JPH08233915A - 抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置及びこの装置を用いた遮断試験方法 - Google Patents

抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置及びこの装置を用いた遮断試験方法

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JPH08233915A
JPH08233915A JP7038617A JP3861795A JPH08233915A JP H08233915 A JPH08233915 A JP H08233915A JP 7038617 A JP7038617 A JP 7038617A JP 3861795 A JP3861795 A JP 3861795A JP H08233915 A JPH08233915 A JP H08233915A
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breaker
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breaking
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JP7038617A
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Yoichi Oshita
陽一 大下
Masatomo Oono
政智 大野
Minoru Sato
稔 佐藤
Morihisa Matsumoto
盛久 松本
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】送電線が無負荷のときに充電電流を遮断した場
合に、抵抗遮断方式遮断器の極間に印加される電圧を試
験において忠実に再現する。 【構成】高電圧小電流源10と遮断器20との間に配さ
れているコンデンサ31と、遮断器20に並列接続され
ている等価抵抗体32とを備えている試験装置を用い
る。コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗
値Reとの積は、送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗
体の抵抗値Rとの積に等しい。遮断器20の主遮断部1
が開いているときに、高電圧小電流源10からコンデン
サ31を介して遮断器20に電圧を印加すると、この主
遮断部1の極間電圧は、送電系統の遮断器の極間電圧波
形と同じ波形を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線が無負荷のとき
の充電電流を抵抗遮断方式遮断器で遮断する際の該遮断
器の遮断試験抵装置、及びこの装置を用いた遮断試験方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】昭和40年ごろ、送電系の遮断器とし
て、抵抗遮断方式遮断器が用いられていたが、送電電圧
の上昇に伴いガス遮断器が次第に用いられるようになっ
てきた。しかし、最近、1000kV級又はそれ以上の
高い送電電圧の電力送電系統が計画されており、その遮
断器として、開閉サージレベルを低く抑制できる抵抗遮
断方式遮断器が再び注目されるようになってきている。
【0003】このような抵抗遮断方式遮断器は、図4に
示すように、主遮断部1に、並列に抵抗体2および抵抗
遮断部3を接続したものである。遮断動作は、まず、主
遮断部1が開極し、遮断電流を抵抗体側の回路に転流す
る。引続き、抵抗遮断部3が開極し、抵抗体2に流れる
電流を遮断して遮断完了する。このように、抵抗遮断方
式では、主遮断部1の遮断と抵抗遮断部3の遮断との2
段階に分けることにより、遮断時に発生する最大サージ
を低く抑制することができる。
【0004】ところで、遮断器の責務としては、送電中
に落雷したとき等の事故時の電流遮断の他に、送電線が
無負荷のときの充電電流(進み小電流)遮断がある。こ
の無負荷送電線の充電電流遮断の等価回路は、図7に示
すように、電圧Vs及びインダクタンスLsで模擬され
る電源と、遮断器5と、無負荷送電線4の浮遊容量Cl
とで構成される。なお、送電線4の電源と反対側の端
部、つまり負荷側は、負荷がかからぬよう、負荷から遮
断されている。また、商用周波数においてはLsのイン
ピーダンスは、Cに比べ著しく小さいので、ここでは無
視する。
【0005】抵抗遮断方式を採用していない遮断器5に
よる無負荷送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流
波形が図8に示すものとなる。遮断器5が閉じる時刻t
1前は、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとは、基本的に
同じで、遮断器5に流れる電流Imは、浮遊容量Clに
より電源電圧Vsに対して90°位相の進んだ波形とな
る。時刻t1において遮断器5が開くと、この時刻t1
ら遮断器5に電流Imが流れなくなると共に、負荷側電
圧Vlはこの時刻t1の電圧波高値1puが残留する。
遮断器5が開くと、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとの
差が生じるために、遮断器5に極間電圧Viが生じる。
この極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlの
差電圧で、時刻t1以前の極間電圧Viから1puシフ
トした交流電圧波形(いわゆる1−cos波形)とな
る。このため、極間電圧Viの電圧波高値は、電源電圧
Vsの電圧波高値の2倍になってしまう。
【0006】一方、抵抗遮断方式の遮断器による無負荷
送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流波形が図5
に示すものとなる。主遮断部1が開く時刻tmまで(以
下、時刻tmまでを第1ステージとする。)は、電源電
圧Vs、負荷側電圧Vl及び電流Imは、先の場合と同
様である。時刻tmに主遮断部1が開くと、主遮断部1
に流れていた電流が抵抗遮断部3及び抵抗部2に流れる
ようになるため、そのときの等価回路は、図6に示すよ
うなものになる。つまり、主遮断部1が開くと、抵抗体
2が電流経路中に挿入されることになり、この結果、遮
断電流Imは、その電流値が小さくなると共に、その位
相が僅かに遅れる。また、負荷側電圧Vlは、その電圧
値が小さくなると共に、その位相が僅かに進む。このと
きの極間電圧Vi(=Vs−Vl)は、電流Imと同一
波形で、その電圧波高値は、電源電圧Vlの電圧波高値
よりも、当然、小さくなる。抵抗遮断部3が時刻trで
開くと(以下、時刻tm〜trの間を第2ステージと
し、時刻tr以降を第3ステージとする。)、この時刻
trから遮断器に電流Imが流れなくなると共に、負荷
側電圧Vlはこの時刻trの電圧波高値1puが残留す
る。また、極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧
Vlの差電圧であるから、時刻tmから時刻trまでの
間の極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形と
なる。抵抗遮断部3が開いた以降の極間電圧Viの電圧
波高値は、電源電圧Vsの波高値から、第2ステージの
負荷側電圧Vlの波高値(この波高値は、電源電圧Vs
の波高値より小さい。)を引いたものに等しいので、抵
抗遮断方式を採用しない場合の時刻t1以後の極間電圧
Viの電圧波高値も小さい。
【0007】このように、抵抗遮断方式では、この方式
を採用しないものに比べて、遮断器が開いた以降(抵抗
遮断方式の場合は主遮断部が開いたとき以降)の各部の
電圧及び電流の値を小さくすることができるというメリ
ットがある。
【0008】このような抵抗遮断方式遮断器は、以前に
使用されていた時代、つまり、昭和40年ごろでは、送
電線の電圧が近年よりもかなり低く、さらに、事故遮断
時よりも無負荷送電遮断時の方が充電電流(又は進み小
電流)がかなり低い等の理由により、無負荷送電線の遮
断試験は、ほとんど行われておらず、その試験方法も十
分に確立していなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たように、1000kV級又はそれ以上の高い送電電圧
の電力送電系統に、抵抗遮断方式遮断器を採用しようと
する場合には、遮断時の電圧値や電流値が大きくなるた
めに、無負荷送電線路の遮断試験を行う必要性が生じ
る。この無負荷送電線路の遮断試験では、送電系の電圧
が非常に高いが故、遮断器の遮断性能を非常に正確に評
価することが望まれる。このため、試験中において、遮
断器に通電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に
印加される過渡回復電圧波形とが正しく送電系統条件に
合わなければならない。すなわち、抵抗遮断方式遮断器
に対する無負荷送電路の遮断試験において、遮断器に通
電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に印加され
る過渡回復電圧波形とを正確に再現させることが望まれ
る。
【0010】ところで、遮断試験場の設備では、現実の
電力送電系統と比較して、電源容量を小さくするため
に、低電圧大電流の電流源と高電圧小電流の電圧源を組
合わせた合成試験回路を用いている。このとき、負荷容
量Cは、試験回路の電源容量、電源電圧・電流条件に合
わせて選択されるため、電力送電系統条件と異なった値
となる。このため、抵抗遮断方式遮断器を単に合成試験
回路に設けた場合、遮断電流及び極間電圧の位相や遮断
電流及び極間電圧のレベルが、電力送電系統条件と異な
ったものとなってしまうという問題点がある。
【0011】そこで、本発明は、このような問題点に着
目してなされたもので、遮断器に通電される遮断電流波
形と、電流遮断後に極間に印加される過渡回復電圧波形
とをできるかぎり忠実に再現して、遮断器の遮断性能を
正確に検証することができる抵抗遮断方式遮断器の遮断
試験装置及びこれを用いた遮断試験方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の遮断試験装置は、送電系統の交流電源と同レベル且つ
同位相の電圧を発生し、試験対象である抵抗遮断方式遮
断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統
の充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ
前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発
生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続され
る低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器
との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列
接続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源
と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該
遮断器に直列接続されている第2コンデンサと、前記遮
断器に並列接続されている等価抵抗体と、を備え、前記
第1コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積
が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵
抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前
記低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電
流のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記
低電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していること
で、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器と
の間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流
れる電流のレベルを小さくすることができる容量である
ことを特徴とするものである。
【0013】ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試
験方法は、前記抵抗体遮断部及び前記抵抗体を取り外し
た前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断
器の前記主遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電
流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記
主遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮
断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証し、前記
遮断器の前記主遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電
流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、前記
送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮
断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電圧を
検証することを特徴とするものである。
【0014】また、前記目的を達成するための他の遮断
試験装置は、送電系統の交流電源と同レベルで且つ同位
相の電圧を発生し、試験対象伝ある抵抗遮断方式遮断器
に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前
記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ
前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発
生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続され
る低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器
との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列
接続されていると共に互いに直列接続されている第1コ
ンデンサ及び第1等価抵抗体と、前記低電圧大電流源と
前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮
断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されて
いる第2コンデンサ及び第2等価抵抗体と、を備え、前
記第1コンデンサの容量と前記第1等価抵抗体の抵抗値
との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗
体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量
と前記第2等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮
遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等し
いことを特徴とするものである。
【0015】ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試
験方法は、前記抵抗体を取り外す一方で、取り外した箇
所を結線した前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付
け、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断
部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第
2等価抵抗体及び前記第2コンデンサを介して前記遮断
器の前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統におい
て前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまで
の間に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器
の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前
記高電圧小電流源から前記第1等価抵抗体及び前記第1
コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前
記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記
抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮
断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とするも
のである。
【0016】前記目的を達成するための更に他の遮断試
験装置は、送電系統の交流電源と同レベル且つ同位相の
電圧を発生し、試験対象である抵抗遮断方式遮断器に並
列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前記充
電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記
高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生
し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される
低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器と
の間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接
続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源と
前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮
断器に直列接続されている第2コンデンサと、を備え、
前記第1コンデンサの容量と試験対象の前記遮断器の前
記抵抗体として仮に取り付けた等価抵抗体の抵抗値との
積が前記送電線の浮遊容量と該遮断器の該抵抗体の抵抗
値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前記
低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電流
のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記低
電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していること
で、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器と
の間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流
れる電流のレベルを小さくすることができる容量である
ことを特徴とするものである。
【0017】ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試
験方法は、前記第1コンデンサの容量との積が、前記送
電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との
積に等しくなる抵抗値の等価抵抗体を、該抵抗体の変わ
りに取り付けた遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、
前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部が閉じて
いる状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデン
サを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前
記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部
に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開
き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧
大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の
前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前
記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間
に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前
記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態
で、前記高電圧小電流源から前記遮断器の前記主遮断部
に電圧をかけ、前記送電系統において前記主遮断部が開
いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の
極間にかかる電圧を検証し、前記遮断器の前記主遮断部
及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流
源から前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記
主遮断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系
統において前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極
間及び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証すること
を特徴とするものである。
【0018】
【作用】無負荷送電線路の充電電流遮断条件で抵抗遮断
するとき、電流が抵抗体の回路に転流されたときの等価
回路は、前述したように、図6のようになる。このと
き、主遮断部遮断後の極間電圧V(t)は、(数1)で表され
る。
【0019】
【数1】
【0020】γ = ωCR η = γ/√1+γ2 Em : 電源電圧波高値 V ω : 角加速度 1/s C : 送電線路の浮遊容量 F R : 遮断抵抗 Ω すなわち、電圧V(t)は、γ、η、Em、ω、tの関数で表
すことができる。ここで、送電系統と試験装置のEm、
ω、tは、電源を調節することで容易に一致させること
ができる。また、ηはγの関数であるから、結局、送電
系統と試験装置のγを併せることで、送電系統における
極間電圧V(t)を忠実に再現することができる。従って、
本発明の試験装置のように、コンデンサの容量と等価抵
抗体の抵抗値との積が、送電系統の送電線の浮遊容量と
遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積に等しいと、つまり、
送電系統のγ(=ω・C・R)と試験装置のγとが等しい
と、試験装置に取り付けた遮断器の極間電圧を忠実に再
現していることになる。
【0021】また、同様に、試験装置において、電源電
流波高値、ω、tやγ(=ω・C・R)を送電系統に合わ
せると、試験装置に取り付けた遮断器の抵抗遮断部に流
れる電流を忠実に再現することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る各種実施例について、図
面を用いて説明する。
【0023】まず、本発明に係る抵抗遮断方式遮断器の
性能試験装置の第1の実施例について説明する。本実施
例の抵抗遮断方式遮断器の性能試験装置は、図1に示す
ように、図7を用いて説明した送電系統の交流電源と同
レベルで且つ同位相の電圧を発生する高電圧小電流源1
0と、送電系統の充電電流のレベルより所定分だけ大き
いレベルで且つ高電圧小電流源10が発生する電圧と同
位相の電流を発生する低電圧大電流源15と、高電圧小
電流源10に直列接続されている第1コンデンサ31
と、低電圧大電流源15に直列接続されている第2コン
デンサ33及び補助遮断器35と、試験対象である遮断
器20に並列接続されている等価抵抗体32とを備えて
いる。
【0024】高電圧小電流源10と低電圧大電流源15
とは、互いに共有している共有部があり、この共有部
は、送電系統の交流電源と同位相の電圧を発生する短絡
発電機11とバックアップ遮断器12,12と投入スイ
ッチ13,13とから構成されている。高電圧小電流電
源10は、共有部の短絡発電機11で発生した交流電圧
を送電系統の交流電源と同レベルにする高電圧源変圧器
14を有している。また、低電圧大電流源15は、共有
部の短絡発生器11で発生した交流電流を充電電流のレ
ベルより所定分だけ大きいレベルにする大電流源変圧器
16を有している。高電圧源変圧器14と大電流源変圧
器16とは、それぞれ、短絡発電機11に対して並列に
接続されている。
【0025】高電圧源変圧器14、大電流源変圧器1
6、試験対象である遮断器20は、互いに並列接続され
ている。
【0026】第1コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗
体32の抵抗値Reは、互いの積(=Cv・Re)が、
送電系統の送電線4の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体2
の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう設定
されている。また、第2コンデンサ33の容量Ciは、
低電圧大電流源15が発生する電流のレベルが充電電流
のレベルより大きい分だけ、第2コンデンサ33が低電
圧大電流源15と遮断器20との間に介在していること
で、第2コンデンサ33が低電圧大電流源15と遮断器
20との間に介在していないときよりも、遮断器20に
流れる電流のレベルを小さくすることができる容量に設
定されている。補助遮断器35には、試験対象の遮断器
20の主遮断部1と同一のものを用いている。つまり、
補助遮断器35は、遮断器20の主遮断部1が閉じる
と、これとほぼ同時に閉じるよう、構成されている。
【0027】次に、以上で説明した本実施例の試験装置
を用いた試験の手順について説明する。試験に際して、
実際に送電系統に使用する抵抗遮断方式遮断器から、抵
抗遮断部3及び抵抗体2を取り外す。または、抵抗遮断
部3及び抵抗体2を取り付けていない主遮断部1のみの
遮断器20を試験装置に組み込む。そして、試験対象の
遮断器20の主遮断部1及び補助遮断器35を閉じてお
く。
【0028】次に、短絡発電機11を起動させる。短絡
発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20には、
大電流源変圧器16から第2コンデンサ33を介して電
流が流れ、高電圧源変圧器14から送電系統の交流電源
と同じレベルの電圧が第1コンデンサ31を介して印加
される。なお、試験対象の遮断器20には、高電圧源変
圧器14からの電流も流れるが、この電流値は大電流源
変圧器16からの電流の値に比べて遥かに小さいので、
試験対象の遮断器20に流れる電流の値は、大電流源変
圧器16からの電流の値と同じであるとみなすことがで
きる。
【0029】大電流源変圧器16からの電流は、第2コ
ンデンサ33により、その位相が90°進められてか
ら、試験対象の遮断器20に至ることになる。また、大
電流源変圧器16からの電流は、第2コンデンサ33が
大電流源変圧器16と遮断器20との間に介在していな
いときよりも、第2コンデンサ33のリアクタンス分だ
け小さくなり、送電系統の充電電流と同じレベルにな
る。従って、このときに、遮断器20に流れる電流は、
送電系統の第1ステージで遮断器の主遮断部1に流れる
電流Imと一致することなる。
【0030】次に、試験対象の遮断器20の主遮断部1
及び補助遮断器35を相前後して開く。遮断器20の主
遮断部1及び補助遮断器35が開くと、大電流源変圧器
16から遮断器20に電流が流れなくなると共に、高電
圧源変圧器14からの電圧が、第1コンデンサ31を介
して等価抵抗体32に印加される。この結果、等価抵抗
体32には、送電系統の第2ステージで遮断器の主遮断
部1の極間にかかる電圧と同レベルで且つ同位相の電圧
がかかる。
【0031】ここで、送電系統の第2ステージで遮断器
の主遮断部1の極間にかかる電圧と同レベルで且つ同位
相の電圧が等価抵抗体32にかかる理由について説明す
る。
【0032】送電系統の第2ステージ、つまり主遮断部
1が開き抵抗遮断部3が閉じているとき、遮断器も含め
た送電系統の等価回路は、図6を用いて前述したよう
に、交流電源と、遮断器の抵抗体と、送電線の浮遊容量
とを直列接続したものになる。このとき、遮断器の抵抗
体にかかる電圧V(t)は、前述した(数1)で表すことが
できる。すなわち、この電圧V(t)は、前述したように、
γ、η、Em、ω、tの関数で表すことができる。ここ
で、送電系統と試験装置のEm、ω、tは、一致してい
る。また、ηはγの関数であるから、送電系統と試験装
置のγを併せることで、送電系統における遮断器の抵抗
体にかかる電圧V(t)を忠実に再現することができる。従
って、本実施例の試験装置のように、第1コンデンサ3
1の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗値Reとの積(=
Cv・Re)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮
断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しい
と、つまり、送電系統のγ(=ω・Cl・R)と試験装置
のγ(=ω・Cv・Re)とが等しいと、試験装置に組み
込んだ等価抵抗32にかかる電圧は、送電系統の遮断器
の抵抗体にかかる電圧V(t)を忠実に再現していることに
なる。ところで、送電系統の第2ステージにおいて、遮
断器の抵抗体2にかかる電圧は主遮断部1の極間電圧V
iに等しいので、試験装置に組み込んだ等価抵抗32に
かかる電圧が、送電系統の第2ステージおける主遮断部
1の極間電圧Viを再現していることになる。
【0033】以上のように、本実施例では、送電系統の
第1ステージにおいて主遮断部1に流れる電流Im、及
び送電系統の第2ステージにおいて主遮断部1にかかる
極間電圧Viを忠実に再現することができる。従って、
主遮断部1の遮断性能を本実施例の試験装置で正確に検
証することができる。
【0034】次に、本発明に係る遮断試験装置の第2の
実施例について、図2を用いて説明する。本実施例の遮
断試験装置は、第1の実施例と同じ高電圧小電流源10
及び低電圧大電流源15と、高電圧小電流源10に直列
接続されている第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗
体32aと、低電圧大電流源15に直列接続されている
第2コンデンサ33a、第2等価抵抗体34a及び補助
遮断器35aとを備えている。本実施例においても、高
電圧小電流源10の高電圧源変圧器14、低電圧大電流
源15の大電流源変圧器16、試験対象である遮断器2
0aは、互いに並列に接続されている。第1コンデンサ
31a及び第1等価抵抗体32aは、高電圧小電流源1
0及び試験対象である遮断器20aに直列接続されてい
ると共に、互いの関係においても直列接続されている。
また、第2コンデンサ33a、第2等価抵抗体34a及
び補助遮断器35aは、低電圧小電流源15及び試験対
象である遮断器20aに直列接続されていると共に、相
互の関係においても直列接続されている。
【0035】第1コンデンサ31aの容量Cvと第1等
価抵抗体32aの抵抗値Rvは、互いの積(=Cv・R
v)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵
抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう
設定されている。また、第2コンデンサ33aの容量C
iと第2等価抵抗体34aの抵抗値Riも、互いの積
(=Ci・Ri)が、送電系統の送電線の浮遊容量Cl
と遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等
しくなるよう設定されている。補助遮断器35aには、
試験対象の遮断器の抵抗遮断部3と同一のものを用いて
る。つまり、補助遮断器35aは、遮断器20aの抵抗
遮断部3が閉じると、これとほぼ同時に閉じるよう、構
成されている。
【0036】次に、本実施例の試験装置を用いた試験の
手順について説明する。
【0037】試験に際して、実際に送電系統に使用する
抵抗遮断方式遮断器から、抵抗体2を取り外し、取り外
した部分に電流が流れるよう結線しておく。そして、試
験対象の遮断器20aの主遮断部1及び抵抗遮断部3
と、補助遮断器35aとを閉じておく。
【0038】次に、短絡発電機11を起動させる。短絡
発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20aに
は、大電流源変圧器16から電流が第2コンデンサ33
a及び第2等価抵抗体34aを介して流れ、高電圧源変
圧器14から送電系統の交流電源と同じレベルの電圧が
第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗体32aを介し
て印加される。その後、試験対象の遮断器20aの主遮
断部1を開く。主遮断部1を開くと、主遮断部1に流れ
ていた電流が抵抗遮断部3に転流する。この際、抵抗遮
断部3に流れる電流は、試験装置の第2コンデンサ33
aの容量Ciと第2等価抵抗体34aの抵抗値Riとの
積が送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体
の抵抗値Rとの積に等しいので、送電系統の第2ステー
ジにおいて抵抗遮断部3に流れる電流Imと、同レベル
で且つ同位相になる。
【0039】次に、試験対象の遮断器20aの抵抗遮断
部3及び補助遮断器35を相前後して開く。遮断器20
aの抵抗遮断部3及び補助遮断器35aが開くと、大電
流源変圧器16から遮断器20aに電流が遮断されると
共に、電流零点を迎える高電圧源変圧器11からの電流
も遮断されて、高圧電源変圧器11の電圧が主遮断部1
の極間及び抵抗遮断部3の極間に印加される。
【0040】ところで、送電系統の第3ステージにおい
て、遮断器の極間電圧Viは、前述したように、第2ス
テージの極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波
形である。一方、本実施例の試験装置では、高電圧源変
圧器11と遮断器20aとの間に第1コンデンサ31a
及び第1等価抵抗体32aが配され、且つ、第1コンデ
ンサ31aの容量Cvと第1等価抵抗体32aの抵抗値
Rvとの積(=Cv・Rv)が送電系統の浮遊容量Cl
と遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等
しいため、抵抗遮断部3が閉じていれば、送電系統の第
2ステージにおける極間電圧Viを模擬できる。従っ
て、試験対象の遮断器20aの抵抗遮断部3を開き、電
流零点を迎える高電圧源変圧器11からの電流を遮断し
て、高圧電源変圧器11の電圧を主遮断部1の極間及び
抵抗遮断部3の極間に印加させると、試験対象の遮断器
20aにおける極間電圧は、送電系統における第2ステ
ージの極間電圧Viからシフトした交流電圧波形、つま
り送電系統における第3ステージの極間電圧Viにな
る。
【0041】以上のように、本実施例では、送電系統の
第2ステージおいて抵抗遮断部3に流れる電流Im、及
び送電系統の第3ステージにおいて主遮断部1及び抵抗
遮断部3にかかる極間電圧Viを忠実に再現することが
できる。従って、抵抗遮断部3の遮断性能を本実施例の
試験装置で正確に検証することができる。
【0042】次に、本発明に係る遮断試験装置の第3の
実施例について、図3を用いて説明する。本実施例の遮
断試験装置は、第1の実施例と同じ高電圧小電流源10
及び低電圧大電流源15と、高電圧小電流源10に直列
接続されている第1コンデンサ31bと、低電圧大電流
源15に直列接続されている第2コンデンサ33及び補
助遮断器35bとを備えている。本実施例においても、
高電圧小電流源10の高電圧源変圧器14、低電圧大電
流源15の大電流源変圧器16、試験対象である遮断器
20bは、互いに並列に接続されている。また、第2コ
ンデンサ33及び補助遮断器35bは、低電圧大電流源
15及び遮断器20bに直列接続されていると共に、互
いの関係においても直列接続されている。
【0043】第1コンデンサ31bの容量Cvと試験対
象の遮断器20bの等価抵抗体32bの抵抗値Rvは、
互いの積(=Cv・Rv)が、送電系統の送電線の浮遊
容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・
R)に等しくなるよう設定されている。なお、試験対象
の遮断器20bの等価抵抗体32bは、その抵抗値Rv
が、実際に送電系に設置する遮断器の抵抗体の抵抗値R
と同じである必要はない。つまり、試験において、遮断
器20bの等価抵抗体32bは、実際に送電系統に設置
する際に用いるものと異なっているものでもよい。ま
た、第2コンデンサ33の容量Ciは、第1の実施例と
同じで、低電圧大電流源15が発生する電流のレベルが
充電電流のレベルより大きい分だけ、第2コンデンサ3
3が低電圧大電流源15と遮断器20bとの間に介在し
ていることで、第2コンデンサ33が低電圧大電流源1
5と遮断器20bとの間に介在していないときよりも、
遮断器20bに流れる電流のレベルを小さくすることが
できる容量に設定されている。
【0044】次に、本実施例の試験装置を用いた試験の
手順について説明する。試験に際して、試験対象の遮断
器20bの主遮断部1及び抵抗遮断部3と、補助遮断器
35bとを閉じておく。
【0045】次に、短絡発電機11を起動させる。短絡
発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20bに
は、大電流源変圧器16から電流が第2コンデンサ33
を介して流れ、高電圧源変圧器14から送電系統の交流
電源と同じレベルの電圧が第1コンデンサ31bを介し
て印加される。大電流源変圧器16からの電流は、第1
の実施例と同様に、第2コンデンサ33により、その位
相が90°進められてから、試験対象の遮断器20bに
至ることになる。また、大電流源変圧器16からの電流
は、第2コンデンサ33が大電流源変圧器16と遮断器
20bとの間に介在していないときよりも、第2コンデ
ンサ33のリアクタンス分だけ小さくなり、送電系統の
充電電流と同じレベルになる。従って、このときに、遮
断器20bに流れる電流は、送電系統の第1ステージで
遮断器の主遮断部1に流れる電流Imと同レベルで且つ
同位相になる。
【0046】次に、試験対象の遮断器20bの主遮断部
1を開く。主遮断部1が開くと、大電流源変圧器16か
らの電流が遮断器20bの抵抗遮断部3に転流する。本
実施例において、大電流源変圧器16と等価抵抗体32
bと第2コンデンサ33と遮断器20bの主遮断部1と
の関係は、第1の実施例における大電流源変圧器16と
等価抵抗体32と第2コンデンサ33と遮断器20の主
遮断部1との関係と同じであるので、第1の実施例と同
様に、試験において抵抗遮断部3に流れる電流は、送電
系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3に流れる電流
Imの位相と一致する。但し、第2コンデンサ33の容
量Ciと遮断器20bの等価抵抗体32bの抵抗値Rv
との積(=Ci・Rv)と、送電系統の浮遊容量Clと
遮断器の実際の抵抗体2の抵抗値Rとの積(=Cl・
R)とが一致してることを条件にしていないので、試験
において抵抗遮断部3に流れる電流は、そのレベルが送
電系統の遮断器の抵抗遮断部3に流れる電流のレベルと
一致しない。具体的には、試験において抵抗遮断部3に
流れる電流のレベルは、送電系統の第2ステージにおい
て抵抗遮断部3に流れる電流のレベルよりも小さくな
る。このように、試験において抵抗遮断部3に流れる電
流のレベルは、送電系統の第2ステージにおける電流レ
ベルよりも小さくなるが、一般に、充電電流遮断性能
は、電圧波形に依存し、遮断電流のレベルには鈍感なの
で、性能検証には実質的に支障はない。
【0047】その後、補助遮断器35bを開く。この状
態は、第1の実施例において、補助遮断器35及び主遮
断部1を開いた状態と同じであるから、第1の実施例と
同様の理由で、このときに、遮断器20bの主遮断部1
の極間にかかる電圧は、送電系統の第2ステージで遮断
器の主遮断部1の極間にかかる電圧Viと同レベルで且
つ同位相になる。
【0048】次に、試験対象である遮断器20bの抵抗
遮断部3を開ける。この状態は、第2の実施例におい
て、補助遮断器35a、遮断器20aの主遮断部1及び
抵抗遮断部3を開けた状態と同じであるから、第2の実
施例と同様の理由で、このとき、遮断器20bの主遮断
部1及び抵抗遮断部3にかかる電圧は、送電系統の第3
ステージで遮断器の主遮断部1の極間及び抵抗遮断部3
の極間にかかる電圧Viと同レベルで且つ同位相にな
る。
【0049】以上のように、本実施例では、送電系統の
第1ステージにおいて主遮断部1に流れる電流、送電系
統の第2ステージ及び第3ステージにおいて主遮断部1
及び抵抗遮断部3にかかる極間電圧を忠実に再現できる
と共に、送電系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3
に流れる電流をほぼ再現(位相が一致している。)する
ことができる。従って、主遮断部1及び抵抗遮断部3の
遮断性能を本実施例の試験装置で正確に検証することが
できる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、送電線が無負荷のとき
に充電電流を遮断する場合、抵抗遮断方式遮断器に流れ
る遮断電流の波形や、電流遮断後の極間に印加される電
圧の波形をほぼ忠実に再現できるので、無負荷送電線の
充電電流の遮断に関する抵抗遮断方式遮断器の性能を正
確に検証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例の抵抗遮断方式遮断
器の遮断試験装置の等価回路図である。
【図2】本発明に係る第2の実施例の抵抗遮断方式遮断
器の遮断試験装置の等価回路図である。
【図3】本発明に係る第3の実施例の抵抗遮断方式遮断
器の遮断試験装置の等価回路図である。
【図4】抵抗遮断方式遮断器の回路構成を示す説明図で
ある。
【図5】抵抗遮断方式遮断器で充電電流を遮断するとき
の各部の電圧及び電流波形を示す波形図である。
【図6】抵抗遮断方式遮断器の主遮断部を閉じ、抵抗遮
断部を開いているときの送電系統の等価回路図である。
【図7】無負荷送電系統の等価回路図である。
【図8】抵抗遮断方式を採用していない遮断器で充電電
流を遮断するときの各部の電圧及び電流波形を示す波形
図である。
【符号の説明】
1…主遮断部、2…抵抗体、3…抵抗遮断部、10…高
電圧小電流源、11…短絡発電機、14…高電圧源変圧
器、15…低電圧大電流源、16…大電流源変圧器、2
0,20a,20b…遮断器、31,31a,31b…
第1コンデンサ、32,32b…等価抵抗体、32a…
第1等価抵抗体、33,33a…第2コンデンサ、34
a…第2等価抵抗体、35,35a,35b…補助遮断
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 盛久 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電
    圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧小電流
    源と、 前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大
    きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と
    同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断
    器に並列接続される低電圧大電流源と、 前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コ
    ンデンサと、 前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コ
    ンデンサと、 前記遮断器に並列接続されている等価抵抗体と、 を備え、 前記第1コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値と
    の積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体
    の抵抗値との積に等しく、 前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発
    生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい
    分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記
    遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサ
    が該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していない
    ときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小
    さくすることができる容量である、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  2. 【請求項2】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記交流電源と同レベルで且つ同位相の
    電圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧小電
    流源と、 前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大
    きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と
    同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断
    器に並列接続される低電圧大電流源と、 前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に
    互いに直列接続されている第1コンデンサ及び第1等価
    抵抗体と、 前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に
    互いに直列接続されている第2コンデンサ及び第2等価
    抵抗体と、 を備え、 前記第1コンデンサの容量と前記第1等価抵抗体の抵抗
    値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵
    抗体の抵抗値との積に等しく、 前記第2コンデンサの容量と前記第2等価抵抗体の抵抗
    値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵
    抗体の抵抗値との積に等しい、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  3. 【請求項3】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電
    圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧小電流
    源と、 前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大
    きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と
    同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断
    器に並列接続される低電圧大電流源と、 前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コ
    ンデンサと、 前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コ
    ンデンサと、 を備え、 前記第1コンデンサの容量と試験対象の前記遮断器の前
    記抵抗体として仮に取り付けた等価抵抗体の抵抗値との
    積が前記送電線の浮遊容量と該遮断器の該抵抗体の抵抗
    値との積に等しく、 前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発
    生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい
    分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記
    遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサ
    が該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していない
    ときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小
    さくすることができる容量である、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  4. 【請求項4】前記第2コンデンサと前記遮断器との間に
    配され、該第2コンデンサ及び該遮断器に直列接続され
    ている補助遮断器を備えていることを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装
    置。
  5. 【請求項5】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電
    圧を発生し、該電圧が前記遮断器に印加されるよう接続
    される高電圧小電流源と、 前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されているコンデ
    ンサと、 前記遮断器に並列接続されている等価抵抗体と、 を備え、 前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積
    が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵
    抗値との積に等しい、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  6. 【請求項6】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電
    圧を発生し、該電圧が前記遮断器に印加されるよう接続
    される高電圧小電流源と、 前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に
    互いに直列接続されているコンデンサ及び等価抵抗体
    と、 を備え、 前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積
    が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵
    抗値との積に等しい、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  7. 【請求項7】交流電源と、送電線と、該交流電源と該送
    電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並
    列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗
    遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備
    えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電
    流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行
    う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、 前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大
    きいレベルで且つ前記送電系統の前記交流電源と同位相
    の電流を発生し、該電流を前記記遮断器に供給できるよ
    う接続される低電圧大電流源と、 前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低
    電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に
    互いに直列接続されているコンデンサと等価抵抗体と、 を備え、 前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積
    が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵
    抗値との積に等しい、 ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断
    試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う抵
    抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、 前記抵抗体遮断部及び前記抵抗体を取り外した前記遮断
    器を前記遮断試験装置に取り付け、 前記遮断器の前記主遮断部が閉じている状態で、前記低
    電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断
    器の前記主遮断部に電流を流し、前記送電系統において
    前記主遮断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証
    し、 前記遮断器の前記主遮断部を開いた状態で、前記高電圧
    小電流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、
    前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵
    抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電
    圧を検証することを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮
    断試験方法。
  9. 【請求項9】請求項2記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断
    試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う抵
    抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、 前記抵抗体を取り外す一方で、取り外した箇所を結線し
    た前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、 前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が
    閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2等
    価抵抗体及び前記第2コンデンサを介して前記遮断器の
    前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前
    記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間
    に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、 前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた
    状態で、前記高電圧小電流源から前記第1等価抵抗体及
    び前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮
    断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統に
    おいて前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及
    び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特
    徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法。
  10. 【請求項10】請求項3記載の抵抗遮断方式遮断器の遮
    断試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う
    抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、 前記第1コンデンサの容量との積が、前記送電線の浮遊
    容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しく
    なる抵抗値の等価抵抗体を、該抵抗体の変わりに取り付
    けた遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、 前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部が閉じて
    いる状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデン
    サを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前
    記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部
    に流れる電流を検証し、 前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が
    閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コ
    ンデンサを介して前記遮断器の前記抵抗遮断部に電流を
    流し、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから
    前記抵抗遮断部が開くまでの間に該抵抗遮断部に流れる
    電流を検証し、 前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が
    閉じている状態で、前記高電圧小電流源から前記遮断器
    の前記主遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前
    記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間
    に該主遮断部の極間にかかる電圧を検証し、 前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた
    状態で、前記高電圧小電流源から前記第1コンデンサを
    介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部
    に電圧をかけ、前記送電系統において前記抵抗遮断部が
    開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮断部の極間に
    かかる電圧を検証することを特徴とする抵抗遮断方式遮
    断器の遮断試験方法。
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