JPH08239448A - 安定化したリン変性エポキシ樹脂及びその使用方法 - Google Patents

安定化したリン変性エポキシ樹脂及びその使用方法

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JPH08239448A
JPH08239448A JP7343124A JP34312495A JPH08239448A JP H08239448 A JPH08239448 A JP H08239448A JP 7343124 A JP7343124 A JP 7343124A JP 34312495 A JP34312495 A JP 34312495A JP H08239448 A JPH08239448 A JP H08239448A
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Hans-Jerg Dr Kleiner
ハンス−イエルク・クライナー
Dieter Regnat
デイーター・レグナート
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に高温における貯蔵安定性に優れており、
造形品、コーティング又は積層品の製造に使用すること
ができるリン変性エポキシ樹脂を提供する。 【解決手段】 (A)1分子当たり少なくとも2つのエ
ポキシド基を有するポリエポキシド化合物及び(B)ホ
スフィン及び/又はホスホン酸無水物から誘導される構
造単位を含み、0〜約1モル/100gのエポキシド価
を有するリン変性エポキシ樹脂に、少なくとも1つのフ
ェノール性酸化防止剤を混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】リン含有エポキシ樹脂は、高
度の熱的、機械的及び電気的特性を有する不燃性反応性
樹脂成形材料及びコーティングの製造及び積層品の製造
において重要である(PCT特許出願国際公開第94/
21704号明細書参照)。不燃性に加えて、それら
は、優れた貯蔵安定性を有しているので、非常に処理し
やすい特性を有する点でとりわけ優れている。それにも
関わらず、特に高温において貯蔵安定性は常に完全に満
足のいくものではないので、それを改善する必要があっ
た。
【0002】従って、本発明は、特に高温での貯蔵安定
性を改善したリン変性エポキシ樹脂であって、(A)1
分子当たり少なくとも2つのエポキシド基、特に末端エ
ポキシド基を有するポリエポキシド化合物、及び(B)
ホスフィン及び/又はホスホン酸無水物から誘導される
構造単位を含み、エポキシド価が0〜約1モル/100
gであり、少なくとも1つのフェノール性酸化防止剤が
混入された上記リン変性エポキシ樹脂に関する。
【0003】従って本発明で使用されるリン変性エポキ
シ樹脂は、(A)及び(B)の化合物のアダクトであ
り、一般的にエポキシ樹脂に応じて樹脂に対して約0.
5〜13重量%のリン含有量を有する。このリン含有量
は、ポリエポキシド化合物とホスフィン酸無水物/ホス
ホン酸無水物のモル比によって必要に応じて調整するこ
とができる。さらに、好ましくはリン変性エポキシ樹脂
1分子当たり平均的に少なくとも1つのエポキシド基が
含まれるべきであるという要望は、使用されるエポキシ
樹脂の官能性によって実現される。
【0004】本発明に従って使用されるリン変性エポキ
シ樹脂は、樹脂に対するリン含有量が約1〜8重量%、
特に約2〜5重量%であることが好ましい。それらは、
硬化性であることが好ましい。平均的にそれらは1分子
当たり少なくとも1つのエポキシド基、特に1〜3のエ
ポキシド基を含むことが好ましく、従って平均的な官能
性は、少なくとも1、特に1〜3であることが好まし
い。エポキシド価は約0.02〜1モル/100g、特
に0.02〜0.6モル/100gであることが好まし
い。さらに、本発明に従ったリン変性エポキシ樹脂は、
一般的に約10000まで、特に約200〜5000、
殊に約400〜2000の平均分子量Mn(数平均、ゲ
ルクロマトグラフィーで測定、ポリスチレン標準)を有
する。
【0005】本発明に従って使用されるリン変性エポキ
シ樹脂は、事実上架橋していない。一般的に、そのゲル
含有量は、5重量%を越えず、好ましくは1重量%未満
である。一般的に、構造単位(A)の平均分子量M
n (数平均、同様にゲルクロマトグラフィーで測定、ポ
リスチレン標準)は、約9000まで、特に約150〜
4000、殊に約300〜1800であり、1分子当た
り平均2〜6のエポキシド基を有するポリエポキシド化
合物(2〜6の官能性)から誘導されることが好まし
い。これらのポリエポキシド化合物は、芳香族アミン、
多価フェノール、これらのフェノールの水素化生成物及
び/又はノボラックを基材としたポリグリシジルエーテ
ルであることが好ましい(以下を参照)。
【0006】構造単位(B)は、下記一般式(I)及び
/又は(II)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R 及びR1は、お互い独立して脂肪
族及び/又は芳香族の特性を有していてもよく、ヘテロ
原子又はヘテロ基(heteroatom groups) によって中断さ
れていてもよい1〜20個、特に1〜10個の炭素原子
を有する炭化水素基、好ましくはメチル、エチル、n−
及びi−プロピル、n−、i−及びt−ブチル及び多種
のペンチル及びヘキシルのように1〜8個、特に1〜6
個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はシクロ
アルキルのような飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪
族基、又は置換されていない又は好ましくは1〜6個の
炭素原子を有する1〜3のアルキル基で置換されたフェ
ニル又はナフチル、又は例えばベンジルのようなアルキ
ル基に1〜6個の炭素原子を有するフェニルアルキルの
ようなアリール又はアルアルキル基を表し、A は、脂肪
族及び/又は芳香族の特性を有していてもよく、ヘテロ
原子又はヘテロ基によって中断されていてもよい1〜1
0個、特に1〜6個、殊に1〜4個の炭素原子を有する
二価炭化水素基、好ましくは二価の飽和又は不飽和の直
鎖又は分岐の脂肪族基、特にメチレン、プロピレン及び
その類のようなアルキレン基を表し、y は、少なくとも
1、特に1〜100、殊に1〜30の整数であり、y が
1である際には架橋部材A は、好ましくは少なくとも2
つの炭素原子を有する)で表されるホスフィン酸無水物
から誘導されることが好ましい。
【0009】さらに、構造単位(B)は、下記一般式
(III )
【0010】
【化5】
【0011】(式中、R3は一般式(I)及び(II)のR/
R1と同様の意味を有し、z は、少なくとも3、特に3〜
100、殊に20〜60を表す)で表されるホスホン酸
無水物から誘導されることが好ましい。場合によって
は、これらの構造単位に加えて、上記一般式(I)及び
/又は(II)で表されるホスフィン酸無水物から誘導さ
れたものも存在してもよい。
【0012】好ましい態様においては、本発明のリン変
性エポキシ樹脂は、実質的に下記一般式(IV)、(V)
及び/又は(VI)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R 、R1及びR3は、上記一般式
(I)から(III )の定義と同様の意味を有し、R2は、
グリシジル基により還元されたポリエポキシド化合物の
遊離基を表し、n は、1〜5、特に1〜3の整数を表
し、m は、1〜5、特に1〜3の整数を表し、ここでn
とm の合計は2〜6、特に2〜4である)で表される構
造を有する。
【0015】例えば、R2は、 −ポリエーテル、ポリエーテル−多価アルコール、ポリ
エステル又はポリエステル−多価アルコール、 −飽和又は不飽和の脂肪族特性及び/又は芳香族特性を
有していてもよく、酸素及び窒素のようなヘテロ原子及
び-NR1CO- (R1は、上記と同様の意味を有する)のよう
なヘテロ基によって中断されていてもよく、及び/又は
これらを含んでいてもよい炭化水素基であって、原則と
して少なくとも6個、特に12〜30個の炭素原子を有
し、好ましくはアリール基、特に置換されていてもよい
が好ましくは置換されていないフェニル基を含む炭化水
素基、又は −エポキシド化合物とポリアミン、多価アルコール、ポ
リカプロラクトン−多価アルコール、OH基含有ポリエ
ステル、ポリエーテル、ポリグリコール、ヒドロキシル
−、カルボキシル−及びアミノ−官能性ポリマーオイ
ル、ポリカルボン酸又はヒドロキシル−又はアミノ−官
能性ポリテトラヒドロフランとの反応生成物、からなる
グリシジル基により還元された(n+m )−価の遊離基で
ある。
【0016】R2は、これらのタイプと異なる遊離基であ
ってもよい。R2は、ビスフェノールA ジグリシジルエー
テル、ビスフェノールF ジグリシジルエーテル又はその
オリゴマー、フェノール/ホルムアルデヒド又はクレゾ
ール/ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエ
ーテル又はテトラヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタ
ル酸又はテレフタル酸のジグリシジルエステルの対応す
る遊離基及びこれらの遊離基の混合物であることが好ま
しい。
【0017】これらのR2基の数例を以下に一般式を用い
て図示する:
【0018】
【化7】
【0019】 (R5は(CH2) r 又はシクロヘキシレンを表す) (VIIg) (式中、R4は、水素及び/又はC1-C10−アルキル基を表
し、指数n 及びm は、一般式(IV)から(VI)の定義と
同様の意味を有し、指数p は、0又は1であり、指数q
は、0〜40、特に0〜10の整数であり、指数r は、
4〜8の整数である)。
【0020】本発明に従って使用されるリン変性エポキ
シ樹脂は、ここで参考として引用した上記PCT特許出
願国際公開第94/21704号明細書に開示されてい
るように、好ましくは不活性溶剤(希釈剤)又は適した
反応手順で塊中で、(A)のポリエポキシド化合物と
(B)のホスフィン及び/又はホスホン酸無水物とを反
応させることによって製造することができる。この特許
明細書中に開示されている同様な種々の方法によれば、
構造単位(B)がホスホン酸無水物からのみ誘導される
場合には、リン変性エポキシ樹脂は、少なくとも80℃
で、1分子当たり少なくとも2つのエポキシド基を有す
るポリエポキシド化合物及びホスホン酸半エステルから
誘導された構造単位を含むリン変性エポキシドからアル
コールを分裂することによって製造することができる。
このアルコールの分裂は、80〜250℃、特に100
〜150℃の温度で、減圧下で、特に100〜0.1mm
Hg、殊に5〜0.5mmHgで実施することが好ましい。こ
のアルコールの分裂は、エステル交換反応触媒を添加す
ることによって促進することができる。
【0021】リン変性エポキシ樹脂の製造に使用され、
好ましくはハロゲンを含まないポリエポキシド化合物
は、飽和又は不飽和の脂肪族、脂環式、芳香族及び/又
はヘテロ環式であってもよい。さらに、それらは、例え
ばアルキル又はアリール置換基、エーテル結合又はその
類のような混合又は反応条件下でやっかいな副反応の原
因とならない物質を含んでいてもよい。異なるポリエポ
キシド化合物の混合物を使用することも可能である。
【0022】これらのポリエポキシド化合物は、下記一
般式(VIII)
【0023】
【化8】
【0024】(式中、R2及び指数n 及びm は、一般式
(IV)から(VI)の定義と同様の意味を有する)を有す
ることが好ましい。これらのポリエポキシド化合物は、
例えば多価、特に二価アルコール又はフェノール、これ
らのフェノールの水素化生成物及び/又はノボラック
(酸触媒の存在下におけるフェノール及び/又はクレゾ
ールのような一価又は多価フェノールとアルデヒド、特
にホルムアルデヒドとの反応生成物)を基材としたポリ
グリシジルエーテルであり、例えば特定の多価アルコー
ルとエピクロロヒドリンとの反応によって公知の方法で
得ることができる。
【0025】好ましい多価フェノールは、例えばレゾル
シノール、ヒドロキノン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェ
ニル)-プロパン(ビスフェノールA)、ジヒドロキシジ
フェニルメタン(ビスフェノールF)の異性体混合物、
4,4'- ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、4,4'-
ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルプロパン、4,4'
- ジヒドロキシビフェニル、4,4'- ジヒドロキシベンゾ
フェノン、ビス-(4-ヒドロキシフェニル-1,1- エタン、
ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-1,1'- イソブタン、ビス
-(4-ヒドロキシ-t- ブチルフェニル)-2,2-プロパン、ビ
ス-(2-ヒドロキシナフチル)-メタン、1,5-ジヒドロキシ
ナフタレン、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)-メタン及
びビス-(4-ヒドロキシフェニル)1,1'-エーテルである。
ビスフェノールA及びビスフェノールFが特に好まし
い。
【0026】多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエ
ーテルは、ポリエポキシド化合物としても適している。
そのような多価アルコールの好ましい例は、1,4-ブタン
ジオール、1,6-ヘキサンジオール、ポリアルキレングリ
コール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ビス
-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-2,2-プロパン及びペン
タエリトリトールである。
【0027】さらに、エピクロロヒドリン又は類似した
エポキシド化合物と、シュウ酸、アジピン酸、グルタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒ
ドロフタル酸又はヘキサヒドロフタル酸、2,6-ナフタレ
ンジカルボン酸及び二量化した脂肪酸のような脂肪族、
脂環式又は芳香族ポリカルボン酸との反応によって得ら
れる(ポリ)グリシジルエステルもまた使用可能なポリ
エポキシド化合物である。これらの例には、テレフタル
酸ジグリシジルエステル及びヘキサヒドロフタル酸ジグ
リシジルエステルがある。
【0028】分子鎖上にランダムに分配されたエポキシ
ド基を含み、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のグリ
シジルエステルのようにこれらのエポキシド基を含むオ
レフィン不飽和化合物を使用した乳化共重合により製造
することができるポリエポキシド化合物も場合によって
は有利に使用することができる。使用することのできる
その他のポリエポキシド化合物は、例えばヒダントイン
エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート及び/
又はそのオリゴマー、トリグリシジル-p- アミノフェノ
ール、トリグリシジル-p- アミノジフェニルエーテル、
テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグ
リシジルジアミノジフェニルエーテル、テトラキス(4-
グリシドキシフェニル)-エタン、ウラゾールエポキシ
ド、ウラシルエポキシド及びオキサゾリジノン−変性エ
ポキシ樹脂のようなヘテロ環式の環系を基材としたもの
である。さらに、ポリエポキシドは、例えばN,N-ジグリ
シジルアニリンのようなアニリン、ジアミノジフェニル
メタン及びN,N'- ジメチルアミノジフェニルメタン又は
−スルホンのような芳香族アミンを基材とする。
【0029】好ましく使用されるポリエポキシド化合物
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェ
ノールS(これらのビスフェノールとエピクロロ(ハロ
ゲノ)ヒドリンとの反応生成物)又はそのオリゴマーを
基材とするビスグリシジルエーテル、フェノール/ホル
ムアルデヒド及び/又はクレゾール/ホルムアルデヒド
ノボラックのポリグリシジルエーテル、及びフタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸及
び/又はヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル
である。
【0030】ポリエポキシド化合物との反応に使用され
るホスフィン酸無水物は、一般式(I)及び/又は(I
I)を有することが好ましい。好ましい代表例は、ジメ
チルホスフィン酸無水物、エチルメチルホスフィン酸無
水物、ジエチルホスフィン酸無水物、ジプロピルホスフ
ィン酸無水物、エチルフェニルホスフィン酸無水物及び
ジフェニルホスフィン酸無水物である。適したビスホス
フィン酸無水物の例は、エタン-1,2- ビスメチルホスフ
ィン酸無水物、エタン-1,2- ビスフェニルホスフィン酸
無水物、プロパン-1,3- ビスメチルホスフィン酸無水
物、ブタン-1,4- ビスメチルホスフィン酸無水物、ヘキ
サン-1,6- ビスメチルホスフィン酸無水物及びデカン-
1,10-ビスメチルホスフィン酸無水物である。
【0031】一般式(III )を有する使用することので
きるホスホン酸無水物は、例えば、メタンホスホン酸無
水物、エタンホスホン酸無水物、n-及び/又はi-プロパ
ンホスホン酸無水物、ヘキサンホスホン酸無水物、オク
タンホスホン酸無水物、デカンホスホン酸無水物及びベ
ンゼンホスホン酸無水物である。本発明で提出されるリ
ン変性エポキシ樹脂の製造の詳細に関しては、前駆体の
製造も含めてPCT特許出願国際公開第94/2170
4号明細書に記載されている。
【0032】使用することのできるフェノール性酸化防
止剤は、この目的のために通常知られた化合物である。
ここで好ましい例は、 1.アルキル化モノフェノール、例えば2,4-ジ-t- ブチ
ルフェノール、2,6-ジ-t- ブチルフェノール、2,6-ジ-t
- ブチル-4- メチルフェノール、2-t-ブチル-4,6- ジメ
チルフェノール、2,6-ジ-t- ブチル-4- エチルフェノー
ル、2,6-ジ-t- ブチル-4-i- ブチルフェノール、2,6-ジ
シクロペンチル-4- メチルフェノール、2-( α- メチル
シクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ- オ
クタデシル-4- メチルフェノール、2,4,6-トリ- シクロ
ヘキシルフェノール及び2,6-ジ-t-ブチル-4- メトキシ
メチルフェノール、 2.ヒドロキノン又はアルキル化ヒドロキノン、例えば
4-メトキシフェノール、2,6-ジ-t- ブチル-4- メトキシ
フェノール、2,5-ジ-t- ブチル- ヒドロキノン、2,5-ジ
-t- アミル- ジドロキノン及び2,6-ジフェニル-4- オク
タデシルオキシフェノール、 3.ヒドロキシル化ジフェニルチオエーテル、例えば2,
2'- チオ- ビス-(6-t-ブチル-4- メチルフェノール) 、
2,2'- チオ- ビス-(4-オクチルフェノール) 、4,4'- チ
オ- ビス-(6-t-ブチル-3- メチルフェノール) 及び4,4'
- チオ- ビス-(6-t-ブチル-2- メチルフェノール) 、 4.アルキリデン−ビスフェノール、例えば2,2'- メチ
レン- ビス-(6-t-ブチル-4- メチルフェノール) 、2,2'
- メチレン- ビス-(6-t-ブチル-4- エチルフェノール)
、2,2'- メチレン- ビス-[4-メチル-6-(α−メチルシ
クロヘキシル)-フェノール] 、2,2'- メチレン- ビス-
(4-メチル-6- シクロヘキシルフェノール) 、2,2'- メ
チレン- ビス-(6-ノニル-4- メチルフェノール) 、2,2'
- メチレン- ビス-(4,6-ジ-t- ブチルフェノール) 、2,
2'- エチリデン- ビス-(4,6-ジ-t- ブチルフェノール)
、2,2'- エチリデン- ビス-(6-t-ブチル-4- イソブチ
ルフェノール) 、2,2'- メチレン- ビス-[6-( α−メチ
ルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'- メチレン-
ビス-[6-( α, α−ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノ
ール] 、4,4'- メチレン- ビス-(2,6-ジ-t- ブチルフェ
ノール) 、4,4'- メチレン-ビス-(6-t-ブチル-2- メチ
ルフェノール) 、1,1-ビス-(5-t-ブチル-4- ヒドロキシ
-2- メチルフェニル)-ブタン、2,6-ジ-(3-t-ブチル-5-
メチル-2- ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、
1,1,3-トリス-(5-t-ブチル-4- ヒドロキシ-2-メチルフ
ェニル)-ブタン、1,1-ビス-(5-t-ブチル-4- ヒドロキシ
-2- メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、
ジ-(3-t-ブチル-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)-ジ
シクロ- ペンタジエン及びジ-[2-(3'-t-ブチル-2'-ヒド
ロキシ-5'-メチル- ベンジル)-6-t-ブチル-4- メチル-
フェニル] テレフタレート、 5.ベンジル化合物、例えば1,3,5-トリ-(3,5-ジ-t- ブ
チル-4- ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼ
ン、ジ-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル) ス
ルフィド、イソオクチル3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シベンジル- メルカプトアセテート、ビス-(4-t-ブチル
-3- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジル)ジチオールテ
レフタレート、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒ
ドロキシベンジル) イソシアヌレート、1,3,5-トリス-
(4-t-ブチル-3- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、ジオクタデシル3,5-ジ-t- ブチル-4
- ヒドロキシベンジル- ホスホネート及び3,5-ジ-t- ブ
チル-4- ヒドロキシベンジル-ホスホン酸モノエチルエ
ステルのカルシウム塩、 6.アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシ- ラ
ウリン酸アニリド、4-ヒドロキシ- ステアリン酸アニリ
ド、2,4-ビス- オクチル- メルカプト-6-(3,5-ジ-t- ブ
チル-4- ヒドロキシ- アニリノ)-s-トリアジン及びオク
チルN-(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-カ
ルバメート、 7.β-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プ
ロピオン酸と一価アルコール、例えばメタノール又はオ
クタデカノールとのエステル、 8.β-(5-t-ブチル-4- ヒドロキシ-3- メチルフェニ
ル)-プロピオン酸と一価アルコール、例えばメタノール
又はオクタデカノールとのエステル、 9.β-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プ
ロピオン酸のアミド、例えばN,N'- ジ-(3,5-ジ-t- ブチ
ル-4- ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサメチレ
ンジアミン、N,N'- ジ-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シフェニルプロピオニル)-トリメチレンジアミン及びN,
N'- ジ-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニルプロ
ピオニル)-ヒドラジンである。
【0033】フェノール性酸化防止剤は、お互いに所望
の混合物としても使用することができる。好ましい酸化
防止剤は、ヒドロキノン、4-メトキシフェノール、2,4-
ジ-t- ブチルフェノール及び2,6-ジ-t- ブチルフェノー
ルである。酸化防止剤は、例えば混合することによって
一般的な方法でリン変性エポキシ樹脂に配合される。そ
れらは、マスターバッチの形で加えることもできる。安
定化のために必要な酸化防止剤の量は、一般的に樹脂に
対して0.005〜5重量%、特に0.05〜2重量%
である。特に高温におけるリン変性エポキシ樹脂の貯蔵
安定性は、対応する溶液の粘度の増加から測定され、驚
くべきことに酸化防止剤を混合することによって著しく
向上する。フェノール性酸化防止剤の作用は、フリーラ
ジカルの形成を避ける点にあり、エポキシ樹脂はフリー
ラジカルではなく、イオンの影響で反応するので、これ
らの酸化防止剤を添加することによってエポキシ樹脂を
安定化できることは予想されなかった。
【0034】本発明の安定化したリン変性エポキシ樹脂
は、造形品、プレプレグ、コーティング又は積層品(複
合材料)の製造、特に電気工学の絶縁目的のために多く
の使用分野で難燃性添加剤(反応性樹脂)として有利に
使用できる。ここで、これらのリン変性エポキシ樹脂
は、80重量%まで、特に50重量%までの量のリン不
含エポキシ樹脂との混合物としても使用することができ
る。例えばドイツ特許出願公開第2743680号明細
書又はヨーロッパ特許出願公開第274646号明細書
に記載されている公知のエポキシ硬化剤を硬化剤として
使用することができる。これらの材料は、例えば電子構
成品の被覆、塗装及び包装、電気コイルの絶縁、及び繊
維状中間層部分を有する絶縁部品及び複合材料、特に印
刷回路板のための積層品の製造に適している。 例 貯蔵安定性の尺度として粘度を用いることができる。粘
度は、ヘプラー法で測定し、mPa ・ s[25℃] で得られ
る。プロパンホスホン酸無水物と反応させ、0.37
(モル/100g)のエポキシド価を有し、そして3.
4%のリン含有量を有するエポキシド化したノボラック
を使用する。メチルエチルケトン及び酢酸エチルを用い
て、これから約75%濃度の溶液を得る。この溶液の粘
度は低く、含量は高い。 a)製造した当日に311mPa・ s[25℃] の粘度を有する溶
液の粘度を、室温で0.3%の4−メトキシフェノール
を添加しない場合及び添加した場合において時間の経過
とともに測定する。 粘度 mPa ・ s[25℃] : 添加しない場合 添加した場合 時間(月) 311 311 開始時 370 347 3 370 335 6 413 362 9 b)製造した当日に623mPa・ s[25℃] の粘度を有する溶
液の粘度を、室温で0.3%の4−メトキシフェノール
を添加しない場合及び添加した場合において時間の経過
とともに測定する。 粘度 mPa ・ s[25℃] : 添加しない場合 添加した場合 時間(月) 623 623 開始時 670 638 1 659 637 2 694 640 4 773 695 5 c)製造した当日に707mPa・ s[25℃] の粘度を有する溶
液の粘度を、40℃で0.3%の2,4-ジ-t- ブチルフェ
ノールを添加しない場合及び添加した場合において時間
の経過とともに測定する。 粘度 mPa ・ s[25℃] : 添加しない場合 添加した場合 時間(月) 707 707 開始時 765 719 1 928 832 2 905 826 4 この実験は、室温及び40℃での貯蔵の間の粘度の上昇
が、酸化防止剤を添加した場合に比べてこれらの添加剤
を添加しない場合には著しく大きいことを明白に示して
いる。
【0035】エポキシド価は、貯蔵条件によっては変化
しない。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子当たり少なくとも2つのエ
    ポキシド基を有するポリエポキシド化合物、及び(B)
    ホスフィン及び/又はホスホン酸無水物、から誘導され
    る構造単位を含み、エポキシド価が0〜1モル/100
    gであるリン変性エポキシ樹脂であって、少なくとも1
    つのフェノール性酸化防止剤が混入されている上記リン
    変性エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 フェノール性酸化防止剤の量が、樹脂に
    対して0.005〜5重量%である請求項1に記載のリ
    ン変性エポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】 使用されるフェノール性酸化防止剤が、
    ヒドロキノン、4-メトキシフェノール、2,4-ジ-t- ブチ
    ルフェノール又は2,6-ジ-t- ブチルフェノール又は対応
    する混合物である請求項1又は2に記載のリン変性エポ
    キシ樹脂。
  4. 【請求項4】 リン含有量が、樹脂に対して0.5〜1
    3重量%である請求項1〜3のいずれかに記載リン変性
    エポキシ樹脂。
  5. 【請求項5】 エポキシド価が、0.02〜1モル/1
    00gである請求項1〜4のいずれかに記載のリン変性
    エポキシ樹脂。
  6. 【請求項6】 1分子当たり平均して少なくとも1つの
    エポキシド基を含む請求項1〜5のいずれかに記載のリ
    ン変性エポキシ樹脂。
  7. 【請求項7】 樹脂の平均分子量Mn が、200〜50
    00である請求項1〜6のいずれかに記載のリン変性エ
    ポキシ樹脂。
  8. 【請求項8】 構造単位(A)の平均分子量Mn が、1
    50〜4000である請求項1〜7のいずれかに記載の
    リン変性エポキシ樹脂。
  9. 【請求項9】 構造単位(A)が、1分子当たり2〜6
    のエポキシド基を有するポリエポキシド化合物から誘導
    される請求項1〜8のいずれかに記載のリン変性エポキ
    シ樹脂。
  10. 【請求項10】 構造単位(A)が、多価フェノール、
    これらのフェノールの水素化生成物及び/又はノボラッ
    クを基材とするポリグリシジルエーテルから誘導される
    請求項1〜9のいずれかに記載のリン変性エポキシ樹
    脂。
  11. 【請求項11】 構造単位(B)が、下記一般式(I)
    及び/又は(II) 【化1】 (式中、R 及びR1は、お互い独立して1〜20個、特に
    1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、A は、
    1〜10個、特に1〜6個の炭素原子を有する二価炭化
    水素基を表し、y は、少なくとも1、特に1〜100の
    整数を表す)で表されるホスフィン酸無水物から誘導さ
    れる請求項1〜10のいずれかに記載のリン変性エポキ
    シ樹脂。
  12. 【請求項12】 択一的に又は付加的に構造単位(B)
    が、下記一般式(III ) 【化2】 (式中、R3は一般式(I)及び(II)のR/R1の定義と同
    様の意味を有し、z は、少なくとも3、特に3〜100
    を表す)で表されるホスホン酸無水物から誘導される請
    求項1〜11のいずれかに記載のリン変性エポキシ樹
    脂。
  13. 【請求項13】 実質的に下記一般式(IV)、(V)及
    び/又は(VI) 【化3】 (式中、R 、R1及びR3は、上記一般式(I)から(III
    )において示された定義と同様の意味を有し、R2は、
    グリシジル基により還元されたポリエポキシド化合物の
    遊離基を表し、n は、1〜5の整数を表し、m は、1〜
    5の整数を表し、ここでn とm の合計は、2〜6であ
    る)を有する請求項1〜12のいずれかに記載のリン変
    性エポキシ樹脂。
  14. 【請求項14】 実質的に一般式(VI)のみを有する請
    求項13に記載のリン変性エポキシ樹脂。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載のリ
    ン変性エポキシ樹脂を造形品、コーティング又は積層品
    の製造、特に電気工学の分野に使用する方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜14のいずれかに記載のリ
    ン変性エポキシ樹脂を使用して製造した造形品、コーテ
    ィング又は積層品。
JP7343124A 1994-12-30 1995-12-28 安定化したリン変性エポキシ樹脂及びその使用方法 Withdrawn JPH08239448A (ja)

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