JPH08233277A - ガス制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被調理物の温度を検出して、被調理物の温度
が異常温度に上昇するとバーナの燃焼を制御するものに
おいて、回路構成の簡素化によるコストダウンを目的と
するものである。 【構成】 本発明は、鍋等の被調理物を加熱するバーナ
へのガス通路に元電磁弁を設けると共に、被調理物の底
面等に接触してこの被調理物の温度を検出する温度セン
サーを設け、この温度センサーを元電磁弁に直接又は制
御回路を介して接続し、被調理物の温度が予め設定した
設定温度以上に達すると元電磁弁を閉じてバーナを消火
するものにおいて、ガス通路の元電磁弁下流にバイパス
通路を並列接続した制御電磁弁を設けると共に、温度セ
ンサーを設定温度が異なる複数のＰＴＣ素子で構成し、
設定温度の高いＰＴＣ素子により元電磁弁を制御し、設
定温度の低いＰＴＣ素子により制御電磁弁を制御して成
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主にハイカロリー型の
コンロ用バーナ等へのガス供給を制御するガス制御装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンロ用バーナを用いたガステーブルコ
ンロでは、例えば特開平４−１８７９１３号公報等にて
示される様に、コンロ用バーナの略中央部に鍋等の被調
理物の温度を検出する温度センサを設け、被調理物の温
度が例えば天ぷら調理の発火温度に達するとバーナを消
火する様に構成している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、上記温度センサ
の多くはサーミスタにて構成し、このサーミスタの抵抗
値変化を制御回路により温度値に変換して被調理物の温
度を検出している為、制御回路が複雑でかつ高価とな
る。

【０００４】そこで本発明は、比較的安価な構成によ
り、被調理物の温度が予め設定した異常温度に上昇する
と、これを検出してバーナを消火する事を目的とするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、鍋等の被調理
物を加熱するバーナへのガス通路に元電磁弁を設けると
共に、被調理物の底面等に接触してこの被調理物の温度
を検出する温度センサーを設け、この温度センサーを元
電磁弁に直接又は制御回路を介して接続し、被調理物の
温度が予め設定した設定温度以上に達すると元電磁弁を
閉じてバーナを消火するものにおいて、ガス通路の元電
磁弁下流にバイパス通路を並列接続した制御電磁弁を設
けると共に、温度センサーを設定温度が異なる複数のＰ
ＴＣ素子で構成し、設定温度の高いＰＴＣ素子により元
電磁弁を制御し、設定温度の低いＰＴＣ素子により制御
電磁弁を制御して成るものである。

【０００６】

【作用】複数の温度センサーにより被調理物の温度を検
出し、被調理物の温度が低い設定温度に達するとこれを
ＰＴＣ素子により検出して制御電磁弁を閉じ、バイパス
通路を通じてバーナにガスを供給してバーナの火力を低
減する。

【０００７】又、バーナの火力を低減しても被調理物の
温度が更に上昇して高い設定温度に達すると、これをＰ
ＴＣ素子により検出して元電磁弁を閉じ、バーナへのガ
ス供給を停止してバーナを消火する。

【０００８】これにより、サーミスタ等の温度センサー
の温度変化を検出して被調理物の温度値を検出する制御
回路を用いることなく、比較的安価な構成にて被調理物
の温度が異常高温に達するとバーナの火力を調節して安
全側に制御を行う事が出来るものである。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を先ず図１に基づき説明する
と、(１)はガステーブルコンロのコンロ本体で、天板
(２)の左右にコンロ部(３)(４)を装着していると共に、
これらのコンロ部間にグリル(５)を内蔵し、かつ実施例
では、上記コンロ部(３)に装着したコンロ用バーナ(６)
を最大ガス量が例えば４，３００キロカロリー前後のハ
イカロリーバーナとし、コンロ部(４)に装着したコンロ
用バーナ(７)を例えば２，０００キロカロリー前後の標
準バーナとしている。

【００１０】(８)は上記コンロ本体(１)の前面に装着し
た操作パネルで、上記コンロ部(３)(４)の前方に対応位
置して左右へのスライド操作により上記コンロ用バーナ
(６)(７)とグリル(５)内の図示しないグリル用バーナの
火力を調節する操作摘み(９)(10)(11)を装着していると
共に、これら操作摘みの下方に位置してプッシュプッシ
ュ操作により上記コンロ用バーナ(３)(４)及びグリル用
バーナの点滅操作を行う点火摘み(12)(13)(14)を配置し
ている。

【００１１】又例えば上記コンロ用バーナ(６)の略中央
部には、ＰＴＣ（Positive Temperature Coefficient）
サーミスタを用いた被調理物の温度を検出する温度セン
サー(15)を配設している。

【００１２】図２は上記コンロ用バーナ(６)の点滅操作
等を行うバルブ装置で、アルミダイキャストにて形成し
たバルブ本体(16)内に、元電磁弁(17)と、主弁(18)を一
体的に装着した主弁軸(19)とを軸方向に摺動自在に内装
し、この主弁軸の一端を上記元電磁弁(17)の弁軸(20)先
端に対向し、かつ他端をバルブ本体(16)の前面に突出し
ていると共に、上記主弁軸(19)の主弁(18)と他端間に点
火弁部(21)を一体に形成し、上面に、上記元電磁弁(17)
の弁体(22)と主弁(18)を通過したガスが流出する主ガス
流出孔(23)、及び上記主弁(18)と点火弁部(21)を通過し
たガスが流出する点火ガス流出孔(24)を開口している。

【００１３】(25)は上記バルブ本体(16)の上面に連結し
た調節ユニットで、上記主ガス流出孔(23)に連通する主
ガス流路(26)の下流部分に火力調節用の調節弁(27)を配
設し、かつこの調節弁の下流に図示しないガス噴出用の
ガスノズルを装着するガス出口(28)を設けていると共
に、上記主ガス流路(26)の調節弁(27)上流に制御電磁弁
(29)を配設している。

【００１４】尚上記制御電磁弁(29)は、上記主ガス流路
(26)の途中に形成した副弁座(30)を開閉する副弁(31)に
副弁軸(32)を連結していると共に、この副弁軸の先端を
上記調節ユニット(25)の前面に突出している。

【００１５】又上記調節ユニット(25)には、上記主ガス
流路(26)の制御電磁弁(29)をバイパスするバイパス通路
(33)を形成し、かつこのバイパス通路には、通路内を通
過するガス流量を予め設定した所定流量（例えば２，４
００キロカロリー前後）に規制するオリフィス(34)を配
設していると共に、一端を上記バルブ本体(16)の点火ガ
ス流出孔(24)に連通し、他端を上記ガス出口(28)に連通
した点火ガス流路(35)を形成している。

【００１６】(36)は上記バルブ本体(16)の前面にて、上
記主弁軸(19)と同一軸線上に位置して軸方向に摺動自在
に装着した操作レバーで、これに一体に例えばハート型
のガイド溝(37)を形成していると共に、このガイド溝内
にピン(38)の先端を係入し、このピンと上記ガイド溝(3
7)との組み合わせにより、操作レバー(36)の軸方向への
押し操作によりプッシュプッシュ操作する様に構成して
いる。

【００１７】又上記操作レバー(36)の適所には、上記副
弁軸(32)の突出部に装着した連動レバー(39)を点火操作
時に駆動する作動部(40)を一体に形成し、操作レバー(3
6)の点火位置への押し込み操作（主弁軸(19)を元電磁弁
(17)の開弁セット位置迄押し込む）により上記連動レバ
ー(39)の先端を作動部(40)により駆動することで、連動
レバー(39)が副弁軸(32)に装着した係止リング(41)に当
接して副弁軸(32)を軸方向に摺動して制御電磁弁(29)の
副弁(31)を開弁セットする。

【００１８】一方上記温度センサー(15)は、図３にて示
す様に設定温度を例えば２２０℃に設定した第１のＰＴ
Ｃ素子(42)と、設定温度を例えば２７０℃に設定した第
２のＰＴＣ素子(43)で構成し、これらの素子をスイッチ
ング用トランジスタ(44)(45)と調整用抵抗(46)(46)を介
して上記制御電磁弁(29)と元電磁弁(17)に各々接続して
いると共に、これら制御電磁弁と元電磁弁と上記ＰＴＣ
素子(42)(43)との間には、乾電池等の電池(47)と上記操
作レバー(36)等に連動するコックスイッチ(48)を直列に
接続している。

【００１９】尚上記ＰＴＣ素子(42)(43)は、例えばチタ
ン酸バリウム半導体等の、上記設定温度に達すると抵抗
異常により急激に内部抵抗が増加するものを用いている
と共に、上記トランジスタ(44)(45)は、図４にて示す様
にこのコンロ用バーナの燃焼部に近接して設けた熱電対
(49)の起電力を制御回路(50)により検出し、コックスイ
ッチ(48)が閉じて上記コンロ用バーナ(６)が燃焼中に、
何らかの理由によりこのバーナが失火して熱電対(49)の
起電力が低下した場合には、これを制御回路(50)により
検出してトランジスタ(44)(45)をオフして上記元電磁弁
(17)と制御電磁弁(29)を閉じる為のものである。

【００２０】又上記ＰＴＣ素子(42)(43)は、例えば図５
にて示す如く中空筒状のケース(51)を、その上面(52)が
鍋等の被調理物(53)の底面に当接する様にスプリング(5
4)により常時押し上げ、上記ケース(51)の上面(52)の裏
側に該部の温度を検出する様に並設している。

【００２１】尚上記制御回路(50)は、実施例の場合端子
(55)の電圧の有無によりコックスイッチ(48)のオン・オ
フ状態を検出し、このコックスイッチがオンしてコンロ
用バーナ(６)が燃焼中にも係わらず熱電対(49)から所定
の起電力が出力されていない場合には、出力(56)(57)を
オフして上記トランジスタ(44)(45)をオフし、元電磁弁
(17)と制御電磁弁(29)への電源供給を停止してバーナ
(６)へのガス供給を停止するもので、熱電対(49)の起電
力をコンパレータ等により比較することで、マイクロコ
ンピュータ等を用いることなく比較的簡単に構成出来る
ものである。

【００２２】而して、コンロ用バーナ(６)の動作につい
て説明すると、点火摘み(12)の押し込み操作により点火
操作を行うと、図６のにてコックスイッチ(48)が閉じ
て元電磁弁(17)と制御電磁弁(29)に電池(47)電源を供給
してこれを開くと同時に、点火器を作動して上記コンロ
用バーナ(６)の燃焼部に設けた点火プラグ(58)に放電し
てこれを点火する。

【００２３】コンロ用バーナ(６)が点火し、これを熱電
対(49)の起電力にて検出すると、にて点火摘み(12)か
ら手を離して点火操作を止めても制御回路(50)によりこ
れを検出してトランジスタ(44)(45)を継続してオンし、
元電磁弁(17)と制御電磁弁(29)に継続して電池(47)の電
源を供給する。

【００２４】一方、天ぷら調理等の調理中に、油量が少
ない等の理由によって被調理物(53)の温度が上昇して
にて上記設定温度の例えば２２０℃に達すると、第１の
ＰＴＣ素子(42)の内部抵抗が急激に増加して制御電磁弁
(29)への電池(47)電圧が低下してこれを閉成し、これに
よりコンロ用バーナ(６)へはバイパス通路(33)を介して
ガス供給してその火力を低減する。

【００２５】更に、上記にてコンロ用バーナ(６)の火
力を低減しても被調理物(53)の温度が更に上昇し、に
て上記設定温度の例えば２７０℃に達すると、第２のＰ
ＴＣ素子(43)の内部抵抗が急激に上昇して元電磁弁(17)
への電池(47)電圧が低下してこれを閉成し、これにより
コンロ用バーナ(６)へのガス供給を停止してこれを消火
し、天ぷら油の発火による火災や、コンロ本体(１)に近
接した壁面温度の上昇等を防止する。

【００２６】そこでこの消火状態を制御回路(50)に設け
たブザー等の報知装置により報知すれば、使用者がこれ
に気付いてにて点火摘み(12)を消火操作する。

【００２７】尚上記実施例では、温度センサー(15)をコ
ンロ用バーナ(６)側にのみ設けているが、これに限定さ
れることなくコンロ用バーナ(７)に設けても良い。

【００２８】

【発明の効果】本発明の構成により、設定温度の異なる
複数のＰＴＣ素子により被調理物の温度を検出すると共
に、これらの素子を直接バーナへのガス通路に設けた電
磁弁に接続し、被調理物の温度が設定温度に到達する
と、ＰＴＣ素子により電磁弁への電源電圧を低下して電
磁弁を閉じる様に構成したことで、比較的簡単な回路構
成により、被調理物の異常温度上昇による火災の発生等
を防止する事が出来るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による実施例を示す正面図である。

【図２】同じく要部の側面縦断面図である。

【図３】同じく要部の電気回路図である。

【図４】同じく要部の概略構成図である。

【図５】同じく要部の側面縦断面図である。

【図６】同じくタイムチャート図である。

【符号の説明】

６ コンロ用バーナ ７ コンロ用バーナ 15 温度センサー 17 元電磁弁 29 制御電磁弁 33 バイパス通路 42 第１のＰＴＣ素子 43 第２のＰＴＣ素子 50 制御回路 53 被調理物

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田渕 光章 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍋等の被調理物を加熱するバーナへのガ
   ス通路に元電磁弁を設けると共に、上記被調理物の底面
   等に接触してこの被調理物の温度を検出する温度センサ
   ーを設け、この温度センサーを上記元電磁弁に直接又は
   制御回路を介して接続し、上記被調理物の温度が予め設
   定した設定温度以上に達すると上記元電磁弁を閉じてバ
   ーナを消火するものにおいて、上記ガス通路の元電磁弁
   下流にバイパス通路を並列接続した制御電磁弁を設ける
   と共に、上記温度センサーを上記設定温度が異なる複数
   のＰＴＣ素子で構成し、設定温度の高いＰＴＣ素子によ
   り上記元電磁弁を制御し、設定温度の低いＰＴＣ素子に
   より上記制御電磁弁を制御する事を特徴とするガス制御
   装置。