JPH0823942A - 高度不飽和脂肪酸含有粉末飲料 - Google Patents

高度不飽和脂肪酸含有粉末飲料

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JPH0823942A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】油中水型に乳化されたアスコルビン酸を、高度
不飽和脂肪酸を含有する油脂に対し、アスコルビン酸と
して0.001〜0.5重量%添加した後、この油脂を固
型分中に5〜85重量%含むように水中油型均質乳化液
を調製し、乾燥させることによって得られた高度不飽和
脂肪酸含有粉末油脂組成物を、全体の組成物中0.01
〜100重量%含むことを特徴とする高度不飽和脂肪酸
含有粉末飲料。 【効果】酸化に対する安定性が悪く、油脂の劣化が著し
く、良好な風味を保持することが困難なため、従来は粉
末飲料用途に使用できなかった高度不飽和脂肪酸含有油
脂を、長期間安定な粉末飲料とすることができ、風味な
どに悪影響を受けることなく使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、従来、その安定性の低
さや、風味劣化の著しさ、油脂のしみだしなどによる粉
末物性への悪影響などにより粉末飲料への使用が制限さ
れていた高度不飽和脂肪酸含有油脂を、広く粉末飲料に
応用するためのものである。
【0002】
【従来の技術】近年、わが国においては、人口構造の急
激な老齢化に伴い、成人病、特に高血圧症、心筋梗塞
症、動脈硬化症、血栓症などが急激に増加しており、大
きな問題となっている。1970年代に、グリーンラン
ドのエスキモー人についての疫学調査によって、魚の摂
取量の多い地域では動脈硬化性疾患による成人病が少な
いという報告[「ザ・ランセット、ジュライ(The
Lancet、July)」第15巻、第117〜11
9ページ(1987年)]がなされて以来、前記疾患に
対する予防作用を有するものとして、エイコサペンタエ
ン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のよう
な高度不飽和脂肪酸の重要性が注目されてきた。しかし
ながら、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸な
ど高度不飽和脂肪酸は酸化されやすく、かつ不快臭が強
く、そのままでは食品として多くを摂取することができ
ないなどの問題がある。したがって、これらを含む油脂
は、例えば、ゼラチン軟カプセルでコーティングするな
どの手段によって酸化と不快臭の発生を防止し、加工食
品として市販されている。他方、簡便に水に分散して使
用する形態を有するものとして、噴霧乾燥により得られ
る粉末製品(特開昭60−49097号公報、特開昭6
2−126933号公報)が種々検討されており、ま
た、精製魚油などと水和性タンパク質の水溶液との水中
油型乳化物(特開昭60−102168号公報)も検討
されている。一方、抗血栓性及び抗動脈硬化高活性を有
する組成物として、レシチンを含み、かつエイコサペン
タエン酸やドコサヘキサエン酸を含有する油脂(特開昭
61−112020号公報)が検討されている。また、
高度不飽和脂肪酸を含有する油脂を可食性物質により被
覆し、その直径が2mm以下の粒子状である高度不飽和脂
肪酸含有製品(特公平2−51589号公報)が検討さ
れている。一般に高度不飽和脂肪酸、特にエイコサペン
タエン酸やドコサヘキサエン酸は熱や酸素による劣化を
受けやすく、異臭や着色が生じやすいなど、保存安定性
が著しく悪いという欠点を有している。また、これらの
脂肪酸の酸化によって生じる過酸化物は、人体に対して
有毒であることが知られている。現在市販されている魚
油及びエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸濃縮
物のカプセルは、手軽に水に分散して使用することが困
難である上、飲んだ後のおくびも問題になっている。ま
た、現在市販されている噴霧乾燥により得られる粉末製
品も、水に分散して飲んだ場合、不快臭が強い上、後味
が悪く、そのまま継続的に飲むことが困難であり、食品
素材として各種食品に配合使用した場合にも、魚油特有
の生臭さが口中に広がり、食欲が減退することを免れな
い。特に、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸
などの高度不飽和脂肪酸を含有する油脂の粉末製品は、
製造後2カ月以上経過した場合に、魚油臭を強く感じ、
飲食しにくくなるという問題が生じる。これらの問題を
解決するため、高度不飽和脂肪酸含有油脂組成物に対
し、グルタチオンを添加して安定化する方法(特開昭6
1−23699号公報)や、高度不飽和脂肪酸を含有す
る魚油を原料とする粉乳において、原料溶解液中にアル
コルビン酸を添加する方法(特開平4−346749号
公報)などが提案されている。しかし、これらの提案さ
れている方法は、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂組成
物において、油脂の外相部に添加され、油脂に対して直
接添加されるわけではないため、満足すべき効果が認め
られなかった。また、アルコルビン酸を脂肪酸エステル
化して油脂に添加する方法も提案されているが、油脂に
溶解する際に加熱工程を経るなどの理由により、特有の
臭気が発生すること、コスト的に高いため多量に用いる
ことが難しいことなどから、高度不飽和脂肪酸を含有す
る油脂に対して広く使用されるには至っていない。ま
た、粉末中に高度不飽和脂肪酸を脂肪酸成分として含有
する油脂を直接添加することは、油脂の表面積を増加さ
せ油脂の酸化を速め、風味の劣化を促進するのみなら
ず、粉末の物性に対しても悪影響を与えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような事情のもとで、油脂の酸化による風味の劣化に対
し高い安定性を有し、良好な風味及び物性が持続し、長
期間にわたって飲用可能な高度不飽和脂肪酸含有粉末飲
料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する粉末飲料を開発すべく、鋭意研究を
重ねた結果、乳化剤などにより油中水型に乳化されたア
スコルビン酸を、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂に添
加したのち、この油脂を固形分中に5〜85重量%含む
ように水中油型均質乳化液を調製し、乾燥させることに
よって得られた高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物
を、粉末飲料の原料の一部又は全部として用いることに
より、その目的を達成しうることを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、油中水型に乳化されたアスコルビン酸を、高度不
飽和脂肪酸を含有する油脂に対し、アスコルビン酸とし
て0.001〜0.5重量%添加した後、この油脂を固型
分中に5〜85重量%含むように水中油型均質乳化液を
調製し、乾燥させることによって得られた高度不飽和脂
肪酸含有粉末油脂組成物を、全体の組成物中0.01〜
100重量%含むことを特徴とする高度不飽和脂肪酸含
有粉末飲料、を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、高度不飽和脂肪酸とは、炭素数が18以上であ
り、かつ不飽和結合3個以上有する脂肪酸であって、こ
のような高度不飽和脂肪酸としては、例えば、エイコサ
ペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、α−リノレン酸、
アラキドン酸などを挙げることができる。また、本発明
において、高度不飽和脂肪酸を含有する油脂とは、油脂
を構成する脂肪酸成分の一部又は全部が高度不飽和脂肪
酸であるものをいう。本発明の粉末飲料は、特に酸化安
定性が極めて悪く、臭いや味の劣化が著しいエイコサペ
ンタエン酸やドコサヘキサエン酸などを含有する組成物
に好適である。高度不飽和脂肪酸を含有する油脂として
は、たとえばエイコサペンタエン酸やドコサヘキサエン
酸を含むものとして食用魚油、すなわちイワシ油、サバ
油、ニシン油、マグロ油、カツオ油、タラ肝油などの魚
油を精製したものや濃縮したものを用いることができ、
また、バクテリヤ、クロレラなどから抽出したものも用
いることができる。また、α−リノレン酸を含有する油
脂としては、例えば、シソ科植物の実から得られる油脂
であるシソ実油やエゴマ油などが用いられる。本発明に
おいては、さらに、これらの高度不飽和脂肪酸を含有す
る油脂と、大豆油、菜種油、パーム油、オリーブ油、ヤ
シ油や、これらの油脂あるいは魚油などを水素添加し、
安定化した比較的安定性の高い油脂とを混合したものを
用いることができる。本発明に用いられるアスコルビン
酸としては、食品として一般的に用いられるL−アスコ
ルビン酸やL−アスコルビン酸ナトリウムが好適であ
る。本発明において、アスコルビン酸若しくはアスコル
ビン酸塩は高度不飽和脂肪酸を含有する油脂中に、アス
コルビン酸として0.001〜0.5重量%、好ましくは
0.005〜0.2重量%含有せしめる。アスコルビン酸
の含有量が0.001重量%未満であると、安定性のよ
い高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物が得られない
し、アスコルビン酸の含有量が0.5重量%を超える
と、アスコルビン酸の酸味や、アスコルビン酸を油中水
型に乳化する際に用いる乳化剤の味などが組成物全体に
悪い影響を及ぼすのでいずれも好ましくない。本発明に
おいて、アスコルビン酸は油中水型に乳化されているこ
とが必須である。アスコルビン酸を油中水型に乳化する
際のアスコルビン酸の溶剤としては、水が一般的である
が、糖アルコール、液糖、液状オリゴ糖、エチルアルコ
ール、グリセリンなど、食品用として用いられ、アスコ
ルビン酸を溶解する溶剤であれば、特に制限なく用いる
ことができる。アスコルビン酸を油中水型に乳化する際
の油相としては、液体の食用油脂であれば特に制限なく
使用することができるが、例えば、高度不飽和脂肪酸を
含有するマグロ油、イワシ油などの精製脱臭した魚油、
その高度不飽和脂肪酸成分を濃縮した食用油脂、シソ実
油、エゴマ油、又はそれらと大豆油、ナタネ油、豚脂な
どの一般の動植物油脂類を配合した食用油脂などを好適
に用いることができる。また、アスコルビン酸を油中水
型に乳化する際に用いる乳化剤としては、例えば、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、好ましくはポリグリセリン
縮合リシノレイン酸エステル、テトラグリセリンモノラ
ウリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エ
ステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵
素分解レシチンなどを用いることができ、さらに、これ
らを適宜組み合わせて用いることも可能である。アスコ
ルビン酸の油中水型乳化液中の濃度としては0.1〜4
0重量%が適当であるが、乳化剤による組成物の風味な
どへの影響を考えると、1〜40重量%が好ましく、1
〜20重量%がさらに好ましい。本発明に用いられるア
スコルビン酸の油中水型乳化液は、適宜、酸化安定性の
高い油脂などで希釈して用いることも可能である。本発
明において、高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物は、
油中水型に乳化されたアスコルビン酸を添加した、高度
不飽和脂肪酸を含有する油脂を、他の固形分とともに水
に加えて水中油型均質乳化液とする。水中油型均質乳化
液において、全固形分中に占める高度不飽和脂肪酸を含
有する油脂の含量は、5〜85重量%、好ましくは5〜
80重量%、より好ましくは10〜80重量%である。
全固形分中に占める高度不飽和脂肪酸を含有する油脂の
含量が5重量%未満であると、高度不飽和脂肪酸に期待
される効果、生理機能などが十分発揮されないので好ま
しくない。全固形分中に占める高度不飽和脂肪酸を含有
する油脂の含量が85重量%を超えると、水中油型均質
乳化液を乾燥して得られる高度不飽和脂肪酸含有粉末油
脂組成物より油脂がしみだし、粉末飲料の風味を保つこ
とが困難になるおそれがあるので好ましくない。
【0006】本発明において、水中油型均質乳化液に配
合する固形分は、水溶性の固形分であっても、水不溶性
の固形分であっても、粉末飲料として賞味しうる成分で
あれば、特に制限なく使用することができる。このよう
な固形分としては、例えば、カゼイン、カゼインナトリ
ウム、乳清タンパク質、脱脂粉乳、牛乳などの乳製品由
来のタンパク質やゼラチンなどの動物性タンパク質、分
離大豆タンパク質、コーンあるいは小麦より抽出したタ
ンパク質などの植物性タンパク質、デキストリンやオリ
ゴ糖といった多糖類、砂糖や乳糖といった二糖類、ブド
ウ糖や果糖といった単糖類、あるいはこれらの混合物な
どによってなる糖質、微生物や植物、合成などによって
得られる食物繊維やガム質、リンゴやバナナ、ブドウ、
ミカンなどを搾汁して得られる果汁、香料、ビタミンB
群などに代表されるビタミン、鉄やマグネシウム、カル
シウムといったミネラル、クエン酸やリンゴ酸、乳酸な
どの有機酸、外観を改良するための着色料、風味を改良
するためのフレーバー類などを挙げることができる。こ
れらは、単独でも用いることが可能であるが、適宜組み
合わせて使用することもできる。本発明において、高度
不飽和脂肪酸を脂肪酸として含有する油脂を、他の固形
分とともに水に加えて水中油型均質乳化液とするための
乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、好ましくはポリグリセリン縮合リシノレイン酸エス
テル、テトラグリセリンモノラウリン酸エステル、テト
ラグリセリンモノオレイン酸エステル、モノグリセリン
脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチンなどを用
いることができ、さらに、これらを適宜組み合わせて用
いることも可能である。本発明において、高度不飽和脂
肪酸を含有する油脂を、他の固形分とともに、水中油型
均質乳化液として乳化させる方法としては、通常食品に
用いられる均質乳化方法であれば特に制限なく使用する
ことができ、例えば、ホモジナイザーを用いる方法や、
コロイドミルを用いる方法、ホモミキサーを用いる方法
などいずれも可能である。本発明においては、高度不飽
和脂肪酸を含有する油脂及び他の固形分を含む水中油型
均質乳化液を乾燥することにより、高度不飽和脂肪酸含
有粉末油脂組成物を得る。水中油型均質乳化液の乾燥方
法としては、噴霧乾燥法、気流乾燥法、ドラム乾燥法、
円筒乾燥法、真空凍結乾燥法、真空乾燥法などを用いる
ことができるが、高温で酸素と接触することが少ない真
空凍結乾燥法や真空乾燥法が好適である。また、得られ
た乾燥物は、必要に応じ、粉砕、分級、造粒などを行う
ことが可能である。このようにして得られた高度不飽和
脂肪酸含有粉末油脂組成物は、長期間保存しても風味の
劣化を招くことがなく、安定した品質を保持する。本発
明において、高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物は、
単独で、あるいは他の粉末飲料成分と混合することによ
り高度不飽和脂肪酸含有粉末飲料とする。本発明の粉末
飲料中に含まれる高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物
の量は、粉末飲料中0.01〜100重量%、好ましく
は1〜100重量%、より好ましくは5〜100重量%
である。粉末飲料中の高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組
成物の量が0.01重量%未満であると、高度不飽和脂
肪酸に期待される効果、生理機能などが十分発揮されな
いので好ましくない。本発明の粉末飲料は、必要に応じ
て、さらに造粒などを行うことも可能である。本発明の
高度不飽和脂肪酸含有粉末飲料は、高度不飽和脂肪酸の
効果、生理機能を有していながら、油脂のしみだしがな
く、風味や油脂の品質が長期間安定に保たれ、品質劣化
が非常に少なく、長期間安心して飲用できるなどの特徴
を有している。本発明の高度不飽和脂肪酸含有粉末飲料
は、例えば、水やお湯、牛乳、果汁、サイダー、コーヒ
ー飲料、清涼飲料、野菜ジュース、病人、老人用の流動
食などに混合して飲用することや、他の粉末飲料などと
混合して飲用することも可能である。
【0007】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1 (高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物の調製)蒸留水
30g及びテトラグリセリンモノラウリン酸エステル
[SYグリスターML310、坂本薬品工業(株)製]1
0gの混合液中に、L−アスコルビン酸ナトリウム10
gを湯煎中で加温しながら溶解し、これにポリグリセリ
ン縮合リシノレイン酸エステル[SYグリスターCRE
D、坂本薬品工業(株)製]30gを添加し、プロペラミ
キサーにて混合、転相させて、油中水型乳化液とし、さ
らに酵素分解レシチン[エルマイザーA、協和発酵(株)
製]10gを添加して混合、これに10gの菜種油を添
加して、アスコルビン酸ナトリウムを10重量%含有す
る油中水型乳化液100gを得た。このアスコルビン酸
ナトリウム油中水型乳化液0.5gを、高度不飽和脂肪
酸を含有する精製マグロ油(エイコサペンタエン酸6.
5重量%、ドコサヘキサエン酸22重量%含有)100
gに添加し、この精製マグロ油を、下記の配合により、
TKホモゲナイザーを用いて、50℃で、5分間、1
0,000rpmで撹拌、乳化することにより水中油型均質
乳化液を調製した。 精製マグロ油 100.0g アスコルビン酸の油中水型乳化液 0.5g ステアリン酸モノグリセリド 2.5g カゼインナトリウム 12.5g 脱脂粉乳 25.0g 砂糖 108.0g ヘキサメタリン酸ナトリウム 2.0g 蒸留水 175.0g この乳化液300gを真空凍結乾燥機[共和真空技術
(株)製、RLE−21型]にて24時間凍結乾燥後、ジ
ューサーミキサーで粉砕し、高度不飽和脂肪酸含有粉末
油脂組成物154gを得た。 比較例1 (高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物の調製)アスコ
ルビン酸ナトリウムの油中水型乳化液を、精製マグロ油
に添加しないほかは、実施例1と全く同じ操作を繰り返
し、高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物を調製した。 実施例2〜5 (粉末飲料の配合)実施例1で得られた高度不飽和脂肪
酸含有粉末油脂組成物を用いて、第1表の配合に基づ
き、粉末飲料を配合した。この配合物を、流動層造粒機
により造粒し、実施例2〜5の粉末飲料を得た。
【0008】
【表1】
【0009】比較例2〜5 (粉末飲料の配合)実施例2〜5と同様、第1表の配合
に基づき、粉末飲料を配合し、同様に流動層造粒機によ
り造粒し、比較例2〜5の粉末飲料を得た。実施例2〜
5及び比較例2〜5で得られた8種の粉末飲料につい
て、調製直後に風味、粉末物性及び過酸化物価を評価し
た。さらに、8種の粉末飲料を、それぞれ50gづつア
ルミパウチにいれ、37℃で保管し、1カ月後の風味、
粉末物性及び過酸化物価によって表される油脂の劣化の
状態を調べた。結果を第2表に示す。
【0010】
【表2】
【0011】油中水型に乳化したアスコルビン酸を添加
しない比較例1の高度不飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物
を用いた比較例4及び5の粉末飲料は、調製直後にすで
に魚油臭を有し、1カ月後には過酸化物価が上昇し、油
脂の劣化が進んでいることが分かる。高度不飽和脂肪酸
含有粉末油脂組成物の代わりに精製マグロ油を用いた比
較例2の粉末飲料は、調製直後にすでに魚油臭を有する
ほか、油のしみだしもあり、さらに1カ月後には、過酸
化物価が極端に上昇していた。これに対して、本発明の
油中水型に乳化したアスコルビン酸を添加した高度不飽
和脂肪酸含有粉末油脂組成物を用いた実施例2〜4の粉
末飲料は、37℃で1カ月保存した後も、油脂の劣化が
なく、良好な風味を保持している。
【0012】
【発明の効果】酸化に対する安定性が悪く、油脂の劣化
が著しく、良好な風味を保持することが困難なため、従
来は粉末飲料用途に使用できなかった高度不飽和脂肪酸
含有油脂を、長期間安定な粉末飲料とすることができ、
風味などに悪影響を受けることなく使用することができ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油中水型に乳化されたアスコルビン酸を、
    高度不飽和脂肪酸を含有する油脂に対し、アスコルビン
    酸として0.001〜0.5重量%添加した後、この油脂
    を固型分中に5〜85重量%含むように水中油型均質乳
    化液を調製し、乾燥させることによって得られた高度不
    飽和脂肪酸含有粉末油脂組成物を、全体の組成物中0.
    01〜100重量%含むことを特徴とする高度不飽和脂
    肪酸含有粉末飲料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014119798A1 (ja) * 2013-02-04 2014-08-07 株式会社明治 分散安定性または再分散性が向上した粉末状の可食性植物加工物を含む飲料の製造方法
JP2019041721A (ja) * 2017-09-06 2019-03-22 日油株式会社 粉末油脂、これを含有する飲食品

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