JP5796294B2 - 微生物培養シート - Google Patents

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Description

本発明は、微生物検査に用いられる微生物培養シートに関する。
微生物の存在を確認したり、微生物数を測定したりする検査方法としては、寒天平板混釈法がある。この方法では、微生物が発育すると透明な寒天上に白濁したコロニーが形成されることから、このコロニーを計数することで生菌数検査を行っている。
しかし、このような寒天培地を用いる方法は、一般に培地を用時調製する必要があり、また、その調製作業が煩雑であるため、近年では、あらかじめ調製しておくことが可能で、且つ、被検液を接種することで微生物の発育が可能な環境が形成されるように設計された乾燥培地を備える微生物培養器具が開発されている。
例えば、特許文献1には、防水性基体上に、ゲル化剤及び/又は栄養成分を含有する冷水可溶粉末が接着剤により均一に接着された接着剤層を備えるシート状培養装置が開示されている。また、特許文献2には、防水性の基材シートの全面に、培地混合物や吸水性樹脂を塗布して培養層を形成し、該培養層の上に、接種する被検液の拡がりを一定にするための疎水性インキによる外枠層が形成されている微生物培養シートが開示されている。
特公平2−49705号公報 特開平8−280377号公報
ところで、微生物検査では、コロニーの計数が正確且つ容易に行える必要がある。上記特許文献1のシート状培養装置では、培地の用時調製の必要がなく、従来の寒天平板混釈法に比べて作業は簡易化されているが、その一方で、被検液を所定の範囲内に拡げるために、被検液を接種した後、専用のテンプレートをカバーシートの上から押し付けるという煩雑な作業を要する。この作業は、実際の検査結果に影響を及ぼす可能性が高く、慎重に行う必要がある。また、培養試験は1種類の検体につき数種類の希釈液を用いて行われるが、通常、検体は何種類もあるため、1つのシートに対して1回の上記作業が発生するたけでも大きな時間のロスにつながる。
これに対して、特許文献2の微生物培養シートでは、接種する被検液の拡がりを一定にするために、培養層上に疎水性インキによる外枠層が設けられているが、実際には、このような外枠層を設けただけでは、被検液が培養層上で均一に拡がらなかったり、枠外に遺漏したりする問題が発生し、被検液を培養層上に良好に拡げることは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、培養層上に被検液を接種した後、その上にカバーシートを被せるだけで、接種した被検液を枠外に遺漏させることなく、培養層上に良好に拡げることができる、操作性に優れた微生物培養シートを提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、カバーシートの培養層の表面と対向する側の面の被検液に対する接触角をある特定の数値範囲に調整することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のようなものを提供する。
(1) 基材シートと、上記基材シート上の所定の領域に形成された培養層と、上記培養層の外周又は上記培養層上に形成された、上記培養層上に接種される被検液の拡がる範囲を限定するための枠層と、上記培養層の表面を被覆するカバーシートと、を有し、上記カバーシートの上記培養層の表面と対向する側の面は、JIS R3257に準拠したぬれ性試験方法の静滴法による水に対する接触角が50〜105°の範囲内である微生物培養シート。
(2) 上記培養層は、ポリビニルピロリドンと、ゲル化剤、栄養成分、発色指示薬、選択剤、及び基質からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有する培地液がパターン形成されたものである(1)に記載の微生物培養シート。
(3) 上記枠層は、疎水性樹脂からなる(1)又は(2)に記載の微生物培養シート。
(4) 上記カバーシートは、上記基材シートに固設されている(1)〜(3)いずれかに記載の微生物培養シート。
本発明の微生物培養シートによれば、培養層上に被検液を接種した後、その上からカバーシートを被せるだけで、接種した被検液を枠外に遺漏させることなく、培養層上に良好に拡げることができ、操作性に優れるので、微生物検査を効率的に行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る微生物培養シートを示す部分透視平面図(A)及び断面図(B)である。 本発明の一実施形態に係る微生物培養シートの使用方法を順次示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
[微生物培養シート]
本発明の微生物培養シートは、基材シートと、上記基材シート上の所定の領域に形成された培養層と、上記培養層の外周又は上記培養層上に形成された、上記培養層上に接種される被検液の拡がる範囲を限定するための枠層と、上記培養層の表面を被覆するカバーシートと、を有し、上記カバーシートの上記培養層の表面と対向する側の面は、JIS R3257に準拠したぬれ性試験方法の静滴法による水に対する接触角が50〜105°の範囲内であることを特徴とする。
本発明の微生物培養シートによれば、培養層上に被検液を接種した後、その上からカバーシートを被せるだけで、接種した被検液を枠外に遺漏させることなく、培養層上に良好に拡げることができ、操作性に優れることから、効率的な微生物検査を実現することができる。従来より、被検液の拡がる範囲を限定するための枠層を有する微生物培養シートは報告されているが、枠層を設けただけでは、被検液の接種後にカバーシートを被せると被検液が均一に拡がらず、また、被検液がカバーシートをつたって枠外に遺漏することがあった。本発明の微生物培養シートでは、被検液と接触するカバーシートに着目し、該カバーシートの被検液と接触する側の面、すなわち、培養層の表面と対向する側の面の被検液に対する接触角をある特定の数値範囲に調整することで、上記の従来の問題点が解決できることを見出した点に意義がある。
本発明の一実施形態に係る微生物培養シートを図1(A)、(B)に示す。図1(A)は部分透視平面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す矢印X−X’に沿って切断した断面図である。なお、本明細書において以下に示す各図(図1,2)、模式的に示した図であり、各部の大きさや形状は、理解を容易にするために適宜誇張して示している。
本発明の一実施形態に係る微生物培養シート1では、方形の基材シート10上に円形の培養層20が形成され、培養層20の外周には疎水性樹脂からなる円形の枠層30が形成されている。すなわち、基材シート10と枠層30とにより形成された凹部領域に培養層20が形成されている形態となっている。ここで、培養層20と枠層30との間には隙間がなく、両層は接触している。そして、培養層20と枠層30とを被覆するように、方形の透明カバーシート40が設けられている。カバーシート40の培養層20の表面と対向する側の面の接触角は、被検液を良好に拡げることができる数値に調整されている。
本発明の一実施形態に係る微生物培養シート1によれば、培養層20上に被検液を接種した後、その上からカバーシート40を被せるだけで、カバーシート40と接触した被検液が枠外に遺漏することなく培養層20上で速やかに拡がる。そして、被検液の拡がりは、培養層20の外周に形成されている枠層30によって制限されて、均一なものとなる。また、本発明の一実施形態に係る微生物培養シート1では、枠層30は培養層20の外周に形成されており、培養層20上に形成されていないので、培養層20が被検液の吸水により膨潤してゲル状となった際に崩れるおそれがない。さらに、培養層20と枠層30とは接触しているので、隙間に被検液が貯留することがない。
以下、本発明の実施形態に係る微生物培養シートの各構成について、詳細に説明する。
<基材シート>
本発明の微生物培養シートでは、基材シート上に培養層が形成されるため、基材シートは、耐溶媒性や印刷適性を有していることが好ましい。また、基材シートには、微生物培養シートとして耐水性が求められ、さらに、培養層を形成する際の乾燥処理に耐え得る耐熱性も求められる。基材シートは、上記のような耐水性及び耐熱性を有していれば、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の公知の樹脂を材料とする合成樹脂シートが、透明性に優れる点において好ましい。微生物培養シートは、培養層中で発育した微生物のコロニーを観察、計数するものであるが、基材シートの透明性が高いと、微生物培養シートの背面側(基材シート側)からの投射光や側面側からの入射光によりコロニーの視認性を高めることができるので、コロニーの計測が容易となる。なお、透明性は必ずしも要求されるものではなく、例えば、微生物の種類、コロニーの着色の有無等によっては、発泡により白色を呈するシートや着色されたシートを用いてもコロニーの計測に影響がない場合があるので、適宜選択すればよい。
基材シートは、単層でもよいし、2層以上の積層シートでもよい。積層シートとしては、例えば、上記プラスチックシートの2種以上を積層した積層シートが挙げられる。そのほか、上記プラスチックシートに紙基材を積層した積層シート、紙基材に合成樹脂をコーティングした積層シート等も好適に用いることができる。また、合成樹脂を主原料とした合成紙も用いることができる。このような合成紙の市販品としては、例えば、ユポ・コーポレーション社製の「ユポ」、東洋紡社製の「クリスパー」等が挙げられる。
また、基材シートは、培養層との密着性を向上させるために、あらかじめ培養層を形成する側の面に表面処理を施したものでもよい。基材シートに対する表面処理としては、特に限定されるものではなく、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、グロー放電処理、酸素ガス又は窒素ガス等を用いる低温プラズマ処理等の公知の表面処理が挙げられる。また、アンカーコート剤の塗布により表面処理を施したものでもよい。
さらに、基材シートは、カール等がなく平坦であることが好ましい。厚みは、特に限定されるものではなく、通常、25〜1500μm、好ましくは50〜500μmである。また、本実施形態では、基材シートの形状は方形であるが、これに限定されるものではなく、円形、楕円形、多角形等であってもよい。基材シートの大きさも、特に限定されるものではなく、通常、30〜100cmである。
基材シートには、桝目柄が印刷されていてもよい。桝目柄が印刷された基材シートによれば、コロニーが多数形成された場合に、数ヶ所の枡目内の菌数を計測按分するだけで、おおよその全体数を求めることができるので、効率的な微生物検査が可能となる。使用するインクは、水に不溶で、微生物の生育に影響を与えないものを使用することが好ましい。印刷の版式は、着色剤、樹脂、溶剤等の選択範囲が広い点でグラビア印刷が好ましい。枡目の大きさは1cm角程度が適当である。
<培養層>
本発明の微生物培養シートでは、上記基材シート上の所定の領域に、培養層が形成されている。培養層は、被検液等に由来する水分を含むことで微生物の発育が可能な環境を形成できるものであればよく、例えば、コロニーの形成が可能な足場となるもの(例えば、ゲル状物質、増粘物質等)に、微生物の発育を促進するための栄養成分や微生物の検出を容易にするための成分等を含有させた培地液がパターン形成された後、乾燥されたものが挙げられる。好ましくは、バインダーに、ゲル化剤、栄養成分、発色指示薬、選択剤、及び基質からなる群より選択される少なくとも1種を含有させた培地液が印刷や塗布によりパターン形成された後、乾燥されたものである。ここで、バインダーとは、ゲル化剤、栄養成分、発色指示薬、選択剤、基質等を基材に固着させる役割を有するものであり、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらの中でもポリビニルピロリドンが好ましい。ポリビニルピロリドンは、濃度を調整することで容易に粘度調整することができるので、ゲル化剤、栄養成分等を均一に分散させやすく、また、上記基材シート上の必要な部分へのパターン形成も行いやすい。さらに、ポリビニルピロリドンは皮膜性が高いので、パターン形成後に溶媒を除去すると、ゲル化剤、栄養成分等を取り込んだ成膜が可能である。そして、基材シートに対して良好な密着性を示すので、接着剤を使用せずに培養層を形成することができる。
ゲル化剤を含有する培地液を乾燥させた培養層は、被検液の接種により増粘又はゲル化し、微生物の発育に適した環境となる。また、カバーシートとの密着性が向上するので、培養時の水分の蒸発を抑制することもできる。ゲル化剤としては、例えば、カラギーナン、グアーガム、キタンサンガム、ローカストビーンガム、アルギン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の高分子多糖類が好適である。高分子多糖類をゲル化剤として用いた培養層は、透明性が高いので視認性に優れるからである。本発明の微生物培養シートでは、特に、グアーガムが好適である。グアーガムによれば、低濃度で極めて高い粘度を呈するので、少量で菌の発育に適した環境を作ることができる。
栄養成分は、検査対象である微生物の種類に応じて、適宜選択することができる。例えば、一般生菌検査用としては、酵母エキス/ペプトン/ブドウ糖混合物、肉エキス/ペプトン混合物、ペプトン/大豆ペプトン/ブドウ糖混合物等や、これらにリン酸二カリウム及び/又は塩化ナトリウムを加えた混合物が挙げられ、大腸菌又は大腸菌群検査用としては、デソキシコール酸ナトリウム/ペプトン/クエン酸鉄アンモニウム/塩化ナトリウム/リン酸二カリウム/乳糖混合物、ペプトン/乳糖/リン酸二カリウム混合物等が挙げられる。本発明の微生物培養シートでは、これらの中から、発育させようとする微生物の種類に応じて、1種又はそれ以上の栄養成分を選択し、混合して用いることができる。なお、培養層中に栄養成分を含まない場合や不足する栄養成分がある場合には、被検液に栄養成分を加え、微生物を生育してもよい。
発色指示薬を含有する場合には、発色指示薬が培養過程で発育する微生物の代謝により産出される特異物質との反応、pH変化の認識、酵素との反応等によって発色してコロニーを着色するので、コロニー数の計数が極めて容易になる。このような発色指示薬としては、例えば、トリフェニルテトラゾリウムクロライド(TTC)、p−トリルテトラゾリウムレッド、テトラゾリウムバイオレット、ペテトリルテトラゾリウムブルー等のテトラゾリム塩、ニュートラルレッド混合物、フェノールレッド、ブロムチモールブルー、チモールブルー混合物等のpH指示薬が挙げられる。
検出目的以外の微生物の発育を抑える選択剤を含有してもよい。選択剤としては、例えば、抗生物質、合成抗菌剤、界面活性剤、静菌又は殺菌作用を有する色素、無機塩等が挙げられる。
本発明の微生物培養シートでは、培養層は、上記基材シートの全面に形成されていてもよく、特定の領域に形成されていてもよいが、栄養成分や発色指示薬は高価であるため、材料コストを考慮すると、特定の領域にパターン形成されていることが好ましい。本発明において、パターン形成とは、上記基材シートの上に、上記成分を含有する培地液を予定した形状に印刷、塗布、塗工、噴霧等することをいい、その方法は、特に限定されるものではない。例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他の印刷、ディスペンサーやインクジェット等による塗布、バー等を使用してコーティングするバーコートやナイフコート、ダイコート等の塗工、スプレー方式等の噴霧、その他の方法を用いることができる。パターン形成される培養層の形状は、円形が好ましい。例えば、培養層の形状が方形であると被検液が隅の方まで行き渡らない場合が起こり得るが、円形であればそのようなことが起こり難いからである。パターン形成される培養層の形状が円形の場合には、その直径は、好ましくは20〜80mm、より好ましくは30〜70mmである。
微生物培養シートでは、培養層には、ある程度の厚みが必要である。培養層の厚みは、乾燥後において、50〜1000μmであることが好ましく、200〜600μmであることがより好ましい。また、培養層を形成するための培地液の塗布量は、乾燥後において、5〜400g/mであることが好ましく、100〜300g/mであることがより好ましい。
<枠層>
本発明の微生物培養シートでは、上記培養層上に接種される被検液の拡がる範囲を限定するための枠層が形成されている。枠層は、上記培養層の上に形成されていてもよく、上記培養層の外周に形成されていてもよいが、培養層の上に形成されていると、培養層が被検液の吸水により膨潤してゲル状となった際に、崩れるおそれがあるため、上記培養層の外周に、すなわち、基材シートの上に直接であって、且つ、培養層の外周を囲むように形成されていることが好ましい。この場合、枠層と培養層との間に隙間があると、微生物を培養した際にその隙間に菌が遊走し、正確なコロニー数の計測が困難となる場合があるため、枠層と培養層との間には隙間がないことがより好ましい。
枠層は、疎水性樹脂からなることが好ましい。疎水性樹脂としては、特に限定されるものではないが、UV硬化樹脂又はホットメルト樹脂が好適である。枠層は、一定の高さでパターン形成することが好ましいが、UV硬化樹脂やホットメルト樹脂によれば、非溶媒系の状態でディスペンサー等による塗布により容易に形状加工ができ、加工後も光照射や冷却により硬化させるだけで容易にパターン形成できるからである。UV硬化樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ラジカル型では、アクリレート系、不飽和ポリエステル系が挙げられ、カチオン型では、エポキシアクリレート系、オキセタン系、ビニルエーテル系等を挙げることができる。ホットメルト樹脂としては、軟化点温度が120℃以下、より好ましくは100℃以下のものが好適である。120℃を超えると基材シートが湾曲する場合がある。ホットメルト樹脂としては、例えば、ウレタン系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、エチレン酢酸ビニル系、スチレンブタジエンゴム系やウレタンゴム系等の合成ゴム系等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。その他、熱発泡インクやUV発泡剤等も好適に用いることができる。
枠層をパターン形成する方法としては、上記疎水性樹脂を予定した形状で基材シートに印刷、塗布、塗工できるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の印刷、ディスペンサーによる塗布、バー等を使用してコーティングするバーコートやナイフコート、ダイコート等の塗工等が挙げられる。これらの中でも、ディスペンサーによる塗布は、版を作製する必要がなく、プログラムを作成することで様々な形状を容易に描画することができる点において好ましい。
枠層の幅は、均一な幅に限定されるものではないが、最細部の幅が、0.5〜5.0mmであることが好ましく、1.0〜3.0mmであることがより好ましい。上記範囲であれば、培養層が吸水して膨潤した場合であっても、枠層の形状が崩れるおそれがない。また、枠層の高さは、被検液が接種された培養層にカバーシートを被せた際に、被検液と、該被検液に対する接触角を調整したカバーシートの面とが接触可能となる高さであれば、特に限定されるものではない。被検液と、該被検液に対する接触角を調整したカバーシートの面とが接触することで、被検液が培養層の上を枠層まで速やかに拡がり、被検液が培養層に吸水された後も、培養層とカバーシートとの密着性を保つことができ、培養中に培養層が乾燥することを防止できる。例えば、培養層の高さよりも100〜1200μm高いことが好ましく、200〜1000μm高いことがより好ましく、300〜800μm高いことがさらにより好ましい。
なお、本発明の微生物培養シートでは、枠層は、疎水性材料のくりぬき品を培養層の外周に接着して形成されたものであってもよい。
<カバーシート>
本発明の微生物培養シートは、培養中の落下菌等による汚染を防止するとともに、培養層の水分蒸発を防止するために、カバーシートを備えている。本発明の微生物培養シートでは、カバーシートの培養層の表面と対向する側の面、すなわち、培養層上に被検液を接種し、その上からカバーシートを被せた際に被検液と接触する面は、JIS R3257に準拠したぬれ性試験方法の静滴法による水に対する接触角が50〜105°範囲内である。接触角は、具体的には、JIS R3257の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法に準拠(試験方法の種類:静滴法,試験対象:カバーシートの培養層の表面と対向する側の面,水滴の容量:4μl,測定時間:水滴を静置してから10秒間,測定場所:5箇所)し、市販の接触角計により測定する。測定装置としては、例えば、協和界面化学社製の接触角計(製品名「DM500」)を用いることができる。培養層の表面と対向する側の面の接触角が、50〜105°範囲内であるカバーシートであれば、被検液を培養層上に接種した後、その上から被せるだけで被検液を迅速に且つ良好に培養層上に拡げることができる。なお、上記接触角が50°未満であると、カバーシートを被せた際に、接種した被検液がカバーシートをつたって培養層上で不均一に拡がったり、枠外に遺漏したりする。また、上記接触角が105°を超えると、カバーシートを被せただけでは、被検液の拡がりが遅く、また、均一に拡げることができないため、作業効率が低下する。さらに、一般的に、上記接触角が105°を超えるシートは、製造が非常に困難であり、かなりの工夫を要するため、その使用は現実的ではない。なお、好ましくは、60〜100°の範囲内である。
本発明の微生物培養シートでは、カバーシートは、培養層の表面と対向する側の面の接触角が上記範囲内であれば、特に限定されるものではないが、防水性、水蒸気不透過性を有するとともに、微生物の培養後、カバーシートを通してコロニーを観察したり、計数したりできるように、透明であることが好ましい。このようなカバーシートとしては、一般に、合成樹脂シートが用いられる。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の公知の樹脂を材料とするシートが挙げられる。本発明では、例えば、上記接触角を有する合成樹脂シートをそのまま用いてもよいし、上記接触角を有さない合成樹脂シートに対して表面処理を施し、接触角を上記範囲内に調整したものを用いてもよいし、上記接触角を有さない合成樹脂シートの表面に別の樹脂をコーティングし、接触角を上記範囲内に調整したものを用いてもよい。
合成樹脂シートに対する表面処理としては、特に限定されるものではなく、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、グロー放電処理、酸素ガス又は窒素ガス等を用いる低温プラズマ処理等の公知の表面処理が挙げられる。また、アンカーコート剤の塗布により表面処理を施してもよい。
接触角の調整に用いる樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の公知の樹脂が挙げられ、これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カバーシートは、被検液を接種する際に持ち上げるため、適度の柔軟性を有することが好ましい。この点を考慮すると、カバーシートは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、及びポリエステル系樹脂を材料とする合成樹脂シートが好適である。
カバーシートの厚みは、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜70μmである。カバーシートの厚みが、上記範囲内であれば、適度な柔軟性を有するので、被検液を接種する際のカバーシートの持ち上げ等の作業性が良好となる。また、機械的強度として十分であるため、連続帯状で供給して加工することも可能である。
カバーシートは、どのような形状であってもよいが、培養層への雑菌の進入を防ぐため、培養層を十分に被覆できる大きさを有していることが好ましい。また、カバーシートは、上記培養層や枠層が形成された基材シートにあらかじめ固設されていてもよいし、また、別個に準備しておき、使用の際に併せてもよい。
カバーシートには、桝目柄が印刷されていてもよい。桝目柄が印刷されたカバーシートによれば、コロニーが多数形成された場合に、数ヶ所の枡目内の菌数を計測按分するだけで、おおよその全体数を求めることができるので、効率的な微生物検査が可能となる。なお、桝目柄の印刷は、カバーシートの培養層の表面と対向する面とは反対側の面に施されていることが好ましい。使用するインクは、水に不溶で、微生物の生育に影響を与えないものを使用することが好ましい。印刷の版式は、着色剤、樹脂、溶剤等の選択範囲が広い点でグラビア印刷が好ましい。枡目の大きさは1cm角程度が適当である。
[微生物培養シートの製造方法]
本発明の微生物培養シートは、例えば、以下の方法により製造することができる。上記バインダーをアルコール系溶媒に溶解させ、得られた溶液に、上記のゲル化剤、栄養成分、選択剤等の成分を少なくとも1種を添加して混合し、培養層形成用培地液を調製する。次に、上記基材シートの上に、ディスペンサーを用いて上記疎水性樹脂からなる円状の枠層を形成した後、該枠層に囲まれた基材上に、上記培養層形成用培地液を塗布によりパターン形成した後、培地液に含まれるアルコールを除去して培養層を形成する。そして、上記カバーシートを、上記培養層を形成した基材シートの上に積層し、一辺の端部を接着することにより、微生物培養シートを得ることができる。なお、上記製造方法では、培養層形成用培地液を調製する際に使用する溶媒として、アルコール系溶媒を例示したが、これに限定されるものではなく、選択した培養層の構成成分を溶解又は分散し得るものであればよい。ただし、アルコール系溶媒は、水やトルエン等の高沸点溶媒のように、パターン形成後の溶媒除去工程において高温加熱する必要がないので、選択した成分が熱分解するおそれがなく、また、溶媒除去に長時間を要せず、生産効率に優れるため好ましい。アルコール系溶媒としては、炭素数が1〜5のアルコールが好ましく、炭素数1のメタノールがより好ましい。メタノールは、沸点が低く、乾燥による溶媒除去が容易であって、且つ、微生物の発育を阻害しないからである。なお、溶媒は、単独又は2種以上を混合して用いてもよく、その使用量は、選択した培養層の構成成分や溶媒の種類によって、適宜選択すればよい。
[微生物培養シートの使用方法]
図2は、本発明の一実施形態に係る微生物培養シートの使用方法の一例を順次示す図である。図2(A)及び(B)に示すように、本発明の一実施形態に係る微生物培養シート1では、方形のカバーシート40が同じく方形の基材シート10に固設されており、基材シート10には円形の培養層20が形成され、培養層20の外周には疎水性樹脂からなる円形の枠層30が形成されている。本発明の一実施形態に係る微生物培養シート1では、まず、図2(C)に示すように、枠層30によって囲まれた培養層20上に、ピペット等を用いて被検液50を接種する。その後、図2(D)に示すように、カバーシート40と培養層20に接種された被検液50の液面とが接触するように、カバーシート40を培養層20に被覆させる。そうすると、カバーシート40によって被検液50が速やかに枠層30の内側の培養層20上に拡がる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<実施例1>
培養時に影響を与えない固着剤(ポリビニルピロリドン,商品名「PVP K−90」,日本触媒社製)20gを、メタノール溶液210mlに溶解させて、ポリビニルピロリドンのメタノール溶液を調製した。このポリビニルピロリドンのメタノール溶液に、ゲル化剤としてグアーガム粉末(商品名「NEOVISCO G」,400メッシュタイプ,三晶社製)60gと、栄養成分としてトリプトン(商品名「BACT TRYPTONE」,Becton,Dickinson and Company社製)3.26g、肉エキス(商品名「Lab−Lemco」,Oxoid社製)0.82g、酵母エキス(商品名「YEAST EXTRACT」,Becton,Dickinson and Company社製)0.03g、ブドウ糖(商品名「D−(+)−GLUCOSE」,和光純薬工業社製)0.16g、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)0.41g、及びリン酸水素二ナトリウム(和光純薬工業社製)0.37gと、を添加し混合することにより、培養層形成用培地液を調製した。
次に、基材シート(ポリエチレンテレフタレートフィルム,商品名「テイジンテトロンフィルム」,帝人デュポンフィルム社製)上に、ディスペンサー(製品名「SHOTmini200α」,武蔵エンジニアリング社製)を用いて、熱可塑性樹脂(商品名「MP973」,コニシ社製)からなる円状の枠層(幅:1mm、高さ:750μm、直径:52mm)を形成した。そして、該枠層の内側に、多孔ノズルを有するディスペンサー装置を用いて上記培養層形成用培地液を塗布し、乾燥させることにより培養層をパターン形成した。なお、乾燥時の培養層の厚さは、約250μmであった。
そして、OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム,商品名「OP−U1」,厚さ:40μm,片面コロナ処理,東セロ社製、)からなるカバーシートと、培養層が形成された上記基材シートとを、カバーシートの非コロナ処理面と、基材シートの培養層面とが対向するように端部で接着させて、実施例1の微生物培養シートを得た。
<実施例2>
ポリアミド樹脂(商品名「バーサミド713」,コグニスジャパン社製)を1−プロパノールと2−プロパノールとの混合溶媒(質量比=7:3)に溶解させ、グラビア印刷可能な粘度となるように調整した。これを、OPPフィルム(商品名「OP−U1」,厚さ:40μm,片面コロナ処理,東セロ社製、)のコロナ処理面にグラビア印刷(樹脂全体の総塗布量:約1.0g/m)し、バインダー樹脂層を有するカバーシートを製造した。そして、該カバーシートと、培養層が形成された上記基材シートとを、カバーシートのバインダー樹脂層と、基材シートの培養層面とが対向するように、端部で接着させて、実施例2の微生物培養シートを得た。
<実施例3>
アクリルとプロピレンの共重合体のエマルジョン溶液(商品名「NKポリマーMK−100WP」,溶媒:水,新中村化学社製)を、OPPフィルム(商品名「OP−U1」,厚さ:40μm,片面コロナ処理,東セロ社製、)のコロナ処理面に、ワイヤバーを用いて塗工した後、60℃で2分間乾燥させ、バインダー樹脂層(乾燥後の塗布量:約2.0g/m)を有するカバーシートを製造した。そして、該カバーシートと、培養層が形成された上記基材シートとを、カバーシートのバインダー樹脂層と、基材シートの培養層面とが対向するように、端部で接着させ、実施例3の微生物培養シートを得た。
<比較例1>
OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム,商品名「OP−U1」,厚さ:40μm,片面コロナ処理,東セロ社製、)からなるカバーシートと、培養層が形成された上記基材シートとを、上記カバーシートのコロナ処理面と、基材シートの培養層面とが対向するように、端部で接着させ、比較例1の微生物培養シートを得た。
<比較例2>
塩素化ポリプロピレン樹脂を水に分散させたエマルジョン溶液(商品名「スーパークロンE−503」,日本製紙ケミカル社製)を、OPPフィルム(商品名「OP−U1」,厚さ:40μm,片面コロナ処理,東セロ社製、)のコロナ処理面に、ワイヤバーを用いて塗工した後、60℃で2分間乾燥させ、バインダー樹脂層(乾燥後の塗布量:約1.5g/m)を有するカバーシートを製造した。そして、該カバーシートと、培養層が形成された上記基材シートとを、カバーシートのバインダー樹脂層と、基材シートの培養層面とが対向するように、端部で接着させ、比較例2の微生物培養シートを得た。
[評価試験1]
上記実施例1〜3及び比較例1,2の微生物培養シートにおけるカバーシートの、培養層の表面と対向する側の面について、水に対する接触角を測定した。接触角は、接触角計(製品名「DM500」,協和界面化学社製)を用い、JIS R3257に準拠した方法にて測定した。具体的には、JIS R3257の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法に準拠(試験方法の種類:静滴法,試験対象:カバーシートの培養層の表面と対向する側の面,使用する水:蒸留水,室温:23℃,湿度:40%RH,水滴の容量:4μl,測定時間:水滴を静置してから10秒間,測定場所:5箇所)して測定し、5箇所の値の平均値を算出した。
また、上記実施例1〜3及び比較例1,2の微生物培養シートについて、培養層上に、それぞれピペットを用いて蒸留水1mlを滴下し、その上にカバーシートを被覆した。そして、蒸留水の培養層上への展開性、及び蒸留水の枠外への遺漏の有無について確認した。結果を表1に示す。
Figure 0005796294
表1に示すように、培養層の表面と対向する側のカバーシートの面の接触角が大きい実施例1〜3では、枠内の培養層上に滴下した蒸留水が速やかに且つ均一に展開し、また、蒸留水の枠外への漏れも認められなかった。
これに対して、接触角が小さい比較例1,2では、枠内の培養層上に滴下した蒸留水は均一に展開せず、また、カバーシートを伝って枠外に漏れ出した。
このことから、カバーシートの被覆により培養層上に接種した被検液を展開させる、微生物培養シートでは、培養層の表面と対向する側のカバーシートの面の被検液に対する接触角の大きさを調整することで、迅速且つ正確な微生物培養試験を行い得ることが示唆された。
[評価試験2]
実際の微生物培養試験では、被検液は、溶媒として生理食塩水やリン酸緩衝液が用いられることが多く、これらに野菜や肉の成分がわずかに混入している。そのため、上記にて測定した蒸留水に対する接触角の値は、間接的な測定値である。そこで、上記評価試験において被検液の代わりに蒸留水を用いたことの妥当性を、実際の微生物培養試験にて一般的に用いられる被検液に対する接触角の値と、蒸留水に対する接触角の値とを比較することで評価した。
<製造例1>
生理食塩水100mlに市販のカット野菜20gを入れ、ホモジナイズした後、10−3に希釈し、被検液Aを得た。
<製造例2>
生理食塩水100mlに市販の牛豚合挽き肉20gを入れ、ホモジナイズした後、10−3に希釈し、被検液Bを得た。
[評価]
上記実施例1の微生物培養シートにおけるカバーシートの、培養層の表面と対向する側の面について、蒸留水、被検液A、及び被検液Bのそれぞれに対する接触角を測定した。なお、使用した液体以外の条件は、上記と同様とした。
また、上記実施例1の微生物培養シートについて、蒸留水、被検液A、及び被検液Bのそれぞれの培養層上への展開性、及び枠外への遺漏の有無について確認した。なお、使用した液体以外の条件は、上記と同様とした。結果を表2に示す。
Figure 0005796294
表2に示すように、被検液A及び被検液Bは、接触角の値、培養層上への展開性、及び遺漏の有無において、蒸留水を用いて評価した場合と同等の結果を示した。
これらの結果から、被検液の代わりに蒸留水を用いた上記評価試験には妥当性があることが確認された。
1 微生物培養シート
10 基材シート
20 培養層
30 枠層
40 カバーシート
50 被検液

Claims (4)

  1. 基材シートと、前記基材シート上の所定の領域に形成された培養層と、前記培養層の外周に形成された、前記培養層上に接種される被検液の拡がる範囲を限定するための枠層と、前記培養層の表面を被覆するカバーシートと、を有し、
    前記カバーシートの前記培養層の表面と対向する側の面は、JIS R3257に準拠したぬれ性試験方法の静滴法による水に対する接触角が50〜105°の範囲内であり、
    前記培養層の形状は、直径30〜70mmの円形である微生物培養シート。
  2. 前記培養層は、ポリビニルピロリドンと、ゲル化剤、栄養成分、発色指示薬、選択剤、及び基質からなる群より選択される少なくとも1種と、を含有する培地液がパターン形成されたものである請求項1に記載の微生物培養シート。
  3. 前記枠層は、疎水性樹脂からなる請求項1又は2に記載の微生物培養シート。
  4. 前記カバーシートは、前記基材シートに固設されている請求項1〜3いずれかに記載の微生物培養シート。
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