JPH08244365A - 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法 - Google Patents

一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08244365A
JPH08244365A JP7049831A JP4983195A JPH08244365A JP H08244365 A JPH08244365 A JP H08244365A JP 7049831 A JP7049831 A JP 7049831A JP 4983195 A JP4983195 A JP 4983195A JP H08244365 A JPH08244365 A JP H08244365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
image
resin
image receiving
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7049831A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Maejima
勝己 前島
Katsuyuki Takeda
克之 竹田
Koichi Nakatani
康一 中谷
Sota Kawakami
壮太 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP7049831A priority Critical patent/JPH08244365A/ja
Publication of JPH08244365A publication Critical patent/JPH08244365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程が容易で、かつ穿孔感度の高い一体
化穿孔転写型記録材料、及びその製造方法を提供する。 【構成】 第一支持体、色材層、色材バリヤー層、受像
層及び第二支持体をこの順で設けた一体化穿孔転写型記
録材料において、少なくとも該色材バリヤー層と該受像
層の間に中間層を有することを特徴とする一体化穿孔転
写型記録材料。第一支持体、色材層、色材バリヤー層、
中間層、受像層及び第二支持体を有する一体化穿孔転写
型記録材料が、第一支持体、色材層、色材バリヤー層及
び中間層からなる記録材料部の該中間層と、第二支持体
及び受像層からなる受像材料部の該受像層を対向し貼り
合わせることにより形成されることを特徴とする一体化
穿孔転写型記録材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高解像力で階調再現性に
優れた画像が得られる穿孔転写型記録材料、及びそれの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録方法の一つとして、特開昭63
-35385号、同63-35387号には、支持体上に昇華性インク
層と熱可塑性樹脂を主成分とする保護層を有し、この保
護層をレーザー光によって融解することで保護層を穿孔
した後、この保護層と受像紙を密着させ、サーマルヘッ
ドあるいはレーザー光による加熱を、昇華性インク層を
有する支持体側から与えることによって、画像情報を受
像層に熱転写する技術が記載されている。これに関連し
て、特開平4-201488号には、色材バリヤー層(前述の保
護層に相当)に金属蒸着膜を使用し、かつラミネーター
による熱転写を行う技術の開示がある。
【0003】穿孔転写型記録材料は、搬送などにより色
材バリヤー層に傷が入ると、傷の部分から色材が受像材
料に転写してしまい画像欠陥となる。色材バリヤー層の
耐傷性を上げるために該層の膜厚を増すと穿孔に必要な
エネルギーが多くなり(穿孔感度が低下する)記録速度
が遅くなる。
【0004】又、画像形成プロセスの繁雑さを改良すべ
く、記録材料と受像材料を予め一体化させる試みも行わ
れている。例えば、特願平5-266507号には、スペーサー
ビーズにより実質的に非接触状態で色材バリヤー層と受
像層の一体化が開示されているが、本法によると、両層
を実質的に非接触状態にするための一体化工程で温度や
圧力の貼合条件の制御が必要であり、必ずしも簡単では
ない。そこで、色材バリヤー層と受像層を完全に密着す
る条件で貼合すると、色材バリヤー層の穿孔のためのエ
ネルギーが多く必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み為されたものであり、製造工程が容易で、かつ穿孔感
度の高い一体化穿孔転写型記録材料、及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって達成される。
【0007】(1)第一支持体、色材層、色材バリヤー
層、受像層及び第二支持体をこの順で設けた一体化穿孔
転写型記録材料において、少なくとも該色材バリヤー層
と該受像層の間に中間層を有する一体化穿孔転写型記録
材料。
【0008】(2)前記中間層の空隙率が5〜50%である
(1)記載の一体化穿孔転写型記録材料。
【0009】(3)第一支持体、色材層、色材バリヤー
層、受像層及び第二支持体をこの順で設けた一体化穿孔
転写型記録材料において、少なくとも該色材層と該色材
バリヤー層の間に断熱層を有する一体化穿孔転写型記録
材料。
【0010】(4)前記断熱層の空隙率が5〜50%である
(3)記載の一体化穿孔転写型記録材料。
【0011】(5)第一支持体、色材層、色材バリヤー
層、中間層、受像層及び第二支持体を有する一体化穿孔
転写型記録材料が、第一支持体、色材層、色材バリヤー
層及び中間層からなる記録材料部の該中間層と、第二支
持体及び受像層からなる受像材料部の該受像層を対向し
貼り合わせることにより形成される一体化穿孔転写型記
録材料の製造方法。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の一体化穿孔転写型記録材料は、例
えば図1に示すように、第二支持体上に受像層、中間
層、色材バリヤー層、色材層、第一支持体という構成を
採る。又、色材バリヤー層と色材層の間に断熱層を設け
た構成や、中間層と断熱層を両方とも有する構成を採る
こともできる。なお、一体化穿孔転写型記録材料を、以
下「一体化材料」と呼ぶ。
【0014】一体化材料の作成方法としては、(a)図2
に示すように、第二支持体上に受像層を形成した受像材
料部と、第一支持体上にその他の層を形成した記録材料
部とを貼合する方法、(b)第一支持体又は第二支持体上
に、順に各層を塗布により形成して図1の構成を採る方
法などがある。この他の作成方法としては、任意の層を
第一支持体と第二支持体上に形成した後、貼合して図1
の構成を採ることも可能であるが、(a)の方法が最も好
ましい。
【0015】以下、記録材料部(第一支持体、色材層、
色材バリヤー層、中間層又は断熱層)、受像材料部(受
像層、第二支持体)の順に各構成層を具体的に説明す
る。
【0016】記録材料部の支持体としては、寸法安定性
が良く、画像記録の際、レーザー等の熱源に耐え、穿孔
するため第一支持体側より高強度露光を行う場合は、光
源の波長の光を透過するものであれば特に制限がなく、
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセトアセター
ル、セロファン、ポリスチレンのような耐熱性プラスチ
ックフィルムを用いることができる。なお、第二支持体
上に順次積層して一体化穿孔転写型記録材料を形成する
場合は、第一支持体は塗布により形成することも可能で
ある。
【0017】支持体の厚さは、通常2〜200μmの範囲が
好ましく、更に好ましくは12〜100μmである。
【0018】色材層には必須成分として色材の他にバイ
ンダーが含有されており、更に必要に応じて添加剤等の
任意成分も含まれている。特に、高感度、高い画像保存
性を得るために、色材はキレート可能な色材であること
が好ましい。
【0019】本発明において、受像層に転写される色材
は熱拡散性色素であることが好ましいが、これに限らず
その他の色素、顔料でもよく、これらが転写する場合に
はバインダー成分ごと転写する、いわゆる熱溶融型の形
態を採ってもよい。
【0020】熱拡散性色素については、熱拡散性又は昇
華性である限り特に制限はない。熱拡散性シアン色素と
しては、特開昭59-78895号、同59-227948号、同60-2496
6号、同60-53563号、同60-130735号、同60-131292号、同
61-19936号、同61-22993号、同61-31292号、同61-31467
号、同61-35994号、同61-49893号、同61-148269号、同6
2-191191号、同63-91287号、同63-91288号、同63-29079
3号等に記載のナフトキノン系、アントラキノン系、ア
ゾメチン系色素等が挙げられる。
【0021】熱拡散性マゼンタ色素としては、特開昭59
-78896号、同60-30392号、同60-30394号、同60-253595
号、同61-262190号、同63-5992号、同63-205288号、同6
4-159号、同64-63194号等に記載のアントラキノン系、
アゾ系、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0022】熱拡散性イエロー色素としては、特開昭59
-78896号、同60-27594号、同60-31560号、同60-53565
号、同61-12394号、同63-122594号等に記載のメチン
系、アゾ系、キノフタロン系、アントライソチアゾール
系色素等が挙げられる。
【0023】又、熱拡散性色素として、開鎖型又は閉鎖
型の活性メチレン基を有する化合物と、p-フェニレンジ
アミン誘導体の酸化体又はp-アミノフェノール誘導体の
酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン
色素、及びフェノール誘導体、ナフトール誘導体と、p-
フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp-アミノフェノ
ール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られ
るインドアニリン色素も好適に使用することができる。
【0024】色素としては、例えば下記一般式に示すキ
レート可能な熱拡散性色素を用い、受像要素にこの色素
とキレート反応する金属イオン含有化合物を含有させる
ことにより、転写後の色素画像の耐久性を著しく向上さ
せることができる。
【0025】
【化1】
【0026】式中、X1は少なくとも一つの環が5〜7
個の原子で構成される芳香族炭素環又は複素環を形成す
るに必要な原子群を表し、かつ(a)アゾ結合に結合する
炭素原子の隣接位の原子の少なくとも一つが窒素原子、
酸素原子、硫黄原子もしくは燐原子であるか、(b)該隣
接位の原子にキレート化基を有するか、又は(c)該隣接
位の原子に窒素原子、酸素原子、硫黄原子もしくは燐原
子で結合する該芳香族炭素環又は複素環との縮合環を形
成し、X2は少なくとも一つの環が5〜7個の原子で構
成される芳香族炭素環又は複素環を形成するに必要な原
子群を表す。X1又はX2で形成される環は更に5〜6員
環と縮合してもよい。
【0027】キレート可能な色素は、特願平5-266507号
に記載の色素を用いることができる。
【0028】これら熱拡散性色素の使用量は、支持体1
m2当たり通常0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
又、色材層における熱拡散性色素の含有率は、通常5〜
70重量%の範囲内であり、好ましくは30〜70重量%であ
る。
【0029】色材層に用いるバインダーとしては、感熱
転写記録分野で公知の樹脂類を用いることができる。以
下に述べるポリビニルアセタール系樹脂及びセルロース
系樹脂が好ましいが、これに限定されない。
【0030】ポリビニルアセタール系樹脂としては、ア
セタール化の程度、アセチル基、残留水酸基などの含有
率によって種々の化合物があり、代表例としてポリビニ
ルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことができる。
【0031】セルロース系樹脂としては、例えばニトロ
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロ
ース、酪酸セルロースなどが挙げられるが、中でもニト
ロセルロースが特に好ましい。
【0032】上記以外の感熱転写記録分野で公知の樹脂
として、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリスチ
レン、ポリスチレン共重合体、アイオノマー樹脂などを
挙げることができる。
【0033】これら樹脂の中から1種又は2種以上を適
宜選択し、バインダーとして用いることができる。
【0034】バインダーは、色材層全体に対し通常30〜
70重量%を配合することが好ましい。又、バインダーと
熱拡散性色素の色材層における重量比は1:10〜10:1
の範囲が好ましく、2:8〜8:2が特に好ましい。
【0035】色材層の厚みは、受像材料部から剥離可能
で、しかも熱エネルギーの印加により色素の移動が可能
なように調整されていればよく、通常0.2〜10μmの範囲
内であり、好ましくは0.4〜5μmである。
【0036】色材層に添加される添加剤としては、変性
シリコーン樹脂を初め、弗素樹脂、界面活性剤、ワック
ス類、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、高級脂肪族
エーテル、金属微粉末、シリカゲル、カーボンブラッ
ク、有機充填剤、無機充填剤、バインダー成分と反応可
能な硬化剤(例えばイソシアナート類やアクリル酸、エ
ポキシ類等の放射線活性化合物)などを挙げることがで
きる。更に、転写を促進するため、例えば特開昭59-106
997号に記載の高級脂肪酸エステル等の熱溶融性物質を
用いることができる。
【0037】添加剤の添加量は、添加剤の種類や添加目
的により一律に決められないが、添加剤全体として通
常、バインダーに対して50重量%以下が好ましい。
【0038】上記変性シリコーン樹脂の具体例として
は、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アクリル変性シ
リコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、セルロー
ス変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹
脂、エポキシ変性シリコーン樹脂などが挙げられ、これ
らを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0039】変性シリコーン樹脂の色材層に対する配合
量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜2.0重量
%である。
【0040】色材層は、前記熱拡散性色素、バインダー
及び必要に応じて加えられる添加剤を溶媒に溶解又は分
散して塗工液を調製し、支持体上に塗布・乾燥して形成
することができる。
【0041】なお、バインダーは1種又は2種以上を溶
媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散して用
いることもできる。
【0042】溶媒としては、水、アルコール類(例えば
エタノール、プロパノール、ブタノール)、セロソルブ
類、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、芳
香族類(例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケト
ン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン)、塩素系溶媒(例えばクロロホルム、トリクロロ
エチレン)等が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】塗工には通常知られたグラビアロールによ
る面順次塗分け塗布、押出し塗布、ワイヤーバー塗布、
ロール塗布などを用いることができる。
【0044】色材バリヤー層は、少なくとも色材層の色
材(熱拡散性色素)を加熱又は加圧下でも通さない性質
と、高強度の露光を吸収する性質を有する必要がある。
このためには、色材バリヤー性素材として(1)水溶性樹
脂、(2)イオン結合を有する樹脂、又は(3)Tg(ガラス転
移点)が80℃以上、好ましくは100℃以上、更に好まし
くは120℃以上の樹脂(主成分として含有)、(4)金属蒸
着層が好ましい。
【0045】水溶性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、水溶性ポリビニルホルマール、水溶性ポ
リビニルアセタール、水溶性ポリビニルブチラール、ポ
リビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ナイ
ロン、ポリアクリル酸、水溶性ポリウレタン、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げら
れる。又、これらの樹脂を構成するモノマー成分の共重
合体も用いることができる。
【0046】イオン結合を有する樹脂としては、アイオ
ノマー樹脂などの他、スルホ基で置換されたスチレン、
アクリル酸、メタクリル酸、無水フタル酸などを共重合
成分として含む樹脂に、カウンターイオンとしてNa+,K
+,Ca2+,Zn2+,NH4 +などが付加されたものが挙げられ
る。又、ゼラチン、カゼイン等も好ましく用いられる。
【0047】Tgが80℃以上の樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアリールメタクリレート、ポリベンジルメタ
クリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリフェニ
レンオキシド、ゼラチン、ポリパラバン酸などが挙げら
れる。中でもポリメチルメタクリレート、ポリベンジル
メタクリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリパラバン酸などが好ましい。又、スチレ
ン、塩化ビニル、メチルメタクリレート、アリールメタ
クリレート、アクリロニトリル、エチレンオキシド、ベ
ンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
等のモノマー成分の共重合体でTgが80℃以上の樹脂も好
ましく用いられる。更に、熱硬化性樹脂でガラス転移点
を持たない樹脂も好ましい。
【0048】色材バリヤー性素材の色材バリヤー層に対
する割合は50〜99重量%が好ましい。色材バリヤー層の
全樹脂成分の内、色材バリヤー性素材が占める割合は50
重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、
最も好ましくは90重量%以上である。
【0049】色材バリヤー層を金属蒸着層で形成する場
合の金属としては、光吸収性を有するものなら何でも用
いることができるが、Al、Zn、Sn、Ag、Pb、Cr、Bi、N
i、Co等、及びこれらの酸化物、水酸化物、硫化物など
が好ましい。
【0050】色材バリヤー層は、又、高強度露光を吸収
するための光吸収性物質を含有してもよい。この光吸収
性物質は、高強度露光の波長が紫外光〜500nm以下の可
視光領域である場合、上記の樹脂成分そのものであって
もよい。
【0051】高強度露光の波長が可視光領域の場合に
は、その露光波長を吸収する各種顔料、染料を用いるこ
とができる。又、波長が赤色〜近赤外領域の場合、特願
平4-334584号,7頁に記載の色素類、カーボンブラック
等を用いることができる。例えば、機能材料1990年6月
号64〜68頁に記載される近赤外吸収色素や、色材61巻
(1988)218〜223頁に記載の光記録用機能色素などか
ら、シアニン系、スクアリリウム系、アズレニウム系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノ
ン系、ジチオール金属錯塩系、インドアニリン金属錯体
系、分子間CT錯体系、遷移金属キレート系、アルミニ
ウムジインモニウム系の各色素を選んで用いることがで
きる。
【0052】色材バリヤー性素材として水溶性樹脂を用
いる場合には、光吸収性物質も水溶性であることが好ま
しく、特にスルホ基等の水溶性置換基を有するトリカル
ボシアニン系色素が好ましい。
【0053】光吸収性物質は必要に応じて添加されれば
よいが、露光の波長が赤外域の場合には、前述の近赤外
吸収色素を1〜50重量%含有することが好ましい。近赤
外吸収色素は、色材バリヤー層のバリヤー機能を低下さ
せない場合には更に多量を添加することができる。
【0054】色材バリヤー層には、この他に塗布性を改
善するための添加剤として、例えば界面活性剤、帯電防
止のための導電性化合物、ブロッキング防止のための離
型剤、マット剤などを必要に応じて含有することができ
る。
【0055】色材バリヤー層の膜厚は、バリヤー機能を
低下させない限り、できるだけ薄いことが好ましく、具
体的には0.01〜2.0μmの範囲であり、好ましくは0.1〜
1.0μmである。ただし、露光の強度が充分高い場合に
は、より厚い膜厚でも穿孔することが可能なので、この
範囲に限定されない。
【0056】色材バリヤー層は、必要に応じて機能を分
離させた複数の層で形成されてもよい。分離される機能
としては、例えば色材バリヤー性、導電性、光吸収性、
ブロッキング耐性などが挙げられ、これらの機能を複数
層で異ならせて持たせることができる。
【0057】色材バリヤー層の塗工は前記色材層と同様
にして行うことができる。
【0058】色材バリヤー層と受像層の間に設けられる
中間層は、強光度の露光による色材バリヤー層の穿孔時
に、色材バリヤー層が爆発し飛散したり熱融着すること
により、記録材料部を剥離後も受像層表面に色材バリヤ
ー層の一部が残ってしまうことを防ぐ、いわゆる飛散防
止として機能する。
【0059】中間層は色素を色材層から受像層に転写さ
せるため、色素透過性を有することが必須である。更に
中間層は、色材バリヤー層を穿孔後、熱又は圧により色
素を受像層に転写させた後、受像層とバリヤー層の間で
剥離した時に、受像層と完全に剥離する必要がある。
【0060】この場合、受像層と中間層の界面剥離で
も、中間層の凝集破壊による剥離の何れでもよいが、受
像層と中間層の界面剥離がより好ましい。貼合による一
体化が容易なように、中間層が弱粘着性を有しているこ
とも好ましい。
【0061】又、中間層は中空微粒子の添加や発泡させ
るなどして空隙を持たせることにより断熱性を付与させ
てもよい。この場合、断熱効果により色材バリヤー層の
穿孔感度を向上させることができる。
【0062】中間層はバインダー及び添加剤よりなる。
【0063】バインダーとしては、例えば前記色材層バ
インダーとして公知の樹脂、オレフィン系樹脂、ワック
ス類を用いることができ、使用される色素との相溶性が
高い樹脂、極性の低い樹脂が好ましい。又、色剤バリヤ
ー層の穿孔に要するエネルギーを小さくするため熱伝導
率の低い樹脂が好ましい。具体的には、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、
ポリスチレン共重合体、アイオノマー、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス等の熱可塑性樹脂;ポリエチレン、ポリプロビレン等
のオレフィン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体、
エチレン-メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチ
レン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-i-ブチル
アクリレート共重合体、エチレン-メチル(メタ)アク
リル酸共重合体等のエチレン共重合体;カルナバ蝋、木
蝋、オウリキュリー蝋及びエスパル蝋等の植物蝋;蜜
蝋、昆虫蝋、セラック蝋及び鯨蝋等の動物蝋;パラフィ
ンワックス、マイクロクリスタルワックス、ポリエチレ
ンワックス、エステルワックス及び酸ワックス等の石油
蝋;並びにモンタン蝋、オゾケライト及びセレシン等の
鉱物蝋等のワックス類、ポリエステルワックス、ポリウ
レタンワックス、ワックス塩化物などのワックス類;弗
素系樹脂、シリコン樹脂などを挙げることができる。こ
れらの樹脂は単独又は2種以上を併用してもよい。
【0064】これらの樹脂は、後述する受像層により界
面剥離する場合と凝集破壊する場合がある。即ち、熱可
塑性樹脂群の素材は剥離性のよい受像層と組み合わせる
と界面剥離し、エチレン共重合体群やワックス類は凝集
破壊を起こし易い。
【0065】中間層に断熱性を持たせる場合、中空微粒
子や発泡剤の添加により層内に空隙を持たせることが可
能である。層内の空隙率が5〜50%であることがバリヤ
ー層の穿孔感度を向上させるために好ましい。ここで空
隙率とは、次式で求めた値である。空隙率(%)=(G
m−Gi)/Gm×100 ただし、Gm:中間層に使用される素材の比重、Gi:中
間層の比重 素材として中空微粒子を用いる場合、素材の比重を得る
ことが難しいが、中空微粒子の外径と内径の平均値より
空隙率を求めることができる。
【0066】中空微粒子は、壁材料としてポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリエステル、ポリカーボネート、尿
素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド
樹脂、ポリスチレン、スチレン-(メタ)アクリレート
共重合体、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリビニ
ルアルコール、ポリメチル(メタ)アクリレート等が使
用でき、架橋することで耐溶剤性や耐熱性、耐圧性の付
与も可能である。
【0067】中空微粒子の表面は、分散性向上やバイン
ダー樹脂との密着性向上のため表面改質してもよい。
【0068】中空微粒子の粒径は0.1〜5μmが好まし
く、0.1〜3μmがより好ましい。通常、内孔径/粒子径
比は0.2〜0.8で形成されるが、内孔径は大きいほど断熱
効果が大きくなるので好ましい。上記空隙率を得るため
中空微粒子/バインダー比は重量比で3:7〜7:3の
範囲が好ましい。
【0069】発泡剤としては公知の有機発泡剤を用いる
ことが可能であり、具体的にはアゾビスイソブチロニト
リル、アゾジカルボンアミドなどのアゾ化合物、N,N′-
ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化
合物、p-トルエンスルホニルヒドラジト、p,p′-オキシ
ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)のようなスルホ
ニルヒドラジト化合物などが挙げられる。発泡剤の添加
量は、発泡条件にもよるが通常、バインダーに対して5
〜20重量%が好ましく、発泡倍率は1.05〜2倍とするの
が好ましい。
【0070】中間層に添加される添加剤としては、受像
層との剥離性を上げるためのシリコーンオイル、変性シ
リコンオイル、弗素系界面活性剤などの界面活性剤、色
素拡散性を上げるためのシリカゲル、有機充填剤、無機
充填剤などの多孔質物質、受像層との融着防止のためバ
インダー成分と反応可能な架橋剤(例えばイソシアナー
ト類、エポキシ類、アクリル酸等の熱や放射線に活性な
化合物)などを挙げることができる。
【0071】添加剤の添加量は、添加剤の種類や目的に
より一律に決められないが、添加剤全体として、通常、
バインダーに対して50重量%が好ましい。
【0072】中間層の膜厚は、通常0.1〜3μm、好まし
くは0.2〜2μmの範囲で決めることができる。中間層に
断熱性を付与する場合は0.5〜3μmの膜厚が好ましい。
0.1μm以下では飛散防止機能が不十分であり、3μm以
上では色素の透過性が低くなり転写に必要な熱や圧力が
大きくなる。
【0073】中間層は、前記バインダー及び必要に応じ
て加えられる中空微粒子又は発泡剤、添加剤を溶媒に溶
解又は分散して塗工液を調製し、色材バリヤー層上に塗
布・乾燥して形成することができる。この時、使用する
溶媒は、色材バリヤー性素材を溶解しない溶媒を選択す
る必要がある。
【0074】中間層の形成方法としては、公知のグラビ
アロール塗布、押出し塗布、ワイヤーバー塗布、ロール
塗布などを用いることができる。
【0075】発泡剤を添加した場合は、バリヤー層上に
塗布・低温乾燥後、受像層と貼合し加圧した状態で発泡
開始温度まで熱を掛けることにより、発泡剤が分解しガ
スを発生して発泡層を形成できる。加圧と加熱の条件に
より、気泡サイズと発泡倍率の制御が可能である。
【0076】断熱層は、断熱効果により色材バリヤー層
の穿孔感度を向上させる目的で、色材層と色材バリヤー
層の間に設ける。断熱層は中空微粒子含有層又は発泡層
など熱伝導率が低い層で、かつ色素透過性を有する層で
あればよく、穿孔に用いる高強度の光を第一支持体側よ
り露光する場合は、光源の波長の光を透過すれば失透し
ていてもよい。
【0077】断熱層は、バインダー、中空微粒子、発泡
剤、添加剤等から構成される。 用いるバインダーとし
ては特に制限はないが、熱伝導率の低い樹脂、色素の転
写濃度を上げるために染料拡散性の高い樹脂、使用され
る色素との相溶性の低い樹脂が好ましく用いられる。具
体的には、ポリメチルメタアクリレート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアセトアセター
ル、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリスチレ
ン共重合体、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体などの
熱可塑性樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチ
レン-メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン-
エチルアクリレート共重合体、エチレン-i-ブチルアク
リレート共重合体、エチレン-メチル(メタ)アクリル
酸共重合体などのエチレン共重合体が好ましく用いられ
る。これらの樹脂は単独又は2種以上を併用してもよ
い。
【0078】中空微粒子及び発泡剤は、中間層に記載の
ものを用いることができる。
【0079】断熱層に添加される添加剤としては、界面
活性剤、中空微粒子を分散するための分散剤、発泡剤の
発泡促進剤、発泡した状態でバインダーとして用いる樹
脂を架橋させるための架橋剤、色材層や色材バリヤー層
との接着性を向上させる接着剤などが挙げられる。これ
ら添加剤の添加量は、添加剤の種類や目的により一律に
決められないが、添加剤全体として、通常、バインダー
樹脂に対して50重量%以下が好ましい。
【0080】断熱層として効果を得るためには、空隙率
が5〜50%の層が好ましく、10〜50%の層が更に好まし
い。ここで断熱層の空隙率とは、断熱層に使用している
素材の比重と断熱層の比重から計算で求めた値である。
【0081】断熱層の膜厚は、空隙率により断熱効果を
有するように調整されていればよく、通常0.5〜3μm、
好ましくは1〜2μmの範囲で決めることができる。0.5
μm以下では断熱効果が小さく、3μm以上では色素の透
過性が低くなり転写に必要な熱や圧力が大きくなる。
【0082】中空微粒子を含有する断熱層は、上記バイ
ンダーと中空微粒子又は発泡剤と添加剤を溶媒に混合溶
解した塗工液を、中間層と同様の塗布方法にて塗工・乾
燥し形成することができる。この時、バインダーをラテ
ックス分散し水系の塗工液としてもよい。
【0083】断熱層を発泡剤により発泡層として形成す
る場合は、第一支持体上に断熱層を塗工し、低温乾燥
後、色材層、バリヤー層を形成し、受像層と貼合し加圧
した状態で発泡開始温度まで熱を掛けることにより、発
泡剤が分解しガスを発生して発泡層を形成できる。加圧
と加熱の条件により、気泡サイズと発泡倍率の制御が可
能である。ただし、加熱及び加圧による発泡工程は、色
材層塗工以降の何れの工程に入れてもよい。
【0084】受像材料部の受像層は、受像層用バインダ
ーと各種添加剤とで形成される。
【0085】受像層用バインダーとしては、塩化ビニル
系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、アクリル系
など各種の耐熱性樹脂を使用することができる。ただ
し、本発明によって形成される画像について実際的要求
(例えば医用画像として出力した場合に所定の画像保存
性が要求されるなど)があれば、そのような要求項目を
満たすようにバインダーの種類又は組合せを考慮するこ
とが必要になる。バインダーの種類の選択は任意である
が、画像保存性などの点において、ポリビニルアセター
ル系樹脂又は塩化ビニル系樹脂が好ましい。
【0086】ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポ
リビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール等の樹脂が挙げられる。
【0087】塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル樹脂と塩化ビニル共重合体とを挙げることができる。
塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニルをモノマーユ
ニットとして50モル%以上の割合で含有する塩化ビニル
モノマーと他のモノマー(複数でもよい)との共重合体
を挙げることができる。
【0088】他のモノマーとしては、例えば酢酸ビニ
ル、プロピレン酸ビニルや酢酸ビニル、牛脂酸ビニル等
の脂肪酸のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル
酸、アクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ア
クリル酸-2-エチルヘキシル等のアクリル酸又はメタク
リル酸及びそのアルキルエステル類;マレイン酸、マレ
イン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオ
クチルなどのマレイン酸及びそのアルキルアルキルエス
テル類;メチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニ
ルエーテル、ラウリルビニルエーテル、パルミチルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのアルキル
ビニルエーテル等を挙げることができる。更に、コモノ
マーとして、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、スチレン、クロロスチレ
ン、イタコン酸及びそのアルキルエステル類、クロトン
酸及びそのアルキルエステル類、ジクロロエチレン、ト
リフロロエチレンなどの他ハロゲン化オレフィン類、シ
クロペンテン等のシクロオレフィン類、アコニット酸エ
ステル類、ビニルベンゾエート、ベンゾイルビニルエー
テル等を挙げることができる。
【0089】塩化ビニル共重合体は、ブロック共重合
体、グラフト共重合体、交互共重合体、ランダム共重合
体の何れであってもよい。又、場合によっては、シリコ
ン化合物などの剥離機能を有するものとの共重合体であ
ってもよい。
【0090】ポリビニルアセタール系樹脂、塩化ビニル
系樹脂の他に、ポリエステル系樹脂も昇華型感熱転写用
の受像層として好適に用いることができる。
【0091】本発明に使用することのできるポリエステ
ル系樹脂としては、特開昭58-188695号、特開昭62-2446
96号に記載される化合物を挙げることができる。又、ポ
リカーボネート系樹脂もバインダーとして使用すること
ができ、例えば特開昭62-169694号に記載の各種の化合
物を使用することができる。
【0092】又、前記耐熱性樹脂としては、耐熱性が良
く、極度に軟化点又はガラス転移点(Tg)の低い樹脂で
なく、前記塩化ビニル系樹脂と適度に相溶し、実質的に
無色である限り公知の各種の耐熱性樹脂を使用すること
ができる。ここで言う「耐熱性」とは、耐熱保存した場
合に樹脂そのものが黄変などの着色を起こさず、物理的
強度が極端に劣化しないことを指す。これらの条件を満
たす耐熱性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、尿素-アルデヒド樹脂、ケトン樹脂などが挙げられ
るが、中でも尿素-アルデヒド樹脂、ケトン樹脂が特に
好ましい。
【0093】尿素-アルデヒド樹脂は、尿素とアルデヒ
ド類(主としてホルムアルデヒド)との縮合により得ら
れるものであり、ケトン樹脂はケトンとホルムアルデヒ
ドとの縮合反応によって得られる。原料ケトンにより種
々の樹脂が知られているが、本発明ではそれらの何れも
用いることができる。原料ケトンとしては、例えばメチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェ
ノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなど
がある。
【0094】容易に入手することのできる尿素アルデヒ
ド樹脂を挙げると、例えばラロパールA81、ラロパールA
101(BASF社製)等が、ケトン樹脂としてはラロパ
ールK80(BASF社製)等がある。
【0095】耐熱性樹脂は、軟化点が30〜200℃、Tgが
−20〜150のものが好ましく、特にTgが30〜120℃の樹脂
が好ましい。軟化点が30℃未満であると、画像形成後、
中間層又は色材バリヤー層と受像層との融着により剥離
ができなくなり好ましくない。一方、軟化点が200℃を
超えると、受像層の感度が低下して画像濃度が低くなり
好ましくない。
【0096】本発明における前記各種の樹脂から選択さ
れる受像層用バインダーは、受像層の膜強度の増加、中
間層又は色材バリヤー層と受像層との剥離性向上、昇華
性色素の滲み防止などの物性改質の目的でイソシアナー
ト系硬化剤による熱硬化、紫外線硬化性樹脂等を、紫外
線や電子線などの活性エネルギー線により硬化を行うこ
とが好ましい。更に、変性シリコンオイルなどの剥離剤
を併用し、受像層を硬化することにより、中間層又は色
材バリヤー層と受像層との剥離性が著しく向上し、貼合
による一体化材料の形成が容易となり好ましい。
【0097】熱硬化を行う場合、イソシアナート、エポ
キシ、エチレンイミン、ケテン、ビニルの各基を有する
化合物を用いることができる。これらの中でも、イソシ
アナート化合物が、中間層又は色材バリヤー層と受像層
との剥離性や受像層の感度の点で好ましい。
【0098】イソシアナート化合物の例としては、ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナ
ート等のジイソシアナート;トリフェニルメタントリイ
ソシアナートの如きトリイソシアナート及びポリイソシ
アナートとして市販の硬化剤が使用できる。
【0099】活性エネルギー線として紫外線を用いる場
合、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基
を有するモノマーと光重合開始剤からなる硬化剤を用い
ることが好ましい。(メタ)アクリロイルオキシ基を有
するモノマーとしては、ポリエーテル(メタ)アクリレ
ート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキ
シ(メタ)アクリレート系、アミド(メタ)アクリレー
ト系、ウレタン(メタ)アクリレート系、スピロアセタ
ール(メタ)アクリレート系、ポリブタジエン(メタ)
アクリレート系など、公知のモノマー、オリゴマーを用
いることができる。
【0100】剥離剤としては、シリコーンオイル(シリ
コーン樹脂と称されるものも含む)、ポリエチレンワッ
クス、ポリプロピレンワックス、アミドワックス、テフ
ロンパウダー等の固型ワックス類、弗素系、燐酸エステ
ル系の界面活性剤等が挙げられ、中でもシリコーンオイ
ルが好ましい。
【0101】このシリコーンオイルには、単に添加する
タイプ(単純添加型)と、硬化又は反応させるタイプ
(硬化反応型)とがある。単純添加型の場合には、バイ
ンダーとの相溶性を向上させるために、変性シリコーン
オイルを使用するのが好ましい。
【0102】変性シリコーンオイルとしては、ポリエス
テル変性シリコン樹脂(又はシリコン変性ポリエステル
樹脂)、アクリル変性シリコン樹脂(又はシリコン変性
アクリル樹脂)、ウレタン変性シリコン樹脂(又はシリ
コン変性ウレタン樹脂)、セルロース変性シリコン樹脂
(又はシリコン変性セルロース樹脂)、アルキッド変性
シリコン樹脂(又はシリコン変性アルキッド樹脂)、エ
ポキシ変性シリコン樹脂(又はシリコン変性エポキシ樹
脂)等を挙げることができる。即ち、主鎖中にポリシロ
キサン樹脂を含有し、ブロック状にポリエステルを共重
合させてなるポリエステル変性シリコン樹脂、ポリエス
テル主鎖に結合する側鎖としてジメチルポリシロキサン
部分を有するシリコン変性ポリエステル樹脂、ジメチル
ポリシロキサンとポリエステルとのブロック共重合体、
交互共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体等
も、変性シリコーンオイル又は樹脂として使用すること
ができる。
【0103】特に、本発明においては、熱溶融性インク
の転写性、保護層の転写性、紫外線硬化樹脂層を形成す
るための紫外線硬化性樹脂含有塗工液の塗布性を考慮し
て、受像層用のバインダーと相溶性の良好な剥離剤を添
加することが望ましい。例えば、塩化ビニル系樹脂をバ
インダーとして使用するのであれば、ポリエステル変性
シリコン樹脂が組合せとして好ましい。
【0104】代表的なポリエステル変性シリコン樹脂と
しては、例えばジオールと二塩基酸との共重合体、カプ
ロラクトンの開環重合体であるポリエステルとジメチル
ポリシロキサンとのブロック共重合体(ジメチルポリシ
ロキサンの両末端又は片末端が上記ポリエステル部分で
ブロックされている、又は逆に上記ポリエステルがジメ
チルポリシロキサンでブロックされている共重合体を含
む)、又は上記ポリエステルを主鎖として側鎖に(ジメ
チル)ポリシロキサンを結合させた共重合体を挙げるこ
とができる。
【0105】これらの単純添加型のシリコーンオイルの
添加量は、その種類に応じて様々に変化することがある
から一律に決定することができないが、一般的にいう
と、通常、受像層におけるバインダーに対して0.5〜50
重量%であり、好ましくは1〜20重量%である。
【0106】硬化反応型のシリコーンオイルとしては、
反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられる。
【0107】反応硬化型シリコーンオイルとしては、ア
ミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコーンオ
イルとを反応硬化させたものがある。
【0108】触媒硬化型又は光硬化型シリコーンオイル
としては、KS-705F-PS、KS-705F-PS-1、KS-770-PL-3
(何れも触媒硬化型シリコーンオイル:信越化学工業社
製)、KS-720、KS-774-PL-3(何れも光硬化型シリコー
ンオイル:信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0109】これら硬化型シリコーンオイルの添加量
は、受像層用バインダーの0.5〜30重量%が好ましい。
【0110】キレート可能な色素を色材層に用いる場
合、金属イオン含有化合物を受像層に添加するのが好ま
しい。
【0111】金属イオン含有化合物は、有機又は無機化
合物とイオン又は配位結合によって結合する金属イオン
を有するものであれば、如何なるものでもよい。一般的
に、溶解性、取扱い性などの点から低分子有機化合物の
塩又は錯体が好適であるが、これに限定されない。
【0112】金属イオン含有化合物としては金属イオン
の無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有
機酸の塩及び錯体が好ましい。金属としては、周期律表
の第I〜VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられ
るが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、S
n、Ti及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが
好ましい。金属イオン含有化合物の具体例としてはN
i2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸
等の脂肪族の塩あるいは安息香酸、サリチル酸等の芳香
族カルボン酸の塩等が挙げられる。
【0113】又、下記一般式で表される錯体は特に好ま
しく用いることができる。
【0114】[M(Q1)q(Q2)r(Q3)s]P+(Y-)P 式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+
Co2+及びZn2+を表す。Q1、Q2及びQ3は、それぞれ金
属イオンMと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに
同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合
物としては、例えば「キレート科学(5)」(南江堂)
に記載されている配位化合物から選択することができ
る。Yは有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェ
ニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン等が挙げられる。qは1〜3の整数、rは0〜2の整
数、sは0又は1を表すが、これらは前記一般式で表さ
れる錯体が4坐配位か、6坐配位かによって決定される
か、或いはQ1、Q2及びQ3の配位子の数によって決定
される。pは1又は2を表す。上記一般式で表される錯
体の具体例は米国特許4,987,049号に記載されている。
【0115】金属イオン含有化合物の添加量は、受像材
料1m2当たり0.5〜20gが好ましく、1〜15gがより好
ましい。別の言い方をすると、1m2当たりの色材層に含
有されるキレート可能な色素1モルに対し、1.5モル以
上更に好ましくは3モル以上含有される。
【0116】受像層の物性改良方法として、前記硬化剤
の他に適宜の添加剤を添加してもよい。受像層の添加剤
として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、フィラ
ー(無機微粒子、有機樹脂粒子)、顔料を添加してもよ
い。又、増感剤として可塑剤、熱溶剤などを添加しても
よい。酸化防止剤としては、特開昭59-182785号、同60-
130735号、特開平1-127387号等に記載の酸化防止剤、及
び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善
するものとして公知の化合物を挙げることができる。
【0117】紫外線吸収剤及び光安定剤としては、特開
昭59-158287号、同63-74686号、同63-145089号、同59-1
96292号、同62-229594号、同63-122596号、同61-283595
号、特開平1-204788号等に記載の化合物、及び写真その
他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものと
して公知の化合物を挙げることができる。
【0118】フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂
粒子を挙げることができる。無機微粒子としては、シリ
カゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活性
白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子とし
ては、弗素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル樹
脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子を挙げることが
できる。これらの無機・有機樹脂粒子は比重により異な
るが、0.1〜70重量%の添加が好ましい。
【0119】顔料としては、代表例としてチタンホワイ
ト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリ
カ、タルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土な
どを挙げることができる。
【0120】可塑剤としてはフタル酸エステル類(例え
ばフタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジデシル等)、トリメリット酸エステ
ル類(例えばトリメリット酸オクチルエステル、トリメ
リット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデソ
ルエステル等)、ピロメリット酸オクチルエステルなど
のピロメリット酸エステル類、アジピン酸エステル類
(アジピン酸ジオクチル、アジピン酸メチルラウリル、
アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル、アジピン酸エチルラ
ウリル等)、その他オレイン酸エステル類、琥珀酸エス
テル類、マレイン酸エステル類、セバチン酸エステル
類、枸櫞酸酸エステル類、エポキシ化大豆油、エポキシ
化亜麻仁油、エポキシステアリン酸類、更には、燐酸ト
リフェニル、燐酸トリクレジルなどの正燐酸エステル
類、トリフェニルホスファイト、トリス・トリデシルホ
スファイト、ジブチル・ハイドロジエン・ホスファイト
などの亜燐酸エステル類、エチルフタリルエチルグリコ
レート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのグリ
コールエステル類などが挙げられる。なお、可塑剤の過
度の添加は画像の保存性を劣化させるので、可塑剤の添
加量は、通常、受像層におけるバインダーに対して0.1
〜30重量%の範囲である。
【0121】受像層は、前記受像層の形成成分を溶媒に
分散又は溶解して塗工液を調製し、支持体の表面に塗布
・乾燥する塗工法や、受像層の形成成分を有する混合物
を溶融押し出し支持体表面にラミネートするラミネート
法などにより形成することができる。
【0122】受像層は支持体の表面全体に亘って形成さ
れてもよいし、表面の一部に形成されてもよい。
【0123】受像層の厚みは、一般に1〜50μmで、好
ましくは2〜10μm程度である。一方、自己支持性であ
る受像層そのものが受像材料を形成する場合には、受像
層の厚みは通常60〜200μm、好ましくは90〜150μm程度
である。
【0124】第二支持体としては、例えば紙、コート
紙、合成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン又は、それ
らを紙又はプラスチックフィルムに貼り合わせた複合材
料)、白色又は透明のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム、白色又は透明のポリ塩化ビニル、ポリオレフィン
被覆紙などが挙げられる。透明のフィルムは青色色素な
どにより染色されていてもよい。第二支持体の厚みは、
通常20〜300μmであり、好ましくは30〜200μmである。
【0125】一体化穿孔転写型記録材料を記録材料部と
受像材料部の貼合せで形成する場合、受像材料部の受像
層の表面には、融着防止、画像保存性改良等の目的でオ
ーバーコート層が積層されてもよい。
【0126】オーバーコート層は、グラビア塗布、ワイ
ヤーバー塗布、ロール塗布、その他公知の塗布方式ある
いはラミネート法などにより形成することができる。こ
の層の厚みは、通常0.05〜3μmである。
【0127】本発明においては、ノイズを少なくし、画
像情報に対応した画像を再現性良く転写記録するため
に、第二支持体と受像層の間又は第一支持体と色材層の
間にクッション層を設けることができる。
【0128】クッション層を構成する材質としては、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、エチレン
-酢ビ樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、
ブタジエンラバー等が挙げられる。クッション層の厚み
は5〜25μmが好ましい。
【0129】この他、第一支持体と色材層の間や第二支
持体と受像層の間に接着層を設けたり、支持体の裏面に
帯電防止の目的でバッキング層を設けてもよい。これら
の層の厚みは0.1〜1μmの範囲にするのが好ましい。
【0130】更に、パーフォレーションを形成したり、
検知マーク等を設け、使用時の便宜を図ることができ
る。
【0131】貼合せに際しては、2本の加圧ロール間を
通過させる方法、2本の熱ロール間を通過させる方法、
平板プレスで圧着する方法等が用いられる。貼合せの圧
力は0.1〜5kg/cm2が好ましい。又、加熱は常温〜120
℃の範囲で行うことが好ましい。
【0132】次に本発明の熱転写記録方法(画像の形
成)について説明する。
【0133】画像形成のプロセスは、図3に示すよう
に、まず、一体化材料の好ましくは第一支持体側から高
強度露光を行うことにより、色材バリヤー層を画像状に
穿孔する工程と、次に穿孔された一体化材料を全面加熱
又は/及び加圧する工程から成る。
【0134】露光手段について更に詳細に説明する。こ
の高強度露光用光源としては、光学系にて集光し易く、
出力エネルギーが大きくかつ熱に変換し易い波長の光を
発光できることが好ましい。このような光源としては、
例えば、キセノン光、ハロゲン光、半導体レーザー、L
ED、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、Y
AGレーザー及び炭酸ガスレーザーなどが挙げられる。
これらの中で複数の発光素子からなるアレイとして使用
しやすい光源としては半導体レーザー、LEDなどが挙
げられる。
【0135】この発光素子としては、露光エネルギーを
効率良く熱エネルギーに変換し得る波長の光を発光し得
るものが好ましく、好ましい発光波長としては、例えば
600〜2000nmである。
【0136】光源の駆動方式としては、半導体レーザー
を用いる場合、自動出力制御(APC)方式か、又は自
動電流制御(ACC)方式が採用できる。いずれの場合
にも、一時的な過大な電流で半導体レーザーを破壊しな
いための保護回路を備えていることが好ましい。
【0137】光源は、必要に応じて複数並列においても
よい。その場合の露光系の配置は、複数の光源がそれぞ
れ別の走査線を走査するように置くことが好ましく、光
源のチャンネル数は1〜100が好ましい。
【0138】図3及び図4はヒートモード記録用光源と
しての発光素子の配置の実施例を示している。図3では
発光素子アレイが計16個の並列に配置した発光素子を用
いている。図4では発光素子アレイが同様に計16個の発
光素子を、6個、6個及び4個の群にし、それぞれ所定
角度θ傾斜して配置され、発光素子は例えば同じ定格出
力100mWの半導体レーザーを用いている。
【0139】この発光素子アレイの個々の発光素子の露
光スポット径は、基本的には必要とする画像の解像度に
よって決定されるが、例えば1/e2のスポット径が3〜
40μmの範囲が好ましい。発光素子は例えば1mm以上の
大きさを有しているのに対し、露光される部分ではスポ
ット径は例えば3〜40μmであるため、外側の発光素子
ほどより内側に向かって露光方向が曲げられなくてはな
らない。しかし、余り大きく露光方向が曲げられると、
スポット径が歪んでしまうため好ましくない。このよう
な発光素子の大きさがアレイとしての並びを規制してし
まう点をできるだけ緩和するために、アレイにおける発
光素子の並びを図7の様にすることが好ましい。
【0140】このようなレーザー穿孔記録においては、
露光時間を短くすることにより記録材料の色材バリアー
層から色材層側への熱伝導によるエネルギーロスが少な
くなる。サーマルヘッドを使用し、支持体側からの熱伝
導によりインク層を加熱する通常の熱転写記録と比べ、
レーザー穿孔記録では色材バリアー層近傍に直接熱エネ
ルギーが与えられる。
【0141】このため露光は出来る限り高照度短時間で
行われることが好ましい。好ましい露光速度としては線
速度1m/秒以上、更に好ましくは3m/秒以上であ
る。又、好ましい露光パワー密度は100,000W/cm2
上、更に好ましくは200,000W/cm2以上である。
【0142】半導体レーザーの走査方法としては、ポリ
ゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わ
せてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により
副走査を行う、いわゆる平面操作方法や、ドラムを回転
させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査
としレーザー光の移動を副走査とする円筒走査等がある
が、円筒走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記
録には適している。
【0143】レーザー穿孔記録の特徴を活かすために
は、一般のサーマルヘッドに比べてドットピッチが細か
いことが好ましく、2.5〜25.4μm、より好ましくは3〜
12.7μmである。又、主走査方向と副走査方向のドット
ピッチは一致することが好ましい。
【0144】尚、ここに示した画像信号の処理方法はど
のようなものでも使用することができる。又、基となる
画像データはアナログ信号でもデジタル信号でもよい。
【0145】高強度露光により形成される孔は、網点状
であってもよいし、連続した孔であってもよい。
【0146】穿孔後の一体化材料を全面加熱する際の熱
エネルギーの与え方としては、第一支持体側から行うこ
とも、第二支持体側から行うことも、あるいは双方から
行うこともできる。この加熱により、色材層の熱拡散性
色素は色材バリヤー層の前記孔を通じて色材層から受像
材料の受像層へと拡散移行し、画像を形成する。加熱温
度、圧力は特に制限されないが、加熱温度は通常60〜20
0℃の範囲が好ましく、80〜150℃がより好ましく、圧力
は0.1〜5kg/cm2が好ましい。
【0147】この場合、画像は色材バリヤー層の孔の形
状に対応して形成され、網点になったりベタになったり
する。網点の場合、画像濃度は網点数が多いほど高い
(画像濃度は孔数に応じて増大する)。
【0148】本発明の一体化材料は色材層の上に色材バ
リヤー層が形成され一体化されているので、保存性に優
れている。
【0149】又、本発明の熱転写記録方法は、上記色材
バリヤー層の穿孔にレーザー光を使用することにより高
解像度記録を行い、かつ各記録ドットに更に階調を持た
せることにより、面積階調と濃度階調を組み合わせ、非
常に広い範囲で画像の濃淡の階調を表現したり、高い熱
量の加熱もしくは加圧により色素の受像材料への拡散を
促進して、画像の濃度を非常に高めることができる。
【0150】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表し、用いる
赤外吸収色素及びキレート形成色素の構造は次に示すも
のである。
【0151】
【化2】
【0152】
【化3】
【0153】実施例1 (記録材料部の作成)下記組成物を混合・分散して熱拡
散性色素を含有する色材層塗布液を調製した。
【0154】色材層塗布液 キレート型熱拡散性色素(D−1) 2.0部 キレート型熱拡散性色素(D−2) 1.2部 キレート型熱拡散性色素(D−3) 3.2部 ポリビニルブチラール(積水化学社製:エスレックBX−1) 2.0部 カーボンブラック(平均粒径0.5μm) 1.6部 メチルエチルケトン 90部 シクロヘキサノン 10部 上記色材層塗布液を、厚さ25μmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム上にワイヤーバーを用いて
塗布・乾燥し、4μmの色材層を形成した。なお、PE
Tフィルムの裏面には、バッキング層としてシリコン変
性ウレタン樹脂(大日精化社製:SP-2105)を含むニト
ロセルロース層を設けた。
【0155】次に、下記処方の色材バリヤー層塗布液を
上記色材層上にワイヤーバーを用いて塗布・乾燥し、0.
4μmの色材バリヤー層を形成した。
【0156】色材バリヤー層塗布液 ゼラチン 3.0部 近赤外吸収色素(IR−1) 2.0部 純水 95部 次に、下記素材をメチルエチルケトン/シクロヘキサノ
ン=9/1の混合溶液に溶解したものを、上記バリヤー
層上にワイヤーバーを用いて塗布・乾燥し、0.4μmの中
間層を形成し、記録材料部を得た。
【0157】素材名(メーカー名:製品名) ポリビニルブチラール(積水化学社製:エスレックBX−
1) エチルセルロース(信越化学工業社製:エチセル) ポリスチレン(旭化成社製:トーポレクス666) (受像材料部の作成)裏面に帯電防止加工を施し、表面
抵抗を1010Ωとした厚さ175μmのPETフィルム(第二
支持体)上に、下記組成の受像層塗布液をワイヤーバー
を用いて塗布、更にドライヤーで仮乾燥した後、100℃
のオーブン中で1時間乾燥して5μmの受像層を有する
受像材料部を得た。
【0158】受像層塗布液 ポリビニルブチラール(積水化学社製:エスレックBL−1) 4.0部 金属イオン含有化合物(D−4) 5.0部 ポリエステル変性シリコン(信越シリコーン社製:X-24-8300) 0.5部 イソシアナート(日本ポリウレタン社製:コロネートHX) 0.5部 メチルエチルケトン 70部 シクロヘキサノン 20部 (一体化材料の作成)上記記録材料部と受像材料部を2
kg/cm2・120℃の熱ロールを通すことにより一体化し
た。
【0159】実施例2 記録材料部を以下のように形成した以外は実施例1と同
様にして一体化材料を作成した。
【0160】ボールミルにて分子量2000、軟化点108℃
のポリエチレンWAXの分散物(トルエン/酢酸エチル
=7/2、平均粒径0.8μm、固形分10%)を調製し、中
間層塗布液とした。この塗布液を実施例1と同様にして
色材バリヤー層まで形成した記録材料部にワイヤーバー
を用いて塗布・乾燥し1.0μmの中間層を形成し、記録材
料部を得た。
【0161】実施例3 記録材料部を以下のように形成した以外は実施例1と同
様にして一体化材料を作成した。
【0162】ボールミルにて分子量2500、軟化点120℃
のポリプロピレンWAXの分散物(トルエン/酢酸エチ
ル=7/2、平均粒径0.8μm、固形分10%)を調製し、
中間層塗布液とした。この塗布液を実施例1と同様にし
て色材バリヤー層まで形成した記録材料部にワイヤーバ
ーを用いて塗布・乾燥し1.0μmの中間層を形成し、記録
材料部を得た。
【0163】実施例4 記録材料部を以下のように形成した以外は実施例1と同
様にして一体化材料を作成した。
【0164】中間層塗布液 ポリスチレン(トーポレクス666:前出) 5部 中空微粒子 5部 (粒径0.3〜0.4μm、内径0.2〜0.26μm、日本合成ゴム社製:SX863(P)) メチルエチルケトン 80部 トルエン 10部 混合・分散して調製した上記中間層塗布液を、実施例1
と同様に色材バリヤー層まで形成した記録材料部にワイ
ヤーバーを用いて塗布・乾燥し1.0μmの中間層を形成
し、記録材料部を得た。中間層の空隙率は12%であっ
た。
【0165】実施例5 記録材料部を以下のように形成した以外は実施例1と同
様にして一体化材料を作成した。
【0166】中間層塗布液 ポリスチレン(トーポレクス666:前出) 7部 フタル酸ジオクチル(可塑剤) 2.5部 アゾビスイソブリトニトリル(発泡剤) 0.5部 メチルエチルケトン 80部 トルエン 10部 混合・分散して調製した上記中間層塗布液を、実施例1
と同様に色材バリヤー層まで形成した記録材料部にワイ
ヤーバーを用いて塗布・乾燥し1.0μmの中間層を形成
し、記録材料部を得た。
【0167】次に、実施例1と同様に作成した受像材料
部と上記記録材料部を重ね合わせ、2kg/cm2、100℃の
熱ロールを通すことにより一体化し、更に1kg/cm2
荷重を均一に掛けた状態で130℃、5分発泡処理を行い中
間層を発泡させた。同じ条件で発泡させた中間層の空隙
率は30%であった。
【0168】実施例6 (記録材料部の作成)実施例1と同様にしてPETフィ
ルム上に色材層を形成し、次いで下記組成の断熱層塗布
液をワイヤーバーを用いて塗布・乾燥し1.0μmの断熱層
を形成した。断熱層の空隙率は12%であった。
【0169】断熱層塗布液 ポリエステル水分散物 12部 (固形分25%,高松油脂社製:ペスレジンA510) 中空微粒子水分散物(固形分20%,粒径0.3〜0.4μm、 15部 内径0.2〜0.26μm、日本合成ゴム社製:SX863(A)) 純水 94部 次に、断熱層上に実施例1と同様にして色材バリヤー層
及び中間層を順次形成し、記録材料部を得た。中間層は
ポリスチレン(トーポレクス666:前出)とした。 (一体化材料の作成)実施例1と同様に作成した受像材料
部と上記記録材料部を重ね合わせ、2kg/cm2、120℃の
熱ロールを通すことにより、一体化材料を作成した。
【0170】実施例7 (記録材料部の作成)実施例6と同様にして色材バリヤ
ー層まで形成した記録材料部の色材バリヤー層上に、実
施例5と同様にして中間層を形成し、記録材料部を得
た。
【0171】(一体化材料の作成)次に、実施例1と同様
に作成した受像材料部と上記記録材料部を重ね合わせ、
2kg/cm2、100℃の熱ロールを通すことにより一体化
し、更に1kg/cm2の荷重を均一に掛けた状態で130℃、
5分発泡処理を行い中間層を発泡させた。同じ条件で発
泡させた中間層の空隙率は30%であった。
【0172】比較例1 中間層を設けない以外は実施例1と全く同様に一体化材
料を作成した。
【0173】(画像の形成) ≪色材バリヤー層の穿孔≫作成した一体化材料の色材バ
リヤー層に、第一支持体側より半導体レーザー(波長81
0nm、最大光出力150mW)のレーザー光を集光して最大出
力時の半値幅のビーム径を5μmとして露光を行った。
レーザー露光装置の配置は図4のようにし、16個の半導
体レーザーを用いて露光を行った。
【0174】露光の際の焦点面での光出力は半導体レー
ザー1個当たりの平均で101mWであった。又、露光の走
査速度から計算したベタ露光時の露光エネルギー密度は
150mJ/cm2であった。
【0175】≪色材の転写≫上記のように色材バリアー
層が穿孔された記録材料の色材バリアー層と受像材料の
受像層とが接するように重ね合わせ、100℃・2kg/cm2
の熱ロールを30cm/部の速度で通し、穿孔部分のみ色材
を受像層に転写させた。
【0176】得られた画像について評価(濃度、色材バ
リヤー層の融着)を以下の方法に従って行った。評価結
果は表1に纏める。
【0177】≪濃度≫サクラデンシトメータPDA-65(コ
ニカ社製)を用いて、転写画像ベタ露光部の透過濃度
(オレンジフィルターを使用)を測定した。尚、未露光
部の透過濃度は全て0.04と同じ値を示したので表記は省
略した。
【0178】≪色材バリヤー層の融着≫顕微鏡を使用し
て得られた画像の表面を観察し、色材バリヤー層が受像
層表面に融着しているか観察した。
【0179】
【表1】
【0180】中間層を形成した一体化材料は、受像層と
中間層の間で剥離し、バリヤー層の融着のない高濃度透
過画像が得られた。更に、中間層に断熱効果を付与した
り、断熱層を設けることにより、一体化材料の穿孔感度
を上げることができ、転写像の濃度が高くなる。
【0181】これに反して、中間層のない一体化材料
は、受像層表面にレーザー露光されたバリヤー層の一部
が融着していた。
【0182】
【発明の効果】本発明により、比較的簡単な製造工程で
穿孔感度の高い一体化穿孔転写型記録材料を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一体化穿孔転写型記録材料の層構成を
示す断面図
【図2】貼り合わせて一体化穿孔転写型記録材料を作成
する前の記録材料部と受像材料部を示す断面図
【図3】本発明の一体化穿孔転写型記録材料を用いての
画像形成を示す時系列的工程模式図
【図4】本発明で使用する光源の発光素子の一配置例
【符号の説明】
1 一体化穿孔転写型記録材料 2 記録材料部 3 受像材料部 4 第一支持体 5 色材層 6 色材バリヤー層 7 中間層 8 受像層 9 第二支持体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 壮太 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一支持体、色材層、色材バリヤー層、
    受像層及び第二支持体をこの順で設けた一体化穿孔転写
    型記録材料において、少なくとも該色材バリヤー層と該
    受像層の間に中間層を有することを特徴とする一体化穿
    孔転写型記録材料。
  2. 【請求項2】 前記中間層の空隙率が5〜50%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の一体化穿孔転写型記録材
    料。
  3. 【請求項3】 第一支持体、色材層、色材バリヤー層、
    受像層及び第二支持体をこの順で設けた一体化穿孔転写
    型記録材料において、少なくとも該色材層と該色材バリ
    ヤー層の間に断熱層を有することを特徴とする一体化穿
    孔転写型記録材料。
  4. 【請求項4】 前記断熱層の空隙率が5〜50%であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の一体化穿孔転写型記録材
    料。
  5. 【請求項5】 第一支持体、色材層、色材バリヤー層、
    中間層、受像層及び第二支持体を有する一体化穿孔転写
    型記録材料が、第一支持体、色材層、色材バリヤー層及
    び中間層からなる記録材料部の該中間層と、第二支持体
    及び受像層からなる受像材料部の該受像層を対向し貼り
    合わせることにより形成されることを特徴とする一体化
    穿孔転写型記録材料の製造方法。
JP7049831A 1995-03-09 1995-03-09 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法 Pending JPH08244365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7049831A JPH08244365A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7049831A JPH08244365A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08244365A true JPH08244365A (ja) 1996-09-24

Family

ID=12842037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7049831A Pending JPH08244365A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08244365A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020032703A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020032703A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 凸版印刷株式会社 熱転写受像シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102338069B1 (ko) 인화물의 형성 방법, 열전사 시트, 및 열전사 시트와 중간 전사 매체의 조합
JPH0569677A (ja) 感熱転写記録用受像シート及びその製造方法
JP3075482B2 (ja) 感熱転写記録用インクシート
JP3075481B2 (ja) 感熱転写記録用インクシート
JPH08244365A (ja) 一体化穿孔転写型記録材料及びその製造方法
JP2989872B2 (ja) 感熱転写記録用受像シート
JPH04197786A (ja) 感熱転写記録用受像シート
EP0538451B1 (en) Imaging medium with bubble-suppressant layer
JP3100616B2 (ja) 感熱転写記録用インクシート
JP3056236B2 (ja) 感熱転写記録用インクシート
JP3409218B2 (ja) 熱転写記録材料及び熱転写記録方法
JP3544683B2 (ja) 受像シートおよび受像シートの製造方法
JP2955001B2 (ja) 感熱転写記録用インクシート
JPH04115995A (ja) 感熱転写記録用受像シート
JP2017081142A (ja) 画像印刷制御システム
JPH04113893A (ja) 感熱転写記録用受像シート
JPH07172059A (ja) 穿孔転写型記録材料及び記録方法
JPH04131285A (ja) 感熱転写記録用受像シート
JPH04122692A (ja) 感熱転写記録用受像シート
JP3078335B2 (ja) 感熱転写記録用受像シート
JPH0564988A (ja) 感熱転写記録用受像シートおよび積層樹脂シートの製造方法
JPH08112975A (ja) 穿孔型熱転写記録材料及びそれを用いた熱転写記録方法
JPH058559A (ja) 感熱転写記録用受像シートおよび感熱転写記録用インクシート
JPH04118290A (ja) 感熱転写記録用インクシート
JPH04201494A (ja) 感熱転写記録用インクシート