JP2003202407A - 反射防止膜を有する光学部材及びその製造方法 - Google Patents

反射防止膜を有する光学部材及びその製造方法

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JP2003202407A
JP2003202407A JP2002299316A JP2002299316A JP2003202407A JP 2003202407 A JP2003202407 A JP 2003202407A JP 2002299316 A JP2002299316 A JP 2002299316A JP 2002299316 A JP2002299316 A JP 2002299316A JP 2003202407 A JP2003202407 A JP 2003202407A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射率が小さく、透過率が高いという優れた
反射防止膜を有するだけでなく、プラスチック基材上に
おける、耐衝撃性、密着性、耐熱性、耐摩耗性及び耐ア
ルカリ性に優れ、生産性も良好な反射防止膜を有する光
学部材及びその製造方法を提供する。 【構成】 プラスチック基材と、真空蒸着で形成された
反射防止膜とを有する光学部材であって、少なくとも1
層の反射防止膜中に、無機物質及び有機物質よりなるハ
イブリッド層を有する反射防止膜を有する光学部材及び
反射防止膜が真空蒸着で形成されてなる製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止膜を有す
る光学部材及びその製造方法に関し、特に、視感反射率
が小さく、視感透過率が高いという優れた反射防止膜を
有するだけでなく、プラスチック基材上における、耐衝
撃性、密着性、耐熱性、耐摩耗性及び耐アルカリ性に優
れ、生産性も良好な反射防止膜を有する光学部材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、プラスチック基材に、無機物
質を蒸着してなる反射防止膜を設けた光学部材が知られ
ている。かかる光学部材は優れた反射防止性、耐擦傷性
を有している。しかしながら、このような反射防止膜を
有する光学部材は、耐衝撃性及び耐熱性が十分ではな
い。その課題を解決する方法として、例えば、特許文献
1に記載されているように、プラスチック基材と反射防
止膜との間に有機化合物よりなるプライマ−層を施すこ
とが知られている。しかしながら、このプライマ−層
は、プライマ−液をプラスチック基材に塗布し、その
後、加熱して硬化させて、反射防止膜を蒸着して施すた
め、プライマ−層の膜厚が、均一にならないことがあっ
た。また、前記公報に開示されたプライマ−に関し、プ
ライマ−層を施すのは大気中であり、反射防止膜を施す
のは真空中であるため、反射防止膜とプライマ−層との
間に異物が入りやすい、最終製品を作るまでの時間が長
いという課題を有していた。
【特許文献1】特開昭63-141001号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためになされたもので、反射率が小さく、透過
率が高いという優れた反射防止膜を有するだけでなく、
プラスチック基材上における、耐衝撃性、密着性、耐熱
性、耐摩耗性及び耐アルカリ性に優れ、生産性も良好な
光学部材及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、反射防止膜の構
成層の少なくとも1層に無機物質及び有機物質よりなる
ハイブリッド層を設けることにより、耐衝撃性、密着
性、耐熱性及び耐摩耗性に優れ、さらに生産性が向上す
る反射防止膜を有する光学部材が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の反
射防止膜を有する光学部材は、プラスチック基材と、真
空蒸着で形成された反射防止膜とを有する光学部材であ
って、この反射防止膜の少なくとも1層に、無機物質及
び有機物質からなるハイブリッド層を有することを特徴
とする。また、本発明の光学部材の製造方法は、この反
射防止膜を、真空蒸着で形成することを特徴とする。か
かるハイブリッド層を設けることにより、前記特開昭63
-141001号公報に記載されているようなプライマ−層を
施さなくても、耐衝撃性を損なわずに、密着性、耐熱性
及び耐摩耗性に優れた反射防止膜を有する光学部材を提
供することができる。そして、かかるハイブリッド層
は、他の構成層と同様に、真空中にて積層されるので、
特開昭63-141001号公報に記載されているようなプライ
マ−層を施す際に必要な硬化時間を削減でき、さらに反
射防止膜内の異物の発生を低減することが可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明について説明
する。本発明の光学部材は、真空蒸着によって形成され
る反射防止膜中に、無機物質及び有機物質よりなるハイ
ブリッド層を形成することで、反射防止膜の柔軟性向
上、膜内応力低減を図ることが可能となり、特開昭63-1
41001号公報記載の発明と同等に、耐衝撃性を損なうこ
となく密着性、耐熱性、耐摩耗性に優れた反射防止膜を
有する光学部材を提供することが可能になっている。さ
らに、本発明では、特開昭63-141001号公報記載の発明
のような、プライマ−液を大気中にて、塗布、加熱して
なるプライマ−層を設ける必要がないので、硬化を行う
時間を必要とせず、異物の混入を防ぎ、さらに、反射防
止膜の膜厚をより正確に制御することができる。
【0006】前記ハイブリッド層は、反射防止膜中の任
意の層に形成できるが、反射率特性、上述した物性、特
に、耐衝撃性を良く得るために、プラスチック基材側に
最も近い層と、プラスチック基材側に最も遠い層に形成
されるのが特に好ましく、最も近い層と最も遠い層は同
一でも異なっていてもよい。また、前記反射防止膜は、
複数の層から形成されるいると好ましく、前記ハイブリ
ッド層は、良好な膜強度及び密着性を得るためイオンア
シスト法で形成されていると好ましい。
【0007】イオンアシスト法において、出力に関し好
ましい範囲は、特に、良好な反応を得る観点から、加速
電圧50V〜150V、加速電流30mA〜100mA
である。前記イオンアシスト法を実施する際に使用され
るイオン化ガスは、成膜中の反応性、酸化防止の点から
アルゴン(Ar)、又はアルゴン+酸素混合ガスを用い
るのが好ましい。
【0008】また、本発明の光学部材は、反射防止膜の
下に、密着性を向上させるために、下地層として、後述
するハイブリッド層形成の際に触媒作用のある金属、例
えば、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、白金(Pt)、
ニオブ(Nb)及びチタニウム(Ti)から選ばれる少
なくとも1種類からなる層を施すことができる。特に好
ましい下地層は、より良好な耐衝撃性を付与させるため
に、ニオブからなる金属層である。金属層を下地層とし
て用いた場合、下地層の上に設けられるハイブリッド層
の反応が進みやすくなり、分子内編み目構造を有する物
質が得られ、耐衝撃性が向上する。
【0009】また、プラスチック基材と下地層との密着
性確保及び蒸着物質の初期膜形成状態の均一化を図るた
めに、下地層を形成する前にイオン銃前処理を行っても
良い。イオン銃前処理におけるイオン化ガスは、酸素、
アルゴン(Ar)などを用いることができ、出力で好ま
しい範囲は、特に良好な密着性、耐摩耗性を得る観点か
ら、加速電圧が50V〜200V、加速電流が50mA
〜150mAである。
【0010】本発明の光学部材における反射防止膜の製
法は、蒸着法で形成される。必要に応じて、物理的蒸着
法(PVD法)、化学的蒸着法(CVD法)、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、プラズマCVD法
等で形成することもできる。前記反射防止膜のハイブリ
ッド層以外の膜構成層は特に限定されないが、良好な反
射防止効果等の物性を得るため、低屈折率層としてSi
2層、又はSiO2とAl23との混合層、高屈折率層
としてNb25層、又はTiO2層とを有することが好
ましい。本発明における、ハイブリッド層に使用される
無機物質としては、SiO2単独、SiO2及びAl23
の混合物、又はNb25、Ta25、TiO2、ZrO2
及びY23から選ばれる少なくとも1種類の無機酸化物
が好ましい。
【0011】本発明における、ハイブリッド層に使用さ
れる有機物質としては、変性シリコ−ンオイルが好まし
く用いられる。前記変性シリコ−ンオイルとしては、数
平均分子量250〜6000が好ましく、以下の一般式(a)
〜(d)で表されるいずれかの構造を有することが好ま
しい。
【0012】側鎖型 一般式(a):ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入し
た変性シリコ−ンオイル
【化6】 両末端型 一般式(b):ポリシロキサンの両末端に有機基を導入
した変性シリコ−ンオイル
【化7】
【0013】片末端型 一般式(c):ポリシロキサンの片末端に有機基を導入
した変性シリコ−ンオイル
【化8】 側鎖両末端型 一般式(d):ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方に
有機基を導入した変性シリコ−ンオイル
【化9】 (一般式(a)〜(d)において、式中のm、nは、そ
れぞれ独立に0以上の整数を表し、一般式(c)のR
は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のア
ルケニル基又は炭素数2〜10のアルキニル基を表す。
一般式(a)及び(d)の化合物は、それぞれブロック
コポリマー又はランダムコポリマーであってもよい。)
【0014】また導入される有機基の種類によって、変
性シリコ−ンオイルは、反応性シリコ−ンオイルと非反
応性シリコ−ンオイルに分けられる。反応性シリコ−ン
オイルとしては、前記有機基が、 (1)アミノ基 (2)エポキシ基 (3)カルボキシル基 (4)炭素数1〜15の水酸基含有炭化水素基 (5)メタクリル基 (6)メルカプト基 (7)フェノ−ル基 (8)炭素数1〜15のアルコキシ基 (9)(1)〜(8)の基のうち1つ以上を置換基とし
て有する炭素数1〜15の炭化水素基 (10)(1)〜(9)の基のうち2つ以上の組み合わせ
を含む有機基(好ましくは、アミノ基とアルコキシ基と
の組み合わせ、エポキシ基とポリエ−テル基との組み合
わせ、アミノ基とポリエ−テル基との組み合わせであ
る。)等から選ばれるものが挙げられる。
【0015】非反応性シリコ−ンオイルとしては、前記
有機基が (1)繰り返し単位数が2〜15で各繰り返し単位が炭
素数2〜15のアルキレン基であるポリエ−テル基 (2)メチルスチリル基 (3)炭素数1〜15のアルキル基 (4)炭素数2〜15のエステル基 (5)炭素数16〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪酸
エステル基 (6)1つ以上のフッ素で置換された炭素数1〜15の
炭化水素基 等から選ばれるものが挙げられる。
【0016】前記変性シリコ−ンオイルの数平均分子量
は、ハイブリッド層中の有機成分の制御、膜自体の強度
の点から250〜6000であることが好ましい。
【0017】さらに、前記ハイブリッド層の有機物質
は、一般式(I)で表される化合物が好ましく用いられ
る。
【化10】 (式中、x、zは、それぞれ独立に0以上の整数で、y
は、1以上の整数である。R1〜R6は、それぞれ独立
に、水素原子、又はメチル基、エポキシ基含有炭素数1
〜15の炭化水素基、アミノ基、アクリル基、メタクリ
ル基、水酸基、カルボニル基含有炭素数1〜15の炭化
水素基、ビニル基、チオ−ル基、炭素−炭素三重結合含
有炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアル
コキシシラン基、炭素数1〜15のアルキルアミノ基及
び炭素数5〜8の環状アルキル基から選ばれる有機基を
表す。)
【0018】前記R1〜R6のうち少なくとも1つがソル
ビタン残基(ソルビタンから水素を1つ除いた基)又は
ソルビタンエステル残基(ソルビタンエステルから水素
を1つ除いた基)であると好ましい。
【化11】 (Rは、炭素数10〜20であると好ましく、分岐状も
しくは直鎖状であってもよく、不飽和結合を含んでいて
もよい。) 前記一般式(I)で表される化合物としては、ポリエチ
レングリコ−ルモノブチルモノグリシジルエ−テル、ポ
リエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリオキ
シエチレンα、ω−ビス−3−アミノプロピルエ−テ
ル、ポリエチレングリコ−ルソルビタンモノラウレ−
ト、ポリエチレングリコ−ルソルビタンモノオレ−ト又
はポリオキシエチレンモノアクリレ−トであることが好
ましい。
【0019】また、前記一般式(I)で表される化合物
の数平均分子量は、ハイブリッド層中の有機成分の制御
及びハイブリッドの層強度を考慮して、250〜6000であ
ることが好ましい。250〜6000という低い数平均分子量
を有する一般式(I)で表される化合物を選択して用い
ることにより、ハイブリッド層中の有機成分を制御し易
くなる。
【0020】本発明における有機物質の成膜方法として
は、有機物質の蒸着量を制御するため前記有機物質を溶
媒にて希釈し、希釈液をバイオカラムフィルターに含浸
乾燥させたものを使用するのが好ましい。このバイオカ
ラムフィルターは、焼結ステンレス鋼及び無機ガラスよ
り形成されたものが好ましい。この溶媒としては特に限
定はされないが、末端アミン系の有機物ではジメチルエ
ーテル、末端エポキシド系の有機物では酢酸エチル、極
性の低いポリシロキサン系の有機物はトリメチルエチル
シラン又はジエチルエーテル、極性の高いポリエーテル
系の有機物ではメタノールが好ましく用いられる。
【0021】成膜については多孔性材料を加熱して、こ
の有機物質を蒸着により被成膜体に成膜を行うのが望ま
しい。有機物質を溶媒に溶かして、この溶液量を図るこ
とによって膜厚の制御を行うことができる。加熱装置は
限定されないが、例えば、ハロゲンヒータ、抵抗加熱装
置、セラミックヒータ等が使用できる。溶解した有機物
質は適当な容器に入れ、加熱蒸発させる。特に好ましい
容器は、多孔性材料であり、この多孔性材料に上記溶液
を含浸させ、加熱することにより適度な蒸着速度を得る
ことが可能である。多孔性材料は、より具体的には銅な
どの熱伝導性の高い金属粉末を焼結した焼結フィルター
を用いることが好ましい。また、多孔性材料は、適度な
蒸着速度を得るという観点からそのメッシュを通常は4
0〜200ミクロンとし、80〜120ミクロンとする
と好ましい。
【0022】容器の加熱温度は、200〜300℃、好
ましくは200〜240℃とすることが適当な蒸着速度
を得るという点から好ましい。加熱装置には、成膜制御
用に、シャッター機構を有することが望ましい。また、
加熱時に、成膜物質の飛散による、プラスチック基材の
汚染防止として、加熱装置の周囲を囲うことが望まし
い。成膜時の成膜物質の安定供給を行うために、前記バ
イオカラムフィルターを蔽い、小径の孔を有した、成膜
量調整室を設けることが望ましい。その孔の形状は成膜
有機物質の分布指向性を向上させるために楕円形である
ことが望ましい。
【0023】本発明における、ハイブリッド層中の有機
物質の好ましい膜内含有率は、特に良好な物性改質効果
が得られる点を考慮して、0.02重量%〜70重量%
であり、0.5重量%〜25重量%であると特に好まし
い。ハイブリッド層の有機物質膜内含有率は、例えば、
無機物質、有機物質の屈折率をあらかじめ把握してお
き、ハイブリッド層の膜厚、反射率を測定することによ
って求めることができる。ハイブリッド層の有機物質含
有率は、基準値として無機物質の屈折率及び有機物質の
屈折率を用い、ハイブリッド層の屈折率により求められ
る。ハイブリッド層を形成する際には、無機物質、有機
物質それぞれを別の蒸着源にて同時に蒸着して成膜する
のが好ましい。この有機物質の無機物質に対する相対濃
度は、有機物質及び/又は無機物質の加熱装置の表面温
度を変えることにより制御できる。また、ハイブリッド
層が、複数種の有機物質もしくは複数種の無機物質を含
む場合には、別々の加熱装置で蒸着するのが好ましい。
【0024】本発明におけるプラスチック基材上に形成
された反射防止膜の構成としては、例えば以下のような
ものが好ましい。 第1層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
リッド層(層厚 10〜180nm) 第2層:Nb25層(層厚 1〜25nm) 第3層:SiO2+Al23層(層厚10〜50nm) 第4層:Nb25層(層厚 10〜55nm) 第5層:SiO2+Al23層(層厚 10〜50n
m) 第6層:Nb25層(層厚 10〜120nm) 第7層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
リッド層(層厚 70〜100nm) 上記層厚範囲は、プラスチック基材上に反射防止膜有し
た光学部材の耐衝撃性耐、密着性、耐熱性及び耐摩耗性
において好ましい範囲である。
【0025】また、以下のような反射防止膜の構成も好
ましい。 下地層:Nb層(層厚 1〜5nm) 第1層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
リッド層(層厚 10〜180nm) 第2層:Nb25層(層厚 10〜55nm) 第3層:SiO2+Al23層(層厚10〜50nm) 第4層:Nb25層(層厚 10〜55nm) 第5層:SiO2+Al23層(層厚 10〜50n
m) 第6層:Nb25層(層厚 10〜120nm) 第7層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
リッド層(層厚 70〜100nm)
【0026】上記層厚範囲は、プラスチック基材上に反
射防止膜を有した光学部材の耐衝撃性、密着性、耐熱性
及び耐摩耗性において好ましい範囲である。また、より
良い特性を得るため、前記膜構成の少なくとも1層以上
の層にイオンアシスト法を用いても良い。上記SiO2
+Al23+有機物質からなるハイブリッド層の好まし
い屈折率の範囲は、良好な耐摩耗性、耐衝撃性を得る観
点から1.450〜1.485である。
【0027】本発明で使用するプラスチック基材の材質
は、特に限定されず、例えば、メチルメタクリレ−ト単
独重合体、メチルメタクリレ−トと1種以上の他のモノ
マ−との共重合体、ジエチレングリコ−ルビスアリルカ
−ボネ−ト単独重合体、ジエチレングリコ−ルビスアリ
ルカ−ボネ−トと1種以上の他のモノマ−との共重合
体、イオウ含有共重合体、ハロゲン共重合体、ポリカ−
ボネ−ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリウレタ
ン、ポリチオウレタンなどが挙げられる。
【0028】本発明の光学部材は、前記プラスチック基
材と前記下地層との間に、硬化被膜を有しても良い。硬
化被膜としては、通常、金属酸化物コロイド粒子と下記
一般式(II) (R7a (R8)bSi(OR94-(a+b) ・・・(II) (式中、R7及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1〜8
のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6
〜10のアリール基、炭素数1〜8のアシル基、ハロゲ
ン原子、グリシドキシ基、エポキシ基、アミノ基、メル
カプト基、メタクリロキシ基及びシアノ基の中から選ば
れる有機基を示し、R9は炭素数1〜8のアルキル基、
炭素数1〜8アシル基及び炭素数6〜10のアリール基
の中から選ばれる有機基を示し、a及びbは、それぞれ
独立に0又は1の整数である)で表される有機ケイ素化
合物とからなる組成物が使用される。
【0029】前記金属酸化物コロイド粒子としては、例
えば、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(A
23)、酸化チタニウム(TiO2)、酸化ジルコニ
ウム(ZrO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化ベリリウ
ム(BeO)又は酸化アンチモン(Sb25)等が挙げ
られ、単独又は2種以上を併用することができる。
【0030】前記一般式(II)で示される有機ケイ素化
合物としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリ
ケート、n−プロピルシリケート、i−プロピルシリケ
ート、n−ブチルシリケート、sec−ブチルシリケー
ト、t−ブチルシリケート、テトラアセトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリアセトキ
シシラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロ
ポキシシラン、メチルトリアミロキシシラン、メチルト
リフェノキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラ
ン、メチルトリフェネチルオキシシラン、グリシドキシ
メチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエ
トキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシ
ラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β
−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシ
プロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシ
ドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブ
チルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリ
メトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリ
シドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシ
ブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リフェノキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラ
ン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルト
リメトキシシラン、δ−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)ブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチル
メチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジ
エトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメト
キシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシ
シラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラ
ン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、
α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルフェニルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキ
シエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リアセトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、クロロメチ
ルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチ
ルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、γ−メタクリルオキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシ
シラン、メチルビニルジエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0031】前記硬化被膜を作るコ−ティング液には、
従来知られている方法で、液の調整を行うことができ
る。所望により、硬化触媒、塗布時における濡れ性を向
上させ硬化被膜の平滑性を向上させる目的で各種の有機
溶剤や界面活性剤を含有させることもできる。さらに、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤老化防止剤等もコ
ーティング組成物及び硬化被膜の所望の物性が得られる
限り添加することができる。
【0032】コ−ティング組成物の硬化は、熱風乾燥ま
たは活性エネルギー線照射によって行い、硬化条件とし
ては、70〜200℃の熱風中にて行うのが良く、特に
好ましくは90〜150℃である。なお活性エネルギー
線としては遠赤外線等があり、熱による損傷を低く抑え
ることができる。また、コ−ティング組成物よりなる硬
化膜を基材上に形成する方法としては、上述したコ−テ
ィング組成物を基材に塗布する方法が挙げられる。塗布
手段としてはディッピング法、スピンコーティング法、
スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、面精
度の面からディッピング法、スピンコーティング法が特
に好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例において得られた光学
部材の物性評価は以下のようにして行った。 (1)視感透過率 プラスチックレンズの視感透過率Yは、両面に反射防止
膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立
分光光度計U−3410を用い測定した。 (2)視感反射率 プラスチックレンズの視感反射率Zは、両面に反射防止
膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立
分光光度計U−3410を用い測定した。 (3)耐衝撃性 レンズ中心部厚さ 2.0mm(CTと記載する)で、レ
ンズ度数−4.00Dのレンズを作製してFDA(Food
and Drug Administration)で定められているドロップ
ボールテストを行い、○:合格、×:不合格とした。更
にレンズが破損するまでドロップボールテストを継続
し、最大荷重として強度確認を行った。ドロップボール
の重量は14gであった。 (4)密着性 プラスチックレンズの表面に剃刀にて1mm×1mmの
升目を100個作成し、升目上にセロハンテープを貼
り、一気にテープをはがし、残った升目の数で評価し
た。表中、残った升目の数/100で記載した。 (5)耐摩耗性 プラスチックレンズの表面にスチールウールにて1kg
f/cm2の荷重をかけ、10ストローク擦り、表面状
態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど傷なし A:細い傷数本あり B:細い傷多数、太い傷数本あり C:細い傷多数、太い傷多数あり D:殆ど膜はげ状態
【0034】(6)耐熱性 プラスチックレンズをドライオーブンで60℃から、5
℃づつ上昇させて1時間加熱し、クラックの発生温度を
測定した。 (7)耐アルカリ性 プラスチックレンズをNaOH10%水溶液に20℃、
1時間浸漬し、表面状態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど変化なし A:点状の膜はげ数個あり B:点状の膜はげが全面にあり C:点状のはげが全面、面状のはげ数個あり D:殆ど全面膜はげ
【0035】実施例1〜20 ガラス製容器に、コロイダルシリカ(スノ−テックス−
40、日産化学)90重量部、有機ケイ素化合物のメチ
ルトリメトキシシラン81.6重量部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン176重量部、0.5N
塩酸2.0重量部、酢酸20重量部、水90重量を加え
た液を、室温にて8時間攪拌後、室温にて16時間放置
して加水分解溶液を得た。この溶液に、イソプロピルア
ルコ−ル120重量部、n−ブチルアルコ−ル120重
量部、アルミニウムアセチルアセトン16重量部、シリ
コ−ン系界面活性剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.1
重量部を加え、室温にて8時間攪拌後、室温にて24時
間熟成させコ−ティング液を得た。アルカリ水溶液で前
処理したプラスチックレンズ基板(素材:ジエチレング
リコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト、屈折率1.50、中
心厚2.0mm、レンズ径70mm、レンズ度数0.0
0)を、前記コーティング液の中に浸漬させ、浸漬終了
後、引き上げ速度20cm/分で引き上げたプラスチッ
クレンズを120℃で2時間加熱して硬化膜(ハードコ
ートA層)を形成した。その後、表1〜10に記載した
イオン加速電圧の条件でArガスを用いて、イオン銃前
処理を行った。次に、ハードコートA層の上に、表1〜
10に示した条件で第1〜7層からなる反射防止膜を形
成して、プラスチックレンズを得た。
【0036】なお、ハイブリッド層は、無機物質の蒸着
と有機物質との蒸着とは、二元蒸着として、ほぼ同時に
蒸着するように条件を設定した。有機物質の蒸着の際
は、有機物質を有機溶媒で溶解させた溶液を、溶液ステ
ンレス製焼結フィルター(メッシュ80〜100ミクロ
ン、径18φ、厚さ3mm)に、有機物質と溶媒の含有比
率(重量比)1:4、有機物質及び溶媒を1フィルター
チップ当たりの含有量1ミリリットルで含浸させて、真
空蒸着装置内にセットし、250℃に加熱した。ただ
し、有機物質Eは、外部加熱タンクにて気化し、気化し
た有機物を、ガスバルブ、マスフローコントローラを使
用して、蒸着装置内に導入する形式を採用しているた
め、チップは使用していない。
【0037】また、表に記載されている有機物質A〜E
の商品の構造は以下の通りである。 有機物質A:上記一般式(a)において、有機基がエポ
キシ基である反応性シリコーンオイルKF1001(信
越シリコン社製)、使用溶媒:(トリメチルエチルシラ
ン)LS−865(信越化学社製) 有機物質B:上記一般式(a)において、有機基がエポ
キシ基及びポリエーテル基である反応性シリコーンオイ
ルX22−4741(信越シリコン社製)、使用溶媒:
酢酸エチル 有機物質C:上記一般式(b)において、有機基がアミ
ノアルキル基である反応性シリコーンオイルX22−8
008(信越シリコン社製)、使用溶媒:ジエチルエー
テル 有機物質D:ポリオキシエチレンモノアクリレートAE
−400(日本油脂社製)、使用溶媒:酢酸エチル 有機物質E:ポリエチレングリコールグリシジルエーテ
ルE−400(日本油脂社製)、使用溶媒:なし 得られたプラスチックレンズについて上記(1)〜
(7)を評価し、それらの結果を表1〜10に示した。
尚、表中、λは照射光の波長で、λ=500nmを示
す。ハイブリッド層の屈折率はλ=500nmで求め
た。
【0038】比較例1〜4 ハードコート層及び第1層〜第7層からなる機能膜を、
無機物質のみにて、表11及び12に示した条件で形成
し、プラスチックレンズを得た。得られたプラスチック
レンズについて上記(1)〜(7)を評価し、それらの
結果を表11及び12に示した。なお、表1〜12にお
いて、イオン銃設定値の項目が「−」で表示されているの
は、層がイオンアシスト法以外の方法、すなわち一般的
な蒸着法により形成されていることを示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】
【表11】
【0050】
【表12】
【0051】
【表13】
【0052】
【表14】
【0053】
【表15】
【0054】
【表16】
【0055】
【表17】
【0056】
【表18】
【0057】
【表19】
【0058】
【表20】
【0059】
【表21】
【0060】
【表22】
【0061】表1〜10に示したように、実施例1〜2
0のプラスチックレンズは、視感反射率が0.70〜
0.82%と極めて小さく、視感透過率は99.0〜9
9.11%と高かった。さらに、耐衝撃性が良好であ
り、密着性、耐摩耗性、耐熱性、耐アルカリ性も良好で
あった。これに対し、表11及び12に示したように、
比較例1〜4のプラスチックレンズは、視感反射率が
1.1〜1.2%と高く、耐衝撃性が劣り、密着性、耐
摩耗性、耐熱性、耐アルカリ性も実施例1〜20に比べ
劣っていた。
【0062】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
学部材は、反射率が小さく、透過率が高いという優れた
反射防止膜を有するだけでなく、耐衝撃性、密着性、耐
熱性、耐摩耗性及び耐アルカリ性に優れ、生産性も良好
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白川 寛 東京都新宿区中落合2丁目7番5号 ホー ヤ株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 AA09 CC03 CC14 CC24 CC42 EE00 4F100 AA00B AA17B AA17C AA19B AA19D AA20B AA20D AA21B AA27B AH00B AH06B AH06K AK01A AK52B AK52K AR00B BA02 BA03 BA08 BA10A BA10D EH66B GB41 JJ03 JK06 JK10 JN06B JN08 JN24 4K029 AA11 AA21 BA43 BA50 BA64 BB02 BC07 BD00 CA01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基材と、真空蒸着で形成さ
    れた反射防止膜とを有する光学部材であって、反射防止
    膜中の少なくとも1層が、無機物質及び有機物質よりな
    るハイブリッド層である反射防止膜を有する光学部材。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリッド層が、イオンアシスト
    法で形成されてなる請求項1に記載の反射防止膜を有す
    る光学部材。
  3. 【請求項3】 前記ハイブリッド層の無機物質が、Si
    2である請求項1または2に記載の反射防止膜を有す
    る光学部材。
  4. 【請求項4】 前記ハイブリッド層の無機物質が、Si
    2及びAl23である請求項1または2に記載の反射防
    止膜を有する光学部材。
  5. 【請求項5】 前記ハイブリッド層の無機物質が、Nb
    25、Ta25、TiO2、ZrO2及びY23から選ば
    れる少なくとも1種類の無機酸化物である請求項1また
    は2に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  6. 【請求項6】 前記ハイブリッド層の有機物質が、変性
    シリコ−ンオイルである請求項1または2に記載の反射
    防止膜を有する光学部材。
  7. 【請求項7】 前記変性シリコ−ンオイルが以下の一般
    式(a)〜(d)で表されるいずれかの構造を有した請
    求項6に記載の反射防止膜を有する光学部材。 一般式(a):ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入し
    た変性シリコ−ンオイル 【化1】 一般式(b):ポリシロキサンの両末端に有機基を導入
    した変性シリコ−ンオイル 【化2】 一般式(c):ポリシロキサンの片末端に有機基を導入
    した変性シリコ−ンオイル 【化3】 一般式(d):ポリシロキサンの側鎖と両末端の両方に
    有機基を導入した変性シリコ−ンオイル 【化4】 (一般式(a)〜(d)において、式中のm、nは、そ
    れぞれ独立に0以上の整数を表し、一般式(c)のR
    は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のア
    ルケニル基又は炭素数2〜10のアルキニル基を表
    す。)
  8. 【請求項8】 前記有機基が、アミノ基、エポキシ基、
    カルボキシル基、水酸基、炭素数1〜15の水酸基含有
    炭化水素基、メタクリル基、メルカプト基、フェノ−ル
    基、炭素数1〜15のアルコキシ基、これらの基のうち
    1つ以上を置換基として有する炭素数1〜15の炭化水
    素基、及びこれら各基の組み合わせから選ばれるもので
    ある請求項7に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  9. 【請求項9】 前記有機基が、炭素数1〜15のアルキ
    ル基、炭素数2〜15のエステル基、メチルスチリル
    基、繰り返し単位数が2〜15で各繰り返し単位が炭素
    数2〜15アルキレン基であるポリエ−テル基、炭素数
    16〜20の飽和もしくは不飽和の脂肪酸エステル基、
    及び1つ以上のフッ素で置換された炭素数1〜15の炭
    化水素基から選ばれるものである請求項7に記載の反射
    防止膜を有する光学部材。
  10. 【請求項10】 前記変性シリコ−ンオイルの数平均分
    子量が、250〜6000である請求項6〜9のいずれか1項
    に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  11. 【請求項11】 前記ハイブリッド層の有機物質が、一
    般式(I)で表される化合物である請求項1または2に
    記載の反射防止膜を有する光学部材。 【化5】 (式中、x、zは、それぞれ独立に0以上の整数で、y
    は、1以上の整数である。R1〜R6は、それぞれ独立
    に、水素原子、又はメチル基、エポキシ基含有炭素数1
    〜15の炭化水素基、アミノ基、アクリル基、メタクリ
    ル基、水酸基、カルボニル基含有炭素数1〜15の炭化
    水素基、ビニル基、チオ−ル基、炭素−炭素三重結合含
    有炭素数1〜15の炭化水素基、炭素数1〜15のアル
    コキシシラン基、炭素数1〜15のアルキルアミノ基及
    び炭素数5〜8の環状アルキル基から選ばれる有機基を
    表す。)
  12. 【請求項12】 前記R1〜R6のうち少なくとも一つが
    ソルビタン残基又はソルビタンエステル残基である請求
    項11に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  13. 【請求項13】 前記一般式(I)で表される化合物
    が、ポリエチレングリコ−ルモノブチルモノグリシジル
    エ−テル、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テ
    ル、ポリオキシエチレンα、ω−ビス−3−アミノプロ
    ピルエ−テル、ポリエチレングリコ−ルソルビタンモノ
    ラウレ−ト、ポリエチレングリコ−ルソルビタンモノオ
    レ−ト又はポリオキシエチレンモノアクリレ−トである
    請求項11に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  14. 【請求項14】 前記一般式(I)で表される化合物の
    数平均分子量が、250〜6000である請求項11〜13の
    いずれか1項に記載の反射防止膜を有する光学部材。
  15. 【請求項15】 前記ハイブリッド層の有機物質の膜内
    含有率が、0.02重量%〜70重量%である請求項1
    〜14のいずれか1項に記載の反射防止膜を有する光学
    部材。
  16. 【請求項16】 前記プラスチック基材と反射防止膜と
    の間に、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、白金(P
    t)、ニオブ(Nb)及びチタニウム(Ti)から選ば
    れる少なくとも1種類からなる膜厚1〜5nmの下地層
    を施してなる請求項1〜15のいずれか1項に記載の光
    学部材。
  17. 【請求項17】 前記ハイブリッド層が、反射防止膜中
    のプラスチック基材に最も近い層と、プラスチック基材
    に最も遠い層とに設けられ、最も近い層と最も遠い層が
    同一又は異なる請求項1〜16のいずれか1項に記載の
    反射防止膜を有する光学部材。
  18. 【請求項18】 前記反射防止膜が、プラスチック基材
    側から順に、以下に記す構成であることを特徴とする請
    求項17に記載の光学部材。 第1層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
    リッド層(層厚 10〜180nm) 第2層:Nb25層(層厚 1〜25nm) 第3層:SiO2+Al23層(層厚10〜50nm) 第4層:Nb25層(層厚 10〜55nm) 第5層:SiO2+Al23層(層厚 10〜50n
    m) 第6層:Nb25層(層厚 10〜120nm) 第7層:SiO2+Al23+有機物質からなるハイブ
    リッド層(層厚 70〜100nm)
  19. 【請求項19】 反射防止膜を、真空蒸着で形成する請
    求項1〜18のいずれかに記載の反射防止膜を有する光
    学部材の製造方法。
  20. 【請求項20】 ハイブリッド層の少なくとも1層を、
    イオンアシスト法で形成する請求項19に記載の製造方
    法。
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