JPH08226634A

JPH08226634A - 蓄熱式バーナの燃焼制御方法

Info

Publication number: JPH08226634A
Application number: JP7058068A
Authority: JP
Inventors: Tsutomu Kitamura; 務北村; Koji Kanda; 浩司神田; Masazumi Iwata; 政澄岩田
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1995-02-21
Filing date: 1995-02-21
Publication date: 1996-09-03

Abstract

(57)【要約】【目的】燃料および燃焼用空気の制御系を使わずに簡
単に燃焼炉への入熱を調整する。【構成】蓄熱体を燃焼用空気通路に配置した１対また
は複数対のバーナを所定時間毎に切替えて交互に燃焼さ
せ、燃焼時に燃焼用空気通路に配置した蓄熱体を通して
燃焼バーナへ燃焼用空気を供給し、非燃焼時に蓄熱体を
通して前記バーナから燃焼排ガスを排出する蓄熱式バー
ナの燃焼制御方法において、蓄熱式バーナの燃焼容量を
バーナの定格または常用最大の一定値に保ちながら、燃
焼切替時間と必要焚量とによりバーナ燃焼時間を算出
し、燃焼切替時間よりもバーナ燃焼時間を小さい範囲で
調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、連続加熱炉、連続熱
処理炉等の工業炉に用いられている蓄熱式バーナの燃焼
制御方法に関するもので、詳しくは、簡単に燃焼炉への
入熱を調整できると共に、バーナの定格容量に対し低い
容量で用いる場合における効率を向上させ、広い容量範
囲で燃焼できる蓄熱式バーナの燃焼切替え制御方法に関
する。

【０００２】

【従来の技術】通常、工業炉の燃焼装置には、省エネル
ギーを図るため、燃焼排ガスの顕熱を利用して燃焼用空
気を予熱する熱回収式の燃焼装置が多用されている。こ
の種の燃焼装置に使用される燃焼排ガスと燃焼用空気と
の熱交換器（通称：レキュペレータ）は、伝熱面の材質
からの制約を受け、通常の工業炉の耐熱金属製の伝熱面
のもので、１０００℃の燃焼排ガスで熱交換した燃焼用
空気の温度は、高いもので６００℃程度とされている。

【０００３】一方、最近では、図５に示すとおり、蓄熱
燃焼方式と称されている燃焼方式が用いられてきてい
る。この蓄熱燃焼方式は、炉６１に１対または複数対の
バーナＡ、Ｂ（以下蓄熱式バーナという）を設け、これ
を所定時間毎に切り替えて交互に燃焼させ、蓄熱式バー
ナＢが燃焼している時は、燃焼していない側の蓄熱式バ
ーナＡの燃焼用空気通路６２から燃焼排ガス６３を排気
し、この蓄熱式バーナＡの燃焼用空気通路６２に設けら
れた蓄熱体６４に燃焼排ガス６３の顕熱を蓄熱し、次に
この蓄熱式バーナＡが燃焼を開始する時に蓄熱体６４に
より燃焼用空気を加熱するようにしたものである。

【０００４】この蓄熱燃焼方式は、蓄熱体にセラミック
等の高温で耐用性のある材料を用いることによって、１
０００℃を超える高温の燃焼排ガスから高温の予熱空気
が得られ、高効率な燃焼方式として知られている。蓄熱
燃焼方式での蓄熱式バーナの燃焼切替えは、設定された
一定の切替時間、あるいは蓄熱体下流側（出口側）の燃
焼排ガスが所定の温度に上昇したときに行われるように
なっている。一方、通常の工業炉では、図６に示すとお
り、蓄熱式バーナＡ、Ｂの焚量を炉内温度制御系７１の
燃料・空気制御系７２により調節し、炉内温度を制御す
るが、蓄熱燃焼方式では、この焚量調節をしながら、バ
ーナ切替えシーケンサ７３によって、図７に示すとお
り、バーナ燃焼時間と切替時間とを同一にして前記蓄熱
式バーナＡ、Ｂの切替を行う場合が多い。

【０００５】前記焚量調整をしながら蓄熱式バーナの燃
焼を切替える方法としては、対をなしている蓄熱式バー
ナの燃焼切替え設定時間を、蓄熱式バーナの燃料流量に
基づいて算出、設定し、前記バーナの燃焼時間が設定時
間よりも長いときは前記バーナの燃焼を切替え、設定時
間よりも短いときは前記バーナの燃焼を継続すると共
に、蓄熱体の下流側の燃焼排ガス温度を測定し、測定し
た燃焼排ガス温度が設定温度以上のときは、即時に前記
バーナの燃焼を切替える方法（特開平６−２００３２１
号公報）が提案されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記設定された一定の
切替時間で蓄熱式バーナの燃焼切替える方法では、蓄熱
式バーナの蓄熱体は、定格容量または常用焚量付近の容
量で設計、製作されるため、蓄熱式バーナの焚量が変化
したとき、例えば、焚量が増加したときには蓄熱体を通
過する燃焼排ガス流量が増加して短時間に蓄熱が終了
し、一定の切替時間まで燃焼を継続すると蓄熱体の下流
側の燃焼排ガス温度が上昇し、熱回収効率の低下を招く
こととなる。また、逆に焚量が少なくなった場合には、
蓄熱体を通過する燃焼排ガス量が低下し、蓄熱の終了前
に燃焼切替えが行われることになり、蓄熱体を有効に使
えないことになる。また、蓄熱体下流側の燃焼排ガスが
所定の温度に上昇したときに蓄熱式バーナの燃焼を切替
える方法では、焚量が高い場合には短時間に切替が行わ
れ、切替の多頻度化による切替弁の損耗、安全上の問題
が生じる。また、逆に焚量が極端に低いときには、燃焼
切替が殆どされず、空気温度が下がってしまうため、熱
効率の低下となる。

【０００７】前記特開平６−２００３２１号公報に開示
の方法では、ある程度の焚量範囲ではこれらの問題は解
決されるが、極端に蓄熱式バーナの焚量が下がった場合
（バーナ定格容量の２０％以下程度）には、蓄熱式バー
ナの切替え時間が一定値となり、蓄熱体と燃焼排ガスの
熱交換時間が不足するため、燃焼用空気温度の低下によ
る炉熱効率の低下を免れえない。また、この程度まで蓄
熱式バーナの焚量を下げるのは、従来の焚量調整用の燃
料および燃焼用空気の流量計の誤差、あるいは制御弁の
精度誤差によって空気比を設定値に保てなくなり、空気
比増加による燃焼排ガス損失の増加または空気比低下に
よる未燃焼損失が発生し、炉熱効率の低下を招くことと
なり、蓄熱式バーナの効果が十分に発揮されない。

【０００８】この発明の目的は、上記従来技術の問題点
を解消し、燃料および燃焼用空気の制御系を使わずに簡
単に燃焼炉への入熱を調整する方法と、燃料および燃焼
用空気の制御系を用いて制御する場合に、焚量が極端に
低下した時にも、切替時間の長時間化による炉熱効率の
低下や空気比変動による炉熱効率の低下を防止できる蓄
熱式バーナの燃焼制御方法を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意試験研究を重ねた。その結果、必要焚
量に関係なく蓄熱式バーナの燃焼容量をバーナの定格ま
たは常用最大の一定値に保ち、バーナ燃焼時間を燃焼切
替時間より短い範囲で必要焚量に応じて調整することに
よって、燃料および燃焼用空気の流量制御を省略できる
こと、また、蓄熱式バーナの焚量が予め設定した所定焚
量より低下した時にバーナの燃焼容量をこの所定焚量に
保ち、必要焚量によりバーナの燃焼時間を燃焼切替時間
より短い範囲で必要焚量に応じて調整することによっ
て、広い制御範囲が得られると共に、極端に焚量が低下
した時にも、バーナの焚量を一定に保つことにより空気
比の変動による熱効率の低下を防止できることを究明
し、この発明に到達した。

【００１０】すなわちこの発明は、蓄熱体を燃焼空気通
路に配置した１対または複数対のバーナを所定時間毎に
切替えて交互に燃焼させ、燃焼時に燃焼空気通路に配置
した蓄熱体を通して燃焼バーナへ燃焼用空気を供給し、
非燃焼時に蓄熱体を通して前記バーナから燃焼排ガスを
排出する蓄熱式バーナの燃焼制御方法において、蓄熱式
バーナの燃焼容量を蓄熱式バーナの定格または常用最大
の一定値に保ちながら、燃焼切替時間と必要焚量とによ
り蓄熱式バーナ燃焼時間を算出し、燃焼切替時間よりも
蓄熱式バーナの燃焼時間を小さい範囲で調整することを
特徴とする蓄熱式バーナの燃焼制御方法である。

【００１１】また、この発明は、蓄熱体を燃焼空気通路
に配置した１対または複数対のバーナを所定時間毎に切
替えて交互に燃焼させ、燃焼時に燃焼空気通路に配置し
た蓄熱体を通して燃焼バーナへ燃焼用空気を供給し、非
燃焼時に蓄熱体を通して前記バーナから燃焼排ガスを排
出する蓄熱式バーナの燃焼制御方法において、蓄熱式バ
ーナの焚量が予め設定した所定焚量より低下した時に蓄
熱式バーナの燃焼容量をこの所定焚量に保ちながら、こ
の所定焚量値と燃焼切替時間と必要焚量により蓄熱式バ
ーナの燃焼時間を算出し、燃焼切替時間よりも蓄熱式バ
ーナの燃焼時間を小さい範囲で調整することを特徴とす
る蓄熱式バーナの燃焼制御方法である。

【００１２】

【作用】この発明においては、蓄熱式バーナの燃焼容量
を蓄熱式バーナの定格または常用最大の一定値に保ちな
がら、燃焼切替時間と必要焚量とにより蓄熱式バーナ燃
焼時間を算出し、燃焼切替時間よりも蓄熱式バーナの燃
焼時間を小さい範囲で調整することによって、燃料およ
び燃焼用空気の流量制御を不要とでき、燃料および燃焼
用空気の制御系を省略することが可能となり、設備費を
低減することができる。

【００１３】また、この発明においては、蓄熱式バーナ
の焚量が予め設定した所定焚量より低下した時に蓄熱式
バーナの燃焼容量をこの所定焚量に保ちながら、この所
定焚量値と燃焼切替時間と必要焚量により蓄熱式バーナ
の燃焼時間を算出し、燃焼切替時間よりも蓄熱式バーナ
の燃焼時間を小さい範囲で調整することによって、従来
の方法よりも広い制御範囲が得られると共に、極端に焚
量が低下した時にも、蓄熱式バーナの焚量を一定に保っ
て空気比の変動による熱効率の低下を抑制することがで
きる。

【００１４】

【実施例】

実施例１この発明方法の詳細を実施の一例を図１、図２に基づい
て説明する。図１は蓄熱式バーナの燃焼容量を蓄熱式バ
ーナの定格または常用最大の一定値に保ちながら、必要
焚量に応じて蓄熱式バーナ燃焼時間を燃焼切替時間より
も小さい範囲で調整する方式の制御系統図、図２はバー
ナの点火、消火と切替え時間設定値と燃焼時間との関係
を示す説明図である。図１において、１、２は燃焼炉３
に設置された図示しない蓄熱体を内蔵した蓄熱式バー
ナ、４は蓄熱式バーナ１および２へ流量指示計５、手動
の流量調整弁６および燃料切替弁７、８を介して供給さ
れる燃料、９は蓄熱式バーナ１および２へ流量指示計１
０、手動の流量調整弁１１、空気遮断弁１２および排ガ
ス・空気切替四方弁１３を介して供給される燃焼用空気
である。１４は燃焼中の蓄熱式バーナ１または２の燃焼
排ガスを燃焼炉３から非燃焼の蓄熱式バーナ１または２
の燃焼用空気通路に内蔵した蓄熱体と熱交換させたの
ち、排ガス・空気切替四方弁１３を経て煙突に排出する
排気ブロアである。

【００１５】１５はバーナ切替えシーケンサで、燃料切
替弁７、８、空気遮断弁１２および排ガス・空気四方切
替弁１３を制御し、蓄熱式バーナ１、２を３分ピッチで
交互に燃焼切替するよう構成されている。１６は燃焼炉
３に設置した熱電対、１７は温度指示調節計、１８は下
記（１）式によりバーナ燃焼時間を演算するバーナ燃焼
時間設定器である。バーナ燃焼時間＝ＴＩＣ操作出力％／１００×切替え設定時間（１）式なお、蓄熱式バーナ１、２の焚量は、燃料４の供給量を
流量指示計５の指示値により手動の流量調整弁６を調整
し、かつ、燃焼用空気９の供給量を流量指示計１０の指
示値により手動の流量調整弁１１を調整し、蓄熱式バー
ナ１、２の焚量を定格または常用最大の一定値に保つよ
う構成する。また、蓄熱式バーナ１、２の燃焼切替ピッ
チは、燃焼用空気通路に内蔵した蓄熱体の熱容量により
決定されるもので、長すぎると蓄熱燃焼の意味が無くな
り、短すぎるとバーナ焚量の調整範囲が制限されること
から１〜５分程度とするのがよい。

【００１６】上記のとおり構成したことによって、燃焼
炉３の炉内温度の制御は、熱電対１６により炉内温度を
検出し、通常、炉内温度の制御で用いられる温度指示調
節計１７によって炉温操作出力（ＴＩＣ操作出力）し、
バーナ燃焼時間設定器１８によってバーナ燃焼時間を演
算し、図２に示すように、バーナ切替と同時に燃料切替
弁７および空気遮断弁１２を開とし、排ガス・空気切替
四方弁１３を操作して蓄熱式バーナ２から排気して蓄熱
式バーナ１に点火燃焼せしめ、蓄熱式バーナ１の燃焼時
間が過ぎれば、蓄熱式バーナ１の燃料切替弁７および空
気遮断弁１２を閉として燃焼を停止する。そして、次の
燃焼切替時に燃料切替弁８および空気遮断弁１２を開と
し、排ガス・空気切替四方弁１３を操作して蓄熱式バー
ナ１から排気して蓄熱式バーナ２を点火燃焼せしめ、蓄
熱式バーナ２の燃焼時間が過ぎれば、蓄熱式バーナ２の
燃料切替弁８および空気遮断弁１２を閉として燃焼を停
止する。これを繰り返し、炉温制御と蓄熱式バーナ１、
２の燃焼切替を実施した。なお、バーナ焚量を設定する
方法は、バーナの圧力特性よりバーナ前圧力設定等の他
の方法でも設定できるのは言う迄もない。

【００１７】本方式を採用することにより、燃料・空気
流量制御が不要となり、図６に示す燃料・空気流量制御
系を備えた炉内温度制御とバーナ切替シーケンスをもつ
従来方式に対し、設備のイニシャルコストを７０％にお
さえることが可能となり、炉内温度制御も、従来の設定
温度に対するバラツキ±１０℃以内を確保することがで
きた。

【００１８】実施例２この発明方法の他の実施例を図３、図４に基づいて説明
する。図３は燃料・空気流量制御系を備えた炉内温度制
御とバーナ切替シーケンサをもつ方式の制御系統図、図
４はバーナの点火、消火と切替え時間設定値と燃焼時間
との関係を示す説明図である。図３において、３１、３
２は燃焼炉３３に設置された図示しない蓄熱体を内蔵し
た蓄熱式バーナ、３４は蓄熱式バーナ３１および３２へ
流量計３５、流量調節弁３６および燃料切替弁３７、３
８を介して供給される燃料、３９は蓄熱式バーナ３１お
よび３２へ流量計４０、流量調節弁４１、空気遮断弁４
２および排ガス・空気切替四方弁４３を介して供給され
る燃焼用空気である。４４は燃焼中の蓄熱式バーナ４１
または４２の燃焼排ガスを燃焼炉３３から非燃焼の蓄熱
式バーナ３１または３２の燃焼用空気通路に内蔵した蓄
熱体と熱交換させたのち、排ガス・空気切替四方弁４３
を経て煙突に排出する排気ブロアである。

【００１９】４５はバーナ切替えシーケンサで、後述す
るターンダウン判定・バーナ燃焼時間設定器４８からの
指令により、燃料切替弁３７、３８、排ガス・空気四方
切替弁４３および空気遮断弁４２を制御し、蓄熱式バー
ナ３１、３２を３分ピッチで交互に燃焼切替するよう構
成されている。４６は燃焼炉３３に設置した熱電対、４
７は温度指示調節計、４８は下記（２）式によりバーナ
燃焼時間を演算すると共に、ターンダウン下限設定４９
から入力されるターンダウン下限設定値を判定するター
ンダウン判定・バーナ燃焼時間設定器である。バーナ燃焼時間＝ＴＩＣ操作出力％／ターンダウン下限設定値％ ×切替え設定時間（２）式なお、蓄熱式バーナ３１、３２の焚量は、ターンダウン
判定・バーナ燃焼時間設定器４８からの指令により流量
調節弁３６を流量指示調節計５０により制御して燃料３
４の供給量を調整し、かつ、流量調節弁４１を流量指示
調節計５１により制御して燃焼用空気３９の供給量を調
整するよう構成する。また、蓄熱式バーナ３１、３２の
燃焼切替ピッチは、燃焼用空気通路に内蔵した蓄熱体の
熱容量により決定されるもので、長すぎると蓄熱燃焼の
意味が無くなり、短すぎるとバーナ焚量の調整範囲が制
限されることから１〜５分程度とするのがよい。

【００２０】上記のとおり構成したことによって、燃焼
炉３３の炉内温度の制御は、熱電対４６により炉内温度
を検出し、通常、炉内温度の制御で用いられる温度指示
調節計４７によって炉温操作出力（ＴＩＣ操作出力）を
ターンダウン判定・バーナ燃焼時間設定器４８に出力
し、温度指示調節計４７の操作出力がターンダウン下限
設定値以上であれば、バーナの燃焼切替え時間により蓄
熱式バーナ３１、３２を切替え、燃料３４および燃焼用
空気３９の流量は、温度指示調節計４７の操作出力通り
流量指示調節計５０により流量調整弁３６を、流量指示
調節計５１により流量調整弁４１を制御した。温度指示
調節計４７の操作出力がターンダウン下限設定値未満の
場合は、燃料３４および燃焼用空気３９の流量をターン
ダウン下限設定値に相当する温度指示調節計４７の操作
出力の一定値となるよう流量指示調節計５０により流量
調整弁３６を、流量指示調節計５１により流量調整弁４
１を制御しながら、上記（２）式によりバーナ燃焼時間
を演算し、演算したバーナ燃焼時間により、表１の条件
でバーナの燃焼時間を決定し、図４に示すとおり、バー
ナ切替えと同時に蓄熱式バーナ３１を点火燃焼し、バー
ナ燃焼時間が経過すれば、蓄熱式バーナ３１の燃料切替
弁３７および空気遮断弁４２を閉じて燃焼を停止した。

【００２１】そして次の燃焼切替え時には、蓄熱式バー
ナ３２の燃料切替弁３８および空気遮断弁４２を開いて
点火燃焼せしめ、バーナ燃焼時間が経過すれば、蓄熱式
バーナ３２の燃料切替弁３８および空気遮断弁４２を閉
じて燃焼を停止した。これを繰り返し、炉温制御と蓄熱
式バーナ３１、３２の燃焼切替えを実施した。ただし、
バーナ燃焼時間下限が極端に小さくなったときには、バ
ーナが着火する前に燃料切替弁３７または３８、空気遮
断弁４２が閉まるのを防止するため、バーナ燃焼時間の
下限をバーナ切替え時間３分に対し３０秒とした。ま
た、本実施例では、ターンダウン下限値を４０％とした
が、蓄熱体の熱容量と燃焼炉３３の常用制御範囲により
経験的に決定されるものであり、約２０〜７０％程度が
適当な値である。

【００２２】

【表１】

【００２３】本方式を採用することにより、図６に示す
燃料・空気流量制御系を備えた炉内温度制御とバーナ切
替シーケンサをもつ従来方式に対し、炉への入熱制御範
囲が従来方式のバーナ定格に対し２０〜１００％であっ
たものが、７〜１００％までの高範囲の調整が可能であ
った。また、空気比の制御についても、従来バーナ定格
の２０％焚量では、炉内の酸素濃度が高負荷時の２％に
対し、４〜５％まで上昇していたものが、本方式により
炉内酸素濃度制御等の特別な装置なしで、燃焼中は全焚
量範囲で約２％が確保され、熱効率を２％程度改善する
ことができた。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたとおり、この発明方法によれ
ば、燃料および燃焼用空気の流量制御を行うことなく、
燃焼時間の調整によって燃焼炉への入熱を制御でき、燃
料および燃焼用空気の流量制御系が不要となり、設備費
を低減できる。また、この発明方法は、バーナの焚量が
一定焚量より低下した場合に焚量を一定に保持し、燃焼
時間の調整によって燃焼炉への入熱を制御でき、従来に
比較して広い制御範囲が得られると共に、空気比の変動
による熱効率の低下を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１の必要焚量に応じて蓄熱式バーナ燃焼
時間を燃焼切替時間よりも小さい範囲で調整する方式の
制御系統図である。

【図２】実施例１のバーナの点火、消火と切替え時間設
定値と燃焼時間との関係を示す説明図である。

【図３】実施例２の燃料・空気流量制御系を備えた炉内
温度制御とバーナ切替シーケンサをもつ方式の制御系統
図である。

【図４】実施例２のバーナの点火、消火と切替え時間設
定値と燃焼時間との関係を示す説明図である。

【図５】蓄熱式バーナの基本構造の説明図である。

【図６】従来の燃料・空気流量制御系を備えた炉内温度
制御とバーナ切替シーケンサをもつ方式の制御系統図で
ある。

【図７】従来のバーナの点火、消火と切替え時間設定値
と燃焼時間との関係を示す説明図である。

【符号の説明】

１、２、３１、３２、Ａ、Ｂ蓄熱式バーナ３、３３燃焼炉４、３４燃料５、１０流量指示計６、１１、３６、４１流量調整弁７、８、３７、３８燃料切替弁９、３９燃焼用空気１２、４２空気遮断弁１３、４３排ガス・空気切替四方弁１４、４４排気ブロア１５、４５、７３バーナ切替えシーケンサ１６、４６熱電対１７、４７温度指示調節計１８バーナ燃焼時間設定器３５、４０流量計４８ターンダウン判定・バーナ燃焼時間設定器４９ターンダウン下限設定５０、５１流量指示調節計６１炉６２燃焼用空気通路６３燃焼排ガス６４蓄熱体７１炉内温度制御系７２燃料・空気制御系

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】蓄熱体を燃焼用空気通路に配置した１対
または複数対のバーナを所定時間毎に切替えて交互に燃
焼させ、燃焼時に燃焼用空気通路に配置した蓄熱体を通
して燃焼バーナへ燃焼用空気を供給し、非燃焼時に蓄熱
体を通して前記バーナから燃焼排ガスを排出する蓄熱式
バーナの燃焼制御方法において、バーナの燃焼容量をバ
ーナの定格または常用最大の一定値に保ちながら、燃焼
切替時間と必要焚量とによりバーナ燃焼時間を算出し、
燃焼切替時間よりもバーナ燃焼時間を小さい範囲で調整
することを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼制御方法。
【請求項２】蓄熱体を燃焼用空気通路に配置した１対
または複数対のバーナを所定時間毎に切替えて交互に燃
焼させ、燃焼時に燃焼用空気通路に配置した蓄熱体を通
して燃焼バーナへ燃焼用空気を供給し、非燃焼時に蓄熱
体を通して前記バーナから燃焼排ガスを排出する蓄熱式
バーナの燃焼制御方法において、バーナの焚量が予め設
定した所定焚量より低下した時にバーナの燃焼容量をこ
の所定焚量に保ちながら、この所定焚量値と燃焼切替時
間と必要焚量によりバーナの燃焼時間を算出し、燃焼切
替時間よりもバーナの燃焼時間を小さい範囲で調整する
ことを特徴とする蓄熱式バーナの燃焼制御方法。