JPH08231324A - 抗菌性組成物およびその配合物 - Google Patents

抗菌性組成物およびその配合物

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JPH08231324A
JPH08231324A JP6494095A JP6494095A JPH08231324A JP H08231324 A JPH08231324 A JP H08231324A JP 6494095 A JP6494095 A JP 6494095A JP 6494095 A JP6494095 A JP 6494095A JP H08231324 A JPH08231324 A JP H08231324A
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pyrophosphate
antibacterial
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heat
silver
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JP6494095A
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Eiji Fujiwara
栄治 藤原
Mitsutomo Tsubakata
充朝 津波方
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱による変質や、光による変色がなく、持続
性に優れた無機系抗菌性組成物、およびこれを用いた抗
菌剤を提供する。 【構成】 酸性度が0.5〜5ミリ当量/gであるピロ
リン酸チタニウム、ピロリン酸ジルコニウム、ピロリン
酸セリウムの一種以上に、銀、銅、コバルト、ニッケ
ル、ジルコニウム、スズ、マンガン、亜鉛などの抗菌作
用を有する金属を0.1〜20重量%担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた特性を有する抗
菌性組成物、およびこれを含む配合物に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌性を示す金属あるいは金属イオンと
して、銀、銅、亜鉛、鉛、ニッケルなどが古くから知ら
れており、たとえば硝酸銀の水溶液は、液体であること
から保存や使用方法などに多くの制約があって用途が限
定されるものの、消毒剤として従来から広く用いられて
いる。
【0003】これに対し、上記のような抗菌性を有する
金属などの無機物質を、耐熱性に富むゼオライト、ガラ
ス、モンモリロナイト、リン酸カルシウム、リン酸ジル
コニウムなどの無機物に担持させた無機系抗菌剤が種々
開発され、樹脂、繊維、セラミックス、フィルム、紙、
塗料などに添加され、使用されている(特開昭59−3
7956号公報など)。そして、これら無機系抗菌剤の
改良法も、多数提案されている。たとえば、特開昭63
−265809号公報では、殺菌性ゼオライト組成物の
変色を防止するため、殺菌性イオンの一部をアンモニウ
ムイオンで置換している。また、特開平1−16472
2号公報では、耐候(光)性を上げるために紫外線吸収
剤を含有させる手法が提案されている。
【0004】他方、無機系抗菌性組成物のうち、リン酸
塩系担体を使用したものとして、特開平2−96508
号公報では、銀、銅などの抗菌性イオンでイオン交換し
た難溶性または縮合リン酸塩系の無機系抗菌剤が提案さ
れている。また、特開平3−83906号公報では、イ
オン交換能を有するオルトリン酸塩に抗菌性イオンを担
持させる際に、抗菌性イオンの溶出を制御するため、ア
ルカリイオンやアンモニウムイオンなどを併用する手法
が提案されている。さらに、特開平4−243908号
公報では、イオン交換能を有する層状リン酸塩に抗菌性
イオンをイオン交換する際に、イオンのアンミン錯体を
使用すると経時的な変色などを防止できるとされてい
る。特開平5−229911号公報では、オルトリン酸
アルミニウムおよび縮合リン酸アルミニウムを担体とす
る抗菌剤の記述があり、金属イオンの溶出が少なく、長
期間変色が起こらない旨の記述がある。特開平5−29
4808号公報では、難溶性オルトリン酸塩が固体酸性
が高いため高濃度に銀を担持できると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機系
抗菌性組成物には、熱や光などによる変色、樹脂への分
散性など、いまだ欠点を有していることが多く、改良の
試みがなされてはいるものの、完全に問題点が解決され
ているとはいえない。たとえば、本来、銀などの金属あ
るいは金属イオンが抗菌効果を発揮するためには、系中
に極微量に溶出することが必要で、溶出量が多すぎると
変色などの問題が生じ好ましくない、といわれている。
つまり、現状における無機系抗菌剤は、抗菌性能と変色
などの問題点とのバランスという総合品質で評価されて
おり、両者を十分に満足するものは得られていないのが
実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗菌性能が優
れており、しかも、熱や光に対する安定性、樹脂などへ
の分散性を著しく向上させた無機系抗菌剤を提供するこ
とを目的とする。本発明者らは、上述した課題を解決す
るため、鋭意研究した結果、担体となる無機系素材の重
要性に注目し、特定の縮合リン酸系化合物(ピロリン酸
塩)を使用し、そこに抗菌性を有する金属を担持させた
ものが、熱安定性および光安定性に著しい改良効果を有
することを突き止め、本発明に至った。すなわち本発明
は、熱による変質や、光による変色がない無機系抗菌性
組成物、およびそれを各種合成樹脂、繊維、塗料、フィ
ルム、紙、接着剤、シーラーなどに添加した配合物であ
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
抗菌性組成物に用いる無機担体としては、ピロリン酸塩
を用いる。ピロリン酸塩は通常、Mx (P2 7
y 〔M:金属元素、x,yは金属の価数によって異な
る〕などと表され、たとえば、次のような化合物が知ら
れている。ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛、
ピロリン酸カドミウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリ
ン酸銀、ピロリン酸スズ、ピロリン酸セリウム、ピロリ
ン酸鉛、ピロリン酸マンガン、ピロリン酸銅、ピロリン
酸白金、ピロリン酸チタニウム、ピロリン酸鉄、ピロリ
ン酸ニッケル、ピロリン酸バリウム、ピロリン酸マグネ
シウムなど。
【0008】これらピロリン酸塩は、一般にリン酸と各
種金属酸化物との反応物を、高温で処理することにより
得られることが知られている。また、ピロリン酸塩を得
る別の方法として、M(HPO4 2 ・xH2 O〔M:
金属元素〕の形で表される結晶性層状リン酸塩を、30
0℃以上で熱処理することにより得ることもできる。結
晶性層状リン酸塩の合成方法に関しては、特に限定され
るものではないが、特願平1−286684号で示され
ている合成法によれば、非常に容易に目的物を得ること
ができる。
【0009】本発明で使用するピロリン酸塩は、上記方
法や他のいずれの方法で得られたものを用いてもよい
が、抗菌性を有する金属を担持させる際の反応性の観点
から、その酸性度が0.5〜5ミリ当量/gの範囲のも
のが好ましく使用できる。酸性度が0.5以下の場合、
抗菌性を有する金属の担持量が少なすぎるため、耐変色
性などは優れるものの、抗菌性が低くなってしまい、抗
菌剤としての役割を成さない。また、酸性度が5以上に
なると、抗菌性を有する金属の担持量が多くなってしま
うので、制御が困難となり、そのため、耐熱性、耐光性
などの特性が著しく低下する。
【0010】また、特に粉体あるいは顔料で用いる際に
ピロリン酸塩の特性を活かせるという観点から、本発明
で使用するピロリン酸塩としては、4価金属塩であるピ
ロリン酸チタニウム、ピロリン酸セリウムおよびピロリ
ン酸ジルコニウムがより好ましい。これらのピロリン酸
塩は、結晶水を持たず、吸湿性もなく、通常、1000
℃程度まで熱的に安定であるため、プラスチックスや樹
脂素材などへの高温練り込みが可能であり、さらにセラ
ミックス素材などへも添加使用できる。
【0011】抗菌性を有する金属あるいは金属イオンの
種類としては、銀、銅、亜鉛、鉛、水銀、コバルト、ニ
ッケル、マンガン、アンチモン、ビスマス、バリウム、
クロム、カドミウム、スズなどからなる群から選ばれた
一種以上が使用でき、併用も可能であるが、特に銀、
銅、亜鉛、ジルコニウム、スズ、マンガン、コバルト、
およびニッケルが好ましい。
【0012】担持させる抗菌性金属の量は、抗菌効果の
点から、通常、抗菌性組成物の全体量に対し、0.1〜
20重量%の範囲内であればよい。添加量が多いと抗菌
効果も増すが、熱、光などに対する安定性の面をも考慮
すると、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲であ
る。
【0013】これら抗菌性を有する金属あるいは金属イ
オンとしての原料化合物については、硝酸塩、硫酸塩、
塩化物など、水溶性の高い原料が通常使用されるが、使
用元素の種類により、酸化物、水酸化物、炭酸塩なども
使用することができる。
【0014】抗菌性を有する金属の担持方法としては、
イオン交換、湿式処理など種々の方法が可能である。た
とえば、リン酸と酸化チタンとから合成したピロリン酸
チタニウムと、硝酸銀とを水溶液中で加熱撹拌すること
により、銀イオンがピロリン酸チタニウムに担持され
る。抗菌性を有する金属を担持したピロリン酸塩は、さ
らに300〜800℃で熱処理すると、耐熱性や耐光性
がより優れた抗菌性組成物が得られる。
【0015】本発明の抗菌性組成物は、担持させた抗菌
性金属が、対象とする菌体やかび類などに対して有効に
働く用途であれば、抗菌剤として使用できる。また、本
発明品はアンモニアや硫化水素などの悪臭ガスに対する
吸着性をも有しているので、脱臭剤としての役割を担う
こともできる。具体的用途としてはたとえば、医療用衣
類、寝具、カーペット、カーテン、調理用まないた、壁
紙、防かび塗料、防汚塗料、接着剤、コーキングおよび
シーラー類、ペット砂などが挙げられる。また、本発明
の抗菌性組成物は、通常、粉体状の形態として得られ、
隠蔽性を有する着色(白色)顔料としての特性を有して
いるので、各種プラスチックスや樹脂類、繊維などへの
熱時混練も、塗料、接着剤、シーラーなどへの機械的分
散も、容易に行える。特に、低温で揮発したり蒸発した
りする結晶水や有機成分を全く含んでいないため、分散
性が良く、ポリマーなどへの混練が容易である。しか
も、分散性を向上させる目的で、表面処理を行うことも
できる。
【0016】
【作用】本発明の抗菌性組成物が、どのような作用機構
によって、優れた耐熱性、耐光性などを示すのかについ
ては、詳細は不明であるが、次のような作用が関与して
いるものと考えられる。本発明で使用するピロリン酸系
化合物は、前述の通り、通常M(P2 7 )と表され、
それ自身は熱的に非常に安定な化合物である。しかし、
縮合リン酸塩の特性の一つとして、水に極微量溶解する
こと、および、固体表面に酸性度を示す表面水素基が存
在しているため、各種金属イオンあるいは金属化合物と
の反応性を有している、と考えられる。
【0017】たとえば、ピロリン酸チタニウムの場合で
は、その表面酸性度は、おおよそ0.8〜4ミリ当量/
gの値を有している。つまり、ピロリン酸チタニウム
と、たとえば硝酸銀などの銀化合物とを水スラリー状態
で反応させると、担体であるピロリン酸チタニウム表面
に銀イオンが固定され、その後のろ別・乾燥の過程によ
り、銀イオンが安定にピロリン酸チタニウム表面に担持
する、と考えられる。このようにして得られる銀担持ピ
ロリン酸チタニウム組成物は、菌体やカビ類が繁殖する
環境因子の一つである水分(湿度)の程度により、それ
に見あった量のピロリン酸チタニウム担体の加水分解が
起こり、それにつれて担持されている銀イオンが必要量
だけ放出されるものと考えられる。その結果、長期にわ
たって、微量の銀イオンを徐放しつつ、抗菌性を示すと
ともに、不必要な溶解が生じないため、熱変化や変色な
どの問題も起こらないと推定される。
【0018】
【発明の効果】本発明のピロリン酸塩系抗菌性組成物
は、従来技術によるリン酸塩系抗菌性組成物と比べ、以
下のような点が著しく改善されている。 1.耐熱性および耐光(候)性が良い。 トリポリリン酸塩やオルトリン酸塩などは、通常、結晶
水を有しており、加熱により脱水反応を起こし、樹脂な
どへの加熱混練時に、発泡などが生ずる。本発明の抗菌
性組成物の担体であるピロリン酸塩は、通常1000℃
程度まで安定なので、熱安定性が優れており、抗菌剤と
した場合も、従来品に比べて変色や劣化が少ない。 2.吸湿性がなく、長期にわたり安定である。 ピロリン酸塩は、熱的に安定であるばかりでなく、吸湿
性もない。そのため、樹脂などへの混練、あるいは焼付
け塗料への使用の際問題となる水分による発泡は起こら
ない。さらに、本発明品を使用した繊維、紙、塗料など
の製品でも、吸湿による弊害は生じない。 3.水に対する溶解性が小さく、耐久性が高い。 従来のリン酸系素材を用いた場合、通常アルカリに対し
ては大きな溶解性を示す。これに対し、本発明の抗菌性
組成物は、担体がピロリン酸塩であるので、アルカリに
も比較的安定である。そのため、たとえば衣類や病院用
シーツなどの頻繁に洗濯が行われる繊維製品に本発明品
を使用しても、不必要な溶出が起こらず、抗菌効果の持
続性や耐久性に優れる。また、抗菌性金属の過剰な溶出
による、他の素材への汚染や変色も生じない。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。
【0020】合成例1(ピロリン酸チタニウムの調製−
1) ルチル型酸化チタン20.0gに85%リン酸86.5
gを混合し、約200℃で予備加熱した後、電気炉中で
700℃で12時間焼成した。生成物は、粉末X線回折
法によりピロリン酸チタニウム〔TiP2 7 〕である
ことを確認した。また、その酸性度は、1.8ミリ当量
/gであった。
【0021】なお、上記ピロリン酸チタニウムの酸性度
は、以下の方法により測定した。以降の合成例における
酸性度の測定も同様である。得られた合成物の約0.5
gをサンプルとして採取し、100mlビーカー中に入
れて精秤し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液を30m
l加えてから、純水で約50mlとし、約2時間攪拌す
る。その後、0.1Nの塩酸溶液で滴定し、次式により
算出した。 但し、 W:サンプル重量(精秤値)(g) V:0.1N塩酸溶液の滴定量(ml) fKOH :水酸化カリウム水溶液のファクター fHCl :塩酸溶液のファクター
【0022】合成例2(ピロリン酸チタニウムの調製−
2) 含水酸化チタン(〔TiO2 ・nH2 O〕、TiO2
算で70重量%含有)11.6gと、85%リン酸3
4.6gとを、磁製ルツボ中でよく撹拌混合した後、得
られた混合物を110℃の電気炉に入れ、そこに110
℃に加熱した水蒸気を吹込みながら5時間反応させた。
得られた生成物は、水洗乾燥後、粉末X線回折法により
結晶性層状リン酸チタニウム〔Ti(HPO42 ・H
2 O〕であることを確認した。上記結晶性層状リン酸チ
タニウムを、電気炉中でさらに500℃で5時間焼成し
た。得られた生成物は、合成例1と同様、粉末X線回折
法によりピロリン酸チタニウム〔TiP2 7 〕である
ことを確認した。また、その酸性度は、3.5ミリ当量
/gであった。
【0023】合成例3(ピロリン酸ジルコニウムの調
製) 水酸化ジルコニウム(ZrO2 換算で80重量%含有)
15.4gと、85%リン酸34.6gを混合し、合成
例1と同様の条件で焼成した。得られた生成物は、粉末
X線回折法によりピロリン酸ジルコニウム〔ZrP2
7 〕であることを確認した。また、その酸性度は、1.
5ミリ当量/gであった。
【0024】合成例4(ピロリン酸セリウムの調製) 水酸化セリウム(CeO2 換算で73重量%含有)2
3.5gと、85%リン酸34.6gを混合し、合成例
1と同様の条件で焼成した。生成物は、粉末X線回折法
によりピロリン酸セリウム〔CeP2 7 〕であること
を確認した。また、その酸性度は、0.8ミリ当量/g
であった。
【0025】実施例1〜6(抗菌性組成物の調製) 各合成例により得られた各種ピロリン酸塩を用い、以下
の方法で抗菌性組成物を調製した。種々の抗菌性を有す
る金属の硝酸水溶液に、合成例で得られた各種ピロリン
酸塩を添加し、90℃にて5時間撹拌混合した。その
後、ろ過、水洗した後、300〜800℃で5時間熱処
理し、本発明の抗菌性組成物を得た。金属の種類、担持
量および熱処理温度は、表1に示す通りである。
【0026】実施例7(熱処理を行わないピロリン酸塩
系サンプルの調製) 合成例1で得られたピロリン酸チタニウムを用い、上記
実施例の場合と同様に銀を担持させた後、熱処理をせず
サンプルを調製した。銀の担持量は2.5%であった。
【0027】比較例1(オルトリン酸水素チタニウム系
サンプルの調製) 合成例2と同様に操作して得られた結晶性層状リン酸水
素チタニウム〔Ti(HPO42 ・H2 O〕を、焼成
を行わずにそのまま銀を2.5%担持させてサンプルを
調製した。
【0028】比較例2(トリポリリン酸アルミニウム系
サンプルの調製) トリポリリン酸二水素アルミニウム(テイカ社製 K−
100P)へ、硝酸銀水溶液を使用し、上記比較例1の
場合と同様に熱処理をせず銀を2.5%担持させたサン
プルを調製した。
【0029】比較例3(オルトリン酸アルミニウム系サ
ンプルの調製) 85%リン酸と水酸化アルミニウムから、AlPO4
示されるオルトリン酸アルミニウムを合成し、これに硝
酸銀水溶液を使用して上記比較例1の場合と同様に熱処
理をせず銀を2.5%担持させたサンプルを調製した。
各実施例の調製条件をまとめたものを表1に、各比較例
のそれを表2にそれぞれ示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】試験例1(抗菌性試験と変色性試験) 抗菌性試験(最少発育阻止濃度の測定) 実施例1〜7および比較例1〜3の各サンプルを任意濃
度に添加した寒天平板培地に、大腸菌もしくは黄色ブド
ウ球菌の菌液を塗抹し、培養する。菌の発育が阻止され
る最低濃度を測定し、その値を最少発育阻止濃度(MI
C)とした。試験に使用した菌株は、大腸菌(Escheric
hia coli IFO 12734)および黄色ブドウ球菌(Staphylo
coccus aureus IFO 12732)で、培地は、Mueller Hilt
on Broth (Difco)である。培養条件は、35℃で18〜
20時間である。結果を表3に示す。なお、最少発育阻
止濃度(MIC)値は、数値が小さいほど抗菌性が強い
ことを示している。
【0033】変色性試験(熱変色および光変色試験) 小型エクストルーダー(Mixing Extruder CS194A CSI社
製)により、低密度ポリエチレン100部とサンプル5
部とを200℃にて各々混練し、幅1cm、長さ5c
m,厚み2mmのプレートサンプルを製作し、変色性を
目視にて判定した。さらに、本プレートサンプルを5日
間日光に暴露し、耐光性を評価した。結果を表3に示
す。なお、判定はいずれも次の4段階で評価した。 ◎:全く変化なし ○:殆ど変化なし △:少し変化あり ×:変化あり
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、たとえば抗菌性
金属として銀を選んだ場合、担体としてピロリン酸塩を
用いた本発明の抗菌性組成物は、他のリン酸塩を用いた
サンプルに比べて、特に黄色ブドウ球菌に対する抗菌力
に優れている。また、銀以外の抗菌性金属を用いても効
果を有することも明らかである。さらに表3の変色性試
験の結果から明らかなように、本発明の抗菌性組成物
は、いずれの試験においても変色が認められなかった
が、他のリン酸塩を用いたサンプルには変色が生じてし
まっており、気泡が生じているものもあった。
【0036】試験例2(悪臭ガス吸着試験) 実施例1〜7および比較例1〜3の各サンプル0.5g
を、3リットルのにおい袋に入れ、1000ppm濃度
のアンモニアガスおよび硫化水素ガスを導入し、24時
間放置後の内部残存濃度を測定した。結果を表4に示
す。表4から明らかなように、本発明の抗菌性組成物
は、アンモニアガスや硫化水素ガスに対して吸着性を有
している。
【0037】試験例3(吸湿性の評価) 実施例1〜7および比較例1〜3の各々をサンプルとし
て約5g採取、精秤し、熱風乾燥機中で105℃で2時
間乾燥させ、各サンプルの重量減少率を測定した。その
後、空気中に放置し、7日目の重量増加率を測定した。
結果を表4に示す。表4から明らかなように、本発明の
抗菌性組成物は、重量減少率・重量増加率共に非常に小
さい値を示し、使用時に吸湿による弊害を生じることが
ない。
【0038】試験例4(水に対する溶解性の評価) 実施例1〜7および比較例1〜3の各々をサンプルと
し、JIS K−5101の水溶分測定法に従い、水へ
の溶解度を測定した。結果を表4に示す。表4から明ら
かなように、本発明の抗菌性組成物は、水に対する溶解
度が小さく、耐水性に優れている。
【0039】
【表4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピロリン酸塩に抗菌作用を有する金属を
    担持させた抗菌性組成物
  2. 【請求項2】 ピロリン酸塩の種類が、チタン、ジルコ
    ニウム、セリウムからなる群から選ばれた一種以上の金
    属塩からなり、かつ、ピロリン酸塩の酸性度が0.5〜
    5ミリ当量/gである特許請求の範囲第1項記載の抗菌
    性組成物
  3. 【請求項3】 抗菌作用を有する金属が、銀、銅、コバ
    ルト、ニッケル、ジルコニウム、スズ、マンガンおよび
    亜鉛からなる群から選ばれた一種以上であり、その担持
    量が、抗菌性組成物の全体量に対して、重量比で0.1
    〜20%である特許請求の範囲第2項記載の抗菌性組成
  4. 【請求項4】 300〜800℃で熱処理した特許請求
    の範囲第3項記載の抗菌性組成物
  5. 【請求項5】 特許請求の範囲第1項〜第4項記載の抗
    菌性組成物を含む配合物
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000198709A (ja) * 1998-11-06 2000-07-18 Kobe Steel Ltd 抗菌部材
CN1086109C (zh) * 1999-08-12 2002-06-12 中国建筑材料科学研究院 稀土激活产生负离子的空气净化和抗菌功能材料及其制造方法
JP2017043559A (ja) * 2015-08-27 2017-03-02 住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社 抗菌剤組成物

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