JP2005274767A - 光学部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プラスチック基材に、多層反射防止膜を真空蒸着で形成し、該反射防止膜上に撥水膜を施す光学部材の製造方法であって、該反射防止膜は、特定の7層の構成を有し、該反射防止膜の第7層上にフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として、撥水膜が形成される光学部材の製造方法。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明の製造方法は、プラスチック基材に、多層反射防止膜を真空蒸着で形成し、該反射防止膜上に撥水膜を施す光学部材の製造方法であって、反射防止膜は、基材側から外気側に向って順に、以下に記す7層構成であり、
第1層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第2層:酸化タンタルが第2層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第3層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第4層:酸化タンタルが第4層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第5層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第6層:酸化タンタルが第6層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第7層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
[前記有機ケイ素化合物が、以下の一般式(a)〜(d)で表されるいずれかの構造を有している。
一般式(a):シランまたはシロキサン化合物
また、前記ケイ素非含有有機化合物が、以下の一般式(e)〜(g)で表されるいずれかの構造を有している。
一般式(e):片末端にエポキシ基を有する炭素及び水素を必須成分とするケイ素非含有有機化合物
CX9X10=CX11X12 ・・・(g)
(一般式(e)、(f)において、R9は水素、または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、R10は、酸素を含んでいてもよい炭素数1〜7の二価の炭化水素基を表す。一般式(g)において、X9〜X12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜10の炭化水素基、または炭素数1〜10の炭素及び水素を必須成分とし、さらに酸素及び窒素の少なくとも一方を必須成分とする有機基を表す。)]
撥水膜は、前記反射防止膜の第7層上にフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として形成される光学部材の製造方法である。
本発明における、ハイブリッド層に使用される無機物質としては、二酸化ケイ素を含有することが必要であり、その他、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム及び酸化ニオブから選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。複数の無機物質を用いる場合は、それらを物理的に混合してもよいし、また複合酸化物であってもよく、具体的にはSiO2−Al2O3等がある。これらのうち二酸化ケイ素(SiO2)単独、二酸化ケイ素(SiO2)及び酸化アルミニウム(Al2O3)から選ばれる少なくとも1種類の無機酸化物が好ましい。
前記有機ケイ素化合物としては、例えば、以下の一般式(a)〜(d)で表されるいずれかの構造を有することが好ましい。
前記R1〜R8で示される炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、フェニル基、シクロヘキシル基、プロピニル基、イソプロペニル基等が挙げられる。
一般式(b)で表される具体的な化合物としては、1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザンなどの化合物が挙げられる。
一般式(c)で表される具体的な化合物としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの化合物が挙げられる。
一般式(d)で表される具体的な化合物としては、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7-オクタメチルシクロテトラシラザンなどの化合物が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物の数平均分子量は、ハイブリッド膜中の有機成分の制御、膜自体の強度の点から、好ましくは、48〜600、特に好ましくは、140〜500である。
一般式(e):片末端にエポキシ基を有する炭素及び水素を必須成分とするケイ素非含有有機化合物
CX9X10=CX11X12 ・・・(g)
一般式(e)、(f)において、R9は水素、または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、R10は、酸素を含んでいてもよい炭素数1〜7の二価の炭化水素基を表す。一般式(g)において、X9〜X12はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜10の炭化水素基、または炭素数1〜10の炭素、水素を必須成分とし、さらに酸素及び窒素の少なくとも一方を必須成分とする有機基を表す。
一般式(f)の化合物の具体例としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、前記一般式(e)〜(g)で表される化合物の数平均分子量は、ハイブリッド膜中の有機成分の制御及びハイブリッドの膜強度を考慮して、好ましくは、28〜400、特に好ましくは、140〜360である。
なお、蒸着速度の制御の観点から、有機物質を貯蔵する外部タンクを加熱・減圧して該有機物質をチャンバー内に供給し、酸素ガス及び/またはアルゴンガスを用いイオンアシスト成膜するのが好ましい。さらに、本発明では有機物質が常温・常圧で液体であり、溶媒を使用する必要がなく、直接加熱して蒸着することができる。また、有機物質の導入口は、図1に示すよう無機物質蒸発源真上に設けるのが対衝撃性、対摩耗性向上に効果的であり、有機ケイ素化合物を下部より、その側鎖または末端に反応性基を含有する炭素及び水素を必須成分とするケイ素非含有有機化合物を上部より供給するのが好ましい。
外部タンクの加熱温度は、その有機物質の蒸発温度により異なるが、30〜200℃、好ましくは50〜150℃とすることが適当な蒸着速度を得るという点から好ましい。
本発明におけるハイブリッド層の有機物質の好ましい膜内含有率は、特に良好な物性改質効果が得られる点を考慮して、0.02〜25重量%である。
第1層 0.005λ〜1.25λ 1.41〜1.50
第2層 0.005λ〜0.10λ 2.00〜2.35
第3層 0.005λ〜1.25λ 1.41〜1.50
第4層 0.05λ〜0.45λ 2.00〜2.35
第5層 0.005λ〜0.15λ 1.41〜1.50
第6層 0.05λ〜0.45λ 2.00〜2.35
第7層 0.2λ〜0.29λ 1.41〜1.50
かかる膜構成にすることにより、目的とする物性が容易に得られる。
CqF2q+1CH2CH2Si(NH2)3 ・・・(i)
(ただし、qは1以上の整数である)
ここで、上記R11で示される加水分解可能な基としてはアミノ基、アルコキシ基、特にアルキル部が炭素数1〜2であるアルコキシ基、塩素原子等が挙げられる。
また、上記式(i)で表される化合物の具体例としては、n−CF3CH2CH2Si(NH2)3;n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン、n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3;n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン、n−C4F9CH2CH2Si(NH2)3;n−ノナフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ヘキシルシラザン、n−C6F13CH2CH2Si(NH2)3;n−トリデオフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチルシラザン、n−C8F17CH2CH2Si(NH2)3;n−ヘプタデカフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)デシルシラザン等を例示することができる
−(R12O)− ・・・(j)
(式中、R12は炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基である)
で表される単位からなるものが好ましく用いられ、平均分子量が1000〜10000、特に2000〜10000のものが好ましい。Rは炭素数1〜3のパーフルオロアルキレン基であり、具体的にはCF2,CF2−CF2,CF2CF2CF2,CF(CF3)CF2等の基が挙げられる。これらのパ−フルオロポリエ−テルは常温で液状であり、いわゆるフッ素オイルと称されるものである。
硬化層の形成には、通常、金属酸化物コロイド粒子と下記一般式(k)
(R13)a (R14)bSi(OR15)4-(a+b) ・・・(k)
(式中、R13及びR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数1〜8のアシル基、ハロゲン基、グリシドキシ基、エポキシ基、アミノ基、フェニル基、メルカプト基、メタクリロキシ基及びシアノ基の中から選ばれる有機基を示し、R13は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアシル基及び炭素数6〜8のフェニル基の中から選ばれる有機基を示し、a及びbは、それぞれ独立に0又は1の整数である)で表される有機ケイ素化合物とからなる組成物が使用される。
また、コ−ティング組成物よりなる硬化層を基材上に形成する方法としては、上述したコ−ティング組成物を基材に塗布する方法が挙げられる。塗布手段としてはディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法等の通常行われる方法が適用できるが、面精度の面からディッピング法、スピンコーティング法が特に好ましい。
このプライマ−層の例としては、ポリイソシアネートとポリオールを原料として、ウレタン系の膜を形成するものが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'-シクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートのそれぞれ数分子を種々の方法で結合させた付加物、イソシアヌレート、アロファネート、ビュウレット、カルボジイミドをアセト酢酸、マロン酸、メチルエチルケトオキシムなどでブロックしたものなどが挙げられ、一方、ポリオールとしては、水酸基を1分子内に複数個有するポリエステル、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、プライマー膜の屈折率向上のため、酸化チタン微粒子などの酸化金属微粒子をプライマ−層に含有することができる。
特に、屈折率が1.68〜1.76程度のエピチオ基を有する化合物を原料とするプラスチック基材にプライマ−層を施し、さらに本発明の反射防止膜を施すことにより、基材の中心厚を小さくしても耐衝撃性、密着性、耐擦傷性に優れた光学部材を得ることができる。
なお、実施例及び比較例において得られた光学部材の物性評価は以下のようにして行った。
(1)視感透過率
プラスチックレンズの視感透過率Y1は、両面に反射防止膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立分光光度計U−3410を用い測定した。
(2)視感反射率
プラスチックレンズの視感反射率Y2は、両面に反射防止膜を有するプラスチックレンズをサンプルとして、日立分光光度計U−3410を用い測定した。
(3)耐衝撃性
レンズ中心部厚さ(以下「CT」と記載する)1.0mmまたは2.0mmで、レンズ度数パワ− 0.00D(ディオプタ−)のレンズを作製してFDA(Food and Drug Administration)で定められているドロップボールテストを行い、合格を○、不合格を×とした。なお、ここでのボ−ルの重さは14gであった。更にレンズが破損するまでドロップボールテストを継続し、最大荷重として強度確認を行った。
(4)密着性
プラスチックレンズの表面に剃刀にて1mm×1mmの升目を100個作成し、升目上にセロハンテープ(ニチバン社製造販売)を貼り、一気にテープをはがし、残った升目の数で評価した。表中、残った升目の数/100で記載した。
(5)耐摩耗性
プラスチックレンズの表面にスチールウール(規格#0000,日本スチ−ルウ−ル社製)にて98kPa(1kgf/cm2)の荷重をかけ、10ストローク擦り、表面状態により以下の基準で評価した。
UA:殆ど傷なし
A:細い傷数本あり
B:細い傷多数、太い傷数本あり
C:細い傷多数、太い傷多数あり
D:殆ど膜はげ状態
プラスチックレンズをドライオーブンで60℃から、5℃ずつ上昇させて1時間加熱し、クラックの発生温度を測定した。
(7)耐アルカリ性
プラスチックレンズをNaOH10%水溶液に20℃、1時間浸漬し、表面状態により以下の基準で評価した。
UA:殆ど変化なし
A:点状の膜はげ数個あり
B:点状の膜はげが全面にあり
C:点状のはげが全面、面状のはげ数個あり
D:殆ど全面膜はげ
(8)Bayer値測定
摩耗試験機 BTETM Abrasion Tester(米COLTS社製)及び、ヘイズ値測定装置(村上色彩技術研究所)を使用し、基準レンズとのヘイズ値変化の差によりBayer値を測定した。
(サンプル数、測定方法)
(a)基準レンズ(CR39基材)3枚、サンプルレンズ3枚を用意した。
(b)摩耗テスト前のヘイズ(haze)値の測定を行った。
(c)BTETM Abrasion Testerにて、摩耗性テストを行った。
(砂による表面摩耗600往復)
(d)摩耗テスト後ヘイズ値を測定した。
(e)Bayer値を算出した(3枚分の平均値とする)。ここでBayer値とは、基準レンズの透過率変化/サンプルレンズの透過率変化で表されるものである。
(9)機械的強度試験(JIS静圧試験)
JIS T 7331:2000に準拠して試験を行った。
(a)基材A:ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト、屈折率1.50、中心厚2.0mm、レンズ度数0.00
(b)基材B:EYRY基材(商品名、HOYA(株)製造)屈折率1.70、中心圧1.0mm、レンズ度数0.00
ガラス製容器に、コロイダルシリカ(スノ−テックス−40、日産化学)90重量部、有機ケイ素化合物のメチルトリメトキシシラン81.6重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン176重量部、0.5N塩酸2.0重量部、酢酸20重量部、水90重量を加えた液を、室温にて8時間攪拌後、室温にて16時間放置して加水分解溶液を得た。この溶液に、イソプロピルアルコ−ル120重量部、n−ブチルアルコ−ル120重量部、アルミニウムアセチルアセトン16重量部、シリコ−ン系界面活性剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.1重量部を加え、室温にて8時間攪拌後、室温にて24時間熟成させコ−ティング液を得た。このコ−ティング組成物で得られた硬化層を以下、「ハ−ドコ−ト層A」と言う場合がある。
ガラス製容器にγ-グリシドキシプロピル(トリメトキシ)シラン1045重量部と、γ-グリシドキシプロピルメチル(ジエトキシ)シラン200重量部とを入れ攪拌しながら0.01モル/リットル塩酸299重量部を添加し、10℃のクリーンルーム内で一昼夜攪拌を続け、シラン加水分解物を得た。
別の容器内で酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(メタノール分散、全固形分30重量%、平均粒子径5〜8ミリミクロン)3998重量部にメチルセロソルブ4018重量部とイソプロパノール830重量部とを加え攪拌混合し、さらに、シリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社製「L−7001」)4重量部とアルミニウムアセチルアセトネート100重量部とを加え、上記と同様に10℃のクリーンルーム内で一昼夜攪拌を続けた後、上記加水分解物とを合わせ、さらに一昼夜攪拌した。その後3μmのフィルターでろ過を行いハードコート液Bを得た。このコ−ティング組成物で得られた硬化層を以下、「ハ−ドコ−ト層B」と言う場合がある。
アルカリ水溶液で前処理したプラスチックレンズ基板A又はBを、前記コーティング液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度20cm/分で引き上げたプラスチックレンズを120℃で2時間加熱して硬化層(ハードコートA層、ハ−ドコ−トB層)を形成した。
イオン銃処理
硬化層上に、表に記載したイオン加速電圧、照射時間、ガス雰囲気下の条件で、イオン銃にてイオン照射を行った。
前記イオン照射したハードコートA層またはB層の上に、第1表に示した条件で第1〜7層からなる反射防止膜を形成して、プラスチックレンズを得た。
なお、ハイブリッド層は、図1に示す装置を用いて、無機物質の蒸着と有機物質の蒸着との、二元蒸着として、ほぼ同時に蒸着するように条件を設定した。有機物質の蒸着の際は、外部加熱タンクにて気化し、気化した有機物を、ガスバルブ、マスフローコントローラを使用して、蒸着装置内に導入した。ハイブリッド層を形成する際には、アルゴンガス、酸素ガスとの混合ガスの雰囲気下にてイオンアシスト法を用いた。また、表中「−」と記載されているのは、イオンアシスト法を用いず、通常の真空蒸着法にて層を形成した。なお、表中、M1は無機物質、CM1は有機ケイ素化合物、CM2はケイ素非含有有機化合物を表す。
(a) エポライト 70P (プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、平均分子量約188、共栄社化学(株)製造)
(b) LS:1371(ジエトキシジメチルシラン 分子量148.3 信越化学工業(株)製造)
(c) エピオールP200(ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、平均分子量約304、日本油脂(株)製造)
(d) デナコールEX920(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、平均分子量354、長瀬ケムテックス(株)製造)
また、KY-130は防汚膜形成用の「フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物」(信越シリコーン(株)製造)、KP-801は同じく防汚膜形成用の「フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物」(信越シリコーン(株)製造)である。
フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を含有したKY-130(信越シリコン株式会社)を0.3mlしみ込ませたステンレス製焼結フィルター(メッシュ80〜100ミクロンm、18φ×3mm)を真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、撥水膜を形成した。
(a)真空度:2.3×10-6 〜6.0×10-6 Torr
(b)電子銃の条件
加速電圧:6KV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5cm平方、蒸着時間:5秒
なお、実施例5以降においては、基材と硬化層との間にプライマ−層を施した。そのプライマ−層の形成方法は次の通りである。
ポリエステルタイプのポリオール(住友バイエルウレタン(株)社の商品名、デスモフェンA−670使用)6.65重量部、ブロック型ポリイソシアネート(住友バイエルウレタン(株)社の商品名、BL−3175使用)6.08重量部、硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート0.17重量部、レベリング剤としてフッ素系レベリング剤(住友スリーエム(株)社の商品名、フロラードFC−430使用)0.17重量部、および溶媒としてジアセトンアルコール95.71重量部からなる混合物を均一な状態になるまで充分攪拌して得られた。かくして得られた液状のプライマーは、前処理としてのアルカリ処理された基体レンズ上に浸漬法(引き上げ速度:24cm/分)にて塗布され、100℃で40分加熱して硬化され、厚さ2〜3μmのプライマー層を形成した。
第1表に示すような構成で、基材上に反射防止膜を設け、物性評価を行った。その結果を第2表に示す。なお、λは光の波長を示す。
2:基板
3:基板保持用ドーム
4:有機物質導入口A
5:有機物質導入口B
6:蒸発源
7:RF型イオン銃
8:イオン化ガス導入口
9:排気系への接続部
10:外部モノマー加熱(気化)装置への接続部
Claims (11)
- プラスチック基材に、多層反射防止膜を真空蒸着で形成し、該反射防止膜上に撥水膜を施す光学部材の製造方法であって、該反射防止膜は、基材側から外気側に向って順に、以下に記す7層構成であり、
第1層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第2層:酸化タンタルが第2層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第3層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第4層:酸化タンタルが第4層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第5層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
第6層:酸化タンタルが第6層を基準にして、少なくとも50重量%含有している層
第7層:常温、常圧下で液体である有機ケイ素化合物及び/又は常温、常圧下で液体であるケイ素非含有有機化合物と、二酸化ケイ素を含有する無機物質とを蒸着原料として形成されるハイブリッド層
[前記有機ケイ素化合物が、以下の一般式(a)〜(d)で表されるいずれかの構造を有している。
一般式(a):シランまたはシロキサン化合物
また、前記ケイ素非含有有機化合物が、以下の一般式(e)〜(g)で表されるいずれかの構造を有している。
一般式(e):片末端にエポキシ基を有する炭素及び水素を必須成分とするケイ素非含有有機化合物
CX9X10=CX11X12 ・・・(g)
(一般式(e)、(f)において、R9は水素、または酸素を含んでいてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、R10 は、酸素を含んでいてもよい炭素数1〜7の二価の炭化水素基を表す。一般式(g)において、X9〜X12、はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜10の炭化水素基、または炭素数1〜10の炭素、水素を必須成分とし、さらに酸素及び窒素の少なくとも一方を必須成分とする有機基を表す。)]
撥水膜は、前記反射防止膜の第7層上にフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料として形成される光学部材の製造方法。 - 前記ハイブリッド層は、前記無機物質を、電子銃を用いて加熱することにより気化させ、前記有機ケイ素化合物及び/又はケイ素非含有有機化合物を、タンクに貯蔵し、該タンク内で該有機ケイ素化合物及び/又はケイ素非含有有機化合物を加熱して気化させ、前記無機物質と該有機ケイ素化合物及び/又はケイ素非含有有機化合物を同時に蒸着させることにより形成させる請求項1記載の光学部材の製造方法。
- 前記ハイブリッド層が、イオンアシスト法で形成される請求項1または請求項2記載の光学部材の製造方法。
- 前記有機ケイ素化合物及び/又はケイ素非含有有機化合物を、溶媒を加えずに加熱して蒸着させる請求項1〜3項のいずれか1項記載の光学部材の製造方法。
- 前記有機ケイ素化合物の分子量が、48〜600である請求項1〜4項のいずれか1記載の光学部材の製造方法。
- 前記ケイ素非含有有機化合物の分子量が、28〜400である請求項1〜4項のいずれか1項記載の光学部材の製造方法。
- 前記ハイブリッド層の有機ケイ素化合物及び/又はケイ素非含有有機化合物の膜内含有率が、0.02〜25重量%である請求項1〜6項のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
- 前記プラスチック基材と反射防止膜との間に、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニオブ(Nb)及びチタニウム(Ti)から選ばれる少なくとも1種類からなる膜厚1〜5nmの下地層を施す請求項1〜7項のいずれか1項に記載の光学部材の製造方法。
- プラスチック基材は、ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−トを原料とする基材である請求項1〜8項のいずれか1項記載の光学部材の製造方法。
- プラスチック基材は、エピチオ基を有する化合物を原料とする基材である請求項1〜9項のいずれか1項記載の光学部材の製造方法。
- プラスチック基材と反射防止膜との間に、プラスチック基材から順に、プライマ−層、硬化層を施す請求項1〜10項のいずれか1項記載の光学部材の製造方法。
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- 2004-03-23 JP JP2004085459A patent/JP4593949B2/ja not_active Expired - Fee Related
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