JP2003329802A - 眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents

眼鏡レンズの製造方法

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JP2003329802A JP2002138674A JP2002138674A JP2003329802A JP 2003329802 A JP2003329802 A JP 2003329802A JP 2002138674 A JP2002138674 A JP 2002138674A JP 2002138674 A JP2002138674 A JP 2002138674A JP 2003329802 A JP2003329802 A JP 2003329802A
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Shinichi Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性能が改良された眼鏡レンズの製造方法
であって、切削中、加工機のレンズ保持機構からレンズ
がずれる軸ずれ現象を起こさず、意図した眼鏡枠形状に
加工された撥水性を有する眼鏡レンズを製造する方法を
提供すること。 【解決手段】 レンズ基材上の最外層に主として二酸化
ケイ素からなる反射防止膜を備えた眼鏡枠形状に切削さ
れたレンズを得る工程と、該レンズの反射防止膜の外側
に撥水層を施す工程を含む眼鏡レンズの製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は撥水性に優れた眼鏡
レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】撥水性を向上させるために、反射防止膜
を有する眼鏡レンズに撥水膜を施すことは、例えば、特
開平5-215905号公報にて知られている。かかるレンズを
意図する眼鏡枠形状に切削加工する方法としては、眼鏡
店で、装用者の好みにあった眼鏡フレ−ムに枠入れでき
るよう、撥水膜まで施した眼鏡レンズを特開平5-111866
号公報などで開示されている加工機で、切削加工を行っ
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今後も、撥水膜は、更
なる撥水性、耐久性を得るために、多くの撥水膜の形成
方法及び撥水剤が提案されていくものと予想される。し
かし、撥水性能が良くなった眼鏡レンズを眼鏡枠形状に
切削する場合、撥水膜の組成によっては、切削中、加工
機のレンズ保持機構からレンズがずれて、所謂、軸ずれ
現象が生じる可能性が大きくなる。本発明は、かかる課
題を解決するためになされたものであり、その目的は、
撥水性能が改良された眼鏡レンズにおいても、意図した
眼鏡枠形状に加工された撥水性を有する眼鏡レンズを提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、以下の手
段により解決された。その手段は、レンズ基材上の最外
層に主として二酸化ケイ素からなる反射防止膜を備えた
眼鏡枠形状に切削されたレンズを得る工程と、該レンズ
の反射防止膜の外側に撥水層を施す工程を含む眼鏡レン
ズの製造方法である。かかる製法によれば、撥水層を施
す前に、眼鏡枠形状を切削加工するので、切削加工中に
軸ずれすることもない。さらに切削加工して撥水層を施
すため、切削時の軸ずれを気にせず、良好な撥水性を有
する眼鏡レンズを得ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる撥水層は特に
限定されない。その、撥水層の例としては、特開昭61-1
30902号公報、特開昭58-172246号公報、特開昭58-12297
9号公報、特開昭58-172242号公報、特開昭60-40254号公
報、特開昭50-6615号公報、特開昭60-221470号公報、特
開昭62-148902号公報、特開平9-157582号公報、特開平
9-202648号公報、特開平9-263728号公報に開示される撥
水層が挙げられる。また、撥水層は撥油性能を兼ね備え
ても良く、撥油性能は接触角で45度以上のものが好まし
い。撥水層の形成方法は特に限定されず、例えば、蒸着
加熱、漬浸塗布法により撥水層が形成される。
【0006】本発明における軸ずれの程度は撥水層の組
成によって異なるが、本発明は、特に、通常の切削手段
でレンズを眼鏡枠形状に切削する際に軸ずれをおこす可
能性がある撥水層を有するレンズに特に効果を発揮す
る。軸ずれをおこす可能性がある撥水層としては、例え
ば、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を原料
とし、かかる原料を減圧下、加熱して基材上に蒸着させ
た撥水層であって、該有機ケイ素化合物の加熱温度を、
該有機ケイ素化合物の蒸発開始温度から該有機ケイ素化
合物の分解温度までの範囲にして、かつ該有機ケイ素化
合物の加熱開始から加熱蒸発の完結までの時間を90秒
以内にすることにより形成される撥水層が挙げられる。
【0007】前記フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素
化合物としては、以下の一般式(I)で表せる化合物を
挙げることができる。
【0008】
【化2】 (式中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状のパーフルオロア
ルキル基、Xは水素または炭素数1〜5の低級アルキル
基、R1は加水分解可能な基、mは1〜50の整数、n
は0〜2の整数、pは1〜10の整数) 上記R1で示される加水分解可能な基としてはアミノ
基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられる。
【0009】また前記フッ素置換アルキル基含有有機ケ
イ素化合物の例として、下記単位式(II): Cq2q+1CH2CH2Si(NH)1.5 ・・・(II) (ただし、qは1以上の整数である)で表される化合物
を挙げることができる。具体的には、n−CF3CH2CH2Si
(NH2)3;n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒド
ロ)プロピルシラザン、n−C3F7CH2CH2Si(NH2)3;n−
ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチ
ルシラザン、n−C4F9CH2CH2Si(NH2)3;n−ノナフロロ
(1,1,2,2−テトラヒドロ)ヘキシルシラザン、
n−C6F1 3CH2CH2Si(NH2)3;n−トリデオフロロ(1,
1,2,2−テトラヒドロ)オクチルシラザン、n−C8
F17CH2CH2Si(NH2)3;n−ヘプタデカフロロ(1,1,
2,2−テトラヒドロ)デシルシラザン等を例示するこ
とができる。尚、市販されている前記フッ素置換アルキ
ル基含有有機ケイ素化合物としては、KP-801(商品名、
信越化学工業(株)製)、オプツ−ルDSX(ダイキン工
業(株)製)などを挙げることができる。
【0010】前記フッ素を含有した撥水層を形成する薄
膜の膜厚は、基本的にフッ素置換アルキル基含有有機ケ
イ素化合物の蒸発量に依存して変化する。従って、該薄
膜をオングストロ−ムオ−ダ−で制御する際には、フッ
素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を、溶媒で希釈
した溶液を用いることが好ましい。かかる溶媒として
は、m−キシレンヘキサフロライド、パーフルオロヘキ
サン、ハイドロフロロエーテルなどのフッ素系溶媒が挙
げられる。また、溶液中のフッ素置換アルキル基含有有
機ケイ素化合物の濃度は、所望の目的を果たせれば特に
制限はなく、フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合
物の種類及び所望する薄膜の膜厚などを考慮して適宜決
めることができる。
【0011】上記フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素
化合物溶液はそのまま容器に入れて加熱しても良いが、
均一な蒸着膜を多く得られるとの観点から、多孔性材料
に含浸させることがより好ましく、多孔性材料として
は、銅やステンレスなどの熱伝導性の高い金属粉末を焼
結した焼結フィルターを用いることが好ましい。又、多
孔性材料は、適度な蒸着速度を得るという観点からその
メッシュを40〜200ミクロン、好ましくは、80〜
120ミクロンとすることが適当である。
【0012】フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合
物は、加熱蒸着によって基材上に蒸着される場合には、
減圧下、加熱して蒸着することが好ましい。その場合の
真空蒸着装置内の真空度としては、特に限定はないが、
均質な撥水膜を得るとの観点から、好ましくは、10-3
10-8Torr、特に好ましくは、5.0×10-3〜6.0×10-6 Tor
rである。フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物
を加熱する際の具体的温度は、有機ケイ素化合物の種
類、蒸着する真空条件により異なるが、所望の真空度に
おける該有機ケイ素化合物の蒸着開始温度以上から該有
機ケイ素化合物の分解温度を超えない範囲で行うことが
好ましい。
【0013】蒸着速度は、上記温度範囲に保つことを条
件に、前記有機ケイ素化合物加熱開始から蒸着を完結さ
せるまでの時間を90秒以内とすることが好ましく、さ
らには50秒以内、40秒以内、30秒以内、20秒以
内、10秒以内と短くするほど好ましく、特には5秒以
内とすることが好ましい。上記加熱温度範囲で、且つ短
時間で蒸着を完結させること、即ち、前記有機ケイ素化
合物に短時間で高エネルギ−を与えることにより、耐久
性に優れた撥水膜を有する光学部材を提供することがで
きる。また、蒸着開始温度が多少異なる2成分の撥水剤
を用いても、短時間で、撥水剤の分解温度を超えない高
エネルギ−を与えて蒸着させることにより、ほぼ同時に
蒸着でき、均一な膜を得ることができる。
【0014】前記蒸着速度を達成する方法としては、前
記有機ケイ素化合物に電子ビ−ムを照射する方法が好ま
しく挙げられる。電子ビ−ムを発生する方法は、従来、
蒸着装置で用いられている電子銃を用いることができ
る。電子銃を用いれば、前記有機ケイ素化合物全体に、
均一のエネルギ−を照射することができ均一な撥水膜を
施しやすくなる。電子銃のパワーについては、使用物
質、蒸着装置、真空度、照射面積によって異なるが、好
ましい条件は、加速電圧が6kV前後で、印加電流5〜80mA
程度である。かかる方法で光学部材を製造すると、撥水
層を施したときの水に対する静止接触角(摩擦前静止接
触角)が104度以上で、セ−ム皮を25℃の水で5分間漬浸
した後、このセ−ム皮で500グラム重の加重をかけて撥
水層表面を10000回擦ったときの静止接触角(摩擦後静
止接触角)が、前記摩擦前静止接触角よりも2〜10度程
度小さくなる。尚、上記のように製造した光学部材は、
現在、眼鏡店において眼鏡枠形状にレンズを切削するた
めの玉摺機でレンズを保持し、加工した場合、軸ずれを
起こしやすくなる。また、セ−ム皮は、米国連邦規格
(Federal Specifications and Standards)KK-C-300C
で規定されているグレ−ドAまたはBが用いられる。
【0015】本発明に用いる光学基板としては、メチル
メタクリレート単独重合体、メチルメタクリレートと1
種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重合
体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート単独
重合体、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
と1種以上の他のモノマーとをモノマー成分とする共重
合体、イオウ含有共重合体、ハロゲン含有共重合体、ポ
リカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽
和ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリウ
レタンなどのプラスチック製光学基板、あるいは無機ガ
ラス製光学基板などが挙げられる。尚、上記基板は基板
上にハードコート層を有するものであってもよい。ハー
ドコート層としては、有機ケイ素化合物、アクリル化合
物等を含んだ硬化膜を例示できる。
【0016】また、反射防止膜(蒸着膜)とは、例えば
レンズ等の光学基板表面の反射を減少させるために設け
られた ZrO2、SiO2、TiO2、Ta2O5 、Y2O3、MgF2、Al2O3
などから形成される単層または多層膜(但し、最外層に
SiO2膜を有する)、またCrO2などの着色膜(但し、最外
層にSiO2膜を有する)をいう。本発明においては、反射
防止膜の最外層に二酸化ケイ素を主成分とする層が用い
られることを必須とする。ここで二酸化ケイ素を主成分
とするとは、実質的に二酸化ケイ素からなる層、あるい
は二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び有機化合物から
なるハイブリッド層をいう。
【0017】眼鏡枠形状に切削された反射防止膜を有す
るレンズの加工方法は、特に限定されない。加工方法の
例として、レンズ基材を眼鏡枠形状に切削した後、ハ−
ドコ−ト、反射防止膜を施す方法、ハ−ドコ−トを施し
た後に、眼鏡枠形状に切削し、反射防止膜を施す方法、
ハ−ドコ−ト、反射防止膜を施した後に、眼鏡枠形状に
切削する方法等が挙げられる。切削する方法は、特に限
定されず、公知のレンズ切削装置が使用できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 1.反射防止膜付プラスチックレンズの作成 プラスチックレンズとして、ジエチレングリコ−ルビス
アリルカ−ボネ−ト重合体系レンズ(HOYA(株)製
Hi−Lux(商品名)、屈折率1.499、度数0.
00)を用い、かかるプラスチックレンズ基材上に、特
開昭63-10640号公報に開示されている硬化膜を施した。
具体的には、SiO2濃度40%のコロイダルシリカ
(日産化学(株)製スノーテックス−40、水分散シリ
カ)240質量部に、0.5N塩酸2.0質量部、酢酸
20質量部を加えた溶液を、35℃にして攪拌しなが
ら、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(3
官能有機ケイ素化合物)95質量部を滴下し、室温にて
8時間攪拌し、室温にて16時間放置した。この加水分
解溶液に、メチルセロソルブ80質量部、イソプロピル
アルコール120質量部、ブチルアルコール40質量
部、アルミニウムアセチルアセトン16質量部、シリコ
ーン系界面活性剤0.2質量部、紫外線吸収剤0.1質
量部を加えて、8時間攪拌後、室温にて24時間熟成さ
せコーティング組成物を得た。該組成物を、引き上げ速
度15cm/minで浸漬法により塗布、室温にて15
分放置後、120℃で2時間加熱硬化して硬化膜を施し
た。次に、前記硬化膜上に真空蒸着法(真空度2×10
-5Torr )により、二酸化ケイ素からなる下地層〔屈折
率1.46、膜厚0.5λ(λは550nmである)〕を形成
し、該下地層の上に、プラスチックレンズに酸素イオン
ビームを照射するイオンビームアシスト法で得られる二
酸化チタンからなる層(膜厚0.06λ)、真空蒸着法で
得られる二酸化ケイ素からなる層(膜厚0.12λ)、さ
らにイオンビームアシスト法で得られる二酸化チタンか
らなる層(膜厚0.06λ)よりなる3層等価膜である第
1層〔屈折率1.70、膜厚0.24λ〕を形成した。この
第1層の上に、イオンビームアシスト法により二酸化チ
タンからなる第2層(屈折率2.40、膜厚0.5λ)を形
成し、該第2層の上に、真空蒸着法(真空度2×10-5
Torr)により二酸化ケイ素からなる第3層〔屈折率1.4
6、膜厚0.25λ〕を形成して、反射防止膜付きプラス
チックレンズを得た。このレンズの視感反射率は0.4%
であった。かかる反射防止膜付きプラスチックレンズを
市販の玉摺り機を用いてレンズ枠形状に切削した。
【0019】2.使用撥水剤 (1)撥水処理剤1 フッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物であるオプ
ツ−ルDSX(商品名、ダイキン工業株式会社製)を撥水
処理剤1とした。 (2)撥水処理剤2 単位式C3F7-(OCF2CF2CF2)24-O(CF2)2-[CH2CH(Si-(OCH3)
3)]1-10で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物(平均
分子量約5000)をパーフルオロヘキサンで3重量%に希
釈した溶液を撥水処理剤2とした。 (3)撥水処理剤3 単位式C3F7-(OCF2CF2CF2)6-O(CF2)2-[CH2CH(Si-(OC
H3)3)]1-10で表されるフッ素含有有機ケイ素化合物(平
均分子量約2000)をパーフルオロヘキサンで3重量%に
希釈した溶液を撥水処理剤3とした。 (4)撥水処理剤4 単位式C817CH2CH2Si(NH)1.5で表されるフ
ッ素含有有機ケイ素化合物をm−キシレンヘキサクロラ
イドで3重量%に希釈した溶液(商品名:KP−80
1,信越化学工業(株)製)を撥水処理剤4とした。
【0020】3.物性評価 本実施例で得られたプラスチックレンズは以下に示す評
価方法により諸物性を評価した。 (1)水に対する静止接触角 接触角計(協和界面科学(株)製品、CA−D型)を使
用し、室温下で直径2mmの水滴を針先に作り、これをレ
ンズの凸面の最上部に触れさせて、液滴を作った。この
時に生ずる液滴と面との角度を測定し静止接触角とし
た。 (2)外観 目視にて干渉色の色ムラ及び干渉色変化があるかどうか
を調べ、眼鏡レンズとして使用できる外観かどうか評価
した。 (3)耐久性 セーム皮を25℃の水に5分間浸漬し、その後空気中に
取出した。このセーム皮で500gの荷重をかけて撥水
膜を有するプラスチックレンズ表面を5000回及び1
0000回擦り、その後(1) に記載した方法でそれぞれ
の水に対する静止接触角を測定した。なお、セ−ム皮
は、米国連邦規格(Federal Specifications and Stand
ards)KK-C-300Cのグレ−ドBを用いた。 (4)視感反射率(片面) 日立製作所製U−3410型自記分光高度型を用い、視
感反射率を測定した。
【0021】実施例1 撥水処理剤1を0.15mlしみ込ませたステンレス製
焼結フィルタ−(メッシュ80〜100ミクロン、18φ×3m
m)を真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃
を用いて該焼結フィルタ−全体を加熱して、上記レンズ
枠形状に切削された反射防止膜付プラスチックレンズに
撥水膜を形成した。 真空度:2.3×10-6 〜 6.0×10-6 Torr 電子銃の条件 加速電圧:6kV、印加電流:40mA、照射面積:3.5×3.5c
m平方、蒸着時間:5秒
【0022】実施例2〜10 表1に示す条件で、実施例1と同様に撥水膜を形成し
た。実施例2〜4は、実施例1に対して撥水剤をそれぞ
れ代え、実施例5〜10は、実施例1と同様の撥水剤を用
い、蒸着時間を変えて実験を行った。評価結果を表2に
示す。
【0023】
【表1】 注:蒸着時間は、加熱開始時間から蒸着完了時間を意味
する。 真空度:2.3×10-6 〜 6.0×10-6 Torr 加速電圧:6kV
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、撥水膜を施す前
にレンズ枠形状に切削するので、玉摺機による軸ずれを
起こす心配がない。したがって、撥水性を向上させた撥
水膜を有する眼鏡枠形状に切削された眼鏡レンズを確実
に得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ基材上の最外層に主として二酸化
    ケイ素からなる反射防止膜を備えた眼鏡枠形状に切削さ
    れたレンズを得る工程と、該レンズの反射防止膜の外側
    に撥水層を施す工程を含む眼鏡レンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記撥水層が、撥油性を備え、フッ素を
    含有してなる請求項1記載の眼鏡レンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記撥水層がフッ素置換アルキル基含有
    有機ケイ素化合物を原料として形成される請求項1又は
    2に記載の眼鏡レンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記撥水層を施す工程が前記フッ素置換
    アルキル基含有有機ケイ素化合物を溶媒で希釈し、減圧
    下、加熱して蒸着させる工程を含み、かつ該有機ケイ素
    化合物の加熱温度を、該有機ケイ素化合物の蒸発開始温
    度から該有機ケイ素化合物の分解温度までの範囲にする
    請求項3記載の眼鏡レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フッ素置換アルキル基含有有機ケイ
    素化合物が、下記一般式(I) 【化1】 (式中、Rfは炭素数1〜16の直鎖状のパーフルオロア
    ルキル基、Xは水素または炭素数1〜5の低級アルキル
    基、R1は加水分解可能な基、mは1〜50の整数、n
    は0〜2の整数、pは1〜10の整数)で表される請求
    項3または4記載の眼鏡レンズの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フッ素置換アルキル基含有有機ケイ
    素化合物が、下記単位式(II): Cq2q+1CH2CH2Si(NH)1.5 ・・・(II) (ただし、qは1以上の整数である)で表される請求項
    3または4記載の眼鏡レンズの製造方法。
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