JPH0823086B2 - 熱接着性複合繊維 - Google Patents

熱接着性複合繊維

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JPH0823086B2
JPH0823086B2 JP1065262A JP6526289A JPH0823086B2 JP H0823086 B2 JPH0823086 B2 JP H0823086B2 JP 1065262 A JP1065262 A JP 1065262A JP 6526289 A JP6526289 A JP 6526289A JP H0823086 B2 JPH0823086 B2 JP H0823086B2
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polyethylene
ldpe
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density polyethylene
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真 飯島
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱接着法による不織布の原料として好適に
用いられる熱接着性複合繊維に関する。更に詳しくは、
比較的低温の熱処理により柔軟な風合いと充分な強度を
有する不織布が得られる熱接着性複合繊維に関する。
〔従来の技術とその欠点〕 融点の異る2成分から成る複合繊維のウエツブを熱処
理して、その低融点成分の融着により繊維接点を固定化
する不織布の製造方法が多用されている。このような熱
融着法に用いる複合繊維(熱接着性複合繊維)の例とし
て結晶性ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)/PE、PET/共重合PE
T等の組合せのものが知られている。ポリエチレンとし
ては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等の
使用が考えられる。LDPE、L−LDPEは融点が低く、か
つ、得られる不織布の風合が柔軟であるという長所を有
するが、いずれも不織布の強度が低く、またカード機通
過性が悪い。またLDPE、L−LDPEはいずれも可紡性(曳
糸性)が悪く、並列型複合繊維に用いた場合には、相手
成分と剥離しやすく、いずれも実用に耐えない。
一方、HDPEは良好な曳糸性、カード機通過性を有して
いるが、融点が130〜137℃と高く、不織布化のための熱
処理コストが高く、また不織布の風合いが硬いという欠
点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来の技術の上記欠点を解消し、柔軟な風
合と充分な強力を有する不織布を、低い熱処理温度で得
ることのできるような熱接着性複合繊維を提供すること
を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究の結
果、熱接着性複合繊維の高融点成分としてポリエステル
また結晶化ポリプロピレンを用い、低融点成分として、
密度が0.95g/cm3以上で、分子鎖中にメチル分岐を3.5個
/1000C以上含有する高密度ポリエチレンを用い、この低
融点成分が、繊維表面の少なくとも一部を、長さ方向に
連続して構成するように両成分を鞘芯型または並列型に
複合紡糸することにより、所期の複合繊維が得られるこ
とを知り、本発明を完成するに致つた。
本発明で用いるポリエステルは繊維原料として一般に
用いられる熱可塑性ポリエステルであり、ポリエチレン
テレフタレートの他、ポリエチレン(テレフタレート・
イソフタレート)のような、共重合体であつても良く、
融点250〜260℃、固有粘度0.5〜1.2(フエノール/テト
ラクロロエタン中30℃)のものが好ましく用いられる。
本発明で用いる結晶性ポリプロピレンとは、プロピレ
ンの単独重合体、およびプロピレンを主成分とし、これ
とエチレン、ブテン−1等のαオレフインとの共重合体
であつて、メルトフローレート(MFR)が5〜40(230
℃、2.16kgf、ASTM D−1238)のものが好ましく用いら
れる。
本発明で用いる高密度ポリエチレンは、チグラー触
媒、酸化クロム系触媒あるいは酸化モリブデン系触媒を
用いて製造されるポリエチレンであつて、密度が0.95g/
cm3以上、分子鎖中の炭素原子1000個当りメチル分岐が
3.5個(3.5個/1000Cと表記)以上のものであり、メルト
フローレートが8〜28(190℃、2.16kgf、ASTM D−123
8)のものが好ましく用いられる。ここでメチル分岐と
は、ポリエチレン主鎖より、直接分岐したメチル基を指
し、エチル分岐の末端メチル基のような主鎖に直結して
いないメチル基は含まない。このようなメチル基は、質
量数13の炭素原子の核磁気共鳴スペクトルにより定量す
ることができる。
上記ポリエステルまたはポリプロピレンとポリエチレ
ンは並列型にもしくはポリエチレンを鞘とする鞘芯型に
複合紡糸する。両成分の複合比は、90/10〜10/90、好ま
しくは70/30〜30/70の範囲のものが使用できる。その他
の紡糸、延伸条件は通常のポリエチレン/ポリエステル
あるいはポリエチレン/ポリプロピレンの組合せからな
る複合繊維の条件で良い。
〔実施例〕
実施例および比較例によつて本発明を更に具体的に説
明する。なお、各例で用いられた物性評価方法は以下の
とおりである。
可紡性:30分間連続紡糸し、単糸切れの発生回数が0回
のものを良、1〜5回のものを可、6回以上のものを不
可と表示した。
カーデイング性:カツト長51mmのスフを連続して30分間
カード機に通し、全く問題が生じないものを良、ウエブ
が切れたりたるんだりするものを不可と表示した。
引張強さ:試料より横方向に幅5cm長さ20cmの試験片を
それぞれ5枚採取し、JIS L 1018(メリヤス生地の引張
試験方法)に準じ、つかみ間隔10cm、引張速度30cin/mm
で切断強さを測定し、平均値を示した(単位:kg/5c
m)。
風合い:10人のモニターが手で試料に触れて風合いを評
価し、良好と認めたものが8名以上のものを良、5〜7
名のものを可、4名以下のものを不可と表示した。
地合:10人のモニターが試料不織布について繊維の均質
性、表面の凹凸、目付斑等を観察し、良好と認めたもの
が8名以上のものを良、5〜7名のものを可、4名以下
のものを不可と表示した。
実施例1〜3、比較例1〜5 高融点成分として結晶性ポリプロピレン(MFR:12)を
用い押出温度300℃で、低融点成分として第1表に示し
た各種のポリエチレンを用い押出温度200℃で、それぞ
れ50g/minの押出量で、孔数100の鞘芯型複合紡糸口金よ
り押し出して、単糸繊度7.5d/fの未延伸糸を得た。この
未延伸糸を90℃で3.75倍に延伸し、捲縮をかけ、カツト
長51mmに切断してスフとした(但し、比較例5では80℃
で延伸した)。得られたスフをカード機に通し、目付30
g/m2のウエブとし、このウエブをサクシヨンドライヤー
を用いて133℃、135℃および138℃の3水準の温度でそ
れぞれ3分間熱処理して不織布とした。これらの複合繊
維および不織布の物性を第1表に併せ記載した。
なお、比較例4ではL−LDPEを、比較例5ではLDPEを
その他はHDPEを用いた。
実施例4、5、比較例6、7 高融点成分としてポリエステル(PET、固有粘度0.5
7)を用い、低融点成分として第1表に示した各種のポ
リエチレンを用い、実施例1と同様の条件で操作して、
不織布を作つた。これらの繊維および不織布の物性を第
1表に併せ記載した。
なお、比較例7はL−LDPEを用いた。
〔効果〕 第1表に示されたデータから以下のことが明らかにな
る。実施例1〜5の複合繊維では、133℃あるいは135℃
という比較的低い温度で強さ、風合共に優れた低目付不
織布を得ることができる。これに対し、メチル分岐の少
いHDPE(比較例1〜3)では、135℃では実用に耐える
強さ(0.7kg/5cm)を得ることができず、138℃と高温で
処理すれば風合が悪るくなるという欠点が生ずる。また
通常のLDPE(比較例5)あるいはL−LDPE(比較例4、
7)では可紡性やカーデイング性が劣るため地合が悪る
く、強さも不満足な不織布しか得られない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレンまたは熱可塑性ポリ
    エステルと高密度ポリエチレンとからなり、高密度ポリ
    エチレンが繊維表面の少くとも一部を繊維の長さ方向に
    連続して形成している並列型または鞘芯型の複合繊維で
    あつて、高密度ポリエチレンが密度0.95g/cm3以上でか
    つ分子鎖中にメチル分岐を3.5個/1000C以上含有するも
    のであることを特徴とする熱接着性複合繊維。
JP1065262A 1989-03-17 1989-03-17 熱接着性複合繊維 Expired - Fee Related JPH0823086B2 (ja)

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