JPH08207695A - エアバッグ用ガス発生剤 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生剤

Info

Publication number
JPH08207695A
JPH08207695A JP7016989A JP1698995A JPH08207695A JP H08207695 A JPH08207695 A JP H08207695A JP 7016989 A JP7016989 A JP 7016989A JP 1698995 A JP1698995 A JP 1698995A JP H08207695 A JPH08207695 A JP H08207695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas generating
agent
containing organic
organic compound
generating agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7016989A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Onishi
淳一 大西
Shigeo Takahashi
滋男 高橋
Shigeru Sumitomo
茂 住友
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Otsuka Chemical Co Ltd filed Critical Otsuka Chemical Co Ltd
Priority to JP7016989A priority Critical patent/JPH08207695A/ja
Priority to EP96901510A priority patent/EP0763512A4/en
Priority to PCT/JP1996/000199 priority patent/WO1996023748A1/ja
Priority to TW85103821A priority patent/TW393449B/zh
Publication of JPH08207695A publication Critical patent/JPH08207695A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ガス発生剤の好ましい特性を維持
したまま、基剤の分解を防止し、基剤を長期間に亙り安
定に保持し得るエアバッグ用ガス発生剤を提供すること
を目的とする。 【構成】 本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、含窒素
有機化合物及び酸化剤を有効成分とし、更に該含窒素有
機化合物の分解を誘起する成分を含有するガス発生剤で
あって、含窒素有機化合物及び該含窒素有機化合物の分
解を誘起する成分の少なくとも一方がカップリング剤に
より表面処理を施されてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアバッグ用ガス発生
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の安全性に対する要求が一層高ま
る中、エアバッグシステムの需要は飛躍的に増大しつつ
ある。エアバッグシステムは、自動車が高速で衝突した
際、ハンドル又はダッシュボード内部に装着されたナイ
ロン製バッグ(エアバッグ)を膨脹させることにより、
乗員が車両内の各部に激突して死傷するのを防止しよう
とするものであり、バッグの膨脹には、該システムに装
填されたガス発生剤が燃焼又は分解して発生するガスが
利用される。
【0003】エアバッグ用ガス発生剤は、主に4つの要
件を満たすものが望ましい。第1の要件は「適度な燃焼
速度を有すること」である。燃焼速度が遅いとバッグが
瞬時に膨張せず、乗員を保護できない。第2の要件は
「衝撃着火性(衝撃に対する着火感度)が低いこと」で
ある。衝撃着火性が高いと混合や成型等の製造工程で爆
発や爆轟が起こり易く、取扱い上の危険性が大きい。第
3の要件は「ガス温度が低いこと」である。バッグは、
乗員を車外へ脱出させるため、膨脹後にガスを放出して
収縮するが、ガス温度が高いと乗員に火傷等を負わせる
ことがある。また、バッグに穴が開いて機能が低下した
り、バッグが燃焼して火災が起こることもある。第4の
要件は「ガス中のCO等の有毒成分濃度が低いこと」で
ある。有毒成分濃度が高いと、ガス放出の際に乗員がガ
ス中毒になる可能性がある。
【0004】現在汎用されている、アジ化ナトリウムを
ガス発生基剤とするアジド系ガス発生剤は、適度な燃焼
速度及び比較的低いガス温度を有し、ガスの大部分が窒
素ガスであるが、衝撃着火性がかなり高いという欠点が
ある。またガス発生基剤であるアジ化ナトリウムは分解
して火災を起こしたり又は有毒煙霧を出したり、更に酸
化剤と反応して酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム等の
有毒成分を生成するため、取扱いには常に厳重な注意を
要し、安全確保の設備が必須となる。また、アジ化ナト
リウムは吸湿により燃焼性能が低下するので、吸湿防止
のための対策を講じる必要がある。加えてアジ化ナトリ
ウムは劇毒性であるため、河川や海に落ちたエアバッグ
装着車からアジ化ナトリウムが漏出し、甚大な環境汚染
を引き起こす虞れもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−32689
号公報、特開平6−32690号公報及び特開平6−2
27884号公報には、本発明者の提案による、含窒素
有機化合物及び酸化剤を有効成分とする非アジド系ガス
発生剤が開示されている。該ガス発生剤はガス発生量が
多く、適度な燃焼速度を有し、ガス温度や衝撃着火性が
低く、爆発危険性や毒性も著しく低く、安価である。
【0006】しかしながら、上記非アジド系ガス発生剤
のガス発生基剤である含窒素有機化合物が、該発生剤に
含まれる他の成分によって分解され、ガス発生剤として
の性能が低下する虞れが残っている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非アジド系ガス発生
剤において、ガス発生基剤である含窒素有機化合物及び
/又は該ガス発生基剤以外の成分であって該ガス発生基
剤の分解を誘起する成分をカップリング剤で表面処理す
ることにより、ガス発生剤としての好ましい性質を維持
したまま該ガス発生基剤の分解を防止し、該ガス発生基
剤を長期間に亙って安定に保持し得ることを見い出し、
ここに本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、含窒素有機化合物及び酸
化剤を有効成分とし、更に該含窒素有機化合物の分解を
誘起する成分を含有するガス発生剤であって、含窒素有
機化合物及び該含窒素有機化合物の分解を誘起する成分
の少なくとも一方がカップリング剤により表面処理を施
されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生剤に
係る。
【0009】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、含窒
素有機化合物及び酸化剤を有効成分とする。
【0010】含窒素有機化合物としては、分子中に少な
くとも1個の窒素原子を含有する有機化合物を用いる。
具体的には、例えば、アミノ基含有有機化合物、ニトラ
ミン基含有有機化合物、ニトロソアミン基含有有機化合
物等を挙げることができる。アミノ基含有有機化合物の
具体例としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾ
ジカルボン酸の塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩等)、尿素、ヘキサメチレンテトラミン、重炭酸アミ
ノグアニジン、トリアミノグアニジン、ビウレット、シ
アノグアニジン、ニトログアニジン、ジシアンジアミ
ド、ヒドラジド類等を挙げることができる。ここでヒド
ラジド類としては公知のものが使用でき、例えば、アセ
トヒドラジド、1,2−ジアセチルヒドラジド、ラウリ
ン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、シュウ酸ヒド
ラジド、シュウ酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、ア
ジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド、ドデカン
ジオヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド、メチルカル
バゼート、セミカルバジド、ホルムヒドラジド、1,2
−ジホルミルヒドラジン等が挙げられる。ニトラミン基
含有有機化合物の具体例としては、例えば、ジニトロペ
ンタメチレンテトラミン、トリメチレントリニトロアミ
ン(RDX)、テトラメチレンテトラニトロアミン(H
MX)等の置換基としてニトラミン基を1個〜複数個有
する脂肪族化合物及び脂環式化合物を挙げることができ
る。またニトロソアミン基含有有機化合物の具体例とし
ては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
(DPT)等の置換基としてニトロソアミン基を1個〜
複数個有する脂肪族化合物及び脂環式化合物を挙げるこ
とができる。これらの中でも、アミノ基含有有機化合物
が好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。斯
かる含窒素有機化合物は1種を単独で使用してもよく又
は2種以上を併用してもよい。含窒素有機化合物は市販
品をそのまま使用してもよい。含窒素有機化合物の形
状、粒度等は制限されず、例えば、その配合量、各成分
との配合比率、エアバッグの容量等の各種の条件に応じ
て適宜選択すればよい。
【0011】酸化剤としては特に制限されず、従来から
当該分野で使用されるものから適宜選択すればよいが、
高温下で酸素を発生及び/又は供給し得るものが好まし
く、例えば、オキソハロゲン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、
金属過酸化物、超酸化物、オゾン化合物等を挙げること
ができる。
【0012】オキソハロゲン酸塩としては公知のものが
使用でき、例えば、過ハロゲン酸塩、ハロゲン酸塩等を
挙げることができる。過ハロゲン酸塩の具体例として
は、例えば、過塩素酸リチウム、過塩素酸カリウム、過
塩素酸ナトリウム、過臭素酸リチウム、過臭素酸カリウ
ム、過臭素酸ナトリウム等のアルカリ金属塩、過塩素酸
マグネシウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸カルシウ
ム、過臭素酸マグネシウム、過臭素酸バリウム、過臭素
酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩、過塩素酸アンモ
ニウム、過臭素酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が
挙げられる。ハロゲン酸塩の具体例としては、例えば、
塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、
臭素酸リチウム、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム等
のアルカリ金属塩、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウ
ム、塩素酸カルシウム、臭素酸マグネシウム、臭素酸バ
リウム、臭素酸カルシウム等のアルカリ土類金属塩、塩
素酸アンモニウム、臭素酸アンモニウム等のアンモニウ
ム塩等が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン酸及び
過ハロゲン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
【0013】硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等のアルカリ金属塩、硝
酸マグネシウム、硝酸バリウム、硝酸ストロンチウム等
のアルカリ土類金属塩、硝酸アンモニウム等のアンモニ
ウム塩等を挙げることができる。その中でもアルカリ金
属塩が好ましい。
【0014】亜硝酸塩としては、例えば、亜硝酸リチウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等のアルカリ金
属塩、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸カ
ルシウム等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができ
る。
【0015】金属過酸化物としては、例えば、過酸化リ
チウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム等のアルカ
リ金属塩、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過
酸化バリウム等のアルカリ土類金属塩等を挙げることが
できる。
【0016】超酸化物としては、例えば超酸化ナトリウ
ム、超酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、超酸化カ
ルシウム、超酸化ストロンチウム、超酸化バリウム等の
アルカリ土類金属化合物、超酸化ルビジウム、超酸化セ
シウム等を挙げることができる。
【0017】オゾン化合物としては、例えば一般式 M
3 (式中MはNa、K、Rb、Cs等の周期律表第
Ia族元素を示す。)で表わされる化合物が挙げられ
る。
【0018】本発明においては、二硫化モリブデン等の
金属硫化物、ビスマス含有化合物、鉛含有化合物等も酸
化剤として使用できる。
【0019】これらの酸化剤の中でも、オキソハロゲン
酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩等が好ましく、オキソハロゲン
酸塩、硝酸塩等が特に好ましい。
【0020】斯かる酸化剤は1種を単独で又は2種以上
を併用して使用できる。酸化剤の形状、粒径等は特に制
限されず、例えばその配合量、各成分との配合比率、エ
アバッグの容量等の各種の条件に応じて適宜選択して使
用すればよい。
【0021】酸化剤の配合量は、通常、酸素量を基準と
して含窒素有機化合物を完全に酸化燃焼し得る化学量論
量とすればよいが、含窒素有機化合物と酸化剤の配合割
合を適宜変更させることにより、燃焼速度、燃焼温度
(ガス温度)、燃焼ガス組成等を任意に調整できるの
で、広い範囲から適宜選択することができ、例えば、含
窒素有機化合物100重量部に対して酸化剤を通常10
〜400重量部程度、好ましくは100〜240重量部
程度配合してもよい。
【0022】本発明においては、エアバッグ用ガス発生
剤は、その性能が損なわれない範囲で、上記必須成分の
他に爆轟防止剤、燃焼速度調節触媒、燃焼温度調節剤等
の少なくとも1種が配合されていてもよい。
【0023】爆轟防止剤は、製造、輸送、保存等の工程
で、ガス発生剤が火炎に巻き込まれたり又は強い衝撃を
受けて爆轟するのを防止するために使用される。爆轟防
止剤の添加により、製造、輸送、保存等の工程での安全
性を更に高めることができる。爆轟防止剤としては公知
のものが使用でき、例えば、ベントナイト、アルミナ、
珪藻土、二酸化珪素等の酸化物、Na、K、Ca、M
g、Zn、Cu、Al等の金属の炭酸塩、重炭酸塩等を
挙げることができる。爆轟防止剤の配合量は特に制限さ
れず広い範囲から適宜選択できるが、通常含窒素有機化
合物及び酸化剤の合計量100重量部に対して5〜30
重量部程度とすればよい。
【0024】燃焼速度調節触媒は、主に燃焼速度を調整
するために使用される。燃焼速度調節触媒としては、例
えば(イ)酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化マンガン、塩化
鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化
コバルト、酸化バナジウム、酸化セリウム、酸化ホルミ
ウム、酸化カルシウム、酸化イッテルビウム等の元素周
期表第4〜6周期元素の酸化物、塩化物、炭酸塩乃至硫
酸塩(但し、第4〜6周期元素のうち、アルカリ金属又
はアルカリ土類金属の炭酸塩を除く)、(ロ)カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、こ
れらのエーテル、微結晶性セルロース粉末等のセルロー
ス系化合物、(ハ)可溶性デンプン、ポリビニルアルコ
ール、その部分ケン化物等の有機高分子化合物を挙げる
ことができる。(イ)の金属化合物については金属酸化
物が好ましく、その中でも、BET比表面積の大きなも
のが、発生ガス中のCO等の有毒成分の濃度を一層低下
させるのに有効である。具体的には、BET比表面積が
通常5m2 /g以上、好ましくは10m2 /g以上、よ
り好ましくは40m2 /g以上のものがよい。燃焼速度
調節触媒の粒度は特に制限されず、適宜選択して使用す
ればよい。燃焼速度調節触媒は1種を単独で又は2種以
上を併用して使用される。燃焼速度調節触媒の配合量は
特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、通常含
窒素有機化合物及び酸化剤の合計量100重量部に対し
て0.1〜50重量部程度、好ましくは0.2〜10重
量部程度とすればよい。
【0025】燃焼温度調節剤は、一般的に燃焼温度ひい
てはガス温度を下げるために使用される。燃焼温度調節
剤の具体例としては、例えば、Na、K、Ca、Mg、
Ba、Sr等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の炭
酸塩、重炭酸塩等を挙げることができる。燃焼温度調節
剤の配合量は特に制限されず広い範囲から適宜選択でき
るが、通常含窒素有機化合物及び酸化剤の合計量100
重量部に対して50重量部程度を越えない範囲、好まし
くは20重量部を越えない範囲とすればよい。
【0026】更に本発明においては、エアバッグ用ガス
発生剤の好ましい特性を損なわない範囲で、従来からこ
の用途に用いられている各種添加剤が配合されていても
よい。
【0027】本発明においては、エアバッグ用ガス発生
剤のガス発生基剤及び該基剤の分解を誘起する成分から
選ばれる少なくとも一方に、好ましくは双方にカップリ
ング剤による表面処理を施すことを必須とする。ガス発
生基剤の分解を誘起する成分としては、酸化銅、酸化ク
ロム、酸化マンガンや例えば過酸化カルシウム等のアル
カリ成分を含む化合物又は分解してアルカリ成分を放出
する化合物等を挙げることができる。このように、ガス
発生基剤の分解を誘起する成分は複数種存在するので、
該成分を表面処理する場合には、その1種又は2種以上
に表面処理すればよい。
【0028】カップリング剤としては公知のものが使用
でき、例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系
カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等を挙
げることができる。
【0029】シラン系カップリング剤の具体例として
は、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシ
ラン系カップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン系カップ
リング剤、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン系カ
ップリング剤、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、γ−メタ
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等のアク
リルシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシ
ラン等の式RSi(OR’)3 (式中Rは1個もしくは
2個以上のハロゲン原子が置換してもよい炭素数1〜4
程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示し、R’は炭
素数1〜4程度の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示
す。)で表されるシラン系カップリング剤等を挙げるこ
とができる。
【0030】チタネート系カップリング剤の具体例とし
ては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート、イソプロピルトリス−イソデシルベンゼンスル
ホニルチタネート、イソプロピルトリス−n−デシルベ
ンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピル−ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、
テトラオクチル−ビス(ジトリデシルホスファイト)チ
タネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1
−ブチル)−ビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタ
ネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシア
セテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイ
ルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロ
イルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアク
リルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフ
ェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニル
チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・ア
ミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセ
テートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネ
ート等を挙げることができる。
【0031】アルミニウム系カップリング剤の具体例と
しては、例えば、アルミニウム モノアセチルアセトネ
ート−ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム
トリス(アセチルアセテート)、アセトアルコキシア
ルミニウムジイソプロピレート等を挙げることができ
る。
【0032】斯かるカップリング剤は1種を単独で又は
2種以上を併用して使用できる。
【0033】カップリング剤を用いて表面処理を行うに
当っては、例えば、湿式法、乾式法等の公知の方法が採
用できる。
【0034】湿式法による処理は、通常、被処理成分と
カップリング剤の溶液又は分散液とを混合し、この混合
物から処理された成分を分離し、乾燥することにより行
われる。カップリング剤は、水、酢酸水やメタノール、
エタノール、セロソルブ、アルキルアミン、アルキロー
ルアミン等の有機溶媒又はこれらの混合溶媒に可溶又は
分散可能である。この時カップリング剤の濃度は特に制
限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常0.1
〜5重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%程度とす
ればよい。処理された成分の分離には、例えば、濾過、
遠心分離、デカンテーション等の公知の方法が採用でき
る。また、乾燥により処理された成分が凝集する場合に
は、公知の方法に従って粉砕を行えばよい。更に、被処
理成分の溶液又は分散液とカップリング剤の溶液又は分
散液とを混合し、この混合物から処理された成分を分取
し、乾燥を行ってもよい。被処理成分を溶解又は分散さ
せる溶媒としては、上記と同じ溶媒を使用できる。湿式
法は、必要ならば、加温又は加熱下に行うこともでき
る。その際の温度の目安は、30〜100℃程度であ
る。
【0035】乾式法は、必要に応じ攪拌下及び/又は予
熱下に、被処理成分の粉末にカップリング剤又はその溶
液もしくは分散液を添加し、混合(好ましくは加温下に
混合)する方法である。攪拌及び混合には、通常のブレ
ンダー、好ましくはヘンシェルミキサーやスーパーミキ
サー等のせん断力のあるブレンダーが使用される。カッ
プリング剤の溶液及び分散液は、湿式法と同様のものが
使用できる。尚、予熱及び加温は、被処理成分の分解又
は劣化が起こらない温度までの温度域にて行えばよい。
【0036】湿式法及び乾式法のいずれにおいても、カ
ップリング剤の使用量は、カップリング剤の種類、被処
理成分の経時安定度等に応じて広い範囲から適宜選択す
ればよいが、通常被処理成分100重量部に対して0.
01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程
度とすればよい。カップリング剤の溶液又は分散液を用
いる場合は、前記のような配合割合になるように、溶液
又は分散液の量を調整すればよい。
【0037】本発明のガス発生剤組成物は、表面処理を
施した成分及びその他の成分を混合することにより、製
造される。尚、ガス発生剤組成物の各成分を混合する際
に、同時にシランカップリング剤又はその溶液もしくは
分散液を加えて、表面処理することもできる。
【0038】このようにして得られる本発明の組成物
は、更に適当な形状に製剤化することができる。例え
ば、本発明の組成物とバインダーを適量混合して打錠又
は打錠乾燥すればよい。その際、水等の溶媒を適量加え
るのが安全上一層好ましい。バインダーとしては斯かる
目的に常用されているものを使用すればよい。製剤形状
は特に制限はなく、例えば、ペレット状、ディスク状、
球状、棒状、中空円筒状、こんぺい糖状、テトラポット
状等を挙げることができ、無孔のものでもよいが有孔状
のもの(例えば煉炭状のもの)でもよい。更に、ペレッ
ト状、ディスク状のものは、片面に1〜数個程度の突起
を設けてもよい。突起の形状は特に制限されず、例え
ば、円柱状、円錐状、多角錐状、多角柱状等を挙げるこ
とができる。本発明の製剤は、ポリエチレン等の合成樹
脂製の容器に充填することにより、一層安全に保管及び
輸送することができる。
【0039】或いは、本発明の組成物の各成分をそれぞ
れ単独で製剤化し、これらを混合して使用してもよい。
【0040】本発明のエアバッグ用ガス発生剤は、自動
車に限定されず、各種輸送用機器に搭載されるエアバッ
グシステムのガス源として好適に利用できる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、含窒素有機化合物(ガ
ス発生基剤)及び酸化剤を有効成分とし、更に該含窒素
有機化合物の分解を誘起する成分を含有するガス発生剤
において、含窒素有機化合物及び該含窒素有機化合物の
分解を誘起する成分の少なくとも一方にカップリング剤
にて表面処理を施すことにより、アジド系ガス発生剤と
同等又はそれ以上の燃焼速度やガス発生量、同等又はそ
れより低い燃焼温度や衝撃着火性、高安全性、低毒性、
安価さといった該ガス発生剤の好ましい特性を維持した
まま、基剤の分解を防止し、基剤を長期間に亙って安定
に保持し得る。
【0042】
【実施例】以下に参考例、実施例及び比較例を挙げ、本
発明を一層明瞭なものとする。
【0043】参考例1 比表面積50m2 /gの酸化銅(日揮化学(株)製)1
00重量部に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
(商品名:A−1100、日本ユニカ(株)製)の1重
量%メタノール溶液10重量部を加え、スーパーミキサ
ー(川田製作所製)を用い、40℃、600rpmにて
5分間混合処理し、乾燥し、表面処理酸化銅を製造し
た。
【0044】参考例2 γ−アミノプロピルトリエトキシシランに代えてγ−グ
リシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:
A−187、日本ユニカ(株)製)を用いる以外は、参
考例1と同様にして表面処理酸化銅を製造した。
【0045】参考例3 比表面積50m2 /gの酸化銅(日揮化学(株)製)1
00重量部に、イソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート(商品名:プレンアクトKR−TTS、味の素
(株)製)の3重量%ヘキサン溶液10重量部を加え、
スーパーミキサー(川田製作所製)を用い、40℃、6
00rpmにて5分間混合処理し、乾燥し、表面処理酸
化銅を製造した。
【0046】参考例4 比表面積50m2 /gの酸化銅(日揮化学(株)製)1
00重量部に、アセトアルコキシアルミニウムジイソプ
ロピレート(商品名:プレンアクトAL−M、味の素
(株)製)の2重量%ヘキサン溶液10重量部を加え、
スーパーミキサー(川田製作所製)を用い、40℃、6
00rpmにて5分間混合処理し、乾燥し、表面処理酸
化銅を製造した。
【0047】参考例5 比表面積50m2 /gの酸化銅(日揮化学(株)製)1
00重量部に、アセトアルコキシアルミニウムジイソプ
ロピレート(商品名:アルミキレートA、川研ファイン
ケミカル(株)製)の0.5重量%トルエン溶液10重
量部を加え、スーパーミキサー(川田製作所製)を用
い、40℃、600rpmにて5分間混合処理し、乾燥
し、表面処理酸化銅を製造した。
【0048】実施例1〜5 アゾジカルボンアミド45重量部、過塩素酸カリウム5
5重量部、参考例1〜5で得られた表面処理酸化銅10
重量部及び二酸化珪素1.0重量部の各粉末をよく混合
し、これにデンプン含有量が1.5重量部となるように
可溶性デンプンの5重量%水溶液を加えて更に混合し、
湿潤粉体を製造した。このものの粒度及び水分含量を調
整した後、油圧式打錠成型機にて約120kg/cm2
の圧力で押圧し、ペレット状(径9.7mm×厚さ4m
m)のエアバッグ用ガス発生剤を製造した。
【0049】比較例1 表面処理を施していない酸化銅を使用する以外は、上記
実施例と同様にしてペレット状のガス発生剤を製造し
た。
【0050】実施例1〜5及び比較例1のガス発生剤を
107℃の恒温機中にて400時間保存し、重量減少を
調べ、アゾジカルボンアミドの残存率(%)を算出し
た。結果を下記表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から、酸化銅をカップリング剤によっ
て表面処理することにより、アゾジカルボンアミドの安
定性が著しく向上することが明らかである。また実施例
1〜5のガス発生剤は、いずれも適度な燃焼速度やガス
発生量、低い燃焼温度や衝撃着火性、高安全性、低毒
性、安価さといった非アジド系ガス発生剤の好ましい特
性を保持したものであった。
【0053】参考例6 過酸化カルシウムの10重量%水溶液とメチルトリメト
キシシランの10重量%水溶液とを等量混合し、約80
℃の温度下に2時間攪拌した後、固形物を濾取し、水洗
し、乾燥することにより、表面処理を施した過酸化カル
シウムを製造した。
【0054】実施例6 表面処理酸化銅に代えて、参考例6で製造した表面処理
過酸化カルシウムを用いる以外は、実施例1〜5と同様
にして、ペレット状のエアバッグ用ガス発生剤を製造し
た。
【0055】このエアバッグガス発生剤を、上記と同様
に107℃の恒温機中にて400時間保存し、重量減少
に基づくアゾジカルボンアミドの残存率を求めたとこ
ろ、アゾジカルボンアミドの残存率は99.5%であ
り、表面処理により顕著な分解防止効果が達成されたこ
とが明らかになった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含窒素有機化合物及び酸化剤を有効成分
    とし、更に該含窒素有機化合物の分解を誘起する成分を
    含有するガス発生剤であって、含窒素有機化合物及び該
    含窒素有機化合物の分解を誘起する成分の少なくとも一
    方がカップリング剤により表面処理を施されていること
    を特徴とするエアバッグ用ガス発生剤。
  2. 【請求項2】 カップリング剤が、シラン系カップリン
    グ剤、チタネート系カップリング剤及びアルミニウム系
    カップリング剤から選ばれる少なくとも1種である請求
    項1に記載のエアバッグ用ガス発生剤。
  3. 【請求項3】 含窒素有機化合物が、アミノ基含有有機
    化合物、ニトラミン基含有有機化合物及びニトロソアミ
    ン基含有有機化合物から選ばれる少なくとも1種である
    請求項1に記載のエアバッグ用ガス発生剤。
  4. 【請求項4】 酸化剤が、オキソハロゲン酸塩、硝酸塩
    及び亜硝酸塩から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1に記載のエアバッグ用ガス発生剤。
JP7016989A 1994-11-16 1995-02-03 エアバッグ用ガス発生剤 Pending JPH08207695A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7016989A JPH08207695A (ja) 1995-02-03 1995-02-03 エアバッグ用ガス発生剤
EP96901510A EP0763512A4 (en) 1995-02-03 1996-02-01 GAS GENERATOR FOR AIR-BAG
PCT/JP1996/000199 WO1996023748A1 (fr) 1995-02-03 1996-02-01 Agent generateur de gaz pour air-bag
TW85103821A TW393449B (en) 1994-11-16 1996-04-01 Air bag gas generating composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7016989A JPH08207695A (ja) 1995-02-03 1995-02-03 エアバッグ用ガス発生剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08207695A true JPH08207695A (ja) 1996-08-13

Family

ID=11931449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7016989A Pending JPH08207695A (ja) 1994-11-16 1995-02-03 エアバッグ用ガス発生剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08207695A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3273042B2 (ja) アジ化物を含まないガス発生剤組成物と製造方法
US6306232B1 (en) Thermally stable nonazide automotive airbag propellants
EP0712385B1 (en) Law residue azide-free gas generant composition
JP3913786B2 (ja) 非アジドガス発生組成物
US6074502A (en) Smokeless gas generant compositions
KR920010222B1 (ko) 충격안정용 에어백의 팽창방법
US5898126A (en) Air bag gas generating composition
JPH05213687A (ja) 窒素含有ガスを発生させるための組成物、方法及び自動車用エアバッグ装置
WO1997012848A1 (fr) Agent generateur de gaz pour airbags
JPH09118582A (ja) ガス発生用装薬
JP2010502544A (ja) 押出し成形可能なガス発生剤
JPH08295590A (ja) ガス発生組成物
EP1000916A1 (en) Enhancer composition for inflator
WO1996023748A1 (fr) Agent generateur de gaz pour air-bag
JPH0812481A (ja) エアバッグ用ガス発生剤
JPH08207695A (ja) エアバッグ用ガス発生剤
JP2002160992A (ja) ガス発生剤
JPH06227884A (ja) エアバッグ用ガス発生剤
JP2926321B2 (ja) エアバッグ用ガス発生剤
JPH08301682A (ja) エアバッグ用ガス発生剤
WO1997012849A1 (fr) Generateur de gaz pour airbag
JP2893329B2 (ja) エアバッグ用ガス発生剤
JPH08151288A (ja) エアバッグ用ガス発生剤
US20120261040A1 (en) Gas-generating agent composition
JPH08217587A (ja) エアバッグ用ガス発生剤

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees