JPH08245382A - 点眼液 - Google Patents
点眼液Info
- Publication number
- JPH08245382A JPH08245382A JP7209936A JP20993695A JPH08245382A JP H08245382 A JPH08245382 A JP H08245382A JP 7209936 A JP7209936 A JP 7209936A JP 20993695 A JP20993695 A JP 20993695A JP H08245382 A JPH08245382 A JP H08245382A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- eye drop
- polyethylene
- tocopherols
- container
- drop solution
- Prior art date
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- Pending
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- Medicinal Preparation (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 有効成分としてトコフェロール類を含み、点
眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチレンによ
り形成された容器に充填された点眼液であって、このト
コフェロール類がポリエチレンを用いた容器内に長期間
に亘り安定して保持された点眼液を提供する。 【解決手段】 点眼液に触れる表面の少なくとも一部が
ポリエチレンにて形成された容器、例えば中栓がポリエ
チレンにて形成された点眼液容器に充填される点眼液で
あって、トコフェロール類を0.001〜0.5重量%
と、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.02〜0.
5重量%と、グリチルリチン酸塩を0.025〜0.5
重量%と、第4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤
を該活性剤1モルに対してグリチルリチン酸塩0.5〜
5モルの割合となる量で配合した点眼液。
眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチレンによ
り形成された容器に充填された点眼液であって、このト
コフェロール類がポリエチレンを用いた容器内に長期間
に亘り安定して保持された点眼液を提供する。 【解決手段】 点眼液に触れる表面の少なくとも一部が
ポリエチレンにて形成された容器、例えば中栓がポリエ
チレンにて形成された点眼液容器に充填される点眼液で
あって、トコフェロール類を0.001〜0.5重量%
と、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.02〜0.
5重量%と、グリチルリチン酸塩を0.025〜0.5
重量%と、第4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤
を該活性剤1モルに対してグリチルリチン酸塩0.5〜
5モルの割合となる量で配合した点眼液。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトコフェロール類を
有効成分とし、表面の少なくとも一部がポリエチレンに
て形成された容器内に充填された点眼液に関する。
有効成分とし、表面の少なくとも一部がポリエチレンに
て形成された容器内に充填された点眼液に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】酢酸ト
コフェロール等のトコフェロール類は、点眼液において
有効成分として配合されるが、酢酸トコフェロール等の
トコフェロール類を含有する点眼液は、これをポリエチ
レン製容器に充填し、保存しておくと、透明性が失なわ
れ、白濁、沈殿が生じ、またトコフェロール類が容器に
吸着して、その含量が低下するという問題がある。
コフェロール等のトコフェロール類は、点眼液において
有効成分として配合されるが、酢酸トコフェロール等の
トコフェロール類を含有する点眼液は、これをポリエチ
レン製容器に充填し、保存しておくと、透明性が失なわ
れ、白濁、沈殿が生じ、またトコフェロール類が容器に
吸着して、その含量が低下するという問題がある。
【0003】通常、点眼液を収容する容器の材質とし
て、ポリエチレンは保存中に内容物を透過させる問題が
あるので、このような点眼液の容器を製造する場合、容
器本体は透湿性の小さいポリエチレンテレフタレート、
Uポリマー等の材質を用いて形成する。しかしながら、
点眼液容器の場合は、使用時に適量を点眼するために、
弾力性をもったポリエチレン製の中栓を用いることが望
ましいが、保存中の横転や使用時には点眼液が中栓と接
触する。このため、酢酸トコフェロール等のトコフェロ
ール類を含有する点眼液の場合、トコフェロール類が中
栓のポリエチレンに吸着され、その含量が低下し、白
濁、沈殿が生じる。従って、このような問題を避けるた
め、トコフェロール類を含有した点眼液を充填する場
合、従来は中栓として点眼液に触れる外層をポリブチレ
ンテレフタレート等の非吸着性の材質により形成し、内
層をポリエチレンにて形成した二層構成のものを使用し
ていたが、二層構成の中栓はコストが高く、経済性の点
で問題があった。
て、ポリエチレンは保存中に内容物を透過させる問題が
あるので、このような点眼液の容器を製造する場合、容
器本体は透湿性の小さいポリエチレンテレフタレート、
Uポリマー等の材質を用いて形成する。しかしながら、
点眼液容器の場合は、使用時に適量を点眼するために、
弾力性をもったポリエチレン製の中栓を用いることが望
ましいが、保存中の横転や使用時には点眼液が中栓と接
触する。このため、酢酸トコフェロール等のトコフェロ
ール類を含有する点眼液の場合、トコフェロール類が中
栓のポリエチレンに吸着され、その含量が低下し、白
濁、沈殿が生じる。従って、このような問題を避けるた
め、トコフェロール類を含有した点眼液を充填する場
合、従来は中栓として点眼液に触れる外層をポリブチレ
ンテレフタレート等の非吸着性の材質により形成し、内
層をポリエチレンにて形成した二層構成のものを使用し
ていたが、二層構成の中栓はコストが高く、経済性の点
で問題があった。
【0004】本発明は上記事情を改善するためになされ
たもので、有効成分としてトコフェロール類を含み、点
眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチレンによ
り形成された容器に充填された点眼液であって、このト
コフェロール類がポリエチレンを用いた容器内に長期間
に亘り安定して保持された点眼液を提供することを目的
とする。
たもので、有効成分としてトコフェロール類を含み、点
眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチレンによ
り形成された容器に充填された点眼液であって、このト
コフェロール類がポリエチレンを用いた容器内に長期間
に亘り安定して保持された点眼液を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行なった
結果、トコフェロール類0.001〜0.5重量%を含
有し、点眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチ
レンにより形成された容器に充填された点眼液に対し、
ポリオキシエチレン(以下、POEと省記する)硬化ヒ
マシ油を0.02〜0.5重量%と、グリチルリチン酸
塩を0.025〜0.5重量%と、第4級アンモニウム
型カチオン性界面活性剤を該活性剤1モルに対してグリ
チルリチン酸塩0.5〜5モルの割合となる量で配合す
ることにより、トコフェロール類のポリエチレンへの吸
着が良好に防止され、点眼液がポリエチレンに接触して
もトコフェロール類の含量低下がなく、ポリエチレンを
用いた容器中に点眼液がその透明性を長期間に亘り維持
して白濁、沈殿を生じることなく保持されることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行なった
結果、トコフェロール類0.001〜0.5重量%を含
有し、点眼液が触れる表面の少なくとも一部がポリエチ
レンにより形成された容器に充填された点眼液に対し、
ポリオキシエチレン(以下、POEと省記する)硬化ヒ
マシ油を0.02〜0.5重量%と、グリチルリチン酸
塩を0.025〜0.5重量%と、第4級アンモニウム
型カチオン性界面活性剤を該活性剤1モルに対してグリ
チルリチン酸塩0.5〜5モルの割合となる量で配合す
ることにより、トコフェロール類のポリエチレンへの吸
着が良好に防止され、点眼液がポリエチレンに接触して
もトコフェロール類の含量低下がなく、ポリエチレンを
用いた容器中に点眼液がその透明性を長期間に亘り維持
して白濁、沈殿を生じることなく保持されることを知見
し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】この場合、特定量のPOE硬化ヒマシ油を
配合しない場合は、点眼液の透明性は維持されるが、ト
コフェロール類の含量低下が著しく、また特定量のグリ
チルリチン酸塩、第4級アンモニウム型カチオン性界面
活性剤を配合しない場合は、保存により点眼液に白濁が
生じ、トコフェロール類の含量低下が起こる。更に、グ
リチルリチン酸塩を第4級アンモニウム型カチオン性界
面活性剤1モルに対し0.5〜5モルという範囲を外れ
て配合する場合は、点眼液に顕著な白濁、沈殿が生じ、
いずれもポリエチレンを用いた容器内での点眼液の長期
間に亘る安定性が維持し得ないものであり、特定量のP
OE硬化ヒマシ油、特定量のグリチルリチン酸塩、第4
級アンモニウム型カチオン性界面活性剤の三者を配合す
ること、しかもグリチルリチン酸塩と第4級アンモニウ
ム型カチオン性界面活性剤とを上述した特定のモル比範
囲で併用する場合にのみ、ポリエチレンとの接触条件下
において点眼液の透明性を維持し、トコフェロール類を
安定に配合することができるものである。
配合しない場合は、点眼液の透明性は維持されるが、ト
コフェロール類の含量低下が著しく、また特定量のグリ
チルリチン酸塩、第4級アンモニウム型カチオン性界面
活性剤を配合しない場合は、保存により点眼液に白濁が
生じ、トコフェロール類の含量低下が起こる。更に、グ
リチルリチン酸塩を第4級アンモニウム型カチオン性界
面活性剤1モルに対し0.5〜5モルという範囲を外れ
て配合する場合は、点眼液に顕著な白濁、沈殿が生じ、
いずれもポリエチレンを用いた容器内での点眼液の長期
間に亘る安定性が維持し得ないものであり、特定量のP
OE硬化ヒマシ油、特定量のグリチルリチン酸塩、第4
級アンモニウム型カチオン性界面活性剤の三者を配合す
ること、しかもグリチルリチン酸塩と第4級アンモニウ
ム型カチオン性界面活性剤とを上述した特定のモル比範
囲で併用する場合にのみ、ポリエチレンとの接触条件下
において点眼液の透明性を維持し、トコフェロール類を
安定に配合することができるものである。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の点眼液はトコフェロール類を含有するものであ
り、ここで使用されるトコフェロール類としてはトコフ
ェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロー
ル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられ
るが、本発明によればこれらトコフェロール類のいずれ
を用いた場合もポリエチレンを用いた容器への吸着が防
止されて安定に配合され得る。
本発明の点眼液はトコフェロール類を含有するものであ
り、ここで使用されるトコフェロール類としてはトコフ
ェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロー
ル等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられ
るが、本発明によればこれらトコフェロール類のいずれ
を用いた場合もポリエチレンを用いた容器への吸着が防
止されて安定に配合され得る。
【0008】なお、トコフェロール類の配合量は、点眼
液全体に対して0.001〜0.5%(重量%、以下同
じ)であり、特に0.005〜0.05%とすると好適
である。
液全体に対して0.001〜0.5%(重量%、以下同
じ)であり、特に0.005〜0.05%とすると好適
である。
【0009】本発明の点眼液は、トコフェロール類のポ
リエチレンを用いた容器中での安定化のために、上述し
たようにPOE硬化ヒマシ油、グリチルリチン酸塩、第
4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤を配合するも
のであるが、ここでPOE硬化ヒマシ油としてはオキシ
エチレンの重合度が約40〜100のものが好適に用い
られる。また、グリチルリチン酸塩としてはジカリウ
ム、ジナトリウム、モノアンモニウム等の塩が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上が使用される。更に、第
4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤としては特に
制限されないが、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化セチルピリジニウムが好ましく、これらの
1種又は2種以上が用いられる。
リエチレンを用いた容器中での安定化のために、上述し
たようにPOE硬化ヒマシ油、グリチルリチン酸塩、第
4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤を配合するも
のであるが、ここでPOE硬化ヒマシ油としてはオキシ
エチレンの重合度が約40〜100のものが好適に用い
られる。また、グリチルリチン酸塩としてはジカリウ
ム、ジナトリウム、モノアンモニウム等の塩が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上が使用される。更に、第
4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤としては特に
制限されないが、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコ
ニウム、塩化セチルピリジニウムが好ましく、これらの
1種又は2種以上が用いられる。
【0010】この場合、POE硬化ヒマシ油の配合量は
0.02〜0.5%であり、特に0.05〜0.3%、
より望ましくは0.1〜0.3%が好適である。POE
硬化ヒマシ油量が少な過ぎる場合はトコフェロール類の
安定化効果が十分でなく、逆に多過ぎる場合は乳状白濁
に分散する場合が生じる。
0.02〜0.5%であり、特に0.05〜0.3%、
より望ましくは0.1〜0.3%が好適である。POE
硬化ヒマシ油量が少な過ぎる場合はトコフェロール類の
安定化効果が十分でなく、逆に多過ぎる場合は乳状白濁
に分散する場合が生じる。
【0011】また、グリチルリチン酸塩の配合量は0.
025〜0.5%であり、特に0.025〜0.25
%、より好ましくは0.05〜0.15%とすることが
好ましい。
025〜0.5%であり、特に0.025〜0.25
%、より好ましくは0.05〜0.15%とすることが
好ましい。
【0012】本発明においては、グリチルリチン酸塩と
第4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤とを特定モ
ル比、即ちグリチルリチン酸塩の第4級アンモニウム型
カチオン性界面活性剤に対するモル比が0.5〜5モル
となるように配合するものであり、この範囲を外れる場
合はトコフェロール類のポリエチレン使用容器中での安
定化という効果が十分達成されない。
第4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤とを特定モ
ル比、即ちグリチルリチン酸塩の第4級アンモニウム型
カチオン性界面活性剤に対するモル比が0.5〜5モル
となるように配合するものであり、この範囲を外れる場
合はトコフェロール類のポリエチレン使用容器中での安
定化という効果が十分達成されない。
【0013】本発明の点眼液には、上述した成分に加
え、点眼液の使用目的等に応じた適宜な成分を配合し得
る。例えば、有効成分として、更にサルファ剤、塩酸ジ
フェンヒドラミン、アスパラギン酸カリウム、アミノエ
チルスルフォン酸、ε−アミノカプロン酸、マレイン酸
クロルフェニラミン、メチル硫酸ネオスチグミン等を配
合することができ、また塩化ナトリウム、塩化カリウム
などの等張化剤、多価アルコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ハイドロキシエチルセルロ
ース、ハイドロキシプロピルセルロースなどの高分子添
加剤等を配合することもできる。
え、点眼液の使用目的等に応じた適宜な成分を配合し得
る。例えば、有効成分として、更にサルファ剤、塩酸ジ
フェンヒドラミン、アスパラギン酸カリウム、アミノエ
チルスルフォン酸、ε−アミノカプロン酸、マレイン酸
クロルフェニラミン、メチル硫酸ネオスチグミン等を配
合することができ、また塩化ナトリウム、塩化カリウム
などの等張化剤、多価アルコール、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ハイドロキシエチルセルロ
ース、ハイドロキシプロピルセルロースなどの高分子添
加剤等を配合することもできる。
【0014】本発明の点眼液は、点眼液が触れる表面の
少なくとも一部がポリエチレンにて形成された容器、例
えば中栓がポリエチレンにて形成された点眼液用容器に
充填されて保存或いは使用されるもので、本発明におい
てはこのようにトコフェロール類を含有した点眼液がポ
リエチレンに触れても白濁、沈殿、トコフェロール類の
含量低下が防止されるので、ポリエチレンを点眼液の容
器材質として有効に使用することができるものである。
少なくとも一部がポリエチレンにて形成された容器、例
えば中栓がポリエチレンにて形成された点眼液用容器に
充填されて保存或いは使用されるもので、本発明におい
てはこのようにトコフェロール類を含有した点眼液がポ
リエチレンに触れても白濁、沈殿、トコフェロール類の
含量低下が防止されるので、ポリエチレンを点眼液の容
器材質として有効に使用することができるものである。
【0015】
【発明の効果】本発明のポリエチレン使用容器に充填さ
れた点眼液によれば、特定量のPOE硬化ヒマシ油、更
に特定量のグリチルリチン酸塩と第4級アンモニウム型
カチオン性界面活性剤との特定モル比における配合によ
り、特定量配合されたトコフェロール類の上記容器中で
の安定化が達成され、点眼液がポリエチレンと接触して
も点眼液の白濁、沈殿生成が良好に防止され、その透明
性が長期間維持されると共に、トコフェロール類の含量
低下も可及的に防止されるものである。
れた点眼液によれば、特定量のPOE硬化ヒマシ油、更
に特定量のグリチルリチン酸塩と第4級アンモニウム型
カチオン性界面活性剤との特定モル比における配合によ
り、特定量配合されたトコフェロール類の上記容器中で
の安定化が達成され、点眼液がポリエチレンと接触して
も点眼液の白濁、沈殿生成が良好に防止され、その透明
性が長期間維持されると共に、トコフェロール類の含量
低下も可及的に防止されるものである。
【0016】
【実施例】次に実験例及び実施例を示し、本発明の効果
を具体的に説明する。 [実験例]表1に示す処方の液剤を調製し、これにポリ
エチレンピースを浸漬し、40℃に加温して経時的に白
濁及び沈殿の発生状態並びに酢酸トコフェロールの残存
率を調べた。結果を表2に示す。
を具体的に説明する。 [実験例]表1に示す処方の液剤を調製し、これにポリ
エチレンピースを浸漬し、40℃に加温して経時的に白
濁及び沈殿の発生状態並びに酢酸トコフェロールの残存
率を調べた。結果を表2に示す。
【0017】なお、酢酸トコフェロールの含量は高速液
体クロマトグラフィー(カラム:Partisil−1
0CCS/C8,移動相:アセトニトリル:水=90:
10,測定波長:284nm)により求めた。
体クロマトグラフィー(カラム:Partisil−1
0CCS/C8,移動相:アセトニトリル:水=90:
10,測定波長:284nm)により求めた。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表2の結果から明らかなように、液剤中に
ポリエチレンピースが浸漬されているという状態におい
て、POE硬化ヒマシ油を配合しない場合(組成C)
は、透明性は良好であったが、酢酸トコフェロールの残
存率が著しく低下し、また、グリチルリチン酸ジカリウ
ムの塩化ベンザルコニウムに対するモル比が高過ぎる場
合(組成D)は、酢酸トコフェロール含量の低下は非常
に少ないものであるが、液剤に白濁、沈殿が生じるもの
であった。また、グリチルリチン酸ジカリウムの塩化ベ
ンザルコニウムに対するモル比が低すぎる場合及びグリ
チルリチン酸ジカリウムと塩化ベンザルコニウムを配合
しない場合(組成E,F)は、液剤の外観が低下し、酢
酸トコフェロールの含量も低下するものであった。これ
に対し、所定量のPOE硬化ヒマシ油を配合し、かつ所
定量のグリチルリチン酸ジカリウムと塩化ベンザルコニ
ウムとを所定のモル比範囲で配合した場合(組成A,
B)は、液剤の透明性が保持され、酢酸トコフェロール
の含量低下が良好に防止されるものであることが知見さ
れた。
ポリエチレンピースが浸漬されているという状態におい
て、POE硬化ヒマシ油を配合しない場合(組成C)
は、透明性は良好であったが、酢酸トコフェロールの残
存率が著しく低下し、また、グリチルリチン酸ジカリウ
ムの塩化ベンザルコニウムに対するモル比が高過ぎる場
合(組成D)は、酢酸トコフェロール含量の低下は非常
に少ないものであるが、液剤に白濁、沈殿が生じるもの
であった。また、グリチルリチン酸ジカリウムの塩化ベ
ンザルコニウムに対するモル比が低すぎる場合及びグリ
チルリチン酸ジカリウムと塩化ベンザルコニウムを配合
しない場合(組成E,F)は、液剤の外観が低下し、酢
酸トコフェロールの含量も低下するものであった。これ
に対し、所定量のPOE硬化ヒマシ油を配合し、かつ所
定量のグリチルリチン酸ジカリウムと塩化ベンザルコニ
ウムとを所定のモル比範囲で配合した場合(組成A,
B)は、液剤の透明性が保持され、酢酸トコフェロール
の含量低下が良好に防止されるものであることが知見さ
れた。
【0021】以下、実施例を示すが、本発明は下記の実
施例に制限されるものではない。 [実施例1] 酢酸トコフェロール 0.015% マレイン酸クロルフェニラミン 0.02 メチル硫酸ネオスチグミン 0.002 POE(40)硬化ヒマシ油 0.15 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 塩化ベンザルコニウム 0.01 塩化ナトリウム 0.6 塩化カリウム 0.3 蒸留精製水 残 100.0 %
施例に制限されるものではない。 [実施例1] 酢酸トコフェロール 0.015% マレイン酸クロルフェニラミン 0.02 メチル硫酸ネオスチグミン 0.002 POE(40)硬化ヒマシ油 0.15 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 塩化ベンザルコニウム 0.01 塩化ナトリウム 0.6 塩化カリウム 0.3 蒸留精製水 残 100.0 %
【0022】約80mlの蒸留精製水に塩化ナトリウム
0.6g、塩化カリウム0.3gを加えて溶解した後、
マレイン酸クロルフェニラミン0.02g、メチル硫酸
ネオスチグミン0.002g及びグリチルリチン酸ジカ
リウム0.1gを加えて溶解する。次に、酢酸トコフェ
ロール0.015gをPOE(40)硬化ヒマシ油0.
15gと温時に混合したものを先の液に加えた後、塩化
ベンザルコニウム0.01gを加え、蒸留精製水を追加
して全量を100mlとし、ろ過した後、ポリエチレン
製の中栓を有する点眼液用容器に貯える。
0.6g、塩化カリウム0.3gを加えて溶解した後、
マレイン酸クロルフェニラミン0.02g、メチル硫酸
ネオスチグミン0.002g及びグリチルリチン酸ジカ
リウム0.1gを加えて溶解する。次に、酢酸トコフェ
ロール0.015gをPOE(40)硬化ヒマシ油0.
15gと温時に混合したものを先の液に加えた後、塩化
ベンザルコニウム0.01gを加え、蒸留精製水を追加
して全量を100mlとし、ろ過した後、ポリエチレン
製の中栓を有する点眼液用容器に貯える。
【0023】[実施例2] 酢酸トコフェロール 0.02 % コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1 塩酸ジフェンヒドラミン 0.03 POE(60)硬化ヒマシ油 0.3 グリチルリチン酸ジカリウム 0.2 塩化ベンゼトニウム 0.03 ホウ酸 1.2 蒸留精製水 残 100.0 %
【0024】約80mlの蒸留精製水にコンドロイチン
硫酸ナトリウム0.1g、塩酸ジフェンヒドラミン0.
03g、グリチルリチン酸ジカリウム0.2g及びホウ
酸1.2gを加えて溶解した後、酢酸トコフェロール
0.02gをPOE(60)硬化ヒマシ油0.3gと温
時に混合したものを先の液に加えた後、塩化ベンゼトニ
ウム0.03gを加え、蒸留精製水を追加して全量を1
00mlとし、ろ過した後、ポリエチレン製の中栓を有
する点眼液用容器に貯える。
硫酸ナトリウム0.1g、塩酸ジフェンヒドラミン0.
03g、グリチルリチン酸ジカリウム0.2g及びホウ
酸1.2gを加えて溶解した後、酢酸トコフェロール
0.02gをPOE(60)硬化ヒマシ油0.3gと温
時に混合したものを先の液に加えた後、塩化ベンゼトニ
ウム0.03gを加え、蒸留精製水を追加して全量を1
00mlとし、ろ過した後、ポリエチレン製の中栓を有
する点眼液用容器に貯える。
【0025】実施例1,2の点眼液は、いずれも長期間
保存しても透明性が維持され、酢酸トコフェロール含量
の低下が防止されるものであった。
保存しても透明性が維持され、酢酸トコフェロール含量
の低下が防止されるものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/32 A61K 47/44 Z 47/44 A61J 1/00 313A
Claims (2)
- 【請求項1】 点眼液に触れる表面の少なくとも一部が
ポリエチレンにて形成された容器に充填される点眼液で
あって、トコフェロール類を0.001〜0.5重量%
と、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を0.02〜0.
5重量%と、グリチルリチン酸塩を0.025〜0.5
重量%と、第4級アンモニウム型カチオン性界面活性剤
を該活性剤1モルに対してグリチルリチン酸塩0.5〜
5モルの割合となる量で配合したことを特徴とする点眼
液。 - 【請求項2】 中栓がポリエチレンにて形成された点眼
液用容器に充填された請求項1記載の点眼液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7209936A JPH08245382A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 点眼液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7209936A JPH08245382A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 点眼液 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60296442A Division JPH0647536B2 (ja) | 1985-12-24 | 1985-12-24 | トコフエロ−ル類含有液剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08245382A true JPH08245382A (ja) | 1996-09-24 |
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ID=16581119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7209936A Pending JPH08245382A (ja) | 1995-07-26 | 1995-07-26 | 点眼液 |
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JP (1) | JPH08245382A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1995
- 1995-07-26 JP JP7209936A patent/JPH08245382A/ja active Pending
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