JPH08239502A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法

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JPH08239502A
JPH08239502A JP6697795A JP6697795A JPH08239502A JP H08239502 A JPH08239502 A JP H08239502A JP 6697795 A JP6697795 A JP 6697795A JP 6697795 A JP6697795 A JP 6697795A JP H08239502 A JPH08239502 A JP H08239502A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性ポリエステル系樹脂の押し出し発泡
では、架橋剤又は分岐剤として1分子中に酸無水物基を
2個以上持った有機化合物が使用されたが、この有機化
合物は湿気を吸収して酸無水物基が開環しやすく、開環
したものは架橋剤又は分岐剤として使用できなくなる、
と考えられた。そこで、開環したものでも効果の出るよ
うな押し出し発泡法を提供しようとする。 【構成】 押出機のバレルに設けた孔から減圧吸引し
て、樹脂中の水分を除くことにより、開環したものでも
使用できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。さらに
詳しくは、この発明は、熱可塑性ポリエステル系樹脂を
押し出して発泡させて、発泡体を製造する方法の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステル系樹脂(以下、こ
れをPATという)は、透明であって耐熱性、耐化学薬
品性、耐候性にすぐれ、また抗張力などの機械的性質も
良好である。従って、この樹脂はブロー成形によってビ
ンに加工し、ペットボトルとして広く使用されている。
また、PATは結晶性の樹脂であるため、発泡させにく
い樹脂ではあるが、これを押し出し発泡させて発泡シー
トを作ることも行われている。さらに、この発泡シート
を容器に成形して食品容器とし、食品を入れて電子レン
ジで加熱するに適したものとすることも行われている。
【0003】PATを押し出し発泡させて発泡シートと
する場合には、架橋剤を加えることが必要とされる。そ
れは、PATが結晶性の樹脂であって、これを加熱して
溶融すると、結晶の消失温度で急激に溶融粘度が低下
し、従ってPATが発泡するに適した溶融粘度を示す温
度範囲が狭いからである。云いかえると、PATに発泡
剤を含ませて押出機から低圧領域に押し出すと、PAT
の溶融粘度が低いために発泡剤がすぐにPATから逃げ
てしまい、発泡するに至らないからである。そこで、P
ATの溶融粘度を高めて、発泡に適した溶融粘度をPA
Tに与えるために、PATに架橋剤を加えることが必要
とされた。
【0004】架橋剤または分岐剤としては、1分子中に
2個以上の酸無水物基を持った有機化合物(以下、これ
を酸二無水物という)が有効なことが知られている。こ
れは特開平2−150434号公報に記載されている。
また、酸二無水物は、これを周期律表の第1族、第2族
又は第3族に属する金属の化合物とともに使用すると、
架橋剤としての性能が一層向上することが知られてい
る。酸二無水物と上記金属化合物とをPATに加えて押
し出し発泡を行う方法は、特開平2−150433号公
報に記載されている。
【0005】ところが、酸二無水物は不安定であって、
吸湿して効力がなくなる性質を持つために、これを使用
するのに不都合があった。例えば、酸二無水物は、これ
を大気中に放置しておくと、無水物基が開環してカルボ
キシル基となり、カルボキシル基となったものは、これ
をPATに加えても、PATの溶融粘度を上昇させる能
力に乏しい。そのために、酸二無水物は、湿気を吸収し
ないように真空下にアルミニウム箔で包装して保管する
などの注意が必要とされた。また、一旦開封した酸二無
水物は、早期に例えば2週間以内に使用すべきものと
し、開封後数週間を経過したものは廃棄することとされ
た。従って、酸二無水物の使用は大きな制約を受けた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな欠点を改良しようとするものである。すなわち、こ
の発明は、酸二無水物が吸湿して開環し、無水物基がな
くなったようなポリカルボン酸をも、架橋剤として使用
できるようなPATの押し出し発泡方法を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、無水ピロ
メリット酸が吸湿して、その中の2個の酸無水物基が開
環してカルボキシル基となった化合物、すなわちピロメ
リット酸も、押出機内でPATとともに混合して溶融
し、この溶融している場所で押出機のバレルに孔をあ
け、この孔から真空ポンプで吸引して脱気させると、ピ
ロメリット酸が無水ピロメリット酸と同様に架橋剤とし
て働くことを見出した。従って、真空脱気をしたあとで
PATの溶融物に発泡剤を圧入し、次いでPATを低圧
領域に押し出すと、ここに良質のPAT発泡体の得られ
ることを見出した。この発明は、このような知見に基づ
いて完成されたものである。
【0008】この発明は、PATと架橋剤または分岐剤
とを押出機に供給し、押出機内でPATを溶融してこれ
に発泡剤を圧入し、次いでPATを押出機から低圧領域
へ押し出し、PATを発泡させて発泡体とする方法にお
いて、上記架橋剤または分岐剤として1分子中にカルボ
キシル基を3個以上持った有機化合物、又はそのうちの
少なくとも2個のカルボキシル基が酸無水物基を構成し
ている有機化合物を用い、発泡剤の圧入前にPATが溶
融状態にある間に、押出機のバレルに設けた孔から減圧
吸引してPAT中の水分を除去することを特徴とする、
PAT発泡体の製造方法に関するものである。
【0009】この発明で用いる樹脂はPATである。P
ATは、芳香族のジカルボン酸と二価のアルコールとが
エステル結合をして生成された高分子量の線状ポリエス
テルである。PATを構成するジカルボン酸としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスル
ホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等
が使用され、二価のアルコールとしては、エチレングリ
コール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコ
ール等が使用されているので、PATとしてはこれらが
エステル結合を起こして生成されたものを使用すること
ができる。
【0010】PATの中では、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレートエラストマー、非晶性ポリエステル、ポリシ
クロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート及びそれらの混合物を使
用することが好ましい。
【0011】また、この発明では、PATとして回収
品、すなわち、ペットボトル等として一旦使用した成形
品を粉砕して破片状にしたものを用いることができる。
回収品は、未使用PATに比べて水分の含有量も、分子
量分布も区区であるから、これを発泡体にするにはそれ
なりの工夫が必要とされるが、この発明ではこのような
ものをも用いることができる。
【0012】架橋剤または分岐剤としては、これまで酸
二無水物、すなわち1分子中に酸無水物基を2個以上含
んでいる有機化合物が用いられて来た。それは例えばピ
ロメリット酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、シクロペ
ンタンテトラカルボン酸無水物のようなものである。こ
れに対し、この発明で用いる架橋剤は、上記の酸二無水
物が開環して少なくとも1個の酸無水物基が2個のカル
ボキシル基になっているような化合物である。そのほ
か、酸無水物基を全く含まないで、カルボキシル基を3
個以上含んでいる有機化合物である。例を挙げると、ピ
ロメリット酸、トリメリット酸、トリカルバリル酸、ト
リメシン酸、没食子酸、トリメシチン酸等を使用するこ
とができる。これらの架橋剤はPAT100重量部に対
し、0.05〜5重量部の割合で用いることが好まし
い。
【0013】架橋剤または分岐剤として上述のような酸
二無水物の開環物又はカルボキシル基を3個以上含んで
いる化合物(以下、これらを総称してポリカルボン酸と
いう)を使用する場合には、これとともに周期律表の第
1族、第2族又は第3族に属する金属の化合物を併用す
ることが好ましい。その中でも、とくに第1族又は第2
族に属する金属の化合物を用いることが好ましい。これ
らの金属化合物は、有機物であっても無機物であっても
よい。とりわけ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リ
チウムをPAT100重量部に対し0.01〜5重量部
の割合で用いることが好ましい。
【0014】押出機としては単軸押出機も二軸押出機を
も使用することができる。しかし、押出機のバレルから
減圧吸引する押出機には、二軸押出機を用いることが好
ましい。その理由は、二軸押出機を用いると、回転する
2個のスクリュの間で溶融したPATが展開し易く、従
ってPAT中の水分を除き易いからである。二軸押出機
としては、二軸が咬み合って同方向に回転するものであ
っても、逆方向に回転するものであってもよい。
【0015】押出機としては、押出量/回転数の比が
0.28〜1.67の範囲内にあるものを用いるのが好
ましく、中でも0.33〜1.43の範囲内のものを用
いるのがさらに好ましく、とりわけ0.42〜1.25
の範囲内のものを用いるのが最も好ましい。押出機のバ
レルには、丁度PATが溶融された状態にある部分に孔
があけられているものを用いる。この孔はベント口と呼
ばれるものである。二軸押出機の場合には、ベント口は
2本のスクリュが咬み合っている部分を中心として、ス
クリュ軸の中心線の真上あたりまでバレルの幅方向に対
称に広がっているものを用いるのが好ましい。
【0016】ベント口には減圧装置が接続される。ベン
ト口からの水分の除去を有効にするためには、押出機内
のベント口を設けた部分の前方及び後方において、PA
Tがバレルとスクリュ軸との間に緻密に充満し、この充
満したPATがスクリュ軸側から空気の入るのを完全に
遮断するような押出機を用いることが好ましい。そのた
めには、スクリュ軸のスクリュピッチを変えて、ベント
口にさしかかる直前及びベント口を過ぎた直後のところ
でスクリュピッチが小さくなるようにすることが好まし
い。こうしてベント口の前後で空気の流通を遮断し、ベ
ント口には20torr以下、とくに10torr以下
の強い減圧状態が発生するようにすることが好ましい。
また、ベント口の開口面積は、バレルによるPATの混
練を妨げない範囲内で、なるべく大きくすることが好ま
しい。好ましい開口面積は、PATの押出量1kg/H
rあたり0.05cm2 以上である。
【0017】この発明で用いるのに好ましい押出機は、
二軸押出機と単軸押出機とをこの順序に連結したタンデ
ム押出機である。二軸押出機ではPATとポリカルボン
酸とを混練してのち、減圧吸引までを行い、次いで単軸
押出機で溶融したPATに発泡剤を圧入してのち、発泡
適温に維持して低圧領域へ押し出すようにする。
【0018】タンデム押出機では、二軸押出機の先が接
続管によって単軸押出機の樹脂供給口に接続される。単
軸押出機のバレルは途中に発泡剤圧入口が設けられてい
る。発泡剤圧入口からは発泡剤がバレル内に圧入され
る。また、単軸押出機の先には金型が付設され、金型に
は得ようとする発泡体の断面形状に対応したオリフィス
が設けられている。単軸押出機のスクリュは、その一部
にダルメージ又はピンのような発泡剤を分散させるに役
立つ機構を備えていることが好ましい。また押出量を安
定化させるために、スクリュの先端にある安定化部分の
長いことが好ましく、安定化部分のL/Dすなわち長さ
と直径との比は5以上、とりわけ7以上であることが好
ましく、さらにその安定化部分はフルフライトでピッチ
と深さとが変化しないことが好ましい。
【0019】タンデム押出機における二軸押出機の樹脂
供給口には、定量供給具を付設することが好ましい。定
量供給具としては市販のものを用いることができる。市
販の定量供給具はベルトの移動、スプリングの振動又は
スクリュの回転によって落下する固体量を制御できる機
構のものである。この発明では、2個の定量供給具を付
設して、PATと架橋剤とを別々に定量ずつ供給するこ
とが好ましいが、PATと架橋剤とを予め混合したもの
を1個の定量供給具によって供給するようにしてもよ
い。
【0020】発泡剤としては、既に知られている各種の
発泡剤を用いることができる。発泡剤は大きく分けると
物理発泡剤と化学発泡剤とになるが、その中では物理発
泡剤を用いることが好ましい。物理発泡剤は、さらに不
活性ガス、飽和脂肪族炭化水素、飽和脂環族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン等に分類される
が、この発明ではその何れをも使用することができる。
代表的な例を述べると、不活性ガスとしては炭酸ガス、
窒素を使用することができ、飽和脂肪族炭化水素として
はプロパン、ブタンを使用することができ、飽和脂環族
炭化水素としてはシクロヘキサンを使用することがで
き、ハロゲン化炭化水素としては塩化メチル、テトラフ
ルオロエタンを使用することができ、エーテルとしては
メチルターシャリブチルエーテル、ケトンとしてはアセ
トンを使用することができる。これらは単独で用いるこ
ともできるが、また混合して用いることもできる。
【0021】PATは、高温に加熱されると加水分解さ
れ易い樹脂であるから、PATを押し出し発泡させるに
は通常これを乾燥して用いている。しかし、この発明で
は押出機内で減圧吸引して水分を除くから、PATを予
め乾燥する必要がない。
【0022】この発明ではPATとして回収品もまた新
原料も使用することとしているから、PATは色々なグ
レードのものを含んでいる。回収品は、一般に熱劣化を
受けているから、分子量が小さく従って低い溶融粘度を
示し、また非結晶状態である。これに対し、新原料は一
般に分子量が大きく溶融粘度が高い。このような色々な
グレードのものを用いて、発泡に適した溶融粘度をこれ
に発現させるために、この発明では架橋剤としてポリカ
ルボン酸を用いる。
【0023】架橋剤または分岐剤としてポリカルボン酸
を用いるときは、PATを発泡に適したものとするのに
発泡指数という概念を用いると好都合である。発泡指数
とは、PAT分子のすべての末端基に対するヒドロキシ
ル末端基の割合と、極限粘度とを測定することによって
得られる値である。PATの極限粘度は、例えば0.3
00gのPATを25mlのオルソクロロフェノールに
140℃で1時間撹拌して溶解し、この溶液を35℃の
恒温槽中でオストワルド粘度計により溶液粘度を測定し
て、これを算出することができる。
【0024】他方、PATのすべての末端基に対するヒ
ドロキシル末端基の割合は、次のようにして算出する。
まず、前述の極限粘度から次の式により平均分子量Mn
を求める。 Mn={極限粘度/(3.07×10-4)}1/0.77 次に、Mnの値からポリマー106 gあたりの全末端基
数を次の式から求める。 全末端基数(eq/T)=106 /Mn×2
【0025】別に、PATのカルボキシル末端基の数を
次の方法により求める。約100mgのPATを取り、
これを10mlのベンジルアルコールに200℃で溶解
し、この溶液をフェノールレッドを指示薬として1/5
0規定のNaOH/エタノール溶液で滴定して、カルボ
キシル末端基の数を算出する。この値をポリマー106
g当たりのカルボキシル基当量の数に換算する。最後
に、全末端基数からカルボキシル末端基数を差し引くこ
とによりヒドロキシル末端基数を求める。こうしてヒド
ロキシル末端基の比率は、 ヒドロキシル末端基数÷全末端基数 として求める。発泡指数は、 極限粘度×ヒドロキシル末端基の比率 として得られる。
【0026】PATを発泡させるには、発泡指数が0.
4以上のPATを選んで用いるか、又は発泡指数が0.
4以上となるように調整して用いる。
【0027】この発明では、PATと架橋剤と発泡剤の
ほかに、必要に応じて色々な添加物を用いることができ
る。例えば発泡用核剤、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、結晶化核剤等を添加してこの発明方
法を行うことができる。これらの添加物は、これを二軸
押出機の供給口からPATとともに加えることにより、
PATに一様に分散させることが容易となる。
【0028】この発明では、押出機の先に金型を取り付
けて、金型を通して低圧領域へ押し出す。この場合に、
金型としてはサーキュラーダイ、Tダイ、フラットダ
イ、マルチノズルダイの何れをも使用することができ
る。また、坪量の大きい発泡シートを得ようとする場合
には、サーキュラーダイを下向きに取り付けて使用する
こともできる。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、PATとポリカルボ
ン酸とを押出機に供給し、押出機内で溶融混練してのち
押出機のバレルに設けた孔から減圧吸引してPAT中の
水分を除くので、PATは予め乾燥して押出機に供給し
たのと同じ状態になるとともに、ポリカルボン酸は酸無
水物基を含むと同じ状態になってPATを架橋すること
となる。次いで、押出機内でこのPATに発泡剤を圧入
するので、PATは発泡性を付与されることとなり、従
って低圧領域へ押し出されると発泡して、ここにPAT
発泡体が得られる。この発明では押出機に入れる前にP
ATを乾燥する必要がなく、またポリカルボン酸のよう
に酸無水物が吸湿して開環したものでも使用することが
できるので発泡が容易となり、またこれまで廃棄してい
たものまでも使用できることとなるので経済的であり、
さらに能率よく発泡体を作ることができる。その上に、
PATとしては回収物をそのまま使用することもできる
ので、回収方法としても便利である。この発明は、この
ような利益を与えるものである。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明の優れている
ところを具体的に説明する。以下において単に部という
のは重量部の意味である。
【0031】
【実施例1】この実施例では、タンデム押出機を用い、
一段目の押出機として口径65mmφのかみ合い型同方
向回転の二軸押出機を用い、二段目の押出機として口径
65mmφでL/Dが25の単軸押出機を用いた。
【0032】極限粘度が0.70のペットボトルの回収
フレーク100部をスクリュフィーダーを持った原材料
定量供給装置から66kg/Hrの割合で一段目の押出
機の原材料投入口から連続的に供給した。また極限粘度
が1.10の未使用ポリエチレンテレフタレート樹脂1
00部とタルク3部と377日前に開封した無水ピロメ
リット酸1.0部をタンブラーにて混合したものをスク
リュフィーダーを持った原材料定量供給装置から34k
g/Hrの割合で別の原材料投入口から一段目の押出機
に連続的に供給した。一段目の押出機のシリンダーバレ
ルは長さが200mmのバレルユニットを12個連結し
た構造のものを用いた。一段目の二軸押出機はスクリュ
回転数を120rpm、押出機シリンダーの温度を24
0℃から285℃に維持した。また一段目の押出機の途
中の真空ポンプに接続された二カ所のベント孔(開口面
積はそれぞれ12cm2 )から押出機内の水分を除去し
た。この時の減圧度は4.5torrだった。
【0033】一段目の押出機で水分を除去し、増粘反応
を行った後、溶融混合物を275℃に維持された接続管
を通って、二段目の単軸押出機に供給した。二段目の押
出機はスクリュ回転数を65rpm、押出機シリンダー
の温度を265℃から275℃に維持した。また二段目
の押出機の途中から発泡剤(ブタン)を0.7部の割合
で注入した。発泡剤を含んだ溶融混合物は口径80mm
φ、スリット幅0.5mmのサーキュラ金型から大気中
へ押し出した。押し出した溶融樹脂混合物を発泡させつ
つ引き取りつつ直径が330mmφで長さが740mm
の円筒形マンドレルにて円筒形に成形し、その円筒形発
泡体の一部を切開しシート状として巻き取った。その
際、円筒形マンドレルには冷却水を循環させ表面温度を
25℃に保った。得られた発泡シートは密度0.23g
/cc、幅1040mm、厚み1.0mmであった。
【0034】
【実施例2】この実施例では実施例1と同じタンデム押
出機を用いた。
【0035】極限粘度が0.81のポリエチレンテレフ
タレート樹脂100部とタルク1部と炭酸ソーダ0.0
5部をタンブラーにて混合したものをスクリュフィーダ
ーを持った原材料定量供給装置から30kg/Hrの割
合で一段目の押出機の原材料投入口から連続的に供給し
た。また極限粘度が0.81のポリエチレンテレフタレ
ート100部とタルク1部と炭酸ソーダ0.05部とピ
ロメリット酸1.0部をタンブラーにて混合したものを
スクリュフィーダーを持った原材料定量供給装置から2
0kg/Hrの割合で別の原材料投入口から一段目の押
出機に連続的に供給した。一段目の二軸押出機はスクリ
ュ回転数を120rpm、押出機シリンダーの温度を2
40℃から285℃に維持した。また一段目の押出機の
途中の真空ポンプに接続された二カ所のベント孔(開口
面積はそれぞれ12cm2 )から押出機内の水分を除去
した。この時の減圧度は4.1torrだった。
【0036】一段目の押出機で水分を除去し、増粘反応
を行った後、溶融混合物を275℃に維持された接続管
を通って、二段目の単軸押出機に供給した。二段目の押
出機はスクリュ回転数を33rpm、押出機シリンダー
の温度を265℃から275℃に維持した。また二段目
の押出機の途中から発泡剤(ブタン)を1.2部の割合
で注入した。こうして、発泡剤を含んだ溶融樹脂混合物
を穴径1.2mm、横ピッチ2.8mm、縦ピッチ6.
0mmの配置で一列に104のノズルを設けこれを3
列、合計312個のノズルを設けたマルチノズル口金よ
り大気中に押し出した。押し出された発泡体をすぐさま
金型に近接する60℃に温調されたサイジングダイ(厚
み18mm×長さ300mm)に密接させながら進行さ
せた。このサイジングダイを用いて密度が0.15g/
cc、幅が300mm、厚みが18mmの互いのストラ
ンドが空隙なく接着した木目状の外観を有するポリエチ
レンテレフタレート発泡体を得た。
【0037】
【実施例3】この実施例では実施例1と同じタンデム押
出機を用いた。
【0038】極限粘度が0.55のポリエチレン−2、
6−ナフタレート樹脂100部とタルク1部と炭酸ソー
ダ0.05部をタンブラーにて混合したものをスクリュ
フィーダーを持った原材料定量供給装置から60kg/
Hrの割合で一段目の押出機の原材料投入口から連続的
に供給した。また極限粘度が0.55のポリエチレン−
2、6−ナフタレート樹脂100部とタルク1部と炭酸
ソーダ0.05部とトリメリット酸1.3部とをタンブ
ラーにて混合したのち、この混合物をスクリュフィーダ
ーを持った原材料定量供給装置から40kg/Hrの割
合で別の原材料投入口から一段目の押出機に連続的に供
給した。一段目の二軸押出機はスクリュ回転数を120
rpm、押出機シリンダーの温度を255℃から290
℃に維持した。また一段目の押出機の途中の真空ポンプ
に接続された二カ所のベント孔(開口面積はそれぞれ1
2cm2 )から押出機内の水分を除去した。この時の減
圧度は4.3torrだった。
【0039】一段目の押出機で水分を除去し、増粘反応
を行った後、溶融混合物を275℃に維持された接続管
を通って、第二段目の単軸押出機に供給した。二段目の
押出機はスクリュ回転数を64rpm、押出機シリンダ
ーの温度を280℃に維持した。また二段目の押出機の
途中から発泡剤(ブタン)を0.9部の割合で注入し
た。発泡剤を含んだ溶融混合物は口径80mmφ、スリ
ット幅0.5mmのサーキュラ金型から大気中へ押し出
した。押し出した溶融樹脂混合物を発泡させつつ引き取
り、直径が330mmφで長さが740mmの円筒形マ
ンドレルにて円筒形に成形し、その円筒形発泡体の一部
を切開しシート状として巻き取った。その際、円筒形マ
ンドレルには冷却水を循環させ表面温度を25℃に保っ
た。得られた発泡シートは密度0.20g/cc、幅1
040mm、厚み1.0mmだった。
【0040】
【比較例1】この比較例では、実施例1で用いたPAT
を除湿乾燥機で乾燥して用いたことと、第一段目の押出
機で減圧吸引しないこととした以外は、実施例1と全く
同様にして実施した。
【0041】PATの乾燥は、露点が−50℃の空気を
循環させ、160℃の温度で5時間行った。
【0042】発泡剤を含んだ溶融混合物を口径80mm
φ、スリット幅0.5mmのサーキュラ金型から100
kg/Hrの割合で押し出したが、発泡剤と樹脂が断続
的に金型から放出され、発泡シートを得ることができな
かった。
【0043】
【比較例2】この比較例では、実施例2で用いたPAT
を比較例1と同じ条件下で予め乾燥して用いたことと、
第一段目の押出機で減圧吸引しないこととした以外は実
施例2と全く同様にして実施した。
【0044】発泡剤を含んだ溶融混合物を押出量50k
g/Hrの割合で押し出したが、発泡剤と樹脂が断続的
に金型から放出され、空隙が多く外観の悪い0.68g
/ccの密度の発泡体しか得られなかった。
【0045】
【比較例3】この比較例では、実施例3で用いたPAT
を比較例1と同じ条件下で予め乾燥して用いたことと、
第一段目の押出機で減圧吸引しないこととした以外は、
実施例3と全く同様にして実施した。
【0046】発泡剤を含んだ溶融混合物を押出量100
kg/Hrの割合で押し出したが、発泡剤と樹脂が断続
的に金型から放出され、発泡シートを得ることができな
かった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル系樹脂と架橋剤ま
    たは分岐剤とを押出機に供給し、押出機内で上記樹脂を
    溶融してこれに発泡剤を圧入し、次いでこの樹脂を押出
    機から低圧領域へ押し出し、樹脂を発泡させて発泡体と
    する方法において、上記架橋剤または分岐剤として1分
    子中にカルボキシル基を3個以上持った有機化合物又は
    そのうちの少なくとも2個のカルボキシル基が酸無水物
    基を構成している有機化合物を用い、発泡剤の圧入前に
    樹脂が溶融状態にある間に、押出機のバレルに設けた孔
    から減圧吸引して樹脂中の水分を除去することを特徴と
    する、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。
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