JP3661769B2 - 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 - Google Patents
筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3661769B2 JP3661769B2 JP2000309454A JP2000309454A JP3661769B2 JP 3661769 B2 JP3661769 B2 JP 3661769B2 JP 2000309454 A JP2000309454 A JP 2000309454A JP 2000309454 A JP2000309454 A JP 2000309454A JP 3661769 B2 JP3661769 B2 JP 3661769B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- mode
- switching
- correction coefficient
- parameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/12—Other methods of operation
- F02B2075/125—Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Landscapes
- Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に搭載される筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの出力等を制御する制御装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
近年、自動車等に搭載される燃料噴射火花点火式内燃エンジンから排出される有害ガス成分の低減や同エンジンの燃費の向上等を図るため、内燃エンジンに燃料を供給する方法として、旧来の吸気管噴射型に代えて燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射型のものを採用したエンジン(以下、筒内噴射ガソリンエンジン)が種々提案されている。
【0003】
筒内噴射ガソリンエンジンは、点火プラグの周囲やピストンに設けたキャビティ内に局所的に理論空燃比に近い空燃比の混合気を層状に供給することにより、全体として燃料希薄(リーン)な空燃比でも着火が可能となり、COやHCの排出量が減少すると共に、アイドル運転時や定常走行時の燃費を大幅に向上させることができるという長所を有している。更に、筒内噴射ガソリンエンジンは、燃料噴射量を増減させる際に、吸気管による移送遅れがないため、加減速レスポンスも非常によくなるという利点を有している。しかしながら、高負荷には燃料噴射量が増えて点火プラグ近傍が燃料過濃(リッチ)になり、全体空燃比(平均空燃比ともいう)を理論空燃比側に近づけると所謂リッチ失火が生じ、安定した作動領域が狭いという欠点を有している。これは、燃料噴射弁の単位時間当たりの噴射量や噴射方向を可変にすることが難しいために、点火プラグ近傍の局所的空燃比をエンジン作動域の全域に亘って最適値に保つことが困難である、等に起因する。
【0004】
このような欠点を解決するために、負荷に応じて適切なタイミングで燃料噴射を行うと共に、燃焼室の形状をこれに合わせて設計したものもが、例えば、特開平5−79370号公報に提案されている。より詳しくは、負荷に応じ、圧縮行程時に燃料を噴射させる後期噴射モードと、吸気行程時に燃料噴射を行う前期噴射モードとに切り換える方法が提案されている。この従来提案の筒内噴射ガソリンエンジンは、低中負荷運転時には、圧縮行程末期や吸気行程の初期にキャビティ内に燃料を噴射し、点火プラグの周囲やキャビティ内に局所的に理論空燃比に近い空燃比の混合気を形成させる。これにより、全体としてリーンな空燃比でも着火が可能となり、COやHCの排出量が減少すると共に、アイドル運転時や定常走行時の燃費が大幅に向上する。また、高負荷運転時には、吸気行程中にキャビティ外に燃料を噴射し、燃焼室内に均一な空燃比の混合気を形成させる。これにより、吸気管噴射型のものと同等量の燃料を燃焼させることが可能となり、発進・加速時に要求される出力が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来提案されている筒内噴射エンジンでは、エンジンの安定作動等を考慮して後期噴射モードであっても全体空燃比を極端に大きな値を設定されることはなかった。しかしながら、上述の提案の筒内噴射ガソリンエンジンを用いると、後期噴射モードと前期噴射モードとを切り換えることによって、後期噴射モードでは、全体空燃比を極めて大きい値、例えば25〜40に設定することも可能であり、スロットル弁をバイパスする通路から大量の新気を供給したり、排気ガスを大量に再循環させること(以下、EGRという)によって、アイドル等の低負荷運転時におけるリーン燃焼を可能にし、有害排気ガス成分の排出量の低減と燃費向上を図ることが可能になる。また、新気吸入空気量やEGR量が一定であっても、失火が生じない範囲内で燃料噴射量を調節することにより、全体空燃比を適宜な値に設定することができるし、燃料噴射量は同じであっても新気吸入空気量やEGR量を変化させても全体空燃比を適宜な値に設定することができ、吸入空気量の変化に関わらず出力調整を行うことも可能になる。
【0006】
一方、前記噴射モードにおいても、エンジン運転領域に応じて、全体空燃比を略理論空燃比状態で制御するモード、理論空燃比より燃料リーン側の空燃比状態(例えば全体空燃比で20〜24)で制御するモード、スロットル全開の全負荷時のオープンループで制御するモード等に切り換えることが可能であり、エンジンの運転状態に応じた最適な制御モードを選択することによって排気ガス特性、燃費、出力等の要求特性を満足させ、全体的にみてそれぞれの特性を向上させることが可能である。
【0007】
しかしながら、後期噴射モードにおいて、全体空燃比を極めて大きい値、例えば22〜40に設定して、排気ガス特性や燃費特性を改善させることにすると、このモードでのリッチ側の可能運転域は、せいぜい空燃比で20〜22程度であり、これより燃料過濃にするとリッチ失火が生じたり、スモークの発生の虞がある。このような後期噴射モードから、加速に最適な、例えば理論空燃比制御モード(S−F/Bモード)に制御モードを切り換えたい場合に、モード移行時に上述した理由により空燃比を連続して変化させることができない領域が生じてしまうという問題があり、後期噴射モードから前期噴射モードへのモード切換時にショックが発生してドライバビリティを損なうという問題がある。
【0008】
また、後期噴射モードでは、大量のバイパス空気やEGRを導入するために、後期噴射モードから前期噴射モードへのモード切換時に、燃料噴射量、噴射時期および点火時期等の制御は勿論であるが、バイパス空気量やEGR量の制御も加わり、種々のエンジン運転状態におけるモード間の切り換えを全てスムーズに行わせることが極めて難しかった。
【0009】
本発明は上述の問題に鑑みなされたもので、後期噴射モードと前期噴射モードのモード間の切り換えや、前期噴射モードでも、リーンモードやS−F/Bモード等のモード間の切り換え時に、失火やスモークを生じさせることなく、また、排気ガス特性や燃費を悪化させることなく、切換ショックを防止するようにした筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の請求項1では、燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置において、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果に応じ、主として吸気行程で燃料を噴射するとともに第1の空燃比状態でエンジンを制御すべき第1モードと、主として圧縮行程で燃料を噴射するとともに前記第1の空燃比状態よりも燃料希薄側の第2の空燃比状態でエンジンを制御すべき第2モードとの間でモードを切り換える切換手段と、該切換手段によって切り換えられたモードに応じて、前記燃焼室内の燃焼状態に影響を与えるものであって、燃料噴射終了時期、点火時期、排気ガスを吸気系に再循環される排ガス量、および、前記燃焼室に供給され燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値のうちの少なくとも一つと燃料噴射量とを含む少なくとも2つのパラメータ値を設定する燃焼パラメータ設定手段と、前記燃焼パラメータ設定手段が設定したパラメータ値に基づいて前記内燃エンジンを制御する制御手段と、前記切換手段によりモードが切り換えられたとき、前記燃焼状態に影響を与える特定のパラメータ値を、所定の期間に、前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換前のモードに適合する値から切換後のモードに適合する値に変化させる、モード切換開始時からの時間経過につれて第1の所定値から第2の所定値に変化する仮補正係数値を設定する補正係数設定手段と、前記特定のパラメータ値およびそれ以外のパラメータ値を切換前の値から切換後の値に切り換える際、前記補正係数設定手段が設定した仮補正係数値に応じて、且つ、前記各パラメータ値を連続的に変化させることの可否を決める、前記第1の所定値と第2の所定値の間の第3の所定値に仮補正係数値が達したか否かに基づいて前記各パラメータ値を切り換え、これにより、前記各パラメータ値の切換開始タイミングおよび切換開始以降の前記各パラメータ値の変化速度を、切換前後のモードの種類の組合せに応じて変更する燃焼パラメータ切換手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明では、前記第1モードには、略理論空燃比状態でエンジンを制御する第1副モードが含まれ、前記切換手段は、該第1副モードを含む各モード間を切り換えることを特徴とし、請求項3の発明では、前記第1モードには、理論空燃比よりも燃料希薄側、且つ、前記第2の空燃比状態よりも燃料過濃側の空燃比状態でエンジンを制御する第2副モードが含まれ、前記切換手段は、該第2副モードを含む各モード間を切り換えることを特徴とする。
【0014】
そして、前記燃焼パラメータ切換手段は、前記特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値を保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換後のモードに適合する値に切り換えるように構成してもよいし(請求項4)、前記特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値と前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換後のモードに適合する値の間の、前記仮補正係数値に応じた値に徐々に変化させ、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後のモードに適合する値に切り換えるように構成してもよいし(請求項5)、前記特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値を保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換直前に設定された切換前のモードに適合する値と切換後に設定された切換後のモードに適合する値の間の、前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後、該中間値から前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させて前記切換後のモードに適合する値に到らせるように構成してもよい(請求項6)。
【0015】
そして、前記補正係数演算手段は、前記切換手段によりモードが切り換えられた時点から所定期間が経過した後、前記仮補正係数値を前記第1の所定値から前記第2の所定値に変化させるように構成することもできる(請求項7)。
必要に応じ、前記仮補正係数値が前記第1の所定値から前記第2の所定値に変化する所定の期間を、切り換えられるモードに応じた期間に設定するようにしてもよい(請求項8)。
【0016】
より好適な態様としては、前記特定のパラメータ値として燃料噴射量が選択される(請求項9)。
【0017】
このような態様の制御装置の場合には、前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値に応じ、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に向かって徐々に切り換えるように構成してもよいし(請求項10)、前記切換手段により前記第2モードから前記第1副モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、該仮補正係数値に応じ、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第2モードに適合する値から切換後に設定された第1副モードに適合する値に向かって徐々に切り換え、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後に設定される第1副モードに適合する値に切り換えるように構成してもよいし(請求項11)、前記切換手段により前記第1副モードから前記第2モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1副モードに適合する値に保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1副モードに適合する値と切換後に設定された第2モードに適合する値の間の前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後は該中間値から前記切換後の第2モードに適合する値に向かって、前記仮補正係数値に応じて徐々に切り換えるように構成してもよい(請求項12)。
【0018】
また、前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には燃料噴射終了時期が含まれる場合には、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、燃料噴射終了時期を、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に切り換えるように構成してもよい(請求項13)。
【0019】
前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には点火時期が含まれる場合には、前記切換手段により前記第2モードから第1モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、点火時期を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第2モードに適合する値に保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換直前に設定された第2モードに適合する値と切換後に設定された第1モードに適合する値の間の前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後は該中間値から前記切換後の第1モードに適合する値に向かって徐々に切り換えるように構成してもよく(請求項14)、前記第2モードから前記第1副モードに切り換えられたとき、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後該最大リタード値から前記仮補正係数値に応じて0に向かって徐々に減少させた値に設定される補正リタード量により、前記燃焼パラメータ切換手段により切り換えられた点火時期を補正する点火時期補正手段を備えて構成するようにしてもよい(請求項15)。
【0020】
また、前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には点火時期が含まれる場合には、前記切換手段により前記第1モードから第2モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、点火時期を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1モードに適合する値から切換後に設定された第2モードに適合する値に向かい、前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させ、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後に設定された第2モードに適合する値に切り換えるように構成してもよく(請求項16)、さらに、前記第1副モードから前記第2モードに切り換えられたとき、前記仮補正係数値に応じて0から徐々に増加し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後0に設定される補正リタード量により、前記燃焼パラメータ切換手段により切り換えられた点火時期を補正する点火時期補正手段を備えて構成することもできる(請求項17)。
【0021】
前記第3の所定値は、前記第2モードによりエンジンを制御したとき、燃焼噴射量の増加に伴って生じる失火に関連して設定された値であることが好ましい(請求項18)。
前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には前記燃焼室に供給され、燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値が含まれる場合には、該有効吸気パラメータ値に基づいて少なくとも燃料噴射量が設定され、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、有効吸気パラメータ値を、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に向かい、前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させるように構成してもよい(請求項19)。
【0022】
前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には吸気系に再循環させる排気ガス量が含まれる場合には、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間のモード切換がおこなわれたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、排気ガス量を、モード切換時点で前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に切り換えるように構成してもよく(請求項20)、切換手段により前記第1副モードから第2モードへのモード切換がおこなわれたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、排気ガス量を、モード切換時点から所定期間の経過後に前記切換後のモードに適合する値に切り換えるように構成することが望ましい(請求項21)。
【0023】
また、請求項1の発明において、前記運転状態検出手段は、エンジンの加速状態を検出する加速状態検出手段を有し、該加速状態検出手段によってエンジンの加速状態が検出されたとき、前記切換手段は前記第1モードに強制的に切り換えるように構成してもよく(請求項22)、この場合、前記加速状態検出手段によってエンジンの加速状態の終了が検出されたとき、前記切換手段は、前記運転状態検出手段の検出結果に応じたモードに切り換えるように構成してもよく(請求項23)、前記加速状態検出手段は、吸気通路途中に配設され、運転者の人為的操作によって開閉されるスロットル弁の弁開度を検出するスロットル弁開度検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを備え、該スロットル弁開度検出手段が検出したスロットル弁開度の変化度合が所定値を超えたとき、または、前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数の変化度合が所定値を超えるたときエンジンが加速状態にあると判定するように構成してもよい(請求項24)。そして、前記切換手段により前記第1モードに切り換えられたとき、エンジンを略理論空燃比状態で制御することが望ましく(請求項25)、前記前記第1モードによる燃料噴射は、主として吸入行程で行われることが望ましい(請求項26)。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例を詳細に説明する。
図1は本発明を適用したエンジン制御システムの一実施例を示す概略構成図であり、図2は実施例に係る筒内噴射ガソリンエンジンの縦断面図である。これらの図において、1は自動車用の筒内噴射型直列4気筒ガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す)であり、燃焼室を始め吸気装置やEGR装置等が筒内噴射専用に設計されている。
【0025】
本実施例の場合、エンジン1のシリンダヘッド2には、各気筒毎に点火プラグ3と共に電磁式の燃料噴射弁4も取り付けられており、燃焼室5内に直接燃料が噴射されるようになっている。また、シリンダ6内を摺動して往復動するピストン7の頂面には、上死点近傍で燃料噴射弁4からの燃料噴霧が到達する位置に、半球状のキャビティ8が形成されている(図2)。また、このエンジン1の理論圧縮比は、吸気管噴射型のものに比べ、高く(本実施例では、12程度)設定されている。動弁機構としてはDOHC4弁式が採用されており、シリンダヘッド2の上部には、吸排気弁9,10をそれぞれ駆動するべく、吸気側カムシャフト11と排気側カムシャフト12とが回転自在に保持されている。
【0026】
シリンダヘッド2には、両カムシャフト11,12の間を抜けるようにして、略直立方向に吸気ポート13が形成されており、この吸気ポート13を通過した吸気流が燃焼室5内で後述する逆タンブル流を発生させるようになっている。一方、排気ポート14については、通常のエンジンと同様に略水平方向に形成されているが、斜めに大径のEGRポート15(図2には図示せず)が分岐している。図中、16は冷却水温TW を検出する水温センサであり、17は各気筒の所定のクランク位置(本実施例では、5°BTDCおよび75°BTDC)でクランク角信号SGTを出力するクランク角センサであり、19は点火プラグ3に高電圧を出力する点火コイルである。尚、クランクシャフトの半分の回転数で回転するカムシャフト等には、気筒判別信号SGCを出力する気筒判別センサ(図示せず)が取り付けられ、クランク角信号SGTがどの気筒のものか判別される。
【0027】
図2に示したように、吸気ポート13には、サージタンク20を有する吸気マニホールド21を介して、エアクリーナ22,スロットルボディ23,ステッパモータ式のISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)24を具えた吸気管25が接続している。更に、吸気管25には、スロットルボディ23を迂回して吸気マニホールド21に吸入気を導入する、大径のエアバイパスパイプ26が併設されており、その管路にはリニアソレノイド式で大型のABV(エアバイパスバルブ)27が設けられている。尚、エアバイパスパイプ26は、吸気管25に準ずる流路面積を有しており、ABV27の全開時にはエンジン1の低中速域で要求される量の吸入気が流通可能となっている。一方、ISCV24は、ABV27より小さい流路面積を有しており、吸入空気量を精度よく調整する場合にはISCV24を使用する。
【0028】
スロットルボディ23には、流路を開閉するバタフライ式のスロットルバルブ28と共に、スロットルバルブ28の開度θthを検出するスロットルセンサ29と、全閉状態を検出するアイドルスイッチ30とが備えられている。図中、31は吸気管圧力Pb を検出するブースト圧(MAP:Manifold Absolute Pressure)センサであり、サージタンク20に接続している。
【0029】
一方、排気ポート14には、O2センサ40が取付けられた排気マニホールド41を介して、三元触媒42や図示しないマフラー等を具えた排気管43が接続している。また、EGRポート15は、大径のEGRパイプ44を介して、スロットルバルブ28の下流、且つ、吸気マニホールド21の上流に接続されており、その管路にはステッパモータ式のEGRバルブ45が設けられている。
【0030】
燃料タンク50は、図示しない車体後部に設置されている。そして、燃料タンク50に貯留された燃料は、電動式の低圧燃料ポンプ51に吸い上げられ、低圧フィードパイプ52を介して、エンジン1側に送給される。低圧フィードパイプ52内の燃圧は、リターンパイプ53の管路に介装された第1燃圧レギュレータ54により、比較的低圧(本実施例では、3.0kg/mm2 。以下、低燃圧と記す)に調圧される。エンジン1側に送給された燃料は、シリンダヘッド2に取り付けられた高圧燃料ポンプ55により、高圧フィードパイプ56とデリバリパイプ57とを介して、各燃料噴射弁4に送給される。本実施例の場合、高圧燃料ポンプ55は斜板アキシャルピストン式であり、排気側カムシャフト12により駆動され、エンジン1のアイドル運転時にも50 kg/mm2 以上の吐出圧を発生する。デリバリパイプ57内の燃圧は、リターンパイプ58の管路に介装された第2燃圧レギュレータ59により、比較的高圧(本実施例では、50 kg/mm2 。以下、高燃圧と記す)に調圧される。図中、60は第2燃圧レギュレータ59に取付けられた電磁式の燃圧切換弁であり、オン状態で燃料をリリーフして、デリバリパイプ57内の燃圧を所定値(例えば、3.0kg/mm2 )に低下させる。また、61は高圧燃料ポンプ55の潤滑や冷却等を行った燃料を燃料タンク50に還流させるリターンパイプである。
【0031】
車室内には、ECU(電子制御ユニット)70が設置されており、このECU70には図示しない入出力装置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,不揮発性RAM等),中央処理装置(CPU),タイマカウンタ等が具えられ、エンジン1の総合的な制御を行っている。
ECU70の入力側には、作動時にエンジン1の負荷となるエアコン装置、パワーステアリング装置、自動変速装置等の作動状況を検出するスイッチ類、すなわち、エアコンスイッチ(A/C・SW)33、パワーステアリングスイッチ(P/S・SW)34、インヒビタスイッチ(INH・SW)35等が夫々接続され(図6参照)、各検出信号をECU70に供給している。尚、ECU70には、上述した各種のセンサ類やスイッチ類の他に、図示しない多数のスイッチやセンサ類が入力側に接続されており、出力側にも各種警告灯や機器類等が接続されている。
【0032】
ECU70は、上述した各種センサ類及びスイッチ類からの入力信号に基づき、燃料噴射モードや燃料噴射量を始めとして、点火時期やEGRガスの導入量等を決定し、燃料噴射弁4、点火コイル19,EGRバルブ45等を駆動制御する。
次に、エンジン制御の基本的な流れを簡単に説明する。
【0033】
冷機時において、運転者がイグニッションキーをオン操作すると、ECU70は、低圧燃料ポンプ51と燃圧切換弁60をオンにして、燃料噴射弁4に低燃圧の燃料を供給する。これは、エンジン1の停止時やクランキング時には、高圧燃料ポンプ55が全く、あるいは不完全にしか作動しないため、低圧燃料ポンプ51の吐出圧と燃料噴射弁4の開弁時間とに基づいて燃料噴射量を決定せざるを得ないためである。次に、運転者がイグニッションキーをスタート操作すると、図示しないセルモータによりエンジン1がクランキングされ、同時にECU70による燃料噴射制御が開始される。この時点では、ECU70は、前期噴射モードを選択し、比較的リッチな空燃比となるように燃料を噴射する。これは、冷機時には燃料の気化率が低いため、後期噴射モード(すなわち、圧縮行程)で噴射を行った場合、失火や未燃燃料(HC)の排出が避けられないためである。また、ECU70は、始動時にはABV27を閉鎖するため、燃焼室5への吸入空気はスロットルバルブ28の隙間やISCV24から供給される。尚、ISCV24とABV27とはECU70により一元管理されており、スロットルバルブ28を迂回する吸入空気(バイパスエア)の必要導入量に応じてそれぞれの開弁量が決定される。
【0034】
始動が完了してエンジン1がアイドル運転を開始すると、高圧燃料ポンプ55が定格の吐出作動を始めるため、ECU70は、燃圧切換弁60をオフにして燃料噴射弁4に高燃圧の燃料を供給する。この際には、当然のことながら、高燃圧と燃料噴射弁4の開弁時間とに基づいて燃料噴射量が決定される。そして、冷却水温TW が所定値に上昇するまでは、ECU70は、始動時と同様に前期噴射モードを選択して燃料を噴射すると共に、ABV27も継続して閉鎖する。また、エアコン等の補機類の負荷の増減に応じたアイドル回転数の制御は、吸気管噴射型と同様にISCV24(必要に応じてABV27も開弁される)によって行われる。更に、所定サイクルが経過してO2センサ40が活性温度に達すると、ECU70は、O2センサ40の出力電圧に応じて空燃比フィードバック制御を開始し、有害排出ガス成分を三元触媒42により浄化させる。このように、冷機時においては、吸気管噴射型と略同様の燃料噴射制御が行われるが、吸気管13の壁面への燃料滴の付着等がないため、制御の応答性や精度は高くなる。
【0035】
エンジン1の暖機が終了すると、ECU70は、吸気管圧力Pb やスロットル弁開度θth等から得た筒内有効圧(目標平均有効圧)Pe とエンジン回転速度Ne とに基づき、図3の燃料噴射制御マップから現在の燃料噴射制御領域を検索し、燃料噴射モードと燃料噴射量とを決定して燃料噴射弁4を駆動する他、ABV27やEGRバルブ45の開弁制御等も行う。
【0036】
例えば、アイドル運転時等の低負荷・低回転運転時には図3中の後期噴射リーン域となるため、ECU70は、後期噴射モード(これを後期リーンモードともいう)を選択すると共にABV27及びEGRバルブ40を運転状態に応じて開弁し、リーンな空燃比(本実施例では、20〜40程度)となるように燃料を噴射する。この時点では燃料の気化率が上昇すると共に、図4に示したように吸気ポート13から流入した吸気流が矢印で示す逆タンブル流80を形成するため、燃料噴霧81がピストン7のキャビティ8内に保存される。その結果、点火時点において点火プラグ3の周囲には理論空燃比近傍の混合気が形成されることになり、全体として極めてリーンな空燃比(例えば、全体空燃比で40程度)でも着火が可能となる。これにより、COやHCの排出が極く少量になると共に、排気ガスの還流によってNOxの排出量も低く抑えられる。そして、ABV27及びEGRバルブ40を開弁することによるポンピングロスの低減も相俟って燃費が大幅に向上する。そして、負荷の増減に応じたアイドル回転数の制御は、燃料噴射量を増減させることにより行うため、制御応答性も非常に高くなる。
【0037】
尚、後期噴射モードにおいては、噴射弁4から噴射された燃料噴霧が前述した逆タンブル流に乗って、点火プラグ3に到達しなければならないし、到達して点火時点までに燃料が蒸発して点火容易な混合気が形成されていなければならない。平均空燃比が20以下になると点火プラグ3近傍において局所的にオーバリッチな混合気が生成されて所謂リッチ失火が生じる一方、40以上になると希薄限界を超えてやはり失火(所謂リーン失火)が生じる。このため、燃料噴射開始及び終了のタイミングが正確に制御されると共に、平均空燃比が20〜40の範囲になるように設定され、この範囲を超える場合には、後述する前期噴射モード等に切り換えられる。
【0038】
また、低中速走行時は、その負荷状態やエンジン回転速度Ne に応じて、図3中の前期噴射リーン域あるいはストイキオフィードバック域(理論空燃比フィードバック制御域、これをS−F/B域ともいう)となるため、ECU70は、前期リーンモード又はS−F/Bモード(この2つのモード及び後述するオープンループ制御モードを総称して前期噴射モードという)を選択すると共に、所定の空燃比となるように燃料を噴射する。
【0039】
すなわち、前期リーンモードでは、比較的リーンな空燃比(本実施例では、20〜23程度)となるようにABV27の開弁量と燃料噴射量とを制御し、S−F/Bモードでは、ABV27とEGRバルブ45とを開閉制御すると共に、O2センサ40の出力電圧に応じて空燃比フィードバック制御を行う。この場合も、図5に示したように吸気ポート13から流入した吸気流が逆タンブル流80を形成するため、燃料噴射開示時期又は終了時期を調整することにより前期噴射リーン域においても、逆タンブルによる乱れの効果でリーンな空燃比でも着火が可能となる。尚、ECU70は、この制御領域でもEGRバルブ45を開弁し、燃焼室5内に適量のEGRガスを導入することにより、リーンな空燃比において発生するNOxが大幅に低減する。また、S−F/B域では、比較的高い圧縮比により大きな出力が得られると共に、有害排出ガス成分が三元触媒42により浄化される。
【0040】
そして、急加速時や高速走行時は図3中のオープンループ制御域となるため、ECU70は、前期噴射モードを選択すると共にABV27を閉鎖し、スロットル弁開度θthやエンジン回転速度Ne 等に応じて、比較的リッチな空燃比となるように燃料を噴射する。この際には、圧縮比が高いことや吸気流が逆タンブル流80を形成することの他、吸気ポート13が燃焼室5に対して略直立しているため、慣性効果によっても高い出力が得られる。
【0041】
更に、中高速走行中の惰行運転時は図3中の燃料カット域となるため、ECU70は、燃料噴射を完全に停止する。これにより、燃費が向上すると同時に、有害排出ガス成分の排出量も低減される。尚、燃料カットは、エンジン回転速度Ne が復帰回転速度より低下した場合や、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ場合には即座に中止される。
【0042】
次に、本発明に係わり、目標平均有効圧情報によって設定されるエンジン燃焼室内の燃焼状態に影響を与えるパラメータ値、すなわち、燃料噴射弁4の開弁時間Tinj 、点火時期Tig、EGRバルブ45の開弁量Legr 等の設定手順を説明すると共に、後期リーンモードとS−F/Bモード間、前期リーンモードとS−F/Bモード間、および前期リーンモードと後期リーンモード間のモード切換を例に、それらのモード切換時の制御手順について説明する。
【0043】
図6は、目標平均有効圧Peが算出され、この目標平均有効圧Peに応じて目標A/F、噴射終了時期Tend 、基本点火時期θB 、EGRバルブ45の弁開度Legr 等が演算される手順を示すブロック図であり、図14ないし図25は、エンジン制御モードを判別してそのモードへ移行するための制御手順、およびそのモードでの制御手順を示すフローチャートである。そこで、このフローチャートを追って本発明のエンジン制御手順を順次説明する。なお、図14ないし図22に示す燃焼パラメータ設定ルーチンは、ECU70によって各気筒の所定クランク角位置を検出する毎に実行される。
【0044】
先ず、ECU70は、図14に示すステップS1ないしステップS8において、制御モードの判定と設定を行う。実行すべき制御モードでの制御内容については図3を参照してその概略を説明したのでその詳細説明は省略するが、各種センサやスイッチ類からの検出情報に基づいて実行すべき制御モードが判別される。そして、例えば、ステップS1において後期リーンモードが判別されると(ステップS1の判別結果が肯定(Yes)の場合)、ステップS2において後期リーンモードによる制御を実行すべく各種制御フラグや制御変数が設定される。また、ステップS5において前期リーンモードが判別されると(ステップS5の判別結果が肯定の場合)、ステップS6において前期リーンモードによる制御を実行すべく各種制御フラグや制御変数が設定される。
【0045】
しかしながら、上述のようにステップS2およびステップS6においてそれぞれ後期リーンモードおよび前期リーンモードの制御フラグ等が設定されてたとしても、ECU70はステップS4を実行してエンジン1が加速中であるか否かを判別する。
エンジン1が加速中であるか否かは、スロットルセンサ29が検出するスロットル弁開度θthの前回値と今回値との偏差(時間変化割合)Δθ、及びクランク角センサ17が検出するエンジン回転数Neの前回値と今回値との偏差(エンジン回転数の時間変化割合)ΔNによって判別され、偏差ΔθまたはΔNがそれぞれの所定の判別値(α,β)を超えると加速と判定し、一旦加速と判定された後、偏差ΔθまたはΔNがそれぞれの所定の判別値(α−Δα,β−Δβ)を下回ったら加速終了と判定する。ここに、(Δα,Δβ)は制御を安定させるためにヒステリシス特性を与えるための微小値であり、これらの値は何れも0を含む適宜値に設定することもできる。
【0046】
ステップS4において判別結果が肯定であり、エンジン1が加速中であると判別されると、ステップS8に進み、S−F/Bモードにより加速制御を強制的に実行すべく、設定していた各種制御フラグや制御変数をS−F/Bモードによるものに変更される。そして、上述の加速条件が成立している限りは、繰り返しこのステップS8が実行されて加速制御が行われる。このS−F/Bモードによる加速制御方法については、特に限定されず従来の加速制御方法を用いることができる。なお、加速が一旦判別されると、所定の期間はS−F/Bモードによる制御を実行し、所定期間中に加速解除の条件が成立してもS−F/Bモード制御を継続させることもできる。このようにすると制御が安定し、ドライバビリティも向上する。
【0047】
ステップS4の判別結果が否定(No)の場合、すなわちエンジン1の加速状態が検出されないか、加速終了と判別された場合、ステップS2またはステップS6で設定された制御フラグ等は変更されることなく、判別された通りのモードで制御が行われる。
後期リーンモードでもなく前期リーンモードでもない場合(ステップS1およびステップS5がいずれもNoの場合には前期S−F/Bモードと判定し、前述のステップS8に進んで、S−F/Bモードの各種制御フラグや制御変数を設定する。
【0048】
なお、ステップS2,S6,およびS8において後述するテーリング係数K1,K2,KS,KLがそれぞれ設定されるが、それらの設定値は図26に示すように、モードの移行が判別された時点でモード移行の態様に対応するテーリング係数を値0に設定し、それ以外の場合には各係数値は変更されない。例えば、S−F/Bモードから後期リーンモードへの移行を初めて判別した時点で、テーリング係数K1が値0にリセットされる。また、前期リーンモードからS−F/Bモードへの移行を初めて判別した時点で、テーリング係数KLが値0にリセットされる。
【0049】
このような各種制御フラグ等の設定が終わると、ECU70は図15のステップS10以下のステップに進み、各モードの移行制御やそのモードでの制御を実行するが、これらの制御手順を図27ないし図29の各種制御パラメータ値の時間変化を示すタイミングチャートを参照して説明する。
先ず、説明の都合上、後期リーンモードが実行されている場合(テーリング係数値K1が値1.0 に設定されていると仮定する)から説明すると(図27のt0時点以前)、ECU70は、ステップS10に進み、制御すべきモードが後期モードか前期モードかを判別する。後期モードは後期リーンモードを意味し、前期モードは、前期リーンモードとS−F/Bモードが含まれる。現在のエンジン1の運転モードが上述した通り後期リーンモードであるから、ステップS12に進み、エンジン制御に必要な各種パラメータ値Pe ,Kaf,Tig,Tend ,Legr ,Ev 等を演算する。これらのパラメータ値の演算方法について、図6のブロック図を参照して以下に説明する。なお、ECU70が、エンジン1が後期リーンモード制御を実行すべき運転状態にあると判別していると、図6に示す切換スイッチ70aおよび70bは後期モード側に切り換えられている。
【0050】
先ず、燃料噴射弁4の開弁時間Tinj に関連する各種変数値の演算の説明から始めると、ECU70は、前述した記憶装置に予め記憶されている目標平均有効圧マップ70cから、スロットルセンサ29及びクランク角センサ17によって検出されるスロットル弁開度θthとエンジン回転数Neとに応じた目標平均有効圧Peを算出する。図7は、目標平均有効圧マップの詳細を示し、スロットル弁開度θthとエンジン回転数Neとに応じた、運転者が要求する出力に対応する目標平均有効圧Peij がマッピングされてECU70の記憶装置に記憶されている。これらの各データは、目標平均有効圧情報としてエンジンの台上試験でデータが収集し易い、例えば正味平均有効圧を用いて、実験的に設定された値である。ECU70はこのマップから例えば公知の4点補間法等により、検出されたスロットル弁開度θthとエンジン回転数Neとに応じた最適の目標平均有効圧Peを算出する。
【0051】
なお、この実施例では、目標平均有効圧情報として正味平均有効圧Peを用いたが、エンジンの台上試験でのデータの収集に特に差し障りがなければ種々のものを用いることができ、図示平均有効圧力や正味出力等であってもよい。
ECU70の記憶装置には、作動時にエンジン1の機械的、電気的な負荷となる種々負荷装置、例えばエアコン装置、パワーステアリング装置、変速装置等のための出力補正マップ70d〜70fを備えており、これらの負荷装置の作動を検出するスイッチ33〜35からのオン信号によりエンジン回転数Neに応じた目標平均有効圧補正値が出力される。これらの補正値は加算器70gによってマップ70cから得られた目標平均有効圧Peに加算されてその値を修正する。
【0052】
このようにして算出された目標平均有効圧Peは、一次遅れフィルタ70hによってフィルタリングされ、燃焼パラメータ設定手段である目標空燃比補正係数値Kaf算出マップ70j等に送られる。一次遅れ要素(フィルタ)70hを設ける理由は、筒内燃料噴射を行う場合、噴射量の変化は直ちに出力等の変化となって出現することになる。一方、燃料噴射量を決定するスロットル弁開度θthは、吸入空気量等の検出と比較して遅れなく検出できる検出情報であり、検出した弁開度θthに応じた燃料噴射量を直ちにエンジン1に供給すると、ドライバビリティを損なう虞がある。なお、一次遅れ要素70hは、制御の応答性を優先させる場合等、場合によってはこれを設けなくてもよい。
【0053】
目標空燃比補正係数値算出マップ70jの詳細は図11に示され、各モード毎に、またEGRの有無等に対応して複数枚のマップが準備されており、各マップの詳細は図7に示したものと同様に、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて、予め実験的に設定され、前述した記憶装置に記憶されている。ECU70は目標空燃比補正係数値算出マップ70jから、算出マップ70jに入力された目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じた目標空燃比補正係数値Kafを算出して、後述する開弁時間の演算に使用する。
【0054】
一方、体積効率算出手段70kでは、上述のようにして一次遅れフィルタリングされた目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて体積効率Ev値が算出される。図9は、後期リーンモード制御時に使用される体積効率マップを示し、このマップに示す体積効率マップ値も、図7に示すものと同様に、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて予め実験的に設定され、前述した記憶装置に記憶されている。
【0055】
上述のようにして求めた目標空燃比補正係数値Kaf及び体積効率Evは、次式(F1)に適用され、後述するようなタイミングで燃料噴射弁4の開弁時間Tinj が演算される。
Tinj =K* Pb*Ev* Kaf*(Kwt* Kat*...)*Kg +TDEC...(F1)
ここに、Pb は、ブースト圧センサ31によって検出される吸気管圧力(吸気通路内圧力)であり、Kwt、Kat... 等はエンジン水温Tw 、大気温度Tat、大気圧力Tap等に応じて設定される各種補正係数である。Kg は、噴射弁4のゲイン補正係数、TDEC は、無効時間補正値であり、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて設定される。Kは、燃料量を開弁時間に変換する変換係数であり、定数である。
【0056】
Kafは、エンジン運転状態に応じて設定される。尚、式(F1)は、後期リーンモード制御時に関わらず他のモードにおいても適用され、上述した種々の補正係数の内、空燃比補正係数値Kafは、後述する後期リーンモードとS−F/Bモード間等のモード移行時には後述する方法により設定され、S−F/Bモード制御時には、O2センサ40の出力電圧に応じて設定され、他のモードにおいてもそのモードに最適な値に設定される。また、体積効率Ev は、各モードにおいて設定される値が使用されることは勿論のことである。
【0057】
なお、上式(F1)において開弁時間Tinj の演算に使用される体積効率Evは、各燃焼室5に供給され、単位吸気行程当たり(一気筒当たり)の、燃焼に関わることのできる酸素量に関連した指標であり、類似の指標としては充填効率、吸気効率等があり、体積効率Evに代えてこれらの指標を使用することもできる。また、体積効率Evと吸気管圧Pbとで求められる値は、単位吸気行程当たり吸入空気量に関連しており、体積効率Evや吸気管圧Pbを使用する代わりに、エアフローセンサで検出される空気流量とエンジン回転数とで直接求められる単位吸気行程当たり吸入空気量(A/N)を用いることができる。これら、体積効率、充填効率、単位吸気行程当たり吸入空気量(A/N)等を総称して有効吸気パラメータという。
【0058】
このように算出した開弁時間Tinj は、所定のタイミングで燃料噴射弁4を駆動するインジェクタ駆動回路(図示せず)に送られる。
次に、噴射終了時期Tend の設定について説明すると、ECU70は、図6に示す噴射終了時期設定手段(燃焼パラメータ設定手段)70mにおいて、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じ、当該制御モードに好適な噴射終了時期Tend を設定している。後期リーンモードにおける燃料噴射の噴射終了時期を遅らせると、噴射された燃料噴霧が十分に蒸発するための期間が確保されず、黒煙の発生を招く。逆に早や過ぎると噴射された燃料が筒壁に衝突する等により最適混合気が形成されず失火を招く虞がある。この噴射終了時期Tend は、制御モード毎に、あるいはEGR等の有無に応じてそれぞれ予め実験的に最適値に設定されてマッピングされている。目標平均有効圧Pe等に応じて設定された噴射終了時期Tend は、更にエンジン水温等による補正が行われて前述のインジェクタ駆動回路に供給される。インジェクタ駆動回路では、供給された噴射終了時期Tend と開弁時間Tinj とに基づいて噴射開始時期を演算し、演算した噴射開始時期になると噴射すべき気筒の燃料噴射弁4に開弁時間Tinj に応じた期間に亘って駆動信号を出力する。
【0059】
点火時期Tigは、ECU70によって次式(F2)に基づいて演算される。
Tig=θB +(各種リタード補正量) ... (F2)
上式の基本点火時期θB は、図6の点火時期設定手段(燃焼パラメータ設定手段)70nにおいて算出される。図12は、点火時期設定手段70nの構成の概略を示し、各モード毎に、また、EGRの有無等の運転状態毎に複数枚の基本点火時期設定マップを有している。後期リーンモード制御時においては、前述した目標平均有効圧マップ70cでスロットル弁開度θthに応じて設定された目標平均有効圧Peが点火時期設定手段70nに供給され、この目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じた基本点火時期θB が、後期リーンモード用マップから算出される。
【0060】
各種リタード量には、エンジン水温補正値等の通常の補正値の他に、後期リーンモードとS−F/Bモード間の移行時には後述する移行時リタード補正値R1(K), R2(K)が含まれている。移行時リタード補正値R1(K), R2(K)は、移行時以外においては値0に設定されている。後期リーンモード制御時の点火時期は、最適混合気が点火プラグ3に到達する時点に設定され、この設定時期が最適点火時期になる。
【0061】
上述のように設定された点火時期Tigは点火コイル駆動回路(図示せず)供給されて、設定された点火時期Tigに対応する時点で、点火すべき気筒の点火プラグ3に高電圧を印加して点火させる。
EGRバルブ45の弁開度Legr は、図6のEGR量設定手段(燃焼パラメータ設定手段)70pにおいて算出される。図13は、EGR量設定手段70pの構成の概略を示し、排気ガスを再循環させるべき運転モード毎に、また、変速装置の選択位置(DレンジかNレンジ)等に応じて複数枚のEGR弁開度マップを有している。弁開度Legr の算出においては、前述した目標平均有効圧マップ70cでスロットル弁開度θthに応じて設定された目標平均有効圧Peに一次遅れフィルタリング処理をせず、設定された目標平均有効圧Peを単にローパスフィルタ70q を介してEGR量設定手段70pに供給し、この目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じた弁開度Legr が、後期リーンモード用マップから算出される。
【0062】
排気ガスがEGRバルブ45を介してエンジン1に供給されるとき、変更された弁開度に見合うEGR量がエンジン1に供給されるには大きなタイムラグが生じる。このようなタイムラグを考慮すると逸早く運転状態に最適なEGR量を演算した方がよいので、目標平均有効圧マップ70cで設定した目標平均有効圧Peを遅れなくEGR量設定手段70pに供給される。
【0063】
上述のようにして算出された弁開度Legr は、エンジン水温補正等の補正を行った後、EGR駆動回路(図示せず)に供給され、弁開度Legr に対応する弁駆動信号をEGRバルブ45に出力するように構成されている。
図15のステップS12に戻り、上述のように各種燃焼パラメータ値等の算出が終わると、図16のステップS20に進む。このステップでは、テーリング係数K1が値1.0 であるか否かを判別する。このテーリング係数K1は、前述した通り、後期リーンモードへの移行が完了し、そのモードで制御されている場合には値1.0 である。現在のエンジン運転状態は完全移行後の後期リーンモードによる制御が行われているので、テーリング係数K1は値1.0 に設定されており、ステップS21に進んで後期モードから前期モードへの移行のための準備をおこなう。移行の準備としては、移行のための制御変数の初期値の設定、及び前記ステップS12で算出され、現在の後期リーンモード制御で使用する各種補正係数値Kafや燃焼パラメータ値Tig、Tend 、EV 、目標平均有効圧Pe等を記憶しておく。移行のための制御変数としては、無効期間カウンタTd2とブースト圧遅れカウンタCNT2があり、前者のカウンタTd2には初期値として目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて設定される値f2(Ne,Pe)が、後者のカウンタCNT2には値XN2がそれぞれ設定される。なお、上述の制御変数値の初期化や補正係数値Kaf等の記憶値は、このステップS21が実行される毎に新しい値に更新される。
【0064】
ステップS21での制御変数等の初期値の設定が終わると、ステップS22に進み、後期噴射セットルーチンを実行し、前述した燃料噴射制御、点火時期制御、EGR量制御等の各種制御を行う。
次に、エンジン1の運転状態が変化し、後期リーンモードからS−F/Bモードに移行したと判断された場合を想定すると、前述した図14のステップS8においてテーリング係数K2が、図26に示されるように値0に設定される(図27のt0時点)。このような場合、ECU70は図15のステップS10で前期モードを判定した後、ステップS14を実行し、前述したステップS12と同じようにして各種燃焼パラメータ値Pe ,Kaf,Tig,Tend ,Legr ,Ev 等を演算する。
【0065】
この場合、図6に示す切換スイッチ70a,70bは、後述するタイミングで前期モードに切り換えられ、目標平均有効圧Peは第2算出マップである目標平均有効圧マップ70rによって算出される。前期リーンモードやS−F/Bモードでは通常の吸気管噴射型と同様に、運転者が要求するエンジン負荷は吸気管圧Pbに略対応しており、検出される吸気管圧Pb自体に一次遅れ要素を有している。従って、スロットル弁開度θthで目標平均有効圧Peを設定する場合のように一次遅れ処理を必要としないので、この吸気管圧Pbが目標平均有効圧Peの設定に使用される。ブーストセンサ31によって検出された吸気管圧Pbは、目標平均有効圧マップ70rに供給され、この吸気管圧Pbとエンジン回転数Neとに応じた目標平均有効圧Peが演算される。目標平均有効圧Peの演算の仕方は、目標平均有効圧マップ70cの場合と同様であり、このマップ70rには図8に示すような、図7に示すものと類似のマップが、EGRの有無等のエンジン運転状態に応じて必要な枚数だけ準備されている。
【0066】
なお、このような前期モードでは、吸気管圧Pbに代えて、エアフローセンサで検出した新気吸入空気量等を用いるようにしてもよい。また、エンジン1が吸入する空気量の体積効率Ev を吸気管圧Pb又はエアフローセンサで検出した新気吸入空気量等に基づいて求め、求めた体積効率Ev とエンジン回転数Neとに応じて目標平均有効圧Peを算出することもできる。
【0067】
目標平均有効圧Peが算出されると、この目標平均有効圧Peは目標空燃比補正係数値算出マップ70j、噴射終了時期設定手段70m、点火時期設定手段70n、EGR量設定手段70pにそれぞれ供給され、運転状態に応じたマップを使用して目標A/F,Tend ,Legr が演算される。
また、体積効率算出手段70kにもブーストセンサ31が検出した吸気管圧Pbが供給され、体積効率Evも図10に示す、図7に示すものと類似のマップを使用して、吸気管圧検出Pbとエンジン回転数Neとに応じた体積効率Evが演算される。この場合にも、体積効率Ev の算出には、吸気管圧Pbに代えて、エアフローセンサで検出した新気吸入空気量等を用いるようにしてもよい。
【0068】
そして、上述のようにして求めた目標A/Fと体積効率Evを前式(F1)に適用して、後期リーンモードで求めたと同様にして燃料噴射弁4の開弁時間Tinj が演算される。
図15のステップS14に戻り、上述のように各種の燃焼パラメータ値等の算出が終わると、図19のステップS50に進む。このステップでは、テーリング係数K2が値1.0 であるか否かを判別する。このテーリング係数K2は、前述した通り、後期リーンモードへの移行直後であるから、値0に設定されており、従って、ステップS50の判別結果はNoであり、ステップS51以降のステップを実行して後期リーンモードからS−F/Bモードへの移行処理を行う。なお、テーリング係数K2は、移行処理が完了すると値1.0 になるが、それまでは、後述する図23および図24に示すタイマルーチンにより、値1.0 より小さい微小値ΔK2が順次加算され、テーリング係数値K2が値1.0 になる迄の間、その係数値K2に応じた移行処理が行われる。
【0069】
図23,図24は、ECU70の内蔵クロックが発生させる所定周期のクロックパルスによって実行されるタイマルーチンのフローチャートを示し、各種テーリング係数値K1,K2,KL,KSがクロックパルスによってカウントダウンされる手順を示している。先ず、ステップS110ないしステップS113ではテーリング係数K1のカウントダウンを行う。係数値K1に値1.0 より小さい所定微小値ΔK1が加算され(ステップS110)、この係数値K1が値1.0 と比較され(ステップS112)、値1.0 より大であれば値1.0 に設定しなおし(ステップS113)、値1.0 以下であれば次ステップS114に進む。このように、テーリング係数値が一旦値0にリセットされると、このルーチンが実行される毎に微小値ΔK1が加算され、加算された値が値1.0 に到達すればその値に保持されるようになっている。
【0070】
他のテーリング係数値についても同様であり、テーリング係数値K2についてはステップS114ないしステップS117においてカウントダウンされ、係数値KL,KSについては、同様にステップS118ないしステップS120、ステップS122ないしステップS125でそれぞれカウントダウンされる。なお、各係数値に加算する微小値ΔK1,ΔK2等は、モード移行制御期間の必要な長さを決定するものであり、各テーリング係数毎に異なる値に設定されるが、同じ値に設定することもできる。
【0071】
ステップS51では、無効期間カウンタTd2が値0であるか否か、すなわち、カウンタTd2の初期値f2(Ne,Pe)に対応する無効期間が経過したか否かを判別する。カウンタTd2の初期値f2(Ne,Pe)は、前述した図16のステップS21の実行によって設定されており、モード移行直後にこのステップS51が実行された時点でのカウンタ値Td2は、この初期値f2(Ne,Pe)に等しい。従って、ステップS51の判別結果は否定になり、ステップS52に進んでカウンタ値Td2から所定値ΔTd2を減算し、ステップS53においてテーリング係数値K2を値0に設定し直す。そして、これらのステップS52,53は上記無効期間が経過するまで繰り返し実行され、その間、テーリング係数値K2は値0に保持されることになる。ここにテーリング係数K2および無効期間カウンタTd2はいずれもモード移行時の急激な筒内燃焼状況の変化を回避してドライバビリティの向上を図るものである。
【0072】
次いで、ECU70はステップS55およびステップS57を実行して、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率Evを下式(F3),(F4)によりそれぞれ演算する。
Kaft =(1−K2)*Kaf' +K2*Kaf ...(F3)
Ev =(1−K2)*Ev' +K2*Ev ...(F4)
ここに、Kaf' およびEv' は、後期リーンモード制御時に最後に演算した目標空燃比補正係数値および体積効率であり、前述した図16のステップS21を最後に実行したときにKaf' 値およびEv' 値として記憶したものである。各式の右辺最終項のKafおよびEvは今回S−F/Bモード制御の実行時にそれぞれ設定され、Kaf値はO2センサ40の出力値に応じて設定された値(S−F/Bモードにより算出された値)である。
【0073】
従って、係数値K2が値0である期間(図27に示すt0時点からt1時点の無効期間)は、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率値Evは前回値、すなわち後期リーンモード制御時に最後に設定した値に保持されるが、係数値K2の値が0 から1.0 に向かって増加すると係数値K2に応じた重み付けで設定される値に、係数値K2が値1.0 に到達すると、S−F/Bモードにより算出された値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値K2の上述のような変化により、モード移行時の目標空燃比補正係数値Kafは、後述するように、体積効率Evは、図27(g) に示すように、t1時点からt4時点までは線形的に徐々にその値を変化させ、t4時点以降はS−F/Bモードによって算出される値に保持されることになる。
【0074】
次に、ECU70は、図20のステップS60に進み、ブースト圧遅れカウンタCNT2が値0までカンウトダウンしたか否かを判別する。ブースト圧遅れカウンタ値CNT2が未だ値0にカンウトダウンされていない場合(判別結果が否定)には、ステップS61を実行して目標平均有効圧Peを値Pe’に書換え、後期リーン制御時に最後に設定された値を所定期間(カウンタの初期値XN2に対応する期間であり、図27(b) に示すt0時点からt2時点までの期間)に亘って保持する。初期値XN2に対応する期間は、スロットル弁28が開弁されてもブースト圧の立ち上がりが遅れるので、この遅れに関連して設定されているもので、初期値XN2はエンジン1の所定の行程数分に設定される。このブースト圧遅れカウンタ値CNT2によって、目標平均有効圧Peを算出するマップの切り換えを遅らせる。
【0075】
なお、カウンタCNT2のカウント値は、図25に示す、各気筒の所定クランク角位置を検出する毎に実行されるクランク割込ルーチンで、値1宛カウントダウンされる。このルーチンではカウンタCNT2以外にも、カウンタCNT1,CNT3も同様にそれらのカウント値が1宛カウントダウンされる。
ステップS60の判別結果が肯定の場合(ブースト圧遅れ期間が経過した場合)、以後のS−F/Bモード制御において図6の目標平均有効圧マップ70rから算出した値が使用されることになる(図27のt2時点以降)。
【0076】
次いで、ステップS62に進み、上式(F3)で演算した仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafより小であるか否かを判別する。この判別値Xafは、この値の目標空燃比補正係数値Kafを使用して後期リーンモードでエンジン制御した場合、エンジン燃焼室5内でリッチ失火の虞が生じる値で、全体空燃比で言えば略20(理論空燃比14.7)に相当する。すなわち、目標空燃比補正係数値Kafが値Xafより小であれば、後期リーンモードにより燃料噴射量を調節することによってエンジン出力の制御が可能であることを意味し、仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafに到達するまで(図27(c) に示すt3時点まで)、目標空燃比補正係数値Kafをテーリング係数K2に応じた値、すなわち仮目標空燃比補正係数値Kaft に設定される(ステップS63)。そして、後期リーンモード制御を引き続き実行するために、点火時期Tigを後期リーンモードで設定した最後の値Tig' に保持し(ステップS64)、燃料噴射終了期間Tend も、後期リーンモードで設定した最後の値Tend'に保持される(ステップS65)。
【0077】
Kaf =Kaft
Tig =Tig'
Tend =Tend'
このように各燃焼パラメータ値を設定し直した後、前述した図16のステップS22が実行され、後期リーンモードでのエンジン制御が行われる。
【0078】
テーリング係数値K2が増加して、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを超えると、ステップS62の判別結果が否定となり、前述したステップS63ないしステップS65を実行することなく、ステップS66に進む。この結果、目標空燃比補正係数値Kafおよび燃料噴射終了期間Tend は、最早仮目標空燃比補正係数値Kaft および後期リーンモードにより算出した最後の値Tend'にそれぞれ書き換えられることはなく、S−F/Bモードによって算出した値がそのまま使用される。この場合、図27(c) のt3時点に示す補正係数値の変化から判るように、目標空燃比補正係数値Kafは、S−F/Bモードにおいて理論空燃比近傍の値に対応する好適な値にステップ状に一気に変化しており、この時点でS−F/Bモードに移行する。すなわち、後期リーンモード制御で空燃比がリッチ失火限界のXaf値に対応する値(略20)に到達すると、空燃比はその値20と理論空燃比との間の中間値を徐々に変化していくのではなく、S−F/Bモードによる理論空燃比近傍に急変させられることになる。これに伴って、燃料噴射終了期間Tend もS−F/Bモード制御に好適な値に変化させている(図27(d) のt3時点)。
【0079】
ステップS66では、前期モードが前期リーンモードであるかS−F/Bモードであるかが判別され、判別結果に応じて異なる制御が行われる。今回ループではS−F/Bモードが判別されているので(ステップS66の判別結果が否定)、ステップS67が実行され、点火時期Tigは次式(F5)によって演算される値に置き換えられる。
【0080】
Tig =(1−K2)*Tig' +K2*Tig+R2(K2) ...(F5)
ここで、R2(K2) は、モード移行に伴う出力の急変を防止するために設定されたリタード量で、その値は、図27(f) のt3時点からt4時点間の変化で示すようにテーリング係数値K2の関数として一時的に負の値を取り、その後その値から徐々に変化してt4時点(K2=1.0 )で値0に設定される。その結果、点火時期Tigは、図27(e) のt3時点からt4時点間に示されるように変化する。点火時期Tigをこのように制御することによってS−F/Bモード制御の開始による出力の急増が防止される。
【0081】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、図18のステップS48が実行され、前期噴射モードによりエンジン制御が行われる。
テーリング係数値K2が除々に増加して値1.0 に到達すると、図19のステップS50における判別結果が肯定(Yes)となり、ステップS58が実行される。この判別は、前期モード制御が前期リーンモードであるか、S−F/Bモードであるかを判別するもので、その結果に応じて異なる制御が実行される。引き続いてS−F/Bモードが判別されていると、ECU70は図21のステップS70に進み、後期リーンモード制御移行または前期リーンモード制御移行のための準備を行う。移行の準備としては、移行のための制御変数の初期値の設定、及び現在制御モードで算出された各種補正係数値Kafや燃焼パラメータ値Tig、Tend 、EV 、目標平均有効圧Pe等を記憶しておく。移行のための制御変数としては、無効期間カウンタTd1とEGR遅延カウンタCNT1があり、前者のカウンタTd1には初期値として目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて設定される値f2(Ne,Pe)が、後者のカンウタCNT1には値XN1がそれぞれ設定される。これらの移行制御変数等は、S−F/Bモードによる制御が繰り返され、ステップS70が繰り返し実行されると、その都度新しい値に更新される。
【0082】
ステップS70での制御変数等の初期値の設定が終わると、ステップS72に進み、前期リーンモードからS−F/Bモードモードへの移行制御時に使用するテーリング係数値KLが値1.0 であるか否かを判別する。現在はS−F/Bモードへの移行が完了し、そのモードの制御が行われているので、係数値KLは値1.0 であり、ステップS73を飛び越してステップS74に進む。ステップS74では、後述するEGR遅延カウンタCNT3のカウント値を判別するが、このカウンタCNT3は初期値に設定されても、前述した図25に示すクランク割込ルーチンで常にカンウトダウンを実行しているので、後述する前期リーンモードからS−F/Bモードへの移行制御中以外は値0にカウントダウンされている筈である。結局、モード移行完了後のS−F/Bモードが実行されている限り、ステップS74の判別結果も否定となり、ステップS75を飛び越して前述した図18のステップS48に進み、前期噴射モードによる制御が実行される。なお、ステップS73,S75については、後述する前期リーンモードからS−F/Bモードへの移行制御において説明する。
【0083】
次に、現在のS−F/Bモードから再び後期リーンモードに移行する場合の移行制御について説明する。
図14のステップS1においてS−F/Bモード制御中に後期リーンモードが判別されると(図27(a) のt6時点)、ステップS2においてテーリング係数K1に値0が設定される。そして、図15のステップS10で後期モードを判別し、前述したステップS12で各種燃焼パラメータ値等の演算を行った後、図16のステップS20が実行され、K1が値1.0 に等しいか否かが判別される。後期リーンモードが判別された直後ではテーリング係数値K1が前述した通り値0であるので、ステップS20の判別結果は否定となり、ステップS24以降のステップを実行してS−F/Bモードから後期リーンモードへの移行処理を行う。なお、テーリング係数K1は、移行処理が完了すると値1.0 になるが、それまでは、前述した図23および図24に示すタイマルーチンにより、値1.0 より小さい微小値ΔK1が順次加算され、テーリング係数値K1が値1.0 になる迄の間、その係数値K1に応じた移行処理が行われる。
【0084】
ステップS24では、無効期間カウンタTd1が値0であるか否か、すなわち、カウンタTd1の初期値f1(Ne,Pe)に対応する無効期間が経過したか否かを判別する。カウンタTd1の初期値f1(Ne,Pe)は、移行直前のS−F/Bモード制御時に前述した図21のステップS70の実行によって設定されており、モード移行直後にこのステップS24が実行された時点でのカウンタ値Td1は、この初期値f1(Ne,Pe)に等しい。従って、ステップS24の判別結果は否定になり、ステップS25に進んでカウンタ値Td1から所定値ΔTd1を減算し、ステップS26においてテーリング係数値K1を値0に設定し直す。そして、これらのステップS25,26は上記無効期間が経過するまで(図27(c) のt6時点からt7時点まで)繰り返し実行され、その間、テーリング係数値K1は値0に保持されることになる。
【0085】
次いで、ECU70はステップS28および図17のステップS30を実行して、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率Evを下式(F6),(F7)によりそれぞれ演算する。
Kaft =(1−K1)*Kaf' +K1*Kaf ...(F6)
Ev =(1−K1)*Ev' +K1*Ev ...(F7)
上式(F6),(F7)は、前述した式(F3),(F4) にそれぞれ類似しており、Kaf' およびEv' は、S−F/Bモード制御時に最後に演算した目標空燃比補正係数値および体積効率であり、前述した図21のステップS70を最後に実行したときにKaf' 値およびEv' 値として記憶したものである。各式の右辺最終項のKafおよびEvは今回後期リーンモードによりそれぞれ算出した値である。
【0086】
従って、係数値K1が値0である期間(図27に示すt6時点からt7時点の無効期間)は、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率値Evは前回値、すなわちS−F/Bモード制御時に最後に設定した値に保持されるが、係数値K1の値が0 から1.0 に向かって増加するとK1値に応じた重み付けで設定される値に、係数値K1が値1.0 に到達すると、後期リーンモードによって算出される値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値K1の上述のような変化により、モード移行時の目標空燃比補正係数値Kafは、後述するように、体積効率Evは、図27(g) のt7時点からt10 時点間に示すように線形的に徐々にその値を変化させ、t10 時点以降は後期リーンモードによって算出される値に保持されることになる。
【0087】
次に、ECU70は、図17のステップS31に進み、EGR遅延カウンタCNT1が値0までカンウトダウンしたか否かを判別する。このカウンタCNT1は、後期リーンモードにおけるEGR制御を遅らせる目的で設けられたもので、S−F/Bモードから大量のEGRを導入する後期リーンモードへの移行制御中のEGR過多状態を防ぐ。EGR遅延カウンタ値CNT1が未だ値0にカンウトダウンされていない場合には、ステップS32を実行してEGRバルブ45の弁開度Legr を値Legr'に書換え、S−F/Bモード制御時に最後に設定した値を所定期間(カウンタの初期値XN1に対応する期間であり、図27(h) に示すt6時点からt9時点までの期間)に亘って保持する。初期値XN1に対応する期間は、EGR量を後期リーンモードに適合する値に移行させるのを遅らせることを考慮して設定されている。
【0088】
ステップS31の判別結果が肯定の場合(EGR遅延期間が経過した場合)、前述のステップS32はスキップされ、以後の後期リーンモード制御には図6のEGR量設定手段70pにより算出した値が使用されることになる(図27のt9時点以降)。
次いで、ステップS34に進み、上式(F6)で演算した仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafより小であるか否かを判別する。この判別値Xafは、図20のステップS62で説明した通り、後期リーンモードで燃料リッチにすれば失火が生じる値、空燃比で言えば略20(理論空燃比14.7)に相当する値に設定されているが、場合によってはステップS62で設定した値と同じ値に設定する必要はない。目標空燃比補正係数値Kafが値Xafより小であれば、後期リーンモードにより燃料噴射量を調節することによってエンジン出力の制御が可能であることを意味し、ステップS34の判別によって、後期リーンモードを開始してもよいか否かを判別するものである。目標空燃比補正係数値Kafが値Xaf以上であればS−F/Bモード制御が引続き実行される。
【0089】
ECU70は,ステップS34の判別結果が否定である期間、すなわち仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafに到達するまで(図27(c) に示すt7時点からt8時点まで)、図18のステップS40に進み、噴射終了期間Tend をS−F/Bモードにより算出した最後の値Tend'に書換え、この値に保持する。そして、移行判別前の制御モードが前期リーンモードであったか、S−F/Bモードであったかを判別するために、移行判別直前に設定し記憶した補正係数値Kaf' が値1.0 より小であるか否かを判別する。前期リーンモード制御が実行される場合には、補正係数Kafは値1.0 より小に必ず設定される。
【0090】
ステップS42の判別結果が否定である場合、すなわち、移行判別前の制御モードがS−F/Bモードであった場合、ステップS46において、目標空燃比補正係数値Kafを移行判別が行われた直前の値Kaf' に保持される。そして、引き続いてS−F/Bモード制御を実行することによるエンジン出力の調整は点火時期で制御することとし、ステップS47に進んで、点火時期Tigを次式(F5)によって演算される値に置き換える。
【0091】
Tig =(1−K1)*Tig' +K1*Tig+R1(K1) ...(F8)
ここで、R1(K1) は、モード移行に伴う出力の急変を防止するために設定されたリタード量で、その値は、図27(f) のt7時点からt8時点間の変化で示すようにテーリング係数値K1の関数として徐々にリタード量が大きくなるような値に設定され、t8時点で最大リタード量に設定される。そして、後期リーンモードに移行を完了すると(図27(f) のt8時点以降)、R1(K1) はリタード量0に設定される。このように、後期リーンモードに移行させるタイミング(図27(f) のt8時点)に近づくに従って、点火時期のリタード量を大にして出力の調整を図り、後期リーンモード制御の開始による出力の急変が防止される。
【0092】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、ステップS48が実行され、前期噴射モードによりエンジン制御が行われる。
なお、図18のステップS42の判別が前期リーンモードと判別される場合(判別結果が肯定の場合)、ECU70はステップS43,44を実行するが、この実行は、前期リーンモードから後期リーンモードへの移行時に実行されるものであって、その詳細は後述する。
【0093】
テーリング係数値K1が増加して、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを下回ると、図17のステップS34の判別結果が肯定となり、前述したステップS40,S46,およびS47を実行することなく、ステップS36に進む。この結果、目標空燃比補正係数値Kafは最早S−F/Bモード制御時の値に保持されることはなく、仮目標空燃比補正係数値Kaft に設定され(Kaf=Kaft )、これに伴って、燃料噴射終了期間Tend および点火時期Tigは、後期リーンモードで算出した値がそのまま使用される。この場合、図27(c) のt8時点に示す補正係数値の変化から判るように、目標空燃比補正係数値Kafは、S−F/Bモードにおいて理論空燃比近傍の値に対応するそのモードに好適な値から後期リーンモードの、リッチ失火の虞がない値にステップ状に一気に変化しており、この時点で制御が後期リーンモードに移行する。すなわち、モード移行制御中のエンジン出力を点火時期で除々に調整し、後期リーンモード制御でリッチ失火限界の空燃比略20で得られる出力と略同じになると、その空燃比に一気に急変させることになる。これに伴って、噴射終了期間Tend および点火時期Tigも後期リーンモード制御に好適な値に変化させている(図27(d),(e) のt8時点)。
【0094】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、図16のステップS22が実行され、後期リーンモードによりエンジン制御が行われる。
テーリング係数値K1が除々に増加して値1.0 に到達すると、後期リーンモードへの移行が完了したことになり、以後前述した図16のステップS20における判別結果が肯定(Yes)となり、ステップS21において前期モード制御移行のための準備を実行した後、ステップS22の後期リーンモードによりエンジン制御が行われ、ステップS21,S22が繰り返し実行されることになる。
【0095】
次に、後期リーンモードから前期リーンモードへの移行制御について説明すると、前述した図14のステップS6においてテーリング係数K2が、図26に示されるように値0に設定される(図28(a) のt20 時点)。このような場合、ECU70は図15のステップS10で前期モードを判定した後、ステップS14を実行し、前述したS−F/Bモード制御移行時と同じようにして各種燃焼パラメータ値Pe ,Kaf,Tig,Tend ,Legr ,Ev 等を演算する。
【0096】
なお、前期リーンモード制御には、前述のS−F/Bモード制御時と同様に図6に示す切換スイッチ70a,70bは、後述する所定のタンミングで前期モードに切り換えられ、目標平均有効圧Peは第2算出マップである目標平均有効圧マップ70rに基づき、吸気管圧Pbとエンジン回転数Neとに応じて演算される。また、目標平均有効圧Peが算出されると、この目標平均有効圧Peは目標空燃比算出マップ70j、噴射終了時期設定手段70m、点火時期設定手段70n、EGR量設定手段70pにそれぞれ供給され、前期リーンモードの運転状態に応じたマップを使用して目標A/F,Tend ,Tig, Legr ,Ev 等が演算される。
【0097】
上述のように各種の燃焼パラメータ値等の算出が終わると、図19のステップS50に進み、テーリング係数K2が値1.0 であるか否かを判別する。このテーリング係数K2は、前述した通り、前期リーンモードへの移行直後であるから、値0に設定されており、従って、ステップS50の判別結果はNoであり、ステップS51以降のステップを実行して後期リーンモードから前期リーンモードへの移行処理を行う。
【0098】
ステップS51では、後期リーンモードからS−F/Bモードへの移行制御と同様にして無効期間カウンタTd2が値0であるか否か、すなわち、カウンタTd2の初期値f2(Ne,Pe)に対応する無効期間が経過したか否かを判別する。カウンタTd2の初期値f2(Ne,Pe)は、前述した図16のステップS21の実行によって設定されており、モード移行直後には初期値f2(Ne,Pe)に等しい。従って、ステップS51の判別結果は否定になり、ステップS52に進んでカウンタ値Td2から所定値ΔTd2を減算し、ステップS53においてテーリング係数値K2を値0に設定し直す。そして、これらのステップS52,53は上記無効期間(図28(c) に示すt20 時点からt21 時点までの期間)が経過するまで繰り返し実行され、その間、テーリング係数値K2は値0に保持されることになる。
【0099】
次いで、ECU70はステップS55およびステップS57を実行して、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率Evを前述した式(F3),(F4)によりそれぞれ演算する。係数値K2が値0である期間(図28に示すt20 時点からt21 時点の無効期間)は、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率値Evは前回値、すなわち後期リーンモードにより最後に算出した値に保持され、係数値K2の値が増加するとK2値に応じた重み付けで設定される値に、係数値K2が値1.0 に到達すると、前期リーンモードにより算出される値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値K2の上述のような変化により、モード移行時の目標空燃比補正係数値Kafおよび体積効率Evは、図28に示すように、t21 時点からt24 時点までは線形的に徐々にその値を変化させ、t24 時点以降は前期リーンモードによって算出される値に保持されることになる。
【0100】
次に、ECU70は、図20の前述したステップS60に進み、ブースト圧遅れカウンタ値CNT2を判別して、ブースト圧遅れカウンタ値CNT2が未だ値0にカンウトダウンされていない場合(判別結果が否定)には、ステップS61を実行して目標平均有効圧Peを値Pe’に書換え、後期リーンモードによって最後に算出された値を所定期間(図28(b) に示すt20 時点からt22 時点までの期間)に亘って保持する。このブースト圧遅れカウンタ値CNT2によって、目標平均有効圧Peを算出するマップの切り換えを遅らせる。なお、初期値XN2に対応する期間は、エンジンによっては前述したS−F/Bモードでの設定値と異なる値に設定してもよい。
【0101】
ステップS60の判別結果が肯定の場合(ブースト圧遅れ期間が経過した場合)、以後の前期リーンモード制御には図6の目標平均有効圧マップ70rから算出した値が使用されることになる(図27のt22 時点以降)。
次いで、ステップS62に進み、上式(F3)で演算した仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafより小であるか否かを判別し、目標空燃比補正係数値Kafが値Xafより小であれば、仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafに到達するまで(図28(c) に示すt23 時点まで)、目標空燃比補正係数値Kafをテーリング係数K2に応じた値、すなわち仮目標空燃比補正係数値Kaft に設定する(ステップS63)。そして、後期リーンモード制御を実行するために、点火時期Tigを後期リーンモードによって算出した最後の値Tig' に保持し(ステップS64)、噴射終了期間Tend も、後期リーンモードによって算出した最後の値Tend'に保持される(ステップS65)。
【0102】
このように各燃焼パラメータ値を設定し直した後、前述した図16のステップS22が実行され、後期噴射モードでのエンジン制御が行われる。
ここまでは後期リーンモードからS−F/Bモードへの移行制御と同じであるが、テーリング係数値K2が増加して、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを超えると、S−F/Bモードへの移行制御と異なる制御が以下のようにして実行される。
【0103】
すなわち、前期リーンモードでは空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定することができるので、空燃比を調整することによってエンジン出力の制御を行うことができ、移行時の出力の急変を防止することができる。そこで、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを超え、ステップS62の判別結果が否定になると、ステップS66に進んで、前期リーンモードであることを判別した後、ステップS68およびステップS69が実行され、目標空燃比補正係数値Kafおよび点火時期Tigが算出される。目標空燃比補正係数値Kafは、前述した仮目標空燃比補正係数値Kaft に書き換えられ、点火時期Tigは次式(F9)によって演算される値に置き換えられる。従って、目標空燃比補正係数値Kafは、仮目標空燃比補正係数値Kaft が前述の判別値Xafを超えても、テーリング係数値K2に応じた値に設定され、図28(c) に示すように引続き漸増し、K2値が値1.0 に到達した時点で前期リーンモードによって算出した値に移行することになる。
【0104】
Tig =(1−K2)*Tig' +K2*Tig ...(F9)
一方、前期リーンモードへの移行制御では、S−F/Bモードへの移行制御に用いたリタード量R2(K2) の設定はなく、点火時期Tigはテーリング係数値K2に応じた値に設定される。前期リーンモードへの移行制御ではS−F/Bモードへの移行制御時の場合とは異なり、出力の急変が空燃比の調整で防止できるからである。従って、点火時期Tigは、図28(e) に示されるように、t23 時点で急変し、以後除々に前期リーンモード制御に好適な値に向かって変化し、t24 時点およびそれ以降の前期リーンモードへの移行完了状態では前期リーンモードで算出した値に完全に移行する。
【0105】
また、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを超えると、前述のステップS65が実行されないために、噴射終了期間Tend は、前期リーンモードにより算出した値がそのまま使用される。以上の結果、前期リーンモードの移行制御では、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを超えた時点で、前期リーンモード制御が実行され、その時点で噴射終了期間Tend は、前期リーンモードで算出した値に直ちに移行し(図28(c) のt23 時点以降)、点火時期Tigは、テーリング係数値K2に従って徐々に増加することになる(図28(e) のt23 時点からt24 時点間)。
【0106】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、図18のステップS48が実行され、前期噴射モードによりエンジン制御が行われる。
テーリング係数値K2が除々に増加して値1.0 に到達すると、図19のステップS50における判別結果が肯定(Yes)となり、ステップS58が実行される。この判別では前期リーンモードであると判別されるために、ECU70は図22のステップS80に進み、後期リーンモード制御移行またはS−F/Bモード制御移行のための準備を行う。移行の準備としては、移行のための制御変数の初期値の設定、及び現在制御モードで算出された各種補正係数値Kafや燃焼パラメータ値Tig、Tend 、EV 、目標平均有効圧Pe等を記憶しておく。移行のための制御変数としては、無効期間カウンタTd1と後述するEGR遅延カウンタCNT3があり、前者のカウンタTd1には初期値として目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて設定される値f1(Ne,Pe)が、後者のカンウタCNT3には値XN3がそれぞれ設定される。これらの移行制御変数等は、前期リーンモードによる制御が繰り返され、ステップS80が繰り返し実行されると、その都度新しい値に更新される。なお、このステップS80では、前述したS−F/Bモードから後期リーンモードへの移行制御時に使用したEGR遅延カウンタCNT1の初期値の設定は行われない。
【0107】
ステップS80での制御変数等の初期値の設定が終わると、ステップS82に進み、S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行制御時に使用するテーリング係数値KSが値1.0 であるか否かを判別する。現在は前期リーンモードへの移行が完了し、そのモードの制御が行われているので、係数値KSは値1.0 であり、ステップS84およびS86を飛び越して前述した図18のステップS48に進み、前期噴射モードによる制御が実行される。なお、飛び越したステップS84およびS86は、S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行制御時に実行されるものでその詳細については後述する。
【0108】
次に、前期リーンモードから後期リーンモードへ移行する場合の移行制御について説明する。
図14のステップS1において前期リーンモード制御中に後期リーンモードが判別されると(図28(a) のt25 時点)、ステップS2においてテーリング係数K1に値0が設定される。そして、図15のステップS10で後期モードを判別し、前述したステップS12で各種燃焼パラメータ値等の演算を行った後、図16のステップS20が実行され、K1が値1.0 に等しいか否かが判別される。後期リーンモードが判別された直後ではテーリング係数値K1が値0であるので、ステップS20の判別結果は否定となり、ステップS24以降のステップを実行して前期リーンモードから後期リーンモードへの移行処理を行う。
【0109】
ステップS24では、無効期間カウンタTd1が値0であるか否か、すなわち、カウンタTd1の初期値f1(Ne,Pe)に対応する無効期間が経過したか否かを判別する。カウンタTd1の初期値f1(Ne,Pe)は、移行直前の前期リーンモード制御時に前述した図22のステップS80の実行によって設定されており、モード移行直後にこのステップS24が実行された時点でのカウンタ値Td1は、この初期値f1(Ne,Pe)に等しい。従って、ステップS24の判別結果は否定になり、ステップS25に進んでカウンタ値Td1から所定値ΔTd1を減算し、ステップS26においてテーリング係数値K1を値0に設定し直す。そして、これらのステップS25,26は上記無効期間が経過するまで(図28(c) のt26 時点まで)繰り返し実行され、その間、テーリング係数値K1は値0に保持されることになる。
【0110】
次いで、ECU70はステップS28および図17のステップS30を実行して、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率Evを、前述したS−F/Bモードから後期リーンモードへの移行制御時と同様に前式(F6),(F7)によりそれぞれ演算する。この場合、前式(F6),(F7)中のKaf' およびEv' は、それぞれ前期リーンモードにより最後に算出した目標空燃比補正係数値および体積効率であり、前述した図22のステップS80を最後に実行したときにKaf' 値およびEv' 値として記憶したものである。
【0111】
従って、係数値K1が値0である期間(図28(c),(f) に示すt25 時点からt26 時点の無効期間)は、仮目標空燃比補正係数値Kaft および体積効率値Evは前回値、すなわち前期リーンモードにより最後に算出した値に保持されるが、係数値K1の値が増加するとK1値に応じた重み付けで設定される値に、係数値K1が値1.0 に到達すると、後期リーンモード制御時に設定される値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値K1の上述のような変化により、モード移行時の目標空燃比補正係数値Kafおよび体積効率Evは、図28(c) および(f) のt26 時点からt28 時点間に示すように線形的に徐々にその値を変化させ、t28 時点以降は後期リーンモード制御によって設定される値に保持されることになる。
【0112】
次に、ECU70は、図17のステップS31に進み、EGR遅延カウンタCNT1が値0までカンウトダウンしたか否かを判別する。このカウンタCNT1は、後期リーンモードにおけるEGR制御を遅らせる目的で設けられたものであるが、前期リーンモードから後期リーンモードへの移行制御時には、前述の図22のステップS80において説明した通り、カウンタCNT1の初期値は設定されていない(CNT1=0)。すなわち、今回の移行制御時には、EGR制御の遅延を行わせず、EGRバルブ45の弁開度Legr はモードの移行が判別された時点(図28(a) のt25 時点)で、ステップS31の判別結果は肯定となり、ステップS32を実行することなく、直ちに後期リーンモードにより算出された値(図6のEGR量設定手段70pにより算出した値)に設定され、この値でEGRバルブ45の弁開度が制御されることになる(図28(g) のt25 時点以降)。前期リーンモードから後期リーンモードに移行する場合、EGR量を移行判別と同時に直ちに後期リーンモード制御による算出値に移行させるのは、両モード間で算出されるEGE量の大きさの差が大きく、移行判定と同時にEGRバルブ45を開弁しても、実際にEGE量が変化するにはタイムラグがあることによる。
【0113】
次いで、ステップS34に進み、前式(F6)で演算した仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafより小であるか否かを判別して、後期リーンモードを開始してもよいか否かを判別する。ステップS34の判別結果が否定で、目標空燃比補正係数値Kafが値Xaf以上であれば前期リーンモード制御が引続き実行される。すなわち、ECU70は,ステップS34の判別結果が否定である期間、すなわち仮目標空燃比補正係数値Kaft が値Xafに到達するまで(図28(c) に示すt26 時点からt27 時点まで)、図18のステップS40に進み、噴射終了期間Tend を前期リーンモードによって算出した最後の値Tend'に書換え、この値に保持する(図28(d) に示すt26 時点からt27 時点までの期間)。そして、移行判別前の制御モードが前期リーンモードであったか、S−F/Bモードであったかを判別するために、移行判別直前に設定し記憶した補正補正係数値Kaf' が値1.0 より小であるか否かを判別する。
【0114】
前期リーンモードからの移行制御中であるから、ステップS42の今回の判別結果は肯定となり、ステップS43において、目標空燃比補正係数値Kafは仮目標空燃比補正係数値Kaft に書き換えられる。そして、点火時期Tigは、テーリング係数値に応じ、次式(F10) によって演算される値に置き換える。この結果、目標空燃比補正係数値Kafおよび点火時期Tigは、図28(c) および(e) のt26 時点からt27 時点に示すように、テーリング係数値K1に応じて徐々に変化する。
【0115】
Tig =(1−K1)*Tig' +K1*Tig ..(F10)
なお、S−F/Bモードから後期リーンモードへの移行時にはリタード量R1(K1) を設けて、移行時に伴う出力の急変を防止したが、上式(F10) には、リタード量R1(K1) が含まれていない。前期リーンモードから後期リーンモードへの移行の場合には、空燃比の調整によって出力制御が行われており、従ってリタード量R1(K1) による補正は必要がなく、点火時期Tigはテーリング係数値K1に応じた値に設定される。
【0116】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、ステップS48が実行され、前期噴射モードによりエンジン制御が行われる。
テーリング係数値K1が増加して、仮目標空燃比補正係数値Kaft が判別値Xafを下回ると、図17のステップS34の判別結果が肯定となり、前述したステップS40およびS44が実行されることなく、ステップS36に進む。この結果、目標空燃比補正係数値Kafは仮目標空燃比補正係数値Kaft に設定され(Kaf=Kaft )、これに伴って、燃料噴射終了期間Tend および点火時期Tigは、後期リーンモードにより算出した値がそのまま使用される。この場合、噴射終了期間Tend および点火時期Tigは、図28(d) および(e) のt27 時点に示す変化から判るように、後期リーンモード制御に好適な値にステップ状に変化している。
【0117】
このように各燃焼パラメータ値を設定した後、図16のステップS22が実行され、後期噴射モードによりエンジン制御が行われる。
テーリング係数値K1が除々に増加して値1.0 に到達すると、後期リーンモードへの移行が完了したことになり、以後前述した図16のステップS20における判別結果が肯定(Yes)となり、ステップS21において前期モード制御移行のための準備を実行した後、ステップS22の後期噴射モードによりエンジン制御が行われ、以後、ステップS21,S22が繰り返し実行される。
【0118】
次に、前期リーンモードからS−F/Bモードに移行する場合の移行制御について説明すると、前述した図14のステップS8においてテーリング係数KLが、図26に示されるように値0に設定される(図29のt30 時点)。このような場合、ECU70は、図15のステップS10において前期モードを判別した後、ステップS14に進み、前述した各種燃焼パラメータ値Pe ,Kaf,Tig,Tend ,Legr ,Ev 等を演算する。
【0119】
各種の燃焼パラメータ値等の算出が終わると、図19のステップS50に進み、テーリング係数K2が値1.0 であるか否かを判別する。このテーリング係数値K2は、今回ループが前期リーンモードからS−F/Bモードへの移行直後のループであるから、値1.0 である筈であり、ステップS50の判別結果は肯定となってステップS58に進む。次にステップS58においてS−F/Bモードであることを判別した後、ECU70は図21のステップS70に進み、前述した後期リーンモード制御移行または前期リーンモード制御移行のための準備を行う。そして、移行の準備を終えた後、ステップS72に進む。
【0120】
S−F/Bモードへの移行判別を行った直後においては、テーリング係数値KLは値0に設定されたばかりであるから、ステップS72の判別結果は否定であり、ステップS73において体積効率Evを、次式(F11) に基づき演算する。
Ev =(1−KL)*Ev' +KL*Ev ...(F11)
上式(F11) は、前述した式(F4)に類似しており、Ev' は、前期リーンモードにより最後に算出した体積効率であり、前述した図22のステップS80を最後に実行したときにEv' 値として記憶したものである。上式の右辺最終項のEvは今回S−F/Bモードにより算出された値である。
【0121】
従って、体積効率値Evは、係数値KLの値が増加するとKL値に応じた重み付けで設定される値に、係数値KLが値1.0 に到達すると、S−F/Bモードにより算出される値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値KLの上述のような変化により、モード移行時の体積効率Evは、図29(f) のt30 時点からt32 時点間に示すように線形的に徐々にその値を変化させ、t32 時点以降はS−F/Bモードによって算出される値に保持されることになる。
【0122】
次に、ECU70は、図21のステップS74に進み、EGR遅延カウンタCNT3が値0までカンウトダウンしたか否かを判別する。このカウンタCNT3は、S−F/BモードにおけるEGR制御を遅らせる目的で設けられたもので、これによってモード移行時の制御の安定化が図られる。なお、カウンタ値CNT3は、前期リーンモード制御が繰り返し実行されると、前述した図22のステップS80においてその都度、初期値XN3に設定し直され、また、クランク角センサ17が所定のクランク角位置を検出する毎に、図25に示すクランク割り込みのルーチンが実行されてカウントダウンされている。
【0123】
ステップS74の判別結果が否定、すなわち、EGR遅延期間(図29(g) のt30 時点からt31 時点間で示す、初期値XN3に対応する期間)が経過していなければEGRバルブ45の弁開度Legr は前回値、すなわち、S−F/Bモードへの移行判別の直前に実施した前期リーンモード制御時の値Legr'に設定される。この値Legr'は、前述した図22のステップS80の実行の都度記憶し更新したものである。ステップS74の判別結果が肯定、すなわち初期値XN3に対応する期間が経過すると(図29(g) のt31 時点以降)、弁開度Legr は、S−F/Bモードによって算出される値に設定され、設定された弁開度Legr に基づいてEGRバルブ45の弁開度が制御される。
【0124】
なお、前期リーンモードからS−F/Bモードへの移行は、同じ前期噴射モードでの移行であり、目標平均有効圧Peを算出するマップは同じマップが使用される(図29(b) 参照)。また、アクセルペタルの踏込みにより運転者の出力要求が想定されるので、目標空燃比補正係数値Kaf、燃料噴射終了期間Tend 、および点火時期Tigは、モードの移行が判定されたt30 時点で直ちに、S−F/Bモードによって算出されたそれぞれの値に切り換えられる(図29(c),(d),(e) 参照)。
【0125】
このように各種燃焼パラメータ値を演算した後、前述した図18のステップS48に進み、前期噴射モードによる制御が実行される。
最後に、S−F/Bモードから前期リーンモードに移行する場合の移行制御について説明する。この場合、ECU70は、図14のステップS6の実行によってテーリング係数値KSを、図26に示す制御ルールに従って値0に設定する。そして、図15のステップS10において前期モードを判別した後、ステップS14において各種燃焼パラメータ値等を演算し、図19のステップS50に進む。ステップS50ではテーリング係数値K2が値1.0 であるか否かを判別するが、今回ループは、S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行を判別した直後であるから、係数値K2は値1.0 である筈であり、判別結果は肯定となってステップS58に進む。このステップでは前期リーンモードが判別され、図22のステップS80が実行される。ステップS80では、前述した通り、後期リーンモード制御移行またはS−F/Bモード制御移行の準備のために、移行のための制御変数の初期値の設定、及び現在制御モードで算出された各種補正係数値Kafや燃焼パラメータ値Tig、Tend 、EV 、目標平均有効圧Pe等を記憶しておく。
【0126】
ステップS80での制御変数等の初期値の設定が終わると、ステップS82に進み、S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行制御時に使用するテーリング係数値KSが値1.0 であるか否かを判別する。今回ループは、前期リーンモードへの移行判別を行った直後であり、テーリング係数値KSは値0に設定されたばかりであるから、ステップS82の判別結果は否定になる。ECU70は、ステップS82の判別結果が否定である場合、ステップS84およびステップS86を繰り返し実行し、ステップS84では体積効率Evを、次式(F12) に基づき演算する。
【0127】
Ev =(1−KS)*Ev' +KS*Ev ...(F12)
上式(F12) は、前述した式(F11) や式(F4)に類似しており、Ev' は、S−F/Bモードによって最後に算出した体積効率であり、前述した図21のステップS70を最後に実行したときにEv' 値として記憶したものである。上式の右辺最終項のEvは今回前期リーンモードによって算出した値である。
【0128】
従って、体積効率値Evは、係数値KSの値が増加するとKS値に応じた重み付けで設定される値に、係数値KSが値1.0 に到達すると、前期リーンモードによって算出される値にそれぞれ設定されることになる。テーリング係数値KSの上述のような変化により、モード移行時の体積効率Evは、テーリング係数値KSが値0から値1.0 に変化する期間に亘り、図29(f) のt34 時点からt35 時点間に示すように線形的に徐々にその値を変化させ、t35 時点以降は前期リーンモードによって算出される値に保持されることになる。
【0129】
次に、ステップS86では目標空燃比補正係数値Kaf、点火時期Tig、および噴射終了期間Tend がそれぞれS−F/Bモードにより最後に算出した値Kaf' 、値Tig' 、および値Tend'に設定され、テーリング係数値KSが値1.0 になるまで、それらの値が保持される(図29(c),(d),(e) のt34 時点からt35 時点間)。
【0130】
Kaf =Kaf'
Tig =Tig'
Tend =Tend'
このように、S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行時には、テーリング係数値KSが値0から値1.0 になるまでの期間、引き続きS−F/Bモードでエンジン制御が行われ、テーリング係数値KSが値1.0 になった時点で、目標空燃比補正係数値Kaf、点火時期Tigおよび燃料噴射終了時期Tend が前期リーンモードへ切り換えられ、その時点で前期リーンモード制御への移行が完了することになる。S−F/Bモードから前期リーンモードへの移行制御には、切換ショックの防止という観点からは、これら燃焼パラメータ値をテーリング係数値に応じて徐々に変化させてもよいが、徐々に変化させると切換時に排ガス特性(特にNOx排出量)を悪化させる虞があるので、この発明では、体積効率Evを徐々に変化させることによって切換ショックを防止することにし、体積効率Evが前期リーンモードに適合する値に到達した時点(テーリング係数値KSが値1.0 に到達した時点)で、目標空燃比補正係数値Kaf、点火時期Tigおよび燃料噴射終了時期Tend が一気にS−F/Bモードに適合する値から前期リーンモードに適合する値に切り換えるようにして、NOx等の発生を最少限に抑える。
【0131】
なお、このS−F/Bモードから前期リーンモードへの移行制御時には、EGRバルブ45の弁開度Legr は、モード移行判定と同時に、前期リーンモードによる算出値に設定されている(図29(g) のt34 時点参照)。空燃比を理論空燃比近傍に制御するS−F/Bモード制御時には図1に示す三元触媒42によって窒素酸化物NOxの排出が抑制されるが、空燃比が理論空燃比より希薄側のリーン空燃比(例えば空燃比22)でリーン燃焼させる場合には、排気ガスを早い時期に大量にエンジン1に導入させた方がよく、従って、EGRバルブ45の弁開度Legr の変更は、モード移行判定と同時に行われる。
【0132】
このようにして各種燃焼パラメータ値等の設定が終わると、ECU70は図18のステップS48に進み、前期噴射モードによるエンジン制御を実行する。
上述の実施例では、図27ないし図29に示すタイミングチャートの比較から明らかなように、目標平均有効圧Peを算出するマップを切り換える際に、後期リーンモードから前期噴射モードに切り換える場合には、無効期間(XN2に対応する期間)を設け、吸気管圧Pb の応答遅れを待って切り換えたが、前期噴射モード(S−F/Bモードまたは前期リーンモード)から後期リーンモードへの移行時にはモードの移行を判別した時点で直ちに切り換えを行っている。後期リーンモード制御時にはEGRバルブ45やABV27を開弁して大量の排気ガスおよびバイパス空気がエンジン1に供給され、全体空燃比を極めて大きい値(例えば30〜35)に設定される。そして、EGR量や新気吸入空気量に関係なく燃料噴射量を調整することによりエンジン1の出力制御がおこなわれるので、検出遅れのある吸気管圧Pb 等のパラメータとは異なり、スロットルバルブ28の弁開度θthを検出することによって遅れなく運転者の運転意図が制御に反映され、応答性のよいエンジン制御を行うことができる。
【0133】
【発明の効果】
以上より、請求項1の発明では、運転状態検出手段の検出結果に応じ、第1の空燃比状態でエンジンを制御すべき第1モードと、前記第1の空燃比状態よりも燃料希薄側の第2の空燃比状態でエンジンを制御すべき第2モードとの間でモードを切り換え、切り換えられたモードに応じて、燃焼室内の燃焼状態に影響を与えるパラメータ値、すなわち、燃料噴射終了時期、点火時期、排気ガスを吸気系に再循環される排ガス量、および、燃焼室に供給され燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値のうちの少なくとも一つと燃料噴射量とを含む少なくとも2つのパラメータ値をそのモードに適合するように設定することにより、切換ショックが効果的に防止される。
【0134】
この際、第1モードによる燃料噴射を、主として吸入行程で行い、加速運転や中高負荷時のようなエンジン出力が要求される運転性能を確保する一方、第2モードによる燃料噴射を、主として圧縮行程で行い、点火栓近傍に最適混合気が形成されるように燃料を噴射して全体空燃比が理論空燃比より燃料希薄側の極めてリーンな空燃比でも燃焼可能にして、低負荷運転時の排気ガス特性および燃費特性の向上が図られる。
【0135】
そして、補正係数設定手段は、切換手段によりモードが切り換えられたとき、燃焼状態に影響を与える特定のパラメータ値を、所定の期間に、前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換前のモードに適合する値から切換後のモードに適合する値に変化させる、モード切換開始時からの時間経過につれて第1の所定値から第2の所定値に変化する仮補正係数値を設定し、また、燃焼パラメータ切換手段は、特定のパラメータ値およびそれ以外のパラメータ値を切換前の値から切換後の値に切り換える際、補正係数設定手段が設定した仮補正係数値に応じて、且つ、各パラメータ値を連続的に変化させることの可否を決める、前記第1の所定値と第2の所定値の間の第3の所定値に仮補正係数値が達したか否かに基づいて各パラメータ値を切り換え、これにより、各パラメータ値の切換開始タイミングおよび切換開始以降の各パラメータ値の変化速度を、切換前後のモードの種類の組合せに応じて変更するので、特定のパラメータ値以外のパラメータ値の切換タイミングを特定のパラメータ値と対応させることができ、切換制御が正確に行われ、モード切換時の切換ショックが確実に防止される。
【0136】
そして、請求項2の発明では、第1モードに、略理論空燃比状態でエンジンを制御する第1副モードを含めて、排気ガス中の酸素濃度に応じて空燃比をフィードバック制御することを可能にし、請求項3の発明では、第1モードに、理論空燃比よりも燃料希薄側、且つ、前記第2の空燃比状態よりも燃料過濃側の空燃比状態でエンジンを制御する第2副モードを含め、第2モードでは得られないエンジン出力運転域における排気ガス特性および燃費特性の向上が図られる。
【0139】
この仮補正係数値の設定によって、請求項4の燃焼パラメータ切換手段は、特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、仮補正係数値が第3の所定値に到達するまでは、切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値を保持し、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、切換後のモードに適合する値に切り換えることができ、請求項5では、特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、仮補正係数値が第3の所定値に到達するまでは、切換直前のモードに適合する値と切換後のモードに適合する値の間の、仮補正係数値に応じた値に徐々に変化させ、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、切換後のモードに適合する値に切り換えることができ、請求項6では、特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、仮補正係数値が第3の所定値に到達するまでは、切換直前のモードに適合する値を保持し、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、切換直前のモードに適合する値と切換後に設定された切換後のモードに適合する値の間の、仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後、該中間値から仮補正係数値に応じて徐々に変化させて前記切換後のモードに適合する値に到らせることも可能になる。
【0140】
そして、請求項7の補正係数演算手段は、モードが切り換えられた時点から切換ショック防止に好適な期間だけ仮補正係数値の設定を遅らせ、仮補正係数値を第1の所定値から第2の所定値に変化させて、正確な切換制御を行う。
請求項8の補正係数演算手段は、仮補正係数値が第1の所定値から第2の所定値に変化する所定の期間を、切り換えられるモードに応じた期間に設定して木目の細かい切換制御を行う。
【0141】
請求項9の制御装置では、前記特定のパラメータ値として、燃焼室内の燃焼状態に最も影響を大きく与える燃料噴射量が選択され、各モードに応じて設定される燃料噴射量と他のパラメータ値とを仮補正係数値によって対応付けたタイミングで切り換えることができる。
そして、仮補正係数値によって対応付けたタイミングで種々のパラメータ値を切り換える態様は種々考えられ、請求項10の燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、仮補正係数値に応じ、切換直前のモードに適合する値から切換後のモードに適合する値に向かって徐々に切り換えるようにして切換ショックを防止する。
【0142】
請求項11の燃焼パラメータ切換手段は、前記第2モードから前記第1副モードに切り換えられたとき、燃料噴射量を、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、該仮補正係数値に応じ、切換直前に設定された第2モードに適合する値から切換後に設定された第1副モードに適合する値に向かって徐々に切り換え、仮補正係数値が第3の所定値に到達した時点で、切換後に設定される第1副モードに適合する値に急変させるようにして切り換え、切換ショックを防止する。前記第3の所定値は、例えば、第2モードによりエンジンを制御したとき、燃焼噴射量の増加に伴って生じる失火に関連して設定された値であり(請求項18)、仮補正係数値が第3の所定値に到達すると、失火の虞が生じ、最早第2モードに適合するように設定された燃料噴射量を噴射して第2モードでエンジンを制御することができず、燃料噴射量を第1副モードに適合する値、すなわち略理論空燃比に対応する値に切り換えて第1副モードに移行させ、失火に伴う切換ショックを防止する。
【0143】
請求項12の燃焼パラメータ切換手段は、逆に第1副モードから第2モードに切り換えられたとき、燃料噴射量を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1副モードに適合する値、すなわち、略理論空燃比に対応する値に保持し、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、切換直前に設定された第1副モードに適合する値と切換後に設定された第2モードに適合する値の間の前記仮補正係数値に応じた中間値、第2モードにおいて失火等が生じない値に切り換え、その後は該中間値から切換後の第2モードに適合する値に向かって、仮補正係数値に応じて徐々に切り換え、切換ショックを防止する。
【0144】
請求項13の制御装置は、設定する制御パラメータに燃料噴射終了時期を含んでおり、第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、仮補正係数値が上述の第3の所定値に到達した時点で、燃料噴射終了時期を、切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に切り換え、仮補正係数値によって燃料噴射量と対応付けたタイミングで燃料噴射終了時期も切り換えられる。
【0145】
請求項14の制御装置は、設定する制御パラメータに点火時期を含んでおり、第2モードから第1モードに切り換えられたとき、点火時期を、仮補正係数値が上述の第3の所定値、すなわち第2モードによる制御時に失火等が生じる虞がある値に到達するまでは、切換直前に設定された第2モードに適合する値に保持し、仮補正係数値が第3の所定値に到達した時点で、切換直前に設定された第2モードに適合する値と切換後に設定された第1モードに適合する値の間の仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後は該中間値から切換後の第1モードに適合する値に向かって徐々に切り換えて切換ショックを防止する。請求項16の燃焼パラメータ切換手段は、逆に、第1モードから第2モードに切り換えられたとき、点火時期を、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、切換直前に設定された第1モードに適合する値から切換後に設定された第2モードに適合する値に向かい、仮補正係数値に応じて徐々に変化させ、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、切換後に設定された第2モードに適合する値に切り換えて切換ショックを防止する。
【0146】
第2モードによる制御時には、点火時期が常に最適値に設定されて極めてリーンな空燃比状態でも燃焼を可能にしているため、点火時期を進角しても遅角してもエンジン出力は減少してしまうので、第2モード制御時には点火時期を調節してエンジンの出力を調整することはできないが、第1モード制御時では、点火時期によってエンジン出力の調整が可能であり、空燃比を第2モードで設定される値より燃料過濃側の値に設定されることによるエンジン出力の調整を点火時期の遅角制御によって行うのである。特に、請求項15の点火時期補正手段は、第2モード(空燃比が極めてリーンに設定される運転状態)から第1副モード(略理論空燃比で運転される状態)に切り換えられたとき、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後該最大リタード値から仮補正係数値に応じて0に向かって徐々に減少させた値に設定される補正リタード量により、上述のように切り換えられた点火時期を更に補正して切換ショックを防止する。また、請求項17の点火時期補正手段は、逆に、第1副モード(略理論空燃比で運転される状態)から第2モード(空燃比が極めてリーンに設定される運転状態)に切り換えられたとき、仮補正係数値に応じて0から徐々に増加し、仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後0に設定される補正リタード量により、上述のように切り換えられた点火時期を更に補正して第1副モードのエンジン出力を点火時期の遅角制御で徐々に制限して第2モードへのスムーズに移行させる。
【0147】
請求項19の制御装置は、設定する制御パラメータに燃焼室に供給され、燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値を含んでおり、該有効吸気パラメータ値に基づいて少なくとも燃料噴射量が設定される場合、第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、有効吸気パラメータ値を、切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に向かい、仮補正係数値に応じて徐々に変化させ、仮補正係数値によって設定する燃料噴射量と対応付けられ、これによっても燃焼室内の燃焼状態をスムーズに移行させ切換時のショックが防止される。
【0148】
排気ガスの再循環量は、燃焼室に直接燃料を噴射して燃焼状態を変化させる場合と異なり、そのパラメータ値を変化させるべくEGRバルブの弁開度を変化させても直ちに変化せず、応答遅れを伴う。従って、請求項20の制御装置は、第1モードと第2モード間のモード切換がおこなわれたとき、排気ガス量を、モード切換時点で切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に直ちに切り換えて、上述の応答遅れを可能な限り小にする。一方、第2モードでエンジンを制御する場合には、排気ガス特性の向上を目的に大量の排気ガスを再循環させるが、第1副モードから第2モードへのモード切換がおこなわれたときには、請求項21の燃焼パラメータ切換手段は、排気ガス量を、モード切換時点から所定期間の経過後に切換後のモードに適合する値に切り換え、モード移行時の排気ガス循環量の過多状態を防止し、切換ショックを防止する。
【0149】
請求項22の運転状態検出手段には、エンジンの加速状態を検出する加速状態検出手段を備えることによって、加速状態検出手段によってエンジンの加速状態が検出されたとき、切換手段が前記第1モードに強制的に切り換えるようして加速時の応答性の向上が図られる。この場合、前記加速状態検出手段によってエンジンの加速状態の終了が検出されたとき、請求項23の切換手段は、運転状態検出手段の検出結果に応じたモードに切り換えて、排ガス特性および燃費特性の向上が図られる。請求項24の加速状態検出手段は、スロットル弁開度検出手段が検出したスロットル弁開度の変化度合が所定値を超えたとき、または、エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数の変化度合が所定値を超えるたときエンジンが加速状態にあると判定して、エンジンの加速状態を確実に検出する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン制御装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】実施例に係る筒内噴射ガソリンエンジンの縦断面図である。
【図3】エンジン筒内平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて規定され、後期噴射リーン運転域、前期噴射リーン運転域、前期噴射ストイキオフィードバック運転域等を示す、実施例に係る燃料噴射制御マップである。
【図4】実施例における後期噴射モード時の燃料噴射形態を示す説明図である。
【図5】実施例における前期噴射モード時の燃料噴射形態を示す説明図である。
【図6】目標平均有効圧Pe、目標空燃比補正係数値Kaf,燃料噴射終了期間Tend ,基本点火時期θB 、EGRバルブ45の弁開度Legr 等を算出する手順を示すブロック図である。
【図7】図6の目標平均有効圧算出マップ70cの概略構成を示し、スロットルバルブ28の弁開度θthとエンジン回転数Neとに応じて算出される目標平均有効圧Peを説明するための図である。
【図8】図6の目標平均有効圧算出マップ70rの概略構成を示し、吸気管圧Pbとエンジン回転数Neとに応じて算出される目標平均有効圧Peを説明するための図である。
【図9】後期リーンモード制御時に使用され、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて体積効率Evを算出するためのマップの構成を示す図である。
【図10】前期噴射モード制御時に使用され、吸気管圧Pbとエンジン回転数Neとに応じて体積効率Evを算出するためのマップの構成を示す図である。
【図11】図6の目標空燃比補正係数値算出マップ70jの概略構成を示し、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて演算される目標空燃比補正係数値Kafを説明するための図である。
【図12】図6の点火時期設定手段70nの概略構成を示し、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて演算される基本点火時期θigを説明するための図である。
【図13】図6のEGR設定手段70pの概略構成を示し、目標平均有効圧Peとエンジン回転数Neとに応じて演算されるEGRバルブ45の弁開度Legr を説明するための図である。
【図14】各種燃焼パラメータ値を設定するための燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの一部である。
【図15】図14のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図16】図15のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図17】図16のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図18】図17のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図19】図15のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図20】図19のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図21】図19のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの他の一部である。
【図22】図19のフローチャートに続く、燃焼パラメータ設定ルーチンのフローチャートの残部である。
【図23】所定周期のクロックパルスが発生する毎にECU70によって実行される、タイマルーチンのフローチャートの一部である。
【図24】図23のフローチャートに続く、タイマルーチンのフローチャートの残部である。
【図25】エンジン1の所定クランク角位置を検出する毎にECU70によって実行される、クランク割込ルーチンのフローチャートである。
【図26】モード移行制御時に使用され、制御モードの移行態様に応じて設定される各種テーリング係数値を説明するための図である。
【図27】後期リーンモードとS−F/Bモード間のモード移行制御時の各種制御変数、燃焼パラメータ値の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図28】後期リーンモードと前期リーンモード間のモード移行制御時の各種制御変数、燃焼パラメータ値の時間変化を示すタイミングチャートである。
【図29】前期リーンモードとS−F/Bモード間のモード移行制御時の各種制御変数、燃焼パラメータ値の時間変化を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
4 燃料噴射弁
5 燃焼室
17 クランク角センサ(エンジン回転数検出手段)
24 ISCV
25 吸気管
26 エアバイパスパイプ
27 ABV
28 スロットルバルブ
29 スロットルセンサ(スロットル弁開度検出手段)
31 ブースト圧センサ(運転状態検出手段)
70 ECU(切換手段,燃焼パラメータ切換手段,補正係数設定手段,点火時期補正手段)
70c 目標平均有効圧マップ
70j 目標空燃比補正係数値算出マップ(燃焼パラメータ設定手段)
70m 噴射終了時期設定手段(燃焼パラメータ設定手段)
70n 点火時期設定手段(燃焼パラメータ設定手段)
70p EGR量設定手段(燃焼パラメータ設定手段)
70r 目標平均有効圧マップ
Claims (26)
- 燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置において、
エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段の検出結果に応じ、主として吸気行程で燃料を噴射するとともに第1の空燃比状態でエンジンを制御すべき第1モードと、主として圧縮行程で燃料を噴射するとともに前記第1の空燃比状態よりも燃料希薄側の第2の空燃比状態でエンジンを制御すべき第2モードとの間でモードを切り換える切換手段と、
該切換手段によって切り換えられたモードに応じて、前記燃焼室内の燃焼状態に影響を与えるものであって、燃料噴射終了時期、点火時期、排気ガスを吸気系に再循環される排ガス量、および、前記燃焼室に供給され燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値のうちの少なくとも一つと燃料噴射量とを含む少なくとも2つのパラメータ値を設定する燃焼パラメータ設定手段と、
前記燃焼パラメータ設定手段が設定したパラメータ値に基づいて前記内燃エンジンを制御する制御手段と、
前記切換手段によりモードが切り換えられたとき、前記燃焼状態に影響を与える特定のパラメータ値を、所定の期間に、前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換前のモードに適合する値から切換後のモードに適合する値に変化させる、モード切換開始時からの時間経過につれて第1の所定値から第2の所定値に変化する仮補正係数値を設定する補正係数設定手段と、
前記特定のパラメータ値およびそれ以外のパラメータ値を切換前の値から切換後の値に切り換える際、前記補正係数設定手段が設定した仮補正係数値に応じて、且つ、前記各パラメータ値を連続的に変化させることの可否を決める、前記第1の所定値と第2の所定値の間の第3の所定値に仮補正係数値が達したか否かに基づいて前記各パラメータ値を切り換え、これにより、前記各パラメータ値の切換開始タイミングおよび切換開始以降の前記各パラメータ値の変化速度を、切換前後のモードの種類の組合せに応じて変更する燃焼パラメータ切換手段と、
を備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。 - 前記第1モードには、略理論空燃比状態でエンジンを制御する第1副モードが含まれ、前記切換手段は、該第1副モードを含む各モード間を切り換えることを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記第1モードには、理論空燃比よりも燃料希薄側、且つ、前記第2の空燃比状態よりも燃料過濃側の空燃比状態でエンジンを制御する第2副モードが含まれ、前記切換手段は、該第2副モードを含む各モード間を切り換えることを特徴とする、請求項1または2の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ切換手段は、前記特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値を保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換後のモードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項1ないし3の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ切換手段は、前記特定のパラメータ値または少なくとも一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値と前記燃焼パラメータ設定手段によって設定された、切換後のモードに適合する値の間の、前記仮補正係数値に応じた値に徐々に変化させ、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後のモードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項1ないし3の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ切換手段は、前記特定のパラメータ値または少なくと も一つの他のパラメータ値を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された、切換前のモードに適合する値を保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換直前に設定された切換前のモードに適合する値と切換後に設定された切換後のモードに適合する値の間の、前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後、該中間値から前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させて前記切換後のモードに適合する値に到らせることを特徴とする、請求項1ないし3の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記補正係数設定手段は、前記切換手段によりモードが切り換えられた時点から所定期間が経過した後、前記仮補正係数値を前記第1の所定値から前記第2の所定値に変化させることを特徴とする、請求項1ないし6の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記仮補正係数値が前記第1の所定値から前記第2の所定値に変化する所定の期間は、切り換えられるモードに応じた期間に設定されることを特徴とする、請求項1ないし7の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記特定のパラメータ値は燃料噴射量であることを特徴とする、請求項1ないし6の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値に応じ、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に向かって徐々に切り換えることを特徴とする、請求項9記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記切換手段により前記第2モードから前記第1副モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、該仮補正係数値に応じ、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第2モードに適合する値から切換後に設定された第1副モードに適合する値に向かって徐々に切り換え、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後に設定される第1副モードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項9記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記切換手段により前記第1副モードから前記第2モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、燃料噴射量を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達する時点までは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1副モードに適合する値に保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1副モードに適合する値と切換後に設定された第2モードに適合する値の間の前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後は該中間値から前記切換後の第2モードに適合する値に向かって、前記仮補正係数値に応じて徐々に切り換えることを特徴とする、請求項9記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には燃料噴射終了時期が含まれ、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、燃料噴射終了時期を、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項10ないし12の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には点火時期が含まれ、前記切換手段により前記第2モードから第1モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、点火時期を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第2モードに適合する値に保持し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換直前に設定された第2モードに適合する値と切換後に設定された第1モードに適合する値の間の 前記仮補正係数値に応じた中間値に切り換え、その後は該中間値から前記切換後の第1モードに適合する値に向かって徐々に切り換えることを特徴とする、請求項10ないし12の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記第2モードから前記第1副モードに切り換えられたとき、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後該最大リタード値から前記仮補正係数値に応じて0に向かって徐々に減少させた値に設定される補正リタード量により、前記燃焼パラメータ切換手段により切り換えられた点火時期を補正する点火時期補正手段を備えることを特徴とする、請求項14記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には点火時期が含まれ、前記切換手段により前記第1モードから第2モードに切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、点火時期を、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達するまでは、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された第1モードに適合する値から切換後に設定された第2モードに適合する値に向かい、前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させ、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で、前記切換後に設定された第2モードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項10ないし12の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記第1副モードから前記第2モードに切り換えられたとき、前記仮補正係数値に応じて0から徐々に増加し、前記仮補正係数値が前記第3の所定値に到達した時点で最大リタード値に設定され、その後0に設定される補正リタード量により、前記燃焼パラメータ切換手段により切り換えられた点火時期を補正する点火時期補正手段を備えることを特徴とする、請求項16記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記第3の所定値は、前記第2モードによりエンジンを制御したとき、燃焼噴射量の増加に伴って生じる失火に関連して設定された値であることを特徴とする、請求項11ないし17の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には前記燃焼室に供給され、燃焼に関わることのできる酸素量に関連した単位吸気行程当たりの有効吸気パラメータ値が含まれ、該有効吸気パラメータ値に基づいて少なくとも燃料噴射量が設定され、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間でモードが切り換えられたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、有効吸気パラメータ値を、前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に向かい、前記仮補正係数値に応じて徐々に変化させることを特徴とする、請求項10ないし18の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記燃焼パラメータ設定手段が設定するパラメータ値には吸気系に再循環させる排気ガス量が含まれ、前記切換手段により前記第1モードと第2モード間のモード切換がおこなわれたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、排気ガス量を、モード切換時点で前記燃焼パラメータ設定手段によって切換直前に設定された切換前のモードに適合する値から切換後に設定された切換後のモードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項10ないし19の何れかに記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記切換手段により前記第1副モードから第2モードへのモード切換がおこなわれたとき、前記燃焼パラメータ切換手段は、排気ガス量を、モード切換時点から所定期間の経過後に前記切換後のモードに適合する値に切り換えることを特徴とする、請求項20記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記運転状態検出手段は、エンジンの加速状態を検出する加速状態検出手段を有し、該加速状態検出手段によってエンジンの加速状態が検出されたとき、前記切換手段は前記第1モードに強制的に切り換えることを特徴とする、請求項1記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記加速状態検出手段によってエンジンの加速状態の終了が検出された とき、前記切換手段は、前記運転状態検出手段の検出結果に応じたモードに切り換えることを特徴とする、請求項22記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記加速状態検出手段は、吸気通路途中に配設され、運転者の人為的操作によって開閉されるスロットル弁の弁開度を検出するスロットル弁開度検出手段と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段とを備え、該スロットル弁開度検出手段が検出したスロットル弁開度の変化度合が所定値を超えたとき、または、前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数の変化度合が所定値を超えるたときエンジンが加速状態にあると判定することを特徴とする、請求項22記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記切換手段により前記第1モードに切り換えられたとき、エンジンを略理論空燃比状態で制御することを特徴とする、請求項22記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
- 前記前記第1モードによる燃料噴射は、主として吸入行程で行われることを特徴とする、請求項25記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000309454A JP3661769B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000309454A JP3661769B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14123195A Division JP3152106B2 (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001140677A JP2001140677A (ja) | 2001-05-22 |
| JP3661769B2 true JP3661769B2 (ja) | 2005-06-22 |
Family
ID=18789609
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000309454A Expired - Lifetime JP3661769B2 (ja) | 2000-10-10 | 2000-10-10 | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3661769B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2874972B1 (fr) * | 2004-09-07 | 2009-09-18 | Inst Francais Du Petrole | Procede de controle d'un moteur a combustion interne a injection directe de carburant et moteur utilisant un tel procede |
| JP4760656B2 (ja) * | 2006-10-13 | 2011-08-31 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
| CN116447031A (zh) * | 2023-05-31 | 2023-07-18 | 湖南道依茨动力有限公司 | 一种进气压力调节方法、装置、计算机设备及发动机系统 |
-
2000
- 2000-10-10 JP JP2000309454A patent/JP3661769B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2001140677A (ja) | 2001-05-22 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3152106B2 (ja) | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 | |
| KR100294713B1 (ko) | 기통내분사형불꽃점화식내연기관의제어장치 | |
| JP3768296B2 (ja) | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 | |
| US5988137A (en) | Controller of in-cylinder injection spark ignition internal combustion engine | |
| US6024069A (en) | Controller for an internal combustion engine | |
| KR100291707B1 (ko) | 원원통내 분사형 불꽃 점화식 내연 엔진의 제어 장치 및 제어 방법 | |
| EP1322851B1 (en) | Fuel injection control apparatus for a diesel engine | |
| US20020020386A1 (en) | Control system and method and engine control unit for internal combustion engine | |
| JPH08312398A (ja) | 内燃エンジンのアイドル回転数制御装置 | |
| US6557525B2 (en) | Control system and method and engine control unit for internal combustion engine | |
| EP0903485A2 (en) | Apparatus and method for controlling direct injection engines | |
| JP3661769B2 (ja) | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 | |
| JPH08312433A (ja) | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 | |
| JP4339599B2 (ja) | 筒内噴射式内燃機関の制御装置 | |
| JP2002339782A (ja) | 火花点火式直噴エンジンの制御装置 | |
| JP3189733B2 (ja) | 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンの制御装置 | |
| JP2004124899A (ja) | エンジンの制御装置 | |
| JP2000136744A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
| JP2002332849A (ja) | 火花点火式直噴エンジンの制御装置 | |
| JP3677948B2 (ja) | 内燃機関の燃料噴射制御装置 | |
| JP2000104627A (ja) | 内燃機関の排気環流制御装置 | |
| JP3669128B2 (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 | |
| JP2002364371A (ja) | 火花点火式直噴エンジンの制御装置 | |
| JP2001329897A (ja) | 火花点火式エンジン | |
| JP2002054541A (ja) | 内燃機関の点火時期制御装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041208 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050203 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050302 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050315 |
|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080401 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100401 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110401 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120401 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130401 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140401 Year of fee payment: 9 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |