JPH08243534A - 有機廃棄物処理装置 - Google Patents

有機廃棄物処理装置

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JPH08243534A
JPH08243534A JP7467595A JP7467595A JPH08243534A JP H08243534 A JPH08243534 A JP H08243534A JP 7467595 A JP7467595 A JP 7467595A JP 7467595 A JP7467595 A JP 7467595A JP H08243534 A JPH08243534 A JP H08243534A
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container
discharge port
processing
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聰 川淵
Kuniaki Nishikawa
国昭 西川
Koji Iwato
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

Abstract

(57)【要約】 【目的】 太陽エネルギーを電源として有効利用し、場
所的制約を受けることなく有機廃棄物を処理し、しか
も、使用の利便性と経済性を向上させる。 【構成】 外箱1内に投入口、排液口、排出口28を有
する円筒状の傾斜した処理容器22を設ける。処理容器
22内にスクリュー34を設ける。貯液室と処理物収納
室21に排液口と排出口28に連通するように貯液容器
と通気性の収納袋59を取出し可能に備える。処理物収
納室21に吸気口63と排気口64を形成し、排気口6
4にブロワ65を備える。投入口26から処理容器22
内に投入された有機廃棄物をスクリュー34の回転によ
り順次先方に移送し、分解、発酵処理して収納袋59に
収納する。太陽電池モジュール67からの電力によりブ
ロワ65を駆動し、処理物収納室21内に温かく、乾燥
した外気を循環させ、収納袋59内の処理物を適度に乾
燥させるとともに、熟成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭、飲食店等で発生
した生ごみや水産物、海草、ヒトデ、刈り取られた芝、
雑草、木材屑、鋸屑、わら等の各種の不要な有機廃棄物
を連続的に分解、発酵、脱水させるとともに、適度に乾
燥させるようにした有機廃棄物処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭等で発生した生ごみ等の有機
廃棄物については、一般的に自治体が定期的に集め、焼
却、埋立て等により処理している。しかしながら、この
ような処理方式では、多大の焼却設備費、燃焼ガスや臭
気の処理設備費、人件費等を要するばかりでなく、埋立
場所の制約もある。また、各家庭等においては自治体が
有機廃棄物を集める日まで有機廃棄物を保管しておかな
ければならず、防臭等のための密封作業が煩わしい。そ
こで、各家庭等において有機廃棄物を処理することが要
望されている。
【0003】従来、家庭等で有機廃棄物を処理するに
は、ディスポーザ等により粉砕し、若しくは処理槽内に
投入された有機廃棄物をスクリューにより移送して圧縮
し、若しくは遠心分離機で有機廃棄物の脱水を行ってい
た。
【0004】諸外国においては、例えば、家庭で発生し
た生ごみはディスポーザにより粉砕し、下水道に流して
いる。しかしながら、日本においては下水管が細く、詰
まるおそれがあるばかりでなく、下水道の処理能力の絶
対量が不足し、しかも、下水道設備が普及していない地
域もあるため、上記のような処理方式を採用することは
できない。仮に、上記のような処理方式を採用するとし
ても、家庭で発生した生ごみは、人糞に比べて数倍も高
濃度の栄養分、すなわち、澱粉等の炭水化物、蛋白質、
脂肪を含むため、人口密度の高い日本では河川、湖、海
に流出させると、これらを汚染するという問題がある。
したがって、上記のように有機廃棄物を粉砕し、圧縮
し、若しくは脱水しても、結局、自治体におけるごみ処
理に頼らざる得ず、自治体のごみ処理の省力化、低コス
化、大気汚染防止等に貢献することはできない。
【0005】上記のような問題を解決するため、近年、
有機廃棄物を微生物により分解、発酵、脱水させるとと
もに、乾燥させて肥料化するようにした各種方式の処理
装置が提案されている。微生物を利用して有機廃棄物を
分解、発酵させるには、適度の水分と温度に調整するこ
とが重要であり、このような従来の処理装置を大別する
と、分解、発酵している有機廃棄物から水分を減らすた
めに電気ヒータ等で乾燥させる方式や、分解、発酵して
いる有機廃棄物をモータの駆動により回転される攪拌翼
で攪拌しながら有機廃棄物に熱風を吹き付けたり、ヒー
トポンプ式除湿機等により除湿して乾燥させる方式など
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例のいずれの方式においても、電源を必要とし、屋外
の電源を使用することができない場所には設置すること
ができないため、使用場所の制約を受ける。また、昼夜
を問わず連続的、若しくは一定時間ごとに駆動するた
め、特に、冬期において消費電力が多くなり、コストア
ップとなる。特に、モータを使用する場合、特に、夜間
における騒音の原因となる。
【0007】また、有機廃棄物に含まれる水分が多過ぎ
ると、悪臭が発生したり、害虫が発生し、しかも、発
酵、あるいは熟成が充分でなく、植物等を害を与えるお
それがあるため、肥料として直接使用することができな
いばかりでなく、重くて取扱いに不便である。そこで、
有機廃棄物を脱水、乾燥させる必要があるが、過度に脱
水、乾燥させ、水分が不足すると、有機廃棄物を分解、
発酵させることができないため、肥料として使用するこ
とができず、発酵不十分な乾燥有機廃棄物は植物に種々
の障害を与える。特に、固分法による処理では、投入直
後の有機廃棄物、分解中の有機廃棄物および有機肥料化
した処理物が混じり合った状態で、ほぼ均一に水分を調
整し、効率よく微生物を増殖させて有機廃棄物を分解、
発酵させるのは困難である。
【0008】更に、ヒーター等の加熱手段を用いると、
高温の排気が流出するため、特に、夏期においては室内
で使用することができないことは勿論のこと、屋外で使
用する場合でも高温の排気が樹木等に直接吹き付けられ
ると枯れるおそれがあるため、設置場所に制約を受け
る。
【0009】本発明は、上記のような従来の問題を解決
しようとするものであり、太陽エネルギーを電源として
有効利用することにより、場所的制約を受けることなく
有機廃棄物を処理することができ、したがって、使用の
利便性を向上させることができ、しかも、経済性を向上
させることができるようにした有機廃棄物処理装置を提
供し、また、上記目的に加え、有機廃棄物の処理物を効
果的に適度に乾燥処理して肥料としてそのまま利用する
ことができ、したがって、取扱いの便を図ることができ
るようにした有機廃棄物処理装置を提供し、また、上記
目的に加え、なるべく余分なエネルギー装置を必要とす
ることなく、投入後の有機廃棄物を脱水して減容化し、
しかも、有機廃棄物を投入した古い順に排出口側から投
入口側に向かって並べることにより、一度に多量の有機
廃棄物の連続処理を行うことができ、したがって、経済
的に分解、発酵を促進させて効率的に処理することがで
きるようにした有機廃棄物処理装置を提供することを目
的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の技術的手段は、有機廃棄物を微生物により分
解、発酵、脱水させるとともに、適度に乾燥処理するよ
うにした処理装置本体と、太陽光線の放射エネルギーを
電気エネルギーに変換し、上記処理装置本体の電源とし
て用いる太陽電池とを備えたものである。
【0011】上記技術的手段における処理装置本体とし
て、外箱と、この外箱内に設けられ、有機廃棄物を微生
物により分解、発酵、脱水し、処理物を排出口から排出
する処理手段と、上記外箱内に上記処理手段の排出口が
開放されるように設けられ、吸気口および排気口を有す
る処理物収納室と、この処理物収納室に取り出し可能に
納められ、上記処理手段から排出される処理物を収納
し、通気性を有する収納体と、太陽電池により駆動さ
れ、上記処理物収納室に吸気口から吸気し、排気口から
排気するための吸排気手段とを備えることができる。
【0012】上記技術的手段における処理手段として、
一端の上側と下側に有機廃棄物等の投入口と排液口を有
し、他端の下側に処理物の排出口を有し、上記排出口側
よりも上記排液口側が下位に位置するような傾斜面を有
する断面円形状の処理容器と、上記処理容器内で回転可
能に支持され、回転に伴い、上記投入口から上記処理容
器内に投入された有機廃棄物を上記排出口側へ移送する
移送用スクリューと、この移送用スクリューを回転させ
る回転手段とを備え、上記投入口を外箱の外部に開放可
能に構成することができる。
【0013】上記技術的手段における移送用スクリュー
が、中間部において、スクリュー羽根に代えて移送され
る有機廃棄物の切返しを行う切返し羽根を備えることが
できる。
【0014】上記技術的手段における移送用スクリュー
が、排出口側において、放射状に複数枚の区画板を有
し、回転に伴い、上記区画板により処理容器内に区画さ
れた区画室を順次上記排出口に開放することができる。
【0015】上記技術的手段における外箱が貯液室を有
し、この貯液室に処理手段の排液口から排出される排液
を蓄える貯液容器を取り出し可能に納めることができ
る。
【0016】上記技術的手段における処理容器の中間部
に外部から脱臭剤、微生物資材、水分調整材等を選択的
に投入し得る投入口およびその開閉蓋を備えることがで
きる。
【0017】上記技術的手段において、収納体を底部か
らも通気可能に支持することができ、また、収納体とし
て、合成繊維、合成樹脂フラットヤーン、天然繊維等に
より織成された通気性を有する織布から成る袋を用いる
のが好ましい。
【0018】
【作用】上記のように構成された本発明によれば、処理
装置本体において有機廃棄物を微生物により分解、発
酵、脱水させるとともに、適度に乾燥処理するに際し、
太陽光線の放射エネルギーを電気エネルギーに変換する
太陽電池を電源として利用するので、場所的制約を受け
ることがなくなる。
【0019】また、処理手段により処理した有機廃棄物
の処理物を処理物収納室に取り出し可能に納めた通気性
を有する収納体に納め、太陽電池により駆動される吸排
気手段により処理物収納室の吸排気を行うことにより、
日中の温かくて湿気の少ない空気を導入し、湿った空気
を排出するので、収納体内の処理物を適度に乾燥させる
とともに、有機肥料として成熟させ、しかも、植物等の
成長に有害で悪臭を放つ微生物の発生を抑え、効果的に
処理することができる。
【0020】また、使用に際し、投入口から処理容器内
に腐葉土を投入し、回転手段により移送用スクリューを
回転させ、腐葉土を処理容器の先方へ移送しておき、必
要に応じ、投入口から処理容器内に不要な有機廃棄物を
投入し、上記のように移送用スクリューを回転させて有
機廃棄物を処理容器の先方へ移送することにより、処理
容器内の有機廃棄物は腐葉土に付着している微生物と自
身に付着している微生物、あるいは有機廃棄物に添加す
る有用微生物資材によって蛋白質、糖分から分解が始ま
り、有機廃棄物に水分が含まれている場合にはその水分
と、分解によって生じた液肥を処理容器の傾斜面に沿っ
て流下させて排液口から排出し、処理容器内の有機廃棄
物を分解、発酵させ、ある程度脱水処理した処理物を排
出口から排出させる。このようになるべく余分なエネル
ギーや装置を必要とすることなく、投入後の有機廃棄物
を微生物によって分解処理するとともに、水分を除去
し、減容化して適度に乾燥させ、しかも、有機廃棄物を
投入した古い順に排出口側から投入口側へ向かって並べ
ることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。図1ないし図4は本発明の一実施例
における有機廃棄物処理装置を示し、図1は外観正面
図、図2は外観側面図、図3は拡大縦断面図、図4は図
3のA−A矢視断面図である。
【0022】図1ないし図4に示すように、外箱1は下
箱2と上箱3とから直方体状に構成される。下箱2は底
板4の両側長辺縁と両側短辺縁にそれぞれ側板5、6と
側板7、8が連設されている。上箱3は頂板9の両側長
辺縁と両側短辺縁にそれぞれ側板10、11と側板1
2、13が連設されている。下箱2の上部開放側の外周
縁部には受板14が連設され、上箱3の下部開放側の外
周縁部には当接板15が連設され、当接板15の外周縁
部には下垂する係合板16が連設されている。そして、
下箱2の受板14上に上箱3の当接板15が載せられ、
係合板16が受板14の外周部に係合されて位置決めさ
れ、上箱3が下箱2に対して取り外し可能に組み合わさ
れて外箱1が構成されている。外箱1は下箱2の上端部
内側に一体に設けられた仕切板17により上下の室に区
画され、上部が処理室18となっている。下部の室は中
間部で仕切板19により仕切られ、貯液室20と処理物
収納室21とに区画されている。
【0023】処理室18には円筒状の処理容器22が設
けられている。処理容器22はプラスチック製で、円筒
体23の両端が端板24、25により閉塞され、一端の
上側と下側には生ごみ等の有機廃棄物等の投入口26と
排液口27が形成され、他端の上側と下側には排気口3
1と有機廃棄物の処理物等の排出口28が形成され、中
間部の上側には脱臭剤、微生物資材(発酵剤)、水分調
整材等を選択的に投入する投入口29が形成されてい
る。脱臭剤、微生物資材、水分調整材としては活性炭、
木炭、光合成菌、酵母菌、乳酸菌、木皮、落葉、もみが
ら、おがくず等を用いることができる。処理容器22は
側板13側、すなわち、排出口28側よりも側板12
側、すなわち、排液口27側が下位に位置するように傾
斜され、同様に傾斜されている上記仕切板17上の支持
部材30により傾斜状態で安定的に支持されている。投
入口26における基部には必要に応じて処理容器22の
先端側、すなわち、上方傾斜側に向かって排気口31a
を形成することができる。投入口26と29は頂板9に
形成された穴に挿通されて外箱1の外方へ開放され、各
突出端部が開閉蓋32、33により開閉されるようにな
っている。排液口27と排出口28は仕切板17に形成
された穴に挿通されて下方の貯液室20と処理物収納室
21に開放されている。
【0024】処理容器22内には移送用スクリュー34
が設けられている。移送用スクリュー34のステンレス
製のスクリュー軸35の両端が処理容器22の端板2
4、25に設けられた軸受36、37により回転可能に
支持され、スクリュー軸35における端板24側の突出
端部に回転操作用のハンドル38が取り付けられてい
る。移送用スクリュー34はそのステンレス製のスクリ
ュー羽根39の外径が処理容器22の内径とほぼ等しく
なるように設定されている。したがって、ハンドル38
を操作することにより移送用スクリュー34を回転さ
せ、投入口26から投入された有機廃棄物をスクリュー
羽根39により処理容器22の先方、すなわち、排出口
28側へ移送することができ、また、スクリュー羽根3
9が移送済みの有機廃棄物等の蓋の役割を果たすことが
できるようになっている。
【0025】移送用スクリュー34の中間部において、
スクリュー羽根39に代えて投入口26側から排出口2
8側へ向かって移送される有機排気物の切り返しを行う
切り返し羽根69が複数枚(図示例では120度ごとに
3枚)設けられている。すなわち、処理容器8内が投入
口26側のスクリュー羽根39を有する発酵ゾーンと、
中間部の切り返し羽根69を有する切り返しゾーンと、
排出口28側のスクリュー羽根39を有する押出しゾー
ンとに区画されている。そして、発酵ゾーンが全長の1
/3以上になるように設定されている。
【0026】スクリュー羽根39には有機廃棄物の移送
方向の下流側において1箇以上の穴(直径が5mm〜5
0mmφ)40が形成されている。スクリュー軸35の
先端、すなわち、排出口28側には区画板41が放射状
に複数枚(図示例では90度ごとに4枚)取り付けら
れ、各区画板41により処理容器22内に区画室70が
形成されている。そして、移送用スクリュー34の回転
に伴い、各区画室70が順次排出口28に開放されるよ
うになっている。外箱1の頂板9における処理容器22
の先端側には排気筒42が連通され、この排気筒42は
上記排気口31の上方開放部付近に配置されている。
【0027】側板6に貯液室20の取出し口43が形成
され、側板6に取出し口43を開閉し得るように開閉蓋
44がヒンジ45により取り付けられている。開閉蓋4
4はその自由端側に回動可能に取り付けられた掛け金4
6が側板に取り付けられた受具47に係合されることに
よりロックされるようになっている。開放された取出し
口43より貯液容器48が取出し可能に納められてい
る。貯液容器48はその上部の開口49が処理容器22
の排液口27とゴム等の可撓性を有するパイプ50によ
り連通され、臭気が外部に漏れないようになっている。
【0028】側板6に処理物収納室21の取出し口51
が形成され、側板6に取出し口51を開閉し得るように
開閉蓋52がヒンジ53により取り付けられている。開
閉蓋52はその自由端側に回動可能に取り付けられた掛
け金54が側板6に取り付けられた受具55に係合され
ることによりロックされるようになっている。開放され
た取出し口51より受けかご56が取出し可能に納めら
れている。受けかご56の受けかご本体57は粗い網目
で構成され、底面両側部に支持脚(若しくはローラ)5
8を有し、支持脚58が底板4上に載せられ、受けかご
本体57は底板4の上方に浮かされている。受けかご本
体57内には処理物の収納体である収納袋59が入れら
れている。収納袋59は通気性を有するように合成樹脂
製の延伸テープヤーン60、若しくは合成繊維、若しく
は天然繊維等により織成された織布から構成され、上部
の投入口61が処理容器22の排出口28に被せられ、
紐62等により取外し可能に固定され、ハエ、ミズアブ
等の不快害虫の侵入が防止され、内部で発生している上
記のような不快害虫が封じ込められるようになってい
る。
【0029】処理物収納室21は吸気口63と排気口6
4を有し、図示例では、吸気口63は開閉蓋52に形成
され、排気口64は仕切板17に形成され、排気筒42
にほぼ対応するように開放されている。排気口64内に
はブロワ65が支持されている。そして、ブロワ64の
駆動により処理物収納室21内の空気が排気口64から
処理室18、排気筒42を経て装置外に排出され、外気
が吸気口63から処理物収納室21内に吸引される。こ
のようにして処理物収納室21内に空気を循環させるこ
とができ、このとき、上記のように受けかご本体57、
すなわち、収納袋59を底板4から浮かせているので、
収納袋59の側面および底面の全体を通気させることが
できる。
【0030】外箱1の頂板9上には架台66が取り付け
られ、架台66に太陽電池モジュール67が角度調整可
能に取り付けられている。この太陽電池モジュール67
は太陽光線が最も効率的に入射する方向、一般的には南
向きで、設置場所や季節により太陽光線の入射角に適応
させることができるように30度〜60度の角度範囲と
なるように配置されている。太陽電池モジュール67は
アモルファスシリコン素子等を用いた太陽電池セルによ
り構成され、電気配線68によりブロワ65の駆動源に
接続されている。そして、太陽電池モジュール67によ
り太陽エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電力
によりブロワ65を駆動することができるようになって
いる。
【0031】外箱1の内側面、処理容器22の外側面の
少なくとも一方に必要に応じて発泡材等から成る保温材
が取り付けられている。
【0032】本実施例では、処理容器22の直径300
mm、長さ1100mm、容積70リットル、スクリュ
ー羽根39のピッチ200mm、直径300mmφに設
定した。また、太陽電池モジュール67は、アモルファ
スシリコン素子から成り、開放電圧23V、短絡電流2
80mA、動作電圧15V、動作電流235mA、最大
出力3.5W、動作照度範囲10,000lx以上のも
のを用いた。また、ブロワ65は軸流ファンで、直流D
C12V、定格電流0.1A、定格回転数1900回転
/毎分、最大風量0.9M3/毎分のものを用いた。
【0033】以上の構成について、以下、その使用要領
と共に更に詳細に説明する。本発明の有機廃棄物処理装
置は家庭の庭等に設置し、使用に際し、あらかじめ開閉
蓋32を外して投入口26を開放し、微生物が大量に生
息する腐葉土約10リットルを投入口26から処理容器
22内に投入する。投入後、ハンドル38を操作して移
送用スクリュー34を回転させ、腐葉土を処理容器22
内の先方、すなわち、排出口28側へ少し移送する。そ
して、生ごみ等の不要な有機廃棄物を投入口26から処
理容器32内に投入し、ハンドル38を操作して移送用
スクリュー34を回転させ、有機廃棄物を処理容器22
内の先方へ少し移送し、投入口26を開閉蓋22により
閉じる。有機廃棄物が発生すると、上記と同様に投入口
26から処理容器22内に投入し、移送用スクリュー3
4の回転により先方へ少しずつ順次移送する。なお、腐
葉土は最初に投入し、その後は不要な有機廃棄物だけを
投入するか、あるいは夏期に悪臭が発生したり、冬期に
発酵が遅い場合には、有用微生物群を添加してもよい。
また、腐葉土や初期の段階に投入する有機廃棄物は最初
から排出口28側の奥側へ送り込んでもよいが、その
後、投入される有機廃棄物を奥側へ送り込む際に圧縮さ
れるおそれがあるので、少しずつ送り込むのが好まし
い。
【0034】生ごみ等の有機廃棄物に水分が含まれてい
る場合には、その水分が処理容器22の傾斜面に沿って
流下し、排液口27からパイプ50を通って貯液容器4
8内に蓄えられる。処理容器22の先方へ移送された有
機廃棄物はそれ自身に付着している微生物と、腐葉土に
生息している種菌と、添加する有用微生物群、適度な水
分、酸素および温度とにより分解され始める。分解によ
って作られた液肥も処理容器22の傾斜面に沿って流下
し、排液口27からパイプ50を通って貯液容器48内
に蓄えられ、貯液容器48内で発酵を続ける。このよう
にして処理容器22内の過剰な水分を除去し、分解中の
有機廃棄物の含水率を自動的に調整して分解に有用な微
生物を繁殖しやすくし、加熱等を行うことなく、効率的
に有機廃棄物を分解、発酵させることができ、しかも、
無用のメタンガス等の発生を防止することができる。一
方、分解、発酵の際に発生して排気口31、31a等か
ら外箱1内に排出されたガスおよび水蒸気は排気筒42
から外箱1の外部に排出される。
【0035】かび、酵母、細菌等の微生物の種類は多
く、広範囲な分布で莫大な量が存在している。そして、
有機廃棄物の分解、無機化を繰り返しながら種々の微生
物が繁殖しては消え、また、別の微生物が繁殖するとい
うサイクルを繰り返している。また、環境条件が異なれ
ば、それに応じて異なったグループの微生物によって有
機廃棄物の分解、無機化が行われる。この性質を利用
し、一本の処理容器22と移送用スクリュー34を用い
て有機廃棄物の分解、無機化を連続的に処理することが
できる。すなわち、処理容器22内に投入された有機廃
棄物は古い有機廃棄物から順次発酵し、分解、無機化さ
れて行く。この過程で、ある微生物が死んでも別の微生
物が繁殖し、生き残った微生物は次の新たに投入された
有機廃棄物に移住して繁殖し、有機廃棄物の分解を始め
る。
【0036】上記のように処理容器22の内径とスクリ
ュー羽根39の外径とがほぼ等しいので、処理容器22
内では先に投入され、順次先方へ移送された有機廃棄物
と、後から投入された有機廃棄物とが混じることなく、
分解、無機化された古い処理物から排出口28の方向へ
順々に送られる。この間、投入された有機廃棄物が魚の
ようにトリメチルアシンを含み、特に悪臭が強い場合に
は開閉蓋33を外して投入口29を開放し、投入口29
から活性炭を処理容器22内に投入して脱臭するように
してもよい。また、排気筒42に活性炭等の脱臭剤を備
えて脱臭するようにしてもよい。また、冬期などで発酵
が不十分であれば、酵母等の微生物資材を投入口29か
ら投入してもよく、また、水分が多く、粘りが激しい場
合には、木皮、もみがら、おがくず等の水分調整材を投
入口29から投入してもよい。また、有機廃棄物を処理
容器22の先端部側に詰め過ぎた場合には、移送用スク
リュー34を逆方向に回転させて緩めればよい。
【0037】また、スクリュー羽根39の先端部に1箇
以上の穴40を形成することにより、処理容器22内の
先端部で分解している有機廃棄物が一定圧以上になる
と、この穴40から逆流し、移送用スクリュー34によ
る有機廃棄物の押出し圧力を減圧することができるだけ
でなく、分解中の有機廃棄物、分解後の無機化した処理
物を穴40に入り込ませて粉状、若しくは粒状にするこ
とができ、しかも、穴40から空気を供給して好気性微
生物を増殖しやすくし、穴40からガスおよび水蒸気を
抜きやすくし、有機廃棄物の分解効率を高めることがで
きる。
【0038】有用な嫌気性微生物は酸素の少ない条件下
で活躍する。そして、移送用スクリュー34で生ごみ等
の有機廃棄物を押し込むことにより、スクリュー羽根3
9は空気を遮断する。それが投入口26の方に続いてい
るので、セルロース、分解菌、光合成菌、酵母菌、放線
菌等が活躍する環境となる。微生物、特に好気性微生物
の場合、その生育には酸素の供給が必要となるが、移送
用スクリュー34で有機廃棄物を押し込んだ際に上記の
ように穴40等で空隙が生じ、炭酸ガス、水蒸気が排出
される。一方、排出口28、スクリュー34と処理容器
22のわずかな隙間および穴40から空気の流入が可能
となる。
【0039】上記のように有機廃棄物の分解は、多種の
微生物によって蛋白質、糖、脂肪から始まる。そのため
には空気の流通を調整し、有用な嫌気性微生物および有
用な好気性微生物の呼吸に必要な酵素を加減する必要が
ある。そして、有機廃棄物を投入口28から処理容器2
2内に投入する際には、投入口26が開放されることに
より、酵素は十分供給される。また、微生物の活動は2
0℃〜50℃が最適温度とされている。ここで、発酵ゾ
ーンにおいては、スクリュー羽根39により押し込まれ
た有機廃棄物の内部で微生物が呼吸するときのエネルギ
ーの一部が熱となって発散され、有機廃棄物の内部に熱
を持ち、微生物の活動が活発になる。この熱をスクリュ
ー羽根39が壁となって冬期においても、なるべく外に
熱が逃げるのを防ぐ役割を果たすことができる。
【0040】また、有機廃棄物の繊維、特に、芝草や落
葉の繊維は、好熱性、嫌気性のセルローズ分解菌(細菌
・糸状菌)によって分解されるので、特に、温度を高く
保ち、空気を遮られた条件が望ましく、スクリュー羽根
39によりその目的を達成することができる。一方、嫌
気性の微生物は水分の多い方が望ましく、この発酵ゾー
ンではスクリュー羽根39に遮られて水分が蒸発しにく
くなっているので、増殖しやすい。そこで、繊維を分解
し終えて熱が下ってから切り返し羽根69によって有機
廃棄物を薄く切り返し、分解、発酵によって発生する炭
酸ガスを抜いて有機廃棄物の嵩比重を下げ、ふんわりと
させて微生物が活動しやすい条件を与える。また、切り
返しにより有機廃棄物の嵩比重を下げることにより、不
要な水分を処理容器22の傾斜内面に沿って流下させる
か、あるいは処理容器22の上部の隙間から蒸発させ、
また、炭酸ガス等を処理容器22の上部の隙間から排出
することができる。
【0041】押出しゾーンにおいては、切り返しゾーン
から送られた有機廃棄物は、特に、芝草や落葉である場
合には、繊維とリグニンの分解が進行している処理物、
あるいは分解を終えた処理物として排出口28へ送り出
すことができる。
【0042】上記のように分解、発酵され、乾燥、肥料
化された処理物はハンドル38の操作により移送用スク
リュー34を回転させることにより、各区画室70を順
次排出口28に開放し、各区画室70内の一定量の処理
物を順次排出口28から収納袋59に収納して蓄えてお
く。処理容器22内の有機廃棄物は好気性微生物および
嫌気性微生物によって水分や炭酸ガスに分解されて1/
3以上減量化されているが、処理容器22が密閉に近い
状態であるため、収納袋59に収納した状態で70%〜
80%の水分が含まれている。このように多量の水分を
含んだ状態のままで長く放置しておくと、好気性微生物
は活発に働かず、有害な嫌気性微生物が多量に発生し、
植物等に与える害を及ぼすおそれがある。また、メタン
ガス等の悪臭が発生し、更にはアメリカミズアブ、ハエ
等の不快害虫が発生する。
【0043】本発明実施例においては、太陽電池モジュ
ール67に一定量以上の太陽光線が照射されると、電気
エネルギーに変換され、光センサ機能の利用により電力
としてブロワ65に供給されるので、ブロワ65が駆動
され、処理物収納室21内の空気が排出口64から排出
され、吸気口63から外気が処理物収納室21内に吸引
される。太陽光線がある晴れた日、特に、昼間は雨降り
や夜間に比べて平均的に気温が高く、湿度が低いのが一
般的である。これにより温く、乾燥した外気を通気性の
収納袋59内の未熟成な処理物に強制的に当て、処理物
を適度に乾燥させて減量化するとともに、好気性微生物
を活発に活動させて有機肥料として分解、熟成を一層促
進させることができる。このように処理物を直射日光や
ヒータで高温に加熱しないので、処理物が大気中の湿度
以上に過度に乾燥することはなく、自然な状態で処理物
の水分をほぼ均一に調整するので、簡単な構成で効率良
く熟成させることができる。このとき、雨降りや夜間の
霜や露が降りる時間帯にはブロワ65の駆動が停止し、
空気を循環させないが、湿気が処理物収納室21内に入
るのをなるべく少なく抑えることができるように吸気口
63と排気筒42をなるべく小さくするのが好ましい。
また、処理物が過度に乾燥する場合には、太陽電池モジ
ュール67の方向、あるいは角度を変え、またブロワ6
5の回路スイッチの制御によりブロワ65の駆動を調整
するようにしてもよい。
【0044】上記のように収納袋59内で適度に乾燥、
熟成され、適度な窒素、リン等を含んだ有機肥料は、軽
く、取扱いや運搬に便利であり、しかも、梅雨期に土中
に埋めて使用しても植物等に有害となるような腐敗を防
止することができる。そして、必要に応じて開閉蓋52
を開けて収納袋59を受けかご56と共に取出し口51
から処理物収納室21外へ取出し、農作物、園芸、草木
等の肥料として使用するか、あるいは回収、焼却、埋立
て処分するか、最も経済的な、あるいは都合の良い方法
を選択することができる。このとき、処理物の乾燥度合
や肥料化の度合に応じて吸気口63を閉じるようにして
もよい。また、有機肥料を一時使用しない場合には、十
分に乾燥させて別の容器等に密閉保存してもよい。ま
た、乾燥土壌に施肥する場合には、湿った状態の有機肥
料を乾燥土壌中に埋めておいてもよい。
【0045】処理物の取り出しに際し、冬期で気温が低
く、肥料化が不十分な場合には、投入口29から微生物
資材や酵素が配合された天然石、ゼオライト、活性炭、
木皮(バーグ)等を投入して発酵を促進させるようにし
てもよい。
【0046】一方、開閉蓋44を外し、取出し口43か
ら貯液容器48を取出し、有機廃棄物の分解中に生じ、
貯液容器48内に蓄えられている液肥を水で100倍か
ら1000倍に薄めることにより、農作物、園芸、草木
等の肥料として利用することができる。また、液肥を活
性汚泥を用いて処理し、富栄養水を浄化したり、植物や
プランクトンを用いて浄化して下水道、若しくは排水溝
に流すこともできる。
【0047】このように有機廃棄物を連続的に分解、発
酵させ、投入および排出の必要な時、必要な量だけ、手
間を要しないで処理するためには、処理容器22と移送
用スクリュー34の形状は、処理容器22の長さLと直
径Dの比L/Dが3以上であり、スクリュー羽根39の
ピッチPと直径Dとの比P/Dが1以下であるのが望ま
しい。
【0048】例えば、一般家庭で4人家族の場合、1日
平均1kg以下の生ごみ等の不要な有機廃棄物が発生す
るが、毎日1kgの有機廃棄物を気温20℃〜40℃の
自然条件下で連続的に発酵処理するには、有機廃棄物の
発酵時のpH、発酵熱、酸素の供給量等の条件から処理
容器22の容積を10リットル〜300リットルに設定
するのが好ましい。例えば、本実施例のように処理容器
22の容積を70リットルに設定した場合、上記のよう
に1日平均1kgの有機廃棄物を処理するには、先に投
入した有機廃棄物から順次脱水、分解、発酵させて減容
化させることができ、平均気温20℃では約1ヵ月で約
1/3に減容化することができるので、70日以上保管
することができることになる。そして、従来例の電動式
の処理装置では1kgの有機廃棄物を減容化するために
1kw〜2.5kwの電力を消費していたが、本発明に
よれば、この電力を太陽エネルギーにより得ることがで
き、経済的となる。
【0049】このように上記実施例によれば、太陽光を
利用して発電するので、太陽光線の届く場合であれば、
使用することができるので、庭や建物の屋上等、場所的
制約を受けることなく使用することができ、しかも、他
の電力よりも安い費用でブロワ65を駆動し、処理物収
納室21内の空気を循環させ、処理物の適度な乾燥や有
機肥料として熟成促進を行うことができるので、省エネ
ルギー化を図ることができる。また、天気の良い日や日
中の温度の低いときのみ太陽電池モジュール67の光セ
ンサ機能を利用して換気を行い、外部の湿気の多い雨降
りとか夜間は換気しないので、乾燥中の有機肥料が湿気
を帯びるのを防止することができ、しかも、ハエの幼虫
やカビ等の有害な微生物が繁殖しにくくなる。また、電
動式の処理装置のようにヒーターを使用せずに適度に乾
燥するので、熱風を排出して周囲の環境を悪化すること
はない。また、ヒーターで加熱すると一時に多量に発
酵、水分除去を行うので、悪臭が外部に漏れ易いが、発
酵済みの有機肥料の水分の除去を自然の気温を利用して
行うので、悪臭が多量に一時に発生することはない。し
かも、有用嫌気性微生物が生存することができるように
有機肥料を適度に乾燥させて軽量化を図ることができる
ので、取扱いに便利で、運搬も容易に行うことができ
る。また、太陽光センサ機能で発電するので、騒音を発
生することがない。また、日中の温かい乾いた空気を利
用して有機肥料の熟成の促進や乾燥による水分調整を強
制的に行うので、処理能力を向上させることができる。
更に、発酵および発酵済みの処理物に自然の空気を送っ
て熟成させるので、有用な嫌気性微生物まで消滅させる
ことなく、土壌を改良したり、土壌を肥やして植物の成
長に役立つ肥料を得ることができる。
【0050】他の実施例として、区画板41に代えて処
理物破砕用の羽根を設け、分解、発酵処理後の処理物を
破砕して排出口28から収納袋59に収納するようにし
てもよい。
【0051】なお、上記実施例では、吸排気手段である
ブロワ65を排出口64側に取り付けているが、吸気口
63側に取り付けてもよく、両方に取り付けてもよく、
吸気口63と排気口64の間に取り付けてもよく、複数
個用いてもよい。また、上記各実施例において、移送用
スクリュー34のハンドル38は傾斜方向の下位側では
なく、上位側に配置してもよく、ウォームギヤ等を用い
てハンドル38の方向を変えてもよく、手動に替えて電
動としてもよい。また、上記各実施例において、処理容
器22および移送用スクリュー34の傾斜角度は水分の
流下等を考慮して適宜選定することができる。また、上
記各実施例において、処理容器22は全体を傾斜させる
ことなく、排液口27側から排出口28側に至るに従
い、次第に小径となる断面円形のテーパー状に形成して
排液口27側が排出口28側よりも下位に位置するよう
な傾斜面を有するように構成してもよい。また、上記各
実施例において、スクリュー軸35を片持式に支持し、
移送用スクリュー34の回転に伴い、スクリュー羽根3
9の外周面と処理容器22の内周面とで有機廃棄物を破
砕するようにすることもできる。また、破砕用の羽根は
スクリュー軸35と処理容器22の両側に設けてもよ
い。また、スクリュー羽根39の穴40はなくてもよ
い。また、切り返し羽根69に代えてスクリュー羽根3
9を連続させてもよい。更に、本発明は、上記各実施例
以外の各種方式の処理装置に用いることができ、例え
ば、太陽電池モジュール67からの電力によりスクリュ
ー34、攪拌翼等のモータを駆動し、または蓄電池を介
して冬期、夜間等の低温時にヒータを駆動し、またはマ
グネトロンを駆動してマイクロ波を発生させて処理物の
発酵促進、乾燥による水分調整を行い、またはオゾン発
生装置を駆動して脱臭を行うなど、太陽電池モジュール
67を各種の電源として利用することができる。このほ
か、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で
種々設計変更することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、処
理装置本体において有機廃棄物を微生物により分解、発
酵、脱水させるとともに、適度に乾燥処理して水分を調
整するに際し、太陽光線の放射エネルギーを電気エネル
ギーに変換する太陽電池を電源として利用するので、場
所的制約を受けることがなくなる。したがって、使用の
利便性を向上させることができ、しかも、経済性を向上
させることができる。
【0053】処理手段により処理した有機廃棄物の処理
物を処理物収納室に取り出し可能に納め、通気性を有す
る収納体に納め、太陽電池により駆動される吸排気手段
により処理物収納室の吸排気を行うことにより、日中の
温かくて湿気の少ない空気を導入し、湿った空気を排出
するので、収納体内の処理物を適度に乾燥させるととも
に、有機肥料として熟成させ、しかも、植物等の成長に
有害な微生物の発生を抑え、効果的に処理することがで
きる。したがって、有機肥料としてそのまま利用するこ
とができるので、取扱いの便を図ることができる。
【0054】使用に際し、投入口から処理容器内に腐葉
土を投入し、回転手段により移送用スクリューを回転さ
せ、腐葉土を処理容器の先方へ移送しておき、必要に応
じ、投入口から処理容器内に有機廃棄物を投入し、上記
のように移送用スクリューを回転させて有機廃棄物を処
理容器の先方へ移送することにより、処理容器内の有機
廃棄物は腐葉土に付着している微生物と、自身に付着し
ている微生物と、必要に応じて添加する有用微生物によ
って蛋白質、糖分から分解が始まり、有機廃棄物に水分
が含まれている場合にはその水分と、分解によって生じ
た液肥を処理容器の傾斜面に沿って流下させ、排液口か
ら排出し、処理容器内の有機廃棄物を分解、発酵させ、
ある程度脱水処理した処理物を排出物から排出させる。
このようになるべく余分なエネルギーや装置を必要とす
ることなく、投入後の有機廃棄物を微生物によって分解
処理するとともに、水分を除去し、減容化して適度に乾
燥させ、しかも、有機廃棄物を投入した古い順に排出口
側から投入口側へ向かって並べることができる。したが
って、有機廃棄物を液肥や有機肥料としてリサイクルし
て有効利用することができ、しかも、多量の有機廃棄物
を連続処理することができ、また、経済的に発酵を促進
させて効率的に処理することができる。
【0055】移送用スクリューの中間部において、スク
リュー羽根に代えて移送される有機廃棄物の切り返しを
行う切り返し羽根を設けることにより、各階段ごとに微
生物の活動に好ましい空気、水分、温度等の条件を可能
な限りタイムリーに与えて有機廃棄物の処理を促進させ
ることができる。
【0056】移送用スクリューの排出口側において、放
射状に複数枚の区画板を設け、この区画板により処理容
器内に区画された区画室を順次上記排出口に開放させる
ことにより、処理物を一定量ごとに排出することがで
き、また、排出口の開閉蓋を兼用することができる。
【0057】排液口から排出される排液を蓄える貯液容
器を備えることにより、利用者の使用上の便を図ること
ができる。
【0058】処理容器の中間部に外部から脱臭剤、微生
物資材、水分調整材等を選択的に投入し得る投入口およ
びその開閉蓋を設けることにより、有機廃棄物が悪臭を
発生する場合でも、その悪臭を除去ないし緩和し、ま
た、水分を適度に調整することができる。
【0059】収納体を底部からも通気可能となるように
支持することにより、処理物をより一層均一に適度に乾
燥、熟成させることができる。
【0060】外箱の内側面と処理手段の外側面の少なく
とも一方を保温材により被覆することにより、凍結を防
止し、処理物の乾燥効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における有機廃棄物処理装置
を示す外観正面図である。
【図2】同有機廃棄物処理装置を示す外観側面図であ
る。
【図3】同有機廃棄物処理装置を示す拡大縦断面図であ
る。
【図4】同有機廃棄物処理装置を示し、図3のA−A矢
視断面図である。
【符号の説明】
1 外箱 18 処理室 20 貯液室 21 処理物収納室 22 処理容器 26 投入口 27 排液口 28 排出口 29 投入口 34 移送用スクリュー 41 区画板 42 排気筒 43 取出し口 48 貯液容器 51 取出し口 56 受けかご 59 収納袋 63 吸気口 64 排気口 65 ブロワ 67 太陽電池モジュール 69 切り返し羽根

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機廃棄物を微生物により分解、発酵、
    脱水させるとともに、適度に乾燥処理するようにした処
    理装置本体と、太陽光線の放射エネルギーを電気エネル
    ギーに変換し、上記処理装置本体の電源として用いる太
    陽電池とを備えた有機廃棄物処理装置。
  2. 【請求項2】 処理装置本体が、外箱と、この外箱内に
    設けられ、有機廃棄物を微生物により分解、発酵、脱水
    し、処理物を排出口から排出する処理手段と、上記外箱
    内に上記処理手段の排出口が開放されるように設けら
    れ、吸気口および排気口を有する処理物収納室と、この
    処理物収納室に取り出し可能に納められ、上記処理手段
    から排出される処理物を収納し、通気性を有する収納体
    と、太陽電池により駆動され、上記処理物収納室に吸気
    口から吸気し、排気口から排気するための吸排気手段と
    を備えた請求項1記載の有機廃棄物処理装置。
  3. 【請求項3】 処理手段が、一端の上側と下側に有機廃
    棄物等の投入口と排液口を有し、他端の下側に処理物の
    排出口を有し、上記排出口側よりも上記排液口側が下位
    に位置するような傾斜面を有する断面円形状の処理容器
    と、上記処理容器内で回転可能に支持され、回転に伴
    い、上記投入口から上記処理容器内に投入された有機廃
    棄物を上記排出口側へ移送する移送用スクリューと、こ
    の移送用スクリューを回転させる回転手段とを備え、上
    記投入口が外箱の外部に開放可能である請求項2記載の
    有機廃棄物処理装置。
  4. 【請求項4】 移送用スクリューが、中間部において、
    スクリュー羽根に代えて移送される有機廃棄物の切り返
    し羽根を有する請求項3記載の有機廃棄物処理装置。
  5. 【請求項5】 移送用スクリューが、排出口側におい
    て、放射状に複数枚の区画板を有し、回転に伴い、上記
    区画板により処理容器内に区画された区画室が順次上記
    排出口に開放される請求項3または4記載の有機廃棄物
    処理装置。
  6. 【請求項6】 外箱が貯液室を有し、この貯液室に処理
    手段の排液口から排出される排液を蓄える貯液容器を取
    り出し可能に納めた請求項3ないし5のいずれかに記載
    の有機廃棄物処理装置。
  7. 【請求項7】 処理容器が、中間部に外部から脱臭剤、
    微生物資材、水分調整材等を選択的に投入し得る投入口
    およびその開閉蓋を有する請求項3ないし6のいずれか
    に記載の有機廃棄物処理装置。
  8. 【請求項8】 収納体が底部からも通気可能に支持され
    た請求項2ないし7のいずれかに記載の有機廃棄物処理
    装置。
  9. 【請求項9】 収納体が通気性を有する織布から成る袋
    である請求項2ないし8のいずれかに記載の有機廃棄物
    処理装置。
  10. 【請求項10】 外箱の内側面と処理手段の外側面の少
    なくとも一方が保温材により被覆された請求項3ないし
    9のいずれかに記載の有機廃棄物処理装置。
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