JPH08231743A - 被覆用防汚性組成物 - Google Patents
被覆用防汚性組成物Info
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- JPH08231743A JPH08231743A JP3513495A JP3513495A JPH08231743A JP H08231743 A JPH08231743 A JP H08231743A JP 3513495 A JP3513495 A JP 3513495A JP 3513495 A JP3513495 A JP 3513495A JP H08231743 A JPH08231743 A JP H08231743A
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Abstract
エステル重合体とフッ素化オレフィン重合体と有機ポリ
イソシアネート等の硬化剤とからなる被覆用防汚性組成
物に関する。 【効果】本発明の被覆組成物は、可塑剤のブリード防止
性、防汚性に優れた皮膜を形成する。さらに、硬化剤に
より,基材及び各成分間の密着性を向上させ、強靱な皮
膜を形成させることが可能である。
Description
のブリード防止性に優れた被覆用組成物に関する。
種基材表面に対する防汚性が強く要求されており、数多
くのコーティング剤が提案されている。
エステル類の重合体を被覆するもの、あるいはそれらと
フッ素系モノマーとシリコン系モノマーとの共重合体を
被覆するもの、さらにはそれらとバインダー樹脂とのブ
レンド物を被覆するものなどが知られている。中でも、
フッ素系あるいはシリコン系モノマーの導入は有力な手
段と考えられてきた(特開昭63−61032号公報、
特開昭63−137934号公報)。
ルである場合、コストに見合う適当な量のフッ素系ある
いはシリコン系モノマーの導入、重合といった従来公知
の方法で得られた組成物では、可塑剤の影響等により充
分な防汚性能が発揮され得ないという問題があった。ま
た、フッ素或いはシリコーン系モノマーの導入の際に
は、基材との密着性を阻害するという問題が常に懸念さ
れてきた。特に、可塑化ポリ塩ビニルの中でも可塑剤の
含有量の多い塩ビレザー或いは人工皮革、合成皮革等で
は耐屈曲性、耐もみ摩耗性といった高度の密着性が要求
される事から、基材に対する密着性と防汚性とを兼備し
た表面コート剤が望まれていた。
素或いはシリコーン系組成物の弱点とも言うべき基材と
の接着性の問題を払拭した、基材との密着性に優れ且つ
強靱な皮膜を形成する組成物を見いだすと共に、従来に
ない防汚性能を発現するばかりでなく、基材中に含まれ
る可塑剤、顔料、染料等の樹脂内添剤のブリード防止効
果および異物が接触した場合、異物に含まれる一部又は
全部の化合物の移行防止効果に優れた被覆用樹脂組成物
を提供することである。
記課題を解決するために鋭意検討したところ、非フッ素
化アクリル系重合体及びフッ素化アクリル系重合体とフ
ッ素化オレフィン系重合体と硬化剤との最適な組み合わ
せからなる組成物を用いれば、上記の問題を解決できる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
ート(A)及び/又はポリシロキサン基含有(メタ)ア
クリレート(B)と、該(メタ)アクリレート(A)及
び該(メタ)アクリレート(B)以外の(メタ)アクリ
レート(C)とを重合させて得られる共重合体(I)
と、(メタ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体
(II)と、フッ素化オレフィン系重合体(III)と硬化
剤(IV)とを含有してなる被覆用防汚性組成物を提供す
るものである。
クリレート(A)及び/又はポリシロキサン基含有(メ
タ)アクリレート(B)と、該(メタ)アクリレート
(A)及び該(メタ)アクリレート(B)以外の(メ
タ)アクリレート(C)とを重合させて得られる共重合
体(I)は、本発明の組成物を基材上にコーティングし
た場合、最表面(空気面側)に配列する部分であるの
で、外部からの異物の接触、混入に対して直接的影響を
及ぼす。即ち、防汚性を発揮する上で非常に重要な部分
である。また、より経済的なフッ素含有量で最大の防れ
防止効果を発現させ、あるいは(メタ)アクリロイル基
を含有する単量体の重合体(II)とフッ素化オレフィン
系重合体(III)との間に優れた相溶性を得るために
は、フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び/又はポ
リシロキサン基含有(メタ)アクリレート(B)と、
(A)及び(B)以外の(メタ)アクリレート(C)と
の重合物を用いることが好ましい。
ては、原料の入手性並びに他の成分との相溶性、防汚性
の観点から、アクリルエステル基及びその類縁基を含有
するものが適しており、下記一般式(A−1)にて表さ
れるフッ素化(メタ)アクリレ−トが挙げられる。すな
わち[
ロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基であり、
直鎖状、分岐状、または主鎖中に酸素原子が介入したも
の、例えば
たはCNであり、Xは2価の連結基で、具体的には −
(CH2)n−
はHまたは炭素数1〜6のアルキル基である。)、
表わされる化合物である。以下、特に断わりのない限
り、メタアクリレート、アクリレート、ハロアクリレー
トおよびシアノアクリレートを総称して(メタ)アクリ
レートという。
の具体例として以下の如きものが挙げられる。 A-1-1 : CH2=CHCOOCH2CH2C8F17 A-1-2 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C8F17 A-1-3 : CH2=CHCOOCH2CH2C12F25 A-1-4 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C12F25 A-1-5 : CH2=CHCOOCH2CH2C10F21 A-1-6 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C10F21 A-1-7 : CH2=CHCOOCH2CH2C6F13 A-1-8 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C6F13 A-1-9 : CH2=CHCOOCH2CH2C4F9 A-1-10 : CH2=CFCOOCH2CH2C6F13 A-1-11 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C20F41 A-1-12 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2C4F9 A-1-13 : CH2=C(CH3)COO (CH2)6 C10F21 A-1-14 : CH2=C(CH3)COOCH2CF3 A-1-15 : CH2=CHCOOCH2CF3 A-1-16 : CH2=CHCOOCH2C8F17 A-1-17 : CH2=C(CH3)COOCH2C8F17 A-1-18 : CH2=C(CH3)COOCH2C20F41 A-1-19 : CH2=CHCOOCH2C20F41 A-1-20 : CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF3)2 A-1-21 : CH2=C(CH3)COOCH2CFHCF3 A-1-22 : CH2=CFCOOCH2C2F5 A-1-23 : CH2=CHCOOCH2(CH2)6CF(CF3)2 A-1-24 : CH2=C(CH3)COOCHCF2CFHCF3 A-1-25 : CH2=C(CH3)COOCH(C2H5)C10F21 A-1-26 : CH2=CHCOOCH2(CF2)2H A-1-27 : CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)2H A-1-28 : CH2=CHCOOCH2(CF2)4H A-1-29 : CH2=CHCOOCH2CF3 A-1-30 : CH2=C(CH3)COO(CF2)4H A-1-31 : CH2=CHCOOCH2(CF2)6H A-1-32 : CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)6H A-1-33 : CH2=CHCOOCH2(CF2)8H A-1-34 : CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)8H A-1-35 : CH2=CHCOOCH2(CF2)10H A-1-36 : CH2=CHCOOCH2(CF2)12H A-1-37 : CH2=CHCOOCH2(CF2)14H A-1-38 : CH2=CHCOOCH2(CF2)18H A-1-39 : CH2=CHCOOC(CH3)2(CF2)4H A-1-40 : CH2=CHCOOCH2CH2(CF2)7H A-1-41 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2(CF2)7H A-1-42 : CH2=C(CH3)COOC(CH3)2(CF2)6H A-1-43 : CH2=CHCOOCH(CF3)C8F17 A-1-44 : CH2=CHCOOCH2C2F5 A-1-45 : CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2C8F17 A-1-46 : CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)(CH2)4C18F37 A-1-47 : CH2=CHCOOCH2CH2N(C3H7)SO2C8F17 A-1-48 : CH2=C(CH3)COOCH2CH2N(CH3)SO2C6F13 A-1-49 : CH2=C(Cl)COO(CH2)6NHSO2C12F25 A-1-50 : CH2=CHCOOCH2CH2N(C2H5)COC7F15 A-1-51 : CH2=CHCOO(CH2)8N(CH3)COC12F25 A-1-52 : CH2=CHCOO(CH2)2(CF2)8CF(CF3)2 本発明に係る被覆用樹脂組成物の防汚性、及びその耐久
性の向上の観点から、フッ素化(メタ)アクリレート
(A−1)のパ−フロロアルキル基または部分フッ素化
アルキル基の炭素数としては、4以上が好ましく、6以
上がより好ましい。
(A)は、経済的な観点、他の成分との効率的な相溶性
並びに防汚性の点から、フッ素化アルキル基を含有する
1価基を少なくとも2つ有し、その全てが同一の炭素原
子または窒素原子に結合した骨格を有する重合性エチレ
ン不飽和単量体であって、かつフッ素化アルキル基を含
有する1価基の少なくとも1つが、上記炭素原子または
窒素原子とフッ素化アルキル基との間にエステル結合ま
たはウレタン結合をも有する1価基であるものが好まし
い。このようなフッ素化(メタ)アクリレートとして
は、例えば一般式
アルキル基であり、Zは−(CH2)X−、−CH2CH
(OH)(CH2)X− 、−(CH2)XN(R1)SO2
−、−(CH2)XN(R1)CO−(但しXは1または
2であり、R1はH又は炭素数1〜6のアルキル基であ
る)、−CH( CH3)−、−CH(C2H5)−、−C
(CH3)2−、−CH(CF3)−又は−(CF3)2−
の如き2価の連結基であり、R2はH、Cl、CH3、
F、又は−(CH2)XRf(但し、X、Rfは前記と同
じである。)であり、AはR3C(CH2−)3(但しR3
はH、メチル基、エチル基、又はニトロ基である。)、
又はN(CH2CH2)3−、N(CH2CH(CH3))3
−にて表される3価の連結基であり、Bは−OCONH
Y1NHCOO−(但し、Y1は炭素数が15以下で、B
中に占める重量割合が35〜65%の間である2価の連
結基である。)にて表される2価の連結基であり、Z1
は−(CH2)m−(但し、mは2〜6の整数である。)
又は−CH2CH(CH3)−である。]にて表される化
合物が挙げられる。
るZは、前記2価の連結基の群から選ばれた相異なる2
種の連結基であっても良い。2価の連結基B中のY1基
の代表的なものとしては、
あり、Rf'は炭素数1〜20のフッ素化アルキル基で
あり、Z'は−(CH2)X−、−CH2CH(OH)(C
H2)X−、−(CH2)XN(R1)SO2−、−(C
H2)XN(R1)CO−(但し、Xは1または2であ
り、R1はH又は炭素数1〜6のアルキル基である)、
−CH(CH3)−、−CH(C2H5)−、−C(C
H3)2−、−CH(CF3)−又は−(CF3)2−の如
き2価の連結基であり、RはHまたはFである。X1、
X2、そしてX3は−OCOCH2CH(R4)COO−
(但し、R4はH、又は炭素数1〜36のアルキル基も
しくはアルケニル基である。)又は
り、A1はR5C(CH2OCH2CH(OH)CH2)
3−、R5C(CH2OCH2CH2OCH2CH(OH)C
H2)3−(但し、R5はH、ヒドロキシメチル基、メチ
ル基、エチル基、又はニトロ基である。)、N(CH2
CH2OCH2CH(OH)CH2)3−、又はN(CH2
CH(CH3)OCH2CH(OH)CH2)3−にて表さ
れる3価の連結基である。]にて表される化合物、一般
式
は前記と同じであり、X4とX5は−COO−、−OCO
CH2CH(R4)COO−(但し、R4は前記と同じで
ある。)
し、Y1は前記と同じである。)にて表される2価の連
結基である。)から選ばれる2価の連結基である。]に
て表される化合物、一般式
は前記と同じであり、Rf''はRfもしくはRf'と同
意義であって、これらは等しくても又異なっていても良
く、Z''はZもしはZ'と同意義であって、これらも等
しくても又異なっていても良く、X6、X7、X8は同一
でも異なっていても良くて、−O−又は−OCONHY
1NHCOO−(但し、Y1は前記と同じである。)にて
表される2価の連結基であり、X9は−OCONHY1N
HCOO−(但し、Y1は前記と同じである。)又は−
OCONH(CH2)a−(但し、aは0〜2の整数であ
る。)にて表される2価の連結基であり、Z1は前記と
同じである。]にて表される化合物を挙げることができ
る。
4)、(A−5)の具体例として、例えば以下の如きも
のが挙げられるが、これらの具体例によって本発明が何
ら限定されるものでないことは勿論である。
(A)は、構造が異なる2種類以上の化合物の混合物で
あっても良い。本発明者の知見によれば、防汚性を付与
するためにはフッ素化(メタ)アクリレートの外にポリ
シロキサン基含有(メタ)アクリレートを導入すること
が有効である。
キサン基含有(メタ)アクリレートは、重合体(II)、
重合体(III)との相溶性或いは用途により、何れか一
方だけでも良いし、両者を含んでいてもそれらの防汚性
は高レベルで維持される。
トは、ポリシロキサン鎖の片末端あるいは両末端に2価
の連結基を介して、アクリロイル基、あるいはメタクリ
ロイル基のいずれかが連結されたものであり、その具体
例としては、一般式(B−1)
ルキル基又はフェニル基で、それらは同一でも異なって
いてもよく、又シロキシ単位毎に同一でも異なっていて
もよく、pは3〜520の整数であり、qは0又は1で
あり、Y2は2価の連結基で、-CH2CH(OH)CH2OCO-、-(CH
2)n1NHCH2CH(OH)CH2OCO-、-(CH2)n1OCO-、-(CH2)n1-O-
(CH2)m1OCO-、又は-OCH2CH(OH)CH2OCO-(但し、n1、m
1は2〜6の整数である。)であり、R1は前記と同じで
あり、Z1はメチル基、フェニル基、又はCH2=C(R)-(Y2)
q-である。]にて表される化合物、又は一般式(B−
2)
R7''、R7'''、R8'、R8''、R8'''は炭素数1〜20
のアルキル基又はフェニル基で、これらは同一でも異な
っていても良く、r,s,tは1〜200の整数で、こ
れらは同一でも異なっていても良く、Y2,q,R は前
記と同意義である。]にて表わされる化合物が挙げられ
る。
具体的なものとして以下の如きものが例示される。
hは、それぞれメチル基,フェニル基を表わす。尚、本
発明が上記具体例によって何等限定されるものでないこ
とは勿論である。
レート(A)及び/またはポリシロキサン基含有(メ
タ)アクリレート(B)は、防汚性及び汚れ落ち性を発
揮する上で必須の単量体成分であり、これら両者が欠落
すると上記性能は劣悪なものとなる。
ート(A)及び/またはポリシロキサン基含有(メタ)
アクリレート(B)と共重合する(A)および(B)以
外の(メタ)アクリレート(C)としては、例えばアク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、アクリ
ロニトリル、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート、ジブチルフマル酸エステル、ジメチルフマ
ル酸エステル等を挙げることができる。また、これらは
単独または2種類以上用いることができる。
限定されるものでないことは勿論である。本発明者らの
知見によれば、皮膜の強靱性の観点から、加工工程上可
能である場合は、重合体(I)、(II)、(III)各成分
間の接着性及び基材との密着性を向上させる為に、重合
体(I)中にも硬化剤(IV)と反応する反応性官能基を導
入することが好ましい。
(IV)との反応性により決定されるが、官能基の種類と
しては特に制限はなく、例えば、水酸基、チオール基、
カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、アジリ
ジニル基、グリシジル基、アルコキシシリル基、シラノ
ール基、シクロカーボネート基、酸無水基、ビニル基、
エノールエーテル基、チオエーテル基、活性エステル
基、アセトアセテート基、金属塩、金属酸化物及びこれ
らの官能基を各種ブロック化剤でブロック化したものが
挙げられる。また、これらの官能基は、単官能であって
も多官能であっても良く、さらに含有する官能基の種類
は、1種類であっても2種類以上であっても良い。
に制限はなく、例えば、直接これらの官能基を含むモノ
マーを用いて重合体(I)を合成する方法、或いは予め
重合体(I)を合成した後、目的とする官能基を持つ化
合物と重合体(I)を反応させる方法、重合体(I)をプ
ラズマ処理する方法、さらには重合開始剤、連鎖移動剤
中に目的とする官能基を含むものを使用し導入する方法
等が挙げられる。
限定されるものでないことは勿論である。硬化剤(IV)
としては、特に制限はないが、原料の入手性及び多様
性、架橋反応の簡便さ、生成した皮膜の強靱性、基材と
の密着性の向上等の理由から、有機ポリイソシアネート
化合物が工業的に有用である。
アネート基と反応する官能基としては、活性水素を有す
る官能基であれば特に制限はなく、アミノ基、水酸基、
カルボキシル基、活性メチレン等の活性水素を有する官
能基が挙げられる。
基を導入し、イソシアネート同士を反応させビュレット
構造の形成或いはアロハネート架橋等も可能である。こ
れらの中で、イソシアネート基との反応性、原料の入手
性、生成したポリマーの皮膜特性を考慮すると、水酸基
による架橋が特に好ましい。重合体(I)に導入する水
酸基の導入方法には特に制限はなく、上述した各種官能
基の導入方法と同様の方法が挙げられるが、中でも反応
工程上最も簡便であり、導入量のコントロールも容易で
あるのは、水酸基を含むモノマーを用いて重合体(I)
を合成する方法である。
例えばヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート及びその変性物等が挙げられる。
重合体(I)中に導入する水酸基を含むモノマーは、1
種類であっても2種類以上であっても構わない。
定されるものでないことは勿論である。本発明者らの知
見によれば、重合体(I)、(II)、(III)各成分間の
相溶性、皮膜の強靱性等の観点から、(A)および
(B)以外の(メタ)アクリレート(C)としては、メ
タクリル酸メチルを含有することが好ましい。メタクリ
ル酸メチルを共重合することは、他の重合体との相溶性
を向上させるばかりでなく、皮膜のハード成分として防
汚性にも寄与し、さらにはホモポリマーは高ガラス転移
点を有することから、皮膜の強靱性を向上させ得る。
(B)と単量体(C)とを重合して成るフッ素系重合体
(I)の製造方法には、何ら制限はなく、公知の方法、
即ちラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法
等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更に
エマルジョン重合法等によって製造できるが、特にラジ
カル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。
のものを使用することができ、例えば過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化
合物、Mn(acac)3等の金属キレート化合物等が挙げら
れ、必要に応じてラウリルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノ−ル、エチルチオグリコ−ル酸、オクチルチオ
グリコ−ル酸等の連鎖移動剤や、更にγ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等のカップリング基含有チオ
−ル化合物を連鎖移動剤と併用することが可能である。
カップリング基含有連鎖移動剤を併用すると、基材に対
する密着性や、コーティング剤としての耐久性を向上さ
せることが可能である。また光増感剤や光開始剤の存在
下での光重合、あるいは放射線や熱をエネルギー源とす
る重合によっても本発明に係るフッ素系のランダムもし
くはブロック共重合体を得ることができる。
れでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合
の方が好ましい。溶剤としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶
剤、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロ
ゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、
更にパ−フロロオクタン、パ−フロロトリ−n−ブチル
アミン等のフッ素化イナ−トリキッド類等を挙げること
ができ、これらを単独又は混合して使用できる。
または(B)と単量体(C)との共重合組成比は、重量
比で、通常100:0〜1:1000であり、2:1〜
1:100の範囲が好ましく、49:51〜1:100
が本発明に示す被覆剤としての諸特性、即ち被覆作業性
に関係する本発明の重合体(I)の溶剤溶解性、防汚
性、皮膜特性、更には重合体(I)中のフッ素含有量に
関係する経済性を発揮する上でより好ましい。
る(メタ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体
(II)についてであるが、本重合体(II)は基材との密
着性、他の成分との相溶性並びにニーズに合致した皮膜
を形成させる点で重要な成分である。
(II)としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸ドデシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸ドデシル、2−エチルヘキシルメタアクリレ
ート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、ジブチ
ルフマル酸エステル、ジメチルフマル酸エステル、アク
リル酸、メタクリル酸等の単独重合体、又は共重合体を
挙げることができる。
定されるものでないことは勿論である。また、重合体
(II)においても、重合体(I)の場合と同様に、各成
分間及び基材との接着性を向上させ、更に皮膜を強靱化
させるために、後述する硬化剤(IV)、中でも有機ポリ
イソシアネートと反応する官能基を持たせることが好ま
しい。有機ポリイソシアネートと反応する官能基として
は特に制限はないが、重合体(I)の場合と同様の理由
から、水酸基が好ましい。また、重合体(II)に導入す
る水酸基の導入方法にも特に制限はなく、重合体(I)
の場合と同様に、水酸基を含むモノマーを用いて重合体
(II)を合成する方法である。水酸基を含むモノマーの
具体例としては、例えばヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びその変性
物等が挙げられる。
定されるものでないことは勿論である。次に、第三の必
須成分であるフッ素化オレフィン系重合体(III)であ
るが、本重合体(III)は、皮膜の断面方向において表
面成分である重合体(I)と密着成分である重合体(I
I)の中間に位置し、外部からの汚れの侵入および内
部、即ち基材樹脂の一部、あるいは基材樹脂に含有され
る顔料、染料、可塑剤等の添加物のコーティング層への
移行を防止する役割を担う。
は、フッ素化オレフィンモノマーを含む重合体をいい、
有機溶剤に分散又は溶解するものである。その具体例と
して、例えばポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデン、(エチレン・テトラフロロエチレン)共重合
体、(フッ化ビニリデン・テトラフロロエチレン)共重
合体、(テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレ
ン)共重合体、ポリフッ化ビニルエ−テル、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、(エチレン・クロロトリフルオ
ロエチレン)共重合体、(フッ化ビニルエ−テル・テト
ラフロロエチレン)共重合体そしてルミフロン[旭硝子
(株)]、フルオネート[大日本インキ化学工業
(株)]、セフラルコート[セントラル硝子(株)]、
ゼッフル[ダイキン工業(株)]、ザフロン[東亜合成
(株)]、トリフロン[三井石油化学工業(株)]等の
商品名で例示されるフッ素塗料が挙げられるが、これら
の中で他のアクリル成分との相溶性、溶剤に対する溶解
性などの加工性と防汚性を兼備するという点で、特にフ
ッ化ビニリデン系重合体が好ましい。
ばポリフッ化ビニリデン、(フッ化ビニリデン・テトラ
フロロエチレン)共重合体、(フッ化ビニリデン・テト
ラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン)共重合体
、(テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレ
ン)共重合体、(フッ化ビニリデン・ヘキサフロロプロ
ピレン)共重合体等が挙げられる。
定されるものでないことは勿論である。フッ化ビニリデ
ン系重合体を用いれば、溶液状態においては他のアクリ
ル系樹脂とも優れた相溶性を示すばかりでなく、皮膜を
形成すると外部からの汚れ或いは内部からの異物の侵入
を防止するバリア層を形成することにより、皮膜全体の
防汚性を向上させることが可能となる。さらに、皮膜と
しては非常に伸長率の高い柔軟な皮膜を形成するため、
基材にコーティングした場合、基材に対する追随性に優
れ、折り曲げ、湾曲部を伴う用途への応用が容易であ
る。
る、上述した重合体(I)、(II)、(III)の割合は、
特に制限はないが、重量比で2〜15/35〜70/2
0〜50であることが好ましい。その理由としては以下
のことが考えられる。
少ない場合、目的とする防汚性は得られず、又15重量
%より多くなるとコストアップにつながるばかりでな
く、系の相溶性は低下し、それに伴い皮膜強度も低下す
る。
りも少ない場合は、基材に対する密着性に劣り、皮膜自
体の耐久性も低下する。逆にその割合が70重量%を超
えると皮膜の柔軟性が低下し、伸びの少ない脆い皮膜と
なり、その結果として基材に対する追随性も失われる。
よりも少ない場合は、十分な防汚性能、特に基材側から
の異物の侵入防止能を維持できず、さらには皮膜自体も
柔軟性を失う。一方、50重量%を超えると基材に対す
る密着性は著しく低下する。
ば、最適な割合の重合体(I)、(II)、(III)を用い
ることにより、より優れた防汚性能を発揮するコーティ
ング剤を得ることが可能となる。
ついてであるが、硬化剤(IV)の導入は、コーティング
する基材と上記(I)〜(III)の組成からなる組成物と
の密着性を向上させるだけでなく、(I)〜(III)の成
分間の接着性を高め、より強靱かつ耐溶剤性に優れた皮
膜を形成させることを可能にし得る。
限はなく、上述したような各重合体中に導入された官能
基と反応する、分子中に2つ以上の反応性官能基を持つ
反応性多官能化合物であれば良い。
したものと同様のものが考えられ、例えば、水酸基、チ
オール基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート
基、アジリジニル基、グリシジル基基、アルコキシシリ
ル基、シラノール基、シクロカーボネート基、酸無水
基、ビニル基、エノールエーテル基、チオエーテル基、
活性エステル基、アセトアセテート基、金属塩、金属酸
化物及びこれらの官能基を各種ブロック化剤でブロック
化したものが挙げられる。このような含有する官能基の
種類は、1種類であっても2種類以上であっても良い。
む2官能性以上の化合物であれば、低分子化合物であっ
ても高分子化合物であっても構わない。さらに、硬化剤
(IV)は、重合体(I)及び/または(II)中に、硬化
剤(IV)に含まれる反応性官能基と反応する官能基を含
有する場合はもとより、反応する官能基を含まない場合
も基材との密着性を向上させるという点から重要な役割
を果たす。
が、原料の入手性、多様性、生成皮膜の強靱性、基材と
の密着性の向上等の理由から、有機エポキシ化合物、有
機ポリイソシアネート化合物が工業的に有用であり好ま
しい。
基を2個以上分子内に含む化合物が挙げられる。例え
ば、各種エポキシ樹脂、また2つ以上のグリシジル基を
有する低分子化合物としては、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジル
エーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグ
リセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセ
リンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジル
エーテル、スピログリコールジグリシジルエーテル等が
挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
便さからは有機ポリイソシアネート化合物がより好まし
い。有機ポリイソシアネート化合物としては、例えば
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’ビフェニ
レンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,
4’ビフェニレンジイソシアネート3,3’−ジクロロ
−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−
ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナ
フタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ド
デカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイ
ソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシ
リレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート等とこれら化合物の2
量体、3量体あるいはフェノール類、オキシム類、アル
コール類、活性メチレン類、メルカプタン類、酸アミド
類、イミド類、アミン類、イミダゾール類、尿素類、カ
ルバミン酸塩類、イミン類または亜硫酸塩類で部分的に
ブロック化されたポリイソシアネート等が挙げられる。
定されるものでないことは勿論である。これら以外に
も、上記各種イソシアネート化合物と、次に挙げられる
ような各種活性水素化合物との反応により得られる末端
にイソシアネート基を有するイソシアネートプレポリマ
ー等が挙げられる。
基と反応し得る基、即ち活性水素原子を有する化合物で
あれば特に制限はなく、何れでも使用することができる
が、一般にはアルコール性の水酸基を有する化合物が用
いられ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−ないしは1,4−ブチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール
若しくはジプロピレングリコールの如き各種ジオール類
またはグリセリン、トリメチロールプロパン若しくはペ
ンタエリスリトールの如き各種ポリオール類あるいはこ
れらの各種ジオール及び/またはポリオール類と各種の
脂肪族ポリカルボン酸とから得られるポリエステルジオ
ール、さらにはポリエチレングリコール、ポロプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如き各
種ポリエーテルジオール、さらにはポリカーボネートジ
オール等が挙げられる。
は、単独でも、2種類以上を混合した形でも構わない。
尚、本発明がこれら具体例によって何等限定されるもの
でないことは勿論である。
上記重合体(I)、(II)、(III)との相溶性を考慮す
ると、有機ポリイソシアネート化合物としては、上述し
た様な単量体、2量体、3量体、或いはそれらがビュウ
レット構造を有するもの、或いは上述した単量体が水、
トリメチロールプロパン等への付加体であるアダクトタ
イプ等の低分子量有機ポリイソシアネートが特に好まし
い。
重合体(II)、重合体(III)の総重量に対して0.0
001〜200重量%が好ましく、0.001〜100
重量%がより好ましい。
応じて種々の添加物を導入することができる。例えば、
基材に被覆する際、基材との密着性を向上させる目的か
ら、シラン系、チタン系、ジルコ−アルミネート系等の
カップリング剤を併用することができる。カップリング
剤の中でもシラン系のカップリング剤が好ましい。シラ
ンカップリング剤としては、例えばジメチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等が挙げられる。更にフッ素原子含
有アルコキシシラン化合物、フッ素原子含有チタンアシ
レ−ト化合物、フッ素原子含有アルコキシジルコニウム
化合物等のフッ素系カップリング剤も使用できる。
応じて、顔料、染料、カ−ボン等の着色剤、シリカ、酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末、
高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラ
フロロエチレン)、ポリエチレン等の有機微粉末、更に
耐光性向上剤、耐候性向上剤等の各種充填剤を適宜添加
することが可能である。
英、シリカ等の無機物、鉄、銅、フェライト、コバル
ト、ニッケル、アルミニウム等の金属及びそれらの合
金、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメタアクリル酸
メチル、ポリ塩化ビニル等に代表される熱可塑性樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフ
タレート等のポリエステル類、ポリパラフェニレンサル
ファイト、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等のエンジ
ニアリングプラスチック、ウレタン樹脂、アルキッド樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂等が挙げられる。
要に応じて当業界公知のプライマー処理を施すことが可
能である。本発明に係る被覆組成物は、必要に応じて目
的に見合った溶剤で適当な濃度または粘度に調整した
後、例えばグラビアコーター、ナイフコーター、デイッ
ピング塗布、スプレー塗布等の方法により各種基材上に
塗布することができ、塗布した後発泡、エンボス、シ
ボ、プレス、印刷等の後加工を行うことも可能である。
尚、本発明が上記具体例によって何等限定されるもので
ないことは勿論である。
材、床材、マーキングフィルム、反射シート、ポリ塩化
ビニル鋼板、農業用ビニルフィルム、化粧紙、ポリ塩化
ビニルシート、ポリ塩化ビニルレザー、人工皮革、合成
皮革、人工大理石、ターポリン、テント、ネット、テー
ブルクロス、デスクマット等の防汚性コーティング剤と
して使用することが可能である。
利用も可能である。塗料としては、天然樹脂を使った塗
料、例えば石油樹脂塗料、セラック塗料、ロジン系塗
料、セルロース系塗料、ゴム系塗料、漆、カシュー樹脂
塗料、油性ピヒクル塗料等、また、合成樹脂を使った塗
料、例えばフェノール樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、
不飽和ポリエステル樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、エポキ
シ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリ
ウレタン樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗
料等が挙げられが、特にこれらに限定されるものではな
い。
されるものでないことは勿論である。従って、本発明に
係る被覆組成物を用いれば、従来通りに、基材に対する
密着性、皮膜特性に優れ、かつ従来公知の組成物ではな
し得ない防汚効果を有する各種基材用コーティング剤を
提供することができる。
的以外に、表面潤滑性、耐擦傷性、耐油性、平滑性、撥
水撥油性、耐水性、防湿性、防錆性、剥離性、低吸水性
等に優れた被膜を形成することから、各種素材並びに基
材の保護被覆膜としても使用することができる。
性体金属やポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
−2,6−ナフタレ−ト等のポリエステル類、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン類、セルロ−スアセテ−ト等
のセルロ−ス誘導体、ポリカ−ボネ−ト等のプラスチッ
クや、更に場合によりガラス、紙、木材、繊維、磁器及
び陶器のようなセラミックス上に蒸着された強磁性合金
(鉄、コバルト及び/またはニッケルを主成分とし、少
量のアルミニウム、シリコン、クロム、マンガン、モリ
ブデン、チタン、各種重金属類、希土類金属等含むも
の)または微量酸素存在下で、鉄、コバルト、クロム等
の磁性材料をポリエステル等のプラスチックフィルムに
蒸着した磁気テ−プ、または磁気ディスクの磁性層等の
保護被覆や、減摩性が特に要求される、磁気テ−プ、フ
ロッピ−ディスク等の磁気記録媒体の表面及び背面処理
剤としても好適である。
電池用保護膜、光ファイバ、光ファイバケ−ブル、光デ
ィスク、光磁気ディスク等の保護被覆剤としても好適で
ある。更に、耐擦傷性、防汚性及び耐湿性に優れるので
医療用具及び器具の表面保護、歯、義歯の表面保護及び
虫歯のつめ物、型どりとしても使用できる また、本発明の被覆組成物は、耐擦傷性に優れた被膜を
形成できるので、各種成形品またはフィルム、シ−ト等
のハ−ドコ−ト剤としても使用できる。
分散剤を混入することによって、防汚性または非粘着性
に優れた塗料またはインキを形成することができる。従
って、船底塗料、着氷雪防止塗料としても有用である。
考例、実施例及び比較例を掲げるが、これらの実施例等
によって本発明が何等限定されるものでないことは勿論
である。文中の「部」は、断わりのない限り重量基準で
ある。
コにフッ素系単量体A−1−1 15重量部、メチルメ
タクリレート(以下、MMAと略す)75重量部、2−
ヒドロキシルエチルメタアクリレート(以下、2−HE
MAと略す)5重量部、B−1−10 5重量部、そし
てメチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)2
33重量部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下に、重合
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下、AI
BNと略す)0.5重量部と、分子量調整剤としてラウ
リルメルカプタン 0.6重量部を添加した後、11時
間還流し重合を完結させた。
4の合成) 参考例1と同様にして重合体(I)溶液を得た。
−1、III−2) 重合体II−1、II−2、II−3、III−1、III−2とし
ては表2に示す組成のものを用いた。
社製、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン共重合体) カイナーADS:(商品名:エルフ・アトケム・ジャパ
ン社製、フッ化ビニリデン−4フッ化エチレン−6フッ
化プロピレン共重合体) 参考例14〜16(硬化剤IV−1、IV−2)硬化剤IV−
1、IV−2としては下記のものを用いた。
学工業社製 有機イソシアネート化合物)(固形分濃
度:76重量%,NCO含有量:13重量%) クリスボン CL−10 :(商品名:大日本インキ化
学工業社製 有機イソシアネート化合物)(固形分濃
度:100重量%:NCO含有量:21重量%) エポライト 100MF :(商品名:共栄社化学社製
エポキシ樹脂) (固形分濃度:100重量%:エポキシ当量:150) 実施例1〜16及び比較例1〜2 参考例で示した重合体(I)、重合体(II)、重合体(I
II)、硬化剤(IV)をそれぞれ所定量混合し、不揮発分
が15%、溶剤組成がメチルエチルケトン/メチルイソ
ブチルケトン/酢酸-n-ブチル=35/5/60になる
ように各溶剤にて調製した。
μm)にて可塑化ポリ塩化ビニルシート(ポリ塩化ビニ
ルに対して可塑剤含有量20%のものを基材Aとし、6
0%のものを基材Bとする。)に塗布し、70℃で5分
間乾燥させた後,140℃で2分間、次いで50℃で1
8時間熱処理を行うことにより試験片を作製した。表4
に各試料の混合比をまとめて示した。
るが、表中の数値は見かけの値を示している。その他の
数値は全て固形分比を表している。 <試験方法及び評価基準>防汚性並びに可塑剤のブリー
ド防止性の評価は、マジック汚染性により行った。
油性マジックで線引きした場合のマジックインキの付着
性、並びに付着した試片を室温にて24時間放置した
後、エタノール含浸脱脂綿で拭き取り、汚れの度合いを
目視にて5段階で判定した。
汚染試験に於いてマジックを付着させた後の放置温度
を、50℃とすることにより可塑剤の影響を強く受ける
環境を設定し、室温放置のものと比較した。
の試験片を用いてスコット型もみ摩耗試験機〔(株)東
洋精機製作所〕を用いて、荷重1kg、移動速度120
回/分にて2000回後の皮膜の状態を5段階評価にて
判定した。
機〔(株)興亜商会〕を用いて荷重1kgで対象布とし
て1000回綿布をしゅう接した後の皮膜の状態を目視
にて5段階評価で判定した。
ィルムをトルエン、メチルエチルケトンに浸漬し、24
時間後のゲル分率を測定することにより評価した。防汚
性、耐摩耗性、密着性、耐擦傷性、耐溶剤性の評価結果
は表5にまとめて示した。尚、表中5段階評価の数値は
大きいものほど各性能が優れていることを示している。
成物は、可塑化されたポリ塩化ビニルの被覆用途におい
て、極めて顕著な耐汚染性、可塑剤のブリード防止性を
有する一方、耐摩耗性、密着性、耐擦傷性、耐溶剤性に
も優れていることがわかる。
は汚染付着防止性を、重合体(II)は基材との密着性を
さらに重合体(III)は汚染物質の浸透防止性を発現さ
せるための成分であって、これら3者を的確な配合比で
ブレンドすることにより、可塑剤のブリード防止性、防
汚性に優れた皮膜を形成する。さらに、硬化剤(IV)を
加えることにより,基材及び各成分間の密着性を向上さ
せ、強靱な皮膜を形成させることが可能である。従っ
て、本発明に係る組成物は、基材に対する密着性、皮膜
特性に優れかつ長寿命の防汚効果を有する各種基材用コ
ーティング剤を提供することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び
/又はポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート
(B)と、該(メタ)アクリレート(A)および該(メ
タ)アクリレート(B)以外の(メタ)アクリレート
(C)とを重合させて得られる共重合体(I)と、(メ
タ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体(II)
と、フッ素化オレフィン系重合体(III)と硬化剤(I
V)とを含有してなる被覆用防汚性組成物。 - 【請求項2】硬化剤(IV)が、有機ポリイソシアネート
化合物であることを特徴とする請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】フッ素化オレフィン系重合体(III)が、
フッ化ビニリデン系重合体であることを特徴とする請求
項1又は2記載の組成物。 - 【請求項4】フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び
ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート(B)以外
の(メタ)アクリレート(C)として、メタクリル酸メ
チルを使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か1項記載の組成物。 - 【請求項5】フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び
ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート(B)以外
の(メタ)アクリレート(C)として、硬化剤(IV)と
反応する官能基含有の(メタ)アクリレートを使用する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の組
成物。 - 【請求項6】硬化剤(IV)と反応する官能基が、水酸基
であることを特徴とする請求項5記載の組成物。 - 【請求項7】(メタ)アクリロイル基を含有する単量体
の重合体(II)として、硬化剤(IV)と反応する官能基
含有の重合体を使用することを特徴とする請求項1〜6
のいずれか1項記載の組成物。 - 【請求項8】硬化剤(IV)と反応する官能基が、水酸基
であることを特徴とする請求項7記載の組成物。 - 【請求項9】フッ素化(メタ)アクリレート(A)及び
/又はポリシロキサン基含有(メタ)アクリレート
(B)と、該(メタ)アクリレート(A)および該(メ
タ)アクリレート(B)以外の(メタ)アクリレート
(C)とを重合させて得られる共重合体(I)と、(メ
タ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体(II)
と、フッ素化オレフィン系重合体(III)との割合が、
重量比で2〜15:35〜70:20〜50であること
を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の組成
物。
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