JPH08245210A - 金属酸化物を担持した活性炭の製造方法 - Google Patents

金属酸化物を担持した活性炭の製造方法

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JPH08245210A
JPH08245210A JP7049716A JP4971695A JPH08245210A JP H08245210 A JPH08245210 A JP H08245210A JP 7049716 A JP7049716 A JP 7049716A JP 4971695 A JP4971695 A JP 4971695A JP H08245210 A JPH08245210 A JP H08245210A
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JP
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activated carbon
metal alkoxide
metal oxide
metal
adsorbed
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JP7049716A
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Keihachirou Nakajima
慶八郎 中嶋
Kaoru Okada
薫 岡田
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単なプロセスで、吸着剤、触媒担体あるい
は各種機能性材料もしくはその原料として有用な、実質
的に活性炭の内部にのみ金属酸化物を担持した活性炭の
製造方法を提供する。 【構成】 金属酸化物を担持した活性炭の製造方法であ
って、活性炭と金属アルコキシドを、密閉した容器内あ
るいは乾燥気流中に別々に置き、金属アルコキシドの蒸
気を発生させ、次いで活性炭に吸着させた後、水蒸気と
接触させて、吸着された金属アルコキシドを加水分解す
ることを特徴とする金属酸化物を担持した活性炭の製造
方法。前記金属アルコキシドは、テトラエトキシシラ
ン、アルミニウムイソプロポキシド、チタンイソプロポ
キシド、トリエトキシボランの中から選ばれる一種であ
る。前記活性炭が300〜2000m2/gの比表面積
を有する繊維状活性炭、繊維状活性炭からなるシート、
活性炭から構成される三次元構造体のいずれかである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属酸化物を担持した
活性炭の製造方法に関する。更に詳しく述べるならば、
本発明は、吸着剤、触媒坦体あるいは各種機能性材料も
しくはその原料として有用な、活性炭の内部にのみ金属
酸化物を担持した活性炭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラエトキシシランあるいはアルミニ
ウムイソプロポキシドのような金属アルコキシドを加水
分解すると金属酸化物のゾルもしくはそのゲルが生成す
ることは公知である。特開昭54ー19489公報に
は、金属アルコキシドのアルミニウムイソプロポキシド
をiープロピルアルコールに溶解し、含水エタノールを
徐々に加えて加水分解させて作ったアルミナゾルを35
0℃に加熱した熱板上に連続的に滴下してアルミナ水和
物の微細気孔が50〜85%の気孔率を有し、かつ10
0〜400μの粗大気孔が少なくとも5%以上、5〜3
0μの細気孔が少なくとも5%以上、500〜1000
Åの微細気孔が少なくとも10%以上の細孔分布を有す
る中空状造粒品の製造方法が開示されている。そして前
記特定範囲の細孔分布は、活性炭クルミ殻粉等の粒度を
調整し造気孔剤としてアルミナゾルに加えて、目的の形
状、大きさに成型後、焼成中に焼失させて得られ、前記
造粒品は、50〜600℃の広い温度範囲にわたって亜
硫酸ガスの影響を受けずにNOX(窒素酸化物)除去用
の触媒坦体として用いられるのである。
【0003】特開昭57ー42516公報には、シリカ
質と炭素質を含む窒化原料を含む非酸化性雰囲気中で加
熱して窒化ケイ素を製造するに当り、窒化原料として、
炭素質粉末の存在する液相系内においてケイ酸アルカリ
もしくは加水分解性ケイ素化合物を処理してケイ酸を生
成させて得られるケイ酸/炭素質粉末混合物を用いる窒
化ケイ素の製造方法が開示されている。炭素質粉末の存
在する液相系内において、ケイ酸を生成させると、炭素
質粉末と固体シリカ粉末を混合した場合と異なり、炭素
質粉末全面に均一にしかも密接した形でケイ酸が生成さ
れるので、還元窒化反応には好都合である。加水分解に
よって酸化物を生成する金属化合物として、エチルシリ
ケートのようなケイ酸エステルもしくはハロゲン化ケイ
素が用いられている。
【0004】特開平5ー293371号公報には、多孔
質ガラス中に活性炭、活性アルミナ、または合成ゼオラ
イトが分散して存在し、バルク状または膜状の物質吸着
能を有する吸着剤組成物が開示されている。このような
組成物は、金属アルコキシド溶液と活性炭、活性アルミ
ナ、または合成ゼオライトとの混合溶液を加水分解し
て、あるいは前記混合溶液を塗布法、スピンコート法で
膜状にした後、加水分解して、多孔質ガラス中に活性
炭、活性アルミナ、または合成ゼオライトを分散させ、
しかる後乾燥することからなるものである。
【0005】この方法によれば、金属アルコキシドとし
てエチルシリケート、Si(OC254を含む溶液を
加水分解して得られる多孔質SiO2ガラスは、化学的
に、熱的に安定しており、活性炭等の結合剤としてかつ
自ら吸着剤の役割を果たし、混合物からバルク状あるい
は薄膜状のように様々な形状に成形することができると
いう特徴を有している。つまり、加水分解によってゾル
として生成された金属酸化物である多孔質ガラス(Si
2)は、活性炭、活性アルミナまたは合成ゼオライト
を包み込むように前記吸着剤の外表面と接触して存在し
ているために結着剤や造膜剤の役割を果たすのである。
【0006】しかしながら、活性炭の外表面に金属酸化
物のゾルが多量に存在していると、例えば粉状や粒状の
活性炭の場合、粒子の凝集が起こるため、造膜性や塊状
化のためには好都合であるが、粉体、粒状物あるいは繊
維状として活性炭を使用することが困難になり、また吸
着性に関するガス通過性が悪くなり、吸着剤として用い
る際に圧力損失が極めて劣るものとなる。とりわけ、前
記方法を適用した場合、金属酸化物を周囲に存在させた
繊維状、更に布状、シート状、フェルト状あるいは三次
元構造体からなる活性炭は、もはや元の形状とは異なっ
ており、吸着剤としての特性が付与されるどころか活性
炭の有する吸着性能も損なわれるようになる。以上の説
明から分かるように、活性炭に金属酸化物を担持させ
て、吸着能を改善すると同時に、なお活性炭自体に凝集
性や粘着性がなく、元の形状を変化させず、しかも加工
時に活性炭の外表面に存在している金属酸化物が活性炭
から離脱や脱落することのないものが強く望まれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み鋭意研究した結果、活性炭の内部には金属酸
化物を担持させ、活性炭の外表面には前記金属酸化物を
殆ど有しない活性炭であれば上記の問題を解消できると
の結論を得、金属アルコキシドの蒸発性に着眼し、密閉
系あるいは乾燥気流中において前記金属アルコキシドの
蒸気を発生させて、これを活性炭に吸着させ、しかる後
水蒸気または大気中の水分(湿気)と接触させることに
よって、金属アルコキシドもしくは金属ハロゲン化物を
液相中でゲル化させ、それにより生成された金属酸化物
と活性炭とを混合によって接触させるのではなく、活性
炭自体の内部、即ち活性炭の有する微細気孔の内部に金
属酸化物を担持させることができることを見出し、本発
明を完成するに至った。本発明の目的は、吸着剤、触媒
担体あるいは各種機能性材料もしくはその原料として有
用で、粒状、繊維状、シート状、フェルト状あるいは三
次元構造体で使用するのに好適な、金属酸化物を内部に
担持した活性炭の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明の第一は、活性
炭と金属アルコキシドを、密閉した容器内あるいは乾燥
気流中に別々に置き、金属アルコキシドの蒸気を発生さ
せ、次いで活性炭に吸着させた後、水蒸気と接触させ
て、吸着された金属アルコキシドを加水分解することを
特徴とする金属酸化物を担持した活性炭の製造方法であ
る。本発明の第二は、前記金属アルコキシドがテトラエ
トキシシラン、アルミニウムイソプロポキシド、チタン
イソプロポキシド、トリエトキシボランの中から選ばれ
る一種であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化
物を坦持した活性炭の製造方法である。本発明の第三
は、前記活性炭が300〜2000m2 /gの比表面積
を有することを特徴とする請求項1または2記載の金属
酸化物を担持した活性炭の製造方法である。本発明の第
四は、前記活性炭が繊維状活性炭、繊維状活性炭からな
るシート、または活性炭から構成された三次元構造体の
いずれかであることを特徴とする請求項1乃至3記載の
金属酸化物を担持した活性炭の製造方法である。
【0009】本発明では、液体もしくは固体であって常
温(20〜30℃)と常圧(1気圧)下もしくは特定の
温度と圧力下で気化し、蒸気圧を有する金属アルコキシ
ドを密閉系の容器内あるいは乾燥した気流中に入れ、さ
らに様々な形状を有する活性炭が金属アルコキシドと混
合することなく同一の密閉容器内あるいは乾燥気流中に
入れられ、一定時間保持して金属アルコキシドの蒸気を
活性炭に吸着させ、次いで、金属アルコキシドの蒸気を
吸着した活性炭を前記密閉容器あるいは乾燥した気流中
から取り出して別の容器内に移しあるいは、乾燥した気
流に代えて水蒸気を流し、活性炭に水蒸気を吸着させ
て、既に活性炭に吸着されていた金属アルコキシドを加
水分解して金属酸化物に転換させることが行われる。
【0010】活性炭の吸着能は、その外表面には殆どな
く、内面に存在するため金属アルコキシドの蒸気は活性
炭の内部、特に微細気孔内に吸着されるから、金属アル
コキシドの蒸気を吸着させた後、直ちに続いて水蒸気を
吸着させると、金属アルコキシドは水との加水分解反応
によってその微細気孔の内面で金属酸化物に転換するの
で、活性炭自体は、形状を全く変えることなく、しかも
活性炭の外表面には金属酸化物を殆ど存在させることな
く、活性炭の内部にのみ金属酸化物を担持させることが
できるのである。
【0011】本発明では、活性炭は、粉状、粒状、シー
ト状、繊維状などの如何なる形態のものも用いることが
できる。また、これらの活性炭を他の材料と複合化させ
た材料、例えば粉状活性炭を抄き込んだ紙、あるいは前
記の活性炭をバインダーを用いて成形したものなどを用
いることができる。さらに、繊維状活性炭からなるシー
トや三次元構造体を用いることもできる。活性炭の原料
にも特に制限はなく、天然の植物、石炭あるいは石油
類、樹脂、その他の有機物を原料とした活性炭を用いる
ことができる。このような活性炭の比表面積は、300
〜2000m2 /g、好ましくは500〜1500m2
/gの範囲である。比表面積が300m2 /g未満で
は、金属アルコキシドの蒸気を十分に吸着する能力が無
く、結果として金属酸化物を活性炭に十分担持させるこ
とができない。また、比表面積が2000m2 /gを越
える活性炭は、活性炭を製造する際に著しく収率が低
く、不経済であることに加えて、粒状あるいは繊維状の
活性炭の場合、その強度が非常に低くなり、形態の有す
る特徴を発揮できなくなる。
【0012】本発明に用いる金属アルコキシドは、液体
もしくは固体のアルコキシドであり、前記の条件下で気
化して蒸気圧を有し、加水分解することにより、そのア
ルコキシドに含まれる金属の酸化物を生成するものであ
る。その例としては、テトラエトキシシラン(ケイ酸エ
チル)、テトラメトキシシラン、アルミニウムイソプロ
ポキシド、チタンイソプロポキシド、トリエトキシボラ
ン、マグネシウムエトキシドなどを挙げることができ、
これらの中からどの金属酸化物を生成させるかによって
適宜選択されて本発明のために用いられる。例えば、テ
トラエトキシシランは、加水分解によってケイ酸(二酸
化ケイ素)を生成する。
【0013】本発明では、前記したように金属アルコキ
シドは、気体状(蒸気)にして、その気体状の金属アルコ
キシドを活性炭と接触させ、活性炭の内部表面に吸着さ
せる。従って、本発明では、まず金属アルコキシドを気
化させるが、液体のものは、室温で気化して十分な蒸気
圧を有するものが多く、その場合、液体金属アルコキシ
ドと活性炭を直接混合して接触させることなく、同一の
密閉容器内あるいは乾燥した気流中に静置しておくだけ
で、金属アルコキシドの蒸気を活性炭に吸着させること
ができる。ところが、アルミニウムイソプロポキシドの
ように室温で固体のものは、あるいは沸点が高い液状の
金属アルコキシドの場合は、常温では気化しないので、
気化させるためには適当な温度、例えば固体の場合は融
点以上、液体の場合は沸点近くまで加熱することが好ま
しい。
【0014】活性炭に金属アルコキシドの蒸気を接触さ
せて、吸着させる場合、金属アルコキシドが、活性炭に
吸着される前に、空気中の水分と接触して加水分解反応
を生じないように、雰囲気内を乾燥した窒素や空気のよ
うに金属アルコキシドと反応しないガスで置換してお
く、あるいはそのようなガス気流中で金属アルコキシド
を気化させるという操作が行われる。また、液体の金属
アルコキシドを用いて密閉容器中で吸着させる場合、金
属アルコキシドと活性炭を入れて密閉した容器をアルコ
キシドが沸騰しない程度に減圧して水分を除去してもよ
い。加熱を必要とする金属アルコキシドの場合も、同様
に気化した金属アルコキシドの気体が空気中の水分と接
触しないように配慮する必要がある。活性炭に金属アル
コキシドの蒸気を吸着させる方法を更に具体的に説明す
ると、例えば容器の蓋が開閉可能な密閉容器内の底部に
金属アルコキシドを入れ、その上段に金網で支持される
棚を設け、活性炭は上部が開放された容器内に入れ、そ
の容器ごと金網の上に静置し、任意に脱湿された空気、
窒素ガスあるいは不活性ガスを容器の底部から通気さ
せ、金属アルコキシドの気体を随伴したそのようなガス
を活性炭と接触させる、あるいは容器に蓋をし、静置し
ておくことで容器内に金属アルコキシドの蒸発気体を充
満させ、活性炭に吸着させてもよい。
【0015】また、横型の筒状反応容器を用いること
は、乾燥ガス気流中で、加熱を必要とする場合に好適で
ある。ガスの通気を行う際、上流に金属アルコキシド
を、下流に活性炭を置き、間接的に加熱しながら、金属
アルコキシドを通気ガスに随伴させて活性炭と接触させ
ることもできる。活性炭に吸着させる金属アルコキシド
の量、ひいては活性炭に担持させる金属酸化物の量は、
調整することが可能である。密閉容器中で金属アルコキ
シドを吸着させる場合は、金属アルコキシドの蒸気の分
圧を調整することにより、活性炭に吸着させる金属アル
コキシドの量を調整できる。たとえば、適当な蒸気圧を
有する溶媒を金属アルコキシドに混ぜる、あるいは窒
素、乾燥空気等の金属アルコキシドと反応しない気体を
密閉容器中に導入することによって、容器中の金属アル
コキシドの蒸気の分圧を低下させてもよい。
【0016】また、密閉容器を金属アルコキシドが沸騰
しない程度に減圧することにより、金属アルコキシドの
分圧を上げることができる。さらに、窒素、乾燥空気等
のガス気流中に金属アルコキシドの気体を随伴させ、活
性炭と接触させる際には、前記ガス気流の流量を調整す
ることで、あるいは金属アルコキシドを発生させるため
の温度を調整することで前記ガス気流中に随伴される金
属アルコキシドの気体量を調整し、活性炭に吸着させる
金属アルコキシドの量を調整することができる。
【0017】活性炭に金属アルコキシドの気体を吸着さ
せる場合、その気体が露点効果により活性炭の表面で凝
縮しないように、保温あるいは若干の加温を必要に応じ
て行う。活性炭と発生させられた金属アルコキシドの蒸
気を接触させるために必要な時間は、活性炭の性状、金
属アルコキシドの蒸気圧などにより異なり、一概に決め
られないが、粉状、繊維状、繊維からなるシートあるい
は三次元構造体の活性炭を用いる場合には、接触時間は
比較的短くて済み、数分から数時間程度で金属アルコキ
シドの蒸気が活性炭に十分に吸着される。しかしなが
ら、粒状活性炭の場合は、完全に吸着を行わせるには、
比較的長い保持時間を要する。金属酸化物の担持量を、
蒸気との接触時間で調節する場合はもちろんこの限りで
はない。
【0018】前記のようにして、金属アルコキシドの蒸
気を吸着させた後の活性炭は、次いで水分と接触させる
ことで金属アルコキシドを金属酸化物に変化せしめる。
水分との接触は水蒸気を金属アルコキシドを吸着した活
性炭に吸着させることで目的が達成できるが、前記の金
属アルコキシドを吸着させた活性炭を水中に浸漬するこ
とによっても可能である。ただし、この場合、生成した
金属酸化物がトリエトキシボランの加水分解によって生
成するホウ酸のように水溶性である場合は、水中に浸漬
することにより、せっかく活性炭の内部に担持された金
属酸化物が溶出してしまうので適さない。
【0019】金属アルコキシドを吸着させた活性炭を水
蒸気と接触させるには、金属アルコキシドの気体を活性
炭に吸着させる場合と同様に、密閉容器の底部に水を張
り込み、水面の上に棚で仕切られた中段の上に、金属ア
ルコキシドを吸着させた前記活性炭を置くことにより、
水蒸気が前記活性炭に吸着されるので、活性炭を水中に
浸漬させることなく、活性炭に吸着された金属アルコキ
シドの加水分解を行うことができる。もっと簡単には、
例えば筒状の横型反応器内に金属アルコキシドを吸着し
た活性炭を置き、水蒸気あるいは水蒸気を含むガスを通
気させることでも充分に活性炭に水蒸気を吸着させるこ
とができる。
【0020】空気中の湿度が高い場合には、単に金属ア
ルコキシドを吸着した活性炭を空気中に放置するだけで
金属アルコキシドの加水分解を行うこともできる。以上
のようにして金属アルコキシドを吸着した活性炭と水蒸
気とを吸着によって接触させ、金属アルコキシドを加水
分解させるために必要な時間は、金属アルコキシドの種
類、活性炭の性質あるいは水蒸気の分圧などによって変
化するため、一概に決めることはできないが、室温付近
で、水蒸気と接触させる場合には、数分から数時間の範
囲で十分な加水分解を行わせることができる。一方、金
属アルコキシドを吸着させた活性炭を水蒸気と接触させ
る場合、適当量の気体状の酸やアルカリを添加すること
で、加水分解が速やかに行われたり、あるいは活性炭へ
の金属酸化物の担持量が増加する場合があるので、必要
に応じて水蒸気中へそのような気体状の酸やアルカリを
添加して用いてもよい。気体状の酸やアルカリの例とし
ては塩化水素やエチルアミンがあり、これらはの酸やア
ルカリは、水溶液として水に添加して用いることができ
るので取り扱いが容易である。
【0021】以上詳細に説明したように、本発明によれ
ば様々な形状の活性炭の内部に存在する微細気孔に金属
酸化物を析出させ、担持させることができ、実質的に活
性炭自体の表面にはそのような金属酸化物は殆ど存在し
ないので、活性炭は塊状化せず元の形状を維持しなが
ら、その金属酸化物の有する吸着性能を活性炭に付与す
ることができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれらによって限定されるも
のではない。
【0023】実施例1 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭を、熱風循環式乾燥機中に入れ、
温度105℃で12時間乾燥させた。次に、500ml
容のガラス製の蓋の開閉が可能なセパラブルフラスコの
中段(底部より40mmの高さの位置)に150メッシ
ュの支柱を有する金網を置き、このフラスコの底部に金
属アルコキシドとしてテトラエトキシシラン(Si(O
254)(和光純薬工業製)5gを入れ、別のガラ
ス容器に入れた前記の乾燥済み活性炭5gを、その容器
ごと金網の上に乗せて、金属アルコキシド溶液と活性炭
が直接混合しないように置いた。その後直ちに、蓋をし
て乾燥空気を前記フラスコ内に通気して湿気を追い出し
た後、前記フラスコを20℃の恒温室で3時間静置し
た。
【0024】その後、中段に金網製の棚を備えた別の5
00ml容のセパラブルフラスコの底部に水25mlを
入れ、次に金属アルコキシドを吸着させた活性炭をガラ
ス容器ごと取り出し、棚の上に置き、水と活性炭が直接
混合しないようにした。次に、直ちにフラスコの蓋をし
てフラスコごと温度20℃の恒温室で2時間静置し、加
水分解を行った。反応終了後の活性炭は、反応を行う前
と外観上に変化はなく、粒子相互の凝集も見られなかっ
た。この活性炭を熱風循環式乾燥機中に入れ、温度10
5℃で12時間乾燥させた後の重量を測定したところ、
反応前の重量に比べて5重量%増加していた。この活性
炭を空気中温度900℃で1時間加熱して灰化し、臭化
カリウム錠剤法によりこの灰の赤外線吸収スペクトル
(IR)を測定した結果、活性炭に担持されていた物質は
酸化ケイ素であることが判明した。
【0025】比較例1 実施例1において使用した、比表面積800m2 /gの
活性炭を実施例1と同様にして乾燥させた。この活性炭
5gを100ml容のフラスコ中に入れ、次いでテトラ
エトキシシラン50gを添加、混合し、ガラス棒で撹拌
した後密栓して3時間静置した。その後、この混合物を
フラフコから取り出してガラス製の容器に入れ、実施例
1と同様に水25mlを底部に入れたセパラブルフラス
コの中段に設けられた金網製の棚の上に前記混合物を容
器ごと置き、水と混合物が直接混合しないようにして入
れ、室温で24時間静置し、加水分解を行った。この反
応を終えた段階での混合物の外観は、白色の塊の中に活
性炭粒子が分散した状態で、即ち活性炭粒子の表面に多
量の白色物質が付着し、全体が固まっていた。この混合
物の塊を熱風循環式乾燥機に入れ、温度105℃で12
時間乾燥させた後、乳鉢で粉砕したが、活性炭粒子を壊
すことなく、白色の塊と活性炭を分離することはできな
かった。白色の物質のIRを測定した結果、この物質は
酸化ケイ素であることがわかった。
【0026】比較例2 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭の代わりに、木粉を原料とした前
記と同じ方法による比表面積が200m2 /gの粒状活
性炭を使用したこと以外は、実施例1と同様にして活性
炭への金属アルコキシドの吸着と吸着された金属アルコ
キシドの加水分解を行った。反応を行う前後で活性炭に
外観上の変化はなく、粒子相互の凝集も見られなかっ
た。この活性炭を熱風循環式乾燥機に入れ、温度105
℃で12時間乾燥させた後の重量を測定したところ、反
応前の重量に比べてわずかに0.2重量%増加してい
た。
【0027】実施例2 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭の代わりに、フェノール樹脂を原
料とした前記と同じ方法による比表面積が1500m2
/gの繊維状活性炭(日本カイノール製)を使用した以外
は、実施例1と同様にして活性炭への金属アルコキシド
の吸着と吸着された金属アルコキシドの加水分解を行っ
た。反応を行う前後で活性炭に外観上の変化はなく、繊
維相互の凝集も見られなかった。この繊維状活性炭を熱
風循環式乾燥機に入れ、温度105℃で12時間乾燥さ
せた後の重量を測定したところ、反応前の重量に比べて
10重量%増加していた。この繊維状活性炭を空気中温
度900℃で1時間加熱して灰化し、臭化カリウム錠剤
法によりこの灰の赤外線吸収スペクトル(IR)を測定し
た結果、繊維状活性炭に担持されていた物質は酸化ケイ
素であることが判明した。
【0028】比較例3 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻を
原料とした粒状活性炭の代わりに、フェノール樹脂を原
料とした前記と同じ方法による比表面積が2100m2
/gの繊維状活性炭を使用したこと以外は、実施例1と
同様にして活性炭への金属アルコキシドの吸着と吸着さ
れた金属アルコキシドの加水分解を行った。反応を行う
前後で活性炭に外観上の変化はなかったが、活性炭繊維
が著しく脆くなっており、取り扱い中に粉末化する部分
が多かった。この活性炭を熱風循環式乾燥機に入れ、温
度105℃で12時間乾燥させた後の重量を測定したと
ころ、反応前の重量に比べて15重量%増加していた。
この繊維状活性炭を空気中温度900℃で1時間加熱し
て灰化し、臭化カリウム錠剤法によりこの灰の赤外線吸
収スペクトル(IR)を測定した結果、活性炭に担持され
ていた物質は酸化ケイ素であることが判明した。
【0029】比較例4 実施例2において使用した、乾燥済みの比表面積150
0m2 /gの繊維状活性炭5gを100ml容のフラス
コ中に入れ、次いでテトラエトキシシラン50gを加え
て繊維状活性炭を浸漬して混合し、密栓して3時間静置
した。その後、この混合物を取り出して実施例1と同様
にして加水分解を行った。この反応を終えた段階での混
合物の外観は、白色の塊の中に繊維状活性炭が取り込ま
れた状態、即ち活性炭繊維の表面に多量の白色の塊が付
着して、全体が固まっていた。この混合物の塊を熱風循
環式乾燥機に入れ、温度105℃で12時間乾燥させた
後、活性炭と白色の塊を分離しようと試みたが、繊維状
活性炭を壊すことなく、白色の塊と繊維状活性炭を分離
することはできなかった。白色の物質のIRを測定した
結果、この物質は酸化ケイ素であることがわかった。
【0030】実施例3 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭を、熱風循環式乾燥機中に入れ、
温度105℃で12時間乾燥させた。次いで、横型の筒
状反応容器に、この活性炭5gと金属アルコキシドとし
て固形のアルミニウムイソプロポキシド(和光純薬工業
製)5gとを、乾燥窒素を流したときアルミニウムイソ
プロポキシドが上流、活性炭が下流になるように、また
両者が混合しないように載置した。筒状反応容器内に乾
燥窒素を50ml/分の流量で流しながら、前記反応容
器の外側に巻いたヒーターにより、アルミニウムイソプ
ロポキシドと活性炭を150℃に加熱、3時間保持し、
発生したアルミニウムイソプロポキシドの蒸気を、乾燥
窒素の気流で運び下流の活性炭に吸着させた。
【0031】冷却後、この活性炭を取り出し、実施例1
と同様にして活性炭に吸着された金属アルコキシドの加
水分解を行った。得られた加水分解済みの活性炭は、反
応を行う前と外観上の変化はなく、粒子相互の凝集も見
られなかった。この活性炭を熱風循環式乾燥機に入れ、
温度105℃で12時間乾燥させた後の重量を測定した
ところ、反応前の重量に比べて5重量%増加していた。
さらにこの活性炭を空気中900℃で1時間加熱して灰
化し、臭化カリウム錠剤法によりこの灰の赤外線吸収ス
ペクトル(IR)を測定した結果、活性炭に担持されてい
た物質は酸化アルミニウムであることが判明した。
【0032】実施例4 窒素吸着法による比表面積が1500m2 /gのフェノ
ール樹脂を原料とする繊維状活性炭からなるフェルト
(クラレケミカル製、目付120g/m2 )を熱風循環式
乾燥機に入れ、温度105℃で12時間乾燥させた。こ
の繊維状活性炭のフェルト(大きさ5cmx5cm)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして繊維状活性炭
のフェルトに金属アルコキシドを吸着させた。その後、
このフェルトを取り出し、実施例1と同様にして金属ア
ルコキシドの加水分解を行わせた。
【0033】この状態でのフェルトは、反応を行う前と
比べて外観上の変化はなく、粒子相互の凝集も見られな
かった。このフェルトを送風乾燥機中105℃で12時
間乾燥させた後の重量を測定したところ、反応前の重量
に比べて5重量%増加していた。さらにこの活性炭を空
気中温度900℃で1時間加熱して灰化し、臭化カリウ
ム錠剤法によりこの灰の赤外線吸収スペクトル(IR)を
測定した結果、活性炭に担持されていた物質は酸化ケイ
素であることが判明した。
【0034】比較例5 実施例4で用いたのと同じ繊維状活性炭からなるフェル
トを、テトラエトキシシラン100g、エタノール15
0g、蒸留水100gおよび塩酸5gの混合溶液に浸漬
した後溶液から引き上げ、80メッシュの金網の上に置
き脱液した。その後、相対湿度65%、温度20℃の恒
温恒室中で12時間放置し、フェルトの表面に付着して
いる或いは繊維間に存在している金属アルコキシドの加
水分解を行った後温度105℃の熱風循環式乾燥機に入
れ、3時間乾燥させた後重量を測定したところ反応前の
重量に比べて30重量%増加していた。フェルトにはフ
ェルト内部を含めて全体に白色物質が付着し、目詰まり
を生じている状態であり、ハンドリング中に粉落ちが顕
著に生じた。このフェルトを空気中温度900℃で1時
間加熱して灰化し、臭化カリウム錠剤法によりこの灰の
赤外線吸収スペクトルを測定した結果、フェルトに担持
されていた物質は酸化ケイ素であることが判明した。
【0035】実施例5 窒素吸着法による比表面積が700m2 /gのフェノー
ル樹脂を原料とする繊維状活性炭からなるシート(日本
カイノール製、坪量50g/m2 、繊維状活性炭含有率
50%)をホットメルト接着剤を用いて大きさ20cm
x20cmx、厚さ2cm、ハニカムの一辺の長さが1
0mmからなる六角のハニカム状三次元構造体に加工し
た。次いで、これを熱風循環式乾燥機に入れ、温度10
5℃で12時間乾燥させた。その後、上蓋が開閉可能な
18リットル容の金属製の密閉容器の底部にテトラエト
キシシラン100gを入れ、該容器の底部から5cmの
高さに150メッシュの金網からなり、支柱を備えた棚
を設け、さらにその上に乾燥済みのハニカム構造体を乗
せ、密閉して乾燥空気でパージした後温度20℃の恒温
室で3時間静置した。
【0036】その後、この構造体を取り出し、水300
mlを底部に入れた上蓋が開閉可能な18リットル容の
金属製の密閉容器に、活性炭の三次元構造体に金属アル
コキシドを吸着させる場合と同様にして、水と前記構造
体が直接に混合、接触しないようにして該構造体を棚の
上に乗せ、上蓋を閉じて、温度20℃の恒温室で2時間
静置し、加水分解を行った。得られた加水分解が終了し
た構造体は、反応を行う前と外観上の変化はなかった。
この構造体を熱風循環式乾燥機に入れ温度105℃で1
2時間乾燥させた後その重量を測定したところ、反応前
の重量に比べて3重量%増加していた。この活性炭を空
気中900℃で1時間加熱して灰化し、臭化カリウム錠
剤法によりこの灰の赤外線吸収スペクトル(IR)を測定
した結果、活性炭に担持されていた物質は酸化ケイ素で
あることが判明した。
【0037】実施例6 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭を、熱風循環式乾燥機に入れ、1
05℃で12時間乾燥させた。この活性炭5gとトリエ
トキシボラン(アルドリッチ社製)5gを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、粒状活性炭に金属アルコキ
シドを吸着させた。次いで、この活性炭を取り出し、続
いて実施例1と同様にして活性炭に吸着された金属アル
コキシドの加水分解を行った。このようにして得られ
た、金属酸化物を内部に担持した活性炭は、反応を行う
前と外観上の変化はなく、粒子相互の凝集も見られなか
った。この活性炭を送風乾燥機中105℃で12時間乾
燥させた後の重量を測定したところ、反応前の重量に比
べて4重量%増加していた。この活性炭を空気中温度9
00℃で1時間加熱して灰化して、臭化カリウム錠剤法
によりこの灰の赤外線吸収スペクトル(IR)を測定した
結果、活性炭に担持されていた物質はホウ素の酸化物で
あることが判明した。
【0038】実施例7 窒素吸着法による比表面積が800m2 /gのヤシ殻か
ら製造した粒状活性炭を、熱風循環式乾燥機に入れ、温
度105℃で12時間乾燥させた。この活性炭5gとチ
タンイソプロポキシド(和光純薬工業製)5gを用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、粒状活性炭に金属ア
ルコキシドを吸着させ、続いて該金属アルコキシドを加
水分解し、活性炭の内部に金属酸化物を担持させた。こ
のようにして得られた活性炭は、反応を行う前と比べて
外観上の変化はなく、粒子相互の凝集も見られなかっ
た。この活性炭を送風乾燥機中105℃で12時間乾燥
させた後の重量を測定したところ、処理前の重量に比べ
て2重量%増加していた。この活性炭を空気中900℃
で1時間加熱して灰化し、蛍光X線法およびX線回折法
によりこの灰を分析した結果、活性炭に担持されていた
物質はチタンの酸化物であることが判明した。
【0039】実施例1〜7および比較例1〜5で得られ
た結果を表1に示した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例1で作製した金属酸化物を担持した
粒状活性炭と金属酸化物を担持しない同じ粒状活性炭と
の吸着能力を比較した結果を表2に示した。ベンゼン吸
着量および水蒸気吸着量は、105℃で12時間乾燥し
た試料5gを、それぞれベンゼンおよび蒸留水をいれた
ビーカーと一緒にデシケーターにいれて、密閉し、温度
20℃で3時間放置し、その後重量を測定した。重量の
増加量(g)を、吸着させる前の試料の重量(g)で除
して、試料1g当りのベンゼンおよび水蒸気の吸着量を
求めた。
【0042】
【表2】
【0043】実施例4および比較例5で作製した金属酸
化物を担持する活性炭フェルトをエアフィルターとして
用いたときの圧力損失を空気清浄装置性能試験方法基準
(JACANo.10C・1979)に準じて測定し、
その結果を表3に示した。
【0044】
【表3】
【0045】本発明の活性炭は、粒状、繊維状、シート
状および三次元構造体のものとも活性炭の内部に金属酸
化物を担持しており、形状には全く変化がない(表1、
実施例1〜7)。これに対し、従来法では、活性炭と金
属アルコキシドを混合した後加水分解しているので、生
成された金属酸化物は活性炭を包み込むようにして共存
しており、活性炭と金属酸化物は別々に分離して使用す
ることはできず、これらを一緒に混ぜて塊状で、あるい
は薄い塗膜を作製して使用せざるを得ない(表1、比較
例1)。とりわけ、活性炭が繊維状あるいはシート状の
場合は、従来法では、繊維の間に加水分解で生成された
金属酸化物が充填され、外観的には塊状になるので通気
性が損なわれ、圧力損失が大きくなり、更に粉落ちも発
生するのでその使用が著しく制約を受ける(表1、比較
例4および5)。このことは表3に示されているよう
に、フィルターとしての機能の比較から一層明確になる
(表3、実施例4と比較例5)。
【0046】金属アルコキシドの蒸気を活性炭に吸着さ
せた後加水分解して金属酸化物を活性炭に担持させる場
合でも、活性炭の比表面積が低い(表1、比較例2)
と、金属アルコキシドの蒸気吸着量が不足し、従って金
属酸化物の担持量が少なくなるので適さず、逆に、活性
炭の比表面積が大き過ぎる(表1、比較例3)と、活性
炭への金属酸化物の担持量が多くなり過ぎ、活性炭自体
がきわめて脆くなり、特に繊維状あるいは形状を有する
ものは使用に際し加工が殆どできないので適さない。本
発明で得られる金属酸化物を担持した活性炭は、活性炭
の元々有する吸着能力にその金属酸化物特有の吸着能力
を付加することができる。例えば、活性炭に担持される
金属酸化物がSiO2の場合は、活性炭は有機物と湿気
の両方をよく吸着する(表2、実施例1)。
【0047】
【発明の効果】本発明は、簡単なプロセスで、金属酸化
物を内部に担持させた活性炭を製造する方法を提供する
という効果を奏するもので、この方法によれば、従来の
方法では得られない、活性炭の外部表面に金属酸化物が
付着しているのではなく、活性炭の内部に金属酸化物を
担持した活性炭が得られ、このものは、その本来の性状
が損なわれていないため、様々な形状に加工することが
可能で、より広範な用途に適用が可能である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭と金属アルコキシドを、密閉した
    容器内あるいは乾燥気流中に別々に置き、金属アルコキ
    シドの蒸気を発生させ、次いで活性炭に吸着させた後、
    水蒸気と接触させて、吸着された金属アルコキシドを加
    水分解することを特徴とする金属酸化物を担持した活性
    炭の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属アルコキシドがテトラエトキシ
    シラン、アルミニウムイソプロポキシド、チタンイソプ
    ロポキシド、トリエトキシボランの中から選ばれる一種
    であることを特徴とする請求項1記載の金属酸化物を担
    持した活性炭の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記活性炭が300〜2000m2 /g
    の比表面積を有することを特徴とする請求項1または2
    記載の金属酸化物を担持した活性炭の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記活性炭が繊維状活性炭、繊維状活性
    炭からなるシート、または活性炭から構成された三次元
    構造体のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至
    3記載の金属酸化物を担持した活性炭の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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