JP2005115278A - 防汚性光学物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 防汚効果に優れた含フッ素シラン化合物で防汚層を形成し、季節変動による雰囲気の湿度変化の影響を受けずに、安定した性能で、かつ、耐久性を向上させることができる光学物品の製造方法を提供する。
【解決手段】 光学物品表面に含フッ素シラン化合物を塗布して防汚層を形成する防汚層形成工程において、前記防汚層形成工程の雰囲気を絶対湿度が0.0050〜0.0350kg/kg(DA)となるように制御する。
【選択図】なし
【解決手段】 光学物品表面に含フッ素シラン化合物を塗布して防汚層を形成する防汚層形成工程において、前記防汚層形成工程の雰囲気を絶対湿度が0.0050〜0.0350kg/kg(DA)となるように制御する。
【選択図】なし
Description
本発明は、防汚性光学物品の製造方法に関し、特に、防汚性の耐久性能を向上させた防汚性光学物品の製造方法に関する。
レンズなどの光学物品には、光の反射を抑制し、光の透過性を高めるために、通常、その表面に反射防止膜が形成されているが、使用に際し、手垢、指紋、汗、化粧料等の付着による汚れが目立ちやすく、またその汚れが取れ難いという問題がある。そのため、汚れ難く、あるいは汚れを拭き取りやすくするために、反射防止膜の表面に更に防汚層を設けることが行われている。
光学物品に防汚層を設ける表面処理剤に関しては、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている含フッ素シラン化合物で表面処理して防汚層を形成した光学物品は、汚染防止性が良好であり、その効果が持続し、汚れの除去も容易である。
しかしながら、特許文献1に記載された含フッ素シラン化合物で表面処理した光学物品は、従来の表面処理剤と比較して反応性に劣るため、基板表面に塗布後、大気中に一定時間放置し反応を進行させる、もしくは、高温高湿中でアニールを行い反応を促進させる必要がある。一方、基板表面に撥水剤を塗布する工程を湿式で行う場合、一般に含フッ素シラン化合物が所定の濃度となるように有機溶剤を溶媒として用いて調整した撥水処理液を、ディッピング法,スピンコート法,刷毛塗りなどで基板表面に塗布する。塗布後、有機溶剤は蒸発し、基板上には撥水成分である含フッ素シラン化合物が残留する。
ここで、含フッ素シラン化合物の反応過程を見ると、含フッ素シラン化合物は加水分解を経て基板表面のシラノール基と脱水縮合により結合、さらに含フッ素シラン化合物同士も加水分解を経た脱水縮合により結合する。これらの反応は、撥水処理液を基板に塗布した直後から開始し、この後の高温高湿下でのアニール工程もしくは、室内放置工程でさらに反応が促進される。
次に、撥水処理液を基板に塗布後、有機溶剤が蒸発していく過程に着目すると、有機溶剤は基板の上方から徐々に蒸発していき、その部分は雰囲気の空気によって置換される。雰囲気環境は季節によって温度,湿度が変動するため、有機溶剤が蒸発する際に置換される空気中の水分量も変動する。
前述のように、含フッ素シラン化合物と基板表面及び含フッ素シラン化合物同士の反応は、撥水処理液塗布直後から開始する。この際、有機溶剤が蒸発した部分と置換する空気中の水分が加水分解に使用される。すなわち、主に夏場の湿度の高い環境であれば、加水分解に充分な量の水分が存在し、基板表面との反応及び含フッ素シラン化合物同士の反応が促進され、防汚層の耐久性も実用充分なものとなる。しかし、主に冬場の低湿度の環境下では、加水分解に充分な量の水分が存在しないため、基板表面との反応及び含フッ素シラン化合物同士の反応が充分進まず、耐久性が低下する場合があった。
このように、含フッ素シラン化合物を含む撥水処理液を用いて湿式にて基板を処理する際には、反応に水分を必要とすることから、特に塗布工程での雰囲気の状態の影響を強く受け、季節変動により、その耐久性能が安定しないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、防汚効果に優れた含フッ素シラン化合物で防汚層を形成する際、その防汚性能を年間の季節変動による雰囲気温度,湿度の変化の影響を受けずに、安定した耐久性能を維持して生産することができる手法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、含フッ素シラン化合物を主成分とする防汚層を成膜する際、含フッ素シラン化合物と基板表面及び含フッ素シラン化合物同士の結合は、加水分解を経て、脱水縮合の過程をとることに着目。基板表面に撥水処理液を塗布した直後に開始する溶媒の蒸発過程で起こる有機溶剤と空気との置換において、置換される空気に含まれる水分量を雰囲気の絶対湿度を制御することによって外気の影響を受けることを防止し、基板表面と含フッ素シラン化合物との結合及び含フッ素シラン化合物同士の結合を強固なものとし、耐久性を向上させたものである。
基板表面に撥水処理液を塗布した際、有機溶媒は、上部から徐々に蒸発し、最終的に基板表面まで蒸発が完了する。これに伴って雰囲気中の空気も上部から基板表面へと徐々に置換されていく。この際、溶媒の気化熱による自己冷却で表面温度が低下し、水分の吸着も起こると考えられる。
この過程で、含フッ素シラン化合物と基板間で加水分解を経て脱水縮合反応がおき、含フッ素シラン化合物と基板表面とが結合する。さらに、含フッ素シラン化合物同士でも加水分解を経た脱水縮合反応がおきて互いに結合する。
本発明者は、種々検討の結果、雰囲気の絶対湿度を0.0050〜0.0350kg/kg(DA)の範囲に制御すれば上記の効果を安定して得られることを見出した。
従って、第1の発明は、含フッ素シラン化合物を有機溶剤を溶媒として用いて所定の濃度に希釈したものを処理液として使用して、光学物品表面に塗布して防汚層を形成する工程にて、その雰囲気の絶対湿度を制御した条件下で行うことを特徴とする防汚性基板の製造方法を提供する。
第1の発明によれば、季節変動による雰囲気の湿度変化の影響を受けずに、安定した性能で、かつ、耐久性を大きく向上させた防汚層の形成が可能となる。
第2の発明は、第1の発明の防汚性光学物品の製造方法において、前記含フッ素シラン化合物が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする防汚性光学物品の製造方法を提供する。
第2の発明によれば、従来より防汚性を著しく向上させた防汚性光学物品の製造が可能となる。
第3の発明は、第1及び第2の発明のいずれかに記載の防汚性光学物品の製造方法において、前記防汚層の下層に反射防止膜が形成されていることを特徴とする防汚性光学物品の製造方法を提供する。
第3の発明によれば、主に基材がガラスである場合、基材表面に直接反射防止膜を形成した防汚性光学物品において、季節変動による雰囲気の湿度変化の影響を受けずに、安定した性能で、かつ、耐久性を大きく向上させた防汚層の形成が可能となる。
第4の発明は、第3の発明に記載の防汚性光学物品の製造方法において、基材の表面にハードコート層を形成し、前記ハードコート層表面に反射防止膜を形成することを特徴とする防汚性光学物品の製造方法を提供する。
第4の発明によれば、主に基材がプラスチックである場合、耐擦傷性を付与すると共に、反射防止膜の密着性を向上させるために基材表面にハードコート層を形成し、前記ハードコート層表面に反射防止膜を形成した防汚性光学物品において、季節変動による雰囲気の湿度変化の影響を受けずに、安定した性能で、かつ、耐久性を大きく向上させた防汚層の形成が可能となる。
本発明の防汚性光学物品の製造方法によれば、防汚効果に優れた含フッ素シラン化合物で防汚層を形成し、季節変動による雰囲気の湿度変化の影響を受けずに、安定した性能で、かつ、その耐久性を向上させることができる。
以下、本発明による防汚性光学物品の製造方法の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の防汚性光学物品の製造方法は、上述したように、含フッ素シラン化合物を有機溶剤を溶媒として用いて所定の濃度に希釈したものを処理液として使用して光学物品表面に塗布して防汚層を形成する防汚処理工程を有する。
基材としては、無機ガラス、プラスチックのいずれでも差し支えない。プラスチックとしては、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)樹脂、ポリウレタン樹脂、チオウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。
防汚層はガラス基板の場合はガラス基板に直接設けることも可能であるが、通常は、ガラス基板の場合は反射防止膜が設けられた後、プラスチックの場合は、ハードコート膜と反射防止膜が設けられた後、防汚層を設けることが好ましい。
ハードコート膜は、プラスチック基板に耐擦傷性を付与すると共に、一般的にプラスチック基板に対する反射防止膜の密着性が良くないため、プラスチック基板と反射防止膜の間に介在させて反射防止膜の密着性を良好にして剥離を防止する働きを有する。
ハードコート膜の形成方法としては、ハードコート膜を形成できる硬化性組成物をプラスチック基板の表面に塗布し、塗膜を硬化させる方法が一般的である。プラスチック基板が熱可塑性樹脂である場合、熱硬化型よりも紫外線等の電磁波や電子ビーム等の電離放射線で硬化するものが好ましく用いられる。例えば、紫外線の照射によりシラノール基を生成するシリコーン化合物とシラノール基と縮合反応するハロゲン原子やアミノ基等の反応基を有するオルガノポリシロキサンとを主成分とする光硬化性シリコーン組成物、アクリル系紫外線硬化型モノマー組成物(例えば、三菱レイヨン(株)製のUK−6074)、SiO2、TiO2などの粒径1〜100nmの無機微粒子を、ビニル基、アリル基、アクリル基又はメタクリル基等の重合性基とメトキシ基等の加水分解性基とを有するシラン化合物やシランカップリング剤中に分散させた無機微粒子含有熱硬化性組成物などが例示される。
塗膜の形成方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、ドクターブレード法などを採用できる。
なお、塗膜を形成する前に、密着性を向上させるため、プラスチック基板表面を、コロナ放電やマイクロ波などの高電圧放電などで表面処理をすることが好ましい。
形成した塗膜を熱、紫外線、電子ビームなどで硬化させてハードコート膜を得ることができる。
ハードコート膜の膜厚としては0.05〜30μm程度の範囲がよい。薄くなりすぎると基本的な性能が発現しない場合があり、一方厚すぎると、光学的歪みが発生する場合がある。
反射防止膜は、無機被膜、有機被膜の単層または多層で構成される。無機被膜の材質としては、SiO2、SiO、ZrO2、TiO2、TiO、Ti2O3、Ti2O5、Al2O3、Ta2O5、CeO2、MgO、Y2O3、SnO2、MgF2、WO3等の無機物が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。プラスチック基板の場合は、低温で真空蒸着が可能なSiO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5が好ましい。また、多層膜構成とした場合は、最外層はSiO2とすることが好ましい。
無機被膜の多層膜としては、基板側からZrO2層とSiO2層の合計光学膜厚がλ/4,ZrO2層の光学的膜厚がλ/4、最上層のSiO2層の光学的膜厚がλ/4の4層構造を例示することができる。ここで、λは設計波長であり、通常520nmが用いられる。
無機被膜の成膜方法は、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。
有機被膜の材質は、プラスチック基板やハードコート膜の屈折率を考慮して選定され、真空蒸着法の他、スピンコート法、ディップコート法などの量産性に優れた塗布方法で成膜することができる。
防汚層の形成は、次の一般式(1)で表される含フッ素シラン化合物を用いることが好ましい。
また、上記一般式(1)で示される含フッ素シラン化合物の好ましい構造のものとして、下記一般式(2)で示されるものが挙げられる。
上記含フッ素シラン化合物を用いて基板上に防汚層を形成するには、有機溶剤に溶解し、光学物品表面に塗布する方法を採用することができる。塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、フロー法、ドクターブレード法、ロールコート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装、刷毛塗り等が用いられる。有機溶剤としては、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
有機溶剤で希釈するときの濃度は、0.03〜1wt%の範囲が好ましい。濃度が低すぎると十分な厚さの防汚層の形成が困難であり、十分な防汚効果が得られない場合があり、一方、濃すぎると防汚層が厚くなり過ぎるおそれがあり、塗布後塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
防汚層の膜厚は、特に限定されないが、0.001〜0.5μmが好ましい。なお好ましくは0.001〜0.03μmである。防汚層の膜厚が薄すぎると防汚効果が乏しくなり、厚すぎると表面がべたつくので好ましくない。また防汚層を反射防止膜表面に設けた場合には、防汚層の厚さが0.03μmより厚くなると反射防止効果が低下するため好ましくない。
本発明の防汚性光学物品の製造方法は、基板上に防汚膜を塗布する際、雰囲気の絶対湿度を制御するというものである。
含フッ素シラン化合物を基板表面に塗布する際、含フッ素シラン化合物を有機溶剤中に溶解させ所定の濃度となるように調整する。有機溶剤としては、上記含フッ素シラン化合物の溶解性に優れるパーフルオロ基を有し、炭素数が4以上の有機化合物が好ましく、例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロデカン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、パーフルオロ−4−メトキシブタン、パーフルオロ−4−エトキシブタン、メタキシレンヘキサフロライドを挙げることができる。また、パーフルオロエーテル油、クロロトリフルオロエチレンオリゴマー油を使用することができる。その他に、フロン225(CF3CF2CHCl2とCClF2CF2CHClFの混合物)を例示することができる。これらの有機溶剤の1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ディッピング法の場合、上記の有機溶剤を用いて所定濃度に調整した撥水処理液中に基板を浸漬し、一定時間経過後、一定速度で基板を引き上げる。この際、浸漬時間としては0.5分から3分程度が望ましい。0.5分以下であると、基板表面への撥水剤の吸着が充分でないため、所定の撥水性能を得ることができない。3分以上の場合は、サイクルタイムの増加を招き好ましくない。
引き上げ速度は、100mm/min〜300mm/minが望ましい。これは、撥水処理液濃度との兼ね合いで決めるものであるが、100mm/min以下では、防汚層が薄くなりすぎて所定の防汚性能が得られず、300mm/min以上では、防汚層が厚くなりすぎ、塗布後塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
引き上げ速度は、100mm/min〜300mm/minが望ましい。これは、撥水処理液濃度との兼ね合いで決めるものであるが、100mm/min以下では、防汚層が薄くなりすぎて所定の防汚性能が得られず、300mm/min以上では、防汚層が厚くなりすぎ、塗布後塗りむらをなくすためのリンス作業の負担が増すおそれがある。
本発明では、撥水処理液を塗布する工程にて、その雰囲気の絶対湿度を制御することを特徴とする。制御された雰囲気を作成するためには、処理装置を設置した室内全体の湿度を制御する必要はなく、処理装置のみを外気と遮断できるブース等を用い、この内部のみを制御すればよい。温度に関しては装置を有する室内の温度と同等もしくは若干高めであるのが好ましい。これは、ブース内の温度が室温より低いと、撥水処理前の基板表面に水分が凝縮し、撥水処理液との接触を阻害する恐れがあるためである。また、防汚層の形成にディッピング方式を適用する場合、撥水液中への水分の過剰な混入を招き、液の劣化を招くことを防止する。
一方、制御する絶対湿度の範囲は0.0050〜0.0350kg/kg(DA)が好適である。絶対湿度が0.0050kg/kg(DA)以下の場合、有機溶媒が蒸発する際に充分な量の水分が供給されず、充分な耐久性が得られない場合がある。絶対湿度が0.0350kg/kg(DA)以上の場合、溶媒の気化熱による基板の冷却で凝縮する水分が多量となり、基板表面に水滴状の汚れが付着する場合があり、外観上好ましくない。
一方、制御する絶対湿度の範囲は0.0050〜0.0350kg/kg(DA)が好適である。絶対湿度が0.0050kg/kg(DA)以下の場合、有機溶媒が蒸発する際に充分な量の水分が供給されず、充分な耐久性が得られない場合がある。絶対湿度が0.0350kg/kg(DA)以上の場合、溶媒の気化熱による基板の冷却で凝縮する水分が多量となり、基板表面に水滴状の汚れが付着する場合があり、外観上好ましくない。
上記の様な手法によって作製した防汚性光学物品は、季節変動の影響を受けずに安定した防汚性能を維持することができ、良好な耐久性能を有することが確認できている。
含フッ素シラン化合物(商品名「オプツールDSX」ダイキン工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを絶対湿度0.0300kg/kg(DA)の状態に制御された雰囲気中でディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げ、その後、60℃、90%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを絶対湿度0.0300kg/kg(DA)の状態に制御された雰囲気中でディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げ、その後、60℃,60%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを絶対湿度0.0060kg/kg(DA)の状態に制御された雰囲気中でディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げ、その後、60℃,60%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを絶対湿度0.0060kg/kg(DA)の状態に制御された雰囲気中でディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げ、その後、恒温恒湿槽への投入はせずに、室内に1昼夜放置した。
(比較例1)
(比較例1)
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズを絶対湿度0.0030kg/kg(DA)の状態に制御された雰囲気中でディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げ、その後、60℃,60%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
(比較例2)
(比較例2)
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズをディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げた。この際、ディッピング装置周辺の温度,湿度は制御しなかった。なお、この際の温度,湿度は、17℃,33%で、絶対湿度では、0.0040kg/kg(DA)であった。
その後、60℃,60%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
(比較例3)
その後、60℃,60%RHに設定した恒温恒湿槽に投入し、2時間保持することで防汚層を形成した。
(比較例3)
含フッ素シラン化合物(商品名「KY-130」信越化学工業株式会社製)をパーフルオロヘキサンに希釈して0.2%溶液を調製し、防汚層形成のディッピング用処理液とした。処理用基板として、ハードコート膜、反射防止膜(最外層がSiO2膜)の層を有する眼鏡用プラスチックレンズ(「セイコースーパーソブリン」セイコーエプソン株式会社製)を用意し、基板表面を洗浄するためにプラズマ処理を行った。プラズマ処理の条件としては、処理圧力:0.1Torr、導入ガス:乾燥air、電極間距離:24cm、電源出力:DC1KV、処理時間:15secとした。
プラズマ処理したレンズをディッピング用処理液に浸漬して1min保持した後150mm/minにて引き上げた。この際、ディッピング装置周辺の温度,湿度は制御しなかった。なお、この際の温度,湿度は、17℃,33%で、絶対湿度では、0.0040kg/kg(DA)であった。
その後、恒温恒湿槽への投入はせずに、レンズを室内に1昼夜放置した。
その後、恒温恒湿槽への投入はせずに、レンズを室内に1昼夜放置した。
(1)木綿布による拭き耐久試験
試験方法:木綿布を用い、レンズの凸面を100gの荷重をかけながら5000回往復させた。拭き耐久試験前後の防汚性能は、接触角と油性インクの弾き性によって評価した。
評価1:接触角測定
接触角の測定には接触角計(「CA−D型」協和科学株式会社製)を使用し、液適法による水接触角を測定した。
評価2:油性インクの弾き性
レンズの凸面に、黒色油性マーカー(「ハイマッキーケア」ゼブラ株式会社製)により約4cmの直線を引き、インクの弾き状態を下記の基準にて判定した。
○:インクが1本の線状または点状になる
△:インクが部分的に弾く
×:はっきりと線が引ける
試験方法:木綿布を用い、レンズの凸面を100gの荷重をかけながら5000回往復させた。拭き耐久試験前後の防汚性能は、接触角と油性インクの弾き性によって評価した。
評価1:接触角測定
接触角の測定には接触角計(「CA−D型」協和科学株式会社製)を使用し、液適法による水接触角を測定した。
評価2:油性インクの弾き性
レンズの凸面に、黒色油性マーカー(「ハイマッキーケア」ゼブラ株式会社製)により約4cmの直線を引き、インクの弾き状態を下記の基準にて判定した。
○:インクが1本の線状または点状になる
△:インクが部分的に弾く
×:はっきりと線が引ける
(2)耐アルカリ性試験
試験方法:0.05Nに調整した水酸化ナトリウム水溶液中に試験片を3時間浸漬し、浸漬後の試験片を水でよく洗う。アルカリ浸漬試験前後の防汚性能は、接触角と油性インクの弾き性によって評価した。
評価方法は(1)木綿布による拭き耐久試験と同様に行った。
試験方法:0.05Nに調整した水酸化ナトリウム水溶液中に試験片を3時間浸漬し、浸漬後の試験片を水でよく洗う。アルカリ浸漬試験前後の防汚性能は、接触角と油性インクの弾き性によって評価した。
評価方法は(1)木綿布による拭き耐久試験と同様に行った。
具体的には、拭き耐久性の結果では、雰囲気の絶対湿度を制御した防汚性レンズは、試験後の接触角の低下が小さく抑えられており、インク弾き性は試験前後で変化がない。一方、雰囲気の制御がない場合は、インク弾き性が大幅に低下している。
耐アルカリ性の結果でも、雰囲気の絶対湿度を制御した防汚性レンズは試験後の接触角の低下,インク弾き性の低下が小さく抑えられている。
耐アルカリ性の結果でも、雰囲気の絶対湿度を制御した防汚性レンズは試験後の接触角の低下,インク弾き性の低下が小さく抑えられている。
各種の防汚性光学物品の耐久性向上に有効である。
Claims (4)
- 有機溶剤を溶媒として用いて含フッ素シラン化合物を希釈したものを処理液とし、光学物品表面に塗布して防汚層を形成する防汚層形成工程において、前記防汚層形成工程の雰囲気を絶対湿度が0.0050〜0.0350kg/kg(DA)となるように制御することを特徴とする防汚性光学物品の製造方法。
- 請求項1,2いずれかに記載の防汚性光学物品の製造方法において、前記防汚層の下層に反射防止膜が形成されていることを特徴とする防汚性光学物品の製造方法。
- 請求項3に記載の防汚性光学物品の製造方法において、基材の表面にハードコート層を形成し、前記ハードコート層表面に前記反射防止膜を形成することを特徴とする防汚性光学物品の製造方法。
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JP2003352682A JP2005115278A (ja) | 2003-10-10 | 2003-10-10 | 防汚性光学物品の製造方法 |
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Cited By (3)
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JP2006350208A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Seiko Epson Corp | 光学物品およびその製造方法 |
JP2007196211A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-08-09 | Seiko Epson Corp | 光学製品の製造方法 |
WO2024197999A1 (zh) * | 2023-03-27 | 2024-10-03 | 太仓斯迪克新材料科技有限公司 | 多孔高透ar膜 |
-
2003
- 2003-10-10 JP JP2003352682A patent/JP2005115278A/ja not_active Withdrawn
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JP2006350208A (ja) * | 2005-06-20 | 2006-12-28 | Seiko Epson Corp | 光学物品およびその製造方法 |
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