JPH082383Y2 - 枠体へのガラス板取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、各種家具などに用いられているガラス扉
などの組み立てに好適な枠体へのガラス板取付構造に関
する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のガラス扉の組み立て工程を、第６図と
第７図に基き説明すると、先ず、枠体１の断面略Ｌ字状
に切欠されたガラス板取付開口周縁部２の径小部2aに、
両面接着テープ３を断面コ字状に貼着した後、この両面
接着テープ３の表面側に、断面コ字状のエッジ４を嵌装
固着し、次に、ガラス板５を枠体１の裏面側から挿入し
て、ガラス板５の表面側外周縁部5aを上記エッジ４の裏
面側4aに当接させた後、枠体１の裏面側からガラス板押
え体６を挿入し、このガラス板押え体６をガラス板取付
開口周縁部２の周縁部に釘７などを介して固着すること
で、上記ガラス板５を、ガラス板押え体６の内周面部6a
とエッジ４の裏面側4aとの間に挟持するように組み付け
ているのが現状である。

〔従来の技術の課題〕

しかしながら、上記従来のガラス扉の組み立て構造に
あっては、枠体１のガラス板取付開口周縁部２を、断面
略Ｌ字状に切欠形成しなければならないため、製造が複
雑化し、また、組み立てに要する部品も多いため、この
種のガラス扉の組み立て工程が非常に複雑であると共
に、コスト高となる、という問題を有していた。

また、従来のガラス板を枠に組み込む構造の中には、
例えば、実公昭38-8966号公報に所載の技術のように、
弾性素材によって一対の窓枠を分割形成し、一方の窓枠
の内縁は斜壁と取付壁からなると共に取付壁上には支持
壁と掛止壁（係止突起部）を上向きに突設して窓枠本体
に固着され、他方の窓枠の内縁は、掛止壁への嵌支溝を
裏面に備えた斜壁と取付壁からなり、この嵌支溝と上記
一方の窓枠の掛止壁（係止突起部）とで上記各窓枠の内
縁を連結すると共に、各斜壁及び支持壁に窓版（ガラス
板）を挟止する構造も公知である。

しかしながら、このような嵌支溝と上記一方の窓枠の
掛止壁（係止突起部）とで上記各窓枠の内縁を連結する
構造にあっては、組立が図示の従来例よりも簡単である
が、窓版（ガラス板）に前後方向への力が加わった場合
には、嵌支溝と上記一方の窓枠の掛止壁（係止突起部）
との係合状態が解除されて窓版（ガラス板）が窓枠本体
から脱落する虞れがあり、保持力が十分ではない、とい
う問題を有していた。

この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであっ
て、その目的とするところは、枠体のガラス板取付開口
周縁部を単純化することができ、しかも、枠体へのガラ
ス板の取り付けを、少ない部品で簡単に行なうことがで
きる構成簡易で、しかも、ガラス板の前後方向に力が作
用したとしても、該ガラス板の枠体からの脱落を確実に
防止する強固な連結力を有するガラス板取付構造を提供
しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、この考案に係る枠体へのガ
ラス板取付構造にあっては、枠体のガラス板取付開口周
縁部に嵌装されるガラス押え体を、表側から嵌装される
表押え体と、裏側から嵌装される裏押え体と、から構成
し、上記表押え体は、上記ガラス板取付開口周縁部及び
枠体の表面側に当接する外周面部と、ガラス板の表面側
に当接する内周面部と、奥行端部に突設された係合突起
と、上記外周面部及び内周面部と係合突起との各連結部
に形成された断面略Ｌ字状の段部と、を有して構成され
ていると共に、上記裏押え体は、上記ガラス板取付開口
周縁部及び枠体の裏面側に当接する前面部と、上記表押
え体の係合突起と係合する凹部と、該凹部の開口部に形
成され上記表押え体の各段部と係合する段部と、を有し
て構成され、上記ガラス板は、上記係合突起と凹部とに
より連結され表押え体と裏押え板の各内周面部と前面部
間に挟持されることを特徴とするものである。

〔作用〕

それ故、この考案に係る枠体へのガラス板取付構造に
あっては、枠体のガラス板取付開口周縁部を平坦な形状
に形成し、このガラス板取付開口周縁部に、先ず、表押
え体を枠体の表側から嵌装して取り付け、次に、枠体の
裏側からガラス板を挿入し、最後に、裏押え板を枠体の
裏側からガラス板取付開口周縁部に嵌装し、該裏押え板
の凹部と表押え板の係合突起とを係合させて一体化する
ことで、ガラス板を表押え体と裏押え板の各内周面部と
前面部間に挟持する。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す一実施例に基きこの考案を詳細
に説明する。

第１図乃至第４図に示すように、この実施例にあって
は、枠体10のガラス板取付開口周縁部11に嵌装されるガ
ラス押え体Ａが、枠体10の表側から嵌装される表押え体
20と、枠体10の裏側から嵌装される裏押え体30と、から
構成されている。

枠体10は、ガラス板５が取り付けられるに十分な開口
を有して構成されていると共に、このガラス板５が取り
付けられるガラス板取付開口周縁部11は、平坦に形成さ
れている。

表押え体20は、断面形状が略Ｔ字状に形成されてお
り、脚片部21の外周側には、上記ガラス板取付開口周縁
部11と枠体10の表面側13に当接する断面略Ｌ字状の面を
有する外周面部22が形成されていると共に、脚片部21の
内周側には、上記ガラス板５の表面側に当接する面を有
する内周面部23が形成され、かつ、該脚片部21の奥行端
部の内周側には、係合突起24が突設されており、該係合
突起24と脚片部21との連結部には、断面略Ｌ字状に形成
された段部25,26が形成されている。

また、裏押え体30は、上記ガラス板取付開口周縁部11
と枠体10の裏面側14に当接する面を有する外周面部31
と、上記ガラス板５の裏面側に当接する面を有する前面
部32と、上記表押え体20の係合突起24と係合する凹部33
と、該凹部33の開口部に形成され上記表押え体20の段部
25と係合する断面略逆Ｌ字状の段部35および上記談部26
と面接触する段部36と、を有して構成されている。尚、
第３図及び第４図中符号34は、裏押え体30の外周縁部と
内周縁部に一体に取り付けられたゴム或は軟質プラスチ
ック材で形成されてなるシート片である。

次に、上記のように構成されてなるガラス押え体Ａを
用いて、枠体10にガラス板５を組み付ける場合を、第５
図（ａ）乃至（ｅ）に基き説明する。

先ず、第５図（ａ）に示すように、表押え体20を枠体
10の表側から奥行方向へ嵌装する。これにより表押え体
20は、その脚片部21の外周面部22が、第５図（ｂ）に示
すように、上記ガラス板取付開口周縁部11の内周面部12
と枠体10の表面側13に当接する。

このようにして表押え体20を枠体10のガラス板取付開
口周縁部11に取り付けた後は、第５図（ｃ）に示すよう
に、ガラス板５を枠体10の裏面側から挿入する。これに
より、ガラス板５の表面側外周縁部5aは、表押え体20の
前記内周面部23と当接する。

次に、裏押え体30を、第５図（ｄ）に示すように、枠
体10の裏面側から表面方向へ挿入する。これにより、裏
押え板30の凹部33と表押え板20の係合突起24とは係合さ
れ、かつ、裏押え板30の前面部32がガラス板５の裏面側
外周縁部5bと当接する。

このようにして表押え板20と裏押え板30の両者が連結
されたときに、第５図（ｅ）に示すように、ガラス押え
体Ａは枠体10のガラス板取付開口周縁部11に取り付けら
れ、かつ、ガラス板５は、表押え体20と裏押え板30の各
面部23,23間に挟持され、また、係合突起24と凹部33の
連結部では、表押え体20の段部25と裏押え体30の段部35
が係合し、かつ、表押え体20の段部26と裏押え体30の段
部36が係合して、ガラス板５を表押え体20の背面部27と
裏押え体30の前面部32との間に挟持する。

このように、本実施例では、上記ガラス板５を保持す
る表押え体20と裏押え体30とは、第１に、表押え体20の
係合突起24と裏押え体30の凹部33とが係合され、第２
に、表押え体20の段部25と裏押え体30の段部35が係合
し、第３に、表押え体20の段部26と裏押え体30の段部36
が係合し、この３つの係合構造によってガラス板５を保
持している。

このため、例えば、上記ガラス板５に、第４図矢印ａ
方向の力が作用した場合には、表押え体20の係合突起24
と裏押え体30の凹部33の係合と、表押え体20の段部26と
裏押え体30の段部36との係合力により、表押え体20と裏
押え体30との離脱が防止され、第４図矢印ｂ方向の力が
作用した場合には、表押え板20の係合突起24と裏押え体
30の凹部33の係合と、表押え体20の段部25と裏押え体30
の段部35との係合力により、表押え体20と裏押え体30と
の離脱が防止されるので、ガラス板５がみだりに脱落す
る、という心配がない。

〔考案の効果〕

この考案に係る枠体へのガラス板取付構造は、以上説
明したように、枠体のガラス板取付開口周縁部を平坦な
形状に形成し、このガラス板取付開口周縁部に、先ず、
表押え体を枠体の表側から嵌装して取り付け、次に、枠
体の裏側からガラス板を挿入し、最後に、裏押え板を枠
体の裏側からガラス板取付開口周縁部に嵌装し、該裏押
え板の凹部と表押え板の係合突起とを係合させて一体化
することで、ガラス板を表押え体と裏押え板の各内周面
部と前面部間に挟持するように構成したので、枠体のガ
ラス板取付開口周縁部を単純化することができ、製造を
大幅に簡略化することができると共に、枠体へのガラス
板の取り付けを、少ない部品で簡単に行なうことがで
き、しかも、部品点数が少ないので廉価に提供すること
ができ、また、上記係合突起と凹部との連結部では、表
押え体の各段部と裏押え体の各段部が係合してガラス板
の保持状態を維持しているため、ガラス板に前後方向の
力が作用したとしても、これら各段部の係合によって表
押え体と裏押え体との係合状態が堅持されるので、ガラ
ス体がみだりに脱落する、という心配も生じない等、幾
多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るガラス押え体と枠体
との分解斜視図、第２図は表押え体の断面図、第３図は
裏押え体の断面図、第４図はガラス押え体によりガラス
板を取り付けた状態を示す断面図、第５図（ａ）乃至
（ｅ）はガラス押え体によりガラス板を取り付ける工程
を順に示す断面図、第６図は従来のガラス板の枠体への
取り付け状態を分解して示す斜視図、第７図は従来のガ
ラス板の枠体への取り付け状態を示す断面図である。 〔符号の説明〕 Ａ……ガラス押え体、５……ガラス板 10……枠体 11……ガラス板取付開口周縁部 13……枠体表面側、20……表押え体 22……表押え体の外周面部 23……表押え体の内周面部 24……係合突起 25,26……表押え体の段部 30……裏押え体 31……裏押え体の外周面部 32……裏押え体の前面部 33……凹部 35,36……裏押え体の段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】枠体のガラス板取付開口周縁部に嵌装され
   るガラス押え体を、表側から嵌装される表押え体と、裏
   側から嵌装される裏押え体と、から構成し、上記表押え
   体は、上記ガラス板取付開口周縁部及び枠体の表面側に
   当接する外周面部と、ガラス板の表面側に当接する内周
   面部と、奥行端部に突設された係合突起と、上記外周面
   部及び内周面部と係合突起との各連結部に形成された断
   面略Ｌ字状の段部と、を有して構成されていると共に、
   上記裏押え体は、上記ガラス板取付開口周縁部及び枠体
   の裏面側に当接する外周面部と、ガラス板の裏面側に当
   接する前面部と、上記表押え体の係合突起と係合する凹
   部と、該凹部の開口部に形成され上記表押え体の各段部
   と係合する段部と、を有して構成され、上記ガラス板
   は、上記係合突起と凹部とにより連結された表押え体と
   裏押え体の各内周面部と前面部間に挟持されることを特
   徴とする枠体へのガラス板取付構造。