JPH08233091A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JPH08233091A
JPH08233091A JP7037832A JP3783295A JPH08233091A JP H08233091 A JPH08233091 A JP H08233091A JP 7037832 A JP7037832 A JP 7037832A JP 3783295 A JP3783295 A JP 3783295A JP H08233091 A JPH08233091 A JP H08233091A
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JP
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control
hydraulic pressure
friction element
hydraulic
feedback
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JP7037832A
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English (en)
Inventor
Koichi Aoyama
浩一 青山
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速ショックの発生やフィードバック制御の
発散を抑える。 【構成】 変速指令信号が出力されると、トルク相制御
を開始し、設定時間Tjvだけ油圧回路中の電磁弁を全開
状態にして変速機のクラッチ等の摩擦要素に作用させる
油圧を急上昇させた後、油圧を予め運転条件に応じて設
定された設定値に見込み制御する。この後、入力軸回転
数NTが下がり始めると、イナーシャ相制御(フィード
バック制御)を実行する。この際、油圧のフィードバッ
ク初期値を見込み制御の油圧の設定値より高く設定する
ことで、フィードバック制御開始当初の摩擦要素の結合
圧(油圧)を適正値に近付けて、フィードバック制御開
始当初のクラッチへの供給油圧のオーバーシュートを小
さくし、出力軸トルクのオーバーシュートやフィードバ
ック制御の発散を抑える。この後、入力軸回転数NTが
下がり終わる直前で、変速終了制御に移行し、油圧を徐
々に上昇させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変速機のクラッチ,ブ
レーキ等の摩擦要素に作用させる油圧を制御して変速さ
せるようにした自動変速機の油圧制御装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機は、エンジンの出力
を伝達するトルクコンバータと、このトルクコンバータ
の出力を変速する変速機とから構成され、変速機は、遊
星歯車機構と、この遊星歯車機構への動力伝達経路を切
り替えるための各種クラッチ,ブレーキ等の摩擦要素
と、この摩擦要素を油圧により作動させて摩擦要素の結
合圧を制御する油圧回路等とから構成されている。この
ものでは、変速時に摩擦要素が解放状態と結合状態との
間で切り替えられる際に、摩擦要素の結合圧(油圧)の
変化が適度に制御されないと、トルクショックが大きく
なる。
【0003】この対策として、特開平1−199040
号公報の変速制御装置では、図16に示すように、変速
時の制御を3つの段階に分け、トルク相制御、イナーシ
ャ相制御、変速終了制御を順次実行するようにしてい
る。この場合、変速指令信号が出力されてからある程度
の時間(t0 〜t1 )は、油圧補給の遅れやタービン回
転数の変化の遅れ等により実行ギア比が変化しない。こ
の領域Aがトルク相領域と呼ばれている。このトルク相
領域Aの次に、実行ギア比が次第に変化する領域Bがあ
り、この領域Bがイナーシャ相領域と呼ばれている。そ
の後、タービン回転数が変速先の値になってから所定時
間(t2 〜t3 )の領域Cが変速終了制御領域となる。
【0004】このような変速過程において、トルク相領
域Aでは、実行ギア比の変化(つまり変速によるタービ
ン回転数の変化)が生じるに至ってないが、出力軸トル
クには変化が生じるので、この出力軸トルクの変化を適
度に行わせるように摩擦要素の結合圧を調整する油圧回
路の油圧を、予め運転条件に応じて設定された設定値で
見込み制御(フィードフォワード制御)する。その後の
イナーシャ相領域Bでは、出力軸トルクが変化するの
で、その変化を適度に行わせるように摩擦要素に作用さ
せる油圧をフィードバック制御する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、トル
ク相領域Aとイナーシャ相領域Bとでは、トルク変動、
タービン回転数等の条件が異なってくるため、両領域
A,Bでは、摩擦要素に作用させる油圧の適正値も異な
ってくる。しかし、従来は、イナーシャ相領域Bで開始
されるフィードバック制御(イナーシャ相制御)におけ
る油圧の初期値を、トルク相領域Aで行われる見込み制
御(トルク相制御)の油圧と同じ値に設定して、イナー
シャ相制御を開始するようにしていたので、図16に示
すようにイナーシャ相制御の開始当初に油圧のオーバー
シュートが発生し、出力軸トルクがオーバーシュートし
てしまい、その際に変速ショックが発生するという問題
がある。しかも、イナーシャ相領域Bにおけるフィード
バック制御開始当初の摩擦要素への油圧が適正値から大
きくずれるため、フィードバック制御が発散するおそれ
もある。また、トルク相制御は、油圧回路の電磁弁を予
め運転条件に応じて設定された開度になるように見込み
制御するが、見込み制御開始当初は、油圧補給が遅れる
ため、見込み制御の開始当初のクラッチへの油の充填速
度も悪いという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、トルク相制御(見込
み制御)の開始当初のクラッチへの油の充填速度を向上
させることができると共に、トルク相制御(見込み制
御)からイナーシャ相制御(フィードバック制御)への
切り替えをスムーズに行うことができ、変速ショックの
発生やフィードバック制御の発散を抑制することができ
る自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の自動変速機の油圧制御装置は、
変速機のクラッチ,ブレーキ等の摩擦要素に作用させる
油圧を制御して変速させるようにしたものにおいて、前
記変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手
段と、変速指令信号が出力されたときに前記摩擦要素の
油圧回路に油を急速充填する急速充填制御手段と、前記
油の急速充填後に予め運転条件に応じて設定された特性
に従って前記油圧を見込み制御するトルク相制御手段
と、前記入力軸回転数検出手段により検出される前記入
力軸回転数の変化に基づいて前記見込み制御からフィー
ドバック制御に切り替えて前記油圧を制御するイナーシ
ャ相制御手段と、前記フィードバック制御の油圧の初期
値を前記見込み制御の油圧の設定値と異ならせて設定す
るフィードバック初期値設定手段とを備えた構成として
いる。
【0008】この構成において、請求項2のように、前
記変速機の入力トルクに関連する情報を検出する手段を
備え、前記フィードバック初期値設定手段は、前記入力
トルクに関連する情報と変速パターンとを考慮してフィ
ードバック制御の油圧の初期値を設定するようにしても
良い。
【0009】更に、請求項3のように、前記急速充填制
御手段は、前記入力トルクに関連する情報と変速パター
ンとを考慮して急速充填時間を設定するようにしても良
い。
【0010】
【作用】請求項1の構成によれば、変速指令信号が出力
されると同時に急速充填制御手段が作動し、摩擦要素の
油圧回路に油を急速充填して、摩擦要素に作用させる油
圧をその後の見込み制御の設定値まで急上昇させること
で、見込み制御の応答性を高める。見込み制御では、ト
ルク相制御手段により、予め運転条件に応じて設定され
た特性に従って油圧を制御して摩擦要素の結合圧を制御
する。そして、入力軸回転数検出手段により検出される
前記入力軸回転数の変化に基づいてトルク相領域からイ
ナーシャ相領域への移行タイミングを判断し、イナーシ
ャ相領域開始と同時に見込み制御からフィードバック制
御に切り替えて摩擦要素に作用させる油圧をイナーシャ
相制御手段によりフィードバック制御する。この際、フ
ィードバック初期値設定手段は、フィードバック制御の
油圧の初期値を見込み制御の油圧の設定値と異ならせて
設定することで、フィードバック制御開始当初の油圧
(摩擦要素の結合圧)を適正値に近付ける。これによ
り、フィードバック制御開始当初の補正量を小さくし
て、出力軸トルクのオーバーシュートやフィードバック
制御の発散を抑える。
【0011】更に、請求項2では、フィードバック初期
値設定手段は、入力トルクに関連する情報と変速パター
ンとを考慮してフィードバック制御の油圧の初期値を設
定する。つまり、必要とする摩擦要素の結合圧(油圧)
は負荷に応じて決まり、負荷は入力トルクと変速パター
ンで決まるため、入力トルクと変速パターンとに応じて
フィードバック制御の油圧の初期値を設定すれば、油圧
の初期値を最適値に設定可能である。
【0012】ところで、急速充填制御により油圧を見込
み制御の設定値まで上昇させるのに必要な急速充填時間
と見込み制御の設定値は、運転条件に応じて設定され、
運転条件は入力トルクや変速パターン等によって左右さ
れるという関係がある。
【0013】このような関係に着目し、請求項3では、
急速充填制御手段は、入力トルクに関連する情報と変速
パターンとを考慮して急速充填時間を設定する。これに
より、急速充填時間を運転条件によって決まる見込み制
御の設定値に応じた最適な時間に設定することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成
を説明する。エンジン11の吸気管12には、スロット
ルバルブ13とスロットル開度TAを検出するスロット
ル開度センサ14とが設けられている。また、エンジン
11のクランク軸15に嵌着されたシグナルロータ16
に対向して、所定のクランク角毎にパルス信号を出力す
るエンジン回転センサ17が設置されている。
【0015】エンジン11のクランク軸15には、自動
変速機18のトルクコンバータ19のポンプインペラ2
0が直結されている。このポンプインペラ20に対向し
てタービンランナ21が設けられ、両者で流体継手が構
成されている。このトルクコンバータ19内にはロック
アップクラッチ23が設けられ、このロックアップクラ
ッチ23が作動すると、タービンランナ21の回転軸で
あるタービン軸22がクランク軸15側に直結され、エ
ンジン11からの動力が直接タービン軸22に伝達され
るようになっている。このタービン軸22は、変速機2
4の入力軸となっており、この入力軸回転数NTが入力
軸回転数検出手段である入力軸回転センサ25によって
検出される。
【0016】一方、変速機24は、遊星歯車機構等のギ
ア機構26と、このギア機構26への動力伝達経路を切
り替えるための各種のクラッチ27,ブレーキ28等の
摩擦要素と、この摩擦要素を油圧により作動させて摩擦
要素の結合圧を制御する油圧回路29等とから構成さ
れ、油圧回路29には、油圧供給装置30や各摩擦要素
に作用させる油圧を調整する電磁弁31等が設けられて
いる。変速機24の出力軸32に嵌着されたシグナルロ
ータ33に対向して、出力軸32の回転数NOを検出す
る出力軸回転センサ34が設けられている。
【0017】尚、図1においては、図示が簡略化され、
クラッチ27とブレーキ28が1つずつしか示されてい
ないが、実際には、タービン軸22とギア機構26の第
1中間軸との間を係合/解放する第1クラッチと、第1
中間軸と第2中間軸との間を係合/解放する第2クラッ
チと、第1中間軸の回転数を抑制する第1ブレーキと、
第2中間軸の回転数を抑制する第2ブレーキ等の各種の
摩擦要素が設けられ、場合によっては第3中間軸に第3
クラッチと第3ブレーキが設けられている場合もある。
これら各種の摩擦要素を油圧回路29の油圧で作動させ
ることによって、入力軸(タービン軸22)の回転をギ
ア機構26で変速して出力軸32に伝達し、車輪(図示
せず)を駆動する。また、クラッチ27やブレーキ28
としては、多板式クラッチ、多板式ブレーキ、或はドラ
ムをライニングで締め付けるバンドブレーキ等が使用さ
れ、ワンウェイクラッチと組み合わされる場合が多い。
【0018】以上のように構成された自動変速機18を
制御する制御回路35は、マイクロコンピュータを主体
として構成され、入力軸回転センサ25、出力軸回転セ
ンサ34、スロットル開度センサ14、エンジン回転セ
ンサ17等からの各種の情報を読み込み、その入力情報
に基づいて、後述するトルク相制御(見込み制御)、イ
ナーシャ相制御(フィードバック制御)及び変速終了制
御を実行する。
【0019】ここで、本実施例の制御特性を図2のタイ
ムチャートを用いて説明する。図2のタイムチャート
は、車両走行中に図3のシフトパターンで変速タイミン
グが判断された時の各軸22,32の回転数の変化と電
磁弁31の油圧制御信号(クラッチ圧)の変化を概略的
に示したものである。
【0020】変速指令信号が出力されてから入力軸回転
数NTが低下し始めるまでの期間(t0 〜t1)はトルク
相制御を行う。このトルク相制御の開始と同時に、摩擦
要素の結合圧(油圧)を最大、つまり電磁弁31をデュ
ーティ比100%で駆動して全開状態とし、この全開状
態をスロットル開度TAと変速パターンに応じた設定時
間Tjvだけ継続して、摩擦要素の油圧回路29に油圧供
給装置30から油を急速充填して、摩擦要素に作用させ
る油圧を急上昇させる。この後、この油圧(電磁弁31
の開度)を予め運転条件に応じて設定された設定値に制
御する見込み制御を実行する。
【0021】この後、入力軸回転数NTが下がり始めて
から下がり終わる直前までの期間(t1 〜t2 )はイナ
ーシャ相制御を行う。このイナーシャ相制御は、フィー
ドバック制御で行うが、このフィードバック制御の油圧
の初期値を見込み制御の油圧の設定値より高く設定する
ことで、フィードバック制御開始当初の摩擦要素の結合
圧(油圧)を適正値に近付けて、クラッチへ供給する油
圧のオーバーシュートを小さくし、出力軸32トルクの
オーバーシュートやフィードバック制御の発散を抑え
る。
【0022】このイナーシャ相制御(フィードバック制
御)の終了後に、変速終了制御を所定時間(t2 〜t3
)だけ実行する。この変速終了制御では、摩擦要素に
作用させる油圧を徐々に上昇させる制御を行う。
【0023】以上説明した各制御は、図4に示す制御切
替ルーチンによって次のようにして切り替えられる。こ
の制御切替ルーチンは、短周期で繰り返し処理される。
処理が開始されると、まず、ステップ101で、シフト
アップ変速であるか否かを判定し、シフトアップ変速で
なければ、以降の処理を行わずに本ルーチンを終了す
る。一方、シフトアップ変速時には、ステップ102に
進んで、入力軸回転センサ25により検出される入力軸
回転数NTが低下し始めたか否か、つまりイナーシャ相
制御に切り替えるタイミングか否かを次の(1)式の条
件を満たすか否かにより判定する。 NO×iB−NT>DB ……(1) ここで、NOは出力軸回転センサ34により検出される
出力軸回転数、iBは変速パターンに応じて図5のマッ
プから求められる変速前ギア比、NTは入力軸回転セン
サ25により検出される入力軸回転数、DBは出力軸回
転数NOに応じて図6のマップから求められる判定値で
ある。
【0024】図2に示す時刻t1 において、NO×iB
−NT=DBとなり、これ以前は、NO×iB−NT≦
DBとなって、図4のステップ102の判定が「No」
となり、ステップ104に進んでトルク相制御を実行す
る。
【0025】一方、ステップ102で、NO×iB−N
T>DBと判定された場合には、イナーシャ相制御又は
変速終了制御を実行すべく、ステップ103へ進む。こ
のステップ103では、入力軸回転数NTが下がり終わ
る直前か否か、つまり変速終了制御に切り替えるタイミ
ングか否かを次の(2)式の条件を満たすか否かにより
判定する。 NT−NO×iA<DA ……(2) ここで、iAは変速パターンに応じて図5のマップから
求められる変速後ギア比であり、DAは出力軸回転数N
Oに応じて図6のマップから求められる判定値である。
【0026】図2に示す時刻t2 において、NT−NO
×iA=DAとなり、これ以前は、NT−NO×iA≧
DAとなって、図4のステップ103の判定が「No」
となり、ステップ105に進んでイナーシャ相制御を実
行する。一方、ステップ103で、NT−NO×iA<
DAと判定された場合には、ステップ106に進み、変
速終了制御を実行する。
【0027】次に、ステップ104で実行されるトルク
相制御の具体的内容を説明する。このトルク相制御は、
図7に示すトルク相制御ルーチンにより実行され、この
トルク相制御ルーチンが特許請求の範囲でいうトルク相
制御手段として機能する。このトルク相制御ルーチン
は、変速指令信号が出力されると処理が開始され、まず
ステップ111で、スロットル開度センサ14から出力
されるスロットル開度TAと変速パターンに応じて、図
8に示すマップより急速充填時間Tjvを検索する。続く
ステップ112で、急速充填時間Tjvを経過したか否か
を判定し、経過していなければ、ステップ113に進ん
で、油圧制御信号のデューティ比(電磁弁31の通電デ
ューティ比)を100%に設定する。これらステップ1
11〜113の処理が特許請求の範囲でいう急速充填制
御手段として機能し、トルク相制御の開始と同時に、摩
擦要素の結合圧(油圧)を最大、つまり電磁弁31をデ
ューティ比100%で駆動して全開状態とし、この全開
状態を上記急速充填時間Tjvだけ継続して、摩擦要素の
油圧回路29に油圧供給装置30から油を急速充填して
油圧を急上昇させる。
【0028】この後、急速充填時間Tjvを経過すると、
ステップ112の判定が「Yes」となり、ステップ1
14に進んで、スロットル開度TAと変速パターンに応
じて図9に示すマップより初期デューティ比DS1を検
索する。次のステップ115で、油圧制御信号のデュー
ティ比Dを初期デューティ比DS1に設定する。このよ
うに、急速充填時間Tjvの経過後は、油圧制御信号のデ
ューティ比Dを初期デューティ比DS1に設定すること
で、摩擦要素に作用させる油圧を予めスロットル開度T
Aと変速パターンに応じて設定された設定値に制御する
見込み制御を実行する。
【0029】この後、入力軸回転数NTが下がり始めて
から下がり終わる直前までの期間はイナーシャ相制御を
実行する。このイナーシャ相制御は、図10に示すイナ
ーシャ相制御ルーチンに従って実行され、このイナーシ
ャ相制御ルーチンが特許請求の範囲でいうイナーシャ相
制御として機能する。このイナーシャ相制御では、ま
ず、ステップ120で、スロットル開度TAと変速パタ
ーンに応じて、図11に示すマップより初期デューティ
比DS2を検索する。この初期デューティ比DS2は、
特許請求の範囲でいう“フィードバック制御の結合圧の
初期値”に相当し、これを設定するステップ120の処
理は、フィードバック初期値設定手段としての役割を果
たす。
【0030】初期デューティ比DS2の設定後、ステッ
プ130に進み、フィードバック制御を実行する。この
フィードバック制御では、図12に示すように、まずス
テップ131にて、今回の入力軸回転数NTnew から前
回の入力軸回転数NTold を差し引いて入力軸回転数N
Tの時間的変化DNTを求める。この後、ステップ13
2で、この時間的変化DNTから目標変化率DNTtgt
を差し引いて偏差ERRn を求める。この際、目標変化
率DNTtgt は、スロットル開度TAと変速パターンに
応じて図13に示すマップより求められる。
【0031】次のステップ133で、偏差ERRn を用
いてPID制御の補正項(ΔP:比例項,ΔI:積分
項,ΔD:微分項)を算出し、これらの補正項を加算し
て制御補正値DFBを求める。尚、各補正項ΔP,Δ
I,ΔDを算出する際に用いるフィードバック定数KI
,KP ,KD は、変速パターンに応じて図14に示す
マップより求められる。また、補正項ΔDの算出に用い
るERRo は、前回の処理で算出した偏差ERRn であ
る。この後、ステップ134で、NTold を今回の入力
軸回転数NTnew で更新すると共に、ERRo を今回の
偏差ERRn で更新する。続くステップ135で、制御
補正値DFBを出力する。
【0032】この後、図10のステップ140に進み、
初期デューティ比DS2に制御補正値DFBを加算して
油圧制御信号のデューティ比Dを求め、このデューティ
比Dで電磁弁31を駆動して弁開度を調整し、摩擦要素
の結合圧(油圧)を調整する。この際、摩擦要素がクラ
ッチ27であれば、クラッチ圧を調整し、ブレーキ28
であれば、ブレーキ力を調整する。
【0033】このイナーシャ相制御(フィードバック制
御)の終了後に、変速終了制御を所定時間実行する。こ
の変速終了制御では、図15に示す変速終了制御ルーチ
ンに従って摩擦要素の結合圧を徐々に上昇させる制御を
行う。この変速終了制御が開始されると、まずステップ
151で、変速終了制御開始から設定時間T1 を経過し
たか否かを判定し、設定時間T1 を経過するまでは、ス
テップ152に進んで、油圧制御信号のデューティ比D
を0.5%増加させる。従って、変速終了制御開始から
設定時間T1 を経過するまでは、この変速終了制御ルー
チンが実行される毎に油圧制御信号のデューティ比Dを
0.5%ずつ増加させる処理を繰り返し、摩擦要素の結
合圧(油圧)を徐々に上昇させる。
【0034】この後、変速終了制御開始から設定時間T
1 を経過すると、ステップ151の判定が「Yes」と
なり、ステップ153に進んで、設定時間T2 を経過し
たか否かを判定し、設定時間T2 を経過するまでは、ス
テップ154に進んで、油圧制御信号のデューティ比D
を1.0%増加させる。従って、設定時間T2 を経過す
るまでは、この変速終了制御ルーチンが実行される毎に
油圧制御信号のデューティ比Dを1.0%ずつ増加させ
る処理を繰り返し、摩擦要素の結合圧(油圧)を徐々に
上昇させる。
【0035】この後、設定時間T2 を経過すると、ステ
ップ153の判定が「Yes」となり、変速終了制御を
終了する。この後は、油圧制御信号のデューティ比Dを
100%に設定して、電磁弁31を全開状態にし、摩擦
要素の結合圧(油圧)を最大にする。
【0036】以上説明した実施例によれば、変速指令信
号が出力されると同時に油圧制御信号のデューティ比D
を一時的に100%に設定して電磁弁31を全開状態に
するようにしたので、摩擦要素の油圧回路29に油を急
速充填することができて、油圧をその後の見込み制御の
設定値まで速やかに上昇させることができ、クラッチへ
の油の充填速度を高めることができる。
【0037】しかも、上記実施例では、この急速充填時
間Tjvを、スロットル開度TA(入力トルクに関連する
情報)と変速パターンに応じて設定するようにしたの
で、急速充填時間Tjvを、運転条件によって決まる見込
み制御の設定値に応じた最適な時間に設定することがで
きて、急速充填効果を更に高めることができる。
【0038】しかしながら、本発明は、急速充填時間T
jvを予め設定された一定時間(但し短時間)に設定して
も良く、この場合でも本発明の所期の目的を十分に達成
することができる。
【0039】更に、上記実施例では、見込み制御からフ
ィードバック制御に切り替える際にフィードバック制御
の初期デューティ比DS2を見込み制御のデューティ比
DS1よりも高く設定するようにしたので、フィードバ
ック制御開始当初の摩擦要素の結合圧を適正値に近付け
て、クラッチへの供給油圧のオーバーシュートを小さく
することができ、出力軸トルクのオーバーシュートやフ
ィードバック制御の発散を抑えることができる。しか
も、フィードバック制御の初期デューティ比DS2をス
ロットル開度TA(入力トルクに関連する情報)と変速
パターンに応じて設定するようにしたので、摩擦要素の
結合圧(油圧)の初期値を最適値に設定することができ
る。つまり、必要とする摩擦要素の結合圧は負荷に応じ
て決まり、負荷は入力トルクと変速パターンで決まるた
め、入力トルクと変速パターンとに応じてフィードバッ
ク制御の油圧の初期値を設定すれば、油圧の初期値を最
適値に設定可能である。
【0040】尚、上記実施例では、入力トルクに関連す
る情報として、スロットル開度TAを用いるようにした
が、例えば、吸気量,吸気管圧力,エンジン回転数NE
等を用いるようにしても良い。
【0041】また、フィードバック制御の初期デューテ
ィ比DS2を次のような方法で設定するようにしても良
い。 (1)エンジン回転センサ17から出力されるエンジン
回転数信号NEにより見込み制御のデューティ比DS1
を補正してフィードバック制御の初期デューティ比DS
2を求める。 (2)フィードバック制御による補正量の大きさに応じ
て初期デューティ比DS2を学習し、それを次回の初期
デューティ比DS2の算出に反映させる。
【0042】また、上記実施例では、見込み制御のデュ
ーティ比DS1をスロットル開度TAと変速パターンに
応じて設定するようにしたが、吸気量,吸気管圧力,エ
ンジン回転数NE等の他の運転条件によって設定するよ
うにしても良い。
【0043】また、上記実施例では、変速終了制御にお
いて、油圧制御信号のデューティ比Dの上昇率を2段階
に切り替えるようにしたが、3段階以上に切り替えるよ
うにしても良く、勿論、デューティ比Dの上昇率を最初
から最後まで一定にしても良い。また、デューティ比D
の上昇率も、0.5%,1.0%に限定されないことは
言うまでもない。
【0044】また、上記実施例では、初期デューティ比
DS1,DS2や急速充填時間Tjvをマップ検索により
求めるようにしたが、これらを所定の関数を用いて算出
するようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、変速指令信号が出力される
と同時に摩擦要素の油圧回路に油を急速充填するので、
摩擦要素に作用させる油圧をその後の見込み制御の設定
値まで速やかに上昇させることができて、クラッチへの
油の充填速度を高めることができる。しかも、見込み制
御からフィードバック制御に切り替える際に、フィード
バック制御の油圧の初期値を見込み制御の油圧の設定値
と異ならせて設定するので、フィードバック制御開始当
初の供給油圧のオーバーシュートを小さくすることがで
きて、出力軸トルクのオーバーシュートやフィードバッ
ク制御の発散を抑えることができる。
【0046】更に、請求項2では、入力トルクに関連す
る情報と変速パターンとを考慮してフィードバック制御
の油圧の初期値を設定するので、油圧の初期値を最適値
に設定することができる。
【0047】また、請求項3では、入力トルクに関連す
る情報と変速パターンとを考慮して急速充填時間を設定
するので、急速充填時間を運転条件によって決まる見込
み制御の設定値に応じた最適な時間に設定することがで
きて、急速充填効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すシステム全体の概略構
成図
【図2】変速制御の一例を示すタイムチャート
【図3】変速線図
【図4】制御切替ルーチンの処理の流れを示すフローチ
ャート
【図5】変速前/変速後の各ギア比のマップを示す図
【図6】制御切替用の判定値DB,DAのマップを示す
【図7】トルク相制御ルーチンの処理の流れを示すフロ
ーチャート
【図8】急速充填時間Tjvのマップを示す図
【図9】見込み制御の初期デューティ比DS1のマップ
を示す図
【図10】イナーシャ相制御ルーチンの処理の流れを示
すフローチャート
【図11】フィードバック制御の初期デューティ比DS
2のマップを示す図
【図12】フィードバック制御ルーチンの処理の流れを
示すフローチャート
【図13】フィードバック制御の目標変化率DNTtgt
のマップを示す図
【図14】フィードバック定数KI ,KP ,KD のマッ
プを示す図
【図15】変速終了制御ルーチンの処理の流れを示すフ
ローチャート
【図16】従来の変速制御の一例を示すタイムチャート
【符号の説明】
11…エンジン、13…スロットルバルブ、14…スロ
ットル開度センサ、17…エンジン回転センサ、18…
自動変速機、19…トルクコンバータ、22…タービン
軸(入力軸)、23…ロックアップクラッチ、24…変
速機、25…入力軸回転センサ(入力軸回転数検出手
段)、26…ギア機構、27…クラッチ(摩擦要素)、
28…ブレーキ(摩擦要素)、29…油圧回路、30…
油圧供給装置、31…電磁弁、32…出力軸、34…出
力軸回転センサ、35…制御回路(急速充填制御手段,
トルク相制御手段,イナーシャ相制御手段,フィードバ
ック初期値設定手段)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機の摩擦要素に作用させる油圧を制
    御して変速させるようにした自動変速機の油圧制御装置
    において、 前記変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出
    手段と、 変速指令信号が出力されたときに前記摩擦要素の油圧回
    路に油を急速充填する急速充填制御手段と、 前記油の急速充填後に予め運転条件に応じて設定された
    特性に従って前記油圧を見込み制御するトルク相制御手
    段と、 前記入力軸回転数検出手段により検出される前記入力軸
    回転数の変化に基づいて前記見込み制御からフィードバ
    ック制御に切り替えて前記油圧を制御するイナーシャ相
    制御手段と、 前記フィードバック制御の油圧の初期値を前記見込み制
    御の油圧の設定値と異ならせて設定するフィードバック
    初期値設定手段とを備えたことを特徴とする自動変速機
    の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速機の入力トルクに関連する情報
    を検出する手段を備え、前記フィードバック初期値設定
    手段は、前記入力トルクに関連する情報と変速パターン
    とを考慮してフィードバック制御の油圧の初期値を設定
    することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油
    圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記急速充填制御手段は、前記入力トル
    クに関連する情報と変速パターンとを考慮して急速充填
    時間を設定することを特徴とする請求項2に記載の自動
    変速機の油圧制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005201440A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Denso Corp 自動変速機の制御装置
CN113048161A (zh) * 2021-03-08 2021-06-29 重庆青山工业有限责任公司 一种湿式dct离合器充油过程的调节控制方法

Cited By (3)

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JP2005201440A (ja) * 2003-12-19 2005-07-28 Denso Corp 自動変速機の制御装置
CN113048161A (zh) * 2021-03-08 2021-06-29 重庆青山工业有限责任公司 一种湿式dct离合器充油过程的调节控制方法
CN113048161B (zh) * 2021-03-08 2022-07-19 重庆青山工业有限责任公司 一种湿式dct离合器充油过程的调节控制方法

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