JPH08232160A - ミシン用帽子枠装置 - Google Patents

ミシン用帽子枠装置

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Publication number
JPH08232160A
JPH08232160A JP6477395A JP6477395A JPH08232160A JP H08232160 A JPH08232160 A JP H08232160A JP 6477395 A JP6477395 A JP 6477395A JP 6477395 A JP6477395 A JP 6477395A JP H08232160 A JPH08232160 A JP H08232160A
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JP
Japan
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frame
cap
hat
sewing machine
guide plate
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Application number
JP6477395A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Morita
哲雄 森田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帽子の正面部と左右の両側面部にも刺繍縫製
を可能にしたミシン用帽子枠装置を提供する。 【構成】 本発明のミシン用帽子枠装置においては、案
内軸と、ベースフレーム30と、回動フレーム40と、
帽子枠とを備えた帽子枠装置において、帽子枠80を介
して回動フレーム40にセットされる帽子の垂れ下がり
を防止する為に、回動フレーム40よりも前方へ突出す
る帽子内へ突出して帽子を案内する案内板70をベース
フレーム30に固定的に設け、この案内板70に、少な
くとも上面側部分を構成する湾曲板部71と、この湾曲
板部71の左右両端部から滑らかに連続して下方へ延び
る左右1対の側板部72,73とを設けるとともに、上
面中央部にミシンの針通過用の前後方向向きのスリット
74を設けたので、案内板70の湾曲板部71により帽
子の正面部、左側部又は右側部を案内支持した状態で夫
々刺繍縫製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシン用帽子枠装置に
関し、特に帽子の正面部と左右の両側面部にも刺繍縫製
を可能にしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数色の刺繍糸で刺繍できる多針
式刺繍ミシンにおいては、被縫製布は刺繍枠にセットさ
れ、その刺繍枠をX軸方向とY軸方向(刺繍ミシンのア
ーム部と平行な方向)とに独立に駆動される可動枠に取
付けた状態で、刺繍縫製が実行される。ところで、帽子
の前面に刺繍縫製する為に、刺繍ミシンのX軸駆動機構
とY軸駆動機構とに連結された帽子枠装置が使用され
る。
【0003】この帽子枠装置は、帽子枠駆動部と、帽子
を装着した状態で帽子枠駆動部に着脱自在に装着される
帽子枠とからなる。帽子枠駆動部は、一般に、Y軸方向
に駆動されるベースフレームと、このベースフレームに
回動自在に支持されてY軸と平行な軸回りに回動駆動さ
れる回動フレームとから構成されるが、ベースフレーム
を省略し、回動フレームと帽子枠とを案内軸にてベッド
本体部に支持した構造のものも実用化されている。そし
て、予め帽子が装着された帽子枠は、帽子枠駆動部の回
動フレームに着脱自在に装着される。
【0004】例えば、特開平6−257057号公報に
も記載されているように、前記帽子枠は、帽子枠駆動部
の回動フレームに取付ける為の湾曲状の取付け枠部を含
み帽子を外嵌状にセットする為の帽子枠本体と、この帽
子枠本体に帽子を挟んで外側から着脱自在に固定される
押え枠部材とからなる。前記公報の帽子枠では、帽子枠
本体と押え枠部材とで帽子の正面部の刺繍領域の外周側
4辺を押えるように構成し、種々のサイズ(特に、深
さ)の帽子に対応できるように、帽子枠本体と押え枠部
材において、帽子の頂部側の1辺の押え部を位置調節可
能に構成してある。従来の帽子枠駆動部には、帽子の布
部材を所定の形状に保持する機能はなく、帽子枠により
帽子の布部材を所定の形状に保持するようになってい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近では、帽子の左右
両側部にも刺繍を施す要請があり、帽子の左右両側部に
刺繍する為には、帽子枠により帽子の正面部及び左右両
側部を所定の緩みのない形状に保持する必要がある。し
かし、従来の帽子枠は、帽子の正面部にのみ刺繍を施す
ことを前提としたものであったために、帽子の左右両側
部を刺繍可能な展張状態(張った状態)に保持すること
ができなかった。帽子枠は、Y軸方向に移動駆動される
とともに回動フレームと共に回動駆動されるものである
ため、帽子枠により帽子を保持する場合は、帽子の刺繍
領域の外周側部分で帽子を保持しなければならないか
ら、帽子の刺繍領域の布部材を展張状態に保持すること
が極めて難しかった。本発明の目的は、帽子の正面部と
左右両側面部とに刺繍縫製可能とする為に、帽子枠では
なく帽子枠駆動部側に設けた部材で帽子の布部材を保持
可能にしたミシン用帽子枠装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のミシン用帽子
枠装置は、ミシンのアームと平行にY軸方向へ延びた案
内軸と、この案内軸にY軸方向へのみ移動自在に案内支
持されたベースフレームと、このベースフレームにY軸
と平行な軸回りに回動自在に装着される帽子枠セット用
の回動フレームと、この回動フレームに着脱自在に装着
される帽子枠とを備えたミシン用帽子枠装置において、
前記帽子枠を介して回動フレームにセットされる帽子の
垂れ下がりを防止する為に回動フレームよりも前方へ突
出する帽子内へ突出して帽子を案内する案内板であっ
て、少なくとも上面側部分を構成する湾曲板部とこの湾
曲板部の左右両端部から滑らかに連続して下方へ延びる
左右1対の側板部とを有するとともに、上面中央部にミ
シンの針通過用の前後方向向きのスリットを有する案内
板を、前記ベースフレームに固定的に設けたものであ
る。
【0007】請求項2のミシン用帽子枠装置は、請求項
1の発明において、前記案内板の左右1対の側板部は、
各側板部の下部と回動フレームに装着される帽子枠との
間に所定の隙間を空けるような形状に形成されたもので
ある。請求項3のミシン用帽子枠装置は、請求項1又は
請求項2の発明において、前記案内板のうちのスリット
の後端側部分に、案内板の左半部と右半部とを繋ぐ架橋
部を設けたものである。請求項4のミシン用帽子枠装置
は、請求項1〜請求項3の何れか1項の発明において、
前記案内板のスリットは、案内板の前端まで達して前端
開放状に形成されているものである。用帽子枠装置。請
求項5のミシン用帽子枠装置は、請求項1〜請求項3の
何れか1項の発明において、前記案内板のうちのスリッ
トの上端の左右1対の縁部は、テーパー面又は部分円筒
面状に面取りされたものである。
【0008】
【作用】請求項1のミシン用帽子枠装置においては、ミ
シンのアームと平行にY軸方向へ延びた案内軸と、この
案内軸にY軸方向へのみ移動自在に案内支持されたベー
スフレームと、このベースフレームにY軸と平行な軸回
りに回動自在に装着される帽子枠セット用の回動フレー
ムと、この回動フレームに着脱自在に装着される帽子枠
とを備えている。帽子枠を介して回動フレームにセット
される帽子の垂れ下がりを防止する為に、回動フレーム
よりも前方へ突出する帽子内へ突出して帽子を案内する
案内板がベースフレームに固定的に設けられ、この案内
板は、少なくとも上面側部分を構成する湾曲板部と、こ
の湾曲板部の左右両端部から滑らかに連続して下方へ延
びる左右1対の側板部とを有するとともに、上面中央部
にミシンの針通過用の前後方向向きのスリットを有す
る。
【0009】案内板はベースフレームと共にY軸方向へ
のみ移動するだけで回動しないから、案内板の湾曲板部
により帽子の正面部、左側部又は右側部を案内支持した
状態で夫々刺繍縫製することができる。回動フレームと
とともに帽子枠及び帽子が、案内板に対して相対的に回
動するが、湾曲板部の左右両端部から滑らかに連続して
下方へ延びる左右1対の側板部を形成してあるため、帽
子が湾曲板部に引っ掛かって帽子枠及び帽子の回動が妨
げられることはないし、また、上面中央部にミシンの針
通過用の前後方向向きのスリットを形成してあるため、
案内板がY軸方向へ移動しても縫い針と干渉することが
ない。
【0010】請求項2のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1と同様の作用を奏するが、案内板の左右1
対の側板部は、各側板部の下部と回動フレームに装着さ
れる帽子枠との間に所定の隙間を空けるような形状に形
成してあるため、帽子枠を後側下がり状に傾けた状態で
帽子枠を回動フレームに装着する際に、帽子枠と案内板
の側板部とが干渉せず、帽子枠を装着する際の作業性が
低下することがない。
【0011】請求項3のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1又は請求項2と同様の作用を奏するが、案
内板のうちのスリットの後端側部分に、案内板の左半部
と右半部とを繋ぐ架橋部を設けたので、案内板が左半部
と右半部とに分割されずに一体品となるから、製作や取
付けの際に有利である。
【0012】請求項4のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の作用を奏
するが、案内板のスリットは、案内板の前端まで達して
前端開放状に形成されているので、スリットの前端部に
縫い針を通過させても縫い針が折損することがない。
【0013】請求項5のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の作用を奏
するが、案内板のうちのスリットの上端の左右1対の縁
部は、テーパー面又は部分円筒面状に面取りされている
ため、帽子枠と帽子とが回動する際に、帽子の内面側の
縫目や縫目を覆う補強布が、スリットの上端の左右1対
の縁部に引っ掛かることがない。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、多頭式刺繍機の多針式刺繍ミシ
ンで帽子に刺繍を施す為の帽子枠装置に本発明を適用し
た場合の一例である。多頭式刺繍機SMにおいては、図
1に示すように、左右方向(X軸方向)に延びる刺繍機
ベースフレーム1の上面の後部側に、左右方向に延びる
略矩形状のミシン支持板2が配設され、このミシン支持
板2上に3台の同一構造の多針式刺繍ミシンM1〜M3
が左右に並べて並設されている。
【0015】これら刺繍ミシンM1〜M3の各々におい
て、そのアーム部3の前端部には、12本の針棒を上下
動可能に支持し、12個の天秤9を揺動可能に支持する
針棒ケース7が、水平に左右方向移動可能に夫々支持さ
れている。一方、アーム部3には脚柱部4が連なり、脚
柱部4の下端部に連なるベッド本体部5は、ミシン支持
板2上に固定され、ベッド本体部5の前端部からシリン
ダベッド6が前方に延び、シリンダベッド6の先端部
(前端部)には糸輪捕捉器等が設けられている。
【0016】図1に示すように、各針棒の下端部には縫
針8が取付けられ、12本の縫針8には、糸立台10の
12個の糸立て11から12色の刺繍糸が夫々供給さ
れ、針棒ケース7を左右方向に移動させて、所望の1つ
の縫針8をシリンダベッド6の先端部の針穴12(図2
参照)に対向する縫製位置に切換えることで、針棒の1
つが選択されると、その針棒とそれに連結された天秤9
のみが上下に駆動され、その針棒の縫針8と糸輪捕捉器
との協働により選択された色の刺繍糸で刺繍縫目が形成
される。前記針棒や天秤9を上下動させる上軸と糸輪捕
捉器を回転させる下軸は、ミシンモータに連結されたV
ベルト17により回転駆動される駆動軸18により駆動
される。
【0017】前記ミシン支持板2の前側には、シリンダ
ベッド6の上面と同一高さまで上昇可能な作業用テーブ
ル13が配設され、この作業用テーブル13と、作業用
テーブル13の左右両側に設けられた1対の補助テーブ
ル14,15とに亙って、左右方向に延びる可動枠16
が載置されている。この可動枠16の右端部の駆動枠部
16aがX軸駆動機構(図示略)によりX軸方向に移動
駆動され、可動枠16の左端部の駆動枠部16bと駆動
枠部16aとがY軸駆動機構(図示略)により同時にY
軸方向(前後方向)に移動駆動される。こうして、可動
枠16はX軸駆動機構とY軸駆動機構によりテーブル1
3〜15上をX軸方向とY軸方向とに独立に移動駆動さ
れる。
【0018】次に、各刺繍ミシンに取付けられる帽子枠
装置について説明する。この帽子枠装置20は、帽子の
正面部及び左右両側部に刺繍縫製が可能なものであり、
その為の種々工夫が施されている。図2〜図5に示すよ
うに、帽子枠装置20は、Y軸方向に延びる案内軸21
と、この案内軸21にY軸方向に移動自在に装着される
ベースフレーム30と、このベースフレーム30の案内
軸21回りの回動を規制する回動規制機構24と、ベー
スフレーム30に案内軸21と平行な軸心回りに回動自
在に装着される回動フレーム40と、この回動フレーム
40に着脱自在に装着される帽子枠80であって予め外
部の準備ステーションにおいて帽子200が装着される
帽子枠80と、回動フレーム40と帽子枠80とを回動
させる回動機構50、可動枠16の後端側のX方向枠部
16cの下側に配設され且つY軸駆動機構によりY軸方
向にのみ移動駆動されるY軸送り部材28に、ベースフ
レーム30を連結する連結機構60、ベースフレーム3
0に固定された案内板70等で構成されている。
【0019】前記案内軸21は、図4、図5に示すよう
に、シリンダベッド6の基端側のベット本体部5に形成
されたY軸方向向きの水平な装着穴22に前方より着脱
自在に装着され、固定具23で固定解除可能にベッド本
体部5に固定される。前記ベースフレーム30の下部に
は、案内軸21に摺動自在に外嵌される枢支筒部31が
形成され、ベースフレーム30には、正面視Y形をなす
3つの腕部30a,30a,30bが形成され、上側の
1対の腕部30aの上端部には、夫々、回動フレーム4
0を内側と外側とから回動自在に支持する1対のローラ
部材32,33が設けられている。但し、外側のローラ
部材33は、偏心機構を介して、内側のローラ部材32
に対して半径方向へ位置調節可能である。側面視略L形
の係止部材34は、ローラ部材32,33の軸部材を介
して1対の腕部30aに固定されている。
【0020】次に、回動規制機構24について説明す
る。図4、図5に示すように、シリンダベッド6の下面
には、Y軸方向に延びるキー部材25が固定され、ベー
スフレーム30には、キー部材25に前後方向に摺動自
在に係合してベースフレーム30の回動を規制する溝形
部材26が固定され、ベースフレーム30は、Y軸と平
行な軸心回りに回動しないように規制され、案内軸21
に沿ってY軸方向にのみ移動自在である。
【0021】次に、回動フレーム40について説明す
る。図2に示すように、回動フレーム40には、断面円
形の環状部41と、環状部41の上半部から前方へ所定
長さ延びる断面半円弧状の帽子枠支持部42とが設けら
れ、環状部41の外周部には、ローラ部材33のうちの
外側のローラ部材33が嵌まって転動するローラ溝43
が形成され、環状部41の外周部には、回動機構50の
ワイヤ53を導くワイヤ案内部44が形成されている。
環状部41の中央の最下部は、ベースフレーム30の下
側腕部32bの下端のガイド部34に摺動自在に係合し
て案内され、環状部41の外周部には、帽子枠支持部4
2に外嵌状に装着される帽子枠80の係合穴88に係合
して帽子枠80を回動フレーム40に着脱自在に保持す
る4つの係合ローラ45が、バネ部材で弾性付勢して設
けられている。
【0022】次に、回動機構50について説明する。図
2〜図5に示すように、この回動機構50は、可動枠1
6の後端側のX方向枠部16cの上面に左右に所定間隔
空けて固定される左右1対の取付板51と、両取付板5
1を連結するロッド52と、1本のワイヤ53とを主体
に構成されている。各取付板51は2本のビス54とつ
まみ付きビス55とで固定される。ワイヤ53の左端部
は、左側の取付板51に固定された金具56に連結さ
れ、このワイヤ53は、回動フレーム40のワイヤ案内
部44に沿って上側から時計回り方向に1周して右側の
取付板51に固定された金具56に連結されている。
尚、ワイヤ53の1個所を回動フレーム40の下部に固
着してもよい。
【0023】従って、可動枠16と共にX方向枠部16
cが左方へ移動駆動されると、回動フレーム40は、環
状部41の軸心の回りに図5において反時計回り方向へ
中立位置から約140度回動され、また、X方向枠部1
6cが右方へ移動駆動されると、回動フレーム40は、
環状部41の軸心の回りに時計回り方向へ中立位置から
約140度回動される。尚、回動フレーム40の回動角
は、X方向枠部16cの左右方向の移動量に比例する。
【0024】次に、連結機構60について説明する。図
3、図4に示すように、連結機構60は、Y軸送り部材
28をベースフレーム30に連結する連結部材61と、
この連結部材61に付設され、連結部材61をY軸送り
部材28に固定解除可能に固定するクランプとを主体と
して構成されている。そのクランプの操作レバー62を
介して固定位置と固定解除位置とに切換え可能に構成さ
れ、連結機構60は、固定解除した状態でベースフレー
ム30及び回動フレーム40と共に、Y軸送り部材28
から分離可能である。
【0025】次に、案内板70について説明する。図2
〜図5に示すように、案内板70は、帽子枠80と共に
回動フレーム40にセットされ回動フレーム40よりも
前方へ突出する帽子200内へ突出して帽子200の垂
れ下がりを防止し且つ帽子200の布部材を湾曲状に張
った状態にする為のものである。前記案内板70は、少
なくとも、上面側部分を構成する湾曲板部71と、その
湾曲板部71の左右両端から滑らかに連続して下方へ延
びる左右1対の側板部72,73と、湾曲板部71の上
面中央部に前後方向に長く形成されたスリット74であ
ってミシンの針通過用のスリット74とを有する。
【0026】前記左右1対の側板部72,73の後端に
は、中心側へ折曲されたブラケット76,77が夫々形
成され、左側のブラケット76は、2組のボルト・ナッ
ト78でベースフレーム30の腕部30aの前面に固定
されるとともに、右側のブラケット77は、2組のボル
ト・ナット79でベースフレーム30の腕部30aの前
面に固定されている。案内板70は、通常の帽子200
の深さと同程度だけ回動フレーム40の前端から前方へ
延びている。前記湾曲板部71は、回動フレーム40と
同じ湾曲形状に約90度円弧状に湾曲した形状であり、
湾曲板部71の外面が回動フレーム40の外面と同一面
をなし且つ湾曲板部71の後端が回動フレーム40の帽
子枠支持部42の前端に摺動自在に当接するように、案
内板70がベースフレーム30に固定されている。
【0027】前記湾曲板部71の中央最上部には、後端
部の架橋部75を残して略全長にわたるスリット74が
形状され、このスリット74は湾曲板部71の前端まで
延びて前端開放状に形成され、案内板70の左半部と右
半部とが架橋部75を介して一体的に繋がれている。ス
リット74の上端の左右1対の縁部74aは、図6に示
すようにテーパー状に面取りされるか、又は図7に示す
ように部分円筒面状に面取りされている。前記左右1対
の側板部72,73は、湾曲板部71の左右端部から夫
々下方へ鉛直に帽子枠80の中段高さ位置まで延ばさ
れ、各側板部72,73の下部と、回動フレーム40に
装着される帽子枠80との間に所定の隙間が空くように
構成してある。
【0028】次に、帽子枠80について説明する。図2
〜図5に示すように、帽子枠80は、回動フレーム40
に着脱自在に装着される湾曲状の帽子枠本体81と、こ
の帽子枠本体81に帽子200を挟んで外側から着脱自
在に固定される押え枠部材82と、形状保持部材83と
で構成されている。帽子枠本体81には、回動フレーム
40に外嵌される断面約360度円弧状の取付け枠部8
4と、取付け枠部84の前端から一体的に前方へ所定長
さ延びる帽子装着部85と、取付け枠部84に付設され
た鍔状部86と、この鍔状部86に固定されて取付け枠
部84の中央最上部から後方へ斜めに立ち上がった庇支
持部材87などが設けられている。取付け枠部84に
は、回動フレーム40に付設された4つの係合ローラ4
5が夫々係合する4つの係合穴88が形成され、4つの
係合ローラ45を4つの係合穴88に夫々係合させるこ
とで、帽子枠80が回動フレーム40に着脱自在に固定
される。
【0029】図2、図3に示すように、帽子枠本体81
の帽子装着部85の中央最上部には、帽子200の布部
材を下方へ逃す為の切欠き部91が前端開放状に形成さ
れている。庇支持部材87の上端部87aには、帽子2
00の庇201を後方へ付勢して拘束する為のゴム紐8
9を掛ける為の左右1対の切欠き87bが形成され、ゴ
ム紐89の左右両端部は、鍔状部86の切欠き穴に着脱
自在に連結されている。庇支持部材87の基部の前面に
は、庇201の基端部の内面側中央部を後方から受け止
める為の受け止め部材92が固定されている。
【0030】前記押え枠部材82について説明する。図
2〜図5に示すように、押え枠部材82は、帽子枠本体
81の帽子装着部85に帽子200を挟んで外側から取
外し自在に固定されるもので、可撓性を有する構造であ
る。押え枠部材82は、庇201の基部外面近傍とその
延長湾曲線に沿って帽子200の正面部及び左右側部の
うちの正面側約半分を押える狭幅の押え枠部97と、帽
子200の外側へ展開された汗取り部202を押える左
右1対の押え片98と、左右両端部に形成された金具連
結部99と、これら金具連結部99に夫々取付けられた
1対の連結金具100などで構成されている。金具連結
部99は、帽子枠本体81の前後幅と同幅に形成され、
各金具連結部99には、帽子枠本体81の帽子装着部8
5の係合フック101に連結解除可能に連結される連結
金具100が取付けられている。
【0031】前記押え枠部材82の押え枠部97が庇2
01の基部近傍部から前方へ逃げるのを防止する為に、
押え枠部97の中央最上部に断面コ字状のフック102
が形成され、このフック102に掛けたゴム紐103の
左右両端部が、鍔状部86の切欠き穴に着脱自在に連結
されている。
【0032】次に、帽子枠装置20の作用について説明
する。予め外部の準備ステーションにおいて、帽子枠8
0に帽子200を装着するが、その場合帽子枠本体81
が外部の帽子枠セットフレームに固定状態に支持され、
その帽子枠本体81に帽子200をその汗取り部202
を外側へ展開した状態で前方より被せて装着し、次に、
帽子200の外側から押え枠部材82を帽子装着部85
の外側に帽子200を挟んで外嵌状にセットし、帽子2
00の位置・形状及び押え枠部97と押え片98の位置
を所定位置となるように調節してから、押え枠部材82
の左右の連結金具100を、夫々対応する係合フック1
01に係合させて連結する。
【0033】その後、帽子200を装着した帽子枠80
を刺繍ミシンに取付けた帽子枠装置20の回動フレーム
40に着脱可能に装着し、案内板70を帽子200内に
突入させ、湾曲板部71で帽子200の布部材を前方へ
引張りながら、案内板70の湾曲板部71で帽子200
の布部材を湾曲形状に案内しながら、帽子200の正面
部及び左右の側面部に刺繍を施こす。帽子枠80を回動
フレーム40に装着する際に、帽子枠80を後側下がり
気味の姿勢にして両手で支えて装着するとき、左右の側
板部72,73の下部と帽子枠80との間に夫々所定の
隙間があるため、帽子枠80を支えた両手と左右の側板
部72,73とが干渉することがない。これにより、帽
子枠80を装着する際の作業性や作業能率が低下するこ
とがない。
【0034】その後、刺繍縫製の際、案内板70はY軸
方向にのみ移動駆動されるのに対して、帽子枠80と帽
子200は回動フレーム40と共に回動駆動されること
から、帽子200は案内板70に対して相対的に回動す
るが、スリット74の上端の左右の縁部74aを面取り
してあるため、帽子200の内面側の縫目や縫目を覆う
補強布203がその左右の縁部74aに引っ掛かること
がない。同様に、左右の側板部72,73が湾曲板部7
1の左右両端部から夫々滑らかに連続して下方へ延びて
いるため、帽子200の布部材が湾曲板部71の下側へ
回り込んで引っ掛かることがないし、帽子200の内面
側の縫目や縫目を覆う補強布203が引っ掛かることが
ない。
【0035】刺繍縫製の際、刺繍対象部分である帽子2
00の正面部、左側部又は右側部の内面側が湾曲板部7
1で湾曲状に案内支持されて、刺繍対象部分が弛んだり
しないから、所期の刺繍模様を正確に形成することがで
き、刺繍後に刺繍対象部分が所期の形状に復元しないと
いう問題も起こらない。しかも、刺繍縫製の際、案内板
70の湾曲板部71により、刺繍対象部分が前方へ引っ
張った状態に展張されるため、所期の刺繍模様を正確に
形成することができる。
【0036】更に、前記スリット74の後端側に架橋部
75を設けたため、案内板70の左半部と右半部とが分
断されず一体品とすることができるから、案内板70の
製作や組付けの面で有利である。また、スリット74の
前端には架橋部がなく、スリット74は前端開放状に形
成されているため、スリット74の前端付近に縫い針1
2を通過させても縫い針12が折損することもない。
【0037】次に、前記実施例を部分的に変更した別実
施例について説明する。 1〕前記案内板70の湾曲板部71を前後に分断された
2つの湾曲板部で構成し、前側の湾曲板部を後側の湾曲
板部に前後摺動自在に案内するとともに、前側の湾曲板
部をスプリングにより前方へ弾性付勢し、種々のサイズ
(特に、深さ)の帽子200に一層適合し易くすること
も考えられる。 2〕前記案内板70の左右の側板部72,73の形状は
平板状に限定されるものではなく、湾曲形状であっても
よいし、また、左右の側板部72,73の側面形状は矩
形状である必要はなく種々の形状であってもよい。
【0038】3〕前記帽子枠80の押え枠部材82の一
端部を帽子枠本体81にヒンジ結合し、押え枠部材82
の他端部にのみ連結金具100設け、その連結金具10
0を帽子枠本体81の係合フック101に連結解除可能
に連結して締結するように構成してもよい。 4〕尚、本発明は前記実施例に限定して解釈されるべき
ではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲におい
て、前記実施例の各部の機構に、既存の技術や当業者に
自明の技術に基いて種々の変更を加えることもあり得
る。
【0039】
【発明の効果】請求項1のミシン用帽子枠装置において
は、案内軸と、ベースフレームと、回動フレームと、帽
子枠とを備えた帽子枠装置において、帽子枠を介して回
動フレームにセットされる帽子の垂れ下がりを防止する
為に、回動フレームよりも前方へ突出する帽子内へ突出
して帽子を案内する案内板をベースフレームに固定的に
設け、この案内板に、少なくとも上面側部分を構成する
湾曲板部と、この湾曲板部の左右両端部から滑らかに連
続して下方へ延びる左右1対の側板部とを設けるととも
に、上面中央部にミシンの針通過用の前後方向向きのス
リットを設けたので、案内板の湾曲板部により帽子の正
面部、左側部又は右側部を案内支持した状態で夫々刺繍
縫製することができる。湾曲板部の左右両端部から滑ら
かに連続して下方へ延びる左右1対の側板部を設けたた
め、帽子が湾曲板部の下側へ回り込んで湾曲板部に引っ
掛かって帽子枠及び帽子の回動が妨げられることはない
し、また、上面中央部にミシンの針通過用の前後方向向
きのスリットを形成してあるため、案内板がY軸方向へ
移動しても縫い針と干渉することがない。
【0040】請求項2のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1と同様の効果を奏するが、案内板の左右1
対の側板部は、各側板部の下部と回動フレームに装着さ
れる帽子枠との間に所定の隙間を空けるような形状に形
成してあるため、帽子枠を後側下がり状に傾けた状態で
回動フレームに装着する際に、帽子枠と案内板の側板部
とが干渉せず、帽子枠の装着する際の作業性が低下する
ことがない。
【0041】請求項3のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1又は請求項2と同様の効果を奏するが、案
内板のうちのスリットの後端側部分に、案内板の左半部
と右半部とを繋ぐ架橋部を設けたので、案内板が左半部
と右半部とに分割されずに一体品となるから、製作や取
付けの際に有利である。
【0042】請求項4のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の効果を奏
するが、案内板のスリットは、案内板の前端まで達して
前端開放状に形成されているので、スリットの前端部に
縫い針を通過させても縫い針が折損することがない。
【0043】請求項5のミシン用帽子枠装置において
は、請求項1〜請求項3の何れか1項と同様の効果を奏
するが、案内板のうちのスリットの上端の左右1対の縁
部は、テーパー面又は部分円筒面状に面取りされている
ため、帽子枠と帽子とが回動する際に、帽子の内面側の
縫目や縫目を覆う補強布が、スリットの上端の左右1対
の縁部に引っ掛かることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る多頭式刺繍機の全体斜視
図である。
【図2】図1の刺繍ミシンに装着した帽子枠装置の帽子
枠未装着状態の斜視図である。
【図3】図2の帽子枠装置の平面図である。
【図4】図2の帽子枠装置の側面図である。
【図5】図2の帽子枠装置の正面図である。
【図6】湾曲板部のスリットの近傍部の拡大断面図であ
る。
【図7】湾曲板部のスリットの近傍部の拡大断面図であ
る。
【図8】帽子の一例を示す帽子の斜視図である。
【符号の説明】
20 帽子枠装置 30 ベースフレーム 40 回動フレーム 70 案内板 71 湾曲板部 72,73 側板部 74 スリット 74a スリットの上端の縁部 75 架橋部 80 帽子枠

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンのアームと平行にY軸方向へ延び
    た案内軸と、この案内軸にY軸方向へのみ移動自在に案
    内支持されたベースフレームと、このベースフレームに
    Y軸と平行な軸回りに回動自在に装着される帽子枠セッ
    ト用の回動フレームと、この回動フレームに着脱自在に
    装着される帽子枠とを備えたミシン用帽子枠装置におい
    て、 前記帽子枠を介して回動フレームにセットされる帽子の
    垂れ下がりを防止する為に回動フレームよりも前方へ突
    出する帽子内へ突出して帽子を案内する案内板であっ
    て、少なくとも上面側部分を構成する湾曲板部とこの湾
    曲板部の左右両端部から滑らかに連続して下方へ延びる
    左右1対の側板部とを有するとともに、上面中央部にミ
    シンの針通過用の前後方向向きのスリットを有する案内
    板を、前記ベースフレームに固定的に設けたことを特徴
    とするミシン用帽子枠装置。
  2. 【請求項2】 前記案内板の左右1対の側板部は、各側
    板部の下部と回動フレームに装着される帽子枠との間に
    所定の隙間を空けるような形状に形成されたことを特徴
    とする請求項1に記載のミシン用帽子枠装置。
  3. 【請求項3】 前記案内板のうちのスリットの後端側部
    分に、案内板の左半部と右半部とを繋ぐ架橋部を設けた
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミシン
    用帽子枠装置。
  4. 【請求項4】 前記案内板のスリットは、案内板の前端
    まで達して前端開放状に形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のミシン用帽
    子枠装置。
  5. 【請求項5】 前記案内板のうちのスリットの上端の左
    右1対の縁部は、テーパー面又は部分円筒面状に面取り
    されたことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1
    項に記載のミシン用帽子枠装置。
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