JPH0433377Y2 - - Google Patents

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JPH0433377Y2
JPH0433377Y2 JP7067285U JP7067285U JPH0433377Y2 JP H0433377 Y2 JPH0433377 Y2 JP H0433377Y2 JP 7067285 U JP7067285 U JP 7067285U JP 7067285 U JP7067285 U JP 7067285U JP H0433377 Y2 JPH0433377 Y2 JP H0433377Y2
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intake
valve
combustion chamber
intake valve
fuel
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は複数吸気弁を具えた燃料噴射式内燃機
関に関する。
〔従来の技術〕
機関シリンダ内に供給される混合気を稀薄にす
ればするほど燃料消費率を向上することができ、
従つて燃料消費率を向上するためには機関シリン
ダ内に供給される混合気を可能な限り稀薄とする
ことが望ましい。しかしながら稀薄混合気を用い
た場合には着火性が低下するばかりでなく、たと
え着火しても火炎の伝播速度が遅いために良好な
燃焼が得られないという問題がある。
このような問題を解決するために吸気通路を燃
焼室の内周壁面に対して接線状に延設すると共に
吸気通路内に燃料噴射弁を配置し、燃料噴射弁か
らの燃料噴射を吸気弁が閉弁するすこし前に停止
せしめるようにした内燃機関が公知である(特開
昭56−148636号公報)。この内燃機関では部分負
荷運転時の吸気行程前半に空気のみが燃焼室内に
供給され、吸気行程の後半に噴射燃料が燃焼室内
に供給されるので燃焼室頂部には濃混合気層が形
成され、燃焼室下方には稀薄混合気層が形成され
て燃焼室内が成層化せしめられる。その結果、点
火栓回りには濃混合気が集まるために着火性が向
上し、吸気通路から流入する空気流によつて燃焼
室内には旋回流が発生せしめられるので着火火炎
を燃焼室内に急速に伝播せしめることができる。
ところでこのように成層化した場合において成
層化した混合気全体の空燃比を一定とした場合に
は成層化の度合を大きくしたほうが燃焼を向上さ
せることができる。例えば成層化した混合気全体
の空燃比が25であつて濃混合気の空燃比が20、稀
薄混合気の空燃比が30である場合と、濃混合気の
空燃比が15、稀薄混合気の空燃比が35である場合
を考えると後者の場合の方が前者の場合よりも良
好な燃焼が得られる。即ち、濃混合気の空燃比が
20の場合であつても点火栓により着火せしめるこ
とができるが濃混合気の燃焼による火炎が弱く、
その結果稀薄混合気を燃焼せしめるのに時間を要
するために良好な燃焼を得るのが困難である。こ
れに対して濃混合気の空燃比が15の場合には濃混
合気の燃焼による火炎が強く、従つてこの場合に
は稀薄混合気がより稀薄であつても稀薄混合気を
燃焼せしめるのに要する時間が短くなり、斯くし
て良好な燃焼が得られる。このように良好な燃焼
を得るには成層化の度合を高めることが必要であ
る。
しかしながら上述の内燃機関では噴射燃料が吸
入空気流と共に高速度で燃焼室内に流入するため
に噴射燃料が燃焼室内に広がりやすく、従つて成
層化が行なわれるものの成層化の度合が十分でな
いという問題がある。
このような問題を解決するために第1吸気弁と
第2吸気弁と第3吸気弁とを具備し、第1吸気弁
を介して燃焼室内に連結された第1の吸気通路を
ヘリカル状に形成し、第2吸気弁を介して燃焼室
内に連結された第2の吸気通路内および第3吸気
弁を介して燃焼室内に連結された第3の吸気通路
内に夫々高負荷運転時に開弁する吸気制御弁を設
け、更に吸気制御弁下流の第3吸気通路内に燃料
噴射弁を配置した内燃機関が本出願人により既に
提案されている(実願昭59−103124号参照)。こ
の内燃機関では部分負荷運転時に吸気制御弁が閉
弁状態に保持されるので吸気行程時に第3吸気弁
が開弁すると吸気制御弁後流の第3吸気通路内の
圧力は燃焼室内圧力近くまで即座に低下する。そ
の結果、吸気制御弁後流の第3吸気通路内の圧力
と燃焼室内の圧力差が比較的小さな圧力室に維持
されるために第3吸気通路内に噴射された燃料は
ゆつくりした速度で燃焼室内に流入する。従つて
燃焼室内に噴射燃料は燃焼室内にさほど広がら
ず、斯くして成層化の度合を高くすることができ
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、この内燃機関において成層化の
度合を高くするために第3吸気弁を吸気行程の後
半に開弁せしめると第3吸気通路内の噴射燃料は
ゆつくりした速度でしか燃焼室内に流入しないた
めに全噴射燃料が燃焼室内に流入しえず、流入し
えなかつた噴射燃料が次の吸気行程において第3
吸気弁が開弁した瞬間に燃焼室内に流入する。と
ころがこのように第3吸気弁が開弁した瞬間に前
回の吸気行程において流入しえなかつた噴射燃料
が燃焼室内に流入するとこの噴射燃料は燃焼室の
中央部に集まることとなり、斯くして良好な成層
化が得られないという問題がある。一方、全噴射
燃料を吸気行程中に燃焼室内に供給するために第
3吸気弁の開弁時期を早めると吸気行程の速い時
期から第3吸気通路内の噴射燃料が燃焼室内に供
給されることになり、斯くしてこの場合も良好な
成層化を得るのは困難となつている。即ち、第3
吸気通路内に設けた吸気制御弁を閉弁することに
よつて成層化を達成しようとした場合には第3吸
気弁の開弁時期をどのように設定しても良好な成
層化を得ることができない。
本考案は第3吸気通路を常時開放し、燃料噴射
の完了時期を適切に制御することによつて成層化
の度合を高め、それによつて良好な燃焼を確保す
るようにした燃料噴射式内燃機関を提供すること
にある。なお、本出願人による先願(特願昭60−
56126号)には第3吸気通路を常時開放した内燃
機関が記載されているがこの内燃機関では燃料噴
射の完了時期について十分な考慮が払われていな
いために良好な成層化を得るのは困難である。
〔問題点を解決するための手段〕 上記問題点を解決するために本考案によれば、
第1吸気弁、第2吸気弁および第3吸気弁からな
る3個の吸気弁と、第1吸気通路、第2吸気通路
および第3吸気通路からなる3個の吸気通路とを
具備し、燃焼室内に旋回流を発生させるための第
1吸気通路が第1吸気弁を介して燃焼室内に連結
され、第2吸気弁を介して燃焼室内に連結された
第2吸気通路内に機関高負荷運転時に開弁する吸
気制御弁を配置し、第3吸気弁を介して燃焼室内
に連結された第3吸気通路内に燃料噴射弁を配置
し、第1吸気弁および第2吸気弁が吸気行程の上
死点付近から圧縮行程始めまで開弁すると共に第
3吸気弁が吸気行程の中央付近から圧縮行程始め
まで開弁する燃料噴射式内燃機関において、第1
吸気弁および第2吸気弁の弁径を第3吸気弁の弁
径よりも大きくすると共に燃料噴射弁の燃料噴射
完了時期を機関回転数が増大するにつれて吸気行
程末期から吸気行程始めに向けて徐々に早めるよ
うにした複吸気弁を具えている。
〔実施例〕
第1図から第3図を参照すると、1は機関本
体、2はシリンダブロツク、3はシリンダブロツ
ク2内で往復動するピストン、4はシリンダブロ
ツク2上に固締されたシリンダヘツド、5はピス
トン3とシリンダヘツド4間に形成された燃焼
室、6は燃焼室5の頂部のほぼ中央に配置された
点火栓を夫々示す。シリンダヘツド4の内壁面上
には第1吸気弁7、第2吸気弁8、第3吸気弁9
からなる3個の吸気弁と、第1排気弁10および
第2排気弁11からなる2個の排気弁とが配置さ
れる。第1吸気弁7および第2吸気弁8はほぼ同
じ弁径を有し、第3吸気弁9は第1吸気弁7、第
2吸気弁8よりも小さな弁径を有する。更に、第
3吸気弁9は第1吸気弁7と第2吸気弁8との間
に配置される。シリンダヘツド4内には第1吸気
通路12、第2吸気通路13、第3吸気通路14
からなる3個の吸気通路と、排気弁10,11を
介して燃焼室5内に連結された排気通路15とが
形成される。第1吸気通路12、第2吸気通路1
3および第3吸気通路14は一対の薄肉隔壁1
6,17により互いに分離れてシリンダヘツド4
内を互いにほぼ平行に延びる。第3吸気通路14
は第1吸気通路12と第2吸気通路13との間に
位置し、この第3吸気通路14は第1吸気通路1
2および第2吸気通路13よりも小さな断面を有
する。第1吸気通路12,第2吸気通路13およ
び第3吸気通路14は同一の吸気枝管18に連結
されて吸気枝管18の内部において互いに合流す
る。第1吸気通路12は第1吸気弁7を介して燃
焼室5内に連結され、この第1吸気通路12は燃
焼室5内に旋回流を発生されるためにヘリカル状
に形成される。第2吸気通路13は第2吸気弁8
を介して燃焼室5内に連結され、この第2吸気通
路12はまつすぐに延びるストレートポートとし
て形成される。第2吸気通路13の入口部には吸
気制御弁19が配置され、吸気制御弁19の弁軸
20は第1吸気通路12、第2吸気通路13およ
び第3吸気通路14内を貫通して延びる。第3吸
気通路14は第3吸気弁9を介して燃焼室5内に
連結され、この第3吸気通路14はまつすぐに延
びるストレートポートとして形成される。第3吸
気通路14の上壁面には燃料噴射弁21が配置さ
れ、この燃料噴射弁21から燃料が第3吸気弁9
のかさ部背面に向けて噴射される。
第3図に別の実施例を示す。この実施例では第
1吸気弁7および第2吸気弁8の弁径が共に第3
吸気弁9の弁径よりも大きく、更に第2吸気弁8
の弁径が第1吸気弁7の弁径よりも大きく形成さ
れている。また、第2吸気通路13の断面は第1
吸気通路12の断面よりも大きく形成されてい
る。
第4図に更に別の実施例を示す。この実施例で
は第1吸気弁7および第2吸気弁8の弁径が第3
吸気弁9の弁径よりも大きいという点においては
第1図および第2図に示す実施例と同様である
が、第2吸気弁8が第1吸気弁7と第3吸気弁9
との間に位置し、従つて第2吸気通路13が第1
吸気通路12と第3吸気通路14との間に位置す
るという点で第1図および第2図に示す実施例と
異なつている。
第5図を参照すると、吸気枝管18は共通のサ
ージタンク22に連結され、サージタンク22は
吸気ダクト23およびエアフローメータ24を介
して図示しないエアクリーナに連結される。吸気
ダクト23内には図示しないアクセルペダルに連
結されたスロツトル弁25が配置され、このスロ
ツトル弁25の弁軸26にはスロツトルスイツチ
27が連結される。このスロツトルスイツチ27
はスロツトル弁25がほぼ全開したとき、例えば
全開したときのスロツトル開度が90度であるとす
るとスロツトル開度が80度を越えたときにオンと
なる。一方、吸気制御弁19の弁軸20にはアー
ム28が固着され、このアーム28の先端部は制
御ロツド29を介して負圧アクチユエータ30の
ダイアフラム31に連結される。負圧アクチユエ
ータ30はダイアフラム31により分離された負
圧室32と大気圧室33とを具備し、負圧室32
内にはダイアフラム押圧用圧縮ばね34が配置さ
れる。負圧室32は大気に連通可能な電磁切換弁
35を介して負圧タンク36に連結される。負圧
タンク36は負圧タンク36からサージタンク2
2内に向けてのみ流通可能な逆止弁37を介して
サージタンク22内に連結されており、従つて負
圧タンク36内の負圧はサージタンク22内に発
生する最大負圧に維持される。一方、機関本体1
にはデイストリビユータ38が取付けられ、この
デイストリビユータ38のロータ39はクランク
シヤフトの1/2の回転速度でもつて機関により駆
動される。ロータ39には一対のデイスク40,
41が固定され、これらデイスク40,41の歯
付外周面に体面して一対のクランク角センサ4
2,43が配置される。クランク角センサ42は
例えば1番気筒が吸気上死点であるか否かを判別
するセンサであつて1番気筒が吸気上死点にある
ときに出力パルスを発生する。これに対してクラ
ンク角センサ43は例えばクランクシヤフトが30
度回転する毎に出力パルスを発生する。従つてク
ランク角センサ42,43の出力パルスから各気
筒のクランク角を計算することができ、またクラ
ンク角センサ43の出力パルスから機関回転数を
計算することができる。これらクランク角センサ
42,43は電子制御ユニツト50に接続され
る。
電子制御ユニツト50はデイジタルコンピユー
タからなり、双方向性バス51によつて相互に接
続されたROM(リードオンメモリ)52,RAM
(ランダムアクセスメモリ)53、CPU(マイク
ロプロセツサ)54、入力ポート55および出力
ポート56を具備する。エアフローメータ24は
吸入空気量に比例した出力電圧を発生し、このエ
アフローメータ24はAD変換器57を介して入
力ポート55に接続される。更に、入力ポート5
5にはスロツトルスイツチ27およびクランク角
センサ42,43が接続される。一方、出力ポー
ト56は対応する駆動回路58,59を介して
夫々燃料噴射弁21および電磁切換弁35に接続
される。
本考案に係る内燃機関は部分負荷運転時には燃
焼室5内の混合気を成層化することにより平均空
燃比が25〜30といつた稀薄混合気を用いて運転
し、機関高負荷運転には高出力を得るために燃焼
室5内の混合気を均一化すると共に平均空燃比を
小さくするようにしたものである。部分負荷運転
時における成層化の度合を高めるためには第3吸
気弁9の開弁時期および燃料噴射弁21の噴射完
了時期を適切に設定する必要があるがまず始めに
本考案による内燃機関の基本的動作を説明した後
に第3吸気弁9の開弁時期および燃料噴射弁21
の噴射完了時期について説明する。
第6図は第1吸気弁7、第2吸気弁8および第
3吸気弁9の開弁期間を示す。第6図において縦
軸Lは弁揚程を示し、横軸θはクランク角を示
す。第1吸気弁7および第2吸気弁8の開弁期間
はほぼ同じであつてこれら第1吸気弁7および第
2吸気弁8の開弁期間が第6図において曲線Aで
示される。曲線Aからわかるように第1吸気弁7
および第2吸気弁8は吸気行程の上死点(TDC)
の少し手前で開弁し、吸気行程の下死点(BDC)
を少し越えた圧縮行程始めにおいて閉弁する。一
方、第3吸気弁9の開弁期間が第6図において曲
線Bで示される。曲線Bからわかるように第3吸
気弁9は吸気行程のほぼ中央において開弁し、第
1吸気弁7および第2吸気弁8と同時に閉弁す
る。なお、第3吸気弁9の開弁時期は吸気行程の
ほぼ中央に設定する必要があるが第3吸気弁9の
閉弁時期については若干の自由度があり、第3吸
気弁9を第1吸気弁7および第2吸気弁8が閉弁
するすこし前に閉弁させることもできるが、第1
吸気弁7および第2吸気弁8が閉弁したすこし後
に閉弁させることもできる。燃料噴射弁21の噴
射時期については後に詳細に説明するが概略的に
云うと全噴射燃料が燃焼室5内に供給されるよう
に第3吸気弁9が閉弁する前に燃料噴射が完了し
ている。吸気制御弁19は部分負荷運転時には全
閉せしめられ、高負荷運転時には全開せしめられ
る。
部分負荷運転時には上述したように吸気制御弁
25が全閉せしめられる。従つて第1吸気弁7お
よび第2吸気弁8が開弁して吸気行程が開始され
ても吸入空気が第2吸気通路13から燃焼室5内
に供給されることがなく、吸入空気は第1吸気通
路12のみを介して燃焼室5内に供給される。前
述したように第1吸気通路12はヘリカル状に形
成されているために空気は旋回しつつ燃焼室5内
に流入し、斯くして燃焼室5内には強力な旋回流
が発生せしめられる。ピストン3が半ストローク
程度下降すると第3吸気弁9が開弁するので燃料
噴射弁21からの噴射燃料により第3吸気通路1
4内に形成された混合気が第3吸気弁9を介して
燃焼室5内に流入する。第3吸気弁9が開弁した
当初は第3吸気弁9の弁揚程が小さいために燃焼
室5内に流入する混合気量も少くなく、この混合
気は旋回する空気と混合して燃焼室5の頂部付近
に稀薄な混合気を形成する。このときピストン3
の頂部付近は空気のみとなつている。次いでピス
トン3が更に下降すると第3吸気弁9の弁揚程が
増大し、第3吸気通路14から燃焼室5内に流入
する混合気が次第に増大する。吸気行程の後半に
なると第1吸気弁7の弁揚程が次第に小さくなる
ために第1吸気通路12から燃焼室5内に流入す
る吸入空気量は減少し、これに対して第3吸気弁
9の弁揚程が増大するために第3吸気通路14か
ら燃焼室5内に流入する混合気量が増大する。従
つて燃焼室5の頂部に形成される混合気は次第に
濃くなつている。第1吸気弁7が閉弁時期に近づ
くとこの傾向は更に強まり、斯くして第1吸気弁
7および第3吸気弁9が閉弁したときには燃焼室
5の頂部には濃い混合気が集まり、混合気の濃度
はピストン3に向けて徐々に薄くなつてピストン
3の頂面上では空気のみとなる。次いで圧縮行程
が開始されるとピストン3頂面の空気は周囲の稀
薄混合気と混合して稀薄混合気となり、従つて圧
縮行程末期には燃焼室5の頂部には濃い混合気が
集まり、ピストン3頂面近傍には稀薄な混合気が
集まる。斯くして燃焼室5内の混合気は成層化さ
れることになる。燃焼室5の頂部には濃い混合気
が集まつているので点火栓6の周りには濃い混合
気が集まつており、従つて混合気は容易に着火せ
しめられる。このとき燃焼室5内には旋回流が発
生しているので着火火炎が急速に燃焼室5内に広
がる。
前述したように成層化した場合において良好な
燃焼を得るには成層化の度合を高くする必要があ
り、そのためには第3吸気弁9の開弁時期と燃料
噴射弁21の噴射完了時期を適切に定めなければ
ならない。即ち、第3吸気弁9の開弁時期を早く
すると吸気行程の初期から混合気が燃焼室5内に
供給されるために成層化の度合は小さくなつてし
まう。一方、第3吸気弁9の開弁時期を遅くする
と第3吸気弁9が開弁している間に全噴射燃料が
燃焼室5内に流入できず、流入できなかつた燃料
は第3吸気通路14内に滞留して次の吸気行程に
おいて第3吸気弁9が開弁したときに一気に燃焼
室5内に流入する。しかしながらこのように滞留
した燃料が第3吸気弁9の開弁直後に一気に燃焼
室5内に流入すると吸気行程の中間において燃焼
室5内に濃い混合気が形成されるためにもはや成
層化の度合を高めることはできない。本考案者に
よる実験によれば第3吸気弁9の開弁時期を吸気
行程のほぼ中央に設定すると最も成層化の度合を
高めることができることが判明しており、従つて
本考案においては第3吸気弁9の開弁時期が吸気
行程のほぼ中央に設定されている。
次に、上述したように噴射燃料が第3吸気通路
14内に滞留すると良好な成層化を得ることがで
きず、また加速応答性も悪化するので噴射された
全燃料を吸気行程のうちに燃焼室5内に流入せし
める必要がある。この場合、あまり早く燃料噴射
を行なうと第3吸気通路14内に燃料が滞留し、
この滞留した燃料が第3吸気弁9の開弁時に燃焼
室5内に流入するために成層化の度合が小さくな
つてしまう。即ち、燃料噴射時期はできるだけ遅
らすことが必要なのである。ところで本考案者の
実験によれば第6図の鎖線Cで示されるほぼ吸気
下死点(BDC)までに噴射燃料が第3吸気通路
14の内壁面或いは第3吸気弁9のかさ部背面に
達していれば全噴射燃料を燃焼室5内に供給でき
ることが判明している。燃料噴射弁21から噴射
された燃料が例えば第3吸気弁9のかさ部背面に
達するには或る時間を要し、この時間はほぼ一定
であるがこの時間をクランク角に換算すると機関
回転数に応じて変化することになる。即ち、噴射
燃料が第3吸気弁9のかさ部背面に達するまでの
クランク角は機関回転数が高くなるほど大きくな
る。従つて最後に噴射された燃料が吸気下死点付
近において第3吸気弁9のかさ部背面に達するよ
うにするには燃料噴射弁21の噴射完了時期を機
関回転数の増大に応じて早めなければならない。
また、噴射された燃料が第3吸気弁9のかさ部背
面に達するまでの時間は第3吸気通路14内を流
れる吸入空気の流速によつても変化する。即ち、
機関回転数が高くなれば第3吸気通路14内を流
れる吸入空気の流速が速くなり、従つて吸入空気
の流速という点からだけみれば機関回転数が高く
なるにつれて噴射完了時期を遅らせる必要があ
る。
吸入空気の流速を考慮した最適の燃料噴射完了
時期が第6図の曲線Dで示される。なお、第6図
において縦軸Nは機関回転数を示し、横軸θはク
ランク角を示す。曲線Dからわかるようにクラン
ク角θで表わした噴射完了時期は概略的に云うと
機関回転数Nの増大に伴なつて早められる。しか
しながら機関回転数Nが高くなると第3吸気通路
14内を流れる吸入空気の流速が速くなるために
機関回転数Nの増大に対する噴射完了時期の変化
量は小さくなる。第6図の曲線Dで示すクランク
角において燃料噴射が完了すれば機関回転数Nに
かかわらずに最後に噴射された燃料が吸気下死点
付近において第3吸気弁9のかさ部背面に達し、
斯くして全燃料が第3吸気弁9の開弁機関中に燃
焼室5内に供給されると共に吸気行程末期に多量
の混合気が燃焼室5内に供給されるために成層化
の度合を高めることができる。なお、第6図にお
いてγ0は噴射完了時期から吸気下死点までの制御
時間を示し、γは燃料噴射期間を示す。
一方、機関高負荷運転時には吸気制御弁19が
全開せしめられると共に噴射燃料が予め定められ
た割合だけ増量せしめられる。吸気制御弁19が
全開すると第1吸気通路12から供給される吸入
空気に加えて流路抵抗の小さな第2吸気通路13
からも吸入空気が供給されるために充填効率が高
められる。また、このとき噴射完了時期は第6図
の鎖線Eで示すように第1吸気弁7および第2吸
気弁8が開弁するすこし前設定される。第6図の
γ′はこのときの燃料噴射機関を示している。この
ように噴射完了時期が早められると前述したよう
に第3吸気通路14に噴射燃料が滞留し、この噴
射燃料が第3吸気弁9の開弁時に燃焼室5内に供
給されるために成層化の度合が低くなる。更に、
第3吸気通路14内に滞留した燃料が第1吸気通
路12および第2吸気通路13内を流れる吸入空
気流によつて第1吸気通路12および第2吸気通
路13内に吸い出されるために第1吸気通路12
および第2吸気通路13からも混合気が燃焼室5
内に供給されることになる。従つて高負荷運転時
には成層化の度合が極度に弱められて均一に近い
混合気が燃焼室5内に形成されるため噴射燃料が
一定割合だけ増量せしめられても点火栓6の周り
が極度に過濃となることはない。従つて良好な着
火性を確保することができ、噴射燃料が増量せし
められることによつて高出力を得ることができ
る。
なお、第1吸気弁7に加えて第3吸気弁9を設
けただけでも第1吸気弁7のみを有する場合に比
べて充填効率を高めることができるが第3吸気弁
9の開弁時期が遅くしかも開弁時期が短かいため
に充填効率をさほど高めることはできない。しか
しながら本考案では第3吸気弁9よりも弁径の大
きな第2吸気弁8を設けて高負荷運転時にこの第
2吸気弁8からも吸入空気を供給するようにして
いるので高負荷運転時に高い充填効率を得ること
ができ、従つて高い出力を得ることができる。こ
れは第4図に示すように吸気弁8,9の配列を変
えた場合でも同様である。また、第3図に示すよ
うに第2吸気弁8の弁径を第1吸気弁7の弁径よ
りも大きくすることによつて吸入空気流に対する
流れ抵抗が更に小さくなるので充填効率を更に向
上することができる。
次に第7図および第8図に示すフローチヤート
を参照しつつ燃料噴射弁21および吸気制御弁1
9の制御について説明する。
第7図を参照すると、まず始めにステツプ70に
おいて機関回転数Nを表わすクランク角センサ4
3の出力信号、および吸入空気量Qを表わすエア
フローメータ24の出力信号CPU54内に取込
み、ステツプ71においてQ/Nを計算する。この
Q/Nは一サイクル当りに各気筒に吸入される空
気量を表わしており、従つてQ/Nは機関負荷に
相当する。次いでステツプ72では基本燃料噴射パ
ルス巾γpがγp=K1・Q/Nなる式から求められ
る。ここでK1は定数である。次いでステツプ73
ではスロツトルスイツチ27がオンであるか否か
が判別される、即ちスロツトル弁25がほぼ全開
であるが否かが判別される。スロツトル弁25が
ほぼ全開でない場合にはステツプ74に進んで機関
回転数Nが予め定められた回転数No、例えば
3000r.p.mよりも大きいか否かが判別される。N
≦Noの場合にはステツプ75に進んで電磁制御弁
35を消勢すべきデータが出力ポート56に出力
される。このとき負圧アクチユエータ30の負圧
室32は電磁切換弁35を介して負圧タンク36
に連結され、その結果ダイアフラム31が負圧室
32側に移動して吸気制御弁19が全閉せしめら
れる。次いでステツプ76では前述した噴射完了時
期から吸気下死点までの制御時間γ0が計算され
る。第9図は制御時間γ0と機関回転数Nとの関係
を示しており、第9図に示す関係は関数或いはデ
ータテーブルの形で予めROM52内に記憶され
ている。次いでステツプ77では増量係数K2を1.0
とし、ステツプ78に進む。ステツプ78では燃料噴
射パルス巾γがγ=K2・K3・γp+γrなる式から
計算される。ここでK3は補正係数であり、γr
無効噴射時間である。次いでステツプ79では燃料
噴射弁21の噴射開始時期θ1がθ1=θ0−(γ+γ0
なる式から計算される。こここでθ0は吸気下死点
のクランク角を示す。γは燃料噴射が行なわれる
クランク角度、γ0はクランク角度で表わした制御
時間を示しており、従つてステツプ79では吸気下
死点を基準とした噴射開始クランク角θ1が計算さ
れる。次いでステツプ80ではθ2=θ0−γ0なる式か
ら吸気下死点を基準とした噴射完了クランク角θ2
が計算される。次いでステツプ81では斯くして計
算された噴射時間クランク角θ1および噴射完了ク
ランク角θ2がRAM53に記憶される。
一方、ステツプ73においてスロツトルスイツチ
27がオンであると判別されたとき、又はステツ
プ74においてN>N0であると判別されたとき
はステツプ82に進む。ステツプ82では電磁切換弁
35を付勢すべきデータが出力ポート56に出力
される。このとき負圧アクチユエータ30の負圧
室32は電磁切換弁35を介して大気に開放され
るためにダイアフラム31は大気圧室33側に移
動し、斯くしてこのとき吸気制御弁19は全開せ
しめられる。次いでステツプ83では制御時間γ0
一定値Gが入れられる。この一定値Gは第6図に
示されるように第1吸気弁7および第2吸気弁8
が開弁する少し前のクランク角Eから吸気下死点
Cまでのクランク角度である。次いでステツプ84
では増量係数K2が求められる。この増量係数K2
は第10図に示すようにQ/NとNとにより定ま
り、第8図に示す各増量係数K11…Knoはマツプ
の形で予めROM52内に記憶されている。この
増量係数K2は1.0よりも大きく、しかもQ/Nお
よびNが大きくなるにつれて大きくなる。次いで
ステツプ78では燃料噴射パルス巾γが求められる
がK2が1.0よりも大きいために燃料が増量される
ことになる。また、ステツプ80においては噴射完
了クランク角θ2が求められるがγ0が一定値Gであ
るので燃料噴射完了時期は第1吸気弁7および第
2吸気弁8が開弁するすこし前のクランク角に固
定されることになる。
第8図は燃料噴射処理ルーチンを示す。このル
ーチンは時間割込みによつて行なわれる。第8図
を参照するとまず始めにステツプ90においてクラ
ンク角センサ42,43の出力パルスから現在の
クランク角CAが計算される。次いでステツプ91
では現在のクランク角CAがRAM53に記憶さ
れた噴射開始クランク角θ1であるか否かが判別さ
れ、噴射開始クランク角θ1であればステツプ92に
進んで燃料噴射を開始すべきデータが出力ポート
56に出力されて燃料噴射弁21からの燃料噴射
が開始される。一方、噴射開始クランク角θ1でな
い場合にはステツプ93に進んで現在のクランク角
CAが噴射完了クランク角θ2であるか否かが判別
され、噴射完了クランク角θ2であればステツプ94
に進んで燃料噴射を停止すべきデータが出力ポー
ト56に出力されて燃料噴射弁21からの燃料噴
射が停止される。
従つて第7図に示すフローチヤートからわかる
ようにスロツトル弁25の開度が予め定められた
開度よりも小さくかつ機関回転数が予め定められ
た回転数N0よりも低いときには吸気制御弁19
が閉弁せしめられ、燃料噴射が第6図に曲線Dで
示す時期に完了せしめられる。その結果、前述し
たように成層化の度合が高くなり、斯くして良好
な燃焼を得ることができる。また、第3吸気弁9
が開弁すると第3吸気通路14内を吸入空気が流
れるので噴射燃料の気化が促進され、斯くして良
好な着火性を確保することができる。一方、スロ
ツトル弁25がほぼ全開するか又は機関回転数N
が予め定められた回転数N0よりも高いときは吸
気制御弁19が全開せしめられ、燃料噴射が第6
図の鎖線Eで示す一定時期に完了せしめられる。
その結果、前述したように成層化の度合が弱めら
れてほぼ一様な混合気が燃焼室5内に形成され
る。またこのときには燃料が増量されて平均空燃
比が小さくなるが成層化の度合が弱められるため
に点火栓6周りの混合気が過濃になることはな
く、斯くして良好な着火性を確保することができ
る。更に平均空燃比が小さくなりしかも充填効率
が高められるので高出力が得られることになる。
〔考案の効果〕
部分負荷運転時には燃焼室内の成層化の度合を
高めることができるので平均空燃比が25から30と
いつた稀薄混合気を用いても良好な燃焼を得るこ
とができる。一方、高負荷運転時には弁径の大き
な第2吸気弁を介して吸入空気が燃焼室内に供給
されるので充填効率が高められ、斯くして高出力
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は内燃機関の側面断面図、第2図は第1
図の平面断面図、第3図は別の実施例の平面断面
図、第4図は更に別の実施例の平面断面図、第5
図は内燃機関の全体図、第6図は吸気弁の開弁期
間と噴射完了時期を示す線図、第7図は噴射開始
クランク角および噴射完了クランク角を求めるフ
ローチヤート、第8図は燃料噴射処理のためのフ
ローチヤート、第9図は制御時間と機関回転数の
関係を示す線図、第10図はROMに記憶された
増量係数を示す線図である。 5……燃焼室、6……点火栓、7……第1吸気
弁、8……第2吸気弁、9……第3吸気弁、12
……第1吸気通路、13……第2吸気通路、14
……第3吸気通路、19……吸気制御弁、21…
…燃料噴射弁。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 第1吸気弁、第2吸気弁および第3吸気弁から
    なる3個の吸気弁と、第1吸気通路、第2吸気通
    路および第3吸気通路からなる3個の吸気通路と
    を具備し、燃焼室内に旋回流を発生させるための
    第1吸気通路が第1吸気弁を介して燃焼室内に連
    結され、第2吸気弁を介して燃焼室内に連結され
    た第2吸気通路内に機関高負荷運転時に開弁する
    吸気制御弁を配置し、第3吸気弁を介して燃焼室
    内に連結された第3吸気通路内に燃料噴射弁を配
    置し、第1吸気弁および第2吸気弁が吸気行程の
    上死点付近から圧縮行程始めまで開弁すると共に
    第3吸気弁が吸気行程の中央付近から圧縮行程始
    めまで開弁する燃料噴射式内燃機関において、第
    1吸気弁および第2吸気弁の弁径を第3吸気弁の
    弁径よりも大きくすると共に燃料噴射弁の燃料噴
    射完了時期を機関回転数が増大するにつれて吸気
    行程末期から吸気行程始めに向けて徐々に早める
    ようにした複数吸気弁を具えた燃料噴射式内燃機
    関。
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