JPH08229163A - 合成ストリング及びその製造方法 - Google Patents

合成ストリング及びその製造方法

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JPH08229163A
JPH08229163A JP7040146A JP4014695A JPH08229163A JP H08229163 A JPH08229163 A JP H08229163A JP 7040146 A JP7040146 A JP 7040146A JP 4014695 A JP4014695 A JP 4014695A JP H08229163 A JPH08229163 A JP H08229163A
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勝男 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリアミド系合成繊維と、前記ポリアミド系合
成繊維よりも比重が大きい繊維を含むストリングであっ
て、前記ストリングは比重が1.20以上1.60以下
の範囲であることにより、天然ガットの優れた反撥性、
弛みにくさ、ラケットの振り抜き性、面安定性、重量感
などの打球感、快い打球音など天然ガット並みの性能を
有し、しかも耐水性に優れ、安価な合成ストリングを実
現する。 【構成】ポリアミド系モノフィラメント繊維を芯成分1
1に用い、マルチフィラメントからなる鞘成分としてポ
リアミド系成分13と鉛成分21からなるコンジュゲー
ト繊維14を用い、接着剤を塗布しながら芯成分の周囲
に鞘成分を巻回し、次いで樹脂溶液または溶融樹脂15
をコーティングし、乾燥または固化後、伸度調整のため
の延伸処理を行い、次に平滑剤を塗布して、ストリング
の比重(ただし25℃で測定)1.20〜1.60の範
囲のストリング10を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テニス、バドミント
ン、スカッシュなどのラケット用ストリング(ガット)
に関する。さらに詳しくは、合成繊維製であって、特定
の比重を有するストリングに関する。
【0002】
【従来の技術】ラケット用ストリングに求められる機能
としては、反撥性、耐久性および張設性の3つがある。
合成ストリングの前2者の機能については、主に牛や羊
の腸からなる天然ガットの性能を目標に、開発、進歩し
てきた。
【0003】その結果、これらの機能については、今や
天然ガットのそれを凌駕するものが可能になってきた。
すなわち、高弾性・高強力のナイロン繊維、芳香族ポリ
アミド繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊
維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維など
を用いると、反撥性を弾性回復率、耐久性を応力緩和の
保持率など特性が天然ガットのそれを凌駕するようにな
ってきている。
【0004】張設性に関しては、合成ストリングの方が
従来から圧倒的に優れている。しかしながら、テニスの
プロの選手は、最近になって合成ストリングを使用する
選手が増えつつあるものの、それでもなお天然ガットを
使用し続ける選手は半数以上である。
【0005】これらの原因として、天然ガットには前記
力学的特性以外に打球音や微妙な打球感など、感覚的な
特性に優れている点が存在しているためと思われる。こ
れら背景に対して、合成ストリングの最近の世界的傾向
として、直径の小さい、細ゲージ化が挙げられる。従
来、直径が1.3mm(16ゲージ)以上のものが主流
であったが、最近では直径1.22〜1.24mmの1
7ゲージや直径1.06〜16mmの18ゲージの要望
が大きくなってきている。
【0006】これらは、反撥性の向上効果を主目的とは
しているが、上記感覚的な特性を補うためであるとも考
えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の単に細ゲージ化しただけでは、当然の帰着として耐
久性が低下する欠点を伴っている。また、ストリングの
占める重量割合が減少するため、慣性モーメントが低下
し、振り抜き性、ラケット全体の重量感などが変化し、
ますます天然ガットの性能から乘離する方向にある。そ
の他、合成ストリングの分野では、スポーツの爽快感の
重要な要因である打球音の向上が、従来からも強く要請
され続けている。
【0008】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたも
のであって、天然ガットの優れた反撥性、弛みにくさは
無論のこと、ラケットの振り抜き性、面安定性、重量感
などの打球感、快い打球音をも天然ガット並みの性能を
有し、しかも、耐水性に優れ、安価な合成ストリングを
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の合成ストリングは、ポリアミド系合成繊維
と、前記ポリアミド系合成繊維よりも比重が大きい繊維
を含むストリングであって、前記ストリングは前記式
(数1)で示す比重D(ただし25℃で測定)が1.2
0以上1.60以下の範囲であることを特徴とする。
【0010】前記構成においては、ポリアミド系合成繊
維が50重量%以上の主成分であり、前記ポリアミド系
合成繊維よりも比重が大きい繊維が50重量%未満の副
成分であることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、ポリアミド系合
成繊維よりも比重が大きい繊維が、比重1.50以上の
材料で構成されていることが好ましい。また前記構成に
おいては、副成分が、ポリアミド繊維に鉛を複合させた
コンジュゲート繊維またはフッ素を含むポリマーの繊維
であることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、ポリアミド繊維
に鉛を複合させたコンジュゲート繊維が、外側成分がポ
リアミドであり、内部に鉛を存在させた芯鞘コンジュゲ
ート繊維であることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、合成ストリング
が、芯部を形成する繊維と鞘部を形成する繊維からなる
芯鞘構造であることが好ましい。また前記構成において
は、鉛を複合させた芯鞘コンジュゲート繊維が、ストリ
ングの鞘部に存在することが好ましい。
【0014】また前記構成においては、フッ素を含むポ
リマーの繊維が、ストリングの芯部及び/または鞘部に
存在することが好ましい。また前記構成においては、合
成ストリングを構成する繊維が、編組または撚糸されて
いることが好ましい。
【0015】また前記構成においては、合成ストリング
を構成する繊維が、接着剤によって一体化されているこ
とが好ましい。次に本発明の合成ストリングの製造方法
は、ポリアミド系合成繊維を芯成分に用い、鞘成分とし
てポリアミド系合成繊維と前記ポリアミド系合成繊維よ
りも比重が大きい繊維とを混合して接着剤を塗布しなが
ら芯成分の周囲に巻回し、次いで樹脂溶液または溶融樹
脂をコーティングし、乾燥または固化後、伸度調整のた
めの延伸処理を行い、次に平滑剤を塗布してストリング
の比重(ただし25℃で測定)を1.20以上1.60
以下の範囲にすることを特徴とする。
【0016】
【作用】前記した本発明の構成によれば、ポリアミド系
合成繊維と、前記ポリアミド系合成繊維よりも比重が大
きい繊維を含むストリングであって、前記ストリングは
前記式(数1)で示す比重D(ただし25℃で測定)が
1.20以上1.60以下の範囲であることにより、天
然ガットの優れた反撥性、弛みにくさは無論のこと、ラ
ケットの振り抜き性、面安定性(スイートスポット以外
で打球してもラケットがぶれない性質)、重量感などの
打球感、快い打球音など天然ガット並みの性能を有し、
しかも耐水性に優れ、安価な合成ストリングを実現でき
る。すなわち、ポリアミドの25℃の比重は、ナイロン
6が1.12〜1.14、ナイロン6,6が1.13〜
1.15であるので、これらのポリアミドに対して比重
が大きい繊維を相当量混在させることにより、ストリン
グ全体としての比重を高くすることができる。この結
果、反撥性は天然ガットに近似したものとなる。しかも
ポリアミド系合成繊維を用いているので、弛まず、耐水
性に優れ、安価な合成ストリングを実現できる。前記に
おいて、ストリングの比重が1.2未満では、打球感は
それ程向上しない。また、比重が1.6を超えると、重
くなり過ぎ、振り抜き性が低下し望ましくない。
【0017】前記において、ポリアミド系合成繊維が5
0重量%以上の主成分であり、前記ポリアミド系合成繊
維よりも比重が大きい繊維が50重量%未満の副成分で
あると、さらにポリアミド系合成繊維の耐久性や緩みに
くさを維持できる。
【0018】また前記において、ポリアミド系合成繊維
よりも比重が大きい繊維が、比重1.50以上の材料で
構成されていると、高比重成分の混在量をそれ程多くす
る必要がなく好ましい。
【0019】また前記において、副成分が、ポリアミド
繊維に鉛を複合させたコンジュゲート繊維またはフッ素
を含むポリマーの繊維であると、打球感をさらに高くす
ることができる。
【0020】また前記において、ポリアミド繊維に鉛を
複合させたコンジュゲート繊維が、外側成分がポリアミ
ドであり、内部に鉛を存在させた芯鞘コンジュゲート繊
維であると、ポリアミドと鉛との剥離がなく一体化を保
持できるので好ましい。
【0021】また前記において、合成ストリングが、芯
部を形成する繊維と鞘部を形成する繊維からなる芯鞘構
造であると、さらに打球感を高くでき、耐久性も高くな
る。また前記において、鉛を複合させた芯鞘コンジュゲ
ート繊維はストリングの鞘部に存在させると強度を高く
維持できる。また、フッ素を含むポリマーの繊維を用い
る場合は、ストリングの芯部及び/または鞘部に存在さ
せることができる。
【0022】また前記において、合成ストリングを構成
する繊維を編組または撚糸すると、一体化を強固にでき
る。また前記において、合成ストリングを構成する繊維
が、接着剤によって一体化されていること、耐久性をさ
らに高めることができる。
【0023】次に本発明の合成ストリングの製造方法に
よれば、ポリアミド系合成繊維を芯成分に用い、鞘成分
としてポリアミド系合成繊維と前記ポリアミド系合成繊
維よりも比重が大きい繊維とを混合して接着剤を塗布し
ながら芯成分の周囲に巻回し、次いで樹脂溶液または溶
融樹脂をコーティングし、乾燥または固化後、伸度調整
のための延伸処理を行い、次に平滑剤を塗布してストリ
ングの比重(ただし25℃で測定)を1.20以上1.
60以下の範囲にすることにより、前記の比重を調整し
たストリングを効率良く合理的に製造できる。
【0024】
【実施例】以下実施例を用いてさらに具体的に説明す
る。本発明者らは、打球音や微妙な打球感に関係する固
有振動は、ストリングの線密度に関係するとの見解に着
目し、両者の関係を詳細に調査・研究した。また、ラケ
ットの振り抜き易さの尺度としての慣性モーメントとラ
ケットの重量配分についても詳細に研究開発を行い、つ
いに本発明に到達した。その結果、ポリアミド系合成繊
維を主成分とするストリングにおいて、比重1.50以
上のポリアミド/鉛複合繊維またはフッ素を含むポリマ
ーの繊維などでストリングを製造し、ストリングの比重
が1.20〜1.60の範囲であると、天然ガットを使
用した時の優れた反撥性、弛みにくさは無論のこと、ラ
ケットの振り抜き性、重量感などの打球感、快い打球音
をも得られることを見出し、本発明に到達した。
【0025】本発明の主成分として用いられるポリアミ
ド系合成繊維は、主にナイロン6、ナイロン66、また
はそれらの共重合ナイロンのモノフィラメントまたはマ
ルチフィラメントが、伸縮繰り返し耐久性、接着性、強
度などが優れていることから、好んで使用される。
【0026】ポリエステル繊維の代表的なポリエチレン
テレフタレート繊維は、比重の面からは天然ガットのそ
れと近似しているが、加重下の応力緩和が大きく、張設
時の張力が維持しにくく、打球性の経時変化が大きく、
主成分としては使用され得ない。また、芳香族ポリアミ
ド(たとえばデュポン社の“ケブラー”、“ノメック
ス”)は比重が1.44〜1.45であるが、“ケブラ
ー”は伸度が数%と低く、“ノメックス”は伸度は高い
が強力が低く、本発明の目的には沿わない。
【0027】次に、比重係数を調整する複合成分として
は有用なものとしては、ポリアミド/鉛複合繊維があ
る。通常のナイロンと鉛を複合紡糸したもので、芯部に
鉛が不連続に存在し、鞘部がナイロン6で形成されてい
る。比重は複合量で調整されるが、強力、取扱性などか
ら比重が1.50〜3.00の範囲程度のものが望まし
い。この繊維は、強力が低いが、主成分との接着性に優
れ、高比重が容易に得られるため、また少量の複合で、
ストリングの比重係数を調整でき、本発明には有用であ
る。強力が低いことから、ストリングの主要構成部であ
る芯成分に用いることは不利であり専ら被覆成分に用い
ることが望ましい。
【0028】他の比重係数を調整する複合成分として有
用なものとしては、フッ素を含むポリマーからなる繊維
としては、分子中にフッ素原子を含む樹脂から繊維化さ
れたものである。これら樹脂としては、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、4フッ化エチレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロ
エチレン(PCTFE)、3フッ化塩化エチレン(PC
TFE)、4フッ化エチレン−エチレン共重合体(ET
FE)、ポリビニリデンフルオライド(ポリフッ化ビニ
リデン、PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)など
がある。比重は、ポリマー種により異なるが、1.70
から2.20程度のものが選択できる。本発明には、強
力レベルの観点から特にポリフッ化ビニリデンが有用で
ある。したがって、ポリフッ化ビニリデンは、ストリン
グの主要構成部である芯成分に用いることもできるが、
他のフッ素を含むポリマーからなる繊維は不利であり、
被覆成分に用いることが望ましい。
【0029】これら主成分および比重係数を調整する複
合成分を用いたストリングの製造は、一例として次のプ
ロセスで作製される。ポリアミドモノフィラメントを芯
成分として、その外周面に、被覆成分として通常のポリ
アミドモノフィラメントおよび比重1.50以上の、比
重を調整する複合成分、例えば、ポリアミド/鉛複合繊
維またはフッ素を含むポリマーの繊維のフィラメントを
混合して接着剤を塗布しながら巻回する。この混合比率
は、本発明で規定する比重からは、鞘成分の50重量%
程度で得られる。また、芯成分との接着性の面からもこ
の比率が良好である。
【0030】ポリフッ化ビニリデン繊維を芯成分として
用いる際は、この繊維の接着性が極端に低いため、被覆
成分を通常より構成比率を大きくするのが好ましい。例
えば、被覆成分がポリアミドモノフィラメント場合は、
通常は1回の巻回で十分な耐久性が確保できるが、本発
明の場合は2回の巻回が望ましい。また、被覆成分がポ
リアミドマルチフィラメントの場合は、500デニール
以上の比較的高いデニールのフィラメントを用いること
が望ましい。
【0031】次いで、樹脂溶液や溶融樹脂で加工または
コーティングされる。用いる樹脂はポリアミドまたはポ
リウレタン等が耐水性、耐久性の観点から望ましい。最
後に、伸度調整のため延伸処理を行い、パラフィン、ま
たはシリコーンオイル等の平滑剤を塗布してストリング
として仕上げる。
【0032】本発明で最も重要なのは、ストリング比重
を1.2〜1.6の範囲に調整することである。通常の
ポリアミド製のストリングは、この値は1.11近辺で
あるが、本発明の1.20以上になると、重量感・ラケ
ットの振り抜き性、面安定性、打球音などが、天然ガッ
トに近似してくる。この比重の相当する分の鉛の重りを
ラケットレームに張り付けても慣性モーメントの値は調
整出来るが、試打結果では本発明品の方が優れていると
の評価結果を得た。多分、重量がストリング全体に配分
されているためと推測される。
【0033】次に図面を用いて説明する。図1(a)〜
(f)は本発明で使用することができるストリングの部
分断面を示す一例の斜視図である。図1(a)におい
て、1は芯部を構成するモノフィラメント、2は鞘部を
構成するマルチフィラメント、3は外側の樹脂被覆部で
ある。図1(b)は図1(a)の鞘部がマルチフィラメ
ント4,5の2層になっている部分が図1(a)と異な
る。図1(c)は図1(a)の芯部が細いマルチフィラ
メント6である点が図1(a)と異なる。図1(d)は
図1(c)の芯部がやや太いマルチフィラメント7であ
る点が図1(c)と異なる。図1(e)は、芯部が細い
マルチフィラメント8のみで構成されている。図1
(f)は、芯部がやや太いマルチフィラメント9のみで
構成されている。以上一例として図示した構造におい
て、ポリアミド繊維と高い比重を有する繊維は任意に組
み合わせストリングを形成する。
【0034】以下具体的実施例を用いて説明する。下記
の実施例における目付及び直径の測定法は次のとおりで
ある。 (1)目付;ストリングを正確に1m測長し、この重量
を精密天秤で秤量して求めた。 (2)直径;マイクロメータで5回測定し、平均して求
めた。
【0035】(実施例1)本実施例では、比重を調整す
る複合成分が、ポリアミド/鉛複合繊維の例について図
2を用いて説明する。
【0036】芯成分繊維11として直径0.87mmの
ナイロン6のモノフィラメントを用い、被覆成分繊維と
して直径0.218mmのナイロン/鉛コンジュゲート
モノフィラメント14、「アラミンM」、800D(東
レ株式会社製、比重2.36)14本をラセン状に巻き
付けて、同時にナイロン系接着剤を用いて固定した。次
いで、熱溶融ナイロン6を用いて、この表面をコーティ
ングし接着一体化した。15は熱溶融ナイロン6からな
る接着剤層(樹脂被覆部)である。
【0037】前記において、ナイロン/鉛コンジュゲー
トモノフィラメント14は、鉛成分12が芯に存在し、
ナイロン成分13が鞘に存在する芯鞘構造のコンジュゲ
ート繊維である。このコンジュゲート繊維は、複合口金
を用いてナイロンを溶融紡糸する際に、ナイロンと鉛を
複合紡糸し、次いで延伸することにより得られる。
【0038】得られたストリング10は、引張強力6
0.0kg、結節強力30.0kg、伸度23.8%、
直径1.336mmであった。目付は、2.1208g
/m、比重Dは1.51であった(表1−実施例1)。
【0039】別に、比較例として、被覆成分繊維として
直径0.202mmのナイロン66モノフィラメント
(重さ0.0372g/m)14本を実施例1と同条件
で作製した。比重Dは1.11であった(表1−比較例
2)。
【0040】上記の2種類のストリングと参考例2の天
然ガットをフェース面積が110平方インチのカーボン
繊維補強樹脂製ラケットに、タテ・ヨコ共に60ポンド
の張力で張設した。このラケットを、上級レベルのプレ
ーヤーに実際に試打して、打球性を比較、調査した。
【0041】その結果、本発明品は、比較例に比べ重量
感、振り抜き性、面安定性、打球音については、明らか
に改善効果が認められ、参考例の天然ガットに比べ反撥
性も加え、極めて近似しているとの評価結果を得た。
【0042】(実施例2)本実施例においても、比重を
調整する複合成分が、ポリアミド/鉛複合繊維の例につ
いて図3を用いて説明する。
【0043】被覆成分繊維として直径0.218mmの
ポリアミド/鉛複合モノフィラメント24、「アミラン
M」、800D(東レ株式会社製、比重2.356)7
本と、直径0.202mmのナイロン6,6モノフィラ
メント25を7本を交互に用い、ラセン状に巻き付けて
た以外は、実施例1と同様にしてストリング20を作製
した。21は直径0.87mmのナイロン6のモノフィ
ラメント、22は鉛成分、23はナイロン成分、26は
接着剤層(樹脂被覆部)である。
【0044】得られたストリングは、引張強力67.3
kg、結節強力34.7kg、伸度25.9%、直径
1.278mmであった。目付は、1.7902g/
m、比重Dは、1.40であった(表1−実施例2)。
【0045】実施例1と同様に打球性を比較、調査した
結果、参考例3の天然ガットの性能と極めて近似した性
能であるとの評価結果を得た。 (実施例3)本実施例では、比重を調整する複合成分
が、フッ素を含むポリマーの繊維である例について図4
を用いて説明する。
【0046】芯成分繊維として、直径0.623mmの
ポリフッ化ビニリデン繊維モノフィラメント31(比重
1.77)を用い、被覆繊維としてトータルデニール1
890デニール(フィラメント数:315本)のナイロ
ン6マルチフィラメント32を3本用い(フィラメント
総数945本)、前記被覆繊維32にポリウレタンアク
リレート系の紫外線硬化性樹脂を含浸させ、撚り数:8
0ターン/mで撚を掛けながら前記芯成分繊維31の周
囲に巻き付けつつ、硬化・固定させた。次いで、熱溶融
ナイロン6を用いて、この表面をコーティングした。3
3は熱溶融ナイロン6からなる接着剤層(樹脂被覆部)
である。
【0047】得られたストリング30は、引張強力7
4.5kg、結節強力39.1kg、伸度18.4%直
径1.325mmであった。目付は、1.8070g/
m、比重Dは1.31であった(表1−実施例3)。
【0048】このストリングは、モノフィラメントとマ
ルチフィラメントの複合からなっているにもかかわら
ず、透明性に優れ、外観も天然ガットに極めて近似して
いた。実施例1と同様に打球性を比較、調査した結果、
参考例2の天然ガットの性能と極めて近似した性能であ
るとの評価結果を得た。
【0049】(実施例4)本実施例では、比重を調整す
る複合成分が、フッ素を含むポリマーの繊維である例に
ついて図5を用いて説明する。
【0050】芯成分繊維として、直径0.623mmの
ポリフッ化ビニリデン繊維モノフィラメント(比重1.
77)41を用い、被覆繊維として直径0.140mm
のナイロン6マルチフィラメント42を16本ラセン状
に巻き付けて、同時にナイロン系接着剤を用いて固定し
た。さらに、同種のナイロン6モノフィラメント43、
直径0.195mm、16本をラセン状に巻き付けて、
同時にナイロン系接着剤を用いて固定した。次いで、熱
溶融ナイロン6を用いて、この表面をコーティングし
た。44は熱溶融ナイロン6からなる接着剤層(樹脂被
覆部)である。
【0051】得られたストリング40は、引張強力6
7.8kg、結節強力33.8kg、伸度27.8%、
直径1.316mmであった。目付は、1.7434g
/m、比重Dは1.28であった(表1−実施例4)。
【0052】実施例1と同様に打球性を比較、調査した
結果、参考例3のガットの性能と極めて近似した性能で
あるとの評価結果を得た。以上の実施例の結果をまとめ
て表1に示す。また下記の表1では、実施例1〜4の結
果を示した以外に、参考例として種々のゲージの天然ガ
ットの市販品、また比較例として従来のポリアミド性合
成ストリング、また本発明の範囲外の合成ストリングの
データを掲げた。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明のラケット用
ストリングによれば、ポリアミド系合成繊維と、前記ポ
リアミド系合成繊維よりも比重が大きい繊維を含むスト
リングであって、前記ストリングは前記式(数1)で示
す比重D(ただし25℃で測定)が1.20以上1.6
0以下の範囲であることにより、従来の合成ストリング
では越えられなかった天然ガットの性能、すなわち微妙
なラケットの振り抜き性、面安定性、重量感、打球音な
どが改善され、従来からの良好な張設性、反撥性、応力
緩和の保持性などと相まって、性能がバランス良く兼ね
備えたストリングとすることが可能になった。
【0055】次に本発明の合成ストリングの製造方法に
よれば、ポリアミド系合成繊維を芯成分に用い、鞘成分
としてポリアミド系合成繊維と前記ポリアミド系合成繊
維よりも比重が大きい繊維とを混合して接着剤を塗布し
ながら芯成分の周囲に巻回し、次いで樹脂溶液または溶
融樹脂をコーティングし、乾燥または固化後、伸度調整
のための延伸処理を行い、次に平滑剤を塗布してストリ
ングの比重(ただし25℃で測定)を1.20以上1.
60以下の範囲にすることにより、前記の比重を調整し
たストリングを効率良く合理的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(f)は本発明で使用することが
できるストリングの部分断面を示す一例の斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施例1のストリングの断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例2のストリングの断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例3のストリングの断面図であ
る。
【図5】本発明の実施例4のストリングの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 芯部を構成するモノフィラメント 2 鞘部を構成するマルチフィラメント 3 外側の樹脂被覆部 4,5 鞘部のマルチフィラメント 6 芯部の細いマルチフィラメント 7 芯部のやや太いマルチフィラメント 8 芯部の細いマルチフィラメント 9 芯部のやや太いマルチフィラメント 10,20,30,40 ストリング 11,21 芯成分のモノフィラメント繊維 12,22 鉛成分 13,23 ナイロン成分 14,24 ナイロン/鉛コンジュゲートモノフィラメ
ント 15,26,33,44 接着剤層(樹脂被覆部) 25 ナイロン6,6モノフィラメント 31,41 芯成分繊維のポリフッ化ビニリデン繊維モ
ノフィラメント 32 被覆繊維のナイロン6マルチフィラメント 42,43 被覆繊維のナイロン6マルチフィラメント
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D01F 1/10 D01F 1/10 6/90 301 6/90 301

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド系合成繊維と、前記ポリアミ
    ド系合成繊維よりも比重が大きい繊維を含むストリング
    であって、前記ストリングは下記式(数1)で示す比重
    D(ただし25℃で測定)が1.20以上1.60以下
    の範囲であることを特徴とする合成ストリング。 【数1】
  2. 【請求項2】 ポリアミド系合成繊維が50重量%以上
    の主成分であり、前記ポリアミド系合成繊維よりも比重
    が大きい繊維が50重量%未満の副成分である請求項1
    に記載の合成ストリング。
  3. 【請求項3】 ポリアミド系合成繊維よりも比重が大き
    い繊維が、比重1.50以上の材料で構成されている請
    求項1に記載の合成ストリング。
  4. 【請求項4】 副成分が、ポリアミド繊維に鉛を複合さ
    せたコンジュゲート繊維またはフッ素を含むポリマーの
    繊維である請求項2に記載の合成ストリング。
  5. 【請求項5】 ポリアミド繊維に鉛を複合させたコンジ
    ュゲート繊維が、外側成分がポリアミドであり、内部に
    鉛を存在させた芯鞘コンジュゲート繊維である請求項2
    に記載の合成ストリング。
  6. 【請求項6】 合成ストリングが、芯部を形成する繊維
    と鞘部を形成する繊維からなる芯鞘構造である請求項2
    に記載の合成ストリング。
  7. 【請求項7】 鉛を複合させた芯鞘コンジュゲート繊維
    が、ストリングの鞘部に存在する請求項5に記載の合成
    ストリング。
  8. 【請求項8】 フッ素を含むポリマーの繊維が、ストリ
    ングの芯部及び/または鞘部に存在する請求項5に記載
    の合成ストリング。
  9. 【請求項9】 合成ストリングを構成する繊維が、編組
    または撚糸されている請求項1に記載の合成ストリン
    グ。
  10. 【請求項10】 合成ストリングを構成する繊維が、接
    着剤によって一体化されている請求項1に記載の合成ス
    トリング。
  11. 【請求項11】 ポリアミド系合成繊維を芯成分に用
    い、鞘成分としてポリアミド系合成繊維と前記ポリアミ
    ド系合成繊維よりも比重が大きい繊維とを混合して接着
    剤を塗布しながら芯成分の周囲に巻回し、次いで樹脂溶
    液または溶融樹脂をコーティングし、乾燥または固化
    後、伸度調整のための延伸処理を行い、次に平滑剤を塗
    布してストリングの比重(ただし25℃で測定)を1.
    20以上1.60以下の範囲にすることを特徴とする合
    成ストリングの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002050351A1 (fr) * 2000-12-20 2002-06-27 Daikin Industries, Ltd. Fil retors au tetrafluoroethylene
JP2006345924A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Toray Ind Inc ストリングス
JP2021021431A (ja) * 2019-07-26 2021-02-18 株式会社タナカ繊維商事 ホースカバー

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