JPH08241788A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高周波加熱装置に関するもので、
商用電源コンセントで得られる入力消費電力を増加させ
ることなく、加熱時間を短縮させることを目的とする。 【構成】 外部電源３の電力により直接的に第１の電力
変換部２を介し第１のマグネトロンＡ１を発振させると
ともに、外部電源３の電力により充電される蓄電池４を
備え、この蓄電池４に蓄えられている充電電力を第２の
電力変換部７を通し第２のマグネトロンＢ６に供給して
発振させるようにし、蓄電池４に蓄えられている充電電
力に応じた高周波出力の増加で、加熱時間を短縮させる
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえば電子レンジ等
の高周波加熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の高周波加熱装置は、商用
周波数の商用電源から供給された電力を、商用周波数を
用いて高電圧に変換し高周波発振源へ印加する電力変換
部と高周波発振源を夫々１個づつ用いているか、商用周
波数の代わりに２０〜３０KHzの高周波数を用いて高電
圧に変換する電力変換部を用いているのが一般的であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな高周波加熱装置は、１５Ａ定格の一般家庭における
商用電源コンセントで使用するには高周波出力に限界が
あり、加熱時間を短くすることはできない。高周波発振
源であるマグネトロンと高電圧に変換し高周波発振源へ
印加する電力変換部を用いた高周波加熱装置では、従来
以上のシステム効率、発振効率の向上は無理で、入力消
費電力を多く使用しないかぎり高周波出力を高めること
はできない。一般家庭における商用電源コンセントで使
用する限り、入力消費電力を多く使用するとブレーカー
が作動して使えず加熱時間を短くすることはできない欠
点をもっている。

【０００４】本発明は、一般家庭における商用電源コン
セントで使用する高周波加熱装置において、外部電源よ
り供給された電力を蓄えて給電する蓄電池とを備え、外
部電源より供給された電力で高周波発振させて使用して
いる時蓄えられた蓄電池の電力を加えて、使用している
時の入力消費電力を多く使用することなく、高周波出力
を高めて加熱時間を短くすることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の高周波加熱装置は、高周波が給電される加熱
室と、前記加熱室に高周波を給電する複数個の高周波発
振源と、前記複数個の高周波発振源の各々に外部電源よ
り供給された電力を直接または間接的に高電圧に変換し
て印加する夫々の電力変換部と、前記電力変換部の少な
くとも何れかの１個へ外部電源より供給された電力を蓄
えて給電する蓄電池とを備え、外部電源より供給された
電力を直接高電圧に変換して高周波発振源へ印加する電
力変換部と、前記蓄電池より供給された電力を高電圧に
変換して高周波発振源へ印加する電力変換部とを同時に
作動させることを可能にする構成とした。

【０００６】又前記蓄電池に外部電源より供給された電
力を充電する充電手段を設け、外部電源より供給された
電力を直接電力変換部で高電圧に変換して高周波発振源
へ印加する時、前記充電手段を制御し前記蓄電池に外部
電源からの電力を充電しない構成とした。

【０００７】又高周波発振源に外部電源より供給された
電力を直接高電圧に変換して供給する電力変換部に、外
部電源より電力が供給されていない時に、前記蓄電池に
外部電源より供給された電力を充電する充電手段が作動
する構成とした。

【０００８】

【作用】高周波加熱装置が使用されず高周波発振源が作
動していない時、充電手段を通して外部電源に接続され
ている蓄電池は外部電源の電力により充電される。第１
の電力変換部及び第１の高周波発振源が、商用電源など
の外部電源から供給された電力を受け作動すると、一般
家庭における商用電源コンセントで得られる入力消費電
力に応じた高周波出力が発生する。この高周波出力だけ
であれば加熱時間を短くすることはできなく従来の高周
波加熱装置と変わらない。

【０００９】次に前記別の電力変換部が、外部電源の電
力により充電された蓄電池から直流の電力を受け高電圧
に変換し前記別の高周波発振源へ印加すると、蓄電池の
容量に応じた高周波出力が発生する。本別の電力変換部
及び別の高周波発振源だけの作動であれば蓄電池の容量
に応じた高周波出力で加熱時間が決まる。

【００１０】一般家庭における商用電源コンセントで得
られる入力消費電力に応じて、第１の電力変換部及び第
１の高周波発振源を作動させ、同時に外部電源の電力に
より充電された蓄電池から直流の電力で別の電力変換部
及び別の高周波発振源を作動させれば、商用電源コンセ
ントで得られる入力消費電力は増加することなく、第１
の高周波発振源からの高周波出力に別の高周波発振源か
らの高周波出力が加わり、加熱時間が短縮される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１において、１は高周波が給電され被加熱物
が加熱される加熱室に高周波を給電する第１の高周波発
振源であるマグネトロンＡ、２は第１の高周波発振源１
であるマグネトロンＡへ商用電源などの外部電源から供
給された電力を直接高電圧に変換し印加する第１の電力
変換部で、昇圧トランス、コンデンサ、整流器等から構
成されている。３は商用電源などの外部電源、４は外部
電源３から供給された電力を蓄える蓄電池、５は蓄電池
４を充電する充電手段で、外部電源３の電力により蓄電
池４を充電する。６は前記加熱室に高周波を給電する第
２の高周波発振源であるマグネトロンＢ、７は第２の高
周波発振源６であるマグネトロンＢへ蓄電池４に蓄えら
れた電力を高電圧に変換し印加する第２の電力変換部
で、直流電力を２０〜３０KHzの高周波数の電力に変換
するトランジスタ、発振器、高周波昇圧トランス、コン
デンサ、整流器等から構成されている。８は逆流阻止手
段で、蓄電池４に蓄えられた電力をこの逆流阻止手段８
を介し第２の電力変換部７へ供給する。９は加熱制御部
で、電力変換部７の変換電力を制御し第２の高周波発振
源６であるマグネトロンＢの出力電波の大きさを調整し
たり、充電手段５や逆流阻止手段８を必要に応じ制御す
る構成になっている。

【００１２】このように外部電源３の電力により直接的
に第１の電力変換部２を介し第１の高周波発振源１を発
振させ高周波出力を得る構成と、同一外部電源３から供
給された電力を蓄えた蓄電池４を介し、間接的に第２の
電力変換部７を通した蓄電池４からの電力で第２の高周
波発振源６を発振させ高周波出力を得る構成とを備えた
ものが本発明の高周波加熱装置である。

【００１３】一般的に高周波加熱装置の使用時間は短
い。本発明の高周波加熱装置を外部電源３に接続して置
くと、使用されていない時間、外部電源３の電力は充電
手段５を通し蓄電池４に充電され一定の時間を経過する
と充電電力は飽和されるような状態に蓄えられる。一般
的な使用では外部電源３の電力により直接的に第１の電
力変換部２を介し第１の高周波発振源１であるマグネト
ロンＡを発振させ高周波出力を得る方法をとれば良く、
加熱時間を短縮すべく高周波出力を高めたい場合、外部
電源３の電力により直接的に第１の電力変換部２を介し
第１の高周波発振源１であるマグネトロンＡを発振させ
高周波出力を得るとともに、蓄電池４に蓄えられている
充電電力を第２の電力変換部７を通し第２の高周波発振
源６であるマグネトロンＢに供給して発振させ高周波出
力を得るようにすれば、蓄電池４に蓄えられている充電
電力に応じ高周波出力が増加し、加熱時間は短縮され
る。一般家庭における商用電源コンセントで得られる入
力消費電力に相当する充電電力を蓄電池４に蓄えられる
ような構成にしておけば、併用したとき高周波出力は倍
加し、加熱時間は半分に短縮される。この時加熱制御部
９で充電手段５を制御し、外部電源３の電力は蓄電池４
に供給されないようにすれば、商用電源コンセントで得
られる入力消費電力は増加することなく高周波出力は倍
加する。

【００１４】

【発明の効果】以上のように本発明の高周波加熱装置に
よれば、次の効果が得られる。

【００１５】（１）商用電源コンセントで得られる入力
消費電力は増加することなく、外部電源の商用電源コン
セントで得られる電力により直接的に電力変換部を介し
高周波発振源であるマグネトロンを発振させた高周波出
力に、蓄電池に蓄えられた電力により別の高周波発振源
である別のマグネトロンを発振させた高周波出力が加わ
り、加熱時間が短縮される。

【００１６】（２）高周波発振源であるマグネトロンを
複数個使用するので、高周波出力が大きい特殊なマグネ
トロンでなく一般の家庭用高周波加熱装置に用いられて
いるマグネトロンをそのまま使用できる。

【００１７】（３）高周波発振源に外部電源からの電力
が直接供給されて高周波発振加熱している時は、蓄電池
に外部電源からの電力は供給されず入力消費電力は増加
しない。

【００１８】（４）高周波発振源に外部電源からの電力
が直接供給されていない時に充電するので、蓄電池への
外部電源からの電力は一般家庭の定格である１５Ａ以上
の入力消費電力には増加しない。蓄電池が充分に充電さ
れてくれば電力は自然と低減されていく。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の高周波加熱装置の構成を示
すブロック図

【符号の説明】

１ 高周波発振源（マグネトロンＡ） ２ 電力変換部 ３ 外部電源 ４ 蓄電池 ５ 充電手段 ６ 高周波発振源（マグネトロンＢ） ７ 電力変換部 ９ 加熱制御部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】高周波が給電される加熱室と、前記加熱室
   に高周波を給電する複数個の高周波発振源と、前記複数
   個の高周波発振源の各々に外部電源より供給された電力
   を直接または間接に高電圧に変換して印加する夫々の電
   力変換部と、前記電力変換部の少なくとも何れかの１個
   へ前記外部電源より供給された電力を蓄えて給電する蓄
   電池と加熱制御部とを備え、前記加熱制御部は前記外部
   電源より供給された電力を直接高電圧に変換して高周波
   発振源へ印加する電力変換部と、前記蓄電池より供給さ
   れた電力を高電圧に変換して高周波発振源へ印加する電
   力変換部とを同時に作動させる構成とした高周波加熱装
   置。
2. 【請求項２】蓄電池に外部電源より供給された電力を充
   電する充電手段を設け、前記外部電源より供給された電
   力を直接電力変換部で高電圧に変換して高周波発振源へ
   印加する時、前記充電手段を制御し前記蓄電池に外部電
   源からの電力を充電しない構成にした請求項１記載の高
   周波加熱装置。
3. 【請求項３】高周波発振源に外部電源より供給された電
   力を直接高電圧に変換して供給する電力変換部に、前記
   外部電源より電力が供給されていない時に、前記蓄電池
   に外部電源より供給された電力を充電する充電手段が作
   動する構成にした請求項１記載の高周波加熱装置。