JPH08232132A - 延伸仮撚機と延伸仮撚方法 - Google Patents

延伸仮撚機と延伸仮撚方法

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JPH08232132A
JPH08232132A JP3699695A JP3699695A JPH08232132A JP H08232132 A JPH08232132 A JP H08232132A JP 3699695 A JP3699695 A JP 3699695A JP 3699695 A JP3699695 A JP 3699695A JP H08232132 A JPH08232132 A JP H08232132A
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yarn
tension
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刀祢昭一
Shinichi Nishimura
晋一 西村
Hiroshi Yakushi
弘 薬師
Shigenori Kataoka
成典 片岡
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速加工における毛羽や未解撚斑等の発生を
抑制でき、しかも構成の簡単な延伸仮撚機と延伸仮撚方
法を提供すること。 【構成】ニップ式仮撚装置の接圧を調整するために、そ
の下流で糸の張力を検出するセンサを設ける。このセン
サと、その糸走行方向下流側の第2フィードローラとの
間に、糸に走行抵抗を付与する固定ガイドを設ける。ニ
ップ式仮撚装置直後の解撚張力は毛羽が発生しないよう
に低く維持しながら、前記テンション装置以後は、未解
撚斑が発生しない張力を維持しながら巻取りをおこな
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、供給糸を挟んで撚りと
送りとを与えるニップ式の仮撚装置を備えた延伸仮撚機
とその仮撚方法に関するものである。更に言えば、糸の
両端を把持して中間を加撚すると、加撚の前後で撚り方
向が異なるので加撚と解撚とが連続的に行われる延伸仮
撚機と延伸仮撚方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の仮撚機、代表例であるツイスタ
ーベルト式の仮撚装置を備えた延伸仮撚機は、二本のベ
ルトで糸をニップし、ベルトと糸との間ではスリップの
ない状態で糸を撚るものである。ニップ式の仮撚装置は
広範囲の撚り数設定が可能であり、解撚張力も自由に選
択できるので、高品質の糸を得ることができ、近年では
更に高速の加工が望まれている。
【0003】しかし、仮撚装置の加工速度は600〜8
00m/minが一般的であり、それ以上の加工速度は
特殊な糸でしか実用化されていない。その原因は、フィ
ラメントが切断されて生じる毛羽や、解撚が不均一とな
る未解撚斑等の加工糸の欠陥が、高速加工と共に増大す
るからである。高速加工を実現するためにはこれら毛羽
や未解撚斑の発生を抑える必要がある。そこで、仮撚装
置下流の解撚領域に逆撚りを加えることにより、解撚を
積極的に補助し、均一に解撚して上述の欠陥の増大を抑
えるべく、出願人は先に図5に示した仮撚装置を提案し
た。
【0004】この仮撚装置は、ニップ式仮撚装置7の下
流位置に、逆撚りのための回転体式仮撚装置07を配置
したものである。図示例では、ツイスターベルト13,
14より上流の糸YにはZ撚りが加えられ、ツイスター
ベルト13,14と回転体との間にはS撚りが加えら
れ、回転体式仮撚装置07よりも下流の糸Y1は解撚さ
れている。ニップ式仮撚装置7は、交差配置されて逆方
向に走行する2本のツイスターベルト13,14で糸を
完全にニップしている。糸Yはツイスターベルト13,
14の間でニップされて加撚されるので、加撚力は糸張
力に依存せず、ツイスターベルト13,14の接圧力で
決まる。したがって、ニップ式仮撚装置7前後の加撚張
力T1と解撚張力T2は、ツイスターベルト13,14
の送り速度と第1フィードローラ4又は第2フィードロ
ーラ8の送り速度の差で決まる別個の値となる。
【0005】他方の回転体式仮撚装置07は、回転体に
糸を巻回し、回転体の下流の糸Y1と回転体の上流の糸
を接触状態で交差させて撚りを入れるものである。糸ど
うしの接触で撚るものであり、加撚力は糸張力に依存し
ており、逆撚りが加わると糸張力が減少する。つまり、
糸張力に依存する回転体式の仮撚装置07は張力変動に
応じた撚りを加えて糸張力を均一化する。そこで、ニッ
プ式仮撚装置7の下流に糸張力に依存する回転体仮撚装
置07を配置して逆撚りを加え、解撚張力に応じた解撚
の補助を行い、高速加工領域における解撚を安定化させ
ようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の延伸仮撚機は、
高速加工を実現する点では有効であったが、回転体仮撚
装置を配置するための大きなスペースが必要であった。
そして、糸どうしの接触で撚る事による利点が得られは
するものの、そのために回転体に糸を巻き付ける準備作
業が必要であり、糸掛けの煩わしさを避けがたい問題点
があった。また、回転体仮撚装置におけるベアリング精
度のばらつきやグリス量の多少等によって加撚力に差が
生じ易く、仮撚ユニット毎の解撚補助作用が経時的に変
化したり、錘間バラツキを避けがたい問題点があった。
【0007】本発明は、以上のような従来技術の問題を
解消しようとするものであり、高速加工における毛羽や
未解撚斑等の発生を抑制でき、しかも構成が簡単で動作
の安定した延伸仮撚機と、延伸仮撚方法の提供を目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本第一発明は上記の目的
を達成するために、仮撚装置と、その糸走行方向下流側
のフィードローラとの間に、糸に走行抵抗を付与するテ
ンション装置を配置したものである。
【0009】第二発明は、仮撚装置と、この仮撚装置を
通過した糸の張力を検出するセンサと、このセンサの検
出結果が所定の範囲内に入るように上記仮撚装置を制御
する手段とを備え、上記テンション装置が、前記センサ
と上記フィードローラとの間に配置したものである。第
三発明は、上記テンション装置が、糸を掛けて屈曲させ
るために、糸走行方向と直行する方向に間隔を開けて配
置した二つのガイド部を備える固定ガイドとしたもので
ある。第四発明は、上記二つのガイド部の間隔が調整自
在であり、案内する糸の屈曲量を前記の調整で変更し
て、糸の走行抵抗を調整するように構成したものであ
る。
【0010】そして第五発明は、仮撚装置と、その糸走
行方向下流側のフィードローラとの間に、糸に走行抵抗
を付与するテンション装置を配置し、前記仮撚装置直後
の解撚張力は毛羽が発生しない低い糸張力に制御し、前
記テンション装置と前記フィードローラとの間は未解撚
斑が発生しない張力に設定して巻取りをおこなうもので
ある。
【作用】テンション装置によってテンション装置以降の
糸張力が増大する。つまり、仮撚装置とテンション装置
との間の糸の張力を小さくしても、テンション装置以降
の糸張力を所定の値に維持するように働く。小さな解撚
張力は仮撚装置での毛羽の発生を抑制し、テンション装
置とフィードローラとの間の張力増加は未解撚斑の発生
を抑制する。
【0011】
【実施例】図2は延伸仮撚機の全体レイアウトを示して
いる。この延伸仮撚機は、紙面垂直方向に多数並設され
た仮撚ユニット1から構成され、各仮撚ユニット1はク
リールスタンド2に支持された給糸パッケージ3から糸
(フィラメント糸)Yを引き出す第1フィードローラ4
を備えている。この第1フィードローラ4から一次ヒー
タ5、バルーンコントロールプレート6を順に経た糸Y
は、仮撚装置としてのニップツイスタ7により仮撚が施
される。仮撚の施された糸Yは、第2フィードローラ
8、二次ヒータ9、第3フィードローラ10を順に経て
巻取り装置11により巻取りパッケージ12に巻き取ら
れ、仮撚加工が完了する。
【0012】上記ニップツイスタ7は交差した一対のベ
ルト13,14を備えており、両ベルト13,14間で
糸Yを挟んで撚りと送りとを与えるようになっている。
このニップツイスタ7で形成される撚りは第1フィード
ローラ4まで伝播し、一次ヒータ5で熱固定される。す
なわち、ニップツイスタ7より上流側が加撚側であり、
下流側が解撚側となっている。
【0013】各ベルト13,14は、それぞれ駆動プー
リー15と従動プーリー16間に巻掛けられている。一
方のベルト13は固定側であり、他方のベルト14は、
駆動プーリー15と同一の軸心を支点にして揺動自在に
支持してあり、アクチュエータを含む公知の駆動手段に
て、固定側のベルト13に対する接圧を調整するように
構成している。ベルト13,14よりも下流側の糸路に
は、糸Yの解撚張力T2を検出するセンサSが設けてあ
り、解撚張力T2の値を設定する制御部Cに前記センサ
Sの信号を入力して、接圧調整のための前記駆動手段を
制御する。つまり、この制御部Cと前記公知の駆動手段
とで、センサSの検出結果が所定の範囲内に入るように
上記ニップツイスタ7を制御する手段を構成している。
【0014】糸Yの解撚張力T2を検出するセンサS
と、第2フィードローラ8との間には、解撚側の糸Yに
走行抵抗を付与するテンション装置17を配置してい
る。図3の実施例のテンション装置17は、第2フィー
ドローラ8に糸Yを案内するための第1固定ガイド18
と、糸路を屈曲させるための第2固定ガイド19とから
なる。第2固定ガイド19は、セラミックで形成したガ
イド部19Aと、糸Yの屈曲量を調整可能とするため
に、糸走行方向と直行する方向に三つのガイド部取り付
け孔a〜cを連設したブラケット19Bとを備ええてい
る。すなわち、外方の取り付け孔を選択することによっ
て第1固定ガイド18のガイド部18Aと第2固定ガイ
ド19のガイド部19Aとの間隔が広がって糸Yの屈曲
量が大きくなり、糸の走行抵抗が増加する。テンション
装置17を構成する第1固定ガイド18と第2固定ガイ
ド19とは、隣接する二つの仮撚ユニット1に対する二
つの装置を一つの取り付け基板20の両側に形成したも
のであり、しかも、第2フィードローラ8に糸を案内す
るための公知の第1固定ガイド18を構成の一部に利用
していて、この第1固定ガイド18と前記第2固定ガイ
ド19とを延伸仮撚機のフレーム21にビス22で共締
めして構成してある。
【0015】次に、上述した延伸仮撚機を用いて糸を延
伸仮撚した場合の張力測定結果を表1に基づいて説明す
る。テストには115/75/36fのフィラメント糸
を使用した。第1固定ガイド18のガイド部18Aは表
面粗さが1S、第2固定ガイド19のガイド部19Aは
走行抵抗を得るために表面粗さが0.1Sのものを使用
した。表1中のT1は加撚側の糸張力の実測値、T2は
ニップツイスタ7とセンサとの間の解撚側の糸張力の実
測値(前記制御部に設定した目標糸張力でもある)、T
2’は第1固定ガイド18と第2固定ガイド19との間
の糸張力の実測値、T3は第1固定ガイド18と第2フ
ィードローラ8との間の糸張力の実測値、そしてCPは
ニップツイスタ7の接圧の実測値である。なお、表1の
ガイド位置a〜cの符号は図3のガイド部取り付け孔a
〜cの符号と対応している。
【0016】この測定結果から明らかなように、テンシ
ョン装置17を使用しなかった場合のT3値に対して、
テンション装置17を使用した場合、しかも屈曲が大き
くなる側のガイド部取り付け孔を使用した場合、T2を
変化させずにT3の値を大きくできる。特に、最も離れ
た位置の取り付け孔cを使用した場合のT3値のように
50gを越えると巻上がりパッケージの密度が上昇し、
解舒性に優れたパッケージ12が得られる。このテンシ
ョン装置17によって、従来は同じ条件で900m/m
inが限界であった解舒速度が、1500m/minの
解舒も可能なパッケージを得た。
【0017】解撚後の糸に対する接触抵抗は、ガイド部
の表面が平滑であるほど大きいことが知られている。こ
の実施例では、第2固定ガイドに表面粗さが0.1Sの
ガイド部19Aを使用して、積極的に増加させた抵抗に
より、ガイド部19Aで糸Yをしごいている。このしご
き作用は、仮撚糸の仮撚斑による癖消しや残留トルク消
しに寄与し、結果として解除性に優れた糸を得ている。
【0018】図4(イ)と(ロ)は第2固定ガイド19
の別実施例を示している。これは、ガイド部取り付け孔
a〜dを四つ形成するとともに、延伸仮撚機のフレーム
21へのビス止め孔20aを上下に二つ形成して、第1
固定ガイド18との相対位置を上下にも変更できるよう
にしたものである。このテンション装置17は糸走行路
の屈曲量を更に多段階に変更できる。尚、テンション装
置の更に別の実施例として、撚糸機械で使用しているロ
ーラーテンサーやゲートテンサーを使用することもでき
る。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、テンション装置を使用
することにより、仮撚装置直後の糸張力を低く抑えて仮
撚装置での毛羽発生を抑制し、しかも下流側のフィード
ローラとの間の糸張力は高く維持して、未解撚斑等の発
生を抑制できる。
【0020】すなわち、ニップ式仮撚装置直後の解撚張
力を、毛羽の発生しない低い値に制御する事に起因する
未解撚斑は、従来技術のように回転体で逆撚りを施して
積極的に解消するのとは別の手段であるテンション装置
を設けて解消するので、構成が簡単でコンパクトであ
る。したがって、既存の延伸仮撚機にも簡単に適用する
ことができ、解撚張力を制御するためのセンサとの併存
も可能である。しかも従来技術のような回転体を使用す
ることによる作用のばらつきや経時変化もなく、安定し
た効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の延伸仮撚機の要部を示す概略図
【図2】延伸仮撚機の機器レイアウトを示す概略図
【図3】本発明のテンション装置の全体を示す斜視図
【図4】本発明の第2固定ガイドの第2実施例を示す、
ガイド部を省略した正面図と側面図
【図5】従来の仮撚装置を示す概略図
【符号の説明】
7 ニップツイスタ(仮撚装置) 8 第2フィードローラ 17 テンション装置 18 第1固定ガイド 19 第2固定ガイド 18A,19A ガイド部 a〜d ガイド部取り付け孔 S 張力検出センサ
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 成典 京都府京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機械株式会社本社工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮撚装置と、その糸走行方向下流側のフ
    ィードローラとの間に、糸に走行抵抗を付与するテンシ
    ョン装置を配置した延伸仮撚機。
  2. 【請求項2】 仮撚装置と、この仮撚装置を通過した糸
    の張力を検出するセンサと、このセンサの検出結果が所
    定の範囲内に入るように上記仮撚装置を制御する手段と
    を備え、上記テンション装置が、前記センサと上記フィ
    ードローラとの間に配置したものである延伸仮撚機。
  3. 【請求項3】 上記テンション装置が、糸を掛けて屈曲
    させるために、糸走行方向と直行する方向に間隔を開け
    て配置した二つのガイド部を備える固定ガイドである請
    求項1又は請求項2記載の延伸仮撚機。
  4. 【請求項4】 上記二つのガイド部の間隔が調整自在で
    あり、案内する糸の屈曲量を前記の調整で変更して、糸
    の走行抵抗を調整するように構成した請求項3記載の延
    伸仮撚機。
  5. 【請求項5】 仮撚装置と、その糸走行方向下流側のフ
    ィードローラとの間に、糸に走行抵抗を付与するテンシ
    ョン装置を配置し、前記仮撚装置直後の解撚張力は毛羽
    が発生しない低い糸張力に制御し、前記テンション装置
    と前記フィードローラとの間は未解撚斑が発生しない張
    力に設定して巻取りをおこなう延伸仮撚方法。
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