JP2006076832A - 硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤 - Google Patents

硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃焼温度を低く抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼を促進することができる硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤を提供する。
【解決手段】 硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分とするものであり、アルカリ金属含有有機化合物としては、炭素数が2〜8の化合物、具体的にはカルボン酸のアルカリ金属塩等であり、カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩である。硝酸アンモニウムの燃焼促進剤には、更に粉末状微結晶炭素を含有する硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃焼温度を低く抑えつつ燃焼を促進させることができる硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤に関するものである。
近年、ガス化率が高く、燃焼温度が低く、かつ経済性に優れた火薬組成物の要求が高まっており、各方面で研究開発がなされている。ガス化率が高いということは、例えば自動車乗員保護用(エアバッグ用)のガス発生装置においては、装填するガス発生剤の量を低減できるため装置の小型化、軽量化が可能となり、コスト削減、重量軽減等の利点を有している。この要求に応えるため、完全燃焼により残渣を発生しない酸化剤の一つである硝酸アンモニウムが低コストであることとも相俟って、特にガス発生剤や固体推進薬の分野で注目されている。
一方、燃焼温度が高ければ、その熱によって装置自体が損傷を受け、例えば自動車乗員保護用のガス発生装置においては発生ガスの温度が高くなり、高温の発生ガスによって乗員に悪影響を与えることになる。そのため、燃焼温度の低い火薬組成物が要求されている。
硝酸アンモニウムは過塩素酸塩、硝酸のアルカリ金属塩、硝酸のアルカリ土類金属塩等と比較すると酸化能力が低いため、燃焼速度が遅いという欠点を有していることがよく知られている。この欠点を補うために様々の試みがなされている。具体的には、反応性の高いエネルギー物質を組み合わせたり、より酸化力の高い酸化剤を併用したり、或いは活性炭を使用したりすることが提案されている。例えば、反応性の高いエネルギー物質の併用例として、シクロトリメチレントリニトラミン(RDX)等のポリニトラミン化合物と相安定化硝酸アンモニウムとからなるガス発生剤組成物が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、カーボンブラック又は活性炭と相安定化硝酸アンモニウムとを併用したエアバック用ガス発生剤も知られている(例えば、特許文献2を参照)。更に、硝酸アンモニウム等のアンモニウム酸素酸塩、活性炭等の粉末状微結晶炭素及び安定剤からなり、酸素バランスが−0.50〜−0.01g/gの範囲にあるガス発生剤組成物も知られている(例えば、特許文献3を参照)。その他に、燃料としてニトログアニジン、酸化剤として硝酸アンモニウム及び安定剤として有機酸からなるエアバック用ガス発生剤も知られている(例えば、特許文献4を参照)。
特開平10−297991号公報(第2頁及び第5頁) 特開平11−92265号公報(第2頁及び第6頁) 特開2003−112991号公報(第2頁及び第9頁) 特表2004−516223号公報(第2頁)
ところが、前記従来技術においては、酸化力の高い酸化剤やエネルギー物質を多量に使用すると燃焼温度が高くなるという問題があった。具体的には、特許文献1に開示の組成物では燃焼温度が全て2400K以上であり、特許文献2の実施例に記載されている組成物では全て2300K以上の高い燃焼温度を示している。更に、特許文献4に記載されている有機酸はガス発生剤の安定化に寄与する成分であって、硝酸アンモニウムの燃焼を促進することはできなかった。加えて、特許文献3に記載のガス発生剤組成物では、粉末状微結晶炭素がアンモニウム酸素酸塩の分解促進効果を有し、燃焼触媒として機能するものの、ジフェニルアミン等は安定剤であって、燃焼温度を低く抑えながら、硝酸アンモニウムの燃焼を促進することができなかった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、燃焼温度を低く抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼を促進することができる硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明における第1の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、硝酸アンモニウムを燃焼させる際にその燃焼を促進させるための硝酸アンモニウムの燃焼促進剤であって、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分とすることを特徴とするものである。
第2の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第1の発明において、前記アルカリ金属含有有機化合物は、炭素数が2〜8の化合物であることを特徴とするものである。
第3の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第1又は第2の発明において、前記アルカリ金属含有有機化合物は、カルボン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とするものである。
第4の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第3の発明において、前記カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であることを特徴とするものである。
第5の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第4の発明において、前記カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のカリウム塩であることを特徴とするものである。
第6の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第1から第5のいずれかの発明において、更に粉末状微結晶炭素を含有することを特徴とするものである。
第7の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、第1から第6のいずれかの発明において、硝酸アンモニウムを燃焼させた際、その燃焼温度が1200〜2200Kであることを特徴とするものである。
第8の発明の火薬組成物は、硝酸アンモニウムと、第1から第7のいずれかの発明に係る硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有することを特徴とするものである。
第9の発明の火薬組成物は、第8の発明において、前記硝酸アンモニウムの含有量が60〜97質量%及びアルカリ金属含有有機化合物の含有量が3〜40質量%であることを特徴とするものである。
第10の発明のガス発生剤は、硝酸アンモニウムと、第1から第7のいずれかに係る発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有し、その燃焼によってガスを発生するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
第1の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分とし、そのアルカリ金属含有有機化合物が硝酸アンモニウムの燃焼時において燃料になると共に、燃焼触媒として機能し、硝酸アンモニウムの燃焼を促進するものと考えられる。更に、アルカリ金属含有有機化合物は生成熱が低いことから、燃焼温度の上昇を抑制することができる。
第2の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、アルカリ金属含有有機化合物は炭素数が2〜8の化合物である。このため、第1の発明の効果を向上させることができると共に、燃焼速度の圧力依存性を低下させることができる。
第3の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤においては、アルカリ金属含有有機化合物は、カルボン酸のアルカリ金属塩であり、その生成熱がより低い。このため、第1又は第2の発明の効果に加え、燃焼温度の上昇を一層抑制することができる。
第4の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であり、その生成熱が一層低く、燃焼促進作用も高い。このため、第3の発明の効果を向上させることができる。
第5の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のカリウム塩であり、硝酸アンモニウムに対する燃焼促進作用に優れている。このため、第4の発明の効果に加えて、硝酸アンモニウムの燃焼を更に促進させることができる。
第6の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、更に粉末状微結晶炭素が含まれている。このため、第1から第5のいずれかの発明の効果に加えて、硝酸アンモニウムの燃焼を更に促進させることができる。
第7の発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、硝酸アンモニウムを燃焼させた際、その燃焼温度が1200〜2200Kであり、第1から第6のいずれかの発明の効果に加え、燃焼温度の上昇を抑制することができる。
第8の発明の火薬組成物は、硝酸アンモニウムに、第1から第7のいずれかの発明に係る硝酸アンモニウムの燃焼促進剤を含有するものである。従って、火薬組成物について、第1から第7のいずれかの発明に係る効果を発揮することができる。
第9の発明の火薬組成物では、硝酸アンモニウムの含有量が60〜97質量%及びアルカリ金属含有有機化合物の含有量が3〜40質量%である。このため、第8の発明の効果を確実に発揮することができると共に、有害ガスの発生を抑制することができる。
第10の発明のガス発生剤は、硝酸アンモニウムと、第1から第7のいずれかに係る発明の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有し、その燃焼によってガスを発生するように構成されている。従って、ガス発生剤について、第1から第7のいずれかに係る発明の効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、硝酸アンモニウムを燃焼させる際にその燃焼を促進させるためのものである。係る燃焼促進剤は、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分としている。硝酸アンモニウムは、燃焼によって完全にガス化することから発生ガス量が多いこと、またその際に塩化水素等の有害ガスを発生しないこと、更に感度が高くないこと等の特長を有している。
この硝酸アンモニウムとしては、通常の硝酸アンモニウム以外に相転移による体積変化を抑制するために、必要に応じて公知の方法、例えば硝酸アンモニウムに無機カリウム塩を添加するような方法で相安定化処理された硝酸アンモニウムも使用することができる。硝酸アンモニウムの平均粒子径は、燃焼性の観点から通常0.1〜300μm、好ましくは1〜200μm、より好ましくは1〜100μmである。硝酸アンモニウムの平均粒子径が0.1μm未満の場合には粒子の作製自体が困難であり、経済性の観点から好ましくなく、300μmを越える場合には硝酸アンモニウムの燃焼速度が遅くなると共に、組成物中での分散性が低下する傾向にある。
硝酸アンモニウムの平均粒子径が0.1〜5μm程度であれば、硝酸アンモニウムを水等の適当な溶媒に溶解し、油剤、モノマー、ポリマー等を用いて乳化することによって一旦エマルションの形態にし、それを乾燥するか又は硝酸アンモニウムを結晶化することにより粉末状の硝酸アンモニウム得ることができる。また、硝酸アンモニウムの平均粒子径が5〜300μm程度のものであれば、粉砕することにより容易に得られる。
硝酸アンモニウムの含有量は多い程よいが、その分アルカリ金属含有有機化合物の含有量が減少するため、燃焼性の観点からあまり多くすることはできず、少なくなり過ぎるとガス化率が低下する。従って、硝酸アンモニウムの含有量は、好ましくは60〜97質量%、更に好ましくは62〜95質量%である。
次に、燃焼促進剤の有効成分であるアルカリ金属含有有機化合物について説明する。アルカリ金属含有有機化合物の役割は、それ自体が燃料になると同時に、そのアルカリ金属が燃焼触媒となって、硝酸アンモニウムの燃焼を促進するものと考えられる。アルカリ金属を含有しない有機化合物、例えばアルカリ金属を含有しないカルボン酸では、硝酸アンモニウムを安定化させることはできても、硝酸アンモニウムの燃焼を促進できないことがこれを裏付けている。また、もう一つの役割は、アルカリ金属含有有機化合物は一般に生成熱が低いために、燃焼温度が上昇するのを抑制しているものと考えられる。
アルカリ金属含有有機化合物の代わりにアルカリ金属含有無機化合物を用いることは発生ガス量、分散性、吸湿性等の観点から不適当である。本実施形態で用いられるアルカリ金属含有有機化合物の有機化合物部分については、その炭素数が2〜8であることが好ましい。炭素数が2より少ないと発生ガス量及び硝酸アンモニウムとの組成物の安定性が低下し、炭素数が8を越えると相対的にアルカリ金属の割合が減少するために、硝酸アンモニウムの燃焼時における触媒効果が低下する傾向にある。それによって燃焼速度が低下し、また圧力指数(燃焼速度の圧力依存性)が増大する傾向にある。
ここで、圧力指数は下記の式に示すヴィエイユ(Vieille)の法則に基づくもので、該式中のαのことを意味する。従って、αの値が大きいと、わずかな圧力の変化で燃焼速度が大きく変わるため、αの値は小さいことが望ましい。
r=βPα
但し、rは燃焼速度、Pは圧力、α、βは定数を表す。
アルカリ金属含有有機化合物は、化学構造的には直鎖及び環式、飽和及び不飽和等どのようなものでもよいが、燃焼速度の圧力依存性、燃焼して発生するガスのクリーン化度等の観点からできるだけ酸素バランスが0g/gに近い化合物、具体的には酸素バランスが−2.0〜0g/gである化合物が好ましい。例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩や、テトラゾール類、バルビツール酸等のヘテロ環化合物のアルカリ金属塩は酸素バランスが0に近いため好ましい。酸素バランスが−2.0〜0g/gの範囲を外れると、燃焼速度の圧力依存性が大きくなると共に、燃焼して発生するガスのクリーン化度が低下する。更に、燃焼温度の観点から生成熱の低い化合物が好ましい。そのような化合物として、カルボン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
具体的にはフマル酸、コハク酸、プロピオン酸、ソルビン酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、フタル酸、リンゴ酸、マロン酸、グリシン、リシン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ビテトラゾール、バルビツール酸等のアルカリ金属塩が挙げられる。これらのアルカリ金属含有有機化合物は、多価カルボン酸のように置換可能な部位が複数ある場合には、分子中にアルカリ金属が含まれておれば良く、アルカリ金属がいくつ置換されていてもよい。
カルボン酸のアルカリ金属塩としては、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であることが好ましい。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩は、燃焼速度、圧力依存性及び経済性に優れているためである。上記に示すカルボン酸のアルカリ金属塩のうち、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のカリウム塩であることがより好ましい。これらのカルボン酸のアルカリ金属塩は、硝酸アンモニウムの燃焼を一層促進させることができるからである。
アルカリ金属含有有機化合物の形態は主として粉末であるが、水等の溶媒に溶解して使用することもできる。加圧成形法、押出成形法等により粉末として使用する場合には、燃焼性能、均一性、製造性等の観点からその平均粒子径は1〜500μm程度であることが好ましい。その平均粒子径が1μmより小さい場合には取扱性、経済性が悪化する傾向にあり、平均粒子径が500μmより大きい場合には燃焼速度が遅くなったり、燃焼性能にバラツキが生じたりする傾向にある。
アルカリ金属含有有機化合物の含有量は、その酸素バランスにより異なるが、少なすぎると燃焼時の触媒効果が小さく、多すぎると燃焼速度の低下や発生ガスの減少をもたらす傾向があり、通常3〜40質量%、好ましくは5〜38質量%である。
硝酸アンモニウムの燃焼促進剤には、燃焼速度を促進したり、ガス化率を向上させるために、前記成分に加えて活性炭等の粉末状微結晶炭素を添加することができる。粉末状微結晶炭素の添加により硝酸アンモニウムの分解促進効果が増大され、粉末状微結晶炭素が燃焼触媒としても機能するために硝酸アンモニウムの燃焼速度が更に向上する。また、粉末状微結晶炭素自身も還元剤として寄与するため、ガス化率を向上させる機能も発揮される。粉末状微結晶炭素が燃焼速度を向上させる要因としては、粉末状微結晶炭素は大きな比表面積を有すると共に、酸性及び塩基性の表面官能基を有する点が挙げられる。
この粉末状微結晶炭素としては、活性炭、木炭、コークス、獣炭、骨炭、瀝青炭、カーボンブラック等が挙げられる。粉末状微結晶炭素の中でも、硝酸アンモニウムとの反応性の高い活性炭が好ましい。粉末状微結晶炭素の含有量は0.5〜7質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。粉末状微結晶炭素の含有量が0.5質量%未満の場合には、硝酸アンモニウムの燃焼速度を十分に増大させることができない。一方、7質量%を越える場合には、燃焼温度を抑えることが難しくなる。
粉末状微結晶炭素の平均粒子径は0.01〜300μmであることが好ましく、0.01〜100μmであることがより好ましく、0.01〜50μmであることが特に好ましい。この平均粒子径が0.01μm未満の場合、取扱いが困難となる傾向にある。一方、平均粒子径が300μmを越える場合、硝酸アンモニウムに対する分散性が悪くなり、硝酸アンモニウムの燃焼速度が遅くなる傾向にある。
粉末状微結晶炭素の比表面積は大きいほど燃焼速度が高くなるので好ましく、特に限定されないが、100〜3000m2/gが好ましい。粉末状微結晶炭素の比表面積が100m2/g未満の場合、硝酸アンモニウムの燃焼速度が遅くなる傾向にある。一方、粉末状微結晶炭素の比表面積が3000m2/gを越える場合、粉末状微結晶炭素の製造性が悪くなる傾向にある。
硝酸アンモニウムにアルカリ金属含有有機化合物と粉末状微結晶炭素の両方を添加した場合には、アルカリ金属が粉末状微結晶炭素に対する触媒としても作用し、有機化合物部分が燃料として作用するため、硝酸アンモニウムと粉末状微結晶炭素だけのときよりも更に大幅な燃焼速度の向上効果が得られる。
前記の特許文献3においては粉末状微結晶炭素の割合が4質量%未満になると燃焼速度が低下すると記載されており、また前記特許文献2においては5〜10質量%が好ましいと記載されているが、本発明においては活性炭が3質量%でも速い燃焼速度を得ることができる。
一般に燃焼温度が高いほど燃焼速度は向上するが、同時に燃焼温度が高いと後述する火薬組成物が装填されているケース等がその熱により破損したり、自動車乗員保護用のガス発生剤においては発生ガスが高温となり、その熱で乗員が悪影響を受けたりする可能性があるために、燃焼温度を低下させる必要がある。一方、燃焼温度が低すぎるとエネルギー不足となって燃焼の安定性が低下したり、途中で立ち消えを起こしたりする。硝酸アンモニウムを燃焼させた際、その燃焼温度は好ましくは1200〜2200Kであり、更に好ましくは1500〜2100Kである。燃焼温度が1200K未満のときには硝酸アンモニウムの燃焼速度が遅くなり、2200Kを越えるときには例えば自動車乗員保護用のガス発生装置に火薬組成物が装填されたときにそのガス発生装置に損傷を与えるおそれがある。
次に、火薬組成物は、硝酸アンモニウムと、前述した硝酸アンモニウムの燃焼促進剤つまりアルカリ金属含有有機化合物等とを含有するものである。火薬組成物において、硝酸アンモニウムの含有量は好ましくは60〜97質量%及びアルカリ金属含有有機化合物の含有量は好ましくは3〜40質量%である。硝酸アンモニウムの含有量が60質量%未満の場合又はアルカリ金属含有有機化合物の含有量が40質量%を越える場合には、硝酸アンモニウムの含有量が少なくなり過ぎてガス化率が低下する。一方、硝酸アンモニウムの含有量が97質量%を越える場合又はアルカリ金属含有有機化合物の含有量が3質量%未満の場合には、アルカリ金属含有有機化合物の含有量が減少するため、燃焼速度の向上や燃焼温度の抑制が不十分となる。
火薬組成物には、前記の硝酸アンモニウム、アルカリ金属含有有機化合物及び粉末状微結晶炭素のほかに、必要に応じて過塩素酸カリウムや硝酸カリウム等の補助酸化剤、硝酸グアニジン、アミノテトラゾール等のエネルギー物質、ジフェニルアミン等の安定剤、酢酸酪酸セルロース等の結合剤、ジブチルフタレート、クエン酸アセチルトリブチル等の可塑剤、ステアリン酸カルシウム等の成形補助剤、酸化銅や三酸化モリブデン等の触媒、その他の還元剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加剤としては公知のものを使用することができる。
火薬組成物は、前記の成分を混合して打錠機等で加圧成形したり、溶剤を添加して押出成形したり、噴霧乾燥して成形したり等する公知の製造方法で所定形状に成形することができる。また、硝酸アンモニウムを例えば水に溶かしてエマルションとし、乾燥、成形することができる。その際、アルカリ金属含有有機化合物はエマルション作製時に水に溶かしてもよいし、エマルション作成後に添加してもよい。
この火薬組成物は、ガス化率が高く、燃焼温度が低く、有害ガスを発生せず、かつ経済性に優れていることから、例えばガス発生剤、発射薬、推進薬、火工組成物として好ましいものである。火薬組成物は特に有害ガスを含まないこと、ガス化率が高いこと及び燃焼温度が低いこと等からガス発生剤としての用途に好適である。
ガス発生剤は、硝酸アンモニウムと、前述した硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有するものであり、その組成物の燃焼によってガスを発生するように構成されている。ガス発生剤の原料成分としては、前記硝酸アンモニウム及び燃焼促進剤以外に、必要に応じて燃料成分、高分子結合剤(バインダー)及びその他の添加剤が配合される。
燃料成分は特に限定されず、公知の燃料成分のいずれもが使用できる。具体的には、前記粉末状微結晶炭素のほか、例えば含窒素化合物等が挙げられる。含窒素化合物としては、ニトラミン化合物、グアニジン誘導体、テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体等が挙げられる。高分子結合剤は、燃料成分としての機能と、酸化剤及び燃料成分よりなる粉体成分を粒状(グレイン状)に成形する結合剤としての機能とを有するものである。このような高分子結合剤としては、例えばセルロース系高分子、ポリビニル系高分子、ポリエステル系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリ(メタ)アクリレート系高分子等が挙げられる。
その他の添加剤として可塑剤を配合させることができる。そのような可塑剤としては、高分子結合剤と相溶性の良いものであれば全て使用でき、例えばクエン酸アセチルトリブチル等の脂肪酸エステル、ジブチルフタレート等のフタル酸ジエステル、リン酸エステル等が挙げられる。更に、その他の添加剤として経時安定剤を配合させることができ、例えばジフェニルウレア又はその誘導体、エチルフェニルウレタン等のフェニルウレタン誘導体、ジフェニルウレタン又はその誘導体、ジフェニルアミン又はその誘導体、レゾルシノール等が挙げられる。更に、その他の添加剤として、スラグ形成剤を配合させることができる。スラグ形成剤の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸性白土、タルク、マイカ、二硫化モリブデン等が挙げられる。
このように構成されるガス発生剤は、エアバッグ用ガス発生器、プリテンショナー用ガス発生器等の自動車乗員保護用のガス発生装置に装填されて使用される。
さて、硝酸アンモニウムを燃焼させる場合には、例えば、まず硝酸アンモニウムにアルカリ金属含有有機化合物、具体的にはカルボン酸のアルカリ金属塩を加えて混合し、加圧して固形の成形物を作製する。そして、この成形物を着火し、燃焼させる。このとき、アルカリ金属含有有機化合物が硝酸アンモニウムの燃焼反応における燃焼触媒となり、硝酸アンモニウムの燃焼を速くするものと推測される。しかも、アルカリ金属含有有機化合物が硝酸アンモニウムの燃焼に必要な燃料となって燃焼を促す。その上、アルカリ金属含有有機化合物は生成熱が低いため、燃焼熱が抑制され燃焼温度の上昇が抑えられる。
以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。
・ 本実施形態の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤は、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分とするものである。そのアルカリ金属含有有機化合物が硝酸アンモニウムの燃焼時において、燃料になると共に、燃焼触媒となり、硝酸アンモニウムの燃焼速度を促進するものと考えられる。更に、アルカリ金属含有有機化合物は生成熱が低いことから、燃焼温度の上昇を抑制することができる。
・ また、アルカリ金属含有有機化合物は炭素数が2〜8の化合物であることが好ましく、その場合更に圧力指数を低くしたり、火薬組成物の安定性を向上させることができる。
・ アルカリ金属含有有機化合物は、カルボン酸のアルカリ金属塩であることが好ましく、その場合硝酸アンモニウムの燃焼時における生成熱がより低くなるため、燃焼温度の上昇を一層抑制することができる。
・ カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であることが好ましい。カルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩は、硝酸アンモニウムの燃焼時における生成熱が一層低く、燃焼促進作用も高いことから、上記の効果を向上させることができる。
・ カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のカリウム塩であることが好ましい。これらのカルボン酸のカリウム塩は、硝酸アンモニウムに対する燃焼促進作用に優れ、硝酸アンモニウムの燃焼速度を促進させることができる。
・ 硝酸アンモニウムの燃焼促進剤には、更に活性炭等の粉末状微結晶炭素が0.5〜7質量%含まれていることが好ましく、その場合、硝酸アンモニウムの燃焼速度を更に増大させることができると共に、ガス発生量を増大させることができる。
・ 加えて、硝酸アンモニウムの燃焼促進剤では、硝酸アンモニウムを燃焼させたときの燃焼温度が1200〜2200Kであり、燃焼温度の上昇を抑制することができる。
・ また、火薬組成物は、硝酸アンモニウムと、前記硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有するものである。従って、火薬組成物について、燃焼温度を低く抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼速度を促進することができる。
・ 火薬組成物では、硝酸アンモニウムの含有量が60〜97質量%及びアルカリ金属含有有機化合物の含有量が3〜40質量%であることが好ましく、その場合、硝酸アンモニウムの燃焼時における燃焼温度をより低く抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼速度を確実に促進させることができる。
・ また、ガス発生剤は、硝酸アンモニウムと、前記硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有し、その燃焼によってガスを発生するように構成されている。従って、ガス発生剤について、ガス発生時における燃焼温度を低く抑え、しかも有害ガスの発生を抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼速度を促進することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
(実施例1)
硝酸アンモニウム77.0質量%にフマル酸ナトリウム23.0質量%を加え、十分に均一になるように混合し、その混合物を150μmの篩に通した。得られた混合物3gを圧力370MPaでプレスし、火薬組成物となるストランド試料を作製した。尚、ストランド試料の燃焼がその端面に垂直に進行するように側面を燃焼抑制剤で被覆した。この試料を用いて後述する燃焼試験を行った。その結果を表1に示した。火薬組成物の原料に用いた硝酸アンモニウム〔住友化学(株)製の粒状硝安〕は、粉砕機にかけて粉砕してから篩目が150μmの篩を通したものである。また、原料として用いたフマル酸ナトリウムは乳鉢を用いて粉砕し同様に篩目が150μmの篩を通したものを使用した。
更に、燃焼温度を、NASA Lewis化学平衡計算プログラムSP-273に基づく理論燃焼計算から求め、その結果を表1に示した。
(燃焼試験)
燃焼速度は、チムニ型ストランド燃焼器を用いて測定を行った。すなわち、所定の圧力(19.6MPa及び7.35MPa)の窒素雰囲気下に前記のストランド試料をセットし、その一端をニクロム線により加熱着火し、ヒューズ切断法により線燃焼速度を算出した。
(実施例2〜16)
表1に示される組成を有する火薬組成物の原料を実施例1に準じて処理し、各ストランド試料を作製した。尚、実施例3〜16で用いた活性炭は、二村化学(株)製のグレードCAを用い、その平均粒子径は25μm、比表面積は1000〜1200m2/gである。
尚、前記実施例1及び実施例2〜16の各ストランド試料は、全て酸素バランスが0g/gとなるように各成分の含有量を設定した。そして、各ストランド試料を用いて前記の燃焼試験を行い、また燃焼温度についてもそれぞれ実施例1と同じ理論燃焼計算を行った。それぞれの結果を表1に示した。
Figure 2006076832
(比較例1)
実施例1で用いた硝酸アンモニウムのみを使用してストランド試料を作製した以外は、実施例1に準じて燃焼試験を行ったが、低圧(7.35MPa)試験で燃焼途中に立ち消えとなった。硝酸アンモニウム自体の燃焼温度も併せて表2に示した。
(比較例2〜10)
表2に示した各組成について、実施例1に準じて処理し、比較例5を除いてそれぞれストランド試料を作製した。それぞれのストランド試料を用いて前記の燃焼試験を行い、また理論燃焼計算により燃焼温度を求めた。それぞれの結果を表2に示した。
尚、比較例4の燃焼温度は特許文献2の値を、比較例5の燃焼温度は特許文献1の値をそれぞれ使用した。
Figure 2006076832
表1に示す結果から、アルカリ金属含有有機化合物を含む実施例1及び2と、これを含まない比較例1及び2とを比較した場合、アルカリ金属含有有機化合物を用いると(実施例1及び2)、硝酸アンモニウムの燃焼速度が顕著に増加していることが明らかである。これに対し、アルカリ金属含有有機化合物を含まない比較例1及びカルボン酸としてフマル酸を用いた比較例2では、燃焼途中で立ち消えとなっている。
また、活性炭を更に含む実施例3〜16と、活性炭を含んでいてもアルカリ金属含有有機化合物を含まない比較例3とを比べた場合、燃焼圧力が19.3MPa又は7.35MPaの一方又は双方で実施例3〜16の方が比較例3より燃焼速度が向上しており、更に燃焼温度も低下していることが示された。
従来技術の組成である比較例4では、燃焼速度が速いものの、燃焼温度が高く(2392K)、同じく従来技術である比較例5は燃焼温度が高い結果であった(2476K)。また、実施例3と比較例6とを比較した場合、アルカリ金属を含有した有機酸でなければ燃焼速度の向上効果がないことが明らかになった。
更に、活性炭の含有量が1.0質量%の場合(実施例15)、燃焼速度が十分に向上しており、燃焼温度も抑制されている。活性炭の含有量が5.0質量%の場合(実施例16)には、燃焼温度は若干高いが、燃焼速度は十分に向上している。加えて、カルボン酸のアルカリ土類金属塩を用いた場合(比較例7)及びカルボン酸の鉄塩を用いた場合(比較例8)には、燃焼速度を十分に向上させることができなかった。無機塩を用いた場合(比較例9、10)にも、燃焼速度を十分に向上させることができなかった。
(実施例17、比較例7)
実施例17として実施例3の組成物についてのガス発生量及び発生ガス中に占める一酸化炭素(COガス)、窒素酸化物(NOxガス)及び塩化水素(HClガス)の割合を理論燃焼計算から求めて表3に示した。また、比較例11として比較例4の組成物についてのガス発生量及び発生ガス中に占める一酸化炭素(COガス)、窒素酸化物(NOxガス)及び塩化水素(HClガス)の割合を理論燃焼計算から求めて表3に示した。
Figure 2006076832
表3の結果から、実施例3の組成物のガス発生量及び発生ガス中に占める有害ガスの割合は、比較例4の従来のガス発生剤用組成物とほぼ同じであり、実施例3の組成物はガス発生剤として使用できることが明らかとなった。
尚、本実施形態は、次のように変更して実施することも可能である。
・ 硝酸アンモニウムの燃焼促進剤として、アルカリ金属含有有機化合物を、燃焼速度と燃焼温度とが最適になるように、複数組合せて使用することもできる。
更に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 粉末状微結晶炭素は活性炭である請求項6又は請求項7に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。このように構成した場合、硝酸アンモニウムとの反応性を高めることができる。
・ 前記粉末状微結晶炭素の含有量は0.5〜7質量%であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。このように構成した場合、硝酸アンモニウムの燃焼速度を更に増大させることができると共に、ガス発生量を増大させることができる。
・ 硝酸アンモニウムに、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤を配合し、着火させて燃焼させることを特徴とする硝酸アンモニウムの燃焼促進方法。この方法によれば、燃焼温度を低く抑えつつ、硝酸アンモニウムの燃焼速度を促進させることができる。

Claims (10)

  1. 硝酸アンモニウムを燃焼させる際にその燃焼を促進させるための硝酸アンモニウムの燃焼促進剤であって、アルカリ金属含有有機化合物を有効成分とすることを特徴とする硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  2. 前記アルカリ金属含有有機化合物は、炭素数が2〜8の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  3. 前記アルカリ金属含有有機化合物は、カルボン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  4. 前記カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のナトリウム塩又はカリウム塩であることを特徴とする請求項3に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  5. 前記カルボン酸のアルカリ金属塩は、フマル酸、コハク酸、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、ソルビン酸、マロン酸及びリンゴ酸から選ばれるカルボン酸のカリウム塩であることを特徴とする請求項4に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  6. 更に粉末状微結晶炭素を含有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  7. 硝酸アンモニウムを燃焼させた際、その燃焼温度が1200〜2200Kであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤。
  8. 硝酸アンモニウムと、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有することを特徴とする火薬組成物。
  9. 前記硝酸アンモニウムの含有量が60〜97質量%及びアルカリ金属含有有機化合物の含有量が3〜40質量%であることを特徴とする請求項8に記載の火薬組成物。
  10. 硝酸アンモニウムと、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の硝酸アンモニウムの燃焼促進剤とを含有し、その燃焼によってガスを発生するように構成されていることを特徴とするガス発生剤。
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