JPH0823737B2 - 表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車の内照式マークプレートランプ等に適
用して好適な表示装置に関するものである。

〔従来の技術〕

最近の自動車においては車輌の象徴であるマークを夜
間照明することで、フアツシヨン性および車体識別性を
向上させるとともに、自車の高級感を主張し、他車との
区別化を計ることが行われている。このようなマーク表
示を行う従来の表示装置としては昼間においては外光
（太陽光）を反射して金属調マークに見せ、夜間はバッ
ク照明するようにした所謂ハーフミラー形式のものが知
られている。第11図および第12図はこのような表示装置
の一例を示すもので、１は透明樹脂，スモーク樹脂，ガ
ラス等の透光性材料からなる表示板、２は表示板１の裏
面に設けられたマーク部（表示部）で、このマーク部２
以外の裏面は黒色等の遮光膜層３によつて被覆されるこ
とにより地色部４を形成している。一方、マーク部２に
は適宜色の着色層５が形成されている。

なお、６は夜間においてマーク部２を後方から照明す
る光源、７は光源６を収納するケースである。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、このような従来のマークプレートランプに
おいては表示板１が大きくなると、マーク部２全体をム
ラなく均一に照明することが難しい。また、マーク部２
のみの照明はそれ以外の部分、すなわち地色部３が真暗
でランプの形状、大きさ等を表示することができず、ま
たマーク近くの地色部は平面となつてしまうため、ガー
ニツシユのステツプとデザイン的にマツチしないという
問題があつた。

したがつて、本発明は上述したような問題点を解決
し、表示部全体の均一照明を可能にすると共に地色部が
ガーニツシユのステツプとデザイン的にマツチするよう
にした表示装置を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するために、裏面に多数の小
さな凸もしくは凹レンズからなるステップが形成された
飾りプレートの後方に配置されたケースと、このケース
の前面開口部を覆い中央部が前記飾りプレートの開口部
から外部に露呈し外周部が飾りプレートの裏面に密接す
る表示板と、この表示板の後方に配設され長手方向の両
端面に入光部がそれぞれ形成され裏面に反射手段が設け
られた導光体と、この導光体の前記入光部にそれぞれ配
設された光源とを備え、前記表示板の裏面の一部に平坦
面からなる透光性表示部を形成し、この表示部以外の裏
面に前記飾りプレートのステップと同一の大きさのステ
ップを形成して地色部とし、このステップと前記飾りプ
レートのステップを互いに重ね合なるように対応一致さ
せたことを特徴とする。

〔作用〕

本発明において表示板の地色部はステツプが形成さ
れ、ガーニツシユのステツプとマツチする。

導光体は内部を進光する光を反射手段によつて表面側
に反射し、光の有効利用を計ると共に単位面積当りの光
照射量を制御し均一照明を可能にする。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて詳細に説
明する。

第１図は本発明をマークプレートランプに適用した場
合の一実施例を示す第２図Ｉ−Ｉ線断面図、第２図は正
面部、第３図は第１図III−III線断面図、第４図は第２
図IV−IV線断面図、第５図は第２図Ｖ−Ｖ線断面図、第
６図は表示板の要部拡大断面図、第７図は自動車の要部
斜視図、第８図は外観斜視図である。これらの図におい
て、全体を符号10で示すマークプレートランプは、左右
方向に長い浅底箱形に形成された表面が開放するケース
11と、このケース11の前面開口部を被う如く該ケース11
に配設された表示板12と、ケース11内に配設された左右
一対の光源13およびこれら光源13間に介在されて表示板
12の裏面と対向する導光体14等で構成され、自動車15の
後面中央に設けられたリアガーニツシユ16の中央に取付
けられている。

前記ケース11はABS等の白色不透明な樹脂材料によつ
て一体に形成され、その底板17が中央にて逆Ｖ字状に屈
曲形成されることにより、長手方向両端部の厚みが最も
厚く、中央部において最も薄くなつている。また、前記
底板17の長手方向両端部には各光源13を保持するソケツ
ト18が挿通されるソケツト取付用孔19が開設され、この
ソケツト取付用孔19に対応して車体本体20にバルブ交換
孔21が開設されている。ケース11の前面開口部には表示
板用の嵌合突条体が全周に亘つて一体に突設され、この
突条体22の内側に前記表示板12が嵌合され、かつ超音波
溶着等により固着されている。前記突条体22の内側には
Ｖ字状の水切溝22aが形成され、これに対応して表示板1
2の裏面周縁部には該水切溝22aに係合するＶ字状の水切
山23が一体に突設されている。そして、前記ケース11は
前記車体本体20とリアガーニツシユフレーム24に複数個
のスタツドボルト25とタツピングスクリユ26によつて強
固に固定されている。27はケース11と車体20との隙間を
シールするガスケツトである。

前記表示板12は透明樹脂によつて左右方向に長い板状
体に形成され、その表面中央部には左右方向に長い長円
形の突出部28が一体に突設され、裏面中央にはローマ字
の「Ｅ」と「Ｄ」を表示するマーク部（表示部）２が前
記突出部28の内側に上下、左右バランスよく位置するよ
うに突設されている。マーク部２は第６図に示すように
平坦面で、それ以外の裏面、すなわち地色部４には多数
の小さな凸レンズ（または凹レンズ）からなるステツプ
29が形成され、かつ該ステツプ29を金属調遮光膜30によ
つて被つている。金属調遮光膜30は、前記表示板12の裏
面全体を被うスモークフイルタ33の表面に形成されるも
ので、印刷、蒸着またはスパツタリングなどの方法によ
つて金粉、Alなどの金属粒子を、粒子同士が互いに接触
したり重なり合わないよう適宜な隙間をあけて薄く（30
0Å〜400Å程度）形成することにより得られ、透光性を
有している。この金属調遮光膜30はリアガーニツシユ色
にあわせるため、有彩色の金属調遮光膜でもよい。ま
た、前記スモークフイルタ33の裏面で前記地色部４に対
応する部分は黒色遮光膜34によつて被膜され、表示部２
に対応する部分には透光性着色層35が形成させ、さらに
該フイルタ33の裏面全体に白色の光拡散層36が形成され
前記黒色遮光膜34と透光性着色層35を被つている。黒色
遮光膜34は夜間、内部光が金属調遮光膜30およびスモー
クフイルム33を透過しマーク部以外の地色部４を照明す
ることを防止する。透光性着色層35はマーク照明色を決
定するもので、安全色（緑等）が望ましく、マーク部２
より大きな面積を有し、一部が遮光膜34と重なつてい
る。スモークフイルタ33は透光性着色層35の色を柔らげ
意匠的効果をねらつたもので、かならずしも必要ではな
い。

光拡散層36は、透明シートに白色または着色印刷した
り乳白色シートそのものを用いたりあるいはまた該シー
トに着色印刷したもので構成される。

このような表示部構成にすると、昼間黒色のマークと
なり、夜間この黒色部を指定色で光らせることができ
る。すなわち、地色部４が白つぽい金属調（Al調）とな
り、この色が表面板12の裏面のステツプ29部にうつりス
テツプ付きのAl調地色とすることができる。一方、マー
ク部２は昼間スモークフイルタ33により内部の色が見え
なくなり黒色文字とすることができ、夜間時に光源13を
点灯すると透光性着色層35の色で照明される。

なお、透光性着色層35と光拡散層36を分けて設けた理
由は、文字を昼間黒色に見せるために明度の低い着色層
35をスモークフイルタ33に接近させ、明度の高い光拡散
層36の影響を少なくさせるためである。

前記表示板12は、前記自動車15のリアガーニツシユ16
を構成する飾りプレート（ダミーレンズ）40の裏面に周
縁部を密接させて配設される。前記飾りプレート40の中
央には第１図に示すように前記表示板12の突出部28が嵌
合する長孔41が開設されており、これにより該プレート
40と突出部28の表面が略同一平面を形成している。飾り
プレート40の裏面には、多数の小さな凸レンズ（または
凹レンズ）からなるステツプ42が形成されている。ステ
ツプ42は表示板12のステツプ29と同一大きさでかつ重な
るように対応一致しており、サイド方向より見た場合地
色のステツプが見えないようにしている。表示板12の取
付けに際しては突出部28が長孔41に全周0.5mm程度のス
キで見ばえよく嵌合するよう、先ず飾りプレート40と嵌
合しているリアガーニツシユフレーム24に表示板12をタ
ツピングスクリユ26（第４図）で固定する。この後車体
本体20にリアガーニツシユフレーム24毎スタツドボルト
25によつて取付けられる。

前記導光体14はアクリル樹脂等によつて左右方向に長
い板状体に形成されて表面が平坦面をなし、裏面が前記
ケース11の底板17と適合するよう逆Ｖ字状に折曲形成さ
れることにより、長手方向両側端部の板厚が最も厚く、
中央部に向うにしたがつて徐々に薄くなつており、また
両側端面には半円形の溝からなる入光部45が前記光源13
に対応して全幅に亘つて凹設され、さらに裏面には反射
手段として点刻46が形成されている。点刻46は小さな円
錐状凹部からなり、前記各入光部45から導光体14内に入
射した光源13からの光50を表面側に反射させるもので、
各入光部側端より導光体中央部に至るにしたがつて点刻
密度が連続的もしくは不連続に増大し、これによつて単
位面積当りの照射量が各部一定になるようにしている。

前記光源13は管球バルブ（線状光源）からなり、前記
スケツト18によつて保持され、前記導光体14の入光部45
にこれを平行になるよう配設されている。光源13から出
た光50は前記入光部45から導光体14内に入光し、その一
部が前記点刻46に当つて導光体表面より外部に出光する
ことでマーク部２を照射し、残りの光は導光体14の表裏
面で端面反射を繰返す。そして導光体14の裏面が傾斜し
ていることから反射を繰り返していると遂には臨界角を
越えて表面もしくは裏面から外部に出光し、表面側に出
た光はマーク部２を照射する。一方、裏面側に出光した
光は、ケース11の内底面に当つて反射し、導光体14内に
再入光することで再利用される。したがつて、光の利用
効率が高くなり明るい照明を可能にする。

前記管球バルブ13は一般の点光源からなる電球と比較
して入光部45の最大有効利用立体角α（第１図）を大き
く設定できる利点を有し、この点からも導光体14内に入
光する光量が増大し、照明効果の向上を計ることができ
る。

前記ソケツト18はゴム等で製作され、その表面には前
記光源13の導光体14側とは反対側周面を被う略半円形の
反射板52が一体に突設され、裏面にはプリント基板53が
固定されている。前記反射板52は光源13から出た光のう
ち導光体14とは反対方向、すなわち外側方向の光を反射
し、入光部45より導光体14内に入射させる。前記プリン
ト基板53には外部コード54の一端が接続されており、こ
の外部コード54は前記バルブ交換孔21より車体本体20内
に導かれている。バルブ交換時には車体本体20内よりバ
ルブ交換孔21に差し込んでソケツト18を光源13と共にソ
ケツト取付用孔19より外し、車体本体20内に導けばよ
い。したがつて、リアーガーニツシユ16を車体本体20か
ら取り外す必要がない。

なお、第７図中56はテールランプである。

かくしてこのような構成からなるマークプレートラン
プ10においては、導光体14によつて単位面積当りの照射
量が各部一定になるよう、表示板12の表面から外部に出
光する光50の量を制御しているので、マーク部２全体を
ムラなく均一な明るさで照明することができる。また、
導光体14の表裏面で反射を繰返す光は裏面が傾斜してい
ることから遂には臨界角を越えて表面から外部に出光
し、マーク部２を照明するため、光の利用効率が大で、
高輝度照明を可能にし、自動車のフアツシヨン性および
安全性を向上させる。さらに光源13として管球バルブを
使用すると、入光部45の有効利用立体角αを電球の場合
と比較して大きくでき、一層光の有効利用を計ることが
できる。その上ソケツト18の反射板52も光の利用効率を
増大させ、結果として従来のマークプレートランプに比
して平均輝度を170％程度増大させ得るという結果が得
られた。

マーク部２の見切り（輪郭）はステツプ29よりマーク
部２を厚肉とすることでだれることがなく、マーク部２
を明瞭なものとする。スモークフイルタ33の金属調遮光
膜30はステツプ29を通つて入射した外光を反射するた
め、昼，夜間を問わずランプ10全体の大きさ，形状を表
示する。また、表示板12のステツプ29と飾りプレート40
のステツプ42とが互いに重なり合い、表示板12と飾りプ
レート40が一体的に連設しているように見えるため、マ
ークプレートランプ10をリアガーニツシユ16を含めた大
きさとして認識させ得る。

第９図および第10図はそれぞれ表示板の他の実施例を
示す要部拡大図である。第９図は表示板12の裏面に遮光
ルーバ付スモークフイルタ70を両面接着テープ，接着剤
等によつて固着した例、第10図は遮光ルーバ付スモーク
フイルタ70を表示板12の裏面に固着すると共に該フイル
タ70の表面でマーク部２に対応する箇所にスモーク印刷
層71を介して透光性着色層35を形成したものである。

遮光ルーバ付スモークフイルタ70は、スモークフイル
タ本体内に微細なシリコンゴム等からなる帯状遮光薄膜
73を左右または上下方向に所定の間隔をおいて多数枚平
行に配列して形成される。このような遮光ルーバ付スモ
ークフイルタ70を用いると、昼間の強い直射光下におい
てもマーク部２を黒色に見せることができる。

なお、上記実施例はマークプレートランプ10に適用し
た場合について説明したが、本発明はこれに特定される
ことなく各種表示装置に実施し得ることは勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明に係る表示装置は、表示板
の裏面に設けられる表示部を平坦部とし、それ以外の地
色部に多数の小さな凸レンズもしくは凹レンズからなる
ステツプを形成したので、ステツプがマーク部と地色部
の境界をはつきりさせ、文字等の判読を容易にする。ま
た、ガーニッシュを構成する飾りプレートのステップと
デザイン的によくマッチし、表示装置を飾りプレートを
含めた大きさとして認識させることができる。さらに、
本発明は表示板の裏面に導光体を対向配置し、光源から
出た光を表示部に導くようにしているので、光の制御が
容易で表示部全体の均一照明を可能にするなど、その効
果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明をマークプレートランプに適用した場合
の一実施例を示す第２図Ｉ−Ｉ線断面図、第２図は正面
図、第３図は第１図III−III線断面図、第４図は第２図
IV−IV線断面図、第５図は第２図Ｖ−Ｖ線断面図、第６
図は表示板の要部拡大断面図、第７図は自動車の要部斜
視図、第８図は外観斜視図、第９図および第10図はそれ
ぞれ表示板の他の実施例を示す要部断面図、第11図は従
来のマークプレートランプの斜視図、第12図は表示板の
要部断面図である。 １……表示板、２……マーク部（表示部）、３……遮光
膜層、４……地色部、５……金属粒子層、10……マーク
プレートランプ、11……ケース、12……表示板、13……
光源、14……導光体、29……ステツプ、30……金属調遮
光部、33……スモークフイルタ、35……透光性着色層、
45……入光部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】裏面に多数の小さな凸もしくは凹レンズか
   らなるステップが形成された飾りプレートの後方に配置
   されたケースと、このケースの前面開口部を覆い中央部
   が前記飾りプレートの開口部から外部に露呈し外周部が
   飾りプレートの裏面に密接する表示板と、この表示板の
   後方に配設され長手方向の両端面に入光部がそれぞれ形
   成され裏面に反射手段が設けられた導光体と、この導光
   体の前記入光部にそれぞれ配設された光源とを備え、前
   記表示板の裏面の一部に平坦面からなる透光性表示部を
   形成し、この表示部以外の裏面に前記飾りプレートのス
   テップと同一の大きさのステップを形成して地色部と
   し、このステップと前記飾りプレートのステップを互い
   に重なるように対応一致させたことを特徴とする表示装
   置。