JPH08228758A - 培養装置 - Google Patents

培養装置

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JPH08228758A
JPH08228758A JP7063586A JP6358695A JPH08228758A JP H08228758 A JPH08228758 A JP H08228758A JP 7063586 A JP7063586 A JP 7063586A JP 6358695 A JP6358695 A JP 6358695A JP H08228758 A JPH08228758 A JP H08228758A
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JP
Japan
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cover film
layer
medium mixture
culture
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JP7063586A
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Kayoko Miyake
佳代子 三宅
Tomoyuki Suzuki
智之 鈴木
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 微生物の培養装置において、保存性があり、
使用上の簡便性及び培養性能に優れた培養装置を生産性
よく提供する。 【構成】 耐水性の基材シート1と、これに重ねられる
耐水性のカバーフィルム2とで構成され、該基材シート
1とカバーフィルム2のいずれか一方の内側面又は両方
の内側面に、吸水性樹脂と微生物の栄養成分からなる培
地混合物の層3a又は3b を有し、また、培地混合物の
層がカバーフィルムの内側面のみに有る場合は、該基材
シート1の内側面には吸水性樹脂層4a を有する微生物
の培養装置であって、該培地混合物の層3a 、3b 及び
吸水性樹脂層4a 、4b が、それぞれの塗布液を基材シ
ート1上又はカバーフィルム2上に直接塗布・乾燥した
乾燥塗膜で形成された構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菌数検査などに用いら
れる微生物の培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食品などの微生物の数を測定する方法と
して、従来から行われているものに寒天平板混釈法があ
る。この方法は、予め滅菌したシャーレに、高圧蒸気滅
菌した後温度を約45℃とした寒天培地と、別に準備し
た試料液とをそれぞれ所定量分注し、十分に混釈して放
置後、培地が凝固したことを確認して、これを孵卵器な
どに入れて培養し、所定時間後にシャーレの中に発育し
たコロニー数を計数するものである。しかし、この方法
の場合、寒天培地を高圧蒸気滅菌するためのオートクレ
ーブや、一連の微生物検査を無菌的に行うことのできる
検査室が必要であり、また、微生物のサンプリングから
試料液の調整、分注、培地との混釈、培養、計数に至る
微生物検査の操作には熟練を要し、初心者が正確に行う
ことは難しいものであった。
【0003】そこで、簡便に、且つ、高度の熟練を必要
とすることなく、微生物検査を行える方法が研究された
結果、培養装置の一つとして乾燥培地なるものが開発さ
れ、使用されている。このような培養装置として、具体
的には、例えばペトリフィルムプレート(3M社商品
名)があるが、この装置は、防水性の平板とこれに重な
るカバーフィルムとからなり、相対するそれぞれの内面
には、接着剤を塗布し、更にその上に冷水可溶物質(ゲ
ル化剤)の粉末と培地成分、或いは、冷水可溶物質(ゲ
ル化剤)の粉末を散布し、その後、余分な粉末を払い落
とすことにより、乾燥培地を形成したものであり、これ
を更に滅菌して製品としたものである。
【0004】そして、その使用方法の概略は、先ず前記
平板に重ねられたカバーフィルムフィルムを持ち上げ、
平板上に接着剤層を介して形成された培地成分と冷水可
溶物質とからなる乾燥培地上に試料液を所定量分注し、
カバーフィルムを降ろし、その上からプラスチック製の
スプレッダーで押さえて試料液を円形且つ均等に広げて
吸収させる。約1分ほどで冷水可溶物質であるゲル化剤
が凝固するので、凝固したらそのままの状態で孵卵器に
収納し、所定の温度および時間で培養し、発生したコロ
ニー数を計数するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような培
養装置は、ペトリ皿や培地を用意する必要がない点で、
使用上の便利性はあるが、その製造において、平板およ
びカバーフィルムに対してそれぞれ接着剤を塗布、乾燥
し、そして、平板には冷水可溶物質(ゲル化剤)と培地
成分の粉末を、また、カバーフィルムには冷水可溶物質
(ゲル化剤)の粉末をそれぞれ散布し、余分な粉末を払
い落として乾燥培地を形成した上で、両者を重ねて端部
で接合し、更に、滅菌を行うなどの工程で製造されてい
る。これらは工程が複雑であると同時に、粉末の付着に
むらを生じたり、付着量が不安定になり易く、生産性の
点でも手間がかかり、非能率的であり、また、製造コス
トも高価になるという問題があった。
【0006】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、製造工程
を簡略化、省力化して生産効率を高めると共に、培地成
分などの塗布量を均一、且つ安定化することができ、培
養装置の保存性があり、使用上の簡便性、および、微生
物培養の性能に優れた培養装置を安価に提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下の本
発明により達成される。即ち、本請求項1の発明は、基
材シートと、これに重ねられるカバーフィルムからなる
培養装置であって、該基材シート上または該カバーフィ
ルム上の少なくとも一方の内側面に、吸水性樹脂と微生
物の栄養成分からなる培地混合物の層を、塗布、乾燥す
ることにより設けたことを特徴とする培養装置からな
る。
【0008】本請求項2の発明は、前記吸水性樹脂が電
子線架橋型のポリアクリルアミドであることを特徴とす
る請求項1記載の培養装置からなる。また、本請求項3
の発明は、前記吸水性樹脂がポリエチレンオキシドであ
ることを特徴とする請求項1記載の培養装置からなる。
そして、本請求項4の発明は、前記吸水性樹脂がカルボ
キシメチルセルロースであることを特徴とする請求項1
記載の培養装置からなっている。
【0009】〔好ましい実施態様〕次に、本発明の好ま
しい実施態様について図面を用いて詳細に説明する。図
1の(A),(B),(C),(D)は、それぞれ本発
明の培養装置の一実施例の構成を説明する模式断面図で
ある。図1(A)は、基材シート1上のみに培地混合物
の層3a を設け、カバーフィルム2には培地混合物の層
も吸水性樹脂層も設けない構成である。この場合、生産
コストが図1(B)(C)(D)と比較すると安価であ
る。図1(B)は、基材シート1上とカバーフィルム2
上の両方の内側面に、それぞれ培地混合物の層3a 若し
くは3b を設けた構成である。図1(C)は、基材シー
ト1上の内側面に培地混合物の層3a を設け、カバーフ
ィルム2上の内側面には吸水性樹脂層4b を設けた構成
である。図1(D)は、基材シート1上の内側面に吸水
性樹脂層4a を設け、カバーフィルム2上の内側面に培
地混合物の層3b を設けた構成である。上記図1(B)
(C)(D)は、(A)と比較すると、保水の効果が得
られ易い。また、図1(D)のように、カバーフィルム
2上のみに培地混合物の層3bを設けた場合は、菌検査
時に、まず、基材シート1上に試料液を分注することか
ら、その定着をはかるため、基材シート1上には図に示
すように吸水性樹脂の層4a を設けておくことが望まし
い。
【0010】図2は、本発明の培養装置の一実施例を説
明する斜視図であり、二枚重ねられた、培地混合物の層
3a を設けた基材シート1と、培地混合物の層3b を設
けたカバーフィルム2とが接着部5で接着されており、
カバーフィルム2を持ち上げた状態を示している。尚、
基材シート1には、培地混合物の層3a を設ける前に予
め枡目印刷柄6を印刷しておくことにより、コロニーの
計数が容易になる。実際の使用時には、この状態で基材
シートの中心部の培地混合物の層3a 上の試料液滴下位
置7に試料液を所定量滴下し、続いて、カバーフィルム
2を降ろし、その上から軽く押さえることにより、試料
液は、略、試料液拡がり領域8のように拡がり、培地混
合物の層3a および3b が試料液の水分を吸収して培養
に適したゲルを形成する。
【0011】以下に本発明の培養装置の構成材料等につ
いて説明する。先ず、基材シート1は、耐水性を有する
ことが必要であり、例えば、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックシートが使用で
きる。これらは無着色の透明でもよいが、白色に着色し
たものが生育させたコロニーを見やすく、計数をしやす
くする点で好ましい。プラスチックシート以外では、耐
水加工を施した紙も使用可能であり、例えば、紙に合成
樹脂を塗布したもの、或いは、プラスチックフィルムを
ラミネートしたものなどが使用できる。
【0012】基材シート1は、カールなどがなく平坦で
あることが好ましく、その厚さは、特に限定はされない
が、通常、50〜500μm程度の範囲であり、80〜
200μmがより好ましい。また、基材シート1には、
予め水に不溶性で微生物の生育に影響を与えないインキ
で枡目印刷柄6などを印刷しておくことが、コロニーの
計数を容易にする点で好ましい。
【0013】カバーフィルム2は、耐水性を有すると同
時に、微生物の培養後、カバーフィルムを通してコロニ
ーを計数するため透明であることが好ましく、例えば、
前記基材シートで挙げたようなポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックのフィルムを使
用することができる。
【0014】また、培養試験の際、カバーフィルム2は
基材シート1から持ち上げて、試料液を滴下するため、
適度の柔軟性を有する材質および厚さのものが好まし
い。従って、カバーフィルム2の厚さは、10〜200
μm程度が好ましく、20〜70μm程度が更に好まし
い。
【0015】尚、基材シート1およびカバーフィルム2
は、それぞれに塗布し、形成する培地混合物の層(3a
もしくは3b )または吸水性樹脂層(4a もしくは4b
)との接着性が必要であり、接着性が不足する場合に
は上記基材シート1またはカバーフィルム2の塗布面に
コロナ放電処理などの前処理をすることができる。この
ほか、基材シート1およびカバーフィルム2は、培養す
る微生物の種類により、適した気体透過性、主に酸素透
過性を有することが好ましく、この点も考慮して選定す
る。
【0016】本発明において、培地混合物の層3a ,3
b は、吸水性樹脂と微生物の栄養成分とで構成される
が、吸水性樹脂は、培地混合物の層の上に滴下された試
料液中の水分を吸収して培地のゲルを形成し、微生物を
保持して必要な水分と水に溶解している栄養分を供給す
ると共に、塗布された基材シート或いはカバーフィルム
と適度の接着性を有することが必要である。この点から
吸水性樹脂としては、例えば、電子線架橋型のポリアク
リルアミド、ポリエチレンオキシド、そして、カルボキ
シメチルセルロースなどが好適に使用できる。また、微
生物の栄養成分としては、酵母エキス、ペプトン、リン
酸水素二カリウム、ぶどう糖、乳糖、塩化ナトリウムな
どが挙げられ、これらの中から発育させようとする微生
物に応じて一種またはそれ以上を選択し、混合して使用
することができる。
【0017】このほか、培地成分には微生物に代謝され
得る染料を添加することができる。このような染料は、
培養過程において発育する微生物に代謝され、コロニー
が着色されるために、コロニー数の計数を極めて容易に
する効果がある。このような染料として具体的には、ト
リフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)、p−
トリルテトラゾリウムレッド、テトラゾリウムバイオレ
ット、ペテトリルテトラゾリウムブルーなどが挙げられ
る。
【0018】以上のような成分で構成される培地混合物
を基材シート1またはカバーフィルム2に塗布する方法
としては、上記吸水性樹脂、栄養成分、また、必要な場
合には染料をそれぞれ水または有機溶剤に溶解若しくは
懸濁させ、所定の配合割合で混合、攪拌した後、ロール
コート、バーコート、エアナイフコート、コンマコー
ト、グラビアコートなど公知の方法で塗布し、加熱乾燥
することにより培地混合物の層を形成することができ
る。
【0019】また、吸水性樹脂を単独で基材シート1ま
たはカバーフィルム2に塗布して吸水性樹脂層〔図1の
(C)4b,(D)4a 〕を形成する場合も、上記と同様
にロールコート、バーコート、エアナイフコート、コン
マコート、グラビアコートなどの方法で塗布し、加熱乾
燥することにより形成できる。只、吸水性樹脂として電
子線架橋型のポリアクリルアミドを用いた場合は、培地
混合物の層の場合も、吸水性樹脂層の場合も共に、常法
で塗布・乾燥した後、更に10Mrad 程度の電子線を照
射して架橋させることにより、使用時に吸水して良好な
ゲルを形成するようになる。以上のような培地混合物の
層、或いは吸水性樹脂層の厚さは、乾燥時の厚さで20
〜200μm程度が適当である。厚さが20μm以下の
場合は、試料液中の水分を吸収する能力が不足する。ま
た、厚さ200μm以上の必要はなく、乾燥に時間もか
かり不経済である。乾燥装置の能力にもよるが、1回コ
ートで塗布しきれない場合は数回に分けて塗布すること
ができる。
【0020】
【作用】本発明の培養装置は、耐水性の基材シートと、
これに重ねられる耐水性のカバーフィルムとで構成さ
れ、該基材シートとカバーフィルムのいずれか一方の内
側面または両方の内側面に吸水性樹脂と微生物の栄養成
分とからなる培地混合物の層が設けられ、また、該培地
混合物の層がカバーフィルムの内側面のみに設けられる
場合は、該基材シートの内側面には吸水性樹脂の層が設
けられた微生物の培養装置であって、該培地混合物の層
が基材シート及び/又はカバーフィルムに直接塗布され
た培地混合物の乾燥塗膜で形成され、且つ、装置全体が
予め滅菌されている。従って、微生物の培養試験に際し
てペトリ皿や寒天培地を準備したり、また、これらを滅
菌する必要がなく、被検試料液を基材シートの培地混合
物の層または吸水性樹脂層の上に滴下し、カバーフィル
ムを被せ、その上から軽く押し拡げるだけで培養に適し
た培地が形成され、そのままインキュベーションに供す
ることができる。
【0021】また、培養装置の製造においても、基材シ
ートまたはカバーフィルムに培地混合物の層または吸水
性樹脂層を形成する際、接着剤層を設けて粉末状の栄養
成分やゲル化剤を振りかけて、余分な粉末を払い落とす
方式ではなく、培地混合物層用塗布液または吸水性樹脂
液を公知のコーティング手段で直接、塗布し、加熱乾燥
して形成しているので、塗布量を均一に、且つ安定化す
ることができる。そして、吸水性樹脂として、電子線架
橋型のポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、カ
ルボキシメチルセルロースの中のいずれかを用いること
により、基材シートやカバーフィルムとの接着性および
試料液中の水分吸収性が特に良好となり、ゲル状培地が
容易に形成できるようになる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を具体的な実施例、比較例を挙
げて詳細に説明する。 (実施例1)基材シートとして厚さ100μmの2軸延
伸ポリエステルフィルム(以下PETフィルムと表示す
る)〔ルミラー 東レ(株)製〕を用い、その一方の面
にグラビア印刷によりピッチ10mmの枡目柄を印刷し
た後、その上に下記の組成に調整した培地混合物層用塗
布液をコンマコーターにより3回コートで乾燥時の膜厚
が50μmとなるように塗布・乾燥して培地混合物の層
を設けた基材シートを作成した。 培地混合物層用塗布液の組成 電子線架橋型ポリアクリルアミド10重量%水溶液 1500重量部 酵母エキス 5重量部 ペプトン 10重量部 ブドウ糖 2重量部
【0023】次に、カバーフィルムとして厚さ50μm
のPETフィルム〔ルミラー 東レ(株)製〕を用い、
その一方の面に前記基材シートと同じ上記培地混合物層
用塗布液をコンマコーターにより乾燥時の膜厚が20μ
mとなるように塗布・乾燥して培地混合物の層を設けた
カバーフィルムを作成した。上記で得た基材シートとカ
バーフィルムの培地混合物塗布面同士を重ね合わせて、
10×10cm角のサイズにカットし、一辺を接着剤に
より接着した。このように作成した培養装置に10Mra
d の電子線を照射してポリアクリルアミドの架橋を行う
と同時に全体の滅菌を行って実施例1の培養装置とし
た。
【0024】(実施例2)実施例1の構成において、基
材シートに塗布した培地混合物層用塗布液を下記の組成
の塗布液に換え、また、カバーフィルムに塗布した培地
混合物層用塗布液を電子線架橋型ポリアクリルアミドの
10重量%水溶液単独の塗布液に換えて吸水性樹脂のみ
の層とした他は、総て実施例1と同様に加工して実施例
2の培養装置を作成した。 培地混合物層用塗布液の組成 電子線架橋型ポリアクリルアミド10重量%水溶液 1000重量部 酵母エキス 5重量部 ペプトン 10重量部 ブドウ糖 2重量部
【0025】(実施例3)実施例1の構成において、培
地混合物層用塗布液の成分の中、吸水性樹脂として用い
た電子線架橋型ポリアクリルアミドをポリエチレンオキ
シド〔アクアコーク 住友精化(株)製〕に換え、下記
の組成の培地混合物層用塗布液とした他は、総て実施例
1と同様に加工して実施例3の培養装置を作成した。
尚、この場合、電子線照射は滅菌の目的である。 培地混合物層用塗布液の組成 ポリエチレンオキシド〔アクアコーク 住友精化(株)製〕 の10重量%トルエン溶液 1500重量部 酵母エキス 5重量部 ペプトン 10重量部 ブドウ糖 2重量部
【0026】(実施例4)実施例3の構成において、基
材シートに塗布した培地混合物層用塗布液を下記の組成
の塗布液に換え、また、カバーフィルムに塗布した培地
混合物層用塗布液をポリエチレンオキシド〔アクアコー
ク 住友精化(株)製〕の10重量%トルエン溶液単独
に換えて吸水性樹脂のみの層とした他は、総て実施例3
と同様に加工して実施例4の培養装置を作成した。この
場合も電子線照射は滅菌の目的で実施した。 培地混合物層用塗布液の組成 ポリエチレンオキシド〔アクアコーク 住友精化(株)製〕 の10重量%トルエン溶液 1000重量部 酵母エキス 5重量部 ペプトン 10重量部 ブドウ糖 2重量部
【0027】(評価および結果)以上のように作成した
実施例1、2、3、4の培養装置について、下記の試験
を行い、その性能を評価した。 (吸水性の確認)前記実施例1〜4の各培養装置につい
て、基材シートの培地混合物の層の上に1mlの純水を滴
下し、直ちに、その上に、別途用意した直径50mmの円
形に打ち抜いたそれぞれのカバーフィルムを乗せ、純水
を円形カバーフィルム全体の面積に拡げて吸水の様子を
観察した。判定は、純水を円形カバーフィルム全体の面
積に拡げた後、30秒後から10秒おきに全体を45°
に傾斜させて、純水が流れ出なくなる秒数をチェックし
た結果、いずれも50〜60秒で流出が見られなくなっ
た。この結果は、培養装置の吸水性として十分満足でき
るものである。
【0028】(培養試験1)菌液の調整 菌株として大腸菌を使用し、液体培地(NUTRIENT BROT
H)で37℃で24時間振盪培養を行った菌液を滅菌生
理食塩水で菌数が102 /mlとなるように希釈して、菌
液とした。この時、菌液には、菌体コロニーの計数を容
易にするため、TTCを添加した。上記の菌液を、実施
例1と実施例2の培養装置各5個の基材シートの培地混
合物の層の上に滅菌済みピペットで各1ml接種し、カバ
ーフィルムを被せた後、菌液を軽く押し拡げて放置し、
水分を吸収させた。一方、比較用として、前記菌液1ml
を従来の混釈法により、ペトリ皿に準備した標準寒天培
地に混釈して比較用培養試料とした(試料数5個作
成)。以上のように作成した実施例1、2の培養装置試
料と比較用の培養試料とをインキュベーターに入れて3
7℃で48時間培養し、発生したコロニー数を計数し、
各々のデータと平均値を表1に示した。
【0029】
【表1】 菌数測定結果(大腸菌)〔単位:個〕
【0030】(培養試験2)菌液の調整 たらこ50gを滅菌生理食塩水450mlと共にホモジナ
イズし、更に、滅菌生理食塩水により、1ml中の菌数が
20〜200の範囲となる程度に希釈して菌液とした。
この菌液にも培養試験1の場合と同様TTCを添加し
た。上記の菌液を、実施例3と実施例4の培養装置各5
個の基材シートの培地混合物の層の上に、滅菌済みピペ
ットで各1ml接種し、カバーフィルムを被せた後、菌液
を軽く押し拡げて放置し、水分を吸収させた。一方、比
較用として、上記菌液1mlを従来の混釈法により、ペト
リ皿に準備した標準寒天培地に混釈して比較用の培養試
料とした(試料数は5個作成)。以上のように作成した
実施例3、4の培養装置試料と比較用の培養試料とをイ
ンキュベーターに入れて37℃で48時間培養し、発生
したコロニー数を計数し、各々のデータと平均値を表2
に示した。
【0031】
【表2】 菌数測定結果(たらこ)〔単位:個〕
【0032】以上の培養試験1および2の結果から明ら
かなように、本発明の実施例1、2、3、4の培養装置
を用いた培養試験の結果は、従来の混釈法による標準寒
天培地を用いた培養試験の結果と略一致しており、簡便
な培養装置として十分実用可能であることを示してい
る。
【0033】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明の培
養装置によれば、培地が培地混合物の乾燥塗膜層として
設けられ、装置全体が予め滅菌されているので、オート
クレーブなど特別な装置を必要とせず、保存性があり、
また、極めて簡単な操作で微生物の培養が可能となり、
食品工場等における菌検査などにも容易に利用できる。
そして、本発明の培養装置は、その製造面において、培
地混合物層用塗布液または吸水性樹脂層用塗布液を基材
シートまたはカバーフィルムに直接コーティングし、加
熱乾燥することにより培地混合物の層または吸水性樹脂
層を形成できるため、製造工程が簡略化、省力化される
と共に、均一で安定した乾燥塗膜が形成され、性能にも
優れた培養装置を提供できる効果を奏する。また、吸水
性樹脂として、電子線架橋型のポリアクリルアミドを用
いる場合には、基材シートまたはカバーフィルムに塗布
し、加熱乾燥した状態で培養装置に加工し、その後、電
子線を照射することにより、樹脂の架橋と培養装置全体
の滅菌とを一工程で同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(A)、(B)、(C)、(D)は、そ
れぞれ本発明の培養装置の一実施例の構成を説明する模
式断面図である。
【図2】図2は、本発明の培養装置の一実施例を説明す
る斜視図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2 カバーフィルム 3a , 3b 培地混合物の層 4a ,4b 吸水性樹脂層 5 接着部 6 枡目印刷柄 7 試料液滴下位置 8 試料液拡がり領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、これに重ねられるカバー
    フィルムからなる培養装置であって、該基材シート上ま
    たは該カバーフィルム上の少なくとも一方の内側面に、
    吸水性樹脂と微生物の栄養成分からなる培地混合物の層
    を、塗布、乾燥することにより設けたことを特徴とする
    培養装置。
  2. 【請求項2】 前記吸水性樹脂が電子線架橋型のポリア
    クリルアミドであることを特徴とする請求項1記載の培
    養装置。
  3. 【請求項3】 前記吸水性樹脂がポリエチレンオキシド
    であることを特徴とする請求項1記載の培養装置。
  4. 【請求項4】 前記吸水性樹脂がカルボキシメチルセル
    ロースであることを特徴とする請求項1記載の培養装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009207394A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Dainippon Printing Co Ltd 微生物培養シート
JP2015084724A (ja) * 2013-10-31 2015-05-07 大日本印刷株式会社 フィルム培地用スキャナ装置およびコロニーカウント装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009207394A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Dainippon Printing Co Ltd 微生物培養シート
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