JPH08229548A - 水質浄化ブロック - Google Patents

水質浄化ブロック

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JPH08229548A
JPH08229548A JP6152895A JP6152895A JPH08229548A JP H08229548 A JPH08229548 A JP H08229548A JP 6152895 A JP6152895 A JP 6152895A JP 6152895 A JP6152895 A JP 6152895A JP H08229548 A JPH08229548 A JP H08229548A
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phosphorus
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Masayuki Seto
昌之 瀬戸
Mutsuo Miyazaki
睦雄 宮崎
Masayuki Hashimoto
正幸 橋本
Kazuto Yoshimori
和人 吉森
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Taiheiyo Cement Corp
Houei Co Ltd
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Nihon Cement Co Ltd
Houei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 池、湖沼、河川等の水中又は水際に設置す
る、水質浄化能力の優れた水質浄化ブロックを提供す
る。 【構成】 ポーラスコンクリート製本体にリン吸着剤塊
を装着し一体化したことを特徴とする水質浄化ブロッ
ク、及び、骨材にリン吸着剤を含むポーラスコンクリー
トでなることを特徴とする水質浄化ブロックである。ポ
ーラスコンクリートは、多孔質のコンクリートで、リン
吸着剤は、例えば、火山灰と硫酸第一鉄を混合して焼成
したものなどを使用できる。ブロックの大きさや形には
制限がなく、扱いやすい大きさや形を自由に選定でき
る。例えば、川床用敷きブロック、護岸用ブロック、漁
礁ブロックとして水中又は水際に設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、池、湖沼、河川等の水
中又は水際に設置してその水質を浄化する新規な水質浄
化ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポーラスコンクリートにはあ
る程度の水質浄化作用があることが知られており、ポー
ラスコンクリートを球形に成形したものや、護岸用ブロ
ックをポーラスコンクリートで形成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポーラスコンクリート
は、ある程度の水質浄化作用があるが、それはあまり大
きなものではなく、充分な水質浄化の効果を期待できな
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポーラスコン
クリート製本体にリン吸着剤塊を装着し一体化したこと
を特徴とする水質浄化ブロック、及び、骨材にリン吸着
剤を含むポーラスコンクリートでなることを特徴とする
水質浄化ブロックである。
【0005】ポーラスコンクリートは、普通のコンクリ
ートに比べて細骨材に対する粗骨材の比率を極端に多く
配合して製造される多孔質のコンクリートである。リン
吸着剤は、例えば、火山灰と硫酸第一鉄を混合して焼成
したものなど、すでに公知のものを使用できる。リン吸
着剤の割合は、通常ブロック全体に対して10%(体積
百分率)程度が適当であるが、リン吸着剤の種類や汚濁
水質により増減すべきことはもちろんである。
【0006】ブロックの大きさや形には制限がなく、扱
いやすい大きさや形を自由に選定できる。例えば、川床
用敷きブロック、護岸用ブロック、漁礁ブロックとして
水中又は水際に設置することもできる。
【0007】
【作用】水質汚濁の原因は、主に有機物、窒素化合物及
び溶存リンである。本願発明者らは、ポーラスコンクリ
ートの水質浄化作用について研究した結果、ポーラスコ
ンクリートの無数の孔の中に生息する微生物の作用によ
り、汚濁水中の有機物は二酸化炭素と水に、また、窒素
化合物は窒素ガスにそれぞれ活発に分解除去されるが、
ポーラスコンクリートのみによる溶存リンの除去作用は
少ないことを見いだした。
【0008】図1は、ポーラスコンクリート単独
(2)、及び、ポーラスコンクリートとリン吸着剤を併
用した場合(1)の水中のリン濃度の変化を示すグラフ
である。2個の容器にそれぞれ水道水23リットルを入
れ、KH2PO4を1mgP/lになるように加え、一方
には10センチ角のポーラスコンクリートを8個、他方
には10センチ角のポーラスコンクリート8個とリン吸
着剤約1リットルを入れ、経時的にサンプリングして測
定を行った。これにより明らかなように、ポーラスコン
クリート単独のリン酸態リンの除去作用は小さいが、リ
ン吸着剤と併用することで、飛躍的にその効果は増大す
るのである。
【0009】図2は、自然界に存在する汚濁した水にお
けるリン吸着剤単独(5)、及び、ポーラスコンクリー
トとリン吸着剤を併用した場合(4)の水中の全リン濃
度の変化を示すグラフである。自然に存在する汚濁した
池の水23リットルを2個の容器に入れ、一方には10
センチ角のポーラスコンクリートを8個、他方には10
センチ角のポーラスコンクリート8個とリン吸着剤約1
リットルを入れ、経時的にサンプリングして測定を行っ
た。このグラフから見て取れるように、リン吸着剤は、
自然界の汚濁水中のリンを吸着する作用は小さい。これ
は、自然界の汚濁水中の大部分のリンはプランクトン等
の生物中に存在するため、このような生物中のリンを直
接吸着することができないからであると考えられる。し
かし、ポーラスコンクリートと併用することで、ポーラ
スコンクリート表面に付着した微生物が水中の生物の体
内からリンを水中に開放させ、これをリン吸着剤が吸着
することで、相乗的にリン吸着効果が増大するものと推
定される。
【0010】さらに、プランクトンや藻類で汚濁した池
の水中にポーラスコンクリートブロック(水量の約1.
5%の容積)とリン吸着剤塊(ポーラスコンクリートブ
ロックの約1割の容積)を設置し、水質の変化を調べ
た。リン吸着剤塊は、火山灰と硫酸第一鉄を混合して焼
成したものを使用した。水質は、当初、全有機物が20
〜30ppm(炭素量)、全リンが0.085ppm、
リン酸態リンが0.01ppmあり、透視度が10〜1
5cmであった。30日後、全有機物は約10ppm、
全リンが0.038ppm、リン酸態リンは不検出で、
透視度は50cm以上に改善された。この実験により、
ポーラスコンクリートとリン吸着剤を併用することで、
その相乗作用により飛躍的な水質浄化効果が実現される
ことが立証された。
【0011】リン吸着剤塊を本体に対して着脱自在とす
れば、長期間使用してリン吸着作用が低下したときに、
リン吸着剤塊を交換し、その効果を持続することが可能
となる。
【0012】
【実施例1】図3は、本発明の実施例のブロック(1
0)の斜視図である。このブロックは、川床や池の底に
敷き並べるためのものである。ポーラスコンクリート製
の本体(11)にリン吸着剤塊(12)が装着され、一
体化している。この装着は、本体中央の凹陥部(13)
にリン吸着剤塊(12)を嵌め込むことで行われてお
り、リン吸着剤塊は着脱自在で、必要に応じて交換する
ことができる。本実施例においては、リン吸着剤塊は、
火山灰と硫酸第一鉄を混合して焼成したものを使用した
が、もちろんリン吸着剤塊はこれに限るものではない。
【0013】リン吸着剤塊の本体への装着方法は、本実
施例の方法以外に種々の公知方法を用いることができ
る。例えば、本体を製造する際にリン吸着剤塊をコンク
リート中に打ち込んでしまう方法や、ボルトなどの金具
を使用して本体に装着する方法などである。
【0014】
【実施例2】図4は、本発明の実施例のブロック(2
0)の斜視図である。このブロックは池等の水中または
水際に設置するものである。ポーラスコンクリート製の
本体(21)は、自然石風に作られており、底面の凹陥
部(23)にはリン吸着剤塊(22)が着脱自在に嵌着
されている。
【0015】
【実施例3】図5は、本発明の実施例のブロック(3
0)の略側面図である。ブロック(30)は、主に水際
の法面に敷き並べる護岸用のブロックで、多数の俵状の
ポーラスコンクリート製本体(31)の中心に芯材のチ
ェーン(32)が入っており、本体と本体の間は折り曲
がり自在となっているものである。
【0016】ブロック(30)の製造に際しては、リン
吸着剤塊を平均粒径15mm程度の砕石形状に成形し、
粗骨材に15%(体積)程度混入している。このよう
に、骨材にリン吸着剤を混入したポーラスコンクリート
ブロックは、護岸用ブロック、川床用敷きブロック、魚
礁用ブロック等として用いることで、ポーラスコンクリ
ートに生息する微生物とリン吸着剤の相乗作用で、優れ
た水質浄化能力を発揮する。リン吸着剤は細骨材に、ま
た、粗骨材と細骨材の双方に混入することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明水質浄化ブロックは、ポーラスコ
ンクリート中に生息する微生物とリン吸着剤の相乗作用
で、お濁水の有機物、窒素化合物及び溶存リンのいずれ
についても優れた浄化作用を発揮し、比較的安価容易に
湖沼や河川の水質浄化を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポーラスコンクリート単独、及び、ポーラスコ
ンクリートとリン吸着剤を併用した場合の水中のリン酸
態リン濃度の変化を示すグラフである。
【図2】自然界に存在する汚濁した水におけるリン吸着
剤単独、及び、ポーラスコンクリートとリン吸着剤を併
用した場合の水中の全リンの濃度変化を示すグラフであ
る。
【図3】実施例のブロック(10)の斜視図である。
【図4】実施例のブロック(20)の斜視図である。
【図5】実施例のブロック(30)の斜視図である。
【符号の説明】
1 ポーラスコンクリートとリン吸着剤を併用した場合
の水中のリン酸態リン濃度の変化 2 ポーラスコンクリート単独の場合の水中のリン酸態
リン濃度の変化 3 ポーラスコンクリートとリン吸着剤のいずれも含ま
ない場合の水中のリン酸態リン濃度の変化 4 ポーラスコンクリートとリン吸着剤を併用した場合
の水中の全リン濃度の変化 5 リン吸着剤単独の場合の水中の全リン濃度の変化 6 ポーラスコンクリートとリン吸着剤のいずれも含ま
ない場合の水中の全リン濃度の変化 10 ブロック 11 本体 12 リン吸着剤塊 13 凹陥部 20 ブロック 21 本体 22 リン吸着剤塊 23 凹陥部 30 ブロック 31 本体 32 チェーン
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】図2は、自然界に存在する汚濁した水にお
けるリン吸着剤単独(5)、及び、ポーラスコンクリー
トとリン吸着剤を併用した場合(4)の水中の全リン濃
度の変化を示すグラフである。自然に存在する汚濁した
池の水23リットルを2個の容器に入れ、一方にはリン
吸着剤約1リットルを入れ、他方には10センチ角のポ
ーラスコンクリート8個とリン吸着剤約1リットルの双
方を入れ、経時的にサンプリングして測定を行った。こ
のグラフから見て取れるように、リン吸着剤は、自然界
の汚濁水中のリンを吸着する作用は小さい。これは、自
然界の汚濁水中の大部分のリンはプランクトン等の生物
中に存在するため、このような生物中のリンを直接吸着
することができないからであると考えられる。しかし、
ポーラスコンクリートと併用することで、ポーラスコン
クリート表面に付着した微生物が水中の生物の体内から
リンを水中に開放させ、これをリン吸着剤が吸着するこ
とで、相乗的にリン吸着効果が増大するものと推定され
る。なお、図2において(6)は、参考のために同時に
計測した、ポーラスコンクリートとリン吸着剤のいずれ
も含まない場合の水中の全リン濃度の変化を示してい
る。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 正幸 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 日 本セメント株式会社内 (72)発明者 吉森 和人 東京都江東区清澄1丁目2番23号 日本セ メント株式会社中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポーラスコンクリート製本体にリン吸着
    剤塊を装着し一体化したことを特徴とする水質浄化ブロ
    ック
  2. 【請求項2】 リン吸着剤塊が本体に対し着脱自在であ
    る請求項1の水質浄化ブロック
  3. 【請求項3】 骨材にリン吸着剤を含むポーラスコンク
    リートでなることを特徴とする水質浄化ブロック
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