JP5738396B2 - ガス生成組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
この出願は、2010年3月26日に出願された米国仮出願第61/318,166号に基づく優先権を主張する。
技術分野
一般に、本発明はガス生成システム、およびたとえば自動車の拘束システムのようなガス生成装置に使用されるガス生成組成物に関する。
本発明の背景
本発明は、燃焼の際に比較的わずかな量の固体と比較的豊富な量のガスを生成する、ガス生成組成物に関する。現在も継続している挑戦は、固体の量を減少させて、ガスの量を増加させ、それによりインフレーターのろ過への要求を減少させることである。その結果、フィルタのサイズを減少するか、または全体が排除でき、それによりインフレーターの重量、および/または、サイズが減少される。さらに、燃焼物固体の減少は、ガス生成組成物の1グラムまたは単位あたりの比較的大きい量のガス状生成物を提供する。したがって、より多くのモル数のガスが、ガス生成組成物の1グラムあたりで生成されると、必要とされるガス生成組成物の量は少なくなる。この結果は、典型的には製造の際の複雑さを低減するので、インフレーターをより小さく、より安価にする。
関連する挑戦においては、ガスの量が増大した時、一酸化炭素または他のあまり望ましくないガス類を弱毒化することを確実にするように、流出ガスを適合させなければならないことである。たとえばガス生成剤内で炭素の相対量を増加させる時の1つの関心は、燃焼生成物として、より多くの一酸化炭素を生成するかどうかということである。燃焼のときに固体を減少させてガス生成を増加させる努力は、現在の排出基準を満たす燃焼生成物とのバランスをとらなければならない。
別の挑戦は、化学的および熱的安定性のための現在のUSCAR必要条件を満たすガス生成組成物を提供することである。化学的安定性は、プロペラントが経時的に構造の一体性を保つことを示す。形態安定性は化学的安定性、例えば、経時的な密度の保持を示す。組成物の成分は最小の相互作用でお互い相溶性でなければならない。したがって、化学的安定性は、ガス生成組成物に含まれている様々な成分の相互作用の緩和を含む。
例えば、熱的安定性は、−40℃と107−110℃の間でサイクルされた時に、構造の一体性を保持する能力である。例えば、組成物を一定期間−40℃の温度に維持して、次いですばやく約107から110℃の温度にし、一定期間その温度で維持することができる。従って、2つの温度領域の間を周期的にサイクルした時に、ガス生成剤の構造的一体性を保持することが別の挑戦である。さらに、USCARの要求は、組成物の熱分解なしで、約400時間約107℃に保持することによる熱的試験を含んでいる。例えば相安定化された硝酸アンモニウムを含むある特定の組成物が、しばしば熱的安定度に関して関心がもたれる。
さらに別の関心は、組成物が、乗物乗員防護システムにおける使用に関して、満足できる燃焼速度を示さなければならないということである。特に、相安定化された硝酸アンモニウムを含む組成物は、比較的低い燃焼速度を示し、燃焼速度を改良する様々な手段を必要とすることがある。従って、たとえば相安定化された硝酸アンモニウムなどの好ましい酸化剤のそれほど激しくない燃焼特性と組み合わされ、新規で有用な成分の慎重な混合または調合により補われる、エネルギッシュな燃料の開発も現在における開発目標である。
さらに、硝酸アンモニウムまたは相安定化された硝酸アンモニウムと組み合わされた硝酸化芳香族化合物は、燃焼された時に清浄には燃えず、すすのような残渣を大量に形成することがわかった。酸性のニトロ芳香族化合物は、ある程度の触媒作用の起動力を硝酸アンモニウムまたは相安定化された硝酸アンモニウム組成物に提供する。特に発火性で持続的な燃焼が、(安定化された、または安定化されていない)硝酸アンモニウムを含む組成物について懸念される。
ガス生成剤の配合または処理に関して、燃料、酸化剤、および他の公知の添加剤から成る乾燥粉末として、しばしば火工品成分を混合できる。しかしながら、酸性の燃料または成分を使用するとき、酸性の化合物の鋭敏度に考慮し、全ての意図しない反応も防ぐために取り扱いおよび加工に注意を要する。酸性の燃料がガス生成組成物で使われるとき、しばしば、それを組成物と組み合わせる前に酸と塩を形成することが、賢明であるかもしれない。時間的制約がある上、加工での付加段階はコストを製剤過程に追加して、酸性の燃料の利益、例えば、より少ない燃焼固形分が損なわれる。さらに別の挑戦は、酸性の燃料から形成された組成物が、また好ましい打撃感度を示して、運輸省規定の要件に従い、好ましい化学的および熱的安定性を示さなければならないということである。
これらの懸念を考慮すると、それは「無煙」のガス生成剤、または燃焼のときに燃焼副産物として前述の懸念なしで90%以上のガスを生成するものを提供することが当該技術分野での改良であるだろう。例えば、硝酸アンモニウムまたは相安定化された硝酸アンモニウムベースの組成物であって、典型的な高窒素燃料と硝酸アンモニウムまたは相安定化された硝酸アンモニウム酸化剤との組み合わせからのガス生成物に匹敵するか又はこれを越えるガスを発生し、他の性能を保持し、上記の懸念を改良するものは当該技術分野での改良であるだろう。また、酸性燃料を使用し、燃料の酸性に起因して付随する危険のないガス生成組成物の配合または加工を簡素化することも改良であるだろう。
発明の要約
上で言及された懸念は、新規な燃料成分である、3,5−ジニトロサリチル酸(DNSA)、DNSAの金属塩、DNSAの非金属塩、またはDNSAと水素結合された複合体を形成できる他の化合物とのアダクトを含むガス生成剤またはガス生成システムによって解決される。相安定化された硝酸アンモニウム(PSAN)(例えば、PSANの10−15重量%の硝酸カリウムが提供されることにより安定化されている)と組み合わされると、1以上の本発明の燃料は、比較的低い作動燃焼圧力で最適な燃焼速度を示し、PSANの使用にもかかわらず最適な化学的および耐熱安定性を示すガス生成剤組成物を与える。さらに、1以上の本発明組成物は、比較的低い燃焼圧力で容易に燃焼するので、付随するガス生成装置またはエアバッグインフレーターの製造および構造への要求が緩和される。さらに、1以上の本発明の組成物が燃焼すると、比較的大量のガスおよび少量の固体を発生し、そのため排出流の品質が向上する。
任意の副燃料は、テトラゾール類およびそれらの塩、トリアゾール類およびそれらの塩、アゾール類およびそれらの塩、グアニジン類およびそれらの塩、グアニジン誘導体、イミド類、アミド類、脂肪族カルボン酸類およびそれらの塩、芳香族カルボン酸類およびそれらの塩、ニトロ芳香族カルボン酸類およびそれらの塩、ニトロサリチル酸類およびそれらの塩、アミン類、ニトロフェノール類、ピラゾール類、イミダゾル類、アジン類、およびそれらの混合物から選択することができる。
主酸化剤は、金属および非金属の、硝酸塩、亜硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、酸化物、他の公知の酸化剤、およびそれらの混合物から選択することができる。所望であれば、公知の有効量で他の公知の成分を利用することができる。
本発明によれば、さらにDNSAの塩を含む、硝酸アンモニウムおよび相安定化された硝酸アンモニウム(PSAN)ベースの組成物を配合する湿式方法を提供する。また、PSANとDNSAの塩の共析出物は、実質的な生成流の改良と実質的な衝撃特性(ballistic performance)の改善を提供する、緊密な混合物をもたらすと信じられている。
本発明はさらに、ガス生成組成物を利用する、ガス生成装置、ガス生成システム、および乗物乗員防護システムを含む。
図1は、本発明によるインフレーターの一般的な構造を示す横断面図である。 図2は、本発明によるガス生成組成物を含む例示の乗物乗員保護システムの略図である。 図3は、アンモニウムジニトロサリチル酸と相安定化された硝酸アンモニウムとの共析出物の第1のマイクロ構造を示す。
発明の詳細な説明
上で言及された懸念は、主燃料として酸性硝酸化芳香族化合物を含むガス生成装置またはガス生成システムであって、該主燃料が3,5−ジニトロサリチル酸(DNSA)、DNSAの金属塩、DNSAの非金属塩、またはDNSAと水素結合複合体を形成出きる他の化合物とのアダクトから選択されるガス生成装置またはガス生成システムにより解決される。DNSAアダクトの例としては、DNSAと3−アミノトリアゾールのアダクト;DNSAとメラミンのアダクト;およびDNSAとアルキルアミン類のアダクトがあげられる。相安定化された硝酸アンモニウム(PSAN)(例えば、PSANの10−15重量%の、硝酸カリウムのようなアルカリ金属塩が提供されることにより安定化されている)と組み合わされると、1以上の本発明の燃料は、比較的低い作動燃焼圧力で最適な燃焼速度を示し、PSANの使用にもかかわらず最適な化学的および熱的安定性を示すガス生成剤組成物を与える。さらに、1以上の本発明組成物は、比較的低い燃焼圧力で容易に燃焼するので、付随するガス生成装置またはエアバッグインフレーターの製造および構造への要求が緩和される。さらに、1以上の本発明の組成物が燃焼すると、比較的大量のガスおよび少量の固体を発生し、そのため排出流の品質が向上する。他の燃料を含まない時、主燃料は、組成物全体の20重量%から80重量%、25重量%から75重量%、または40重量%から60重量%を構成する。本明細書の以下で参照される他のすべての割合は、組成物全体に対する重量%である。
任意の副燃料としては以下が挙げられる。5−アミノテトラゾールなどのテトラゾール類;5−アミノテトラゾールカリウムなどのアゾール類の金属塩;5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩などのアゾール類の非金属塩類;5−アミノテトラゾールなどのアゾール類の硝酸塩;5−アミノテトラゾールなどのアゾール類のニトロアミン誘導体;5−アミノテトラゾールカリウムなどのアゾール類のニトロアミン誘導体の金属塩;5−アミノテトラゾールモノアンモニウム塩などのアゾール類のニトロアミン誘導体の非金属塩;硝酸グアニジンなどのグアニジン類の塩;ニトログアニジンなどのグアニジン類のニトロ誘導体;アゾジカルボンアミドなどのアゾアミド類;アゾジカルボンアミジン二硝酸塩などのアゾアミド類の硝酸塩;フマル酸、酒石酸、およびコハク酸などの脂肪族カルボン酸類、およびそれらの金属および非金属の塩;安息香酸、フタル酸、およびイソフタル酸などの芳香族カルボン酸類、およびそれらの金属および非金属の塩;ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸、ニトロイソフタル酸、および4−ヒドロキシジニトロ安息香酸などのニトロ芳香族カルボン酸、およびそれらの金属および非金属の塩;3−ニトロサリチル酸、5−ニトロサリチル酸などのモノニトロサリチル酸、およびそれらの金属および非金属の塩;メラミンなどのアミン類;オキサミドなどのアミド類;イミド類;ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、およびピクリン酸などのニトロフェノール類、およびそれらの金属および非金属の塩;3−ニトロトリアゾールおよびニトロトリアゾロン(NTO)などのトリアゾール類;ピラゾール類;イミダゾール類;アジン類;それの混合物。
副燃料が、主燃料の共燃料としてこのシステム内で使用できる。米国特許第5,872,329および6,210,505は、これらの使用とこれらの燃料の供給について説明しており、本明細書に両者を参考として援用する。使用される場合には、主燃料と副燃料の組み合わせはガス生成組成物の約10−90重量%を構成できる。また、副燃料が採用される時には、組成物全体の5重量%から80重量%で主燃料を提供できる。任意の副燃料自体は、使用される場合には0.1−45重量%、より望ましくは約3−30重量%を構成できる。
酸化剤は、金属および非金属の、硝酸塩、亜硝酸塩、塩素酸塩、および過塩素酸塩、酸化物、水酸化物、他の公知の酸化物、およびそれの混合物から選択される。好ましい主酸化剤は、硝酸アンモニウム、相安定化された硝酸アンモニウムから選択され、最も望ましくは相安定化された硝酸アンモニウムである。主酸化剤は、組成物全体の20重量%から80重量%、より望ましくは50重量%から80重量%で提供される。本明細書の以下で参照される他のすべての割合は、組成物全体に対する重量%である。
副酸化剤成分は、任意に以下の例示された酸化剤の少なくとも1つから選択される;塩基性金属硝酸塩、金属および非金属の硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、および亜硝酸塩、並びに酸化物、たとえば塩基性銅(II)硝酸塩、硝酸ストロンチウム、硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、酸化鉄、および酸化銅。金属含有酸化剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の酸化剤から形成されたものを含んでいる。また、当業者によって認められる他の酸化剤も使うことができる。一般に、ガス生成組成物の約0−50重量%で副酸化剤が提供される。所望であれば、公知の有効な量で他の公知の成分を利用できる。また、硝酸アンモニウムなどの酸化剤と共に、カリウムカルボネートおよび炭酸アンモニウムなどの金属および非金属の炭酸塩を使用することができる。ヒュームドシリカ、窒化ホウ素およびグラファイトのような加工助剤も使用されることができる。ガス生成物質は安全に圧縮されてタブレットにされるかまたは打錠され、次いで粒状にされることができる。加工助剤は、約0−15重量%、より好ましくは約0−5重量%で一般に提供される。
スラグ形成剤も提供されることができ、シリコーン化合物、たとえば、シリコン元素;二酸化ケイ素;ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン類;ケイ酸カリウムのようなケイ酸塩;タルクおよびクレーのような天然の鉱物および他の公知のスラグ形成剤から選択される。スラグ形成剤は、典型的には約0−10重量%、より好ましくは約0−5重量%で提供される。本発明の組成物は、アルドリッチまたはフィッシャーケミカル社のような公知のサプライヤーによって提供される成分から形成される。組成物は顆粒状の形態で提供され、公知の方法で乾燥混合および圧縮されるか、実施例に記載されるように湿式混合され配合されるか、または公知の他の方法で混合されることができる。組成物は、エアバッグデバイスまたは乗員保護システム、安全ベルトデバイス中に典型的に見出されるガス発生装置、または乗り物乗員保護システムのようなガス生成システムにおいて典型的に利用されることができ、これらは公知の技術または当業者により製造されることができる。
実施例
実施例1(副燃料を含む湿式混合方法):
組成物は、約2リットルのエタノールを含むジャケット付きの混合容器を提供することによって作られた。この溶液に、約753グラムのジニトロサリチル酸(DNSA)を、連続攪拌しつつ、追加した。溶液は次いでゆっくり約105℃に約30分で加熱され、残余のプロセス中で維持された。DNSAがいったん完全に溶解されると、約4352グラムの硝酸アンモニウム、約122グラムの硝酸カリウム、約227グラムの炭酸カリウム(硝酸カリウムと炭酸カリウムは一緒に、硝酸アンモニウムの相安定化のためのカリウム源を提供する)、約595グラムのジアンモニウムビテトラゾール、および1リットルの水が、連続した機械的な攪拌をしつつ、容器の中に加えられた。明るい黄色の沈殿が、すぐに粘性の塗料状の粘ちゅう物(consistency)内で形成された。約1時間後に、混合物は、もろい固体を形成する。混合と加熱は希望の乾燥度を得るまで続けられる。所望であれば、混合物は、ペレットまたはタブレットなどの希望の形状に賦形されて、次に、希望の湿分まで、例えば、オーブンで乾燥できる。
実施例2(湿式混合方法)
組成物は、約2リットルの水またはエタノール、またはエーテルまたはアルコールのような他の適当な溶剤を含む、ジャケットを付けた混合容器を提供することによって、作られた。この溶液に、ジニトロサリチル酸(DNSA)、DNSAの金属または非金属塩をほぼ化学量論量、連続攪拌しつつ、追加した。溶液は次いでゆっくり約105℃に約30分で加熱され、残余のプロセス中で維持された。
DNSAがいったん完全に溶解されると、硝酸アンモニウムのほぼ化学量論量が、追加されて、攪拌されて溶液とされた。そして、硝酸カリウムなどのカリウム源が、加えられた硝酸アンモニウムの総量に関して、約10−15重量%で加えられた。混合物は連続的に撹拌され、固体が形成されるまで熱が維持された。混合と加熱は希望の乾燥度を得るまで続けられる。所望であれば、混合物は、ペレットまたはタブレットなどの希望の形状に賦形されて、次に、希望の湿分まで、例えば、オーブンで乾燥できる。得られた固体は、化学量論量の相安定化された硝酸アンモニウム(PSAN)とアンモニウムジニトロサリチル酸(ADNSA)を含む。得られたADNSA結晶は、比較的小さく、したがって、硝酸アンモニウムと緊密な共−析出物を形成する。
実施例3(副燃料を含む湿式混合方法)
組成物は、約2リットルの水を含むステンレス製のジャケットを付けた混合容器を提供することによって、作られた。この溶液に、約753グラムのジニトロサリチル酸(DNSA)を連続攪拌しつつ、追加した。溶液は次いでゆっくり約105℃に約30分で加熱され、残余のプロセス中で維持された。DNSAがいったん完全に溶解されると、約4352グラムの硝酸アンモニウム、約122グラムの硝酸カリウム、約227グラムの炭酸カリウム(硝酸カリウムと炭酸カリウムは一緒に、硝酸アンモニウムの相安定化のためのカリウム源を提供する)、約595グラムのジアンモニウムビテトラゾール、および1リットルの水が、連続した機械的な攪拌をしつつ、容器の中に加えられた。明るい黄色の沈殿が、すぐに粘性の塗料状の粘ちゅう物内で形成された。約1時間後に、混合物は、もろい固体を形成する。混合と加熱は希望の乾燥度を得るまで続けられる。所望であれば、混合物は、ペレットまたはタブレットなどの希望の形状に賦形されて、次に、希望の湿分まで、例えば、オーブンで乾燥できる。
実施例4
約73重量%の硝酸アンモニウムと約27重量%のモノ−カリウムジニトロサリチル酸が湿式混合され、本発明にかかる均質の組成物に形成された。得られた組成物は約75.20重量%の相安定化された硝酸アンモニウム(64.95重量%の硝酸アンモニウムと10.25重量%の硝酸カリウムを含むPSAN)と約24.80重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸を含んでいた。
実施例5
約76.39重量%の相安定化された硝酸アンモニウム(相安定化剤として約7.64重量%の硝酸カリウムを含んでいる);約10重量%の5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩;および約13.61重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸が、乾式混合され、本発明にかかる均質の組成物に形成された。
実施例6
約68.75重量%の硝酸アンモニウム;約7.64重量%の硝酸カリウム;約10重量%の5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩;および約13.61重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸が、乾式混合され、本発明にかかる均質の組成物に形成された。
実施例7
約67.58重量%の硝酸アンモニウム;約7.51重量%の硝酸カリウム;約7.0重量%の5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩;約3.0重量%の酒石酸ジカリウム;および約14.91重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸が、乾式混合され、本発明にかかる均質の組成物に形成された。
実施例8
約68.4重量%の硝酸アンモニウム;約7.6重量%の硝酸カリウム;約3.5重量%の5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩;および約20.5重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸が、乾式混合され、本発明にかかる均質の組成物に形成された。
実施例9−比較例(PSAN−テトラゾール)
約73.5重量%の相安定化された硝酸アンモニウムと約26.5重量%の5,5’−ビス−テトラゾールアミンのアンモニウム塩は、乾式混合され、当技術分野で公知の方法により均質の組成物に形成された。
実施例10−比較例(PSAN−テトラゾール)
実施例9に示されたように形成された組成物/ガス生成剤は、ガス状排出物に基づいて評価された。約3.9%の炭素を含む所定の質量の組成物を、単一段の1モルインフレーター(すなわち、1モルのガス生成剤を含み、約33−35メガパスカルで作動する)内で燃焼し、以下のガス状生成物の百万分率を100立方フィートのタンクから測定した:126ppmの一酸化炭素;41ppmのアンモニア;13ppmの酸化窒素;および0ppmの二酸化窒素。
同じ燃料の同じ質量を、二段の1モルインフレーター(すなわち、1モルのガス生成剤を含み、約40メガパスカルで作動する)で燃焼し、100立方フィートのタンクから測定した時に、以下のガス状生成物をもたらした:129ppmの一酸化炭素;35ppmのアンモニア;11ppmの酸化窒素;および0ppmの二酸化窒素。
実施例11
実施例4に示されたように形成された組成物/ガス生成剤は、ガス状排出物に基づいて評価された。約8.5%の炭素を含む所定の質量の組成物を、単一段の1モルインフレーター(すなわち、実施例10で使用されたものと同じモデルのインフレーターであり、1モルのガス生成剤を含み、約33−35メガパスカルで作動する)内で燃焼し、以下のガス状生成物の百万分率を100立方フィートのタンクから測定した:173ppmの一酸化炭素;14ppmのアンモニア;12ppmの酸化窒素;および0ppmの二酸化窒素。
本発明によると、この実施例の結果は、実施例10と比べて2倍以上の炭素量を有していたが、燃焼のときに生成された一酸化炭素の量はおよそ37%だけの増大であったことを示す。さらに、アンモニア量は実施例10の組成物で生成されたアンモニアの量の3分の1、約33%であった。予想では、燃焼の際には直線的に増加する量の一酸化炭素が生成されるというものであるので、結果は、予期外のものであり、直観に反していた。代わりに、有用な量の二酸化炭素のような許容されるガスが生成され、一方、ガス生成剤内の炭素の燃焼前成分から分析された一酸化炭素の生成を低下させた。従って、本発明は一酸化炭素の生成を驚異的に低下する一方、二酸化炭素などの許容できるガス類でアンモニアなどの望ましくないガス類を置き換えるものである。
実施例12
実施例4に示されたように形成された組成物/ガス生成剤は、ガス状排出物に基づいて評価された。約6.0%の炭素を含む所定の質量の組成物を、単一段の1モルインフレーター(実施例10で使用されたものと同じモデルのインフレーターであり、1モルのガス生成剤を含み、約33−35メガパスカルで作動する)内で燃焼し、以下のガス状生成物の百万分率を100立方フィートのタンクから測定した:122ppmの一酸化炭素;11ppmのアンモニア;20ppmの酸化窒素;および0ppmの二酸化窒素。
本発明によると、この実施例の結果は、ガス生成剤内の炭素量は実施例10と比べて150%より多かったが、燃焼のときに生成された一酸化炭素の量は少なかった(実施例10に比較して96.8%)。さらに、アンモニア量は、実施例10の組成物で生成されたアンモニアの量の約26.8%であった。予想では、燃焼の際には直線的に増加する量の一酸化炭素が生成されるというものであるので、結果は、予期外のものであり、直観に反していた。代わりに、有用な量の二酸化炭素のような許容されるガスが生成され、一方、ガス生成剤内の炭素の燃焼前成分から分析された一酸化炭素の生成を低下させた。従って、本発明は一酸化炭素の生成を驚異的に低下する一方、二酸化炭素などの許容できるガス類でアンモニアなどの望ましくないガス類を置き換えるものである。
同じ燃料の同じ質量を、二段の1モルインフレーター(すなわち、実施例10で使用されたものと同じモデルのインフレーターであり、1モルのガス生成剤を含み、約40メガパスカルで作動する)で燃焼し、100立方フィートのタンクから測定した時に、以下のガス状生成物をもたらした:135ppmの一酸化炭素;14ppmのアンモニア;12ppmの酸化窒素;および0ppmの二酸化窒素。
従って、本発明は一酸化炭素の生成を驚異的に低下する一方、二酸化炭素などの許容できるガス類でアンモニアなどの望ましくないガス類を置き換えるものである。
実施例13−比較例(PSAN−テトラゾール)
実施例10のように形成された組成物/ガス生成剤を、実施例10で使用された単一段の1モルインフレーター中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.015秒で、持続した燃焼中で達する最高インフレーター燃焼室圧力は約37メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク(ballistic tank)中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約31−32メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。
実施例14
組成物/ガス生成剤を、本発明に従い、実施例4で記載されているように形成し、実施例10で使用された単一段の1モルのインフレーターの中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.013秒で、持続した燃焼中で達する最高インフレーター燃焼室圧力は約32メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約28−31メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。全く予想外にも、本発明により提供された組成物が、実施例13のインフレーターより5MPa低い最高インフレーター圧力で作動するが、実質的に同等な持続圧力を衝撃タンクに提供することが見いだされた。従って、本発明の組成物は低いインフレーター圧力で燃焼し、それによりインフレーターに関する構造要求条件を緩和しつつ、経時的なガス発生の見地からは同様の特性を提供することがわかった。
実施例15
本発明により、実施例4にしたがって生成された組成物/ガス生成剤を、実施例10で使用されたものと同様の単一段の1モルインフレーター中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.015秒で、持続した燃焼中で達する最高インフレーター燃焼室圧力は約26メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約30−28メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。全く予想外にも、本発明により提供された組成物が、実施例13のインフレーターより11MPa低い最高インフレーター圧力で作動するが、実質的に同等な量の持続圧力を衝撃タンクに提供することが見いだされた。従って、本発明の組成物は低いインフレーター圧力で燃焼し、それによりインフレーターに関する構造要求条件を緩和しつつ、経時的なガス発生の見地からは同様の特性を提供することがわかった。
実施例16
本発明により、実施例4にしたがって生成された組成物/ガス生成剤を、実施例10で使用されたものと同様の単一段の1モルインフレーター中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.013秒で、持続した燃焼中で達する最高インフレーター燃焼室圧力は約22.5メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約30−28メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。全く予想外にも、本発明により提供された組成物が、実施例13のインフレーターより14.5MPa低い最高インフレーター圧力で作動するが、実質的に同等な量の持続圧力を衝撃タンクに提供することが見いだされた。従って、本発明の組成物は低いインフレーター圧力で燃焼し、それによりインフレーターに関する構造要求条件を緩和しつつ、経時的なガス発生の見地からは同様の特性を提供することがわかった。
実施例17
本発明により、実施例4にしたがって生成された組成物/ガス生成剤を、実施例10で使用されたものと同様の単一段の1モルインフレーター中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.015秒で、持続した燃焼中で達するインフレーター燃焼室圧力は約20メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約28−30メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。全く予想外にも、本発明により提供された組成物が、実施例13のインフレーターより17MPa低い最高インフレーター圧力で作動するが、実質的に同等な量の持続圧力を衝撃タンクに提供することが見いだされた。従って、本発明の組成物は低いインフレーター圧力で燃焼し、それによりインフレーターに関する構造要求条件を緩和しつつ、経時的なガス発生の見地からは同様の特性を提供することがわかった。
実施例18
本発明により、実施例4にしたがって生成された組成物/ガス生成剤を、実施例10で使用されたものと同様の単一段の1モルインフレーター中で燃焼した。燃焼が始まった後約0.015秒で、持続した燃焼中で達する最高インフレーター燃焼室圧力は約17.5メガパスカルであった。60リットルの衝撃タンク中のガス出力が、Tでの燃焼の始まりから燃焼の0.1秒後まで測定された。衝撃タンク内の圧力は、燃焼が始まった後に、0.05秒まで着実に増加して、次に燃焼開始後0.1秒まで、約28−27メガパスカルの持続圧力で一定となった。持続圧力は、乗物乗員保護システムで利用される持続圧力に適合する適当なガス生成特性を示した。全く予想外にも、本発明により提供された組成物が、実施例13のインフレーターより19.5MPa低い最高インフレーター圧力で作動するが、実質的に同等な量の持続圧力を衝撃タンクに提供することが見いだされた。従って、本発明の組成物は低いインフレーター圧力で燃焼し、それによりインフレーターに関する構造要求条件を緩和しつつ、経時的なガス発生の見地からは同様の特性を提供することがわかった。
実施例19
実施例4の記載にしたがって形成された組成物は、1秒当たりのインチ(ips)として、以下の燃焼速度を示した:1平方インチあたり1000ポンドゲージ圧(psig)において0.64;2000psigで0.82;2500psigで0.98;3500psigで1.02;4500psigで1.12;5500psigで1.22。
実施例20−比較例(PSAN−テトラゾール)
実施例10の記載にしたがって形成された組成物は、1秒当たりのインチ(ips)として、以下の燃焼速度を示した:1平方インチあたり1000ポンドゲージ圧(psig)において0.48;2000psigで0.82;2500psigで0.92:3500psigで1.02:4500psigで1.08;5500psigで1.12。
実施例19と比べると、本発明の組成物が、実施例10で記載されている、別の実質的に最先端のガス生成剤組成物と同等な適当な燃焼速度を示すことが知られる。
実施例21
組成物は、主燃料として10−20重量%のアンモニウムジニトロサリチル酸、副燃料として3−15重量%の5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩、および硝酸アンモニウムを約60−75重量パーセントで硝酸カリウムを約5−10重量パーセントで含む相安定化された硝酸アンモニウム(硝酸アンモニウムと硝酸カリウムを含む)を酸化剤として含んで形成される。
上記のように、本発明のガス生成組成物は、ジニトロサリチル酸塩類と相安定化された硝酸アンモニウムを含み、低燃焼固形分を与え、他の最先端のガス生成剤と比較して減少したレベルの望ましくない燃焼ガスを与え、また低い燃焼圧力で作動する。他の利益としては、減少した製造コスト、改良された熱安定性、改良された化学的安定性、および/または、減少した加工コストがあげられる。
図1の中で示されるように、例示的なインフレータまたはガス生成システム10は、本明細書に記載されたように形成されたガス生成物質12を含むデュアルチャンバー設計を組込み、これは公知の技術により製造されることができる。米国特許6,422,601、6,805,377、6,659,500、6,749,219および6,752,421は、典型的なエアバッグインフレータ設計を例証し、これらは参照され本明細書の一部として組み込まれる。
図2を参照する。上記の例示的なインフレーターまたはガス生成システム10は、エアバッグシステム200内に組み込まれることができる。エアバッグシステム200は少なくとも1つのエアバッグ202、および本発明のガス生成組成物12を含むインフレータ10を含み、該インフレータはエアバッグの内部と流体連絡可能にエアバッグ202と組み合わされる。エアバッグシステム200は、衝突センサー210を含むか、またはこれと接続される。衝突センサー210は既知のクラッシュセンサーアルゴリズムを含み、衝突の場合に例えばエアバッグインフレーター10の活性化によってエアバッグシステム200の起動の信号を送る。
図2を参照する。エアバッグシステム200は、安全ベルトアセンブリー150のような追加の要素を含む、より広範な、より包括的な乗り物乗員拘束システム180に組み入れられることができる。図2は、そのような拘束システムの1つの典型的な実施態様の概略図を示す。安全ベルトアセンブリー150は、安全ベルトハウジング152および、ハウジング152から伸びる安全ベルト100を含む。安全ベルトリトラクタメカニズム154(例えば、ばね式のメカニズム)は、ベルトの端部分に連結されることができる。さらに、衝突の際にリトラクタメカニズムを始動させるために、ガス生成組成物12を含む安全ベルトプリテンショナー156がベルトリトラクターメカニズム154に連結されることができる。本発明の安全ベルト実施態様と共に使用されることができる典型的なシートベルトリトラクタメカニズムは、米国特許番号5,743,480、5,553,803、5,667,161、5,451,008、4,558,832および4,597,546に開示されている。これらの特許は参照され、本明細書の一部として組み込まれる。本発明の安全ベルトの実施態様が組み合わされることができる典型的なプリテンショナーの例は、米国特許番号6,505,790および6,419,177に開示されている。これらの特許は参照され、本明細書の一部として組み込まれる。
安全ベルトアセンブリ150は、例えばプリテンショナーに組み入れられた火工品イグナイタ(図示せず)の起動によって、ベルトプリテンショナー156の起動の信号を発生する既知のクラッシュセンサーアルゴリズムを含む、衝突センサ158(例えば慣性センサあるいは加速度計)を含むか、またはこれと接続されることができる。先に参照され、本明細書の一部として組み込まれた米国特許番号6,505,790および6,419,177は、そのような方法で始動するプリテンショナーの例を提供する。
安全ベルトアセンブリ150、エアバッグシステム200、およびより広範な乗り物乗員保護システム180が例示されるが、本発明により意図されるガス生成システムはこれらに限定されるものではない。
本発明のさらに別の態様では、DNSAとPSANを含むガス生成組成物を製造する方法を提供する。DNSAの酸性のため、乾式混合は望ましくない。さらに、DNSAの塩またはDNSAと別の化合物のアダクトを使用することが望ましい場合、乾式混合は、それぞれのDNSA誘導体を形成して、単離することは、時間がかかりコストがかかる。従って、その場でDNSA塩またはアダクトを形成することが、独自に塩または付加体を形成する必要性を取り除く。その上、PSANの共結晶化が同時に起こる。初めに、DNSA、硝酸アンモニウム、および硝酸カリウム、水酸化カリウム、または炭酸カリウムなどのカリウム源の化学量論量の適切な量を含む、反応体化合物の水性スラリーが調製される。共−沈殿物として得られる配合物はアンモニウムDNSAおよびPSANである。あるいはまた、DNSA、水酸化アンモニウムまたはジアンモニウム炭酸塩などのアンモニウム源、およびPSANの湿潤混合物は同じ結果を提供するだろう。またさらに、DNSA、アンモニウム源、カリウム源、および硝酸アンモニウムの湿潤混合物は、アンモニウムDNSAおよびPSANを製造するだろう。前述の水性混合物のすべてが、燃料としてDNSAの塩、酸化剤としての、硝酸アンモニウムを安定させるために十分なカリウムイオンを含む相安定化された硝酸アンモニウムを形成するためのベースを提供する。水性混合物は、室温で混合され、ついで穏やかに加熱され、過剰の水分を除去し、DNSA塩とPSANの混合物の共沈物を生成する。
DNSAの塩を形成する反応の例示:
DNSA+炭酸カリウム=カリウムDNSA+水+二酸化炭素
DNSA+水酸化カリウム=カリウムDNSA+水
湿式混合方法の1つの利点は、比較的小さいDNSA塩の結晶の形成である。図3のミクロ構造に示されているように、PSANはPSANの中により小さいDNSA塩の結晶を点在させる複数の大きい滑らかな部分として表される。示されているように、PSAN粒は比較的大きく、DNSA塩の結晶の比較的小さいサイズのため、DNSA塩の結晶が比較的大きいPSAN粒の間に組み込まれ、その結果、燃料と酸化剤のより緊密な混合物またはブレンドを提供する。その結果、得られた自由流動性の共沈殿ブレンドは、乾燥成分として成分を一緒に粉砕するかまたは微粉化する必要なく、非常に容易にタブレットウェハー、または他の形状に圧縮または成形することができる。これは追加の処理工程を排除する。また、小さいDNSA結晶が、実施例で記載されているように、付随するインフレーターの改良されたかまたは向上した衝撃および流出流性能に貢献すると信じられている。特にはPSAN中のDNSAの緊密な混合による好ましい燃焼動力学のためと考えられている。
従って、本発明のガス生成組成物を加工する方法を提供する。液体のまたは粒状にされた成分が、以下の工程では好しい。以下の工程すべてが湿式配合方法で行うことができる。最初に、いかなる他の工程を行う前に、溶媒中にDNSAを溶解しなければならない。工程4−8の順番は重要でない。任意の希望の順番でこれらの工程を行うことができる。
1. ジャケットを有する混合容器の中に溶媒を提供する。溶剤は例えば、水、エタノール、プロパノール、メタノール、またはある水混和性の他の溶媒から選択できる。
2.化学量論量または予定された量のジニトロサリチル酸を溶媒中に加える。
3.溶液を撹拌する。
4.所望であれば溶液を加熱できる。溶液の温度はプロセス中、約100−110℃で維持できる。
5.硝酸アンモニウムおよび相安定化された硝酸アンモニウムから選択された少なくとも1つの酸化剤を溶液に加え、攪拌を続ける。
6.沈殿剤を組成物に加え、攪拌を続ける。硝酸アンモニウムが工程5で加えられる場合、沈殿剤は硝酸カリウム、水酸化カリウム、または炭酸カリウムなどのカリウム源であることができる。あるいは、工程5で相安定化された硝酸アンモニウムが加えられる場合、沈殿剤は水酸化アンモニウム、アンモニウム炭酸水素塩、または炭酸アンモニウムなどのアンモニウム源であることができる。
7.所望であれば、本明細書に記載される副燃料、たとえば、5,5’−ビス−1H−テトラゾールのジアンモニウム塩を、連続的に撹拌しながらスラリーに加えることができる。8.所望であれば、蒸留水などの追加の溶媒を加え、溶液の加熱と撹拌を継続しつつ、容器に加えられる成分の溶解牲を高めることができる。そして、固体が形成される。
9.所望であれば、固形成分とスラリーを加熱しつつ、得られた固体成分が希望の乾燥度になるまで、固体成分とスラリーを継続的に撹拌することができる。
10.所望であれば、たとえば圧縮またはタブレットまたはペレットを形成する他の公知の方法で希望の形状に固体沈殿物を形成できる。
また、上に提供された方法で形成された組成物12は、組成物12を含むガス生成装置10としても提供できる。さらに、上に提供された方法で形成された組成物12を含むシートベルトアセンブリ200または乗物乗員保護システム180などのガス生成システムも提供される。
DNSA塩の結晶の小粒子の形成は、比較的小さい粒子群(長さ、幅または深さが10ミクロン以下)が、図3に示されているように、はるかに大きい硝酸アンモニウム結晶の中に容易に同伴されるか、沈殿するか、または組み込まれるので、有利である。他の沈殿物と異なり、ミクロ構造物は、乾燥成分として一緒に粉砕又は微粉化する必要なく、容易にタブレット、ウェハー、他の形状に賦形することができる。湿式混合プロセスは、丸い粒子を形成し、たとえばタブレットを作るためのプレスフィーダー中で、バルクとして良好に流れる。本質的に、前述のプロセスは、乾燥混合に比較して、原材料の低減した加工、およびより少ない数の成分に帰着する。また、それは湿式混合プロセスから自由流動粒子を得る事に帰着し、組成物の成分を微粉化する必要性を取り除く。
本発明の実施態様の先の記述が例示の目的だけのためにあり、本発明の範囲を何ら制限しないことはさらに理解されるだろう。そのため、ここに示された様々な構造操作上の特徴は、当該技術分野における当業者により、特許請求の範囲により規定される本発明の技術範囲を逸脱することなく多くの改良を行うことができる。したがって上記の説明は、本発明の範囲を何ら制限するものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の記載とその均等物により決定される。

Claims (10)

  1. 以下の工程を含むガス生成組成物の形成方法:
    1) ジャケットを有する混合容器中に溶媒を提供する工程;
    2) ジニトロサリチル酸を前記溶媒に加えて、攪拌し、溶液を提供する工程;
    3) 硝酸アンモニウム並びに、アルカリ金属硝酸塩および硝酸アンモニウムとの混合物から選択される少なくとも1つの酸化剤を、前記ジニトロサリチル酸に対する化学量論量で、工程2)で得られた溶液に加えて攪拌し、溶液を提供する工程;および
    4) 沈殿剤を前記工程3)で得られた溶液に加え、攪拌を続け、固体沈殿物を形成し、ガス生成組成物を得る工程。
  2. 溶媒が水、エタノール、メタノール、プロパノール、および水混和性の他の溶剤から選択される、請求項1記載の方法。
  3. 前記の硝酸アンモニウムが容器に加えられるとき、沈殿剤はカリウム源である、請求項1記載の方法。
  4. 前記のアルカリ金属硝酸塩および硝酸アンモニウムの混合物が容器に加えられるとき、沈殿剤はアンモニウム源である、請求項1記載の方法。
  5. 前記工程1)から3)のいずれかの工程の後に、副燃料を容器に加える工程を含む、請求項1の方法。
  6. 酸化剤を加えた後に追加の溶媒を加え、得られた溶液を加熱撹拌し、容器に加えられる成分の溶解牲を高める工程を含む、請求項1の方法。
  7. 工程4)で得られる固体沈殿物を希望の形状に賦形する工程をさらに含む、請求項1の方法。
  8. 請求項1の方法により形成された組成物。
  9. 請求項1の方法により形成された組成物を含むガス生成装置。
  10. 前記工程1)から4)において、溶液の温度が100℃−110℃に維持される、請求項1記載の方法。
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