JPH08239242A - 撥水性ガラス - Google Patents

撥水性ガラス

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JPH08239242A
JPH08239242A JP4409295A JP4409295A JPH08239242A JP H08239242 A JPH08239242 A JP H08239242A JP 4409295 A JP4409295 A JP 4409295A JP 4409295 A JP4409295 A JP 4409295A JP H08239242 A JPH08239242 A JP H08239242A
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JP
Japan
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molecular weight
glass
water
low molecular
ptfe
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JP4409295A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Sugimoto
敏明 杉本
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/32Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with synthetic or natural resins

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無色透明かつ実質的に撥水性を有する膜が表
面を覆ったガラスを製造する方法を提供する。 【構成】 低分子量ポリテトラフルオロエチレンを気体
および/または液体ととともに噴霧して250〜500
℃のガラスに接触させて製造された撥水性ガラスであっ
て、低分子量ポリテトラフルオロエチレンがポリテトラ
フルオロエチレンを分子状フッ素、三フッ化窒素、フッ
素化ハロゲンまたは希ガスのフッ化物から選ばれた一種
以上の存在下高められた温度で分解して得られた低分子
量ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする
撥水性ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水性を付与したガラ
スに関し、より詳しくはガラス板の表面にフッ素樹脂を
被覆したガラス板に関する。
【0002】
【従来技術】撥水性を有するガラスは降雨時の監視用窓
ガラス、ワイパーレスの自動車用ガラスなどとして期待
されている。ガラス表面は本来親水性といわれている
が、これを撥水性に変える各種の方法が提案されてい
る。
【0003】例えば、ガラス基板の表面にシリコーンか
らなる撥水層を形成したものがある。この撥水性ガラス
はガラス基板の表面にポリジメチルシロキサンなどのシ
リコーンを塗布し、焼成することで得られ、シリコーン
の有する撥水性がガラス表面に付与されたものである。
また、シリコーンとしてフッ素含有シリコーンを用い
て、含フッ素基の撥水性を利用したものも提案されてい
る。
【0004】また、フッ素樹脂を真空蒸着する方法(特
公昭48−42350号)や、含フッ素モノマーをプラ
ズマ蒸着してフッ素樹脂薄膜をガラス表面に形成するこ
とも知られている。
【0005】さらに、特開平5−51238号公報に
は、ガラス基板の表面に金属酸化物相と該金属酸化物相
中に分散されたポリテトラフルオロエチレン(以下、
「PTFE」という。)等の撥水性微粒子とからなる撥
水層を有するものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シリコーンからなる撥
水層を有するガラスは透明であり、使用初期においては
良好な撥水性を示すが、シリコーンは比較的軟質である
ことと、ガラス表面への付着性に若干問題を有するた
め、長期にわたる使用には耐えることは難しく、繰り返
して撥水層を形成する必要がある。
【0007】フッ素樹脂を蒸着した膜は若干黄色を帯
び、また、膜の強度が弱く車両用などには向かず、適用
範囲が限定される。特開平5−51238号公報記載の
ものは、表面に撥水性を持たないマトリックス部分の現
れることが多く、必ずしも撥水性粒子が表面を覆うこと
とは成らないという問題がある。
【0008】そこで、本発明では無色透明かつ実質的に
撥水性を有する膜が表面を覆ったガラスを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透明性、
摩擦耐用性があり、かつ撥水性表面を有する被覆ガラス
の製造について検討したところ、特定のフッ素樹脂をガ
ラスに熱スプレー処理することで得られることを見いだ
し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、低分子量ポリテトラ
フルオロエチレンを気体および/または液体ととともに
噴霧して250〜500℃のガラスに接触させて製造さ
れた撥水性ガラスであって、低分子量ポリテトラフルオ
ロエチレンがポリテトラフルオロエチレンを分子状フッ
素、三フッ化窒素、フッ素化ハロゲンまたは希ガスのフ
ッ化物から選ばれた一種以上の存在下高められた温度で
分解して得られた低分子量ポリテトラフルオロエチレン
であることを特徴とする撥水性ガラスである。
【0011】本発明を適用することのできる低分子量P
TFEの製造方法は必ずしも限定されないが、例えば、
特開昭61−118331号、特開昭61−16250
3号、特開昭63−139139号各明細書に記載され
た方法で製造されたものを挙げることができる。そし
て、特開昭61−118331号明細書には、PTFE
を250〜550℃において含窒素フッ素化合物と接触
反応させるPTFEの低分子量物の製造方法が記載さ
れ、また、特開昭61−162503号明細書には、P
TFEを250℃〜550℃において分子状フッ素、三
フッ化窒素、フッ素化ハロゲンまたは希ガスのフッ化物
などと接触させるPTFEの低分子量物の製造方法が記
載され、さらに、特開昭63−139139号明細書に
は、PTFEを高められた温度、すなわち融点以上〜6
00℃に加熱して雰囲気温度200〜550℃において
分子状フッ素、三フッ化窒素、フッ素化ハロゲンまたは
希ガスのフッ化物などと接触させ、発生する反応生成ガ
スを100℃以下に冷却するPTFEの低分子量物の製
造方法が記載されており、これらのいずれの方法で製造
されたものであってもよいが、特開昭63−13913
9号に記載された方法により製造された低分子量PTF
Eがもっとも好ましい。
【0012】これらの方法で原料として使用されるPT
FEは広く成形用などに市販されている高分子量のPT
FEでよく、それらは通常テトラフルオロエチレンを各
種の開始剤の存在下重合させて得られるが、開始剤とし
て酸性亜硫酸塩を使用した場合にはPTFEはスルフォ
ン酸基を含み、過硫酸塩を使用した場合にはPTFEは
カルボキシル基を含むことが知られている。この様な末
端基を有するPTFEを原料としても上記各明細書に記
載された方法で得られる低分子量PTFEでは末端がフ
ッ素化されて−CF3基に変換されている場合のあるこ
とも推察される。
【0013】また、特に低分子量の低分子量PTFEを
製造する場合などには、低分子量PTFE製造原料とな
るPTFEは、予め特開昭61−118331号、特開
昭61−162503号、特開昭63−139139号
各明細書に記載された方法で製造された低分子量PTF
Eを使用することも好ましい。
【0014】本発明にかかる低分子量PTFEの融点お
よび分子量は特に限定する必要はないが融点は大略90
〜300℃であり、または分子量が700〜10,00
0であることが実用上好適である。融点が90℃または
分子量が700に満たないものは膜形成が困難で、また
十分な膜強度を得られず、一方、融点が300℃または
分子量が10,000を超えると均一かつ平滑な膜が得
られないので好ましくない。
【0015】ところで、低分子量PTFEの融点と分子
量とは米国特許第3,067,262号明細書に記載さ
れた下記の式1の関係があるとされているが、本発明に
かかる低分子量PTFEにおいてはこの融点と分子量の
関係には一義的には従わないと考えられる。
【0016】
【数1】
【0017】(式中、Tmは低分子量PTFEの融点
(K)を表す。) 上記の方法により製造されたPTFEの低分子量物は、
微粉末状、粉末状または固体状で得られるが、本発明の
目的には微粉末状であることが好ましいのでそのような
形状にするために公知の粉砕方法、例えば、ハンマータ
イプの粉砕機、ジェットミル、ボールミルなどの方法を
とることができ、0.01〜100μm程度の大きさと
するのが好ましい。
【0018】また、本発明にかかる低分子量PTFEは
その製造法から分子量に分布を有することが推測される
が、上記融点または分子量範囲の成分が実質的に含まれ
ておれば本発明の目的を達成することができる。ここ
で、さらに特定の分子量体の含有量を高めまたは低める
ことは使用条件によっては好ましいが必ずしも必要では
ない。
【0019】本発明においてPTFEは微粒子状の粉体
をそのまま使用しても良いが、液体に分散または溶解さ
せて使用することが好ましい。低分子量PTFEは限定
された溶剤に僅かに溶解するが、本発明では溶解するこ
とは必ずしも必要ではなく、分散状態を維持できれば使
用可能である。
【0020】かかる溶剤としてはフッ素系溶剤が好まし
く、沸点が20℃以上で室温で液体であればよいが、フ
ロリナートTM(3M社製品)として市販されているパー
フルオロ化合物、例えば、パーフルオロアルカンのPF
シリーズ,パーフルオロエーテル類などのFCシリー
ズ、炭素数2または3であって水素、塩素、フッ素を少
なくとも各1個以上含む塩素化フッ素化炭化水素などが
好ましく、具体的には、フロリナートTMPF−506
0、−5070、FC−75、−77、1,1−ジクロ
ロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,
1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロ
ロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、
2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、
1,2,2−トリクロロ−1,1−ジフルオロエタンま
たはこれらの可能な異性体を好ましいものとして挙げる
ことができる。また1,1,2−トリクロロトリフルオ
ロエタン、トリクロロフルオロメタンなども使用可能で
あるが環境の面から好ましくない。
【0021】また、本発明においては、低分子量PTF
Eを溶解または分散させるために一般的な有機溶剤を併
用することも可能である。しかしながら、この場合には
予め上記フッ素系溶剤中に低分子量PTFEを分散また
は溶解させた後、一般的な有機溶剤を加えることが必要
である。
【0022】かかる有機溶剤としては常温付近で液体で
ある有機化合物であれば特に限定する必要はないが、通
常塗料、洗浄、油脂抽出、噴霧助剤、インキなど分野に
おいて使用されるものが実用上好ましく、炭化水素類、
アルコ−ル類、エーテル類、ケトン類、塩素化炭化水素
類、エステル類、グリコ−ル類に属する有機化合物が例
示できる。この様な溶剤を例示すれば、ヘプタン、イソ
オクタン、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブチル
アルコール、第二ブチルアルコール、第三ブチルアルコ
ール、イソアミルアルコール、2−エチルヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、n−ブチルエーテル、ジオキ
サン、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシ
クロヘキサノン、イソホロン、塩化メチレン、クロロホ
ルム、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレン、
テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン、ギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸アミル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸
第二ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エ
チルシクロヘキシル、プオピオン酸エチル、プロピオン
酸ブチル、酪酸ブチル、エチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノアセテート、エチレング
リコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリエチレングリコール、グリセリンまど
を非制限的にあげることができる。これらのうち、特に
好ましいものを挙げると、メタノール、エタノール、ア
セトン、酢酸エチル、塩化メチレンなどを例示できる。
また、これらを二種以上併用することも可能である。
【0023】本発明で使用する低分子量PTFEの溶解
または分散液は、低分子量PTFEを0.05〜30重
量%を含み、0.1〜5重量%であることがより好まし
い。0.05重量%以下では本発明により膜形成した場
合一回の処理で得られる膜厚が小さく余り好ましくな
い。30重量%以上では分散状態を均一に保つことが難
しく好ましくない。また、フッ素系溶剤は液体成分のう
ち1〜100重量%を占めることが必要であり、3重量
%以上であることがより好ましい。1重量%未満では低
分子量PTFEの液体中への分散が困難であるので好ま
しくない。
【0024】本発明で使用する低分子量PTFEの溶解
または分散液の調製法を例示すれば、固形物を微粒子化
するのに使用する器具、例えばボールミル、ローラーミ
ルなどにより予め10μm程度以下の凝集体とした上で
フッ素系溶剤に溶解または分散させる方法などがある。
より好ましい方法を例示すれば、同様の方法で調製した
低分子量PTFEの凝集体をフッ素系溶剤に加え、溶剤
の沸点まで加温し溶剤の還流状態を保つことで一次粒子
のフッ素系溶剤の分散液を調製し、ついで必要に応じて
他の溶剤を加え撹拌することで行う。微粒子化はフッ素
系溶剤の存在下で行うことも可能で、上記の器具の他に
より適した器具、例えばホモジナイザーなどを使用する
こともできる。また、上記加熱還流操作に加えてあるい
は代えて超音波により分散させることも好ましい。
【0025】本発明に使用するガラスは、ソーダライム
ガラス、ほう珪酸ガラス、石英ガラスなどどの様なもの
でもよく、表面に金属酸化物、例えば、酸化ケイ素、酸
化チタン、酸化アルミ、酸化ジルコニウム、酸化スズま
たは酸価インジウム並びにこれらの金属酸化物を主成分
とする複合酸化物を有するものでもよく、その形状は
板、膜、管、棒など、または各種形状に加工された変形
ガラス板であってもよい。またガラス板は少なくとも一
部の可視光線に対して透明であれば良く、各種の色ガラ
スであってもよい。
【0026】本発明の撥水性ガラスの被覆物の膜厚は、
0.01〜5μm、好ましくは0.05〜1μmであ
り、必要とする使用状態に応じて適宜設計される。しか
しながら、0.01μm以下では通常安定した連続膜を
形成することが困難であり、十分な撥水効果が得られ
ず、一方、5μm以上ではムラになり易く、また耐磨耗
性が低下するので余り好ましくない。しかし、この様な
膜厚の膜を作製することも可能である。被覆ガラスはガ
ラス板、膜、管等の両面、片面または部分的に被覆され
たものを含む。
【0027】本発明の被覆の形成方法は、被覆される低
分子量PTFEの融点以上に保たれたガラスに、上記分
散液を噴霧することよりなっている。ガラスの温度は通
常250〜500℃程度に保たれるが、その加熱方法は
特に限定されず、予め他の場所において電気炉等で加温
しておいても、その場で加熱してもよいが、ガラス板を
形成した直後の所定の温度の状態で処理するのが最も好
ましい。
【0028】分散液を噴霧するには、通常塗料を噴霧す
るのに広く使われているスプレー器具、装置を使用すれ
ばよい。スプレーする際にエアーを使用することも使用
しないことも可能であ、また、分散液のより一層の均一
な分散状態を保つために液溜めに撹拌あるいは分散装置
の付属したものも好ましく使用できる。噴霧の操作条件
は、大きく装置に依存するが、例えば、エアーの圧力
0.05〜10kg/cm2 、好ましくは3〜5kg/
cm2 程度、ノズル径は0.5〜1.5mmφ、好まし
くは1mmφ、ノズル先端とガラス板の距離10〜50
cm、好ましくは20〜40cm、噴霧時間1〜100
秒、噴霧量1〜100cc/回を挙げることができる。
【0029】本発明の被覆ガラス板の被膜は無色透明で
あり、強固な付着性を有する。本発明の被覆ガラス板
は、水の接触角として80度以上、通常は100度以上
を有する優れた撥水性を示す。
【0030】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施態様に限定されない。 [実施例] 〔低分子量PTFEXの製造〕厚さ3mmのPTFEシ
ートを約5mm角に切断したペレット500gを強制的
にガス攪拌するためのファンと加熱ヒーターを具備した
20Lニッケル製反応器に仕込み、窒素ガスの中で43
0℃に昇温したのち、真空ポンプで窒素ガスの一部を抜
き、窒素で稀釈したフッ素ガス約3gを導入して反応を
開始した。
【0031】10時間反応させたところ、フッ素が消費
され、490gの純白溶融状態のワックスが得られた。
このワックスは融点315℃で、式1に従って分子量を
算出すると8,500であった。これを低分子量PTF
EXとした。このワックスを粗粉砕したのち、ジェット
ミルで微粉砕することによって平均粒径5μmの微粒子
粉末を得た。
【0032】〔低分子量PTFEYの製造〕長さ1m直
径1インチのニッケル製管状反応器を外部ヒーターで加
熱して490℃まで昇温し、窒素ガスで5%に稀釈した
フッ素ガスを1l/分で導入するとともに、粒径0.6
mm以下に粗粉砕した前記低分子量PTFEXの粉末を
20g/hrの供給速度で連続的に供給した。反応器か
ら流出するガスは吸引ポンプを用いて30〜50l/分
で抜き出し、急激に約40℃まで冷却して低分子量物を
析出・捕集し、残りのガスは反応器に戻すことで外部循
環を行なった。8時間反応を継続した後、捕集器には粒
径0.1〜1μmの純白の微粉末が80g捕集されてい
た。これを低分子量PTFEYとする。この粉末の融点
は279℃で、式1に従って分子量を算出すると2,0
00であった。
【0033】〔低分子量PTFEZの製造〕反応器の温
度を500℃として、反応時間を4時間としたほかは前
記低分子量PTFEYの製造と同一の条件で低分子量P
TFEを製造したところ、捕集器には粒径0.1〜1μ
mの純白の微粉末が45g捕集されていた。これを低分
子量PTFEZとする。この粉末の融点は266℃で、
式1に従って分子量を算出すると1,550であった。
【0034】〔低分子量PTFEPの製造〕フッ素ガス
やフッ化物を使用せず、チッ素雰囲気でPTFEを熱分
解し、それをジェットミルで約1μmに粉砕して分子量
3000(融点から式1により換算)の低分子量PTF
EPを調製した。
【0035】〔融点法による分子量の測定〕低分子量P
TFEXおよびYの融点は下記条件でのDTA測定で求
めた。 ・DTA装置:理学電機製TG−DTA高温型CN80
78B2 ・測定雰囲気:空気 ・加熱速度:10℃/分 ・融点(Tm):ベースラインとピークの最大傾斜の交
点 この様にして得られた融点(Tm)を式1に適用して分
子量を求めた。
【0036】〔低分子量PTFE分散液の調製〕低分子
量PTFEY8gを500mlの三ツ口フラスコにとり
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン392gを加え
超音波を1時間照射し、撹拌しながら緩やかに加熱し溶
媒が還流状態で1時間保ち、その後冷却して乳白濁の
2.0重量%分散液を調製した(分散液A−1)。
【0037】分散液A−1の2.5gをビーカーにとり
メタノールを47.5g加え1時間撹拌して、0.1重
量%分散液A−2を調製した。分散液A−1の12.5
gをビーカーにとりアセトンを37.5g加え1時間撹
拌して、0.5重量%分散液A−3を調製した。
【0038】低分子量PTFEY5gを100mlの三
ツ口フラスコにとり1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン45gを加え超音波を1時間照射し、撹拌しながら
緩やかに加熱し溶媒を還流させた状態で1時間保ち、そ
の後冷却して白濁した10重量%分散液を調製した(分
散液A−4)。
【0039】低分子量PTFEY8gを500mlの三
ツ口フラスコにとりフロリナートTM5060を392
g加え超音波を1時間照射し、撹拌しながら緩やかに加
熱し溶媒を還流させた状態で1時間保ち、その後冷却し
て乳白濁の2.0重量%分散液A−5を調製した。
【0040】低分子量PTFEZ8gを500mlの三
ツ口フラスコにとり1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン392gを加え超音波を1時間照射し、撹拌しなが
ら緩やかに加熱し溶媒を還流させた状態で1時間保ち、
その後冷却して乳白濁の2.0重量%分散液を調製し
た。この分散液の12.5gをビーカーにとり酢酸エチ
ルを37.5g加え1時間撹拌して、0.5重量%分散
液B−1を調製した。
【0041】低分子量PTFEP8gを500mlの三
ツ口フラスコにとり1,1−ジクロロ−1−フルオロエ
タン392gを加え超音波を1時間照射し、撹拌しなが
ら緩やかに加熱し溶媒を還流させた状態で1時間保ち、
その後冷却して2.0重量%分散液を調製した。この分
散液12.5gをビーカーにとりアセトンを37.5g
加え1時間撹拌して、分散液C−1を調製した。
【0042】
【表1】
【0043】〔実施例1〕洗浄したソーダライムガラス
板(10cm×10cm×3mm厚)を電気炉に入れ3
70℃とした後、取り出し直ちに次の条件で分散液A−
1を噴霧した。すなわち、ノズル径1.0mmで5kg
/cm2 のエアー圧、20L/分のエアー量で分散液A
−1をガラス板から30cmの距離をおいて5秒間で約
20mlを噴霧した。
【0044】得られた被覆ガラス板は透明で外観は良好
であった。被覆された表面について協和界面科学(株)
製CA−D型接触角測定装置を用いて水の接触角を測定
したところ119度であった。次いで、この表面を50
0gf/cm2の荷重を掛けたガーゼで100往復払拭
した後に水の接触角を計ったところ111度であり、通
常の払拭清掃においては充分に撥水性を保つことが分か
った。
【0045】また、耐光性試験としてサンシャインウエ
ザオメーターで2000時間の試験を行い外観の変化を
目視で観察し、また、水の接触角を測定した。 〔実施例2〜6および比較例1〜3〕分散液A−2〜
5、B−1およびC−1について表2に示す条件で被膜
の形成とその評価を行った。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の撥水性ガラスは、実施例におい
て明らかなように、優れた撥水性と透明性を有し、かつ
実用上充分な耐磨耗性があるので、窓ガラス、車両用ガ
ラスとして有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量ポリテトラフルオロエチレンを
    気体および/または液体ととともに噴霧して250〜5
    00℃のガラスに接触させて製造された撥水性ガラスで
    あって、低分子量ポリテトラフルオロエチレンがポリテ
    トラフルオロエチレンを分子状フッ素、三フッ化窒素、
    フッ素化ハロゲンまたは希ガスのフッ化物から選ばれた
    一種以上の存在下高められた温度で分解して得られた低
    分子量ポリテトラフルオロエチレンであることを特徴と
    する撥水性ガラス。
  2. 【請求項2】低分子量テトラフルオロエチレンが、フッ
    素系溶剤に溶解または分散されていることを特徴とする
    請求項1記載の撥水性ガラス。
JP4409295A 1995-03-03 1995-03-03 撥水性ガラス Pending JPH08239242A (ja)

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