JPH08239205A - 改質された過酸化カルシウム - Google Patents

改質された過酸化カルシウム

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JPH08239205A
JPH08239205A JP4168895A JP4168895A JPH08239205A JP H08239205 A JPH08239205 A JP H08239205A JP 4168895 A JP4168895 A JP 4168895A JP 4168895 A JP4168895 A JP 4168895A JP H08239205 A JPH08239205 A JP H08239205A
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calcium peroxide
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Tsukasa Maekawa
司 前川
Junichi Onishi
淳一 大西
Shigeru Sumitomo
茂 住友
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、改質された過酸化カルシウムを提
供することを目的とする。 【構成】 本発明の過酸化カルシウムは、カップリング
剤によって表面処理されてなる改質された過酸化カルシ
ウムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質された過酸化カル
シウムに関する。更に詳しくは、本発明は、アゾジカル
ボンアミド等の含窒素有機化合物をガス発生基剤とする
非アジド系エアバッグ用ガス発生剤において、酸化剤及
び/又は燃焼速度調節触媒として添加される改質された
過酸化カルシウムに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来過酸化カルシウムは、チ
オコール(商品名、多硫化系合成ゴム、チオコールケミ
カル社、米国)の硬化剤や医薬品として使用されてい
る。そして、過酸化カルシウムの製造法としては、
(イ)石灰の水溶液に過酸化水素を通す方法、(ロ)塩
化カルシウムの水溶液に過酸化ナトリウムを作用させて
過酸化カルシウムの8水塩を得、これを130℃に加熱
して無水塩を得る方法、(ハ)塩化カルシウム・6水和
物の水溶液に過酸化水素水を加え、更にアンモニア水を
加えて冷却した後析出物を濾取及び乾燥させる方法等を
挙げることができる。(イ)の方法は、収率が高く、反
応操作も簡便で、工業的に有利な方法である。これに対
し、(ロ)及び(ハ)の方法では、高純度品が得られる
が、収率が非常に低く、多量の過酸化カルシウムを得る
には多大なコストと時間を要するため、工業的な製造法
としては不適当である。尚、(イ)の方法により得られ
る過酸化カルシウムには、副生物である水酸化カルシウ
ムが十数重量%の割合で含まれており、この水酸化カル
シウムは再結晶等の簡便な方法では除去できないが、上
記のような硬化剤等の用途に使用することには特に支障
がない。従って、現在市販されている過酸化カルシウム
は、実質的に全てのものが(イ)の方法によって製造さ
れたものである。
【0003】一方、特開平6−32689号公報、特開
平6−32690号公報及び特開平6−227884号
公報には、アゾジカルボンアミド等の含窒素有機化合物
をガス発生基剤とし、過ハロゲン酸塩や硝酸塩等の酸化
剤を含有するエアバッグ用の非アジド系ガス発生剤が提
案されている。該非アジド系ガス発生剤は、現在汎用さ
れているアジ化ナトリウムをガス発生基剤とするアジド
系ガス発生剤と同等又はそれ以上のガス発生量及び燃焼
性能を有し、加えてその安全性や毒性はアジド系ガス発
生剤に比し極めて低い、好ましいものである。更にこれ
らの公報、特に特開平6−227884号公報の実施例
には、該非アジド系ガス発生剤において、過酸化カルシ
ウムが燃焼調節触媒として有用であることも開示されて
いる。
【0004】ところで、該非アジド系ガス発生剤は、常
法に従い成分を湿式で混合し、打錠又は打錠乾燥して製
剤化されるのであるが、この際(イ)の方法により得ら
れる過酸化カルシウムを添加すると、過酸化カルシウム
中に含まれる水酸化カルシウムがアゾジカルボンアミド
等のガス発生基剤を分解し、ガス発生剤としての性能が
低下する虞れがある。更に、過酸化カルシウムは危険物
であり、可燃物及び少量の水と混合すると、混合時の摩
擦によって発火する可能性があり、好ましくない。
【0005】更に、上述の(ロ)又は(ハ)の方法によ
り製造された過酸化カルシウムにも、非アジド系ガス発
生基剤を分解する虞れのある不純物が副生物として微量
混入されており、上記ガス発生剤の用途には使用し難
い。しかも上述のように(ロ)及び(ハ)の方法では、
過酸化カルシウムの製造が高コストとなるため、これら
の方法で得られる過酸化カルシウムをガス発生剤に添加
することは実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、過酸化カルシウムを
カップリング剤により表面処理することにより、非アジ
ド系ガス発生剤の成分と湿式混合しても、アゾジカルボ
ンアミド等のガス発生基剤を分解することがなく、且つ
混合時の摩擦によっても発火する危険性のない改質され
た過酸化カルシウムが低コストで得られることを見い出
し、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、カップリング剤によって表
面処理されてなることを特徴とする改質された過酸化カ
ルシウムに係る。
【0008】本発明において表面処理されるべき過酸化
カルシウムとしては、従来公知の方法によって製造され
た市販品をそのまま使用できる。
【0009】また本発明において使用するカップリング
剤は公知のものでよく、例えば、シラン系カップリング
剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カッ
プリング剤等を挙げることができる。
【0010】シラン系カップリング剤の具体例として
は、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシ
ラン系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン系カップ
リング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カ
ップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアク
リルシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシ
ラン等の一般式 RSi(OR’)3 〔式中、Rは1
個又は2個以上のハロゲン原子が置換してもよい炭素数
1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、
R’は炭素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル
基を示す。〕で表されるアルキルトリアルコキシシラン
等を挙げることができる。
【0011】チタネート系カップリング剤の具体例とし
ては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリス−イソデシルベンゼンスル
ホニルチタネート、イソプロピルトリス−n−デシルベ
ンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピル−ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、
テトラオクチル−ビス(ジトリデシルホスファイト)チ
タネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1
−ブチル)−ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタ
ネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシア
セテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイ
ルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアク
リルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフ
ェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニル
チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・ア
ミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセ
テートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネ
ート等を挙げることができる。
【0012】アルミニウム系カップリング剤の具体例と
しては、例えば、アルミニウム モノアセチルアセトネ
ート−ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム
トリス(アセチルアセテート)、アセトアルコキシア
ルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができ
る。
【0013】上記カップリング剤の中でもシラン系カッ
プリング剤が好ましく、更にアルキルトリアルコキシシ
ランが特に好ましい。
【0014】斯かるカップリング剤は1種を単独で又は
2種以上を混合して使用される。
【0015】カップリング剤を用いて表面処理を行うに
当っては、例えば、湿式法、乾式法等の公知の方法が採
用できる。
【0016】湿式法による処理は、通常、過酸化カルシ
ウムとカップリング剤の溶液又は分散液とを混合し、こ
の混合物から処理された過酸化カルシウムを分離し、乾
燥することにより行われる。カップリング剤は、水、酢
酸水やメタノール、エタノール、セロソルブ、アルキル
アミン、アルキロールアミン等の有機溶媒又はこれらの
混合溶媒に可溶又は分散可能である。この際のカップリ
ング剤の濃度は特に制限されず、広い範囲から適宜選択
できるが、通常0.1〜5重量%程度、好ましくは0.
5〜2重量%程度とすればよい。処理された過酸化カル
シウムの分離には、例えば、濾過、遠心分離、デカンテ
ーション等の公知の方法が採用できる。また、乾燥によ
り処理された過酸化カルシウムが凝集する場合には、公
知の方法に従って粉砕を行えばよい。更に、過酸化カル
シウムの溶液又は分散液とカップリング剤の溶液又は分
散液とを混合し、この混合物から処理された過酸化カル
シウムを分取し、乾燥を行ってもよい。過酸化カルシウ
ムを溶解又は分散させる溶媒としては、上記と同じ溶媒
を使用できる。湿式法は、必要ならば、加温又は加熱下
に行うこともできる。その際の温度の目安は、30〜1
00℃程度である。
【0017】乾式法は、必要に応じ攪拌下及び/又は予
熱下に、過酸化カルシウムの粉末にカップリング剤又は
その溶液もしくは分散液を添加し、混合(好ましくは加
温下に混合)する方法である。攪拌及び混合には、通常
のブレンダー、好ましくはヘンシェルミキサーやスーパ
ーミキサー等の剪断力のあるブレンダーが使用される。
カップリング剤の溶液及び分散液は、湿式法と同様のも
のが使用できる。尚、予熱及び加温は、過酸化カルシウ
ムの分解又は劣化が起こらない温度までの温度域にて行
えばよい。
【0018】湿式法及び乾式法のいずれにおいても、カ
ップリング剤の使用量は、カップリング剤の種類、過酸
化カルシウムの経時安定度等に応じて広い範囲から適宜
選択すればよいが、通常過酸化カルシウム100重量部
に対して0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1
〜5重量部程度とすればよい。カップリング剤の溶液又
は分散液を用いる場合は、前記のような配合割合になる
ように、溶液又は分散液の量を調整すればよい。
【0019】このようにして得られる改質された過酸化
カルシウムは、例えば、非アジド系ガス発生剤の一成分
(酸化剤及び/又は燃焼速度調節触媒)として好適に使
用できる。
【0020】非アジド系ガス発生剤としては、例えば、
(a)含窒素有機化合物及び(b)酸化剤を必須成分と
し、更に必要に応じて(c)爆轟防止剤、(d)燃焼速
度調節触媒、(e)燃焼温度調節剤等を含有するものを
挙げることができる。(a)〜(e)の各成分につい
て、具体的に説明する。
【0021】(a)含窒素有機化合物としては、分子中
に少なくとも1個の窒素原子を含有する有機化合物が使
用される。具体的には、アミノ基含有有機化合物、ニト
ラミン基含有有機化合物、ニトロソアミン基含有有機化
合物等を例示できる。アミノ基含有有機化合物の具体例
としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸塩
(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等)、尿素、ヘ
キサメチレンテトラミン、重炭酸アミノグアニジン、ト
リアミノグアニジン、ビウレット、シアノグアニジン、
ニトログアニジン、ジシアンジアミド、ヒドラジド類等
が挙げられる。ここでヒドラジド類としては公知のもの
が使用でき、例えば、アセトヒドラジド、1,2−ジア
セチルヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジド、サリチル酸
ヒドラジド、シュウ酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジ
ド、カルボヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、セバシ
ン酸ヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル
酸ヒドラジド、メチルカルバゼート、セミカルバジド、
ホルムヒドラジド、1,2−ジホルミルヒドラジン等が
挙げられる。ニトラミン基含有有機化合物の具体例とし
ては、ジニトロペンタメチレンテトラミン、トリメチレ
ントリニトロアミン(RDX)、テトラメチレンテトラ
ニトロアミン(HMX)等の置換基としてニトラミン基
を1個〜複数個有する脂肪族化合物及び脂環式化合物が
挙げられる。またニトロソアミン基含有有機化合物の具
体例としては、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
(DPT)等の置換基としてニトロソアミン基を1個〜
複数個有する脂肪族化合物及び脂環式化合物が挙げられ
る。これらの中でも、アミノ基含有有機化合物が好まし
く、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。斯かる含窒
素有機化合物は1種を単独で使用してもよく又は2種以
上を併用してもよい。含窒素有機化合物は市販品をその
まま使用してもよい。含窒素有機化合物の形状、粒度等
は制限されず、例えば、その配合量、各成分との配合比
率、エアバッグの容量等の各種の条件に応じて適宜選択
すればよい。
【0022】(b)酸化剤としては特に制限されず、従
来から当該分野で使用されるものから適宜選択すればよ
いが、高温下で酸素を発生及び/又は供給し得るものが
好ましく、例えば、オキソハロゲン酸塩、硝酸塩、亜硝
酸塩、金属過酸化物、超酸化物、オゾン化合物等を挙げ
ることができる。
【0023】オキソハロゲン酸塩としては公知のものが
使用でき、例えば、過ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩等を
挙げることができる。過ハロゲン酸塩の具体例として
は、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナ
トリウム、過臭素酸リチウム、過臭素酸カリウム、過臭
素酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、過塩素酸マグネシ
ウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸カルシウム、過臭素
酸マグネシウム、過臭素酸バリウム、過臭素酸カルシウ
ム等のアルカリ土類金属塩、過塩素酸アンモニウム、過
臭素酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられ
る。ハロゲン酸塩の具体例としては、塩素酸リチウム、
塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、臭素酸リチウム、
臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属
塩、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、塩素酸カル
シウム、臭素酸マグネシウム、臭素酸バリウム、臭素酸
カルシウム等のアルカリ土類金属塩、塩素酸アンモニウ
ム、臭素酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げら
れる。これらの中でも、ハロゲン酸及び過ハロゲン酸の
アルカリ金属塩が好ましい。
【0024】硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等のアルカリ金属塩、硝
酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム等
のアルカリ土類金属塩、硝酸アンモニウム等のアンモニ
ウム塩等を挙げることができる。その中でもアルカリ金
属塩が好ましい。
【0025】亜硝酸塩としては、例えば、亜硝酸リチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等のアルカリ金
属塩、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸カ
ルシウム等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができ
る。
【0026】金属過酸化物としては、例えば、過酸化リ
チウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム等のアルカ
リ金属塩、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム等のア
ルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
【0027】超酸化物としては、例えば超酸化ナトリウ
ム、超酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、超酸化カ
ルシウム、超酸化ストロンチウム、超酸化バリウム等の
アルカリ土類金属化合物、超酸化ルビジウム、超酸化セ
シウム等を挙げることができる。
【0028】オゾン化合物としては、例えば一般式 M
3 〔式中MはNa、K、Rb、Cs等のIa族元素
を示す。〕で表わされる化合物が挙げられる。
【0029】本発明においては、二硫化モリブデン等の
金属硫化物、ビスマス含有化合物、鉛含有化合物等も酸
化剤として使用できる。
【0030】これらの酸化剤の中でも、オキソハロゲン
酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、金属過酸化物等が好ましく、
オキソハロゲン酸塩、硝酸塩等が特に好ましい。
【0031】斯かる酸化剤は1種を単独で又は2種以上
を混合して使用できる。酸化剤の形状、粒径等は特に制
限されず、例えばその配合量、各成分との配合比率、エ
アバッグの容量等の各種の条件に応じて適宜選択して使
用すればよい。
【0032】酸化剤の配合量は、通常、酸素量を基準と
して含窒素有機化合物を完全に酸化燃焼し得る化学量論
量とすればよいが、含窒素有機化合物と酸化剤の配合割
合を適宜変更させることにより、燃焼速度、燃焼温度
(ガス温度)、燃焼ガス組成等を任意に調整できるの
で、広い範囲から適宜選択してもよく、例えば、含窒素
有機化合物100重量部に対して酸化剤を通常10〜4
00重量部程度、好ましくは100〜240重量部程度
配合してもよい。
【0033】(c)爆轟防止剤は、製造、輸送、保存等
の工程で、ガス発生剤が火炎に巻き込まれたり又は強い
衝撃を受けて爆轟するのを防止するために使用される。
爆轟防止剤の添加により、製造、輸送、保存等の工程で
の安全性を更に高めることができる。爆轟防止剤として
は公知のものが使用でき、例えば、ベントナイト、アル
ミナ、珪藻土、二酸化珪素等の酸化物、Na、K、C
a、Mg、Zn、Cu、Al等の金属の炭酸塩、重炭酸
塩等を挙げることができる。爆轟防止剤の配合量は特に
制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常含窒素
有機化合物と酸化剤の合計量100重量部に対して5〜
30重量部程度とすればよい。
【0034】(d)燃焼速度調節触媒は、主に燃焼速度
を調整するために使用される。燃焼速度調節触媒として
は、例えば(ホ)酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化マンガン、
塩化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化チタン、酸化ニッケル、
酸化コバルト、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化ホ
ルミウム、酸化カルシウム、酸化イッテルビウム等の元
素周期表第4〜6周期元素の酸化物、塩化物、炭酸塩、
硫酸塩(但し、第4〜6周期元素のうち、アルカリ金属
及びアルカリ土類金属の炭酸塩を除く)、(ヘ)カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
これらのエーテル、微結晶性セルロース粉末等のセルロ
ース系化合物、(ト)可溶性デンプン、ポリビニルアル
コール、その部分ケン化物等の有機高分子化合物を挙げ
ることができる。(ホ)の金属化合物については、BE
T比表面積の大きなものが、発生ガス中のCO等の有毒
成分の濃度を一層低下させるのに有効である。具体的に
は、BET比表面積が通常5m2 /g以上、好ましくは
10m2 /g以上、より好ましくは40m2 /g以上の
ものがよい。燃焼速度調節触媒の粒度は特に制限され
ず、適宜選択して使用すればよい。燃焼速度調節触媒は
1種を単独で又は2種以上を混合して使用される。燃焼
速度調節触媒の配合量は特に制限されず広い範囲から適
宜選択できるが、通常含窒素有機化合物と酸化剤の合計
量100重量部に対して0.1〜50重量部程度、好ま
しくは0.2〜10重量部程度とすればよい。
【0035】(e)燃焼温度調節剤は、一般的に燃焼温
度ひいてはガス温度を下げるために使用される。燃焼温
度調節剤の具体例としては、例えば、Na、K、Ca、
Mg、Ba、Sr等のアルカリ金属及びアルカリ土類金
属の炭酸塩、重炭酸塩等を挙げることができる。燃焼温
度調節剤の配合量は特に制限されず広い範囲から適宜選
択できるが、通常含窒素有機化合物及び酸化剤の合計量
100重量部に対して50重量部程度を越えない範囲、
好ましくは20重量部を越えない範囲とすればよい。
【0036】更に、この非アジド系ガス発生剤には、そ
の好ましい特性を損なわない範囲で、従来からこの用途
に用いられている各種添加剤が配合されていてもよい。
【0037】この非アジド系ガス発生剤は、通常、公知
の方法に従って適当な形状に製剤化される。例えば、上
記の各成分とバインダーを適量混合して打錠又は打錠乾
燥すればよい。その際、水等の溶媒を適量加えるのが安
全上特に好ましい。バインダーとしては斯かる目的に常
用されているものを使用すればよい。製剤形状は特に制
限はなく、例えば、ペレット状、ディスク状、球状、棒
状、中空円筒状、こんぺい糖状、テトラポット状等を挙
げることができ、無孔のものでもよいが有孔状のもの
(例えば煉炭状のもの)でもよい。ペレット状、ディス
ク状のものは、片面に1〜数個程度の突起を設けてもよ
い。突起の形状は特に制限されず、例えば、円柱状、円
錐状、多角錐状、多角柱状等を挙げることができる。更
に製剤の一面又は複数面に1〜数個の溝を設けてもよ
い。製剤は、ポリエチレン等の合成樹脂製の容器に充填
することにより、安全に保管及び輸送することができ
る。
【0038】この非アジド系ガス発生剤は、自動車に限
定されず、各種輸送用機器に搭載されるエアバッグシス
テムのガス源として好適に利用できる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、カップリング剤で表面
被覆するという簡便な処理により、非アジド系ガス発生
剤の成分と湿式混合しても、アゾジカルボンアミド等の
ガス発生基剤を分解することがなく、且つ混合時の摩擦
によっても発火する危険性のない改質された過酸化カル
シウムを低コストで提供できる。
【0040】
【実施例】以下に実施例、試験例及び比較試験例を挙
げ、本発明を具体的に説明する。
【0041】実施例1 過酸化カルシウムの10重量%水溶液とメチルトリメト
キシシランの10重量%水溶液とを等量混合し、約80
℃の温度下に2時間攪拌した後、固形物を濾取し、水洗
し、乾燥することにより、表面処理が施され改質された
過酸化カルシウムを製造した。
【0042】試験例1 アゾジカルボンアミド45重量部、過塩素酸カリウム5
5重量部、実施例1で得られた改質された過酸化カルシ
ウム10重量部及び二酸化珪素1.0重量部の各粉末を
よく混合し、これにデンプン含有量が1.5重量部とな
るように可溶性デンプンの5重量%水溶液を加えて更に
混合し、湿潤粉体を製造した。このものの粒度及び水分
含量を調整した後、油圧式打錠成型機にて約120kg
/cm2の圧力で押圧し、ペレット状(径9.7mm×
厚さ4mm)のエアバッグ用ガス発生剤を製造した。
【0043】このエアバッグ用ガス発生剤を107℃の
恒温機中にて400時間保存して重量減少を調べ、アゾ
ジカルボンアミドの残存率(%)を算出したところ、9
9.5%であった。この値は、実質的な分解が起こって
いないことを示している。
【0044】比較試験例1 表面処理が施されていない過酸化カルシウムを使用する
以外は、試験例1と同様にしてペレット状のガス発生剤
を製造した。
【0045】このガス発生剤については、107℃にて
400時間保存する試験を行うまでもなく、可溶性デン
プンの5重量%水溶液を添加した際に、アゾジカルボン
アミドの殆ど大部分が分解した。
【0046】以上の結果から、過酸化カルシウムをカッ
プリング剤にて表面処理して改質することにより、ガス
発生基剤であるアゾジカルボンアミドの安定性が著しく
向上することが明らかである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カップリング剤によって表面処理されて
    なることを特徴とする改質された過酸化カルシウム。
  2. 【請求項2】 カップリング剤がシラン系カップリング
    剤である請求項1に記載の改質された過酸化カルシウ
    ム。
  3. 【請求項3】 シラン系カップリング剤が、アルキルト
    リアルコキシシランである請求項2に記載の改質された
    過酸化カルシウム。
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