタ
フルオロフェニル)エタン-1,2- ジオール(0.1g ,0.26
mmol) ,ジクロロメタン(4ml) ,トリエチルアミン(0.1
5ml)を入れ、氷浴中で攪拌する。ナシ型バルブにジクロ
ロメタン(0.1ml) ,塩化チオニル(0.029ml) を入れ、反
応器にゆっくりと滴下した。反応はTLCで追い、反応
後、反応混合物にエーテルを加え、水で2回、続いて飽
和食塩水で洗浄した。この有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥、溶媒を減圧下留去、粗成生物を減圧乾燥(0.3
mmHg,3時間)することにより、トランス-1,2- ビス
(ペンタフルオロフェニル)-1,2-エタンジオールサイク
リックサルファイト0.08g(収率70%)を得た。
【0039】IR(nujol):2924,2856,1526, 1464, 137
8, 1240, 1008, 988, 940 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ 6.23(dd,j1=10.20Hz,j2=52.50Hz,2H, 2CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 2.53-3.08(m,4F,m-ArF) ,13.68(t,j=20.68Hz,2F,p
-ArF) ,21.53-21.77(m,4F,o-ArF)
【0040】参考例7 1,2-ビス(ペンタフルオロフェニル)−エタン-1- ヒド
ロキシ-2- オンの製造 参考例3で製造した1-[t- ブチルジメチルシリル)オキ
シ-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)−エタン-2-
オン(0.1g ,0.2mmol)を用いて、参考例例5に準拠して
実施することにより、1,2-ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)−エタン-1- ヒドロキシ-2- オン0.07g ( 収率90
%)を得た。
【0041】実施例1 エリスロ-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)エタン
-1,2- ジオールの製造 参考例7で製造した1,2-ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)−エタン-1- ヒドロキシ-2- オン(0.1 g,0.255mmo
l)を用いて、参考例4に準拠してカルボニル基を還元し
た所、エリスロ-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)
エタン-1,2- ジオール0.076g (収率96%)を得た。 IR(nujol):3484,2924,2856, 1532,1464, 1378, 102
7, 990, 948 cm -1 1 H NMR(200MHz,CDCl3) δ 2.60-3.00(br,2H,OH), 5.40(d,j=5.20Hz,2H, 2CH)19 F NMR(188MHz,CDCl3) δ 0.69-0.87(m,4F,m-ArF) ,9.02(t,j=20.68Hz,2F,p-
ArF),19.00(dd,j1=7.52Hz,j2=22.47Hz,4F,o-ArF)
【0042】参考例8 シス-1,2- ビス(ペンタフルオロフェニル)エタン-1,2
- ジオールサイクリックサルファイトの製造 実施例1で得られたエリスロ-1,2- ビス(ペンタフルオ
ロフェニル)エタン-1,2- ジオールを用い参考例6に準
拠して実施することにより、シス-1,2- ビス(ペンタフ
ルオロフェニル)エタン-1,2- ジオールサイクリックサ
ルファイト0.08g ( 収率70%)を得た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,2-ビス( ペンタフルオロフェニル) エタ
    ン-1- ヒドロキシ-2- オンを水素化ホウ素金属又は水素
    化アルミニウム金属で還元するこを特徴とするエリスロ
    - ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン-1,2- ジオー
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】水素化ホウ素金属で還元する請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】水素化ホウ素金属が水素化ホウ素ナトリウ
    ムである請求項2記載の方法。
JP7051486A 1995-03-10 1995-03-10 エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法 Pending JPH08245452A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051486A JPH08245452A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7051486A JPH08245452A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08245452A true JPH08245452A (ja) 1996-09-24

Family

ID=12888299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7051486A Pending JPH08245452A (ja) 1995-03-10 1995-03-10 エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08245452A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0251559B2 (ja)
JP3733635B2 (ja) 有機ケイ素化合物の製造方法
EP0295880A1 (en) Substituted cyclic ketones, substituted cyclic enones, and process for producing the same
JPH08245452A (ja) エリスロ−1,2−ビス( ペンタフルオロフェニル) エタン−1,2− ジオールの製造方法
JP4399885B2 (ja) 4−メチルテトラフルオロベンジルアルコール誘導体の製造法
JPH07112968A (ja) 1α,24―ジヒドロキシコレカルシフェロール類の製造法
JP2701133B2 (ja) ビタミンaおよびカロテノイド類の製造のための新規な中間体並びにそれらの製造方法
JP4182910B2 (ja) スフィンゴミエリン類縁体とその製造法
JP2022172690A (ja) 化合物及びその製造方法
JP4641772B2 (ja) フラノンの製造方法
JP3664488B2 (ja) 13,14−ジデヒドロプロスタグランジンe類の中間体の製造方法
JP2752489B2 (ja) 新規な大環状化合物及びその製造方法
JP4750286B2 (ja) 反応活性な基を有する新規なビフェニル化合物の製造方法
JP3446225B2 (ja) シクロペンタン誘導体及びその製造方法
JPH078815B2 (ja) 光学活性2―メチレンシクロペンタノン誘導体とその中間体及びそれらの製法
JP2765575B2 (ja) 置換シクロペンテノン及び置換シクロヘキセノン誘導体の製造法
JP3776478B2 (ja) コプロスタンジオール誘導体の製造方法
JP4800933B2 (ja) シクロプロパンモノアセタール誘導体の製造方法およびその中間体
JP2024091067A (ja) 中間体化合物の製造方法、配位子の製造方法、および四級不斉炭素含有化合物の製造方法
JP4131075B2 (ja) 3−メルカプト−3−メチル−1−ブタノールの新規製造法及びその中間体
JPH05229975A (ja) シクロペンテノール誘導体
JP2843430B2 (ja) 環状セスキテルペン及びその製造法
JP3249847B2 (ja) Z−シクロヘキシリデン酢酸誘導体の製造方法
JPH0834769A (ja) 2位に置換基を有するビタミンd誘導体
JPH09157193A (ja) フッ素化アリル類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees