JPH08232171A - 透湿防水性コーティング布帛の製造方法 - Google Patents

透湿防水性コーティング布帛の製造方法

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JPH08232171A
JPH08232171A JP3820795A JP3820795A JPH08232171A JP H08232171 A JPH08232171 A JP H08232171A JP 3820795 A JP3820795 A JP 3820795A JP 3820795 A JP3820795 A JP 3820795A JP H08232171 A JPH08232171 A JP H08232171A
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moisture
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Kenichi Kamemaru
賢一 亀丸
Kiyoshi Nakagawa
清 中川
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透湿性能および防水性能の優れたソフトな風
合の透湿防水性コーティング布帛の製造方法を提供す
る。 【構成】 平均粒径が1μm以下で,かつ,N,N−ジ
メチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/1
00g以上の無機微粉末を1〜40重量%含有するポリ
ウレタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂溶液を繊維
布帛の上面に塗布し,その直後に繊維布帛の下面から水
を供給し,しかる後に水中に浸漬して樹脂分を凝固せし
める通常の湿式製膜を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,雨衣,外衣等の各種衣
料用として用いられる透湿性能,防水性能およびソフト
な風合に優れた透湿防水性布帛の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から,透湿防水性布帛の製造方法と
して,ラミネート法とコーティング法がよく知られてい
る。ラミネート法は,透湿防水性を有する樹脂膜と繊維
布帛とを接着剤を介して接合することにより得る方法で
あり,この接合部の接着剤量と接着面積を少なくするこ
とにより,ソフトな風合の透湿防水性布帛を得ている。
【0003】一方,コーティング法には湿式コーティン
グ法と乾式コーティング法があり,コーティング法によ
り形成される樹脂膜としては,有孔のものと無孔のもの
とが知られている。一般に,樹脂層が有孔のとき,優れ
た透湿性能は得やすいが,防水性能は不十分となりやす
く,逆に樹脂層が無孔のときには,優れた防水性能は得
やすいが,透湿性能は不十分となりやすい。例えば,ポ
リウレタン樹脂の湿式コーティング加工法により得られ
るコーティング布帛は,元来防水性能は優れているが,
透湿性能が不十分なので,透湿性能を向上させるために
アニオン系界面活性剤,ノニオン系界面活性剤,親水性
高分子等を併用するのが常である。しかし,このような
方法で得られるコーティング布帛の透湿性能は,比較的
良好とはいえ,十分ではなく,しかも防水性能をかなり
低下させてしまい,結果として両者ともに十分な性能を
満足させることができていない。
【0004】そこで,本発明者らは,先に特開平5−2
22677号にて,繊維布帛上にポリウレタン樹脂主体
の合成重合体からなる有孔の樹脂層を有し,該樹脂層中
に実質的に無孔で,平均粒径が0.1μm以下の無機微粉
末を1%以上含有させた高耐水圧,高透湿性能を有する
湿式コーティング法による透湿防水性コーティング布帛
を提案した。この方法によれば,優れた透湿性能と防水
性能を兼ね備えた透湿防水性コーティング布帛を得るこ
とができるが,繊維布帛に直接樹脂液を塗布するので,
繊維布帛内部への樹脂の浸透による風合硬化を避けられ
ず,さらに,布帛表面に樹脂洩れを生じやすい低密度の
織編物には適用できないという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,繊維布帛に直接樹脂液を
塗布するにもかかわらず,ソフトな風合を有し,しかも
優れた防水性能と透湿性能を兼ね備えた透湿防水性コー
ティング布帛を製造することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,平均粒径が1μm以下で,かつN,N−
ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/
100g以上の無機微粉末を1〜40重量%含有するポ
リウレタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂溶液を繊
維布帛の上面に塗布し,その直後に繊維布帛の下面から
水を供給し,しかる後に水中に浸漬して樹脂分を凝固せ
しめることを特徴とする透湿防水性コーティング布帛の
製造方法を要旨とするものである。以下,本発明を詳細
に説明する。
【0007】本発明で用いられる繊維布帛としては,ナ
イロン6やナイロン66で代表されるポリアミド系合成
繊維,ポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエ
ステル系合成繊維,ポリアクリロニトリル系合成繊維,
ポリビニルアルコール系合成繊維,トリアセテート等の
半合成繊維あるいはナイロン6/木綿,ポリエチレンテ
レフタレート/木綿等の混合繊維からなる織物,編物,
不織布等を挙げることができる。
【0008】本発明では,上記の繊維布帛の上面に,平
均粒径が1μm以下で,かつN,N−ジメチルホルムア
ミドの吸着量が200ミリリットル/100g以上の無
機微粉末を1〜40重量%含有するポリウレタン樹脂主
体の合成重合体からなる樹脂溶液を塗布する。
【0009】ここで用いられる無機微粉末としては,通
常の湿式粉砕法やボールミル粉砕法等で微粉化された無
機微粉末,ハロゲン化金属の気相酸化法,燃焼加水分解
法,電弧法等の乾式法によって得られる金属酸化物微粉
末等を挙げることができ,中でも,これらの方法により
製造される二酸化ケイ素微粉末を代表として挙げること
ができる。これらの方法により得られた微粉末は,一般
的に粒径が0.05μm以下であると同時に,非常に多い
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量を有し,合成重合
体樹脂溶液中に添加せしめる無機微粉末として好適であ
る。さらに,該微粉末の表面を疎水性に改質したものを
用いれば,漏水性の面からみてより一層好適であり,ま
た,該微粉末は,実質的に無孔である方が好ましい。
【0010】ここでいうN,N−ジメチルホルムアミド
吸着量とは,無機微粉末5gをガラス平板上に置き,
N,N−ジメチルホルムアミドを1滴滴下するごとにス
テンレス製のへらを用いて練り合わせる作業を繰り返
し,N,N−ジメチルホルムアミドの1滴で急激に軟ら
かくなる直前までに要したN,N−ジメチルホルムアミ
ドの体積(単位:ミリリットル)を意味しており,JI
S K−5101の煮あまに油の代わりにN,N−ジメ
チルホルムアミドを用いたものである。
【0011】本発明で用いられる無機微粉末は,その平
均粒径が1μm以下であることが必要で,かつN,N−
ジメチルホルムアミド吸着量が200ミリリットル/1
00g以上であることが必要であり,さらには,その平
均粒径が0.1μm以下で,かつ250ミリリットル/1
00g以上のN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量を
有するものであれば,本発明の効果の点でより一層好ま
しい。平均粒径が1μmを超えると,得られる透湿膜の
微細孔径が大きくなりすぎて防水性能を低下させるので
好ましくなく,また,N,N−ジメチルホルムアミドの
吸着量が200ミリリットル/100g未満では,透湿
膜の微細孔の数が少なくなり,高透湿性能が得られない
ので好ましくない。
【0012】本発明に用いる無機微粉末は,ポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂層に対し,均一に
1〜40重量%含有していることが必要であり,さらに
好ましくは,3〜30重量%含有しているのがよい。1
重量%未満では,得られるコーティング布帛の透湿膜の
微細孔数が少なくなり,高透湿性能が得られず,40重
量%を超えると,樹脂膜が弱くなり,実用に耐えなくな
る。また,無機微粉末は,必ずしも高純度なものである
必要はなく,不純物として他の無機物質,例えば顔料,
充填剤等が含有されていても何ら差し支えない。
【0013】本発明で用いるポリウレタン樹脂主体の合
成重合体とは,ポリウレタン成分を50〜100重量%
含むものをいい,その他の合成重合体としては,例え
ば,ポリアクリル酸,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,
ポリブタジエン,ポリアミノ酸等やこれらの共重合体等
を50重量%未満の範囲で含んでいればよく,勿論,フ
ッ素やシリコン等で変性した化合物も本発明で使用でき
る。
【0014】ポリウレタン樹脂は,イソシアネートとポ
リオールを反応せしめて得られる共重合体であり,イソ
シアネート成分として,芳香族ジイソシアネート,脂肪
族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートの単
独またはこれらの混合物を用い,例えばトリレン2,4−
ジイソシアネート,4,4'−ジフェニルメタンジイソシ
アネート,1,6−ヘキサンジイソシアネート,1,4−シ
クロヘキサンジイソシアネート等を用い,また,ポリオ
ール成分としては,ポリエーテルポリオール,ポリエス
テルポリオールを用い,ポリエーテルポリオールは,ポ
リエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポ
リテトラメチレングリコール等を用い,ポリエステルポ
リオールは,エチレングリコール,プロピレングリコー
ル等のジオールとアジピン酸,セバチン酸等の2塩基酸
との反応生成物やカプロラクトン等の開環重合物を用い
る。
【0015】また,無機微粉末を含む上記のポリウレタ
ン樹脂主体の合成重合体溶液は,通常のコーティング
法,例えばナイフコータ,コンマコータ,リバースコー
タ等を用いて適宜コーティングを行えばよいが,優れた
耐水圧を得るためには,繊維布帛の種類等により異なる
が,一般的には,乾燥樹脂皮膜重量が5g/m2 以上,
好ましくは10g/m2 以上になるように塗布量を調節
してコーティングを行うとよい。
【0016】本発明では,樹脂膜の耐摩耗性および強度
を向上させる目的で,樹脂との親和性の高いイソシアネ
ート化合物を併用してもよい。イソシアネート化合物と
しては,2,4−トリレンジイソシアネート,ジフェニル
メタンジイソシアネート,イソフォロンジイソシアネー
ト,ヘキサメチレンジイソシアネートまたはこれらのジ
イソシアネート類3モルと活性水素を含有する化合物
(例えば,トリメチロールプロパン,グリセリン等)1
モルとの付加反応によって得られるトリイソシアネート
類が使用できる。上記のイソシアネート類は,イソシア
ネート基が遊離した形のものであっても,あるいはフェ
ノール,メチルエチルケトオキシム等を付加させること
により安定させ,その後の熱処理によりブロックを解離
させる形のものであってもよく,作業性や用途等により
適宜使い分ければよい。
【0017】本発明では,上述の無機微粉末を含有する
ポリウレタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂溶液を
塗布後,直ちに繊維布帛の下面,すなわち塗布していな
い側から水を供給する。
【0018】水を供給する方法としては,例えば常時水
がオーバーフローするボックスを設けて,繊維布帛の下
面をこのボックスの水と接触させながら通過させる方法
や,テイクアップロールを介して水を均一に付着せしめ
る方法,微細な孔を有するノズル等を用いて繊維布帛の
下面に水を均一に噴射させる方法等によって行うことが
でき,用いる繊維布帛の種類,厚み,織編密度等を考慮
して,繊維布帛の厚みの1/2から塗布面まで供給水が
均一に到達するように,目的とする透湿防水性布帛の風
合,性能に鑑みて適宜行う。塗布面上に水が過剰に供給
されると,繊維布帛に対する樹脂層の接着強度が劣り,
また,供給する水の到達が繊維布帛の厚みに対して1/
2未満では,得られる透湿防水性布帛の風合が硬くなる
ので好ましくない。
【0019】上述の水の供給は,繊維布帛の種類等にも
依存するが,樹脂溶液の塗布から5秒以内,好ましくは
2秒以内に行うとよい。通常の布帛の場合,5秒以上経
過してから水を供給すると,その間に繊維布帛に対する
樹脂溶液の浸透が大きくなりすぎて,得られる透湿防水
性布帛の風合が硬くなるので好ましくない。
【0020】本発明では,上述のごときポリウレタン樹
脂主体の合成重合体からなる樹脂溶液を繊維布帛の上面
に塗布し,その直後に繊維布帛の下面から水を供給し,
続いて,通常の湿式コーティングと同様に0〜30℃の
水中に0.5〜10分間浸漬して樹脂分の湿式凝固を行
う。以下,40〜60℃の温水中で5〜15分間の洗浄
後,通常の方法で乾燥する。
【0021】本発明においては,防水性をさらに向上さ
せる目的で,湿式コーティング後にコーティング布帛に
撥水処理を行ってもよい。撥水処理に際しては,フッ素
系撥水剤,シリコン系撥水剤を用いて,一般に実施され
ている公知の撥水処理方法を採用すればよい。
【0022】本発明は,以上の構成よりなるものであ
り,本発明によれば,繊維布帛に直接樹脂液を塗布する
にもかかわらず,ソフトな風合を有し,しかも優れた防
水性能と透湿性能を兼ね備えた透湿防水性布帛を得るこ
とができる。
【0023】
【作用】本発明のごとく,ポリウレタン樹脂主体の合成
重合体からなる樹脂溶液を繊維布帛の上面に塗布し,そ
の直後に繊維布帛の下面から水を均一に供給すると,塗
布した樹脂溶液が繊維布帛の内部に浸透する途中で,下
面から供給されてきた水によって速やかに凝固を開始
し,それ以上の内部への浸透が妨げられ,しかも塗布さ
れた繊維布帛上の樹脂溶液は,一般の湿式コーティング
と同様,湿式凝固槽に入るまでに十分なレベリング性を
有しているので,得られる透湿防水性布帛は非常にソフ
トな風合を有するものとなる。
【0024】また,何故に平均粒径が1μm以下で,か
つ,N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミ
リリットル/100g以上である無機微粉末をポリウレ
タン樹脂液に含有せしめることにより優れた透湿性能と
防水性能を同時に得ることができるのか,明確には解明
されていないが,本発明者らは次のように推測してい
る。
【0025】すなわち,平均粒径が1μm以下で,かつ
N,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリ
ットル/100g以上の無機微粉末を均一に分散させた
ポリウレタン樹脂主体の合成重合体溶液を繊維布帛上に
コーティングして湿式凝固を行うと,凝固液である水と
樹脂溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドが混和し
て,樹脂液から溶媒が速やかに離脱していくことにより
樹脂が凝固するが,その際,平均粒径が1μm以下で,
かつN,N−ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミ
リリットル/100g以上の無機微粉末が該樹脂溶液中
に均一に分散していると,無機微粉末の表面は他の部分
に比べて樹脂溶液中におけるN,N−ジメチルホルムア
ミドの濃度が高く,いいかえれば,ポリウレタン樹脂主
体の合成重合体の濃度が低い状態にあり,このため,湿
式凝固過程において,凝固液である水がまず無機微粉末
表面のN,N−ジメチルホルムアミドと置き換わり,無
機微粉末の周囲で速やかに凝固がはじまり,その後に樹
脂全体が凝固するので,結果的に凝固速度が速くなり,
ウレタン樹脂特有のハニカム構造の他に1μm以下の微
細孔を無数に有する非常にポーラスな形態となるものと
推測している。
【0026】本発明では,形成された微細孔の微細性に
より優れた防水性が発揮されるとともに,無数に存在す
る微細な有孔により高透湿性能が発揮され,高透湿性防
水布帛に特有の,着用時に圧力が加わったとき問題が発
生しやすい漏水性に対しても非常に有効である。さら
に,本発明の無機微粉末は,樹脂層の表層から下層まで
均一に存在しているので,樹脂層表面はポリウレタン樹
脂特有のぬめり感が消え,ドライタッチとなるととも
に,樹脂層全体の耐摩耗性と接着強度の向上がもたらさ
れる。
【0027】
【実施例】以下,実施例によって本発明の透湿防水性布
帛の製造方法を具体的に説明するが,実施例における布
帛の性能の測定は,次の方法で行った。 (1)耐水圧 JIS L−1092(高水圧法) (2)透湿度 JIS L−1099(A−1法)
【0028】(3)樹脂洩れ性 基布表面への樹脂洩れ状況を肉眼で観察した。 (4)風 合 ハンドリングにより,風合を相対的に次の3段階で評価
した。 ○ : 柔 軟 △ : やや硬い × : 硬 い
【0029】実施例1 経糸,緯糸の双方にナイロンハイマルチフィラメント7
0デニール/68フィラメントを用いた経糸密度が11
0本/インチ,緯糸密度が90本/インチの平織物を製
織し,通常の方法で精練および染色(日本化薬株式会社
製,酸性染料のKayacyl Sky Blue R 1%owf)を行った
後,鏡面ロールをもつカレンダー加工機を用いて,温度
170℃,圧力30kg/cm2 ,速度25m/分の条件で
カレンダー加工を行い,コーティング用の基布を得た。
【0030】ここで,下記処方1に示す組成で固形分濃
度25%のポリウレタン樹脂溶液をナイフオーバーロー
ルコータを用いて上述の基布のカレンダー面に塗布量7
0g/m2 にて塗布し,その1秒後に20℃の水がオー
バーフローしているボックス上を水と接触させながら通
過させることにより,塗布していない下面から水を均一
に供給し,続いて15秒後に15℃の水中に40秒間浸
漬して樹脂分を凝固させた。以下,50℃の温水中で1
0分間の洗浄を行って乾燥し,無機微粉末を11重量%
含有する樹脂層を布帛の片面に形成した。
【0031】処方1 ラックスキン 1740−29B 100部 (セイコー化成株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アエロジル R−972 3部 (日本アエロジル株式会社製,平均粒径0.016μm,
N,N−ジメチルホルムアミド吸着量350ミリリット
ル/100gの疎水性二酸化ケイ素微粉末)
【0032】次にフッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒ
ガード710(旭硝子株式会社製)5%水分散液でパデ
ィング(絞り率35%)して乾燥後,160℃で1分間
の熱処理を行い,本発明のコーティング布帛を得た。
【0033】本発明との比較のため,本実施例1におい
て処方1からアエロジルR−972を省くほかは,本実
施例とまったく同一の方法により比較用のコーティング
布帛(比較例1とする)を得た。
【0034】また,本発明との比較のため,本実施例1
において塗布した1秒後の水の供給を省くほかは,本実
施例とまったく同一の方法により比較用のコーティング
布帛(比較例2とする)を得た。
【0035】本発明および比較用の透湿防水性コーティ
ング布帛の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表
1に示した。
【0036】
【表1】
【0037】表1より明らかなように,本発明の透湿防
水性コーティング布帛は,ソフトな風合を有しており,
優れた耐水圧と透湿度をも有していた。
【0038】実施例2 実施例1における処方1に代えて下記処方2に示す樹脂
固形分濃度27%のポリウレタン樹脂溶液を用いる他
は,実施例1とまったく同一の方法により無機微粉末を
13重量%含有する本発明のコーティング布帛を得た。
【0039】処方2 レザミン CU−4550 100部 (大日精化工業株式会社製,エステル型ポリウレタン樹
脂) レザミン X 1部 (大日精化工業株式会社製,イソシアネート化合物) N,N−ジメチルホルムアミド 25部 アルミナ AKP−G015 4部 (住友化学工業株式会社製,平均粒径0.03μm,N,
N−ジメチルホルムアミド吸着量310ミリリットル/
100gの疎水性三酸化二アルミニウム微粉末)
【0040】本発明との比較のため,本実施例2におい
て用いた処方2のアルミナAKP−G015の量を0.2
部とするほかは,本実施例とまったく同一の方法により
無機微粉末を0.7重量%含有した比較用のコーティング
布帛(比較例3とする)を得た。
【0041】また,本発明との比較のため,本実施例2
において用いた処方2のアルミナAKP−G015の量
を21部とする他は,本実施例とまったく同一の方法に
より無機微粉末を41重量%含有した比較用のコーティ
ング布帛(比較例4とする)を得た。
【0042】さらに,本発明との比較のため,本実施例
2において用いた処方2のアルミナAKP−G015に
代えて,クリスタライトVX−X(白石カルシウム株式
会社製,平均粒径1.8μm,N,N−ジメチルホルムア
ミド吸着量60ミリリットル/100gの二酸化ケイ素
微粉末)を4部使用して無機微粉末を13重量%含有す
る樹脂層を形成する他は,本実施例とまったく同一の方
法により比較用のコーティング布帛(比較例5とする)
を得た。
【0043】本発明および比較用の透湿防水性コーティ
ング布帛の性能を測定,評価し,その結果を合わせて表
2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】表2より明らかなように,本発明方法によ
る透湿防水性コーティング布帛は,ソフトな風合を有し
ており,しかも優れた耐水圧と透湿度をも有していた。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば,ソフトな風合を有し,
しかも優れた透湿性能と防水性能をも有する透湿防水性
コーティング布帛を製造することができる。本発明方法
は,布帛表面に樹脂洩れを生じやすい織編物にも適用で
き,しかも通常の湿式コーティング加工1回塗りで加工
することができるので,産業上非常に有利である。本発
明方法による透湿防水性コーティング布帛は,その優れ
た性能から,特に雨衣,アウトドアウェア等の衣料に適
した素材となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が1μm以下で,かつN,N−
    ジメチルホルムアミドの吸着量が200ミリリットル/
    100g以上の無機微粉末を1〜40重量%含有するポ
    リウレタン樹脂主体の合成重合体からなる樹脂溶液を繊
    維布帛の上面に塗布し,その直後に繊維布帛の下面から
    水を供給し,しかる後に水中に浸漬して樹脂分を凝固せ
    しめることを特徴とする透湿防水性コーティング布帛の
    製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010126117A1 (ja) * 2009-05-01 2010-11-04 セーレン株式会社 透湿防水性布帛およびその製造方法

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