JPH0822958A - 材料ガス供給方法および材料ガス供給装置 - Google Patents

材料ガス供給方法および材料ガス供給装置

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JPH0822958A
JPH0822958A JP15404694A JP15404694A JPH0822958A JP H0822958 A JPH0822958 A JP H0822958A JP 15404694 A JP15404694 A JP 15404694A JP 15404694 A JP15404694 A JP 15404694A JP H0822958 A JPH0822958 A JP H0822958A
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JP
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vaporizer
carrier gas
temperature
gas
pressure
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JP15404694A
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Junichi Nakamura
淳一 中村
Hiroshi Nakatsu
弘志 中津
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】気化装置内の有機金属材料の温度変化にかかわ
らず、所定量の材料ガスを安定的に供給する。 【構成】温度制御装置30により所定温度に制御された
気化装置10によって、有機金属材料13を、流入管1
1から気化装置10内に導入されるキャリアガス内に気
化させて、気化された材料ガスをキャリアガスとともに
流出管12から供給する。温度測定装置40によって気
化装置10の温度が測定されると、演算制御装置50
は、その温度に基づいて有機金属材料13の蒸気圧を演
算し、その蒸気圧に基づいて、材料ガスの供給量の変動
を補正するキャリアガスの流量を演算する。キャリアガ
ス流量制御装置20は、演算制御装置50の演算結果に
基づく出力信号によって、気化装置10内に導入される
キャリアガスの導入量を変更し、材料ガス供給量を目標
値にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子等の製造に
際して結晶成長に使用される気相成長装置に対して、水
銀や有機金属等の材料ガスをキャリアガスとともに供給
する材料ガス供給方法および材料ガス供給装置に関し、
さらに詳述すれば、有機金属の液体材料または固体材料
が収容されて所定温度に制御された気化装置にキャリア
ガスを導入して、キャリアガス中に材料ガスを気化させ
てキャリアガスとともに気相成長装置へ供給する材料ガ
ス供給方法および材料ガス供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子等の結晶成長に使用されるM
OCVD装置、VPE装置、プラズマCVD装置等の気
相成長装置には、材料ガス供給装置によって、有機金属
材料を気化させた材料ガスがキャリアガスとともに供給
されるようになっている。
【0003】このような材料ガス供給装置の一例を図9
に示す。この材料ガス供給装置は、液体または固体の有
機金属材料96が収容された気化装置91を有してい
る。気化装置91は、加熱ヒーター、恒温槽等を有する
温度制御装置94によって、所定の温度に制御されてい
る。この気化装置91内には、流入管92によってキャ
リアガスが導入されるようになっており、流入管92に
よって気化装置内に導入されたキャリアガス中に有機金
属材料96が気化される。有機金属材料96の気化によ
って得られる材料ガスは、流出管93によって、キャリ
アガスとともに気相成長装置に供給されるようになって
いる。
【0004】気化装置91の流入管92には、流入管9
2内を通流するキャリアガスの流量を制御するマスフロ
ーコントローラー95が介在されている。このマスフロ
ーコントローラー95は、例えば、流量センサーによっ
て流入管92内を通流するキャリアガス流量を捉えて、
制御回路からの制御信号によって制御バルブが制御さ
れ、流入管92内のキャリアガス流量が制御されるよう
になっており、流入管92内を、常時、所定量のキャリ
アガスが通流される。
【0005】流入管92から所定量のキャリアガスが気
化装置91内に流入すると、温度制御装置94によって
所定温度とされた気化装置91内に収容されている液体
または固体の有機金属材料96は、蒸気圧に達するまで
キャリアガス内に気化されて材料ガスを放出する。気化
装置91内の材料ガスは、流出管93を通って、キャリ
アガスとともに気相成長装置に供給される。
【0006】このように、流入管92から気化装置91
内に流入するキャリアガスの流入量を一定に制御するこ
とによって、気化装置91にて気化される材料ガス量を
一定にして、一定量の材料ガスを気相成長装置に供給す
るようになっている。
【0007】また、材料ガス供給装置では、気化装置9
1の流出管93に圧力制御装置を設けて、流出管93と
連通状態になった気化装置91の内部を所定の圧力に制
御することも行われている。このように、気化装置91
内の圧力を一定に制御することによっても、気化装置9
1内で気化される材料ガス量は一定に制御される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような材料ガス供
給装置では、気化装置91内に流入するキャリアガスの
流量が、マスフローコントローラー95によって、設定
された所定値になるように、常時、精密に制御されてお
り、また、気化装置91内の圧力も、圧力制御装置によ
って、設定された所定値になるように、常時、精密に制
御されている。これに対して、気化装置91は、加熱ヒ
ーター、恒温槽等を有する温度制御装置94によって、
設定された所定温度に保持されている。しかし、この温
度制御装置94は、マスフローコントローラー95や圧
力制御装置のように、気化装置91の温度を精密に制御
することができず、気化装置91の温度は、設定値を中
心として、上下に変動した状態になっている。
【0009】このために、気化装置91内に収容された
有機金属材料96の温度も、一定せずに変動している。
気化装置91内の有機金属材料96の温度が変化する
と、有機金属材料96の蒸気圧が変動し、有機金属材料
96からキャリアガス内に気化する材料ガスの量も変動
する。その結果、気化装置91からの材料ガスの供給量
が変動し、材料ガスを安定的に供給できないという問題
がある。
【0010】気化装置91から気相成長装置に供給され
る材料ガスは、半導体素子等の結晶成長に使用されてお
り、供給される材料ガス量が安定していないと、成長さ
れる結晶の品質が安定せず、結晶の組成が変動して格子
不整合率が大きくなったり、結晶の厚さも均一にならな
いおそれがある。その結果、多量の不良品が発生し、歩
留りが著しく低下するという問題がある。結晶成長によ
って半導体レーザー素子を製造する場合には、格子不整
合率が大きく変動すると、発振波長が大きく変動してし
まい、所定の発振波長が得られない半導体レーザー素子
が多量に製造される。
【0011】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、所定温度に制御される気化装置に
温度変化が生じても、有機金属材料等の材料ガスを安定
的に供給し得る材料ガス供給方法および材料ガス供給装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の材料ガス供給方
法は、液体材料あるいは固体材料が収容された気化装置
内にキャリアガスを導入して、このキャリアガス中に材
料ガスを気化させて、気化装置からキャリアガスととも
に材料ガスを供給する材料ガス供給方法であって、前記
気化装置に収容された液体材料または固体材料の温度に
基づいて、その材料の蒸気圧を求める工程と、求められ
た材料の蒸気圧に基づいて、気化装置から所定量の材料
ガスを供給するために必要な気化装置内へのキャリアガ
スの導入量を求める工程と、求められた導入量になるよ
うに気化装置内へ導入されるキャリアガス量を制御する
工程と、を包含することを特徴とするものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0013】また、本発明の材料ガス供給方法は、液体
材料あるいは固体材料が収容された気化装置内にキャリ
アガスを導入して、このキャリアガス中に材料ガスを気
化させて、気化装置からキャリアガスとともに材料ガス
を供給する材料ガス供給方法であって、前記気化装置に
収容された液体材料または固体材料の温度に基づいて、
その材料の蒸気圧を求める工程と、求められた材料の蒸
気圧に基づいて、気化装置から所定量の材料ガスを供給
するために必要な気化装置内の圧力を求める工程と、求
められた圧力になるように、気化装置内の圧力を制御す
る工程と、を包含することを特徴とするものであり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0014】本発明の材料ガス供給装置は、液体材料ま
たは固体材料が収容されており、流入するキャリアガス
によって液体材料または固定材料をキャリアガス中に気
化させてキャリアガスとともに材料ガスを流出させる気
化装置と、この気化装置を所定の温度に保持する温度制
御装置と、前記気化装置に流入するキャリアガスの流量
を制御するキャリアガス流量制御装置と、前記気化装置
の温度を測定する温度測定装置と、この温度測定装置の
測定温度に基づいて、前記気化装置から流出する材料ガ
スの目標値に対するキャリアガスの流入量を求めるとと
もに、その求められた流入量に対応した所定信号を前記
キャリアガス流量制御装置に出力する演算制御装置と、
を具備することを特徴とするものであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0015】また、本発明の材料ガス供給装置は、液体
材料または固体材料が収容されており、流入するキャリ
アガスによって液体材料または固定材料をキャリアガス
中に気化させてキャリアガスとともに材料ガスを流出さ
せる気化装置と、この気化装置を所定の温度に保持する
温度制御装置と、前記気化装置内の圧力を制御する圧力
制御装置と、前記気化装置の温度を測定する温度測定装
置と、この温度測定装置の測定温度に基づいて、前記気
化装置から流出する材料ガスの目標値に対する気化装置
内の圧力を求めるとともに、その求められた圧力に対応
した所定信号を前記圧力制御装置に出力する演算制御装
置と、を具備することを特徴とするものであり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0016】
【作用】本発明の材料ガス供給方法では、気化装置によ
って材料をキャリアガス内に気化させてキャリアガスと
ともに供給する際に、気化装置内の材料の温度変化によ
って材料の蒸気圧が変動すると、その蒸気圧の変動に基
づいて、気化装置内に導入されるキャリアガスの流量ま
たは気化装置内の圧力が変更されて、所定の材料ガス供
給量とされる。
【0017】本発明の材料ガス供給装置では、温度制御
装置によって所定温度に制御されている気化装置の温度
が温度測定装置によって測定されており、演算制御装置
は、気化装置の温度に基づいて、気化装置から供給され
る材料ガスの目標値となるキャリアガスの流入量または
気化装置内の圧力を演算して、その演算された流入量ま
たは圧力となるように、キャリアガス流量制御装置また
は圧力制御装置を制御する。そして、所定のキャリアガ
ス流入量または気化装置圧力になることによって、気化
装置は、温度の変化によって蒸気圧が変化しても、所定
量の材料ガスを供給することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】図1は本発明のガス供給装置の一例を示す
概略図である。このガス供給装置は、液体または固体の
有機金属材料13が収容された気化装置(バブラー)1
0を有している。この気化装置10は、キャリアガスが
流入する流入管11と、気化装置10にて気化された有
機金属材料13の材料ガスをキャリアガスとともに気相
成長装置の反応炉に送給する流出管12とを有してい
る。流入管11の下流側の端部は、気化装置10内に収
容された有機金属材料13の下部にまで達しており、流
出管12の上流側の端部は、気化装置10内の有機金属
材料13の上方に位置している。
【0020】気化装置10は、加熱ヒーター、恒温浴槽
等を有する温度制御装置30内に設置されている。温度
制御装置30は、気化装置10を所定の温度になるよう
に制御して、気化装置10内の有機金属材料13を所定
の温度にしている。
【0021】気化装置10の流入管11には、キャリア
ガス流量制御装置20が介在されている。キャリアガス
流量制御装置20は、例えば、流量制御弁の開度を変更
することによって、流入管11内を通流するキャリアガ
スの流量を制御するようになっている。
【0022】気化装置10には、温度制御装置30によ
って制御されている気化装置10の温度を測定する温度
測定装置40が設けられている。この温度測定装置40
は、熱電対、白金測温体、サーミスター等の温度センサ
ーを有しており、その温度センサーのセンサーヘッドが
気化装置10の壁面に接触した状態、あるいは気化装置
10内に挿入された状態になっている。そして、この温
度センサーにて測定される気化装置10の温度に対応し
た電気信号が、演算制御装置50に出力されるようにな
っている。
【0023】演算制御装置50は、温度測定装置40に
よって測定された気化装置10の温度に基づいて、気化
装置10からの目標とする材料ガス供給量となるキャリ
アガスの流入量を演算し、その演算結果に基づいて、気
化装置10の流入管11に設けられたキャリアガス流量
制御装置20を制御するようになっている。
【0024】図2は、演算制御装置50の制御内容を示
すフローチャートである。演算制御装置50には、予
め、気化装置10から供給される材料ガスの目標供給量
Wと、気化装置10内の設定圧力Sと、気化装置10内
に充填される有機金属材料13固有の定数AおよびBと
が、それぞれ入力されている。材料ガスの目標供給量W
は、気相成長装置の反応炉において結晶成長に必要とさ
れる材料ガスの供給量である。定数AおよびBは、気化
装置10に収容された有機金属材料13に固有の値であ
り、各定数AおよびBと温度によって有機金属材料13
の蒸気圧が決定される。各有機金属材料の定数Aおよび
Bは、例えば、表1に示すように、予め、求められてい
る。なお、表1には、各有機金属材料を気化させる際
の、気化装置10の使用温度、気化装置10内の圧力、
キャリアガス流量、有機金属材料13の目標供給量の概
略値が併記されている。
【0025】
【表1】
【0026】このようにして、演算制御装置50に、材
料ガスの目的供給量W、気化装置10内の圧力S、定数
AおよびBがそれぞれ入力されると、演算制御装置50
は、温度測定装置40の出力信号を読み込む。温度測定
装置40は、温度制御装置30にて制御されている気化
装置10の温度に対応した電気信号を出力しており、演
算制御部50は、温度測定装置40によって測定される
気化装置10の温度T(絶対温度K)に基づいて、有機
金属材料13の蒸気圧Pを算出する。
【0027】本実施例では、演算制御装置50は、有機
金属材料13の蒸気圧Pを、次の近似式(1)によって
演算している。
【0028】P=10(A-B/T) ……(1) 気化装置10からの材料ガスの目標供給量Wは、流入管
11から気化装置10に導入されるキャリアガスの導入
量をFとすると、次の近似式(2)によって演算され
る。
【0029】W=P/(S−P)×F……(2) (2)式における材料ガスの目標供給量W、気化装置1
0内圧力Sは、予め設定されており、また、有機金属材
料13の蒸気圧Pは(1)式から求められているため
に、気化装置10内へのキャリアガスの導入量Fは次式
(3)によって求められる。
【0030】F=W(S−P)/P……(3) このようにして、演算制御装置50が、近似式(3)に
基づいて、キャリアガスの気化装置10への導入量Fを
演算すると、演算制御部50は、キャリアガス流量制御
装置20へ、導入量Fに対応した所定信号を出力する。
これにより、キャリアガス流量制御装置20は、流入管
11内のキャリアガスの流量が、演算制御装置50にて
演算された導入量Fになるように、制御する。これによ
り、キャリアガスは流入管11内を流量Fで通流して気
化装置10内に導入される。
【0031】流入管11から導入量Fでキャリアガスが
導入される気化装置10は、所定の圧力Sおよび温度T
になっており、有機金属材料13を蒸気圧Pに達するま
でキャリアガス内に気化させる。これにより、目標供給
量Wに相当する材料ガスが得られ、材料ガスは、キャリ
アガスとともに流入管12を通って、気相成長装置の反
応炉に送給される。
【0032】気化装置10の温度Tは、常時、温度測定
装置40によって監視されており、気化装置10の温度
が変動した場合には、前述したように、気化装置10内
に導入されるキャリアガスの導入量Fを変更することに
よって、目標とする材料供給量Wが得られるようになっ
ている。従って、気化装置10は、温度が変化しても、
常時、目標とする供給量の材料ガスを供給することがで
き、気相成長装置の反応炉に、材料ガスを安定的に供給
することができる。
【0033】図1に示す材料ガス供給装置により、有機
金属材料13としてTMG(トリメチルガリウム)およ
びTMI(トリメチルインジウム)をそれぞれ使用して
材料ガスの供給を行った。
【0034】表1に示すように、TMGの定数Aは8.
07、定数Bは1703であり、気化装置10の温度T
が10℃の場合には、前記(1)式から、TMGの蒸気
圧Pは181Torrになる。そして、TMGの目標供給量
Wを7.20cc/min.とすると、気化装置10へのキャ
リアガスの導入量Fは、前記(3)式から、23.1cc
/min.になった。また、TMIの定数Aは10.52、
定数Bは3014であり、気化装置10の温度Tが30
℃の場合には、前記(1)式からTMIの蒸気圧Pは
3.74Torrになる。TMIの目標供給量Wを1.32
cc/min.とすると、気化装置10へのキャリアガスの導
入量Fは、263cc/min.になった。これらの結果を表
2にまとめる。
【0035】
【表2】
【0036】TMGおよびTMIのいずれの場合も、気
化装置10の温度Tが変動した場合には、気化装置10
へのキャリアガスの導入量Fを、演算制御装置50によ
って演算してキャリアガス流量制御装置20によって変
更したところ、材料ガスの供給量は、短期、長期のいず
れにもかわらず、目標値に対して±0.2%程度しか変
動せず、安定的に材料ガスを供給することができた。こ
れに対して、図9に示す従来の材料ガス供給装置では、
1時間程度の供給時間の間に、材料ガスの供給量が目標
値に対して±1.8%程度変動しており、約1カ月の間
に、±6%程度にわたって変動した。
【0037】TMGおよびTMI以外の有機金属材料を
使用した場合にも、ほぼ同様の結果が得られた。
【0038】なお、本実施例では、演算制御装置50
は、近似式(1)および(3)に基づいて、キャリアガ
スの導入量Fを演算するようにしたが、例えば、個々の
有機金属材料に関して、温度Tとその蒸気圧Pとの関
係、その蒸気圧Pと気化装置10内の圧力とキャリアガ
ス導入量Fとの関係を示すデーターを演算制御装置50
に入力しておいて、その入力されたデーターに基づいて
キャリアガスの流量Fを算出するようにしてもよい。
【0039】図3は本発明の材料ガス供給装置の他の実
施例を示す概略図である。本実施例では、気化装置(バ
ブラー)10の流入管11には、マスフローコントロー
ラー21が介在されている。このマスフローコントロー
ラー21は、流量センサーによって流入管11内を通流
するキャリアガスの流量を捉えて、制御回路からの制御
信号によって、制御バルブが制御されて、流入管11内
のキャリアガス流量が制御されるようになっており、流
入管11内を、常時、所定量のキャリアガスが通流され
る。
【0040】また、気化装置10の流出管12には、気
化装置10内の圧力を制御する圧力制御装置60が介在
されている。この圧力調整装置60は、例えば、流出管
12に介在された開閉弁の開度を変更することにより、
流出管12内の圧力を変更して、流出管12と連通状態
になった気化装置10内の圧力を変更するようになって
いる。この圧力調整装置60は、演算制御装置51の出
力によって制御されるようになっている。また、気化装
置10は、前期実施例と同様に、温度制御装置30によ
って所定の温度に制御されている。
【0041】演算制御装置51は、気化装置10の温度
を測定する温度測定装置40の測定結果が入力されてい
る。
【0042】図4は、本実施例の演算制御装置51の制
御内容を示すフローチャートである。本実施例の材料ガ
ス供給装置では、流入管11に介在されたマスフローコ
ントローラー21によって、流入管11内を通流するキ
ャリアガスの流量が予め設定されている。そして、設定
された流量となるように、マスフローコントローラー2
1が機能する。演算制御装置51には、気化装置10か
らの材料ガスの目標とする供給量W、マスフローコント
ローラー21にて設定されたキャリアガスの気化装置1
0への導入量F、および、気化装置10内に収容された
有機金属材料13に固有の定数AおよびBが、予め設定
されている。
【0043】このような状態で、流入管11から気化装
置10内にキャリアガスが導入されると、演算制御装置
51は、温度測定装置40によって測定される気化装置
10の温度Tを読み込む。そして、読み込まれた温度T
と、定数AおよびBから、前述した近似式(1)に基づ
いて、有機金属材料13の蒸気圧Pを演算する。有機金
属材料13の蒸気圧Pが演算されると、その演算された
蒸気圧Pと、材料ガスの目標供給量Wと、キャリアガス
の導入量Fとに基づいて、近似式(2)の変形式である
次式(4)に基づいて、気化装置10内の圧力Sが演算
される。
【0044】S=(F・P/W)+P……(4) (4)式によって気化装置10内の圧力Sが演算される
と、演算制御装置51は、圧力調整装置60に所定信号
を出力して、圧力調整装置60はその信号に基づいて流
出管12内の圧力を制御する。これにより、気化装置1
0内の圧力は演算値Sとされる。その結果、流出管12
から流出される材料ガスの供給量は、予め設定された目
標値Wになる。
【0045】気化装置10の温度Tは、常時、温度測定
装置40によって監視されており、気化装置10の温度
が変動した場合には、前述したように、気化装置10内
の圧力Sを変更することによって、目標とする材料ガス
供給量Wが得られるように補正している。従って、気化
装置10は、温度が変化しても、常時、目標とする供給
量の材料ガスを供給することができ、気相成長装置の反
応炉に、材料ガスを安定的に供給することができる。
【0046】本実施例においても、表2に示す条件で、
TMGおよびTMIを使用して材料ガスをそれぞれ供給
したところ、材料ガス供給量の変動幅は、長期にわたっ
ても、±0.2%程度であった。
【0047】図5は、図1に示すガス供給装置を複数使
用したMOCVD(Metal OrganicChemical Vaper Depo
sition )装置の一例を示す概略図である。このMOC
VD装置は、各ガス供給装置15の流入管11同士およ
び流出管12同士が相互に連結された状態になってお
り、各流入管11および12には、キャリアガスが供給
されている。また、最下流のガス供給管10の流出管1
2には、気相成長装置の反応管70が連結されている。
【0048】各ガス供給管15の気化装置10には、有
機金属材料としてTMG(トリメチルガリウム)、TM
I(トリメチルインジウム)、TMAl(トリメチルア
ルミニウム)がそれぞれ充填されている。また、反応管
70には、他のガス供給装置も連結されており、アルシ
ン、ホスフィンといった材料ガスが反応管70に供給さ
れている。反応管70内の不要な材料ガスは、真空ポン
プ等によって廃棄装置、除害装置等へ排出される構成と
なっている。
【0049】反応管70では、基板上にGaAs(ガリ
ウム砒素)、AlGaInP(アルミガリウムインジウ
ム燐)といった化合物半導体薄膜が成長される。
【0050】このような反応管70において、反応管7
0内の圧力を0.1気圧、基板温度を720℃、キャリ
アガスを含む総ガス流量を約20リットルという条件
で、層厚1μmのGaInP(ガリウムインジウム燐)
をGaAs基板上に成長させた。この場合の格子不整合
率Δa/a、成長層厚dの変動を図6に示すグラフによ
って説明する。
【0051】図5に示すMOCVD装置では、図1に示
すガス供給装置をそれぞれ使用しているために、TMG
およびTMIを表2に示した条件によって供給して、G
aInPを成長させると、TMGおよびTMIの供給量
の変動を、前述したように、それぞれ±0.2%程度に
抑制することができ、従って、成長層厚dも±0.2%
程度に抑制できる。また、図6のグラフに明示したよう
に、供給量比r(TMG/(TMI+TMG))を±
0.2%程度に抑制できるために、GaInPの格子不
整合率Δa/aの変動も、±0.01%程度に抑制する
ことができる。従来のガス供給装置を用いたMOCVD
装置の場合は、TMGおよびTMIを表2に示した条件
によって供給して、GaInPを成長させると、TMG
およびTMIの供給量がそれぞれ最大で±6%程度変動
するために、成長層厚dは±6%程度の変動があり、G
aInPの格子不整合率Δa/aの変動は±0.35%
程度に達する。
【0052】例えば、半導体レーザー素子では、その活
性層の層厚と格子不整合率が発振波長に大きく影響する
ために、長期にわたって層厚の変動および格子不整合率
の変動が抑制される本発明のガス供給装置を使用したM
OCVD装置によって半導体レーザー素子を製造する
と、製造される半導体レーザー素子は発振波長特性が均
一になり、所定波長のレーザー光を発振し得る半導体レ
ーザー素子を歩留りよく製造し得る。
【0053】本発明の材料ガス供給装置を使用したMO
CVD装置によって、図7に示す半導体レーザー素子
(目標発振波長、680nm)を製造した。この半導体
レーザー素子80は、GaAs基板81上に、n−Ga
Asバッファ層82、1.5 μmの厚さのn−(Al0.7
Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラッド層83、0.2 μmの
厚さのun−Ga0.5 In0.5 P活性層84、1.5 μm
の厚さのp−(Al0.7Ga0.3 0.5 In0.5 Pクラ
ッド層85、p−GaAsコンタクト層86を順次成長
し、次いで、p−GaAsコンタクト層86とp−Al
GaInPクラッド層85をメサ形状にエッチングした
後に、n−GaAs電流ブロック層87を成長すること
により製造した。
【0054】このような半導体レーザー素子80を連続
して製造した場合には、un−GaInP活性層84の
格子不整合率の変動および成長膜厚の変動が抑制されて
いるために、図8(a)に示すように、製造される半導
体レーザー素子80の60%以上が目標とする680n
mの発振波長が得られた。しかも、製造された全ての半
導体レーザー素子は、発振波長が679.7〜680.
3nmになっており、目標とする発振波長680nmに
対して±10nm(670〜690nm)の範囲内であ
って、実用的には問題がない。このように、本発明の材
料ガス供給装置を使用したMOCVD装置では、半導体
レーザー素子の製造歩留りは著しく向上する。
【0055】従来の材料ガス供給装置を使用したMOC
VD装置により半導体レーザー素子を連続して製造した
場合には、製造された各半導体レーザー素子のun−G
aInP活性層の格子不整合率の変動、および成長膜厚
の変動が大きく、図8(b)に示すように、発振波長が
660〜700nmの範囲にばらついており、不良品も
多量に発生していた。
【0056】なお、上記実施例では、本発明の材料ガス
供給装置をMOCVD装置に適用することを示したが、
VPE装置、プラズマCVD装置、ガスソースMBE装
置等でも、本発明の材料ガス供給装置を適用することが
できる。VPE装置、プラズマCVD装置、ガスソース
MBE装置等は、MOCVD装置とは、結晶成長の機構
が相違しているために、反応炉の形状、構成が多少相違
しているが、材料ガスの供給に関してはほぼ同一であ
り、図1および図3に示した本発明の材料ガス供給装置
を使用することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の材料ガス供給方法および材料ガ
ス供給装置は、このように、気化装置内の材料の温度に
よって有機金属材料の蒸気圧が変動した場合には、気化
装置内に導入されるキャリアガスの導入量を変更するこ
とにより、または気化装置内の圧力を変更することによ
り、材料ガスを目標とする供給量にするようになってい
るために、常時、気相成長装置に安定的に材料ガスを供
給することができる。その結果、気相成長装置は長期に
わたって高精度に結晶を成長させることができ、結晶成
長によって得られる半導体素子等の品質が安定して歩留
りは著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の材料ガス供給装置の第1の実施例を示
す概略図である。
【図2】その材料ガス供給装置に使用される演算制御装
置の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の材料ガス供給装置の第2の実施例を示
す概略図である。
【図4】その材料ガス供給装置に使用される演算制御装
置の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の材料ガス供給装置を使用したMOCV
D装置の概略図である。
【図6】そのMOCVD装置で供給される材料ガスの供
給量比rと、製造される半導体結晶の格子不整合率との
関係を示すグラフである。
【図7】本発明の材料ガス供給装置を使用したMOCV
D装置によって製造した半導体レーザー素子の層構造を
示す概略図である。
【図8】(a)は本発明の材料ガス供給装置を使用した
MOCVD装置によって連続的に製造された半導体レー
ザー素子の発振波長の分布を示すグラフ、(b)は従来
の材料ガス供給装置を使用したMOCVD装置によって
連続的に製造された半導体レーザー素子の発振波長の分
布を示すグラフである。
【図9】従来の材料ガス供給装置の一例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
10 気化装置 11 流入管 12 流出管 13 有機金属材料 20 キャリアガス流量制御装置 21 マスフローコントローラー 30 温度制御装置 40 温度測定装置 50 演算制御装置 51 演算制御装置 60 圧力制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体材料あるいは固体材料が収容された
    気化装置内にキャリアガスを導入して、このキャリアガ
    ス中に材料ガスを気化させて、気化装置からキャリアガ
    スとともに材料ガスを供給する材料ガス供給方法であっ
    て、 前記気化装置に収容された液体材料または固体材料の温
    度に基づいて、その材料の蒸気圧を求める工程と、 求められた材料の蒸気圧に基づいて、気化装置から所定
    量の材料ガスを供給するために必要な気化装置内へのキ
    ャリアガスの導入量を求める工程と、 求められた導入量になるように気化装置内へ導入される
    キャリアガス量を制御する工程と、 を包含することを特徴とする材料ガス供給方法。
  2. 【請求項2】 液体材料あるいは固体材料が収容された
    気化装置内にキャリアガスを導入して、このキャリアガ
    ス中に材料ガスを気化させて、気化装置からキャリアガ
    スとともに材料ガスを供給する材料ガス供給方法であっ
    て、 前記気化装置に収容された液体材料または固体材料の温
    度に基づいて、その材料の蒸気圧を求める工程と、 求められた材料の蒸気圧に基づいて、気化装置から所定
    量の材料ガスを供給するために必要な気化装置内の圧力
    を求める工程と、 求められた圧力になるように、気化装置内の圧力を制御
    する工程と、 を包含することを特徴とする材料ガス供給方法。
  3. 【請求項3】 液体材料または固体材料が収容されてお
    り、流入するキャリアガスによって液体材料または固定
    材料をキャリアガス中に気化させてキャリアガスととも
    に材料ガスを流出させる気化装置と、 この気化装置を所定の温度に保持する温度制御装置と、 前記気化装置に流入するキャリアガスの流量を制御する
    キャリアガス流量制御装置と、 前記気化装置の温度を測定する温度測定装置と、 この温度測定装置の測定温度に基づいて、前記気化装置
    から流出する材料ガスの目標値に対するキャリアガスの
    流入量を求めるとともに、その求められた流入量に対応
    した所定信号を前記キャリアガス流量制御装置に出力す
    る演算制御装置と、 を具備することを特徴とするガス供給装置。
  4. 【請求項4】 液体材料または固体材料が収容されてお
    り、流入するキャリアガスによって液体材料または固定
    材料をキャリアガス中に気化させてキャリアガスととも
    に材料ガスを流出させる気化装置と、 この気化装置を所定の温度に保持する温度制御装置と、 前記気化装置内の圧力を制御する圧力制御装置と、 前記気化装置の温度を測定する温度測定装置と、 この温度測定装置の測定温度に基づいて、前記気化装置
    から流出する材料ガスの目標値に対する気化装置内の圧
    力を求めるとともに、その求められた圧力に対応した所
    定信号を前記圧力制御装置に出力する演算制御装置と、 を具備することを特徴とするガス供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20100108304A (ko) * 2009-03-27 2010-10-06 롬 앤드 하스 일렉트로닉 머트어리얼즈, 엘.엘.씨. 방법 및 장치
KR20160115767A (ko) 2015-03-27 2016-10-06 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 원료 공급 장치, 원료 공급 방법 및 기억 매체

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