JPH08336381A - 培養装置 - Google Patents

培養装置

Info

Publication number
JPH08336381A
JPH08336381A JP16785695A JP16785695A JPH08336381A JP H08336381 A JPH08336381 A JP H08336381A JP 16785695 A JP16785695 A JP 16785695A JP 16785695 A JP16785695 A JP 16785695A JP H08336381 A JPH08336381 A JP H08336381A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
water
culture
laminated
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP16785695A
Other languages
English (en)
Inventor
Kayoko Miyake
佳代子 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP16785695A priority Critical patent/JPH08336381A/ja
Publication of JPH08336381A publication Critical patent/JPH08336381A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/22Transparent or translucent parts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/20Material Coatings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/38Caps; Covers; Plugs; Pouring means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/02Membranes; Filters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M45/00Means for pre-treatment of biological substances
    • C12M45/22Means for packing or storing viable microorganisms

Abstract

(57)【要約】 【目的】 菌数検査などに用いる微生物の培養装置にお
いて、その保存性、使用時の簡便性及び培養性能に優れ
ると共に釣菌も可能な培養装置を提供する。 【構成】 防水性の基材シート1と、これに被せられる
水分不透過性で透明なカバーフィルム6とを備え、その
いずれか一方の内面、又は両方の内面に吸水性樹脂層3
を積層し、更に、そのいずれか一方の内面に培養基層7
を積層した後、その基材シート側の内面に微生物が代謝
し得る染料を付着させた所定寸法の繊維質シート5a を
設けた構成。吸水性樹脂層3にはポリエチレンオキシド
を用いることが好ましく、培養基層7のバインダーには
ポリアクリルアミドが好ましい。吸水性樹脂層の積層の
際、接着が弱い時には接着層2a などを設けてもよい。
また、上記染料は培養基層7に含有させてもよく、水溶
性バインダーと共に単独の染料層としてカバーフィルム
側の内面等に積層してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、菌数検査などに用いら
れる微生物の培養装置に関し、更に詳しくは、長期保存
が可能で、且つ、使用時の操作が簡便な培養装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品などの微生物の数を測定する方法と
して、従来から行われているものに寒天平板混釈法があ
る。この方法は、予め滅菌したシャーレに、高圧蒸気滅
菌した後温度を約45℃とした寒天培地と、別に準備し
た試料液とをそれぞれ所定量分注し、十分に混釈して放
置後、培地が凝固したことを確認して、これを孵卵器な
どに入れて培養し、所定時間後にシャーレの中に発育し
たコロニー数を計数するものである。しかし、この方法
の場合、寒天培地を高圧蒸気滅菌するためのオートクレ
ーブや、一連の微生物検査を無菌的に行うことのできる
検査室が必要であり、また、微生物のサンプリングから
試料液の調整、分注、培地との混釈、培養、計数に至る
微生物検査の操作には熟練を要し、初心者が正確に行う
ことは難しいものであった。
【0003】そこで、簡便に、且つ、高度の熟練を必要
とすることなく、微生物検査を行える方法が研究された
結果、培養装置の一つとして乾燥培地なるものが開発さ
れ、使用されている。このような培養装置としては、例
えばペトリフィルムプレート〔スリーエム社商品名〕や
BACcT〔島久薬品(株)商品名〕などがある。
【0004】前者のペトリフィルムプレートは、防水性
の平板とこれに重なるカバーフィルムとからなり、相対
するそれぞれの内面には、接着剤を塗布し、更にその上
に冷水可溶物質(ゲル化剤)の粉末と培地成分、或い
は、冷水可溶物質(ゲル化剤)の粉末を散布し、その
後、余分な粉末を払い落とすことにより、乾燥培地を形
成したものであり、これを更に滅菌して製品としたもの
である。そして、その使用方法の概略は、先ず前記平板
に重ねられたカバーフィルムフィルムを持ち上げ、平板
上に接着剤層を介して形成された培地成分と冷水可溶物
質とからなる乾燥培地上に被検液を所定量接種し、接種
後、カバーフィルムを降ろし、その上からプラスチック
製のスプレッダーで押さえて被検液を円形且つ均等に広
げて吸収させる。約1分ほどで冷水可溶物質であるゲル
化剤が凝固するので、凝固したらそのままの状態で孵卵
器に収納し、所定の温度および時間で培養し、発生した
コロニー数を計数するものである。
【0005】また、後者のBACcTは、防水性の平板
とこれを覆う透明カバーフィルムとを有し、その防水性
平板のカバーフィルムと相対する側の面には、固着剤の
溶液中に冷水可溶性ゲル化剤と微生物培養基の混合物を
添加して泥状に混練した塗布液を塗布、乾燥して被覆を
形成し、その上の少なくとも一部に繊維質吸水性シート
を積層し、また、カバーフィルムの防水性平板に相対す
る側の面には、固着剤の溶液中に、冷水可溶性ゲル化剤
と微生物培養基の混合物、または、冷水可溶性ゲル化剤
を添加して混練した塗布液を塗布、乾燥して被覆を形成
した後、これらを滅菌して製品としたものである。この
BACcTの使用法は、防水性の平板を覆うカバーフィ
ルムを持ち上げ、防水性平板上の冷水可溶性ゲル化剤と
微生物培養基の混合物の被覆層上に積層された繊維質吸
水性シート上に被検液を所定量接種する。その後、カバ
ーフィルムを降ろす。これにより被検液は繊維質吸水性
シートの繊維の重なりによる毛細管現象により、吸水性
シート全体に拡散し、微生物の培養基が溶解し、冷水可
溶性ゲル化剤が吸水してゲル化する。この時繊維質吸水
性シートの繊維はゲルの中に包み込まれ、或いはゲルに
粘着する。その後、孵卵器に入れ、所定の温度と時間で
培養し、発生したコロニー数を計数するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような培養装置
は、微生物の培養を行う際に、その都度ペトリ皿や培地
を用意する必要がない点で、使用上の便利性を有してい
る。しかし、前者のペトリフィルムプレートの場合、そ
の使用方法は、カバーフィルムを持ち上げ、平板上に接
着剤層を介して形成された培地成分と冷水可溶物質とか
らなる乾燥培地上に被検液を所定量接種し、カバーフィ
ルムを降ろした後、その上からプラスチック製のスプレ
ッダーで押さえて被検液を均一に広げ、スプレッダーを
約1分間乗せたままにして冷水可溶物質に水分を吸収さ
せゲルを形成すると同時に培地成分を溶解させるもので
ある。このためスプレッダー1個では、1分間に一つの
試料しか処理できず、また、スプレッダーがずれると被
検液が乾燥培地上に更に広がってしまうという不都合が
生じる。
【0007】また、BACcTの場合は、前記したよう
に防水性平板側の繊維質吸水性シート上に被検液を滴下
することにより、繊維間の毛細管現象でシート全体に被
検液が広がり、その下の冷水可溶性ゲル化剤のゲル化と
培養基の溶解が行われる。この時、繊維質吸水性シート
の繊維はゲルの中に包み込まれ、或いはゲルに粘着され
ている。従って、被検液の広がり領域は略一定にできる
が、菌体は、繊維質吸水性シートの繊維の中に入り込ん
でおり、シート内で増殖が進行する。この時ゲル化剤に
吸収されない固着剤により、発生したコロニーが滲んだ
状態に見え不鮮明となる傾向がある。このため特に、菌
体が接近して増殖した場合には、計数が難しくなるとい
う問題がある。また、繊維質吸水性シートがゲル中に包
み込まれ、或いはゲルに粘着しているため、培養後、釣
菌の必要がある場合でもカバーフィルムを持ち上げると
繊維質吸水性シートが破壊され釣菌ができないという問
題もある。
【0008】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、培養装置
として保存性があり、培養に際してその都度、培地を調
整する必要がなく、操作も簡便で、特に、被検液を接種
した際、スプレッダーなどを必要とせず、容易に一定の
面積に均一に広げることができ、且つ、発生したコロニ
ーが明瞭に判別でき、培養の精度に優れると同時に、必
要な場合には釣菌も容易にできるという利用範囲の広い
微生物の培養装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題は下記の本発
明により解決される。即ち、本請求項1の発明は、防水
性の基材シートと該基材シート上に被せられる水分不透
過性で透明なカバーフィルムとを備え、該基材シートと
カバーフィルムのいずれか一方の内面、または両方の内
面に吸水性樹脂層を積層し、更に、そのいずれか一方の
内面に微生物の培養基層を積層した後、該基材シート側
の内面に、所定寸法の繊維質シートを設けたことを特徴
とする微生物の培養装置からなる。
【0010】本請求項2の発明は、前記吸水性樹脂層が
ポリエチレンオキシドからなることを特徴とする請求項
1記載の微生物の培養装置である。また、本請求項3の
発明は、前記培養基層がポリアクリルアミドを含有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の微生物の培
養装置からなる。
【0011】
【作用】以上のように本発明の微生物の培養装置は、防
水性の基材シートと該基材シート上に被せられる水分不
透過性で透明なカバーフィルムとを備え、該基材シート
とカバーフィルムのいずれか一方の内面、または両方の
内面に吸水性樹脂層を積層し、更に、そのいずれか一方
の内面に微生物の培養基層を積層した後、該基材シート
側の内面に所定寸法の繊維質シートを設けた構成であ
る。従って、微生物の培養に際して、培養装置のカバー
フィルムを持ち上げて基材シート側の内面に設けられた
所定寸法の繊維質シート上に、ピペットなどを用いて一
定量の被検液を滴下し、カバーフィルムを降ろすことに
より、被検液が繊維質シートの全域に繊維間の毛細管現
象により拡散し、繊維質シートに吸収され、これと接す
る培養基層を溶解し、更に、吸水性樹脂層を膨潤、ゲル
化させ、微生物に栄養分と水分とを供給できるようにな
る。
【0012】この時、被検液中の微生物は、繊維質シー
ト全体に均一に分散して捕捉されるので、そのまま孵卵
器に入れて培養することができ、培養により容易に計数
のできるシャープなコロニーを形成できる。そして、吸
水性樹脂層に、ポリエチレンオキシドなどを用いた場
合、被検液の水分を吸収して容易にゲルを形成し、微生
物に水分を供給でき、また、繊維質シートと強く粘着す
ることもないため、吸水性樹脂層をカバーフィルム側の
内面に積層した場合でも、培養後、自由にカバーフィル
ムを基材シート側に設けた繊維質シートから剥がすこと
ができ、釣菌が必要な場合には、容易にこれを実施する
ことができる。また、微生物の培養基層が、培養基のバ
インダーとして、ポリアクリルアミドを含有する場合に
は、その塗布面となる基材シート、カバーフィルム、或
いは吸水性樹脂層(例えばポリエチレンオキシド)など
に対して適度の接着性を有し、培養基をこれらの面に良
好に固定できると共に、被検液の水分により培養基層が
容易に溶解し、微生物に栄養分を供給できるようにな
る。尚、カバーフィルム自体は、培養操作中の落下菌な
どによる汚染を防止すると共に、ゲルなどから水分が蒸
発するのを防止する働きをする。
【0013】
【実施例】次に、図面および実施例により、本発明を詳
細に説明する。図1、図2、図3は、それぞれ本発明の
培養装置の一実施例の構成を説明する模式断面図であ
る。尚、本発明はこれらに限定するものではない。図1
の培養装置20は、基材シート1上にコロニーの計数を容
易にするための枡目柄(図示せず)を印刷し、その上に
接着層2a 、吸水性樹脂層3を順に積層して本体シート
4a を作成し、更にその上に微生物が代謝し得る染料を
付着させた所定寸法の繊維質シート5a を設けて本体部
分を構成する。そして、その上にカバーフィルム6の一
方の面に培養基層7を積層したカバーシート8a を、そ
の培養基層7面が本体側の繊維質シート(染料付き)5
a に接するように重ね合わせて、該カバーシート8a が
開閉できるようにその一端の接合部10で本体シート4a
とカバーシート8a とを接合した構成である。
【0014】上記の構成においてカバーシート8a は、
その接合部10の反対側の端部が本体シート4a から若干
突き出るように大きくしておいて、被検液の接種などの
際、カバーシート8a を摘んで持ち上げるための摘み部
とすることが培養装置20を使い易くする点で好ましい。
このことは本発明の培養装置全体に共通して言えること
である。また、図1の構成において接着層2a 、および
繊維質シート(染料付き)5aに付着させた染料は、必
要のない場合には除くこともできる。更に、カバーシー
ト8a は、本体シート4a と接合せずに別体として用い
ることもできる。只、培養中に位置ずれなどを生じた場
合には落下菌による汚染やゲルの水分蒸発などの問題が
でるため接合しておくことが好ましい。
【0015】図2の培養装置20は、基材シート1上に、
図1の場合と同様、枡目柄(図示せず)を印刷し、その
上に培養基層7を積層して本体シート4b を作成し、更
にその上に微生物が代謝し得る染料を付着させた所定寸
法の繊維質シート5a を設けて本体部分を構成する。そ
して、その上にカバーフィルム6の一方の面に接着層2
b 、吸水性樹脂層3を順に積層したカバーシート8b
を、その吸水性樹脂層3面が本体側の繊維質シート(染
料付き)5a に接するように重ね合わせて、該カバーシ
ート8b が開閉できるようにその一端の接合部10で本体
シート4b とカバーシート8b とを接合した構成であ
る。尚、この構成においても接着層2b 、および繊維質
シート(染料付き)5a に付着させた染料は、必要のな
い場合には除くことができる。
【0016】図3の培養装置20は、基材シート1上に図
1の場合と同様に枡目柄(図示せず)を印刷し、その上
に接着層2a 、吸水性樹脂層3、培養基層7を順に積層
して本体シート4c を作成し、更にその上に繊維質シー
ト5b を設けて本体部分を構成する。そして、その上に
カバーフィルム6の一方の面に微生物が代謝し得る染料
と固着剤からなる染料層9を積層したカバーシート8c
を、その染料層9面が本体側の繊維質シート5b に接す
るように重ね合わせて、該カバーシート8c が開閉でき
るようにその一端の接合部10で本体シート4c とカバー
シート8c とを接合した構成である。上記の構成におい
ても接着層2a 、および染料層9は、必要のない場合に
は除くことができる。
【0017】以下に本発明の培養装置の構成材料等につ
いて説明する。基材シート 基材シート1は、防水性を有することが必要であり、例
えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなど
のプラスチックシートの単体、或いは、これらの積層体
が使用できる。これらのプラスチックシートは、無着色
の透明でもよいが、白色に着色したものが生育させたコ
ロニーを観察し易く、計数し易い点で好ましい。プラス
チックシート以外では、耐水加工を施した紙も使用可能
であり、例えば、紙に合成樹脂を塗布または押し出しコ
ートしたもの、或いは、プラスチックフィルムをラミネ
ートしたものなどが使用できる。
【0018】基材シート1は、カールなどがなく平坦で
あることが好ましく、その厚さは、特に限定はされない
が、通常、50〜500μm程度の範囲であり、80〜
300μm程度がより好ましい。基材シート1には、予
め水に不溶性で微生物の生育に影響を与えないインキで
枡目柄を印刷しておくことが、コロニーの計数を容易に
する点で好ましい。印刷の版式は、特に限定されず何で
もよいが、着色剤、樹脂、溶剤などの選択範囲が広い
点、および、後加工で吸水性樹脂層3、培養基層7など
を積層する際、ロール状で連続的に加工する方が生産性
がよく、これらを考慮して巻取り印刷の可能な輪転グラ
ビア印刷などが好ましい。枡目の大きさは、通常1cm
角程度が適当である。
【0019】カバーフィルム カバーフィルム6は、防水性、水蒸気不透過性を有する
と同時に、微生物の培養後、カバーフィルム6を通して
コロニーを計数するのが一般的であるため透明であるこ
とが好ましく、例えば、前記基材シート1で挙げたよう
なポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ
スチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどのプ
ラスチックフィルムを単体、或いは、これらの積層体で
使用することができる。また、培養試験の際、カバーフ
ィルム6は、基材シート1から持ち上げて被検液を滴下
するため、適度の柔軟性を有する材質および厚さのもの
が好ましい。従って、カバーフィルム6の厚さは、10
〜200μm程度が好ましく、20〜100μm程度が
更に好ましい。
【0020】尚、上記基材シート1またはカバーフィル
ム6に吸水性樹脂層3、培養基層7、染料層9などを積
層する場合、これらが適度に接着する必要があり、接着
性が不足する場合には、基材シート1またはカバーフィ
ルム6の積層面にコロナ放電処理やアンカーコートなど
の前処理をしたり、接着層2a 、2b を設けることがで
きる。このほか、基材シート1およびカバーフィルム6
は、培養する微生物の種類により、適した気体透過性、
主に酸素透過性を有することが好ましく、前記水蒸気不
透過性と併せて判断すると、少なくとも基材シート1と
カバーフィルム6のいずれか一方には、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィンを用いることが好
ましい。
【0021】吸水性樹脂層 本発明において、基材シート1とカバーフィルム6のい
ずれか一方の内面、または両方の内面に積層する吸水性
樹脂層3は、培養に際して被検液の水分を吸収して微生
物の培養に適したゲルを形成し、微生物を捕捉すると共
に吸収した水分を微生物に供給する機能を果たすもので
ある。また、被積層材である基材シート1やカバーフィ
ルム6に対して適度の接着性を有することも必要であ
る。このような吸水性樹脂として、具体的にはポリエチ
レンオキシド、電子線架橋型ポリアクリルアミド、カル
ボキシメチルセルロースなどが使用できる。これらの
中、ポリエチレンオキシドの中には、溶液として塗布で
きるほか、インフレーション成形機やTダイ押し出し機
により単体でフィルム化したり、他の樹脂とブレンドし
てフィルム化できるものもあり、加工性にも優れている
点で特に好ましい。従って、吸水性樹脂層3を積層する
方法は、吸水性樹脂の溶液を塗布、乾燥して積層する方
法のほか、吸水性樹脂を押し出しコーティングして積層
する方法、更には、吸水性樹脂をフィルム化し、これを
接着剤を使用してドライラミネーションにより積層する
方法など、いずれの方法も利用できる。
【0022】このような吸水性樹脂層3の厚さは、樹脂
の種類によっても異なるが通常、25〜100μm程度
の範囲が好ましく、40〜80μmの範囲がより好まし
い。只、吸水性樹脂層3を基材シート1とカバーフィル
ム6の両方の内面に設ける場合は、両者の総厚がこの範
囲であればよい。吸水性樹脂層3の厚さが25μm未満
の場合は、水分吸収能力が不足し水分吸収に時間もかか
り好ましくない、また、厚さが100μm以上は、その
必要性がなく、材料の無駄でもあり好ましくない。尚、
吸水性樹脂層3と基材シート1またはカバーフィルム6
との接着性が弱い場合には、両者の間に接着性を向上さ
せるための中間層として接着層2a 、2bを設けてもよ
い。
【0023】培養基層 本発明の培養装置20では、基材シート1とカバーフィル
ム6のいずれか一方の内面または両方の内面に前記吸水
性樹脂層3を積層した後、そのいずれか一方の内面に微
生物の培養基層7を積層する。従って、培養基層7を積
層する面は、基材シート1面、カバーフィルム6面、或
いは吸水性樹脂層3面のいずれかの面である。そして、
培養基層7の主成分は、微生物の栄養成分であり、例え
ば酵母エキス、ペプトン、リン酸水素二カリウム、ぶど
う糖、乳糖、塩化ナトリウムなどの中から発育させよう
とする微生物の種類に応じて適宜選択し、所定の割合で
混合した混合物を使用する。しかし、これだけでは上記
の各種の面に良好に接着させることができないため、例
えばポリアクリルアミドのような水溶性樹脂をバインダ
ーに使用し、その水溶液に所定の割合に混合した栄養成
分を添加し、これを塗布液として公知のコーティング手
段により塗布、乾燥することにより培養基層7を積層す
ることができる。このような培養基層7の塗布量は、通
常、微生物の栄養成分の量が4g/m2(固形分)程度
になるように調整して塗布することが好ましい。
【0024】繊維質シート 本発明の培養装置20において、本体側の最上層に一定の
大きさで設ける繊維質シート5a 、5b は、接種された
被検液を繊維間の毛細管現象により、その全体に均一に
拡散、浸透させて被検液の広がりを一定にすると共に、
これと直接または間接的に接する培養基層7、および、
繊維質シート5a に付着させた染料、またはカバーフィ
ルム6などに積層された染料層9を溶解し、また、吸水
性樹脂層3をゲル化させる機能を果たすものである。従
って、繊維質シート自体には、水分の吸収性の良好な不
織布や漉き紙などが使用できる。不織布では、レーヨン
のほかポリオレフィン系繊維を使用した不織布も使用で
きるが、レーヨン系の不織布が親水性に優れており、被
検液の拡散も迅速に行われる点で好ましい。漉き紙で
は、水分の吸収性のよいものが適しており、表面コート
のある紙やサイズ効果の強い紙は好ましくなく、フィル
ターペーパーのようなタイプの紙が適している。
【0025】繊維質シート5a 、5b の厚さは、水分の
吸収能力、透明性(生育したコロニーの見やすさ)など
を考慮して決めればよく、不織布の場合の目付け量、紙
の場合の坪量で10〜30g/m2 程度の範囲の比較的
薄いものが適している。このような繊維質シート5a 、
5b の大きさは、通常、その上に接種する被検液の量を
1mlとした場合、直径5cm程度の円形にすることが、被
検液を繊維質シート5a 、5b の全面に均一に拡散、浸
透させ培養に適した培地を形成できる点で好ましい。ま
た、繊維質シート5a 、5b は、培養装置20の本体シー
ト4a 、4b 、4c側の最上層に設けるが、その方法
は、例えばポリアクリルアミドやポリエチレンオキシド
などの溶液を接着剤の代わりに用いて本体側にスポット
状に塗布して貼り合わせて固定してもよく、また、単に
本体部分とカバーシート8a 、8b 、8c との間に挟ん
でおいて使用することもできる。
【0026】染料について 本発明の培養装置20において、微生物の増殖に必要な栄
養成分と水分とは別に、微生物に代謝され得る染料を添
加することによって、形成したコロニーを着色させ、計
数を容易にすることができる。このような染料として具
体的には、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(以
下TTCと表示)、p−トリルテトラゾリウムレッド、
テトラゾリウムバイオレット、ペテトリルテトラゾリウ
ムブルーなどが挙げられる。
【0027】このような染料を培養装置20に適用する方
法は、特に限定されるものではなく、例えば、図1、図
2の場合には、繊維質シート5a に染料の水溶液を塗布
し、乾燥するか、或いは、染料の水溶液に繊維質シート
5a を浸漬した後、引き上げて乾燥させることにより、
染料を繊維質シート5a に付着させることができる。ま
た、図3の場合には、カバーフィルム6の内面に染料と
水溶性バインダーからなる水溶液を塗布、乾燥して染料
層9として積層することができ、更には、培養基層7を
積層する際、その塗布液に予め染料を添加しておいて培
養基層7に含有させて積層することもできる。このよう
に染料の添加は、培養装置20の構成に応じて適する方法
を採用すればよい。また、染料自体の添加量は、培養部
分の面積が直径5cmの円形、即ち、略20cm2 の場
合、この部分に0.01〜0.04mg程度含有するよ
うに調整すればよく、平方メートル当たりに換算すれ
ば、5〜20mg/m2 程度含有することが好ましい。
【0028】本体シートとカバーシートの接合 本発明の培養装置20において、本体シート4a 〜4c と
カバーシート8a 〜8c とは、それぞれ別体として使用
することもできるが、重ね合わせた位置がずれないよう
に一端で接合されていることが好ましい。その接合方法
は、特に限定はされず、接合部、即ち、本体シートとカ
バーシートの内面の材質に応じて適する方法を自由に選
択して接合することができる。例えば、比較的簡便な接
合方法として、テープ状粘着剤や両面粘着テープなどの
粘着剤による方法、或いは、ホットメルト剤による方法
などがあり、これらは比較的被着体の材質を選ばず汎用
的に使用できる。また、接合面同士が同一材質の場合
は、そのままヒートシールにより接合できる場合もあ
り、所謂パートコート剤などのヒートシール剤を塗布す
れば、一層確実にヒートシールすることができる。
【0029】以下に、本発明の培養装置の具体的な実施
例を挙げ、実際に培養試験を行い、その性能を標準寒天
培地を用いた混釈法と比較して説明する。 〔実施例1〕 (本体シートの作成)坪量160g/m2 の巻き取り状
のコップ原紙の表面に、ピッチが各1cmの枡目柄をグ
ラビア輪転印刷機により印刷した後、その両面に低密度
ポリエチレン(以下LDPEと表示)(ミラソン16S
P 三井石油化学工業製)を厚さ20μmで押し出しコ
ートした積層紙を基材シートとし、その枡目柄を印刷し
た側のLDPEコート面に接着層として、LDPE(ミ
ラソン16SP)とポリエチレンオキシド(アクアコー
ク 住友精化製)を重量比6:4でブレンドした樹脂を
厚さ20μmで押し出しコートして積層シートを作成
し、これを縦7cm×横8cmの長方形にカットした。
次に、吸水性樹脂層としてポリエチレンオキシド(アク
アコーク)単体をインフレーション成形法により厚さ6
0μmのフィルム状に製膜し、直径6cmの円形に打ち
抜いた後、これを上記7cm×8cmの長方形にカット
した積層シートの接着層面に、その長辺側の端部1cm
幅を接合部として残し、残りの7cm×7cmの中央部
にヒートシーラーで熱接着させて培養装置の本体シート
を作成した。
【0030】(カバーシートの作成)カバーシートの基
材となるカバーフィルムとして、厚さ50μmの2軸延
伸ポリプロピレンフィルム(OP U−1 トーセロ
製)(片面コロナ放電処理)を用い、そのコロナ放電処
理面に下記組成の培養基層用塗布液をロールコーターに
より乾燥時の塗布量が5.5g/m2 となるように塗
布、乾燥して積層し、これを縦7cm×横8.5cmの
長方形にカットしてカバーシートを作成した。 培養基層用塗布液の組成 ポリアクリルアミドの10重量%水溶液 170重量部 ペプトン 30重量部 酵母エキス 15重量部 ぶどう糖 6重量部
【0031】(染料付き繊維質シートの作成)繊維質シ
ートとして目付け量30g/m2 のレーヨン不織布を用
い、これをTTCの0.02重量%水溶液に浸漬した
後、引き上げて両面をバーで軽くスクィーズして余分の
液を除き、80℃で乾燥してTTCを20mg/m2
着させた。次に、これを直径5cmの円形に打ち抜いて
染料付き繊維質シートとした。
【0032】以上のように作成した本体シート、カバー
シート、染料付き繊維質シートを培養装置の部材とし
て、その本体シートとカバーシートとを、本体シートの
吸水性樹脂層面とカバーシートの培養基層面とが接する
ように長辺側と短辺側を合わせて重ね合わせ、カバーシ
ートの長辺側の一端が0.5cmだけ本体シートから突出
するように、もう一方の端で突き揃えて重ね、突き揃え
た側の端の内面同士を6mm幅の両面粘着テープで接合し
た。尚、本体シートから0.5cm突出したカバーシート
の突出部は、培養などに際してカバーシートを持ち上げ
るための把手とするものである。そして、上記のように
接合した本体シートとカバーシートの間の本体シートの
上の略中央部に染料付き繊維質シートを挿入した後、γ
線照射による滅菌を行って実施例1の培養装置とした。
【0033】〔実施例2〕 (本体シートの作成)基材シートとして、実施例1と同
様に坪量160g/m2 のコップ原紙の表面にピッチが
各1cmの枡目柄をグラビア印刷方式で印刷し、その両
面にLDPE(ミラソン16SP 三井石油化学工業
製)を厚さ20μmに押し出しコートした積層紙を用
い、その枡目柄を印刷した側のLDPEコート面にコロ
ナ放電処理を施した後、その面に実施例1で用いた培養
基層用塗布液と同じ組成の培養基層用塗布液を乾燥時の
塗布量が5.5g/m2 となるようにロールコーターで
塗布、乾燥して培養基層を積層し、これを縦7cm×横
8cmの長方形にカットして本体シートを作成した。
【0034】(カバーシートの作成)厚さ25μmの2
軸延伸ポリプロピレンフィルム(OP U−1 トーセ
ロ製)(片面コロナ放電処理)をカバーフィルムに用
い、そのコロナ放電処理面に接着層として、ポリプロピ
レン(ハイポールL−840 三井石油化学工業製)と
ポリエチレンオキシド(アクアコーク 住友精化製)を
重量比10:4でブレンドした樹脂をインフレーション
成形法で厚さ20μmに製膜したフィルムをウレタン系
接着剤を用いてドライラミネーション方式で貼り合わせ
た。そして、この積層シートを縦7cm×横8.5cm
の長方形にカットした。次に、吸水性樹脂層としてポリ
エチレンオキシド(アクアコーク)単独をインフレーシ
ョン成形法で厚さ60μmに製膜したフィルムを直径6
cmの円形に打ち抜き、これを上記7cm×8.5cm
の長方形にカットした積層シートの接着層面に、その長
辺側の一方の端部1cm幅を本体シートとの接合部とし
て残し、もう一方の端部0.5cm幅を本体シートから
突出させる把手部として残し、残りの7cm×7cmの
中央部にヒートシーラーで熱接着させてカバーシートを
作成した。
【0035】(染料付き繊維質シート)染料付き繊維質
シートには、実施例1で作成した染料付き繊維質シート
と同じものをそのまま使用した。以上のように作成した
本体シート、カバーシート、染料付き繊維質シートを培
養装置の部材として実施例1と同様に、本体シートの培
養基層とカバーシートの吸水性樹脂層面とが接するよう
に長辺側と短辺側を合わせて重ね合わせ、その長辺側の
一端で突き揃えた後、その突き揃えた側の端部の内面同
士を6mm幅の両面粘着テープで接合した。尚、突き揃え
た側と反対側の端部にはカバーシートが0.5cmだけ
本体シートから突出しており、この部分はカバーシート
を持ち上げる際の把手部として利用するものである。上
記のように接合した本体シートとカバーシートの間の本
体シートの培養基層の上の略中央部に、直径5cmの円
形にカットした染料付き繊維質シートを挿入した後、γ
線照射による滅菌を行って実施例2の培養装置とした。
【0036】〔実施例3〕 (本体シートの作成)基材シートには、実施例1と同じ
コップ原紙の表面に枡目柄を印刷し、その両面にLDP
Eを各20μm押し出しコートした積層紙を使用し、そ
の枡目柄を印刷した側のLDPEコート面に、接着層と
してLDPE(ミラソン16SP)とポリエチレンオキ
シド(アクアコーク)を重量比6:4でブレンドした樹
脂を厚さ20μmで押し出しコートし、その上に吸水性
樹脂層としてポリエチレンオキシド(アクアコーク)単
体を厚さ60μmで押し出しコートして積層し、更にそ
の上に培養基層として実施例1のカバーシートで用いた
ものと同じ組成の培養基層用塗布液をロールコーターで
乾燥時の塗布量が5.5g/m2 となるように塗布、乾
燥して培養基層を積層した後、これを縦7cm×横8c
mの長方形にカットして本体シートを作成した。
【0037】(カバーシートの作成)カバーシートの基
材となるカバーフィルムとして厚さ50μmの2軸延伸
ポリプロピレンフィルム(OP U−1 トーセロ製)
(片面コロナ放電処理)を使用し、そのコロナ放電処理
面に染料層として下記の組成の染料層用塗布液をリバー
スロールコーターにより乾燥前の溶剤込みの塗布量が1
0g/m2 となるように塗布し、乾燥して積層シートと
した後、これを縦7cm×横8.5cmの長方形にカッ
トしてカバーシートとした。 染料層用塗布液の組成 ポリアクリルアミド10重量%水溶液 1000重量部 染料 TTC 1重量部
【0038】(繊維質シート)繊維質シートには、目付
け量30g/m2 のレーヨン不織布を使用し、これを直
径5cmの円形に打ち抜いて繊維質シートとした。以上
のように作成した本体シート、カバーシート、繊維質シ
ートを培養装置の部材として、実施例1および2の場合
と同様に、本体シートの培養基層面とカバーシートの染
料層面とが接するように両者の長辺側と短辺側同士を合
わせて重ね合わせ、その長辺側の一端で突き揃えてその
端部の内面同士を6mm幅の両面粘着テープで接合した。
この場合もカバーシートの接合部の反対側の端部は0.
5cmだけ本体シートから突出した形状となり、この突
出部はカバーシートを持ち上げる際の把手部とするもの
である。次に、上記のように接合した本体シートとカバ
ーシートの本体シート側の最上層である培養基層の上の
略中央部に、上記繊維質シートを挿入して重ねた後、γ
線を照射して滅菌を行い実施例3の培養装置とした。
【0039】〔培養試験およびその結果〕以上のように
作成した実施例1、2、3の培養装置各5個を使用し
て、下記の方法で作成した菌液を滅菌済みピペットで各
1ml宛、それぞれの培養装置の繊維質シート上に接種
し、カバーシートを被せた後、37℃に調節した孵卵器
に入れて48時間培養を行った。また、実施例とは別
に、比較用として実施例と同じ下記の方法で作成した菌
液を用いて、各1mlを従来の混釈法により、5個のペト
リ皿に準備した標準寒天培地各20mlに混釈して比較試
料を作成し、実施例と同じ条件で培養を行った。
【0040】菌液の作成 菌株として大腸菌を使用し、液体培地(NUTRIENT BROT
H)にて37℃で24時間、振盪培養を行い、その菌液
を滅菌生理食塩水で菌数が102 /mlとなるように希釈
して、培養試験に用いる菌液とした。上記の実施例1、
2、3および比較試料の培養試験により発生したコロニ
ーの数をそれぞれ計数し、各々のデータと平均値を表1
に示した。 (以下余白)
【0041】
【表1】 菌数測定結果(大腸菌)〔単位:個〕
【0042】表1に示した培養試験結果から明らかなよ
うに、本発明の実施例1、2、3の培養装置を用いた培
養試験の結果は、従来の混釈法による標準寒天培地を用
いた培養試験の結果と略一致しており、培養性能が良好
で、操作も容易で簡便な培養装置として十分実用性のあ
ることを示している。また、発生したコロニーも鮮明に
観察でき、計数も容易に実施できた。更に、実施例1〜
3の各試料は、培養後、そのカバーシートを容易に剥が
すことができ、釣菌することも容易であった。
【0043】
【発明の効果】以上詳しく説明したように本発明によれ
ば、微生物の培養に際して、培養装置のカバーシートを
持ち上げて、本体シート上に設けられた繊維質シートの
上にピペットなどにより一定量の被検液を接種し、カバ
ーシートを降ろすだけで、被検液が所定寸法の繊維質シ
ートの全域に繊維間の毛細管現象により均一に拡散し、
近接する培養基や染料を溶解すると同時に、吸水性樹脂
層を膨潤、ゲル化させ、微生物に栄養分と水分とを供給
できるようになり、培養が可能となる。従って、培地を
調整するための加温溶解や高圧滅菌などの操作が不要で
あり、熟練した技術者でなくても容易に微生物検査など
の培養試験を行うことができる。そして、使用前は、滅
菌された乾燥状態であり長期保存も可能で、何時でも迅
速に試験することができる。
【0044】また、繊維質シートは比較的薄く透視可能
であり、ゲルを形成する材料がポリエチレンオキシドな
どの吸水性樹脂であるため、ゲル化した場合も繊維質シ
ートと強く粘着することがなく、均一に分散したコロニ
ーを鮮明な状態に形成でき、計数も容易に実施できる。
また、培養後、カバーシートを本体シート側から容易に
剥がすことができるので自由に釣菌することもできる。
また、培養基層にバインダーとしてポリアクリルアミド
を含有させた場合には各種の被積層面に良好な接着性を
有するため培養基の積層が容易となり、また、被検液の
水分により容易に溶解するため培養基の溶解も速やかに
行われる。更に、使用後の廃棄性においても、容易に焼
却することもでき、使用適性と性能に優れた培養装置を
容易に提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の培養装置の一実施例の構成を説明する
模式断面図である。
【図2】本発明の培養装置の別の一実施例の構成を説明
する模式断面図である。
【図3】本発明の培養装置の更に別の一実施例の構成を
説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1 基材シート 2a 、2b 接着層 3 吸水性樹脂層 4a 、4b 、4c 本体シート 5a 繊維質シート(染料付き) 5b 繊維質シート 6 カバーフィルム 7 培養基層 8a 、8b 、8c カバーシート 9 染料層 10 接合部 20 培養装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防水性の基材シートと該基材シート上に
    被せられる水分不透過性で透明なカバーフィルムとを備
    え、該基材シートとカバーフィルムのいずれか一方の内
    面、または両方の内面に吸水性樹脂層を積層し、更に、
    そのいずれか一方の内面に微生物の培養基層を積層した
    後、該基材シート側の内面に繊維質シートを設けたこと
    を特徴とする微生物の培養装置。
  2. 【請求項2】 前記吸水性樹脂層がポリエチレンオキシ
    ドからなることを特徴とする請求項1記載の微生物の培
    養装置。
  3. 【請求項3】 前記培養基層がポリアクリルアミドを含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載の微生
    物の培養装置。
JP16785695A 1995-06-12 1995-06-12 培養装置 Withdrawn JPH08336381A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16785695A JPH08336381A (ja) 1995-06-12 1995-06-12 培養装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16785695A JPH08336381A (ja) 1995-06-12 1995-06-12 培養装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08336381A true JPH08336381A (ja) 1996-12-24

Family

ID=15857367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16785695A Withdrawn JPH08336381A (ja) 1995-06-12 1995-06-12 培養装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08336381A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011082305A1 (en) * 2009-12-30 2011-07-07 3M Innovative Properties Company Microbial detection article
US8828653B2 (en) 2007-11-20 2014-09-09 3M Innovative Properties Company Environmental sampling articles and methods
US9096883B2 (en) 2007-12-21 2015-08-04 3M Innovative Properties Company Microbiological systems and methods of fluid sample analysis
CN107849509A (zh) * 2015-07-24 2018-03-27 3M创新有限公司 用于计数微生物的薄膜培养装置
WO2018125811A1 (en) * 2016-12-28 2018-07-05 3M Innovative Properties Company Microbial detection devices and methods of using the same
US11408023B2 (en) 2016-12-28 2022-08-09 3M Innovative Properties Company Microbial detection devices including adhesive masked nutrients and methods of using the same

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10018534B2 (en) 2007-11-20 2018-07-10 3M Innovative Properties Company Environmental sampling articles and methods
US8828653B2 (en) 2007-11-20 2014-09-09 3M Innovative Properties Company Environmental sampling articles and methods
US9096883B2 (en) 2007-12-21 2015-08-04 3M Innovative Properties Company Microbiological systems and methods of fluid sample analysis
US9353397B2 (en) 2007-12-21 2016-05-31 3M Innovative Properties Company Microbiological systems and methods of fluid sample analysis
JP2013516177A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 微生物検出物品
US8753834B2 (en) 2009-12-30 2014-06-17 3M Innovative Properties Company Microbial detection article
WO2011082305A1 (en) * 2009-12-30 2011-07-07 3M Innovative Properties Company Microbial detection article
CN107849509A (zh) * 2015-07-24 2018-03-27 3M创新有限公司 用于计数微生物的薄膜培养装置
EP3325601A4 (en) * 2015-07-24 2019-03-13 3M Innovative Properties Company THIN-LAYER CULTURE DEVICE FOR COUNTING MICRO-ORGANISMS
CN107849509B (zh) * 2015-07-24 2022-04-08 3M创新有限公司 用于计数微生物的薄膜培养装置
WO2018125811A1 (en) * 2016-12-28 2018-07-05 3M Innovative Properties Company Microbial detection devices and methods of using the same
CN110121551A (zh) * 2016-12-28 2019-08-13 3M创新有限公司 微生物检测装置及其使用方法
US11408023B2 (en) 2016-12-28 2022-08-09 3M Innovative Properties Company Microbial detection devices including adhesive masked nutrients and methods of using the same
CN110121551B (zh) * 2016-12-28 2024-04-12 3M创新有限公司 微生物检测装置及其使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5089413A (en) Method and apparatus for culturing with microbiological dry culture medium
US8357498B2 (en) Microorganism culture device and microorganism culture medium comprising the same
EP0070310B1 (en) Dry culture media
JP3148250B2 (ja) 微生物培養器材および培地
JP6833806B2 (ja) 微生物を計数するための薄膜培養デバイス
JPH08280377A (ja) 培養装置
WO2011093342A1 (ja) 微生物培養シート
JP7385791B2 (ja) 微生物検出デバイス、及びその使用方法
JP5082930B2 (ja) 微生物培養シート
US5494823A (en) Apparatus for culturing microorganism
JP7088602B2 (ja) 接着剤マスクされた栄養素を含む微生物検出デバイス、及びその使用方法
DE2115674C3 (de) Vorrichtung zum Aufsammeln und anschließenden Züchten von Mikroorganismen
JPH09206062A (ja) 培養装置
JP2004500115A (ja) 微生物を検出する方法及びキット
JPH08336381A (ja) 培養装置
JP3850465B2 (ja) 簡易培地及び微生物の検出方法
JP2009153500A (ja) 微生物培養シート
JPH0937765A (ja) 培養装置
JPH0975062A (ja) 培養装置
JPH0975063A (ja) 培養装置
JPH08332076A (ja) 培養装置
US5147801A (en) Culture medium device for bacteria
JPH08228758A (ja) 培養装置
JPH08256758A (ja) 培養装置
JP5796294B2 (ja) 微生物培養シート

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020903