JPH1192264A - エアバッグ用ガス発生剤組成物 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生剤組成物

Info

Publication number
JPH1192264A
JPH1192264A JP24890497A JP24890497A JPH1192264A JP H1192264 A JPH1192264 A JP H1192264A JP 24890497 A JP24890497 A JP 24890497A JP 24890497 A JP24890497 A JP 24890497A JP H1192264 A JPH1192264 A JP H1192264A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas generating
nitrate
generating composition
composition
binder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24890497A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyouki Shiyuu
興喜 周
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP24890497A priority Critical patent/JPH1192264A/ja
Publication of JPH1192264A publication Critical patent/JPH1192264A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時の発生ガスの量が多く、且つ有毒性の
COガス及びNOXガスの濃度を少なくし、更に固形及
び液体粒子(残渣)の生成量を少なくし、ガス発生器自
体の小型化・軽量化を可能としたエアバッグ用ガス発生
剤組成物の提供。 【解決の手段】 相安定化硝安(PSAN)を含む酸化
剤と、バインダー兼燃料とする有機化合物を含む混合物
12.5〜30重量%と、組成物の燃焼性能を調整するための
含窒素化合物とを必須成分として含有する低残渣ガス発
生剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアバッグ用ガス
発生剤組成物に関する。詳しくは自動車などの交通機関
(乗物)に搭載される、人体保護のためのエアバッグシ
ステムにおいて、その作動ガスとなる(低残渣の)燃焼
ガスを発生させる為のエアバッグ用ガス発生剤組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車などの交通機関(乗物)に
搭載されたエアバッグシステム用のガス発生剤組成物と
しては、アジ化ナトリウムを主剤とするものが最も代表
的である。しかしアジ化ナトリウムは、取扱い時の危険
性等の好ましくない特性を有している。
【0003】このようなアジ化ナトリウムの欠点を克服
するために、非アジド系ガス発生剤の開発が望まれてお
り、今までにも多くの非アジド系の組成物が提案されて
きている。
【0004】一般に非アジド系の化合物としては、窒素
含有量の多い有機化合物が用いられている。例えば、U
SP4,909,549号には水素を含むテトラゾール、トリア
ゾール化合物と酸素含有酸化剤との組成物が、USP4,
369,079号には水素を含まないビテトラゾールの金属塩
と酸素含有酸化剤との組成物が、また特開平6−239683
号にはカルボヒドラジドと酸素含有酸化剤との組成物が
開示されている。
【0005】しかし、これらの非アジド系燃料を用いる
場合、酸化剤や触媒として大量の金属塩、金属酸化物な
ど金属化合物が必須となる。このような組成物では、ア
ジド系の組成物と比べて毒性面での改善は見られるもの
の、イクゾースト生成物(燃焼ガス)の中に大量の金属
化合物が固体や液体状となった残渣が形成されるため、
ガス発生効率において満足できるものではない。ガス発
生効率が低いとガス発生剤組成物を大量にガス発生器に
装填しなければならない。
【0006】また、燃焼直後の高い温度の固体及び液体
状の残渣がバッグに直接接触すると、バッグを損傷する
恐れがあるため、そのような残渣を遮断するために、金
属網フィルターなどの付加の部品が必要となる。
【0007】従って残渣を大量に形成し、ガス発生効率
の低いガス発生剤組成物では、ガス発生器自体の軽量化
及び小型化は不可能である。
【0008】酸化剤として非金属化合物の過塩素酸アン
モニウムや硝酸アンモニウム(硝安)を用いた場合も、
燃焼時には全部がガスになるため残渣の低減及び発生ガ
ス効率の向上に有利である。しかし、多量の過塩素酸ア
ンモニウムを含有する組成物を燃焼させると、人及び環
境に対する許容値を遙かに超える量の塩酸ガスが発生す
る恐れがある。また硝安は、その相転移温度の一つが常
温領域(約32℃)にあり、当該転移点を通過する際に大
きな体積変化が発生する。成型体の大きな体積変化は組
成物の性能不安定を招くため、体積変化の大きい硝安を
含有する組成物は、さまざまな温度変化に晒される自動
車用エアバッグ使用環境には適当ではない。
【0009】この硝安の欠点に対する一つの対策は、硝
安の相転移点のシフトと体積変化抑制ができる相安定化
剤を硝安に添加することである。
【0010】WO95/04710号には、相安定化硝安(P
SAN)、トリアミノグアニジン硝酸塩のような含窒素
化合物燃料と0〜12%有機ポリマーバインダーを含有す
るガス発生剤組成物が開示されている。またUSP5,54
5,272号とWO96/27574号には、35〜55重量%ニトログ
アニジンと45〜65重量%PSANを必須成分として、組
成物の融点を 100℃以上にしたガス発生剤組成物が開示
されている。
【0011】ミサイルに搭載する小型発電機の駆動電力
源などに使用するために、硝安を主剤にして、金属化合
物が少量添加又は添加しない高圧ガス発生剤組成物も研
究され、実用されていた。一般的にこのようなガス発生
剤組成物は硝安を酸化剤にして、ゴム、樹脂などポリマ
ー化合物を燃料兼バインダーとし、更に数%のバリスチ
ック調整剤、燃焼調整剤などを添加して構成される。例
えば、米国航空宇宙研究所(AIAA)の資料(AIA
A−87−2186)により、米国のHarpoon Starter Cartri
dgeには硝安/酢酸セルロース/クエン酸アセチルトリ
エチル/ジニトロフェノキシエタノール/バルビツール
酸ナトリウム/カーボンブラック/トルエンジアミンな
ど(各添加量− 60.80/11.00 /10.75 /10.25 /3.00
/3.00/1.20)から構成された組成物を装填したことが
知られている。この組成物には、硝安が酸化剤、酢酸セ
ルロースとクエン酸アセチルトリエチルがバインダー/
可塑剤である燃料兼バインダー混合物、ジニトロフェノ
キシエタノールがバリスチック調整剤、バルビツール酸
ナトリウムが燃焼調整剤、カーボンブラックが熱輻射拡
散剤、トルエンジアミンが安定剤として機能する。但し
このような組成物は、毒性の高いCOガスの生成が予想
されるため、エアバッグ用ガス発生剤には適用できな
い。例えば、上記のHarpoon Starter Cartridge用組成
物は、理論計算より燃焼時に22.7mol %のCOガス、2
6.5%の水素ガスが生成すると推定される。このCOガ
スと水素ガスの濃度はいずれも爆発限界範囲に入り、極
めて危険である。
【0012】エアバッグ用ガス発生剤は人体や環境に対
して安全であるだけでなく、燃焼によって発生するガス
の量が多く、また固体及び液体の粒子(残渣)の生成量
即ち金属化合物の生成量が少なく、更に温度変化に対し
て安定であるという特性を有するものが望まれる。した
がって、上記のような公知のガス発生剤組成物は、エア
バッグシステムへの応用に関してはまだ満足すべきもの
とはいえない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エア
バッグにとって好ましくない特性を、実用レベルにまで
低減したガス発生剤組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、相安定化硝安
(PSAN)を含む酸化剤と、12.5〜30重量%のバイン
ダー兼燃料とする有機化合物又は混合物と、組成物の燃
焼性能を調整するための含窒素化合物とを必須成分とし
て含有することを特徴とするエアバッグ用ガス発生剤組
成物を提供するものである。
【0015】本発明のエアバッグ用ガス発生剤組成物で
は、PSANを含む酸化剤と、12.5〜30重量%の
バインダー兼燃料の有機化合物又は混合物と、35重量%
以下の含窒素化合物とをガス発生剤組成物の主剤として
燃焼させることにより、大量のガスを発生させ、かつ金
属化合物から成る残渣の生成をごく少量に抑えることが
できる。その結果、本発明のガス発生剤組成物を用いた
ガス発生器は、従来のガス発生器より大幅に小型化、軽
量化することが可能である。また、本発明のエアバッグ
用ガス発生剤組成物は、化学量論組成に近い組成物であ
るために、該組成物の酸素バランスが従来の硝安系ガス
発生剤組成物より著しく改善されており、燃焼の際に生
成するCOガスの濃度を低レベルに抑えることができ
る。
【0016】更に本発明は、35重量%以下の含窒素化合
物を添加することにより、組成物の燃焼性能(燃焼速
度、燃焼生成物の組成など)を適宜調整することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】相安定化硝安(PSAN)は、硝
安と一定量の相安定化剤の混合物を適当な物理的方法、
例えば、硝安と相安定化剤の水溶液を加熱下で蒸発・乾
燥させる等の処理により得られる。相安定化剤としては
熱水に溶ける硝酸カリウム、過塩素酸カリウム、塩素酸
カリウム、クロム酸カリウム、重クロム酸カリウム、過
マンガン酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、弗
化カリウムなどのカリウム塩を例として挙げることがで
きる。相安定化硝安(PSAN)には固化防止剤を添加
しても良い。固化防止剤の添加量は、相安定化硝安(P
SAN)に対して、約0.1 〜約 1.0重量%の範囲である
ことが望ましい。固化防止剤としては、酸化マグネシウ
ム、粉末シリカなどを例として挙げることができる。
【0018】硝安と相安定化剤の混合比率は、燃焼時の
残渣が実用上問題にならない範囲で適宜設定できるが、
硝安/相安定化剤=約98/2〜約70/30(重量比)の範
囲であることが望ましい。
【0019】本発明では、酸化剤として、PSANに更
に酸素含有酸塩及び/又は金属酸化物を加えたものを用
いることにより、組成物の燃焼速度を広い範囲から適宜
選択できる。酸化剤の配合量は、ガス発生剤組成物に対
して、約35〜約88重量%の範囲であることが望ましい。
酸素含有酸塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属の硝酸塩又は過塩素酸塩などを挙げることができる。
【0020】アルカリ金属、アルカリ土類金属の硝酸塩
又は過塩素酸塩としては、過塩素酸カリウム、塩素酸カ
リウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロン
チウム等が挙げられる。
【0021】金属酸化物としては、酸化銅、酸化コバル
ト、酸化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化クロ
ム、酸化バナジウム、酸化モリブデンまたはその複合酸
化物などを挙げることができる。
【0022】酸素含有酸塩及び/又は金属酸化物の配合
量は、燃焼時の残渣が実用上問題にならない範囲で燃料
との組み合わせに応じ適宜設定できるが、通常PSAN
と燃料(バインダー混合物及び含窒素化合物)の合計量
に対して、25重量%以下、好ましくは 0.1〜20重量%程
度であればよい。
【0023】本発明のガス発生剤組成物は、燃焼によっ
て生成するガス平衡を十分考慮する為に、化学量論組成
に近くであることが必須条件の一つである。一般的にガ
ス発生剤組成物 100g当たりの酸素バランスを−10g〜
+10gの範囲に適宜設定できるが、好ましくは−5g〜
+5gの範囲である。
【0024】バインダー兼燃料である有機化合物を含む
混合物は、通常、ガス発生剤組成物の成型性と機械性能
(強度など)を充分な程度に持つためのバインダー、バ
インダーの操作性及び流動性を改善するためとする可塑
剤、該バインダーと可塑剤との間の結合を改善するため
の表面調整剤などから構成される。勿論、バインダー兼
燃料である有機化合物だけを単独で用いることもでき
る。
【0025】本発明では、バインダー兼燃料である有機
化合物として、エネルギー性バインダー及び非エネルギ
ー性バインダーを用いることができる。
【0026】エネルギー性バインダーとしては、アジド
メチルメチルオキセタン、グリシジルアジ化ポリマー
(GAP)、3,3 −ビス(アジドメチル)オキシメタン
のポリマー、3−ナイトレートメチル−3−メチルオキ
シメタンのポリマー、ニトロセルロースなどを挙げるこ
とができる。
【0027】非エネルギー性バインダーとしては、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)のナトリウム塩、酢
酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CA
B)、メチルセルロース(MC)、ヒトロキシルエチル
セルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PV
P)、ポリヴィニルアルコール(PVA)及びその変性
物、ポリアクリルアミド(PAA)、ポリアクリルヒド
ラジド(APAH)、ヒドロキシ末端ポリブタジエン
(HTPB)、カルボキシ末端基ポリブタジエン(CT
PB)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテ
ル、ポリスクシネート、ポリウレタン、熱可塑ゴム類、
有機シリコーン類などを挙げることができる。
【0028】可塑剤としてはトリメチルオルエタントリ
ニトレート(TMETN)、トリアセチン、ジイソオク
チルアジペート、ペラルゴン酸イソデシル、グリシジル
アジ化ポリマー(GAP)等が挙げられる。バインダー
混合物に可塑剤を使用する場合は、バインダー/可塑剤
の重量比率が1/1〜20/1であることが好ましい。
【0029】表面調節剤としては、トリエタノールアミ
ン、アジリジン化合物、アルキルアミノシラン系化合物
等が挙げられる。バインダー兼燃料である有機化合物を
含む混合物の含量は、そのエネルギー含量及び必要な成
形性によって適宜設定できるが、表面調節剤を添加する
場合は、好ましい量はガス発生剤組成物の全体量に対し
て、約2重量%以下である。
【0030】有機系バインダー又は混合物の含量は、そ
のバインダー又は混合物のエネルギー性含量及び組成物
に必要な成形性によって適宜設定できるが、組成物に対
して約30重量%以下、好ましくは12.5〜25重量%であ
る。
【0031】本発明のもう一つの特徴は、含窒素化合物
を添加することにより、ガス発生剤組成物の燃焼性能
(燃焼速度、燃焼生成物など)を調整することが出来る
ことである。このような含窒素化合物としては、グアニ
ジンの硝酸塩又は過塩素酸塩、アミノグアニジンの硝酸
塩又は過塩素酸塩、ジアミノグアニジンの硝酸塩又は過
塩素酸塩、トリアミノグアニジンの硝酸塩又は過塩素酸
塩、トリアゾールの誘導体及びその硝酸塩又は過塩素酸
塩、テトラゾールの誘導体及びその硝酸塩又は過塩素酸
塩、メラミンの硝酸塩又は過塩素酸塩、N’−ニトロ−
N−アミノグアニジン及びその硝酸塩又は過塩素酸塩、
エチレンジアミンの硝酸塩又は過塩素酸塩、窒化金属化
合物などが挙げられる。窒化金属化合物としては、窒化
珪素、窒化亜鉛、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
好ましくは窒化珪素(Si34)を使用する。
【0032】この含窒素化合物の配合量は、含窒素化合
物の種類と酸素バランス、バインダー兼燃料とする有機
化合物又は混合物のエネルギー性含量及び使用量などに
よって適宜設定できる。窒化金属化合物の配合量は、燃
焼時の残渣の生成が実用上問題にならない範囲で選択さ
れ、好ましくはガス発生剤組成物の全体量に対して、10
重量%以下である。酸素バランスが0に近い含窒素化合
物なら、その配合量は、該ガス発生剤組成物に対して35
重量%以下で、好ましくは 0.5〜30重量%である。
【0033】本発明は、組成物の熱安定性、機械性能が
実用上許容される範囲であれば、組成物に燃焼促進剤を
添加しても良い。燃焼促進剤としては、フェロセン誘導
体、カーボンブラック、バルビツール酸ナトリウム、重
クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウムなどを挙げ
ることができる。燃焼促進剤の配合量は、好ましくはガ
ス発生剤組成物に対して約5重量%以下である。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0035】尚、例中の%は特記しない限り重量基準で
ある。
【0036】合成例1(相安定化硝安の製造) 攪拌しながら、硝安(ANと略す、ナカライテスク株式
会社化学純試薬品)90%と過塩素酸カリウム(KClO
4)(日本カーリット株式会社製)10%の混合物を充分
量の蒸留水(60℃)に溶解させて、得た溶液を約90℃の
熱乾燥器(減圧乾燥器でもよい)に入れて、水分を蒸発
させる。大部分の水分が蒸発したら、生成した固形分を
ステンレストレイに薄く分布させて、約90℃でよく乾燥
させる。乾燥したものを集めて、 300μmのふるいを通
るように乳鉢で粉砕し、相安定化硝安(以下にPSAN
K10と記す)を得た。TG−DTA(熱重量分析−示差
熱分析同時測定)により相安定化硝安の生成を確認し
た。
【0037】実施例1 合成例1で得られたPSANKP10(AN/KClO4
−90/10)80.6%、二酢酸セルロース(CAと略す、ダ
イセル化学工業株式会社製)12.5%、グアニジン硝酸塩
(GNと略す、化学純試薬品、ナカライテスク株式会
社) 6.4%及び酸化銅(日進ゴム株式会社製) 0.5%を
配合した組成物の粉末を乾式でよく混合し、油圧シリン
ダーで粉末品を 100kg/cm2 の圧力下、高さ約12.7mm、
径約10mmのストランドに圧搾成型した。ストランドは不
燃性エポキシ系樹脂でコーチングした。70kg/cm2 の窒
素圧力の下で燃焼速度測定を行ったところ、このストラ
ンドは 4.3mm/s の燃焼速度を示していた。この組成物
は、理論燃焼温度は2323Kであり、理論残渣量(組成物1
00gあたりから生成する金属化合物の量)は 4.5gであ
る。
【0038】実施例2 合成例1で得られたPSANKP10 73.55%、CMC
(ダイセル化学工業株式会社製)12.5%及びGN(化学
純試薬品、ナカライテスク株式会社) 13.95%を配合し
た組成物を乾式でよく混合する。実施例1と同様の方法
でストランドを作成した。このストランドの70kg/cm2
の窒素圧力の下で測定した燃焼速度は7.7mm /s であっ
た。この組成物は、理論燃焼温度は2314Kであり、理論
残渣量は 5.4gである。
【0039】実施例3 合成例1で得られたPSANKP10 73.3%、CMC
(ダイセル化学工業株式会社製)12.5%、GN(化学純
試薬品、ナカライテスク株式会社)13.7%及び酸化銅
(日進ゴム株式会社製) 0.5%を配合した組成物を乾式
でよく混合する。実施例1と同様の方法でストランドを
作成した。このストランドの70kg/cm2 の窒素圧力の下
で測定した燃焼速度は 7.9mm/s であった。この組成物
は、理論燃焼温度は2305Kであり、理論残渣量は 5.8g
である。
【0040】従来組成物の性能と比較するために、理論
燃焼計算を行って、その結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】備考:比較例1(AIAA−87−2186)
の、ATCはクエン酸アセチルトリエチルを指し、DN
PEはジニトロフェノキシエタノールを指し、NabB
arはバルビツール酸ナトリウムを指し、Cはカーボン
ブラックを指し、TDAはトルエンジアミンを指す。比
較例2(USP4,909,549号)の、5-ATは5-アミノ-
テトラゾールを指し、APは過塩素酸アンモニウムを指
し。NaNO3は硝酸ナトリウムを指す。
【0043】
【発明の効果】本発明は相安定化硝安(PSAN)を含
んだ混合物を酸化剤とし、12.5〜30重量%のバインダー
兼燃料とする有機化合物又は混合物と、組成物の燃焼性
能を調整するための含窒素化合物とを必須成分として含
有することにより、有毒ガスであるCOガス及びNOx
ガスの発生を少なくし、且つ、金属化合物の生成(固形
残渣)量を小さくし、ガス発生器自体の小型化・軽量化
が可能なエアバッグ用安定性能を持つガス発生剤組成物
を実現している。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)成分、(b)成分及び
    (c)成分を必須成分として含有することを特徴とする
    エアバッグ用ガス発生剤組成物。 (a)相安定化硝安を含む酸化剤、 (b)12.5〜30重量%のバインダー兼燃料とする有機化
    合物を含む混合物、 (c)35%重量以下で、組成物の燃焼性能を調整するた
    めの含窒素化合物
  2. 【請求項2】 相安定化硝安を含む酸化剤が、相安定化
    硝安と酸素含有酸塩及び/又は金属酸化物の混合物であ
    る請求項1記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  3. 【請求項3】 酸素含有酸塩がアルカリ金属、アルカリ
    土類金属の硝酸塩又は過塩素酸塩からなる群から選ばれ
    る少なくとも一種である請求項2記載のエアバッグ用ガ
    ス発生剤組成物。
  4. 【請求項4】 金属酸化物が酸化銅、酸化コバルト、酸
    化鉄、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化クロム、酸化
    バナジウム、酸化モリブデンまたは複合金属酸化物から
    なる群から選ばれる少なくとも一種である請求項2又は
    3記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  5. 【請求項5】 相安定化硝安が、硝安98〜70重量%と約
    2〜30重量%の相安定化剤との混合物である請求項1〜
    4の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  6. 【請求項6】 相安定化剤が無機若しくは有機カリウム
    塩化合物である請求項1〜5の何れか一項記載のエアバ
    ッグ用ガス発生剤組成物。
  7. 【請求項7】 バインダー兼燃料とする有機化合物とし
    て、エネルギー性もしくは非エネルギー性バインダーを
    用いた請求項1〜6の何れか一項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生剤組成物。
  8. 【請求項8】 エネルギー性バインダーが、アジドメチ
    ルメチルオキセタン、グリシジルアジ化ポリマー、3,3
    −ビス(アジドメチル)オキシメタンポリマー、3−ナ
    イトレートメチル−3−メチルオキシメタンポリマー、
    ニトロセルロースからなる群から選ばれる少なくとも一
    種である請求項7記載のエアバッグ用ガス発生剤組成
    物。
  9. 【請求項9】 非エネルギー性のバインダーが、ポリア
    クリルアミド、ポリアクリルヒドラジド、ヒドロキシ末
    端ポリブタジエン、カルボキシ末端基ポリブタジエン、
    ニトロ基を有さないセルロース系化合物、ポリカーボネ
    ート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリスクシネー
    ト、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、熱可塑ゴム
    類、エポキシ樹脂、シリコーン類からなる群から選ばれ
    る少なくとも一種である請求項7記載のエアバッグ用ガ
    ス発生剤組成物。
  10. 【請求項10】 含窒素化合物がグアニジンの硝酸塩又
    は過塩素酸塩、アミノグアニジンの硝酸塩又は過塩素酸
    塩、ジアミノグアニジンの硝酸塩又は過塩素酸塩、トリ
    アミノグアニジンの硝酸塩又は過塩素酸塩、トリアゾー
    ルの誘導体及びその硝酸塩又は過塩素酸塩、テトラゾー
    ルの誘導体及びその硝酸塩又は過塩素酸塩、メラミンの
    硝酸塩又は過塩素酸塩、N’−ニトロ−N−アミノグア
    ニジン及びその硝酸塩又は過塩素酸塩、エチレンジアミ
    ンの硝酸塩又は過塩素酸塩、窒化金属化合物からなる群
    から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜9の何れ
    か一項記載のエアバッグ用ガス発生剤組成物。
  11. 【請求項11】 更に5重量%以下で、フェロセン誘導
    体、カーボンブラック、バルビツール酸ナトリウム、重
    クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウムからなる群
    から選ばれる少なくとも一種の燃焼促進剤を含有する請
    求項1〜10の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生
    剤組成物。
JP24890497A 1997-09-12 1997-09-12 エアバッグ用ガス発生剤組成物 Pending JPH1192264A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24890497A JPH1192264A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 エアバッグ用ガス発生剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24890497A JPH1192264A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 エアバッグ用ガス発生剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1192264A true JPH1192264A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17185169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24890497A Pending JPH1192264A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 エアバッグ用ガス発生剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1192264A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018705A1 (en) * 1998-09-28 2000-04-06 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator composition
WO2001066494A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-13 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Composition pour generateur de gaz destine a un airbag
WO2002044109A3 (fr) * 2000-12-01 2002-08-15 Nippon Kayaku Kk Agent de production de gaz et generateur de gaz
US6682616B1 (en) 1999-06-17 2004-01-27 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generating composition for use in a pretensioner
JP2009137815A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Daicel Chem Ind Ltd ガス発生剤組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000018705A1 (en) * 1998-09-28 2000-04-06 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generator composition
US6682616B1 (en) 1999-06-17 2004-01-27 Daicel Chemical Industries, Ltd. Gas generating composition for use in a pretensioner
EP1205459A4 (en) * 1999-06-17 2011-05-04 Daicel Chem GAS-CREATING COMPOSITION FOR BELTS
WO2001066494A1 (fr) * 2000-03-10 2001-09-13 Nippon Kayaku Kabushiki-Kaisha Composition pour generateur de gaz destine a un airbag
WO2002044109A3 (fr) * 2000-12-01 2002-08-15 Nippon Kayaku Kk Agent de production de gaz et generateur de gaz
JP2009137815A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Daicel Chem Ind Ltd ガス発生剤組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6468369B1 (en) Gas generating composition for air bag
US6306232B1 (en) Thermally stable nonazide automotive airbag propellants
EP0880485B1 (en) Nonazide gas generating compositions
US5783773A (en) Low-residue azide-free gas generant composition
KR100411997B1 (ko) 저잔류 아지드-유리 가스 발생체 조성물
US5542999A (en) Gas-generating mixture
JP2698553B2 (ja) 燃料としてジシアナミドを用いるガス発生組成物
US6093269A (en) Pyrotechnic gas generant composition including high oxygen balance fuel
WO1999046009A2 (en) Smokeless gas generant compositions
JP2002537218A (ja) ジニトラミド系液体モノ推進剤
US20060219340A1 (en) Gas generating system
EP1068165A2 (en) Burn rate-enhanced high gas yield non-azide gas generants
JPH11343192A (ja) アジド化合物を含まないガス生成用組成物
JP2002528373A (ja) モノおよびポリアミノグアニジンジニトレートを含む単元推進薬および推進薬組成物
US5663524A (en) Gas generating mixture containing copper diammine dinitrate
US20020195181A1 (en) Solid smokeless propellants and pyrotechnic compositions for rocket and gas generation systems
JP3641343B2 (ja) 低残渣エアバッグ用ガス発生剤組成物
JPH1192264A (ja) エアバッグ用ガス発生剤組成物
EP1177158A2 (en) Liquid monopropellants for passive vehicle occupant restraint systems
JPH10297991A (ja) 低残渣エアバッグ用ガス発生剤組成物
US6964715B2 (en) High impetus, high burn rate gas generant propellant and seatbelt pretensioner incorporating same
JP2002519278A (ja) 高酸素バランス燃料を含んでなる着火式気体発生組成物
JP2006076832A (ja) 硝酸アンモニウムの燃焼促進剤並びにそれを用いた火薬組成物及びガス発生剤
JPH09100191A (ja) ガス発生剤組成物
MXPA01003013A (en) Monopropellant and propellant compositions including mono and polyaminoguanidine dinitrate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040401

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060817

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060829

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070109

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02