JPH06171355A - 自動車のフレーム内に接着可能な窓ガラスを垂直に位置決めするための保持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 自動車のフレームに接着可能な窓ガラスを垂
直に載設する際、自動的に下方の窓ガラス縁部に装着
し、窓ガラスが接着剤によって保持されるまで保持され
る保持具を提供する。 【構成】 窓ガラス１０の自動組立ての際、支持部材２
が下方窓ガラス縁部３に自動的に取り付けられるように
するため、支持部材は窓ガラス面の方向で低方に押圧可
能なばね４によって保持部材１に結合されており、また
保持部材に一体成形されて弾性的に旋回可能な戻り止め
９によって付勢された状態に固定されている。この場合
戻り止めは、この目的のために付勢された支持部材の上
方の支持領域内に突き出ており、かつ窓ガラスの取付け
の際下方の窓ガラス縁部によって戻り止めが押し戻され
て付勢が解除される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の上位概念に
記載の、自動車のフレーム内に接着可能な窓ガラスを垂
直に位置決めするための保持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば風防ガラス又はリヤウインドガラ
スのような接着可能な窓ガラスは、通常自由アームロボ
ットによって自動的に挿入乃至載設せしめられる。その
際窓ガラスは、窓フレームに対し一定の距離を以って位
置せしめられており、かつ接着剤が凝固又は硬化するま
で、保持具により一時的に位置決めされて固定されてい
なければならない。そのため自動車製造業界では、窓ガ
ラス面内で調節可能な支持部材を備えた保持部材が多く
の場合使用されている。支持部材の固定脚部は、下方の
横フレーム内に挿入可能な保持部分内で窓ガラス縁部に
垂直な方向にスライド可能に案内されており、また支持
部材は、保持脚部を有し、その上で下方の窓ガラス縁部
が支持されている。

【０００３】この種の保持具は、例えばドイツ国特許第
３４４２２９９号明細書に開示されている。この場合に
は、支持部材は係止装置を有しており、該係止装置によ
って保持脚部は、窓ガラス縁部に押圧された後夫々所望
の高さ位置で自動的にロックされてる。

【０００４】自動化を推進する過程で、この保持具には
欠点が認められるようになった。それは、支持部材を夫
々人力によって窓ガラス縁部にまで押し付けなければな
らず、それによって付加的な消費労働量が増加するから
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、上述の保持具を改良して、窓ガラスを載置する際、
支持部材を人力で処置することなく自動的に下方の窓ガ
ラス縁部に装着せしめ、更に窓ガラスが接着剤によって
保持されるようになるまで、その支持機能が保持される
ようにすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、請求項１に
記載の特徴によって上記課題を解決することができた。
その際請求項２以下には、本発明の構成のために必要で
かつ機能的な別の特徴が述べられており、これらの特徴
については、本発明の種々の実施例に関する次の説明の
際に、これをより詳細に述べることにする。

【０００７】

【実施例】図１乃至図６に図示の保持具は、ばね鋼板か
ら１体状に打ち抜かれて成形されており、かつ主として
下方の横フレーム８内に挿入可能な保持部材１と、下方
の窓ガラス縁部３に対して押圧可能な支持部材２とから
成り、該支持部材２はＳ字状に曲げられた金属ばね４に
よって形成されている。この場合保持部材１は、横フレ
ーム８に圧着可能な後方壁部５と、その下方終端部にお
いて直角状に１体成形されている支持脚部６とを有して
おり、該支持脚部６には、後方に向って折り曲げられて
いるクランプ脚部７が設けられていて、保持部材１を下
方の横フレーム８に固定している（図５及び図６）。

【０００８】支持脚部６には、Ｓ字状に曲げられたばね
４が１体成形されており、ほぼ後方壁部５の幅に亘って
延びている上方ベンド部４′が、窓ガラス縁部３の支持
に適するようになっている。後方壁部５の上方中央部に
は弾性的に押し戻し可能な戻り止め９が１体成形されて
いて、その自由端部は下方に向かって支持領域内に突き
出ており、工場からの出荷状態では当初付勢されていな
かったばね４（図３）を、下方の付勢位置における圧縮
状態に保持する（図４）。

【０００９】図５では付勢されたばね４を備えている保
持具が、窓フレームの下方横フレーム８内に挿入されて
いる。窓ガラス１０は、矢印“Ａ”の方向で窓フレーム
に向かって近づけられ、かつその内方にビード状接着剤
１１によって接着される。窓ガラス１０を押し込む際、
戻り止め９は下方の窓ガラス縁部３によって押し戻さ
れ、それによってばね４の上方支持ベンド部４′はそれ
の上に位置している窓ガラス縁部３を、自由になったば
ね力によって矢印“Ｂ”の方向で押圧するようになる
（図６）。このような保持具を下方の横フレーム８内に
多数配置することによって、ビード状接着剤１１がその
接着作用を完全に発揮できるようになるまで、窓ガラス
１０を所定の位置に固定することができるようになる。

【００１０】図７乃至図１２には３つの部材から組み立
てられた保持具が図示されており、該保持具は、前述の
原理と同一の原理で作動している。この例では図８乃至
図１０に図示の支持部材１２は、図１１及び図１２に図
示の保持部材１３と同様にプラスチックから製作されて
いる。支持部材１２を上方に押圧するために必要なばね
１４だけが、所要の支持力のためにばね鋼から製作され
ている。該ばね１４は、組み立てられた保持具にあって
は内部に位置しており、従って図７には破線で図示され
ている。

【００１１】この例では、支持部材１２がこれに直角状
に１体成形された２つの側壁部１６を備えたカバー壁部
１５から成っており、該側壁部１６は、カバー壁部１５
から距離を置いてこの壁部１５に平行に延びて内方に向
けられている係止縁部１７を有している。カバー壁部１
５の上方縁部には、有利には屋根状に形成されている支
持壁部１８が１体成形されており、該支持壁部１８は、
１方では下方の窓ガラス縁部３のための載置面として使
用され、他方では内方に向ってばね部材１４のための当
接壁部１９を形成している。

【００１２】保持部材１３は−図１の保持部材１に類似
して−下方終端部に直角状に１体成形された支持脚部２
１と後方へ成形されたクランプ脚部２２とを備えて窓フ
レーム８に当接する後方壁部２０と、２つの側壁部２３
とから成っており、該側壁部２３の外方側面間距離Ａ
は、支持部材１２の両側壁部１６間の内方側面間距離ａ
よりも僅かにだけ小さい。しかしこの側壁部２３は、支
持機能のためには必ずしも必要ではないが、保持具の組
立てた場合に金属ばね１４の側方保持に役立っている。
後方壁部２０の背面側には、両縁部に沿って切欠き２４
が成形されており、該切欠き２４の幅及び深さは係止縁
部１７の寸法に一致している。

【００１３】この両切欠き２４内には保持部材１３と支
持部材１２との組立ての際、係止縁部１７が係止するこ
とができる。その際係止縁部１７は、先づ弾性的な側壁
部１６を拡幅せしめ乍ら側壁部２３を越えて切欠き２４
に押し込まれなければならない。

【００１４】切欠き２４の上方終端部にはストッパ２５
が位置しており、該ストッパ２５によって支持部材１２
のスライド距離が上方に向って制限されている。下方に
向ってのスライド距離の制限は、支持脚部２１の前方縁
部２６及びカバー壁部１５の下方縁部２７によって達成
されている。

【００１５】後方壁部２０の中央部には戻り止め２８が
配置されており、該戻り止め２８は、下方の領域の膜ヒ
ンジ状の結合部位２９を介して後方壁部２０に旋回可能
に１体成形されており、また支持屋根１８の方に向いて
いる係止突起部３０を有し、該突起部３０は、支持部材
１２が下方位置にある場合に支持屋根１８の縁部の対応
する溝又はノッチ３１に係止可能である。戻り止め２８
は、その上方終端部で傾斜して窓ガラス１０の支持領域
内に突き出ており、かつ戻り止め２８の両側方に残って
いる後方壁部部分２０の間で、後方に向ってこれを弾性
的に押し戻すことができるようになっている。

【００１６】保持具を組み立てる際には、先づ金属ばね
１４を、支持脚部２１及び側壁部２３によって形成され
た保持部材１３の空所内に挿入する。次に側壁部１６を
備えた支持部材１２を保持部材１３の側壁部２３を超え
て押し込み、その際支持屋根１８は、弛緩されたばね１
４を介して位置決めされる。係止縁部１７が切欠き２４
内に係止した後ばね１４は完全に閉じ込められる。次い
で戻り止め２８が両後方壁部部分２０の間で押し下げら
れる。支持部材１２がばね１４の圧力に抗して下方に向
って押圧されると、降下した戻り止め２８はさらに前方
に突き出て、その係止突起部３０が、支持屋根１８の溝
又はノッチ３１と係合するようになる。

【００１７】このようにして、保持具は所定の使用準備
状態になり、かつ図１３乃至図１６に図示のように、自
動車の窓フレーム８内に組み込むことができ、かつ挿入
された窓ガラス１０の１時的な固定のためにこれを使用
することができる。窓ガラス１０を窓フレーム８内に装
着されたビード状接着剤１１に押圧する際、戻り止め２
８は後方に向って押しやられる。その際係止突起部３０
は溝３１から解放されて、支持部材１２が自由になった
ばね１４の力によって一気に上方に押し上げられ、しか
も支持屋根１８が下方の窓ガラス縁部３に当接するよう
になる（図１５及び図１６）。これによって窓ガラス１
０は、個々の保持具内のばね１４の力だけによって図示
なしの上方横フレームに対して押圧されるようになり、
かつビード状接着剤１１が硬化してその保持機能が充分
に発揮されるようになるまで、これを保持することがで
きるようになる。

【００１８】図１７乃至図２２に図示の本発明の別の実
施例にあっては、支持部分１２が溝３１の他に、戻り止
め２８の方に向いて下方に向って面取りされた係止突起
部３２を有しており、他方戻り止め２８は、その上方領
域内に、上方に向って面取りされた係止面３４を備えて
いる鋸歯状横断面の横溝３３を有している。支持部分１
２が上方にはね上がるときに、係止突起部３２は、横溝
３３を超えて軽く滑り、かつその後窓ガラス縁部３の高
さ位置に対応した横溝３３内で支持されるようになる。
それは、弾性的に押し戻された戻り止め２８が、この横
溝３３内に係止突起部３２を確実に噛み合わせるからで
ある（図２１）。

【００１９】この実施例は、平滑な戻り止めを備えた前
記の実施例に比較して、ばね１４を著しく弱く構成する
ことができ、ひいてはばね１４をより容易に製作するこ
とができるという利点を有している。ばね力は、もはや
窓ガラス１０の重量を保持する必要はなく、支持部材１
２を当接位置にもたらすだけでよい。支持屋根１８の係
止突起部３２が横溝３３内に係止した後では、係止突起
部３２が支持機能を発揮するようになる。

【００２０】勿論、支持部材１２を段階状に位置決めす
るための係止突起部は、保持具における別の適当な係止
手段によっても実現可能である。このような係止手段に
あっては、１方では上方に向う支持部材１２の運動を妨
害されることなしに許し、かつ反対方向には、ばね力に
よって互いに噛み合い、支持部材が所望の高さ位置に不
動に保持されるようになっていれば宜い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の保持具の金属だけによる実施例の正面
図である。

【図２】同じ保持具の側面図である。

【図３】同じ保持具の斜視図であって、ばねが付勢され
ていない。

【図４】同じ保持具の斜視図であって、ばねが付勢され
ている。

【図５】下方の窓フレーム内に挿入された保持具の断面
図であって、ばねは窓ガラスの取付け前の付勢された状
態にある。

【図６】窓ガラスを取り付けた後の同じ保持具の組立位
置図である。

【図７】３つの部分から組み立てられている別の保持具
の斜視図であって、ばねが付勢された状態を示してい
る。

【図８】図７の支持部材を下方からみた図である。

【図９】図１０の線ＩＸ−ＩＸに沿った支持部材の横断
面図である。

【図１０】図７の支持部材の正面図である。

【図１１】所属の保持部材の側面図である。

【図１２】保持部材の正面図である。

【図１３】ばね付勢された支持部材を備えて組立てら
れ、かつ窓フレーム内に組み込まれた保持具の、窓ガラ
スを取り付ける前の断面図である。

【図１４】図１３に基いて組み込まれた保持具の正面図
である。

【図１５】組み込まれた保持具の窓ガラス取付け後の断
面図である。

【図１６】図１５に基いて組み込まれて窓ガラスを備え
ている保持具の正面図である。

【図１７】係止突起部を備えた別の支持材の、図１８の
線ＸＶＩＩ−ＸＶＩＩに沿った断面図である。

【図１８】同じ支持部材の正面図である。

【図１９】段階状の係止溝を備えた所属の保持部材の、
図２０の線ＸＩＸ−ＸＩＸに沿った断面図である。

【図２０】同じ保持部材の正面図である。

【図２１】組み立てられて窓フレーム内に組み込まれ、
かつ窓ガラスが取り付けられている保持具の断面図であ
る。

【図２２】窓ガラスが取り付けられた組立て保持具の正
面図である。

【符号の説明】

１ 保持部材 ２ 支持部材 ３ 窓ガラス縁部 ４ 金属ばね ４′ ベンド部 ５ 後方壁部 ６ 支持脚部 ７ クランプ脚部 ８ 横フレーム ９ 戻り止め １０ 窓ガラス １１ ビード状接着剤 １２ 支持部材 １３ 保持部材 １４ ばね １５ カバー壁部 １６ 側壁部 １７ 係止縁部 １８ 支持壁部 １９ 当接壁部 ２０ 後方壁部 ２１ 支持脚部 ２２ クランプ脚部 ２３ 側壁部 ２４ 切欠き ２５ ストッパ ２６ 前方縁部 ２７ 下方縁部 ２８ 戻り止め ２９ 結合部位 ３０ 係止突起部 ３１ ノッチ ３２ 係止突起部 ３３ 横溝 ３４ 係止面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のフレーム内に接着可能な窓ガラ
   スを垂直に位置決めするための保持具であって、下方の
   横フレーム内に挿入可能な保持部材と、下方の窓ガラス
   縁部に対して押圧可能な支持部材とを備えている形式の
   ものにおいて、 支持部材(２，１２)が、窓ガラス面の方向で下方に押し
   下げ可能なばね（４，１４）によって保持部材(１，１
   ３)に結合されており、かつ保持部材（１，１３）に１
   体成形された弾性的に旋回可能な戻り止め（９，２８）
   によって付勢された状態に固定可能であり、その際戻り
   止め（９，２８）は、付勢された支持部材（２，１２）
   の上方の支持領域に突き出ており、かつ窓ガラス（１
   ０）を載置する際には下方の窓ガラス縁部(３)によって
   押し戻されることを特徴とする、自動車のフレーム内に
   接着可能な窓ガラスを垂直に位置決めするための保持
   具。
2. 【請求項２】 支持部材（２）がＳ字状に曲げらけた金
   属ばね（４）によって形成されており、該金属ばね
   （４）は、同じように金属薄板から形成されている保持
   部材（１）に１体に結合されていることを特徴とする、
   請求項１記載の保持具。
3. 【請求項３】 支持部材（１２）が、別個の部材として
   形成されていて、保持部材（１３）に対し窓ガラス縁部
   (３)に垂直な方向でスライド可能に案内されており、そ
   の際スライド距離は、両方向で保持部材（１３）のスト
   ッパ（２５及び２６）によって制限されていることを特
   徴とする、請求項１記載の保持具。
4. 【請求項４】 支持部材（１２）が、直角状に１体成形
   された２つの側壁部（１６）を備えているカバー壁部
   （１５）から成り、該側壁部（１６）は、内方に向けら
   れている係止縁部（１７）で、窓フレーム（８）に当接
   している保持部材（１３）の脚部(２１)に後方から係合
   しており、また支持部材（１２）は、支持方向に屋根形
   の支持壁部（１８）を備え、かつ内方に向ってばね部材
   （４）のための当接面(１９)を有しており、該ばね部材
   （４）自体は保持部材（１３）の下方支持脚部上に載置
   されていることを特徴とする、請求項３記載の保持具。
5. 【請求項５】 戻り止め（２８）が支持屋根（１８）の
   方に向いている係止突起部（３０）を有しており、該係
   止突起部（３０）は支持屋根（１８）の縁部上の対応す
   る溝又はノッチ（３１）に係止可能であることを特徴と
   する、請求項４記載の保持具。
6. 【請求項６】 支持部材（１２）が、溝（３１）の他
   に、戻り止め（２８）の方に向いて下方に向って面取り
   されている係止突起部（３２）を有しているのに対し、
   戻り止め（２８）は、その上方領域内に、横断面が鋸歯
   状の、上方に向って面取りされた係止面（３４）を備え
   ている横溝（３３）を有していることを特徴とする、請
   求項４又は５記載の保持具。