JPH08240137A - エンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射量制御装置

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JPH08240137A
JPH08240137A JP7044190A JP4419095A JPH08240137A JP H08240137 A JPH08240137 A JP H08240137A JP 7044190 A JP7044190 A JP 7044190A JP 4419095 A JP4419095 A JP 4419095A JP H08240137 A JPH08240137 A JP H08240137A
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engine
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存の空燃比検出センサにより検出された空
燃比に基づくリーン運転を可能とし、コスト増加を招く
ことなく燃費の向上を図ることができるエンジンの燃料
噴射量制御装置を提供する。 【構成】 複数気筒のうちの一部気筒の空燃比を検出す
る空燃比検出センサ20と、吸入空気量を検出する吸気
量センサ22とを備え、運転域に応じて、上記空燃比検
出センサ20からの空燃比に基づいて燃料量を調整する
フィードバック制御又は上記吸気量検出センサ22から
の吸気量に基づいて燃料量を調整するオープン制御を行
うようにしたエンジンの燃料噴射量制御装置において、
上記フィードバック制御時の少なくとも一部運転域で、
空燃比検出気筒への燃料量を検出空燃比が理論空燃比
となるように制御するとともに、残りの非空燃比検出気
筒,への燃料量を上記空燃比検出気筒への燃料量
より少量となるよう制御するフィードバック制御時燃料
制御手段31を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運転域に応じてフード
バック制御又はオープン制御を行うようにしたエンジン
の燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエンジンの燃費の向上を図るた
めに種々の燃料噴射量制御上の提案がなされているが、
燃費向上には、例えば吸入空気量に対してより少量の燃
料を供給して希薄燃焼を行うリーン運転が有利である。
このリーン運転を行うには、吸入空気量を吸気センサに
よって検出し、該検出吸気量に対して理論空燃比より希
薄となる燃料量を供給することとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年では、排気
ガスの浄化を図るために、空燃比検出センサにより空燃
比を検出し、該検出空燃比が理論空燃比となるように燃
料噴射量を制御するフィードバック制御が行われてい
る。このような空燃比検出センサを備えている場合、上
述の燃費向上を図るために、上記空燃比検出センサを利
用して上記リーン運転を行うようにすればコストの低減
が期待できる。しかしながら通常、空燃比検出センサは
上述のリーン状態の検出は困難であり、そのままでは、
上記リーン運転を上記空燃比検出センサの検出値で行う
ことはできない。
【0004】本発明は上記従来の問題に鑑みてなされた
もので、既存の空燃比検出センサにより検出された空燃
比に基づくリーン運転を可能とし、コスト増加を招くこ
となく燃費の向上を図ることができるエンジンの燃料噴
射量制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図8
に示すように、複数気筒のうちの一部気筒の空燃比を検
出する空燃比検出センサ20と、エンジン運転状態を検
出する運転状態検出センサ(吸気量検出センサ)22と
を備え、運転域に応じて、上記空燃比検出センサ20か
らの空燃比に基づいて燃料量を調整するフィードバック
制御又は上記吸気量検出センサ22からの吸気量に基づ
いて燃料量を調整するオープン制御を行うようにしたエ
ンジンの燃料噴射量制御装置において、上記フィードバ
ック制御時の少なくとも一部運転域で、空燃比検出気筒
への燃料量を検出空燃比が所定空燃比となるように制
御するとともに、残りの非空燃比検出気筒,への燃
料量を上記空燃比検出気筒への燃料量より少量となる
よう制御するフィードバック制御時燃料制御手段31を
備えたことを特徴としている。
【0006】なお、上記運転状態検出センサとしては、
エンジン回転数検出センサとスロットル開度検出センサ
との併用でも良い。また上記空燃比検出センサは、排気
ガス中のO2 濃度又はCO濃度又はCO2 濃度を検出す
ることにより空燃比を間接的に検出するのも含む。
【0007】請求項2の発明は、請求項1において、上
記フィードバック制御時燃料制御手段が、空燃比検出気
筒への燃料量を検出空燃比が理論空燃比となるよう制御
する点を特徴とし、また請求項3の発明では、上記フィ
ードバック制御時燃料制御手段が上記フィードバック制
御時の少なくとも一部運転域で、非空燃比検出気筒への
燃料供給量を、上記運転域の所定期間における空燃比検
出気筒への燃料供給量の平均値よりも所定量少なくなる
ように制御することを特徴としている。
【0008】請求項4の発明は、上記オープン制御時
に、上記非空燃比検出気筒への燃料量を空燃比検出気筒
への燃料量より少なくするオープン制御時燃料制御手段
を備えたことを特徴としている。
【0009】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記フィードバック制御時燃料制御手段
が、オープン制御からフィードバック制御への切替時点
から空燃比が所定範囲に収束するまでの期間、上記空燃
比検出気筒への燃料の単位時間当たりの変化量(燃料変
化係数)を上記収束以降における燃料変化係数より小さ
く設定することを特徴としている。
【0010】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れかにおいて、上記フィードバック制御時燃料制御手段
が、上記オープン制御からフィードバック制御への切替
時点から空燃比が所定範囲に収束するまでの期間、上記
非空燃比検出気筒への燃料の単位時間当たりの変化量
(燃料変化係数)を上記空燃比検出気筒への燃料変化係
数と同一に設定することを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、一部気筒の空燃比を
検出し、該空燃比検出気筒を所定空燃比となるようフィ
ードバック制御しながら、残りの非空燃比検出気筒への
燃料量を空燃比検出気筒への燃料量より少量としたの
で、空燃比検出センサの検出値に基づきながらエンジン
全体では希薄空燃比燃焼とすることが可能であり、燃費
を向上できる。特に請求項2の発明では、空燃比検出気
筒を理論空燃比となるように制御したので、エンジン全
体をリーンセットとすることができ、燃費をより一層向
上できる。
【0012】また請求項3の発明によれば、非空燃比検
出気筒への燃料供給量を、空燃比検出気筒への燃料供給
量より少量となるように制御するに当たり、所定期間に
おける空燃比検出気筒への燃料供給量の平均値を求め、
この平均値よりも所定量少なくなるように非空燃比検出
気筒への燃料供給量を制御したので、フィードバック制
御に伴う空燃比検出気筒における燃料供給量の変化量よ
りも非空燃比検出気筒における燃料供給量の変化量を少
なくすることができ、エンジンの回転変動を少なくでき
る。
【0013】一方、上記フィードバック制御によるリー
ンセット運転を行う場合であっても、急加速運転時、危
険回避運転時等においては、全体としての空燃比が理論
空燃比よりも濃空燃比となるリッチ運転を行うオープン
制御が行われる。このオープン制御から上述のリーンセ
ットのフィードバック制御に切り替えた場合、出力が急
に低下することから違和感が生じ、エンジンフィーリン
グが低下するという懸念がある。そこで本願の請求項4
〜6の発明では、上記切替時点での違和感を抑制するた
めの構成を採用している。
【0014】上記急加速時等に行われるオープン制御で
は、従来は、全ての気筒に対して濃空燃比となる同量の
燃料を供給するようにしていたのであるが、このような
濃空燃比の燃料を供給するオープン制御から上記リーン
セットのフィードバック制御に切り替えると、特に非空
燃比検出気筒における空燃比の変化が過大となり、上記
違和感が大きくなる。
【0015】そこで請求項4の発明では、オープン制御
時燃料制御手段により、オープン制御における上記非空
燃比検出気筒への燃料量が空燃比検出気筒への燃料量よ
り少量に制御される。そのため上記リーンセットのフィ
ードバック制御に移行した場合の非空燃比検出気筒への
燃料噴射量の差が軽減され、上記違和感が抑制される。
【0016】また請求項5の発明では、フィードバック
制御時燃料制御手段により、切替時には空燃比が所定範
囲に収束するまでの期間、上記空燃比検出気筒への燃料
変化係数が上記収束以降における燃料変化係数より小さ
く設定されるので、空燃比検出気筒におけるリッチ運転
からリーン運転への移行が緩やかになり、それだけ上記
違和感が抑制される。
【0017】また請求項6の発明では、フィードバック
制御時燃料制御手段により、切替時には空燃比が所定範
囲に収束するまでの期間、上記非空燃比検出気筒への燃
料変化係数が上記空燃比検出気筒への燃料変化係数と同
一に設定されるので、非空燃比検出気筒におけるリーン
運転への移行が緩やかになり、それだけ上記違和感が抑
制される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1〜図6は、請求項1,2,4〜6の発明の一実
施例(第1実施例)によるエンジンの燃料噴射量制御装
置を説明するための図であり、図1は全体構成を示す
図、図2,図3はそれぞれフィードバック制御時,オー
プン制御時の各気筒の空燃比を示す図、図4はオープン
制御からフィードバック制御への切替時のフィードバッ
ク係数を示す図、図5,図6は上記切替時のエンジン出
力,センサ出力の変化を示す図である。
【0019】図1において、1は本実施例エンジン2を
内蔵する船外機であり、該船外機1は船体の後尾にその
トリム角β及びマウント高さHを可変に取り付けられて
いる。上記エンジン2は、水冷式2サイクル3気筒クラ
ンク軸縦置型のものであり、シリンダブロック3の前合
面にクランクケース4を、後合面にシリンダヘッド5を
それぞれ結合し、シリンダブロック3に形成された3つ
の気筒〜内にピストン6を挿入しコンロッド7でク
ランク軸8に結合した構造のものである。なお9は点火
プラグである。
【0020】上記3つの気筒〜は図1のA−A線断
面図部分に示すように配置されており、この順序で点火
が行われる。また各気筒〜からの各排気ポート5a
の集合部に接続された集合排気管5はマフラ10内に開
口しており、上記各気筒からの排気ガスは集合排気管5
からマフラ10を通り、排気管11を介して推進器12
の回転軸12aの周囲を通って水中に排出される。
【0021】また上記クランクケース4の各気筒用クラ
ンク室にはそれぞれ吸気管13が連通しており、該吸気
管13には逆流防止用リード弁14,燃料噴射弁15,
スロットル弁16が配設されている。なお17は上記燃
料噴射弁15に高圧燃料を供給する燃料供給系である。
【0022】また本実施例エンジン1は、エンジン回転
数を検出するクランク角センサ18と、スロットル弁1
6の開度(負荷)を検出するスロットルセンサ19と、
上記上端の気筒の酸素濃度、ひいては空燃比を検出す
るO2センサ20と、排気通路に作用する排気ガスの圧
力(背圧)を検出する背圧センサ21と、エンジン全体
に供給される空気量を検出する空気センサ22とを備え
ている。
【0023】上記O2センサ20は、上端気筒の排気
ポート5aより燃焼室側に開口するように形成された排
気取出通路20aの下流端に接続されており、これによ
り吹き抜けガスをほとんど含まない略既燃ガスのみの酸
素濃度を検出し、ひいては上端気筒に供給される空気
と燃料との混合気の空燃比を検出するようになってい
る。従って、本実施例では、気筒が空燃比検出気筒で
あり、気筒,が非空燃比検出気筒である。
【0024】上記背圧センサ21は上記マフラ10の上
端部に配設されており、船体の速度,マウント高さ(水
深)H,トリム角β等によって変化する背圧を検出す
る。
【0025】本実施例エンジン2は、エンジンの運転状
態を制御するECU23を備えている。このECU23
は上記各センサ18〜22の検出値を読み込み、エンジ
ン回転速度,スロットル開度に基づいて、点火時期を制
御する点火時期制御手段として機能するとともに、フィ
ードバック制御時,オープン制御時における燃料噴射時
期,噴射量を制御するフィードバック制御時燃料制御手
段,オープン制御時燃料制御手段として機能し、さらに
オープン制御からフィードバック制御への切替時におけ
る燃料制御手段として機能する。
【0026】次に本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例エンジン2では、通常のフィードバック制
御時には、エンジン全体の空燃比をリーン(図2のa)
にするリーンセット運転が行われる。この場合、空燃比
検出気筒への燃料量は、O2 センサ20により検出さ
れる気筒の空燃比が所定空燃比たる理論空燃比(スト
イキ・図2のa1)となるように制御され、また非空燃
比検出気筒,への燃料量は、上記気筒の空燃比a
1に基づいてエンジン全体の空燃比が上記空燃比aとな
るよう気筒への燃料量よりも少ない量に制御される。
この場合、非空燃比検出気筒の空燃比は上記エンジン全
体の空燃比aよりリーンのa2となる。
【0027】このように本実施例エンジン2では、通常
のフィードバック運転時には、空燃比検出気筒への燃
料量を理論空燃比となるように制御するとともに、残り
の非空燃比検出気筒,への燃料量については上記気
筒への燃料量を基準としリンー空燃比a2となるよう
気筒への燃料量よりも少ない量に制御したので、エン
ジン全体としてリーン空燃比aとなり、燃費の向上を図
ることができる。
【0028】また本実施例エンジン2では、急加速時等
においてはエンジン全体の空燃比を理論空燃比よりリッ
チ(図3のb)とするオープン制御が行われる。この場
合、空燃比検出気筒への燃料量は上記bよりさらにリ
ッチのb1に制御されるのに対し、非空燃比検出気筒
,への燃料量は上記bよりリーンのb2に制御され
る。
【0029】このように本実施例エンジン2では、急加
速時等にはエンジン全体の空燃比をリッチとするオープ
ン制御を行うようにしたので、エンジン出力を向上で
き、加速性を確保できる。そしてこの場合に、全ての気
筒を同じ空燃比bにするのではなく、非空燃比検出気筒
,への燃料量を空燃比検出気筒への燃料量よりも
少なくして非空燃比検出気筒,を空燃比検出気筒
よりもリーン側に制御したので、このオープン制御から
図2に示すリーンセットのフィードバック制御に切り替
えたときのエンジン出力(回転数)の低下量は図3の
A′となり、全気筒の空燃比をbとした場合の低下量A
よりΔAだけ小さくできる。
【0030】ここで、図3の例では、空燃比検出気筒
を空燃比b1に設定したので、全気筒を空燃比bに設定
した場合より空燃比検出気筒によるエンジン出力の変
動は大きくなるが、ストイキ点よりリッチ側部分での出
力変動は鈍感であり、エンジン全体でみれば支障はな
い。これに対して、非空燃比検出気筒,がセットさ
れるリーン状態での出力変動は敏感でり、従ってこのリ
ーン側での空燃比変動幅を狭くするのが、エンジンフィ
ーリング向上のためには効果的である。
【0031】また上記ECU23は、上記オープン制御
からフィードバック制御への切替において、空燃比検出
気筒への燃料を減少又は増加するためのフィードバッ
ク係数(燃料変化係数)を通常のフィードバック制御時
における係数より小さく設定することにより、空燃比検
出気筒におけるリッチ空燃比b1からストイキa1へ
の変化を緩慢にする制御を行う。
【0032】図4はセンサ出力と燃料噴射量(フィード
バック係数)との関係を示す。図中、破線は通常のフィ
ードバック制御時におけるP,I,t値を示し、実線は
上記切替時におけるP,I,t値を示す。同図から明ら
かなように、上記切替時においては、通常時よりもP
値,及びI値を小さくするとともに、I値の時間刻みt
を大きくしており、これにより上記切替時には通常のフ
ィードバック制御時よりも燃料量の変化が緩やかになっ
ている。なお、図4において、RLLRはそれぞれセンサ
出力がリッチからリーンに、リーンからリッチに変化す
るように燃料を減少,増加する場合を示している。ここ
で、空燃比検出センサは、リッチからリーンに変化する
場合とリーンからリッチに変化する場合とで、その特性
が異なるにもかかわらずセンサの出力信号の変化量(上
側のグラフの傾きθ)を同一にするために、噴射量を増
やす場合のPLR, LR, LRと減らす場合のPRL,
RL, RLとで値を変えている。
【0033】さらにまた上記ECU23は、上記オープ
ン制御からフィードバック制御への切替時に、非空燃比
検出気筒,への燃料量について、図3の空燃比b2
に対応する量から図2の空燃比a2に対応する量への単
位時間当たりの減少量(減少速度)を、上記空燃比検出
気筒への燃料の減少速度と同じに制御する。これによ
りエンジン全体でみた場合の燃料量の減少が緩やかにな
る。
【0034】図5は上記各制御を行った場合のエンジン
フィーリング向上効果を説明するための図である。図
中、実線は、図3の状態から図2への切替に当たって、
P,I値を通常のフィードバック制御時の値と同じと
し、かつ非空燃比検出気筒,への燃料量を直ちに減
少させた場合の特性であり、破線は、上記P,I値を小
さくし、かつI値の時間刻みtを大きくする制御のみを
行った場合の特性を示し、また一点鎖線は、上記P,I
値を小さくし、かつtを大きくするとともに非空燃比検
出気筒,への燃料減少速度を空燃比検出気筒の燃
料減少速度と同じとした場合の特性を示す。なお、二点
鎖線については後述する。
【0035】図5から明らかなように、破線の場合は3
気筒のうちの1気筒のみの燃料減少速度を緩やかにした
ものであることから、エンジン出力の低下速度の改善効
果(フィーリング向上効果)は一点鎖線の場合には及ば
ないものの、実線に比較して改善されている。一方、一
点鎖線の場合は全気筒の燃料減少速度を緩やかにしたこ
とからエンジンのフィーリングが大きく向上しているこ
とが判る。
【0036】また図6はセンサ出力の変化特性、つまり
上記空燃比検出気筒の空燃比の変化を示す。上記制御
を行わない場合(実線)に比較して上記P,I値を小さ
くし、tを大きくする制御を行った場合(破線及び一点
鎖線)はセンサ出力の変化が緩やかになっている。
【0037】図7は請求項3の発明の一実施例(第2実
施例)を説明するための図であり、本実施例では、オー
プン制御からフィードバック制御への切替時において、
所定期間、すなわち空燃比がリッチ側からリーン側を経
てリッチ側に戻り、再びリーン側を経てリッチ側に戻る
期間の各反転点における燃料量q1,q2,q3,q4
の単純平均を求め、この平均値よりも所定量減じた値を
非空燃比検出気筒,への燃料供給量としている。
【0038】さらに、空燃比が所定範囲に収束した後に
おいても、所定期間の各反転点における燃料量q1,q
2,q3,q4の単純平均を求め、この平均値よりも所
定量減じた値を非空燃比検出気筒,への燃料供給量
としている。
【0039】本実施例の場合、フィードバック制御時に
おいて非空燃比検出気筒への燃料供給量を、空燃比検出
気筒への燃料供給量より少量となるように制御するに当
たり、所定期間における空燃比検出気筒への燃料供給量
の平均値を求め、この平均値よりも所定量少なくなるよ
うに非空燃比検出気筒への燃料供給量を制御したので、
フィードバック制御に伴う空燃比検出気筒における燃料
供給量の変化量に対して、非空燃比検出気筒における燃
料供給量の変化量を少ないものにでき、エンジンの回転
変動を少なくできる。
【0040】さらに本実施例においては、オープン制御
からフィードバック制御への切替時、非空燃比検出気筒
への燃料供給量を切替直前の値と同一とする一方、切替
後における空燃比検出気筒への燃料供給量の上記平均値
を求めた後に、非空燃比検出気筒への燃料供給量を上記
切替直前の値から上記平均値よりも所定量減じた値まで
除減させている。したがって本実施例では、エンジン出
力は図5に二点鎖線で示すように、オープン制御からフ
ィードバック制御に切替えて所定期間経過後に、緩やか
に低下することとなり、本実施例でも上記第1実施例の
場合と同様にエンジン出力の急低下によるフィーリング
の悪化を防止できる。なお、図6に二点鎖線で示すよう
に、センサ出力は実線の場合と同様となる。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
一部気筒の空燃比を検出し、該空燃比検出気筒を所定空
燃比となるようフィードバック制御しながら、残りの非
空燃比検出気筒への燃料量を空燃比検出気筒への燃料量
より少量としたので、空燃比検出センサの検出値に基づ
きながらエンジン全体では希薄空燃比燃焼が可能とな
り、燃費を向上できる効果がある。特に請求項2の発明
では、上記所定空燃比を理論空燃比としたので、エンジ
ン全体をリーンセットにでき燃費を一層向上できる。
【0042】請求項3の発明では、非空燃比検出気筒へ
の燃料供給量を、空燃比検出気筒への燃料供給量より少
量となるように制御するに当たり、所定期間における空
燃比検出気筒への燃料供給量の平均値を求め、この平均
値よりも所定量少なくなるように非空燃比検出気筒への
燃料供給量を制御したので、フィードバック制御に伴う
空燃比検出気筒における燃料供給量の変化量よりも非空
燃比検出気筒における燃料供給量の変化量を少なくする
ことができ、エンジンの回転変動を少なくできる効果が
ある。
【0043】請求項4の発明では、オープン制御時燃料
制御手段により、オープン制御における上記非空燃比検
出気筒への燃料量を空燃比検出気筒への燃料量より少量
に制御するようにしたので、上記リーンセットのフィー
ドバック制御に移行した場合の非空燃比検出気筒への燃
料噴射量の減少量が軽減され、エンジンフィーリングの
悪化を抑制できる効果がある。
【0044】請求項5の発明では、フィードバック制御
時燃料制御手段により、切替時には空燃比が所定範囲に
収束するまでの期間、上記空燃比検出気筒への燃料変化
係数を上記収束以降における燃料変化係数より小さく制
御するようにしたので、空燃比検出気筒における燃料の
減少速度が軽減され、エンジン出力低下速度が緩やかと
なり、エンジンフィーリングの低下を抑制できる効果が
ある。
【0045】請求項6の発明では、フィードバック制御
時燃料制御手段により、切替時には空燃比が所定範囲に
収束するまでの期間、上記非空燃比検出気筒への燃料変
化係数を上記空燃比検出気筒への燃料変化係数と同一に
制御するようにしたので、非空燃比検出気筒における燃
料の減少速度が軽減され、エンジン出力低下速度が緩や
かとなり、エンジンフィーリングの低下を抑制できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2,4〜6の発明に係る第1実施例
による燃料噴射量制御装置を示す模式構成図である。
【図2】上記第1実施例装置の空燃比の目標値を説明す
るための空燃比−エンジン出力特性図である。
【図3】上記第1実施例装置の空燃比の目標値を説明す
るための空燃比−エンジン出力特性図である。
【図4】上記第1実施例装置のフィードバック係数を示
す特性図である。
【図5】上記第1実施例装置のエンジン出力の変化を示
す図である。
【図6】上記第1実施例装置のセンサ出力の変化を示す
図である。
【図7】請求項3の発明の一実施例(第2実施例)を説
明するためのセンサ出力,燃料噴射量の変化を示す図で
ある。
【図8】本発明の特許請求の範囲を説明するためのクレ
ーム対応図である。
【符号の説明】 空燃比検出気筒 , 非空燃比検出気筒 2 エンジン 20 空燃比検出センサ 22 吸気量検出センサ(運転状態検出センサ) 31 フィードバック制御時燃料制御手段 32 オープン制御時燃料制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数気筒のうちの一部気筒の空燃比を検
    出する空燃比検出センサと、エンジンの運転状態を検出
    する運転状態検出センサとを備え、運転域に応じて、上
    記空燃比検出センサからの空燃比に基づいて燃料量を調
    整するフィードバック制御又は上記エンジンの運転状態
    に基づいて燃料量を調整するオープン制御を行うように
    したエンジンの燃料噴射量制御装置において、上記フィ
    ードバック制御時の少なくとも一部運転域で、上記空燃
    比検出気筒への燃料量を検出空燃比が所定空燃比となる
    ように制御するとともに、残りの非空燃比検出気筒への
    燃料量を上記空燃比検出気筒への燃料量より少量となる
    よう制御するフィードバック制御時燃料制御手段とを備
    えたことを特徴とするエンジンの燃料噴射量制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記フィードバック
    制御時燃料制御手段が、空燃比検出気筒への燃料量を検
    出空燃比が理論空燃比となるように制御することを特徴
    とするエンジンの燃料噴射量制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記フィード
    バック制御時燃料制御手段が、上記フィードバック制御
    時の少なくとも一部運転域で、非空燃比検出気筒への燃
    料供給量を、上記運転域の所定期間における空燃比検出
    気筒への燃料供給量の平均値よりも所定量少なくなるよ
    うに制御することを特徴とするエンジンの燃料噴射量制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
    記オープン制御時に、上記非空燃比検出気筒への燃料量
    を空燃比検出気筒への燃料量より少なくするオープン制
    御時燃料制御手段を備えたことを特徴とするエンジンの
    燃料噴射量制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
    記フィードバック制御時燃料制御手段が、オープン制御
    からフィードバック制御への切替時点から空燃比が所定
    範囲に収束するまでの期間、上記空燃比検出気筒への燃
    料の単位時間当たりの変化量(燃料変化係数)を上記収
    束以降における燃料変化係数より小さく設定することを
    特徴とするエンジンの燃料噴射量制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかにおいて、上
    記フィードバック制御時燃料制御手段が、上記オープン
    制御からフィードバック制御への切替時点から空燃比が
    所定範囲に収束するまでの期間、上記非空燃比検出気筒
    への燃料の単位時間当たりの変化量(燃料変化係数)を
    上記空燃比検出気筒への燃料変化係数と同一に設定する
    ことを特徴とするエンジンの燃料噴射量制御装置。
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