JPH08231531A - 本質的に純粋な3−クロロ無水フタル酸の製造法 - Google Patents

本質的に純粋な3−クロロ無水フタル酸の製造法

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JPH08231531A
JPH08231531A JP8000010A JP1096A JPH08231531A JP H08231531 A JPH08231531 A JP H08231531A JP 8000010 A JP8000010 A JP 8000010A JP 1096 A JP1096 A JP 1096A JP H08231531 A JPH08231531 A JP H08231531A
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chlorophthalic
dichlorophthalic
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chlorophthalic anhydride
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JP8000010A
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Karl G Baur
ゲルハルト バウル カール
Erwin Brunner
ブルナー エルヴィン
Eckhardt Brandt
ブラント エックハルト
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/54Preparation of carboxylic acid anhydrides
    • C07C51/573Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多段階合成によることなく、経済的に3−ク
ロロ無水フタル酸を製造する。 【解決手段】 第1の蒸留により出発混合物から3−ク
ロロ無水フタル酸と4,5−ジクロロ無水フタル酸を蒸
留して、4,5−ジクロロ無水フタル酸を本質的に有し
ない残留物を得、次いでこの残留物を蒸留して3−クロ
ロ無水フタル酸を回収する。出発物質は、好適には触媒
としてFeCl3を使用する無水フタル酸の不完全塩素
化により、溶剤のない融解物にて製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4,5−ジクロロ
無水フタル酸に加えて、3−クロロ無水フタル酸が存在
する混合物から、本質的に純粋の3−クロロ無水フタル
酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】その反応性の故に、モノ塩素化無水フタ
ル酸は、例えば、染料前駆体としての複素環の製造のた
めの、及び又ポリマー製造のための望ましい中間体であ
る。意図された係る使用のためには、これらは通常高純
度のものが必要である。次亜塩素酸ナトリウムでの塩素
化による単純な方法で高収率に4−クロロ無水フタル酸
を製造することは開示されているが(英国特許第628
401号、E.E Ayling,J.Chem.So
c.(1929)、253を参照)、純粋な3−クロロ
無水フタル酸の製造は困難である。
【0003】純粋な3−クロロ無水フタル酸は、高めら
れた温度及び高められた圧力で3−クロロ−o−キシレ
ンを、例えば、硝酸による酸化、次いで酸化により得ら
れた3−クロロ無水フタル酸への転換により得ることが
できる。異性体的に純粋の3−クロロ−o−キシレンは
o−キシレンの核塩素化生成物の蒸留分離により得られ
るが、3−及び4−クロロ−o−キシレンの低い沸点差
(相対揮発度)の故に、この蒸留分離は極めて複雑であ
る。連続的操作において3−クロロ−o−キシレン及び
4−クロロ−o−キシレンをそれぞれについて99%以
上の純度で同時に製造するための工業用カラムは、約2
50の理論的分離段を必要とする。分別結晶のような、
異性体の分離のための他の分離法は、より一層複雑であ
る。
【0004】また、3−クロロ無水フタル酸は、ニトロ
基を塩素で置換することにより、3−ニトロ無水フタル
酸から製造できる。これに必要な3−ニトロ無水フタル
酸は、適度の収率で無水フタル酸をニトロ化すること、
得られたニトロフタル酸の分別結晶による異性体分離、
及び得られた3−ニトロフタル酸の無水物への変換によ
る3つの操作工程により製造される(M.S.Newm
an,P.G.Scheurer,J.Am.Che
m,Soc.78(1956)、5005;Organ
ic Syntheses,Coll Vol.1(1
932)、399〜401)。この多段階でかつ複雑な
ルートは、これはさらに乏しい収率を生じるが、工業的
な用途には適していない。
【0005】モノ塩素化された無水フタル酸の最も単純
な合成、即ち、ルイス酸触媒を使用する無水フタル酸の
塩素化は、極めて低い転換率でのみ、蒸留により分離し
うる2つの異性体の3−および4−クロロ無水フタル酸
のみを含有する混合物をもたらす;転換率が経済的に許
容しうる値に達するやいなや、常により高度に塩素化さ
れた無水フタル酸も形成される(A.(ツバイク)Zw
eig及びM.(エプスタイン)Epstein、J.
Org.Chem.43(1978)、No.19、3
690−3692頁)。現在の知識においては、経済的
に許容しうる条件で、即ち、蒸留分離又は大規模に実施
しうる他の方法により、この混合物から本質的に純粋の
3−クロロ無水フタル酸を回収することが、可能とは思
われなかった。
【0006】ルイス酸触媒を使用する無水フタル酸の塩
素化による生成混合物の蒸留分離の困難性は、3−クロ
ロ無水フタル酸及び4,5−ジクロロ無水フタル酸の分
離にあり、文献によれば、これらは常圧においてきっち
り同一の沸点313℃を有する。A.ツバイク及びM.
エプスタインは、上記引用文献中で、これら2つの塩素
化生成物の混合物を得たのみである。
【0007】下記の第1表は、文献中に記載されている
無水フタル酸の塩素化により得られた生成物の常圧にお
ける沸点及び融点の調査結果である。
【0008】
【表1】
【0009】1) D’Ans Lax Tasche
nbuch fuer Chemiker und P
hysiker(D’Ans Laxの化学者及び物理
学者のためのハンドブック)1983 2) Handbook of Chemistry
and Physics1987−1988 3) BASF 測定 上記表より、4,5−ジクロロ無水フタル酸以外の二塩
素化反応生成物の沸点は明らかに一層高いものであり、
従ってこれらの分離は困難を伴うことなく蒸留により行
うことが可能であることは明白である。無水フタル酸と
純粋な4−クロロ無水フタル酸を生成混合物から分離す
ることも先行技術であり;特に、経済的に重要な4−ク
ロロ無水フタル酸は、蒸留パラメータの対応する選択に
より高純度で得ることができる。得られた生成物の高融
点の故に、圧力の変法の適用可能な沸点範囲は限定され
る。
【0010】ツバイク(A.Zweig)及びエプスタ
イン(M.Epstein)は、さらに3−クロロ無水
フタル酸と4,5−ジクロロ無水フタル酸の分離が、分
別結晶、分別融合(fractional fusio
n)、抽出及び昇華によっても成功裏に実施できないと
報告している。これらの著者は、極性気液クロマトグラ
フィーカラム手段の場合にのみ分離することに成功した
が、これは工業的規模で製造するためには許容できない
ものである。
【0011】上述のように、これらの著者は塩素化生成
物の割合を反応時間の関数、即ち無水フタル酸の変換率
として検討した。ツバイク(A.Zweig)及びエプ
スタイン(M.Epstein)の上記引用文献におけ
る下記第2表は、1,1,2,2−テトラクロロエタン
中における塩素及び塩化鉄(III)による塩素化にお
いて無水フタル酸を高度に変換させる場合、モノ塩素化
生成物の割合が減少すると、より高度に塩素化された生
成物の割合にとって有利であることが示されており、こ
れはモノ塩素化生成物と無水フタル酸それ自体のほぼ等
しい反応性に帰因する。
【0012】
【表2】
【0013】上記事項の発見は、予め無水フタル酸の直
接塩素化反応から経済的な方法で3−クロロ無水フタル
酸を得ることが困難であることを示している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、多段
階合成によることなく、他方、経済的である3−クロロ
無水フタル酸の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は、特許請求の
範囲に記載された方法により達成されることが見い出さ
れた。これは、3−クロロ無水フタル酸に加えて4,5
−ジクロロ無水フタル酸を含有する混合物から、本質的
に純粋な3−クロロ無水フタル酸を製造する方法であ
り、3−クロロ無水フタル酸と4,5−ジクロロ無水フ
タル酸を分離するために、3−クロロ無水フタル酸と
4,5−ジクロロ無水フタル酸の混合物を最初に蒸留
し、その結果残留物は本質的に4,5−ジクロロ無水フ
タル酸を含有しないものとさせ、次いで蒸留により3−
クロロ無水フタル酸を回収することから成るものであ
る。
【0016】本発明の好ましい実施態様は、以下に記載
されている。
【0017】好ましくは、3−クロロ無水フタル酸の純
度は、第1の蒸留工程において3−クロロ無水フタル酸
と4,5−ジクロロ無水フタル酸との混合物の分離によ
る還流比によって制御される。
【0018】出発混合物は、有利に無水フタル酸の不完
全な塩素化によって製造され、前記の無水フタル酸から
未反応の無水フタル酸は、連続的または回分蒸留によっ
て除去された。更に、いっそう好ましくは、前記出発物
質は、触媒としてのFeCl3 を使用することにより溶融液
の形の溶剤なしに製造される。
【0019】また、上記に記載されたような1つの方法
は、好ましく、この場合には、無水フタル酸は、出発混
合物の製造のために塩素化工程に戻される。
【0020】別の好ましい方法の場合には、第1の蒸留
工程で得られた3−クロロ無水フタル酸と4,5−ジク
ロロ無水フタル酸との混合物は、後処理され、ペルオキ
シクロロ無水フタル酸を生じる。
【0021】第1の蒸留工程後に底部に残存する塩素化
生成物は、有利に後処理され、ペルオキシクロロ無水フ
タル酸を生じる。
【0022】更にまた別の好ましい方法の場合には、無
水フタル酸は、部分的変換により塩素化され、未反応の
無水フィルタ酸は、連続的または回分的蒸留によって上
面生成物として留去され、さらに生成された4−クロロ
無水フタル酸は、第2の上面生成物として連続的または
回分的に留去され、次いで4,5−ジクロロ無水フタル
酸と3−クロロ無水フタル酸との混合物は、第3の上面
生成物として連続的または回分的に留去され、さらに純
粋な3−クロロ無水フタル酸は、蒸留によって連続的ま
たは回分的に回収され、未反応の無水フタル酸および4
−クロロ無水フタル酸は、有利に連続的または回分的に
一緒に留去され、次いで3−クロロ無水フタル酸の回収
が実施され、未反応の無水フタル酸は、特に有利に塩素
化に戻される。
【0023】驚くべきことに、ツバイク(A.Zwei
g)及びエプスタイン(M.Epstein)により指
摘された傾向とは異なり、3−クロロ無水フタル酸と
4,5−ジクロロ無水フタル酸の蒸留分離が可能である
ことが見い出された。これを実施するためには、本発明
の経済性にはほとんど影響を与えない3−クロロ無水フ
タル酸の少量の損失が、許容されなければならない。塩
素化混合物中の4,5−ジクロロ無水フタル酸の含量が
これはすでに説明したとおり、塩素化における無水フタ
ル酸の転換率に依存するが、低くなければなる程、これ
らの損失はより少なくなる。
【0024】好ましくは、3−クロロ無水フタル酸と
4,5−ジクロロ無水フタル酸の混合物は、最初の蒸留
工程において、2.5〜80kPa、好適には3〜20
kPa、及び185〜300℃、好適には190〜25
0℃において留去されるようにして、上記方法が実施さ
れる。
【0025】もし無水フタル酸の再循環又は4−クロロ
無水フタル酸の回収が望ましくない場合には、既知のよ
うにまた蒸気圧の説明から予想されるように、ルイス酸
触媒による無水フタル酸の塩素化による塩素化混合物か
ら未反応の無水フタル酸及び4−クロロ無水フタル酸
は、順次に又は一緒に留去され得る。これらの蒸留は連
続的に又は回分的に実施することができ、成分の純度は
蒸留要件により決定できる。これらの蒸留工程の後で、
生成混合物は底部に残留し、これは余りに高くはない無
水フタル酸の転換率において、主に3−クロロ無水フタ
ル酸及び4,5−ジクロロ無水フタル酸を含有し、さら
に3,4−及び3,6−ジクロロ無水フタル酸及び少量
のトリクロル化生成物を含有している。
【0026】十分な数の分離工程及び十分な還流にてこ
の混合物をより一層蒸留すると、驚くべきことに残留物
におけるその割合に比較して、3−クロロ無水フタル酸
に対する4,5−ジクロロ無水フタル酸の割合が明らか
に増大している頂部生成物が得られる。この分画は、カ
ラムの残留物中に本質的にもはや4,5−ジクロロ無水
フタル酸が存在しなくなるまで、行うことができる。同
一の沸点及び蒸気圧の同一の傾向を考慮すると、混合物
のこの実施態様は予想できないものであり、又、ツバイ
ク(A.Zweig)及びエプスタイン(M.Epst
ein)により上記引用文献に記載された事項に反する
ものである。
【0027】4,5−ジクロロ無水フタル酸を含有しな
い残留生成物は、3−クロロ無水フタル酸、他の二塩素
化化合物及びより高度に塩素化された生成物から成る。
純粋な形態の3−クロロ無水フタル酸の製造は、続く連
続的又は回分的の蒸留工程により実施でき、この工程に
おいて次に高沸点成分である、3,4−ジクロロ無水フ
タル酸が定量的に分離される。3,6−ジクロロ無水フ
タル酸及び三塩素化化合物は、3,4−ジクロロ無水フ
タル酸より一層高い沸点を有しており、それゆえ蒸留に
より純粋な3−クロロ無水フタル酸を製造する際に重要
ではない。3−クロロ無水フタル酸の回収の後、上記蒸
留方法の残留生成物は、本発明の他の実施態様によりパ
ークロロ無水フタル酸に転換することができる。
【0028】4,5−ジクロロ無水フタル酸と3−クロ
ロ無水フタル酸の中間画分の規模は、塩素化生成混合物
中の4,5−ジクロロ無水フタル酸の含量により予め決
定され、染料前駆体として使用されるパークロロ無水フ
タル酸を得るために同様に処理される。
【0029】本発明は、このように純粋な3−クロロ無
水フタル酸及び所望により同時に純粋な4−クロロ無水
フタル酸を、特にこの2つの異性体の合計量に基づいて
高収率で製造することを可能とし、その間、無水フタル
酸の塩素化の不完全な変換の結果である、望ましくない
より高度に塩素化された副生物の形成を比較的低く維持
することができる。
【0030】無水フタル酸の塩素化反応から得られる反
応生成物の調査の過程において、文献中で示される高度
に純粋な試料の沸点も確認された。比較の結果は下記第
3表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】本発明による高純度での3−クロロ無水フ
タル酸の製造は、ニトロ化合物によるか又は3−クロロ
−O−キシレンの酸化による製造等のような上述の他の
方法に比較して、経済的に大いにすぐれている。
【0033】本発明による方法を連続的に実施するのに
適した装置の模式図は図1にみることができる。この図
において、本発明の方法を実施するための3個の蒸留カ
ラムが1a,1b及び1cにより表わされている。既知
の実施態様において、このカラムは充填物質又は精留プ
レート、即ちカラム1aは25の精留段を、カラム1b
は42の精留段を、そしてカラム1cは54の精留段を
有している。供給管路2a,2b及び2cは、カラム1
a,1b及び1cに15段目、8段目又は25段目の精
留段で入る。カラム1a,1b及び1cの頂部におい
て、管路4a,4b及び4cは冷却器5a,5b及び5
cにつながり、さらにカラムの頂部に再び戻る管路6
a,6b及び6cにつながり、又、管路7a,7b及び
7cにつながり、これはポンプ8a,8b及び8cを介
して蒸留生成物容器(図示されていない)につながる。
カラム1a,1b及び1cの下部末端から、管路9a,
9b及び9cはポンプ10a,10b及び10cを介し
て、管路11a,11b及び11c、これは蒸発器12
a,12b及び12cを介してカラム1a,1b及び1
cのカラムの底部端部に戻り、及び、カラム1b及び1
c及び他のカラム(図示されていない)の供給管路2
b,2c及び2dの両方につながる。
【0034】無水フタル酸の塩素化反応の溶剤を含有し
ない粗製蒸留物が最初に供給管路2aを介してカラム1
aに供給されるようにして、上記プラントにおける本発
明による方法が本発明の例示的態様にて実施される。カ
ラム1aの頂部において、本質的に無水フタル酸を含有
する留出物の一部は、178.3℃及び0.058バー
ルにおいてポンプ8aの作用により管路4a、冷却器5
a及び管路7aを介して除去される間、大部分の留出物
は冷却器5aで冷却された後で管路6aを介してカラム
1aに戻る。カラム1aからの残留物は、ポンプ10a
の作用により残留物を管路9a及び11aを通過させ、
かつ蒸発器12aを通過させながら203.8℃に維持
される;カラム1aの本質的に無水フタル酸を含有しな
い残留生成物の一部は、2bを介して第8段でカラム1
bに連続的に供給される。カラム2bの頂部において、
4−クロロ無水フタル酸は176.3℃及び0.034
バールでカラム1aにおける同様に蒸留され、一方、4
−クロロ無水フタル酸を含有しない残留物はカラム1a
におけると同様にして204.4℃に維持され、管路2
cを介してカラム1cに第25段で供給される。カラム
1cの頂部において、3−クロロ無水フタル酸と4,5
−ジクロロ無水フタル酸の混合物が186.6℃及び
0.03バールで除去される。カラム1cの残留物は2
05℃に維持され、3−クロロ無水フタル酸を含有する
が4,5−ジクロロ無水フタル酸は本質的に含有しない
生成物として、供給管路2dを介して他のカラムに供給
され残留する3−クロロ無水フタル酸はそこで慣用の方
法で連続的又は回分的に実質的に定量的に回収できる。
【0035】以下の実施例は、さらに本発明を説明す
る。無水フタル酸の塩素化反応は、無水フタル酸が実施
例に示される転換のなされるまで、触媒としてFeCl
3を使用し、溶剤を使用しない融解状態で実施した。こ
れらの反応において、驚くべきことに、各々の場合にい
おいて、4−クロロ無水フタル酸よりもやや多めの3−
クロロ無水フタル酸が形成された。
【0036】
【実施例】
例 1 無水フタル酸57重量%、4−クロロ無水フタル酸1
8.30重量%、3−クロロ無水フタル酸20.50重
量%、4,5−ジクロロ無水フタル酸0.90重量%、
3,6−ジクロロ無水フタル酸1.70重量%及び高沸
点生成物1.60重量%から成る無水フタル酸の塩素化
反応の粗製留出物から、4,5−ジクロロ無水フタル酸
0.1重量%の残留含量を有する3−クロロ無水フタル
酸が得られる。粗製留出物は2000kg/時の投入速
度で第15段の高さでカラム1aに供給される。カラム
1aの管路7aを通じて除去される留出物は、24の還
流比[還流/頂部で排出される物質]において無水フタ
ル酸99.50重量%と4−クロロ無水フタル酸0.5
0重量%を含有している。還流比466で管路7bを介
してカラム1bから留出物が除去され、これは無水フタ
ル酸0.50重量%及び4−クロロ無水フタル酸99.
50重量%及び3−クロロ無水フタル酸10ppmから
構成される。カラム1bの残留物は、これは494.0
0kg/時の投入速度で供給管路2cを介してカラム1
cに供給されるが、4−クロロ無水フタル酸30pp
m、3−クロロ無水フタル酸83重量%、4,5−ジク
ロロ無水フタル酸3.60重量%、3,6−ジクロロ無
水フタル酸6.90重量%及び高沸点生成物6.50重
量%から構成される。150の還流比において、1時間
当り29.80kgで4−クロロ無水フタル酸496p
pm、3−クロロ無水フタル酸41.00重量%及び
4,5−ジクロロ無水フタル酸59.00重量%から構
成される混合物が、カラム1cから取り出される。カラ
ム1cの残留物において、さらに4,5−ジクロロ無水
フタル酸0.10重量%、3−クロロ無水フタル酸8
5.70重量%、3,6−ジクロロ無水フタル酸7.3
0重量%及び高沸点生成物6.90重量%が見い出され
る。3−クロロ無水フタル酸(この場合、これは僅かに
0.1重量%の4,5−ジクロロ無水フタル酸を含有す
るものである)の回収は、次のカラムにおいて実質的に
定量的に実施される。
【0037】この実施例は、経済的に興味のある無水フ
タル酸の塩素化速度においてさえも、極めて純粋な3−
クロロ無水フタル酸が得られることを証明している。
【0038】例 2 3−クロロ無水フタル酸中で0.2重量%の残留含量の
4,5−ジクロロ無水フタル酸が得られ、このためカラ
ム1cのカラム頂部において115の還流比が選択され
たことを除き、例1における粗留出物が同様に処理され
た。本例において29.20kg/時でカラム1cの頂
部から取り出された混合物は、4−クロロ無水フタル酸
508ppm、3−クロロ無水フタル酸41重量%及び
4,5−ジクロロ無水フタル酸59重量%から構成され
ていた。カラム1cの残留物は、3−クロロ無水フタル
酸85.60重量%、4,5−ジクロロ無水フタル酸
0.20重量%、3,6−ジクロロ無水フタル酸7.3
0重量%及び高沸点生成物6.90重量%から構成され
ていた。次に、これから3−クロロ無水フタル酸が実質
的に定量的に回収され、前記した残留物中には残留含量
の4,5−ジクロロ無水フタル酸が含まれていた。
【0039】本例から、得られる3−クロロ無水フタル
酸の純度はカラム1cの頂部における還流比によりコン
トロールできることが確認できる。
【0040】例 3 無水フタル酸78.50重量%、4−クロロ無水フタル
酸9.20重量%、3−クロロ無水フタル酸11.40
重量%、4,5−ジクロロ無水フタル酸0.28重量
%、3,6−ジクロロ無水フタル酸0.41重量%及び
高沸点生成物0.21%から構成される無水フタル酸の
塩素化反応の粗留出物から、0.1重量%の残留量の
4,5−ジクロロ無水フタル酸を有する3−クロロ無水
フタル酸が得られる。粗留出物はカラム1aにより20
00kg/時の投入速度で第15段の高さで供給され
た。カラム1aの管路7aを介して取り出される留出物
は還流比17において無水フタル酸99.50重量%及
び4−クロロ無水フタル酸0.50重量%を含有する。
管路7bを介してカラム1bから、312の還流比で留
出物が取り出され、これは、無水フタル酸0.50重量
%及び4−クロロ無水フタル酸99.50重量%並びに
3−クロロ無水フタル酸10ppmを含有していた。カ
ラム1bの残留物、これは246.00kg/時の投入
速度で供給管路2cを介してカラム1cに供給される
が、これは4−クロロ無水フタル酸30ppm、3−ク
ロロ無水フタル酸92.70重量%、4,5−ジクロロ
無水フタル酸2.30重量%、3,6−ジクロロ無水フ
タル酸3.30重量%及び高沸点生成物1.70重量%
から構成される。247の還流比において、4−クロロ
無水フタル酸805ppm、3−クロロ無水フタル酸4
1.30重量%及び4,5−ジクロロ無水フタル酸5
8.70重量%から成る混合物が9.20kg/時でカ
ラム1cから取り出された。カラム1cの残留物におい
て、さらに4,5−ジクロロ無水フタル酸0.10重量
%、3−クロロ無水フタル酸94.70重量%、3,6
−ジクロロ無水フタル酸3.40重量%及び高沸点生成
物1.80重量%が見い出される。3−クロロ無水フタ
ル酸、これは僅か4,5−ジクロロ無水フタル酸0.1
重量%を含有するのもであるが、これが他のカラムにお
いて実質的に定量的に回収される。
【0041】この実施例は、粗製留出物が単に少量の
4,5−ジクロロ無水フタル酸を含有する場合には、3
−クロロ無水フタル酸及び4,5−ジクロロ無水フタル
酸の両方を含有する中間分画物は少量に維持することが
でき、そして、この場合に、同純度の3−クロロ無水フ
タル酸を付加的に得るために一層低い還流比で十分であ
ることが確認される。
【0042】例 4 3−クロロ無水フタル酸中の0.2重量%の残留含量の
4,5−ジクロロ無水フタル酸が得られ、このためカラ
ム1cのカラム頂部において150という還流比が選択
されたことを除き、例3におけるような粗製留出物が本
例において同様に処理された。本例において、8.80
kg/時でカラム1cのカラム頂部において取り出され
た混合物は、4−クロロ無水フタル酸837ppm、3
−クロロ無水フタル酸40.91重量%及び4,5−ジ
クロロ無水フタル酸59.09重量%から構成されてい
た。残留物は、3−クロロ無水フタル酸94.60重量
%、4,5−ジクロロ無水フタル酸0.20重量%、
3,6−ジクロロ無水フタル酸3.40重量%及び高沸
点生成物1.80重量%から構成されていた。これか
ら、0.20重量%の残留含量の4,5−ジクロロ無水
フタル酸を有する3−クロロ無水フタル酸が実質的に定
量的に回収された。本例は、得られた3−クロロ無水フ
タル酸の純度は、カラム1cの頂部における還流比によ
り専らコントロールしうることを確認するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を連続的に実施する装置を示す系統
図。
【符号の説明】
1a,1b,1c 蒸留カラム 2a,2b,2c,2d 供給管路 4a,4b,4c 管路 5a,5b,5c 冷却器 6a,6b,6c 管路 7a,7b,7c 管路 8a,8b,8c ポンプ 9a,9b,9c 管路 10a,10b,10c ポンプ 11a,11b,11c 管路 12a,12b,12c 蒸発器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エルヴィン ブルナー ドイツ連邦共和国 ヴァインハイム ヴァ インハイマーシュトラーセ 50 (72)発明者 エックハルト ブラント ドイツ連邦共和国 シファーシュタット ダンシュタッター シュトラーセ 2アー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−クロロ無水フタル酸に加えて4,5
    −ジクロロ無水フタル酸を含有する出発物質から本質的
    に純粋な3−クロロ無水フタル酸を製造する方法におい
    て、最初に蒸留工程(a)で3−クロロ無水フタル酸及
    び4,5−ジクロロ無水フタル酸を分離するために出発
    混合物から3−クロロ無水フタル酸と4,5−ジクロロ
    無水フタル酸との混合物を留去し、その結果得られた残
    留物は本質的に4,5−ジクロロ無水フタル酸を含有し
    ないものであり、次に、得られた残留物の蒸留により、
    蒸留工程(b)で3−クロロ無水フタル酸を回収するこ
    とを特徴とする、本質的に純粋な3−クロロ無水フタル
    酸の製造法。
JP8000010A 1995-01-02 1996-01-04 本質的に純粋な3−クロロ無水フタル酸の製造法 Withdrawn JPH08231531A (ja)

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